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【発明の名称】 薬学的組成物
【発明者】 【氏名】ステファン エー. シャープ

【氏名】ジョエル エー. セキュエイラ

【要約】 【課題】所望の溶解性、安定性、低毒性、実際の投薬量、的確な粒子サイズ(懸濁する場合)、および/もしくは一般に使用される定量吸入器のバルブ構造物との適合性を提供し得ない可能性があるという、先行技術における定量吸入器中の製剤が示す短所を被らないような、喘息の処置用のCFCを含まない製剤、およびそれを生産するプロセスを提供すること。

【解決手段】吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器であって、該吸入用のエアロゾル懸濁液製剤が、有効量のフランカルボン酸モメタゾン、乾燥粉末サーファクタント、およびHFA227を含有し、ここで該製剤は、実質的にキャリアを含まない、定量吸入器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器であって、該吸入用のエアロゾル懸濁液製剤が、以下:有効量のフランカルボン酸モメタゾン、乾燥粉末サーファクタント、およびHFA227を含有し、ここで該製剤は、実質的にキャリアを含まない、定量吸入器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/405,563号(2002年8月23日出願)への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本発明は、クロロフルオロカーボン(CFC)を含まないエアロゾル懸濁液製剤に関する。より詳細には、本発明は、実質的にCFCを含まない製剤、および特定の医療用用途における(特に定量吸入器(metered dose inhaler、MDI)における)特定の有用性を有する製剤に関する。
【0003】
定量吸入器は、気管支拡張性およびステロイド性の化合物を喘息患者に送達するため、ならびにペンタミジンおよび非気管支拡張性抗炎症薬のような他の化合物を送達するために広く使用されたきた、効果的な経口および鼻腔送達システムであった。この様式で投与された化合物の活性の迅速な開始、および有意な副作用が全くないことにより、多くの化合物がこの経路で投与のために処方されている。代表的には、薬物は、適切な蒸気圧を有しかつ経口もしくは鼻腔投与に適切である、1つ以上の噴霧剤を一般的に含む噴霧システムによって、患者に送達される。より好ましい噴霧システムは、代表的にはCFC噴霧剤11、CFC噴霧剤12、CFC噴霧剤114、もしくはそれらの混合物を含む。しばしば、噴霧システムの蒸気圧は、より揮発性の低い液体賦形剤をその噴霧剤に混合することによって調整される。
【0004】
しかし、噴霧剤CFC11、CFC12、およびCFC114は、クロロフルオロカーボンとして知られる化合物のクラスに属する。この化合物は、大気中のオゾンの減少に関連している。オゾンがある程度の有害なUV線をブロックすること、したがって、結果として大気中のオゾン含有量の減少が、皮膚がんの発生を増加させることが推定されている。1970年代に、エアロゾルからのCFCの放出を減少させるため、ある措置が取られた。炭化水素類のような他の噴霧剤が使用されたか、または生成物が異なる様式で送達された。医療用用途におけるCFCの使用が相対的に低い(すなわち、総CFC放出量の1%より少ない)ため、ならびに定量吸入器に関する健康上の利益のため、その時には、定量吸入器内のCFC噴霧剤の使用を制限するために措置は取られなかった。
【0005】
しかし、継続的かつより洗練されたオゾン測定法は、以前のCFC使用制限が不十分であったこと、そしてCFC放出を大きく減らすためには、付加的な、有意義な措置が取られるべきであることを指摘した。CFC生産が事実上中止されるべきであるという提言がなされた。結果として、中長期でCFC噴霧剤を使用し続けることは不可能である可能性がある。他方、非加圧式定量吸入器を使用するために、いくつかの努力がなされてきたが、それらの機器の多くが完全には成功しなかった。これらに関連する性能上の問題のいくつかは:均一の投薬量の送達、機械的複雑さ、エアロゾルコンテナ1単位当たりに必要な投薬量の提供、厳重な規制標準の遵守、ならびに、患者の使用のためにはそれらは大容量であるか、かつ/もしくは扱いにくいために、特に患者が投薬に対する緊急の必要性を有している場合、個人にとって利用することが難しいこと、である。
【0006】
結果として、CFCを含まない加圧式エアロゾル製剤(例えば、実質的にCFCを含まない、定量吸入器)に対する必要性がある。非CFC噴霧剤システムは加圧式定量吸入器としてのいくつかの基準を満たさなければならない。それらは無毒性で、安定で、かつバルブ/作動器内の医薬および他の主成分に対して非反応性でなければならない。適切であると見られている1つの噴霧剤は、CFCHFAFである。これらはまた、HFA227、HFC227、もしくは1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパンとしても知られているが、本明細書中において、以降は、HFA227とする。しかし、HFA227のある種の物理的性質(すなわち極性および溶解性)は、一般に使用されるCFC噴霧剤の性質とは異なる。一般に使用されるサーファクタントはHFA227中では不溶である可能性がある。さらに、医薬は溶液として送達されるべきであるため、その医薬は、この噴霧剤中に容易に可溶でない可能性がある。HFA227がCFC噴霧剤を代替する場合、HFA227と先に使用されたCFC噴霧剤との極性の違いは、医薬の異なる送達という結果をもたらし得る。別のそのような非クロロフルオロカーボン噴霧剤は、ヒドロフルオロカーボン134aである。これらはまた、1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくはHFA134aとしても知られているが、本明細書中において、以降は、HFA134aとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術における、定量吸入器中にHFA227と組合わせたモメタゾン(mometasone)を含む製剤は、噴霧剤と組合わせた結晶状態のモメタゾンを懸濁するためにエタノールを利用する。これらの製剤は長期に渡る安定性を改善した。
【0008】
上記の特定の組合せは、所望の溶解性、安定性、低毒性、実際の投薬量、的確な粒子サイズ(懸濁する場合)、および/もしくは一般に使用される定量吸入器のバルブ構造物との適合性を提供し得ない可能性がある。したがって、上述の短所を被らないような、喘息の処置用のCFCを含まない製剤、およびそれを生産するプロセスの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器であって、該吸入用のエアロゾル懸濁液製剤が、以下:有効量のフランカルボン酸モメタゾン、乾燥粉末サーファクタント、およびHFA227を含有し、ここで該製剤は、実質的にキャリアを含まない、定量吸入器。
(項目2)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約50μg〜約400μgの量で存在する、項目1に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器。
(項目3)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約100μgの量で存在する、項目2に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器。
(項目4)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約200μgの量で存在する、項目2に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器。
(項目5)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約400μgの量で存在する、項目2に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器。
(項目6)
前記乾燥粉末サーファクタントが、レシチン、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、およびラウリン酸マグネシウムからなる群から選択される、項目1に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器。
(項目7)
前記製剤が付加的な賦形剤を含有せず、かつ前記定量吸入器が、該定量吸入器の作動時に均一の薬物内容物を有する投薬量を放出する、項目1に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む、定量吸入器。
(項目8)
前記定量吸入器の作動時に投薬される微粒子のパーセントが約55%〜約85%であり、かつ該微粒子が、約4.7μmよりも小さい粒子サイズを有する、項目1に記載の、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器。
(項目9)
前記定量吸入器の作動時に投薬される微粒子のパーセントが約65%〜約80%であり、かつ該微粒子が、約4.7μmよりも小さい粒子サイズを有する、項目8に記載の定量吸入器。
(項目10)
吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を生産するプロセスであって、該吸入用のエアロゾル懸濁液製剤が、以下:有効量のフランカルボン酸モメタゾンおよび非クロロフルオロカーボンに基づく噴霧剤を含有し;ここで、該製剤はキャリアを含まず、該プロセスは、以下:
a)均一な混合物を形成するために、微粉化されたモメタゾンの乾燥粉末ブレンドを乾燥粉末サーファクタントと混合する工程;
b)該混合物を定量吸入器密閉容器に充填する工程;
c)該密閉容器をメータリングバルブと圧着する工程;および
d)非クロロフルオロカーボンに基づく噴霧剤で該密閉容器を充填する工程、
を包含する、プロセス。
(項目11)
前記乾燥粉末サーファクタントが、レシチン、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、およびラウリン酸マグネシウムからなる群から選択される、項目10に記載のプロセス。
(項目12)
前記非クロロフルオロカーボンに基づく噴霧剤がHFA227である、項目10に記載のプロセス。
(項目13)
項目10に記載のプロセスによって生産される生成物。
(項目14)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約50μg〜約400μgの量で存在する、項目13に記載の生成物。
(項目15)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約100μgの量で存在する、項目14に記載の生成物。
(項目16)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約200μgの量で存在する、項目14に記載の生成物。
(項目17)
前記フランカルボン酸モメタゾンが、約400μgの量で存在する、項目14に記載の生成物。
(項目18)
前記製剤が付加的な賦形剤を含有せず、かつ前記定量吸入器が、該定量吸入器の作動時に均一の薬物内容物を有する投薬量を放出する、項目13に記載の生成物。
(項目19)
前記定量吸入器の作動時に投薬される微粒子のパーセントが約55%〜約85%であり、かつ該微粒子が、約4.7μmよりも小さい粒子サイズを有する、項目13に記載の生成物。
(項目20)
前記定量吸入器の作動時に投薬される微粒子のパーセントが約65%〜約80%であり、かつ該微粒子が、約4.7μmよりも小さい粒子サイズを有する、項目19に記載の生成物。
【0010】
(発明の要旨)
したがって、本発明は、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器に関する。この吸入用のエアロゾル懸濁液製剤は、有効量のフランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)、サーファクタント、およびクロロフルオロカーボンを含まない噴霧剤、好ましくは、HFA227もしくはHFA134aを含有する。ここで、この製剤は、実質的にキャリアを含まない。
【0011】
本発明はまた、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を生産するプロセスに関する。この吸入用のエアロゾル懸濁液製剤は、有効量のフランカルボン酸モメタゾンおよび非クロロフルオロカーボンに基づく噴霧剤を含有し、ここで、この製剤は充填剤ではない。このプロセスは、以下:a)均一な混合物を形成するため、微粉化されたモメタゾンの乾燥粉末ブレンドを乾燥粉末サーファクタントと混合する工程;b)この混合物を定量吸入器密閉容器に充填する工程;c)この密閉容器をメータリングバルブと圧着する工程;および、d)非クロロフルオロカーボンに基づく噴霧剤でこの密閉容器を充填する工程、を包含し、そして、これによって生成物が生産される。
【0012】
本発明はまた、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器に関する。この吸入用のエアロゾル懸濁液製剤は、有効量のフランカルボン酸モメタゾン;乾燥粉末サーファクタント;および、HFA227を含有し、ここで、このフランカルボン酸モメタゾンは、約400μg〜約50μgの量で存在し、この製剤は、付加的な賦形剤を含まず、そして、この定量吸入器は、この定量吸入器の作動時に均一の薬物内容物を有する投薬量を放出する。
【0013】
本発明はまた、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器に関する。この吸入用のエアロゾル懸濁液製剤は、有効量のフランカルボン酸モメタゾン、およびHFA227を含有し、ここで、このフランカルボン酸モメタゾンは、約400μg〜約50μgの量で存在し、この定量吸入器の作動時に投薬される微粒子のパーセントは約55%〜約85%であり、そして、この微粒子は、約4.7μmよりも小さい粒子サイズを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
フランカルボン酸モメタゾン、ELOCON(登録商標)ローション剤、クリーム、および軟膏、ならびにNASONEX鼻用スプレーの活性成分は、化学名9,21−ジクロロ−11(β),17−ジヒドロキシ−16(α)−メチルプレグナ(methylpregna)−1,4−ジエン−3,20−ジオン17−(2フランカルボン酸)、を有する抗炎症用のコルチコステロイドである。これは、実際的に水に不溶であり;メタノール、エタノール、イソプロパノールにわずかに溶け;アセトンおよびクロロホルムに可溶であり;そしてテトラヒドロフランに大量に溶ける。その、オクタノールと水との間の分配係数は、5000より大きい。モメタゾンは、種々の水和物形態、および結晶形態として存在し得る。この生成物は、Schering−Plough Corporation,Kenilworth,New Jerseyから入手可能である。本発明は、医薬がフランカルボン酸モメタゾンである場合、またはその末端塩、鏡像異性体およびクラスレートである場合に、特に有用である。
【0015】
モメタゾンは、例えば、用量あたり約50μgのフランカルボン酸モメタゾンとして、または用量あたり約100μgのフランカルボン酸モメタゾンとして、または用量あたり約200μgのフランカルボン酸モメタゾンとして、または用量あたり約400μgのフランカルボン酸モメタゾンとして、投薬され得る。
【0016】
付加的な活性成分が、本発明の製剤に採用され得る。例えば、フマル酸フォルモテロールは、本発明の製剤に追加され得る、選択的なβ−アドレナリン作動性気管支拡張剤である。フマル酸フォルモテロールは、種々の水和物形態、結晶形態および鏡像異性体形態、例えば、一水和物として存在し得る。この生成物は、Schering−Plough
Corporation,Kenilworth,New Jerseyおよび、Novartis Corporation,East Hanover,New Jerseyから商業的に入手可能である。
【0017】
他の多くは単一の噴霧剤を使用するが、当該分野における噴霧剤に基づく薬学的エアロゾル製剤は、代表的には、液体クロロフルオロカーボンの混合物を噴霧剤として使用する。当該分野で知られているように、その噴霧剤は、活性成分および賦形剤の両方に対してビヒクルとして働く。フルオロトリクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、およびジクロロテトラフルオロエタンは、吸入による投与のためのエアロゾル製剤において最も一般的に使用される噴霧剤である。このようなクロロフルオロカーボン(CFC)は、しかし、オゾン層の破壊に結びつけられており、そしてそれらの生成が減少され続けている。HFA134aおよびHFA227は、多くのクロロフルオロカーボン噴霧剤よりも、オゾンに対して有害性が低いと言われる。そして、各々、あるいは組合せのいずれかとしても、本発明の範囲内にあると見なされる。しかし、従来のクロロフルオロカーボン、もしくはそれらの混合物もまた、本発明の製剤のための噴霧剤として使用され得る。
【0018】
当業者に周知であるように、キャリアおよび/もしくは充填剤は不活性な物質であり、それが存在する場合、活性薬物成分および賦形剤はそのキャリアおよび/もしくは充填剤中またはその表面上に分散される。本発明の製剤が噴霧剤としてHFA227を利用する場合、驚くことに、キャリアは必要でないことが分かった。したがって、吸入用のエアロゾル懸濁液製剤を含む定量吸入器が開示された。この吸入用のエアロゾル懸濁液製剤は、有効量のフランカルボン酸モメタゾンおよびHFA227を含有し、ここでこの製剤は、実質的にキャリアを含まない。本発明の製剤を生産するプロセスは、好ましくは、フランカルボン酸モメタゾンおよび乾燥粉末サーファクタントと組合わせて、HFA227もしくはHFA134aか、またはそれらの組合せを利用する。
【0019】
活性成分は、製剤を保管するコンテナに、次のようにして詰められ得る:医薬を保管するコンテナは、薬剤(medicine)、エタノール、およびサーファクタントを、一度の工程もしくは複数の工程(好ましくは一度の工程)で充填され得る。同様に、噴霧剤もしくは噴霧剤の混合物は、そのコンテナに同じもしくは複数の工程の中で加えられ得る。
【0020】
本発明の製剤は、エアロゾル組成物について当該分野で通例の手順にしたがって作製される。代表的には、2段階充填法において、噴霧剤を除く全ての成分は容器内で混合される。必要な量の上記混合物は、個々の缶へと計量される。バルブがその缶に圧着され、次いで適当な量の噴霧剤がそのバルブを通して加えられる。1段階充填法においては、噴霧剤を含む全ての成分は混合され、容器内に導入される。バルブが缶に圧着され、次いで製剤全体が、缶へと計量される。あるいは、冷却充填法においては、配合容器は噴霧剤の沸点より低い温度に冷却され、(その沸点より低い温度に)冷却された噴霧剤を含む全成分が、その容器に加えられる。必要量の製剤は缶に計量され、次いでバルブが缶に圧着される。
【0021】
本発明の製剤は、従来の充填装置を用いてエアロゾルコンテナに充填され得る。HFA227およびHFA134aは、現在のエアロゾルバルブ構造物に現在利用される全てのエラストマー化合物との適合性がない可能性があるため、それらは他の物質(例えば、白樺ゴム)で置換する必要性か、またはバルブ化合物に対するHFA227もしくはHFA134aの有害な効果を和らげる賦形剤および必要に応じてサーファクタントを利用する必要性があり得る。本発明の懸濁液は、好ましくは、当該分野において公知の加圧充填手順もしくは冷却充填手順のいずれかによって、調製され得る。
【0022】
特定の用途に依存して、コンテナは、単一および複数投薬に関する所定の量の製剤を詰められ得る。代表的には、コンテナは複数回投薬のためのサイズにされ、それゆえに、送達される製剤が各投与において実質的に均一であることは非常に重要である。例えば、製剤が気管支拡張のためであった場合、コンテナは、代表的には、120回もしくは200回の動作に対して十分な量の製剤を詰められ得る。
【0023】
適切な懸濁液は、製剤のいくつかの物理的特性(すなわち、粒子の凝集速度、凝集のサイズ、および粒子の乳化/沈降速度)を観察すること、およびそれらを許容できる標準と比較することによって、部分的にスクリーニングされ得る。そのように、適切な溶液は、全ての推奨保存温度範囲に渡って医薬の溶解性を測定することによって、スクリーニング/評価され得る。
【0024】
定量吸入器に関して、懸濁液は、有効性および安定性を考慮する上で、特に好ましくあり得る。当業者は、製剤の特徴に依存して、1つ以上の保存料、緩衝剤、抗酸化剤、甘味料および/もしくは香料、もしくは他の風味のマスキング剤を加えることを選択し得る。
【0025】
使用可能なメータリングバルブは、作動あたり約25mL〜約100mLの範囲に及ぶ量を送達するが、他方、特定の状態を処置するための投薬に必要な薬物の量は、一般的に、バルブ作動あたり約10μg〜約500μgである。これらの2つの要因の組合せは、所定の製剤のために、前述のエタノールのパラメータ内の点を決定する限界を示す。そのような量の決定は当業者の技術の範囲内である。
【0026】
本発明の、喘息のような下部の呼吸器系疾患を処置するのに適切な製剤においては、少なくとも1つの薬物の実質的な部分が、呼吸可能なサイズ(例えば、最大の寸法が約0.5μmから約10μm)を有する懸濁された粒子として提示される。鼻炎のような上部の呼吸器系疾患を処置するのに適切な製剤においては、多少はより大きな薬物粒子が許容され得るが、依然として前記のサイズ範囲が好ましい。活性化合物が懸濁液を形成する場合、粒子サイズは相対的に均一(実質的に全ての粒子が、好ましくは、約0.1〜25μmの範囲であり、好ましくは0.5〜10μmの範囲であり、より好ましくは、1〜5μmの範囲である)であるべきである。10μmより大きい粒子は口腔咽頭窩に遮られ得、他方0.5μmより小さい粒子は蒸発し、したがって患者の肺に到達しない可能性があるため、利用できない。
【0027】
本発明の別の局面は、第2の粉末サーファクタント(例えば、レシチン、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、およびラウリン酸マグネシウム、および、当該分野で既知である他の適切な乾燥粉末サーファクタントブレンド)とともに散布される薬物粉末フランカルボン酸モメタゾンの、よく混合された2成分ブレンドの散布システムを含む、新規の製剤を包含する。
【0028】
乾燥ブレンドは、例えば、Turbula Mixer T2C中で約5分間、もしくは、当業者に既知である、粉末の均一なブレンドを得るためのそのような時間、混合され得る。この散布システムは、粉末充填装置を用いて、各々の吸入缶内へと個別に計量される。例えば、Autodose Powdernium−One Too Many Systemによって、アルミニウムテフロン(登録商標)(FPT−フッ素化エチレン共重合体(fluorinated ethylene copolymer))コートされた15mL缶、もしくは他のポリマーでコートされた15mL缶に計量される。その缶は、次いで63μLバルブなどに圧着され得、そして、噴霧剤充填装置(例えば、Pamasol Model P2008/012)を用いて、HFA−227もしくはHFA−134a噴霧剤を充填され得る。懸濁生成物を充填された缶は、その後超音波処理機によって超音波処理される(例えば、当業者に公知であるように、Branson 5210 sonicatorで約5分間)。
【0029】
これらの特定の製剤は、付加的な賦形剤および/もしくは添加剤の使用なしに、一定の薬物用量一様性(Drug Dose Uniformity:DDU)を示すMDIにおける薬物の製造を可能にする。このタイプの乾燥2工程充填手順の使用は、充填プロセス中での活性成分の結晶の成長の可能性を排除し、そして、充填プロセスの初め、中間、及び終わりに充填された生成物中における一定の粒子サイズの分布を保証する。この製剤および充填プロセスは、懸濁媒体HFA−227中の粒子の適切な分散、結晶の成長がないこと、凝結がないこと、および、用量の送達における適切なDDUを保証する。
【0030】
発明のある局面は、以下の実施例にさらに記載される。この実施例においては、「パーセント」は、文脈が明らかに他を示さない限り重量パーセントを示す。以下の実施例は、本発明をさらに説明する。
【0031】
以下の乾燥粉末ブレンド試料が調製される。
【実施例】
【0032】
(実施例1)
【0033】
【表1】


調製のため、フランカルボン酸モメタゾン、フマル酸フォルモテロールおよびレシチンの乾燥粉末ブレンドは、上記に特定された量で、Turbula mixer中で5分間直接的に混合する。この後、手動もしくはAutodose Powdernium粉末充填装置などを用いて、混合物を15mLの密閉容器内へと計量する。その後、63μLバルブと圧着し、そして噴霧剤を約10g/缶まで添加する。次いで、5分間超音波処理する。
【0034】
(実施例2)
【0035】
【表2】


表2は、完成した定量吸入器中において、HFA−227と組合わせた場合の種々の量の活性成分およびサーファクタントを記載する。
【0036】
フランカルボン酸モメタゾンのより微小な粒子サイズの分布は、定量吸入器の作動時に吸入器から出る製剤の微粒子分画を改善する。実際、より微小なグレードのフランカルボン酸モメタゾンであるフランカルボン酸モメタゾンを用いたMDIによって、代表的な温度および相対湿度循環条件下で、微粒子のサイズの変化のパーセントは実質的に減少する。この結果は、モメタゾンに関する微粒子分画の増加をもたらし、したがって、モメタゾンの薬物送達を改善をもたらす。したがって、より微小な粒子サイズのグレードの薬物が使用される場合、時間および温度とともに粒子の増大を示さない懸濁された薬物粒子を有する生成物が生成されることがわかった。空気力学的な粒子サイズ分布は、代表的な有効な局所肺用医薬の範囲(例えば、粒子の50%より多くが4.7μmよりも小さい)内に収まっている。時間および温度に伴う有意な粒子の増大もまた示さなかった。
【0037】
生成物の品質と、生成物中で懸濁される対応する薬物のサイズの範囲の低下との間に順位の相関はない。5〜10μmより大きい大きな結晶を高い割合で含む薬物は、代表的な有効な局所肺用医薬の範囲外の空気力学的な粒子サイズの分布を有する生成物を生成することを決定した。より粗な薬物生成物を含む生成物はまた、時間および温度とともに受容できない粒子の増大を示す。
【0038】
薬物生成物に含まれる懸濁されたフランカルボン酸モメタゾン薬物のサイズは、種々の手段で制御され得る。薬物は生成物バッチの製造の前に、より十分に製粉され得る。このことには、微粉化供給速度を減少させること、より大きな粒子を除去するための遠心による分類を用いること、および微粉化装置に物質が供給されるサイクル数を増加する(例えば、2回微粉化する)ことが挙げられ得る。あるいは、薬物は、均一な小さな薬物粒子を作るため、生成物バッチの製造の前に(例えば、超臨界液体技術によって)噴霧乾燥され得る。さらに、製造方法は(例えば、バッチ製造の温度を下げることによって、薬物濃縮物を調製するために使用されるアルコールのレベルを減らすことによって、または、ホモジナイズする時間を減らすことによって)、改変され得る。最後に、当該分野で既知である、薬物粒子サイズを制御する他のプロセス(例えば、サーファクタントもしくは他の粒子サイズ増大遅延のアプローチ)もまた、使用され得る。
【0039】
フランカルボン酸モメタゾンを含む経口MDIの場合において、Anderson Cascade Impactorおよび1Lエントリーポートを用いた場合の100μg/動作強度に対する許容できる生成物の性質の例は、以下に示される。このデータは、定量吸入器の2回の動作に基づくこと注意すべきである。
【0040】
【表3】


グループIにおける粒子のパーセンテージは、約4.1%〜約4.8%に分布する。グループIIにおける粒子のパーセンテージは、約5.4%〜約5.8%に分布する。フィルターに対するグループIIIにおける粒子のパーセンテージは、微粒子が約4.7μmより小さい粒子サイズを有する場合、好ましくは約55%〜約90%の範囲にあるべきである。上表からのデータに基づけば、好ましくは約60%〜約80%、もしくは約75%、もしくは約85%、および約88.3%であるべきである。最後に、グループIVにおける粒子のパーセンテージは、約14.8%〜約18%に分布する。
【0041】
【表4】


グループIにおける粒子のパーセンテージは、約4.6%〜約5.2%に分布する。グループIIにおける粒子のパーセンテージは、約5.2%〜約6.5%に分布する。フィルターに対するグループIIIにおける粒子のパーセンテージは、微粒子が約4.7μmより小さい粒子サイズを有する場合、好ましくは約55%〜約90%の範囲にあるべきである。上表からのデータに基づけば、好ましくは約65%〜約80%、もしくは約75%、もしくは約80%、もしくは約85%、および約87.7%〜約86%であるべきである。最後に、グループIVにおける粒子のパーセンテージは、約13.1%〜約14.2%に分布する。
【0042】
【表5】


グループIにおける粒子のパーセンテージは、約4.7%〜約5.9%に分布する。グループIIにおける粒子のパーセンテージは、約6.6%〜約7.1%に分布する。フィルターに対するグループIIIにおける粒子のパーセンテージは、微粒子が約4.7μmより小さい粒子サイズを有する場合、好ましくは約55%〜約90%の範囲にあるべきである。上表からのデータに基づけば、好ましくは約65%〜約80%、もしくは約75%、もしくは約80%、もしくは約85%、および約85.5%であるべきである。最後に、グループIVにおける粒子のパーセンテージは、約15.5%〜約13.1%に分布する。
【0043】
表3〜5のデータがAnderson Cascade Impactorのエントリーポートのサイズに依存して変化し得ることは、当然当業者に明らかなことである。
【0044】
本発明の種々の実施例についての先の記載は、本発明の種々の局面の代表であり、網羅すること、もしくは開示された正確な形態に限定することを意図していない。当業者にとって、多くの改変および変化が疑いなく想起される。本発明の範囲は、添付された請求項によってのみ、完全に定義されるべきであると意図される。
【出願人】 【識別番号】596129215
【氏名又は名称】シェーリング コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹

【公開番号】 特開2006−312649(P2006−312649A)
【公開日】 平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願番号】 特願2006−218995(P2006−218995)