| 【発明の名称】 |
油性シェービング用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】松尾 玲 【住所又は居所】神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株式会社資生堂リサーチセンター(新横浜)内
【氏名】柳田 威 【住所又は居所】神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株式会社資生堂リサーチセンター(新横浜)内
|
| 【要約】 |
【課題】髭剃り等のシェービング前に肌に塗布して、剃り刃の滑りを良好にし、かつカミソリ負けを生じることもないシェービング用組成物を提供する。
【解決手段】組成物全量に対し、(a)常温液状油分40〜95質量%と、(b)ノニオン性界面活性剤5〜40質量%とを含有し、必要に応じて(c)水0.1〜5質量%を含有する油性シェービング用組成物とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)常温液状油分40〜95質量%と、(b)ノニオン性界面活性剤5〜40質量%とを含有することを特徴とする油性シェービング用組成物。 【請求項2】 さらに、(c)水0.1〜5質量%を含有することを特徴とする請求項1記載の油性シェービング用組成物。 【請求項3】 (b)ノニオン性界面活性剤が、HLB=6〜17であり、かつ常温で液状乃至ペースト状であることを特徴とする請求項1記載の油性シェービング用組成物。 【請求項4】 (b)ノニオン性界面活性剤が、POEグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項3記載の油性シェービング用組成物。 【請求項5】 (a)常温液状油分に、オレフィンオリゴマーから選ばれる一種または二種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の油性シェービング用組成物。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は油性シェービング用組成物に関し、さらに詳しくは髭剃り等のシェービング前に肌に塗布して、剃り刃の滑りを良好にする油性シェービング用組成物に関するものである。 【背景技術】 【0002】 シェービング用化粧料の分野では石鹸を中心とする界面活性剤溶液による泡を利用するもの、すなわちペースト状のシェービングクリームやエアゾール状のシェービングフォームなどが汎用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。 【0003】 石鹸基剤によるシェービング用化粧料を用いた髭剃りの場合にはアルカリによる膨潤作用と剃り刃による物理的ダメージによりかみそり負けを生ずる場合が少なくない。そのためかみそりを用いたウェットシェービングからの顧客離れも見られ、電気式髭剃り器によるドライシェービングがかなりの比率で普及している。 【0004】 しかしながらウェットシェービングとドライシェービングを比較すると髭剃り効果はウェットシェービングの方が高く、そのためカミソリ負けを我慢しつつ、そり残しの少ないウェットシェービングを続ける顧客も多数存在する。 【0005】 【特許文献1】特開平5−221824号公報 【特許文献2】特開平9−165314号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明者らは係る事情に鑑みて鋭意研究の結果、剃り刃の滑りを良好にし、しかもカミソリ負けを防止する効果にも優れたシェービング用組成物を見出し、本発明を完成するに至った。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、(a)常温液状油分40〜95質量%と、(b)ノニオン性界面活性剤5〜40質量%とを含有することを特徴とする油性シェービング用組成物である。 【発明の効果】 【0008】 本発明の油性シェービング用組成物は、髭剃り等のシェービング前に肌に塗布して、剃り刃の滑りを良好にし、かつカミソリ負けを生じることもないものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、本発明の構成について詳述する。 本発明に用いられる(a)常温液状油分とは、25℃の常温において液状を呈する油分であり、例えば、流動パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィンなどの炭化水素油、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、などのエステル油、ホホバ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、綿実油、茶実油、サフラワー油、米糠油などの天然系植物油、デカメチルペンタシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサンなどのシリコーン油などが例示され、これらの一種または二種以上を応用する。 【0010】 本発明においては、(a)常温液状油分として以下に示すような特定のものを含む場合、組成物の粘度が高くなって肌に密着し、垂れ落ちがない油性シェービング用組成物とすることができ、特に好ましいものである。 かかる(a)常温液状油分としては、オレフィンオリゴマーが挙げられる。オレフィンオリゴマーの市販品としては、PureSyn40、PureSyn100、PureSyn150、PureSyn 300、PureSyn 1000(エクソンモービル社)等が挙げられる。オレフィンオリゴマーの好ましい配合量は、全体の粘度が50〜500cpsになるような量である。 【0011】 本発明においてオイル状シェービング用化粧料に配合される(a)常温液状油分の量としては40〜95質量%であり、さらに好適には50〜80質量%である。40質量%未満の場合には相対的に他の構成成分の分量が多くなり本発明に係る油性シェービング用組成物を構成しにくくなる。また95質量%を超える油分を配合しようとすると他の構成成分分量が著しく少ない分率となり水洗性の低下等の好ましくない性質が発現する。 【0012】 本発明に用いられる(b)ノニオン性界面活性剤は、特に限定されないが、通常化粧品に用いられるPOE系界面活性剤等を用いることができる。 例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、などが例示され、脂肪酸残基としてはオレイン酸残基、イソステアリン酸残基、ラウリン酸残基を含むものが好適である。またPOE硬化ヒマシ油系の界面活性剤やソルビタン系界面活性剤も用いることが可能である。 【0013】 (b)ノニオン性界面活性剤の中でも、HLB=6〜17で常温液状ないしペースト状のものが好ましく用いられ、具体的には、POE(6)オレイルエーテル(HLB=8、液状)、POE(10)オレイルエーテル(HLB=10、ペースト状)、POE(5)ラウリルエーテル(HLB=9、液状)、POE(10)ヘキサデシルエーテル(HLB=10、ペースト状)、POE(5)イソステアリルエーテル(HLB=7、液状)、POE(10)ラウリルエーテルイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(12)ジラウレート(HLB=9、ペースト状)、POE(12)ジオレエート(HLB=7、液状)、POE(12)ジイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルイソステアレート(HLB=17、ペースト状)、POE(20)グリセリルイソステアレート(HLB=14、液状)、POE(20)グリセリルトリイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルトリイソステアレート(HLB=11、ペースト状)、POE(30)グリセリルトリオレエート(HLB=10、液状)、POE(10)モノイソステアレート(HLB=12、液状)、POE(10)硬化ヒマシ油(HLB=6、液状)、POE(30)硬化ヒマシ油(HLB=11、ペースト状)、POE(20)硬化ヒマシ油モノラウレート(HLB=8、ペースト状)、POE(60)硬化ヒマシ油モノラウレート(HLB=13、ペースト状)、POE(15)硬化ヒマシ油モノイソステアレート(HLB=6、液状)、POE(50)硬化ヒマシ油モノイソステアレート(HLB=12、ペースト状)、POE(30)硬化ヒマシ油トリイソステアレート(HLB=6、液状)、POE(60)硬化ヒマシ油トリイソステアレート(HLB=10、ペースト状)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB=9、液状)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB=6、油状)などが例示され、これらの一種または二種以上を用いることができる。 【0014】 常温で液状ないしはペースト状でない界面活性剤については少量の併用が可能ではあるものの、配合量によっては低温で固体析出し好ましくない。 【0015】 本発明においては、(b)ノニオン性界面活性剤として以下に示すような特定のものを用いた場合、使用に際して水が加わることによって組成物の粘度が上昇して肌に密着して、垂れ落ちがない油性シェービング用組成物とすることができ、特に好ましいものである。 かかる(b)ノニオン性界面活性剤としては、POEグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。具体的には、POE(40)グリセリルイソステアレート(HLB=17、ペースト状)、POE(20)グリセリルイソステアレート(HLB=14、液状)、POE(20)グリセリルトリイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルトリイソステアレート(HLB=11、ペースト状)、POE(30)グリセリルトリオレエート(HLB=10、液状)等が挙げられる。 【0016】 本発明において油性シェービング用組成物に配合されるノニオン性界面活性剤量としては5〜40質量%であり、さらに好適には7〜20質量%である。 ノニオン性界面活性剤の配合量が5質量%未満の場合には水洗性の低下、安定性の低下を誘発し、40質量%を超える界面活性剤の配合は、もはや水洗性向上には無意味であり界面活性剤の皮膚への負担を考えると化粧品として好ましくない。 【0017】 本発明の油性シェービング用組成物には、さらに(c)水を配合することができ、この時の水としては通常化粧品に配合される精製水が応用できる。水の配合量としては通常、0.1〜5質量%である。配合の目的は性状安定性の向上にあり、好適には0.5〜3質量%である。 【0018】 本発明の油性シェービング用組成物には、通常化粧料に用いられるその他の成分、すなわちグリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの保湿剤、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどの緩衝剤、EDTAなどのキレート剤、BHT、ビタミンEなどの酸化防止剤、エモリエント剤、増粘剤、色素、香料などが併用できることは言うまでもない。 【実施例】 【0019】 次に本発明をより多くの実施例で詳述するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 実施例1 (1)流動パラフィン 61 質量% (2)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 20 (3)POE(8)グリセリルイソステアレート 8 (HLB=9、液状) (4)POE(20)グリセリルトリイソステアレート 10 (HLB=7、液状) (5)精製水 1 (6)BHT 適量 (7)香料 適量 (製法) (1)、(2)の油分を混合したのち(6)の酸化防止剤を溶解する。そこに(3)、(4)の界面活性剤を添加し攪拌混合する。(5)の精製水、次いで(7)の香料を添加し攪拌する。ろ過ののち、容器に充填し油性シェービング用組成物を得る。 【0020】 比較例1(エアゾールタイプシェービングフォーム) グリセリン 10 質量% ポリエチレングリコール 8 ステアリン酸 6 イソステアリン酸 4 苛性カリ 2 LPG 4.5 イオン交換水 残余 【0021】 比較例2(ペースト状シェービングクリーム) エタノール 8 質量% ジプロピレングリコール 7 ポリエチレングリコール 3 カルボマー 1 苛性カリ 0.35 メチルパラベン 0.12 イオン交換水 残余 【0022】 比較例3(固形状洗顔石鹸) 石鹸生地 98.4 質量% エデト酸塩 0.1 香料 1.5 【0023】 日常から石鹸系ウェットシェービング化粧料を使用している10名の男性パネルを用いて、従来の化粧料(比較例1〜3)と実施例1で得られたオイル状シェービング用化粧料を10日間、一日おきに交互に使用してもらい、かみそり負け評価および髭剃り効果評価を行った。その結果を表1に示す。なお剃り刃についてはジレット社製二枚刃製品の新品を貸与して条件の統一を図った。 なお、男性パネルA〜Kの内訳は、日常使用のウェットシェービング化粧料として、エアゾールタイプシェービングフォーム(比較例1)を用いたものが8名(パネルA〜H)、ペースト状シェービングクリーム(比較例2)を用いたものが1名(パネルJ)、固形状洗顔石鹸(比較例3)を用いたものが1名(パネルH)である。 【0024】 <かみそり負け評価> 両ほほを髭剃り後に切創の数を計測し、記録し、総計数にて評価する。その結果を表1に示す。 【0025】 【表1】
【0026】 表1から分かるように、日常品(比較例1〜3)使用による10名・各5回髭剃りの場合の切創数は104個所であり、実施例1使用による10名・各5回髭剃りの場合の切創数は32個所であった。 【0027】 <髭剃り効果評価> 本人の申告により剃り残しの量を定性的に判定し、一対比較で優劣を評価する。 その結果、日常品使用と実施例1使用の場合に定性的には大きな差異は認められなかった。 【0028】 かみそり負け評価結果から判定できるようにパネルが日常使用している石鹸系シェービング化粧料(比較例1〜3)と実施例1に係るシェービング化粧料を使用した場合の髭剃り負けの程度は実施例1の場合の方が明らかに優れている。 また剃り残しの評価では明確な差異が判定できなかったが、これは実施例1に係るオイル状シェービング化粧料が優れた髭剃り補助効果を持っているものと判断できる。 【0029】 以上の評価から理解されるように本発明に係る実施例1のオイル状シェービング化粧料は剃り残しの少ない良好な髭剃り性能を維持しつつ、かみそり負けの発生しにくい優れたものである。 【0030】 実施例2〜7 次の表2に示す処方で油性シェービング用組成物を調製した。得られた油性シェービング用組成物は、表2に示すようにいずれも粘度が高く、垂れ落ちしないものであった。 【0031】 【表2】
【0032】 実施例8〜15 次の表3に示す処方で油性シェービング用組成物を調製した。得られた油性シェービング用組成物は、使用に際して水を加えることで増粘し、垂れ落ちしないものであった。 【0033】 【表3】
【0034】 実施例16〜21 次の表4に示す処方で油性シェービング用組成物を調製した。 【0035】 【表4】
【0036】 実施例22〜30 実施例22〜30では、水分量による保存安定性の変化について調べた。その結果を表5に示す。評価基準は次の通りである。 ○:−10℃で1ヶ月保存後、室温に戻した状態で透明均一 ×:−10℃で1ヶ月保存後、室温に戻した状態で沈殿生成 【0037】 【表5】
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001959 【氏名又は名称】株式会社資生堂 【住所又は居所】東京都中央区銀座7丁目5番5号
|
| 【出願日】 |
平成17年5月10日(2005.5.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090527 【弁理士】 【氏名又は名称】舘野 千惠子
|
| 【公開番号】 |
特開2006−315965(P2006−315965A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−137704(P2005−137704) |
|