| 【発明の名称】 |
医薬用の組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 繁樹 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区560番地 ポーラ化成工業株式会社戸塚研究所内
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| 【要約】 |
【課題】1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを含有する、水溶性に優れる、ケーキを製造する手段を提供する。
【解決手段】1)次に示す化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを1質量部に対し2)D−マンニトールを0.1〜100質量部を含有せしめ、これに水溶性担体を加え溶解し、しかる後、急激に冷却し、凍結せしめ、凍結乾燥を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1)次に示す化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを1質量部に対し2)D−マンニトールを0.1〜100質量部を含有することを特徴とする、医薬用の組成物。 【化1】
化学式1 【請求項2】 前記化学式1に表される化合物が、化学式2に表される立体構造の異性体と化学式2に表される立体構造の異性体のRS・SRラセミ体であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬用の組成物。 【化2】
化学式2 【化3】
化学式3 【請求項3】 1)医薬製剤乃至は2)医薬製剤の製造の為の中間製造物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬用の組成物。 【請求項4】 組成物の製造過程及び使用過程に於いて、化学式1の構造の1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールと、D−マンニトールとをともに水性担体に溶解させた性状にせしめる工程を有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の医薬用の組成物。 【請求項5】 化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールのケーキの製造方法であって、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール1質量部にD−マンニトールを0.1〜100質量部を加え、これに50〜200質量部の水性担体を加えて、一様な溶液状態と為し、これを容器に充填した後、該容器を、容器内に冷媒が浸入することなく、−60℃以下の冷媒に浸漬し凍結せしめ、しかる後に容器内を減圧し、24〜72時間凍結乾燥することを特徴とする、ケーキの製造方法。 【請求項6】 前記冷媒がドライアイス・アルコール混合冷媒であることを特徴とする、請求項5に記載のケーキの製造方法。 【請求項7】 化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールのケーキの製造方法であって、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール1質量部にD−マンニトールを0.1〜100質量部を加え、これに50〜200質量部の水性担体を加えて、一様な溶液状態と為し、これを容器に充填した後、該容器を冷凍機にて、1〜3時間かけて−60℃まで冷却し、しかる後に減圧し、24〜72時間凍結乾燥することを特徴とする、請求項5に記載のケーキの製造方法。 【請求項8】 前記容器がバイアル容器であることを特徴とする、請求項5〜7何れか1項に記載のケーキの製造方法。 【請求項9】 ケーキが医薬用の組成物であることを特徴とする、請求項5〜8何れか1項に記載のケーキの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、医薬製剤或いは医薬製剤の中間製造物として有用な医薬用の組成物と、その製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 2−ニトロイミダゾール誘導体は、癌放射線療法において、放射線抵抗性を有する、低酸素性の癌細胞の、放射線感受性を高め、放射線療法の効果を高める有用な薬剤であることが既に知られている。この様な2−ニトロイミダゾール誘導体の内でも、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールは、親水性が高く、神経細胞への移行性が殆ど存しないため、中枢毒性のない放射線増感剤として現在臨床試験中である。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)又、かかる物質においては、この様な低酸素性細胞に対する放射線増感効果以外にも、核酸水酸化物消去作用(例えば、特許文献4を参照)、アポトーシス・シグナル保持作用(例えば、特許文献5を参照)などが存し、癌治療においては有用な薬剤であると言える。 【0003】 かかる1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールは、2つの不斉炭素を有し、RR体、SS体、SR体、RS体の4つの立体異性体が存し、現在臨床応用が考えられているのは、SR体とRS体のラセミ体である。これらの1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールは何れも結晶性に優れ、水溶性も脂溶性も有する、腫瘍親和性が高いなどの特性を有しており、それは非環状糖ヌクレオシド類似構造に起因するものであると言われている。言い換えれば、結晶性と水溶性、脂溶性の両親媒性とは、腫瘍に対する効果と密接に結びついたものであると言える。 【0004】 その反面、結晶性の良さと両親媒性であることとは、水性担体への溶かしやすさの点では、結晶構造を崩して、溶かすために多くの労力を要し、使用性を損なっているとも言えるし、又、凍結乾燥などを行ってケーキを形成させる上でも、一部巨大結晶化したり、飴状を呈したりして、製造上の困難性も存する。この為、製剤としては溶液剤の形態にならざるを得ない状況にあると言える。この傾向はRS・SRラセミ体においては特に著しい。これは立体構造上、RS体の水酸基とSR体の水酸基とが立体的に水素結合を形成しやすく、相補しており、安定な複合体となるためであると考えられている。この様な状況は、凍結乾燥製剤に止まらず、溶液製剤を製造する場合に於いても、或いは、顆粒剤や錠剤などの製剤を製造する場合に於いても、生体での吸収を的確にする為には、製造性、溶解性の向上と均一化を保証する重要な課題となっている。即ち、言い換えれば、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを有効成分とする医薬製剤において、このものを含有する、水溶性に優れるケーキを製造する手段の開発が望まれていたが、その様な手段は今のところ存していないが現状であると言える。 【0005】 一方、1)次に示す化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを1質量部に対し2)D−マンニトールを0.1〜100質量部を含有する組成物は全く知られていないし、この様な構成により、水溶性に優れるケーキが形成されることも全く知られていなかった。 【0006】 【特許文献1】特開平3−223258号公報 【特許文献2】WO1994/014778 【特許文献3】特開2003−321459号公報 【特許文献4】特開2005−27515号公報 【特許文献5】特開平9−77667号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、この様な状況下為されたものであり、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを含有する水溶性に優れるケーキを製造する手段を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、この様な状況に鑑みて、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを含有するケーキを製造する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)次に示す化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを1質量部に対し2)D−マンニトールを0.1〜100質量部を含有する組成物を水性担体に溶解せしめ、凍結乾燥させることにより、ケーキが得られることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。 (1)1)次に示す化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを1質量部に対し2)D−マンニトールを0.1〜100質量部を含有することを特徴とする、医薬用の組成物。 【0009】 【化1】
化学式1 【0010】 (2)前記化学式1に表される化合物が、化学式2に表される立体構造の異性体と化学式2に表される立体構造の異性体のRS・SRラセミ体であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬用の組成物。 【0011】 【化2】
化学式2 【0012】 【化3】
化学式3 【0013】 (3)1)医薬製剤乃至は2)医薬製剤の製造の為の中間製造物であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の医薬用の組成物。 (4)組成物の製造過程及び使用過程に於いて、化学式1の構造の1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールと、D−マンニトールとをともに水性担体に溶解させた性状にせしめる工程を有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の医薬用の組成物。 (5)化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールのケーキの製造方法であって、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール1質量部にD−マンニトールを0.1〜100質量部を加え、これに50〜200質量部の水性担体を加えて、一様な溶液状態と為し、これを容器に充填した後、該容器を、容器内に冷媒が浸入することなく、−60℃以下の冷媒に浸漬し凍結せしめ、しかる後に容器内を減圧し、24〜72時間凍結乾燥することを特徴とする、ケーキの製造方法。 (6)前記冷媒がドライアイス・アルコール混合冷媒であることを特徴とする、(5)に記載のケーキの製造方法。 (7)化学式1に構造を示す1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールのケーキの製造方法であって、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール1質量部にD−マンニトールを0.1〜100質量部を加え、これに50〜200質量部の水性担体を加えて、一様な溶液状態と為し、これを容器に充填した後、該容器を冷凍機にて、1〜3時間かけて−60℃まで冷却し、しかる後に減圧し、24〜72時間凍結乾燥することを特徴とする、(5)に記載のケーキの製造方法。 (8)前記容器がバイアル容器であることを特徴とする、(5)〜(7)何れか1項に記載のケーキの製造方法。 (9)ケーキが医薬用の組成物であることを特徴とする、(5)〜(8)何れか1項に記載のケーキの製造方法。 【発明の効果】 【0014】 本発明によれば、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを含有する、水溶性に優れる、ケーキを製造する手段を提供することができる。尚、本発明に於いて、「ケーキ」とは固形集合体であり、その存在形態は、微細結晶集合体を取ることも出来るし、アモルファス集合体の形態を取ることも出来るし、これらの混合集合体を取ることも出来る。又、水溶性に優れるとは、50倍程度の水を入れ、5分間程度浸透した場合に、残査なく、溶解する性質を意味する。微細結晶とは、この様な水溶性を維持するのに充分な程度の大きさの結晶を意味し、巨大結晶とは、この様な溶解条件下、残存する程度に大きい結晶を意味する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 (1)本発明の医薬用の組成物の必須成分である1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール 本発明の医薬用の組成物は、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを必須成分として含有し、ケーキであることを特徴とする。かかる化合物にはRS体、SR体、RR体、SS体の4つの立体異性体が存し、本発明の医薬用の組成物では、これらの光学活性体を使用することも出来るし、光学活性体が混合した、ラセミ体などの混合物を使用することも出来る。特に好ましいものは、SR体とRS体の体であり、これは、このラセミ体の結晶性が良いため、溶解せしめるのに困難が存し、本発明の効果が著しい為と、臨床試験において、実際に有効性が確かめられているためである。かかる化合物は、特許文献1或いは特許文献2に記載された方法に従って製造することが出来、例えば、2−ニトロ−1−トリメチルシリルイミダゾールと2−アセトキシメトキシ−1,3,4−トリアセトキシブタンとをルイス酸の存在下縮合させ、しかる後に、ナトリウムメトキシドなどを反応させて脱アセチル化することにより、製造することが出来る。この時、2−アセトキシメトキシ−1,3,4−トリアセトキシブタンの立体特性が、最終生成物の1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールにも反映される。本発明の医薬用の組成物では、かかる1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを1質量部、医薬用の組成物全量に対しては、好ましくは、1〜90質量%、より好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは、15〜60質量%含有する。これは少なすぎると、医薬製剤において充分な量の1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールを含有することが出来なくなるし、多すぎると製剤成分の含有量が少なくなり過ぎ、良好な性状の医薬用の組成物を製造できない場合が存するためである。 【0016】 (2)本発明の医薬用の組成物の必須成分であるD−マンニトール 本発明の医薬用の組成物は、必須成分としてD−マンニトールを、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールの1質量部に対して、0.1〜100質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは0.7〜5質量部含有することを特徴とする。本発明の医薬用の組成物に於いて、かかる成分は、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールの結晶化と、飴化を防ぎ、凍結乾燥過程に於いて、支持体となって、ケーキを生成せしめる効果を有する。前記の含有量以下である場合には、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールの結晶化、特に巨大結晶が析出する結晶化の現象が起こり、水溶性が損なわれる場合が存し、この様な現象が起こると本発明の効果が損なわれることがあるので好ましくない。又、多すぎると有効成分である1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールの含有量が少なくなり過ぎ、医薬製剤において、有効量を配合できない場合が存し好ましくない。医薬用の組成物全量に対するD−マンニトールの含有量は5〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、35〜80質量%が更に好ましい。 【0017】 (3)本発明の医薬用の組成物 本発明の医薬用の組成物は、前記必須成分を含有し、ケーキを形成しており、医薬製剤の製造のための用いられることを特徴とする。ここで、医薬製剤の製造のために用いられるとは、本発明の医薬用の組成物自身を包装し、医薬製剤とすることも出来るし、本発明の医薬用の組成物を、粉砕など加工したり、他の製剤成分とともに処理して、溶液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の製剤に製剤化し、医薬製剤とすることが出来ることを意味する。後者については、医薬製剤の製造の為の中間製造物と表現する。前者に於いては、例えば、本発明の医薬用の製剤がバイアル瓶中に存在する形態で、用時に水性担体を加えることにより、容易に注射液となる様な注射製剤のように、水性担体に対する溶解性に優れる医薬製剤とすることが出来、後者の場合には、生体内で速やかに溶液状になり、吸収に優れ、生体利用性の高い医薬製剤、或いは、溶液状体で長時間の結晶析出の抑制ができる製剤とすることが出来る。 【0018】 本発明の医薬用の組成物には、前記必須成分以外に、医薬の製剤において通常使用される任意の製剤成分を、本発明の効果を損ねない範囲において、含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マクロゴールの様な多価アルコール類、塩化ナトリウムのような等張化剤、リン酸塩のような緩衝塩、結晶セルロースや澱粉のような賦形剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような非イオン界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤、アラビアゴムのような増粘多糖類、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、ヒドロキシプロピルセルロースのような結合剤、「オイドラギット」(登録商標)の様な被覆剤等が好適に例示できる。 【0019】 本発明の医薬用の組成物は、単純に成分を混合することによっても製造することが出来るが、好ましくは、成分全体が一様に存在するケーキを形成した形態に加工し用いることである。この様な性状にするには、構成成分を一度全て水性担体中に一様に溶解させ、これを急激に凍結させ、しかる後に減圧乾燥させ、ケーキに加工することが好ましく例示できる。水性担体としては、水乃至は生理食塩水が好ましく例示でき、その量としては、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾールの1質量部に対して、50〜200質量部が好ましく例示できる。急激な冷却としては、−40以下、好ましくは−60℃以下に冷却した冷媒中に、前記溶液を容器に充填したものを、冷媒が浸入しないように浸漬し、一気に凍結させる方法や冷凍機にて、1〜3時間かけて−60℃まで冷却する方法が好ましく例示できる。冷媒を用いて凍結する場合、凍結に至るまでに要する時間は20分以内、より好ましくは15分以内であることが好ましい。この様な条件を備えた冷媒としては、ドライアイス・メタノールなどのドライアイス・アルコール、ドライアイス・アセトン、液体窒素などが好適に例示できる。この中では、ドライアイス・アルコールを用いることが、冷却効果の点で特に好ましい。 【0020】 前記、本発明の医薬用の組成物を用いて、製剤化のための成分を加え、医薬製剤に加工するには、前記に挙げたような任意成分、即ち、マクロゴールの様な多価アルコール類、塩化ナトリウムのような等張化剤、リン酸塩のような緩衝塩、結晶セルロースや澱粉のような賦形剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような非イオン界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤、アラビアゴムのような増粘多糖類、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、ヒドロキシプロピルセルロースのような結合剤、「オイドラギット」(登録商標)の様な被覆剤等と本発明の医薬用の組成物とを、常法に従って処理すればよい。 【0021】 以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。 【実施例1】 【0022】 以下に示す処方に従って、本発明の医薬用の組成物を製造した。即ち、処方成分を80℃でソニケーションして溶解せしめ、バイアル瓶1本に10mlずつ、50本に充填し、直ちにドライアイス・エタノール中に浸漬し、凍結せしめ、凍結乾燥機に仕掛け、真空ポンプで減圧しながら、72時間凍結乾燥を行った。凍結乾燥品の性状を観察した後、ケーキを形成しなかったものを計数した。又、各10本を抜き取り、10mlの蒸留水を加え、10分間良く振とうして、その溶状を観察し、不溶物の存在した本数を計数した。同様にして、D−マンニトールの含有量が少なすぎる比較例1も作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。本発明の医薬用の組成物はケーキを形成し、水への溶解もスムーズであることが判る。 【0023】 【表1】
*化合物;1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール 【0024】 <比較例2> 実施例1の組成物2の処方のD−マンニトールをグリシンに置換して、同様に処理したところ、ケーキの状態は結晶の混合物となり、ケーキの不良数は24本であった。又、溶状試験での不溶物のあったバイアル数は10本(全て)であった。 【0025】 <比較例3> 実施例1の組成物2の処方のD−マンニトールを除去して、同様に処理したところ、凍乾後の状態は結晶と飴の混合物となり、ケーキの不良数は50本であった。又、溶状試験での不溶物のあったバイアル数は10本(全て)であった。 【実施例2】 【0026】 実施例1の組成物2の処方を用いて、実施例1とは冷媒を変えて、実施例1と同様の検討を行った。即ち、処方成分を80℃でソニケーションして溶解せしめ、バイアル瓶1本に10mlずつ、50本に充填し、凍結乾燥機に仕掛け、冷却を開始し、4時間で−40℃まで冷却し、この温度を保持しながら凍結せしめ、真空ポンプで減圧しながら、72時間凍結乾燥を行った。凍乾後にケーキは形成し、ケーキの不良は1個であったが、不溶物のバイアル数は2本存した。 【実施例3】 【0027】 実施例1の組成物2と同様に作成した本発明の医薬用の組成物を中間製造物として、下記処方に従って、顆粒剤1を作成した。比較例4として、下記に処方を示す如く、1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール(処方中は単に「化合物」と記載する。)を結晶として用いた顆粒も同様に作成した。100倍量の水を加えて20分間振とうする溶解試験では、顆粒剤1は全て溶解乃至は分散したが、比較例4は結晶が残った。更に、30分振とうを続けても比較例4は結晶が残存した。これにより本発明の効果が証明された。 【0028】 (顆粒剤1の処方) 組成物2 50 質量% 結晶セルロース 24.9質量% 乳糖 20 質量% ヒドロキシプロピルセルロース 5 質量% ステアリン酸マグネシウム 0.1質量% 製法) 処方成分をグラッド造粒装置に仕込み、攪拌しながら30%エタノールの上記処方成分の全量の1割の量を噴霧し、造粒し、40℃で48時間送風乾燥した後、篩過して100メッシュパス・200メッシュオンの分画を集め、顆粒剤1とした。 【0029】 (比較例4の処方) <1> 「化合物」 10 質量% 結晶セルロース 40 質量% <2> 結晶セルロース 24.9質量% 乳糖 20 質量% ヒドロキシプロピルセルロース 5 質量% ステアリン酸マグネシウム 0.1質量% 製法) <1>の成分を混合した後、ハンマーミルで粉砕し、<2>の成分とあわせて、グラッド造粒装置に仕込み、攪拌しながら30%エタノールの上記処方成分の全量の1割の量を噴霧し、造粒し、40℃で48時間送風乾燥した後、篩過して100メッシュパス・200メッシュオンの分画を集め、比較例4とした。 【実施例4】 【0030】 実施例3と同様の顆粒剤の製造において、予め中間製造物である本発明の組成物2を用いずに、D−マンニトールと1−(1−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシメチル−2−ニトロイミダゾール(処方中は単に「化合物」と記載する。)の混合物を用いて顆粒剤2を製造した。このものは、100倍量の水を加えて20分間振とうする溶解試験では、結晶が残ったが、更に振とう時間を延長して30分とすると、残った結晶は全て溶解した。 【0031】 (顆粒剤2の処方) <1> 「化合物」 10 質量% D−マンニトール 40 質量% <2> 結晶セルロース 24.9質量% 乳糖 20 質量% ヒドロキシプロピルセルロース 5 質量% ステアリン酸マグネシウム 0.1質量% 製法) <1>の成分を混合した後、ハンマーミルで粉砕し、<2>の成分とあわせて、グラッド造粒装置に仕込み、攪拌しながら30%エタノールの上記処方成分の全量の1割の量を噴霧し、造粒し、40℃で48時間送風乾燥した後、篩過して100メッシュパス・200メッシュオンの分画を集め、顆粒剤2とした。 【産業上の利用可能性】 【0032】 本発明は放射線増感のための医薬製剤の製造に応用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000113470 【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社 【住所又は居所】静岡県静岡市駿河区弥生町6番48号
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| 【出願日】 |
平成17年5月9日(2005.5.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−312598(P2006−312598A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月16日(2006.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2005−135662(P2005−135662) |
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