| 【発明の名称】 |
角膜疾患治療剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 隆仁 【住所又は居所】富山県富山市荒川1丁目3番27号 テイカ製薬株式会社内
【氏名】藤下 繁人 【住所又は居所】富山県富山市荒川1丁目3番27号 テイカ製薬株式会社内
【氏名】川田 寛義 【住所又は居所】富山県富山市荒川1丁目3番27号 テイカ製薬株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】近年増加している角膜疾患を有効に治療、改善することのできる薬物を見出し、これを有効成分とする角膜疾患治療剤を提供すること。
【解決手段】イルソグラジンまたはその塩を有効成分とする角膜疾患治療剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 イルソグラジンまたはその塩を有効成分とする角膜疾患治療剤。 【請求項2】 剤型が点眼剤である請求項1に記載の角膜疾患治療剤。 【請求項3】 角膜上皮障害に適用されるものである請求項1または請求項2に記載の角膜疾患治療剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は角膜疾患治療剤に関し、更に詳細には、特に剤型が点眼剤であり、角膜上皮障害に適用される角膜疾患治療剤に係るものである。 【背景技術】 【0002】 角膜上皮障害は大きく、(1)感染症等炎症によるもの、(2)遺伝性疾患、(3)外因性の物理的外傷および薬品等による化学的外傷、(4)栄養障害の4群に分けられる。 【0003】 この中でも、近年パーソナルコンピューターや、コンタクトレンズの普及により涙液分泌不全(いわゆるドライアイ)に伴う物理的外傷による角膜疾患や、花粉症に起因する角膜疾患、中でも特に角膜上皮障害が増加しており、角膜疾患または角膜上皮障害に対して有効な薬剤が求められている。 【0004】 現在、角膜疾患治療に用いられている薬剤としては、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等の粘弾性物質を含む人工涙液が知られており、主にこれらの保水効果により治癒を促進している。しかしながら、その治療効果には限界があり、しかも角膜疾患を根本から治療するものであるとは言えなかった。そのため、全く新しい角膜疾患治療剤が求められていた。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 従って本発明の課題は、近年増加している角膜疾患を有効に治療、改善することのできる薬物を見出し、これを有効成分とする角膜疾患治療剤を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者らは、種々の薬物について、角膜疾患の治療効果について検索を行っていたところ、既に内服剤として胃潰瘍や胃粘膜病変治療に広く用いられているマレイン酸イルソグラジンが、角膜疾患に対する優れた治療効果を有することを見出し、本発明を完成した。 【0007】 すなわち本発明は、イルソグラジンまたはその塩を有効成分とする角膜疾患治療剤である。 【0008】 また本発明は、剤型が点眼剤である上記の角膜疾患治療剤および特に角膜上皮障害に適用される上記角膜疾患治療剤である。 【発明の効果】 【0009】 本発明の角膜疾患治療剤は、角膜疾患治癒、特に角膜上皮障害治癒を有意に促進する効果を有するものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明において、角膜疾患とは、種々の要因により角膜が損傷した状態を指し、具体的には物理的・化学的刺激、アレルギー、細菌・真菌・ウィルス感染等による角膜炎のほか、角膜潰瘍、角膜上皮剥離(角膜びらん)、角膜上皮浮腫、角膜熱傷、化学物質等による角膜腐蝕、ドライアイ等を指称する。 【0011】 本発明の角膜疾患治療剤は、イルソグラジンまたはその塩を有効成分とするものである。この有効成分であるイルソグラジンおよびその塩は、抗潰瘍作用を有する薬物であり、その一つであるマレイン酸イルソグラジン(2,4−ジアミノ−6−(2,5−ジクロロフェニル)−1,3,5−トリアジンマレイン酸塩)は、既に内服剤として胃潰瘍や胃粘膜病変治療に広く用いられている。しかし、本成分が角膜疾患治療剤、特に角膜上皮障害治療剤として有効であることは未だ知られていない。 【0012】 本発明の角膜疾患治療剤における、イルソグラジンまたはその塩の含有量は、例えば、マレイン酸イルソグラジンを使用して点眼剤、洗眼剤等の液剤とする場合、通例、0.01w/v%〜3w/v%程度であり、好ましくは0.05w/v%〜1w/v%、特に好ましくは0.1w/v%〜0.5w/v%である。 【0013】 本発明の角膜疾患治療剤は角膜に適用することのできる任意の剤型とすることが可能であるが、通常、点眼剤、洗眼剤、眼軟膏等の形態が望ましく、中でも特に点眼剤の形態が望ましい。 【0014】 例えば、本願発明の角膜疾患治療剤を点眼剤とする場合、この点眼剤には有効成分であるイルソグラジンまたはその塩以外に、緩衝剤、等張化剤、溶解剤、界面活性剤、安定化剤、防腐剤、pH調整剤等種々の任意成分を用いることができる。 【0015】 この任意成分としては、具体的に、リン酸ニ水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、モノエタノールアミン、トロメタモール等の緩衝剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、ブドウ糖等の等張化剤、エタノール、ひまし油等の溶解剤、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、ベンジルアルコール等の防腐剤、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤をそれぞれ例示することができる。 【0016】 また、本願発明の角膜疾患治療剤は、作用機序が異なると考えられる他の角膜疾患治療剤成分を同時に使用することにより、治療効果を相加的または相乗的に増強させることも可能である。上記他の角膜疾患治療剤としては、例えば、ヒアルロン酸またはその塩や、コンドロイチン硫酸またはその塩が挙げられる。これらの他の角膜疾患治療剤成分は、イルソグラジンまたはその塩との合剤としても、また、別個に単剤の角膜疾患治療剤とし、同時に使用するようにしても良い。 【0017】 かくして得られる角膜疾患治療剤は、角膜疾患の種類や、程度に応じて適宜角膜に投与することができるが、一般的には、片眼当たり0.01ないし0.1mL程度の量を、1日あたり、3ないし6回程度投与すればよい。 【実施例】 【0018】 以下、実施例および試験例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明の角膜疾患治療剤は、以下に記載する実施例等により何ら制約されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0019】 実 施 例 1 角膜疾患治療剤−1: ( 組 成 ) マレイン酸イルソグラジン 0.1g ポリソルベート80 2g エタノール 5g 生理食塩水 全量を100mLとする量 【0020】 ( 製 法 ) マレイン酸イルソグラジンをエタノールに溶解した後、この溶液にポリソルベート80を添加した。次いで、これに生理食塩水を加え、全量を100mLとして、剤型が点眼剤である角膜疾患治療剤を得た。 【0021】 実 施 例 2 角膜疾患治療剤−2: ( 組 成 ) マレイン酸イルソグラジン 0.3g ポリソルベート80 5g エタノール 5g 生理食塩水 全量を100mLとする量 【0022】 ( 製 法 ) マレイン酸イルソグラジンをエタノールに溶解した後、この溶液にポリソルベート80を添加した。次いで、これに生理食塩水を加え、全量を100mLとして、剤型が点眼剤である角膜疾患治療剤を得た。 【0023】 実 施 例 3 油性基剤点眼剤: ( 組 成 ) マレイン酸イルソグラジン 0.3g ひまし油 99.7g 【0024】 ( 製 法 ) マレイン酸イルソグラジンとひまし油を常法により混合して、剤型が油性基剤点眼剤である角膜疾患治療剤を得た。 【0025】 実 施 例 4 眼 軟 膏 : ( 組 成 ) マレイン酸イルソグラジン 0.3g 流動パラフィン 30.0g ワセリン 69.7g 【0026】 ( 製 法 ) マレイン酸イルソグラジンを、流動パラフィンとワセリンの混合物中に加え、常法により撹拌混合して、剤型が眼軟膏である角膜疾患治療剤を得た。 【0027】 試 験 例 (1)創傷作成 成熟白色家兎(体重約2kg)に、ペントバルビタールナトリウム(0.4mL/kg)を耳静脈麻酔し、開瞼器で瞼を大きく開き、ベノキシール点眼液30μLを点眼して眼表面麻酔した。その後、n−ヘプタノールで湿潤したメンブランフィルター(直径6mm)をウサギの角膜中央に1分間静置して角膜損傷を発生させ、フィルター除去後、眼を滅菌生理食塩水で十分に洗浄した。 【0028】 なお、創傷作成直後に、各群における創傷作成直後の創傷面積に有意差が認められないことを後述する治癒観察と同様の手順にて確認した。 【0029】 (2)製剤投与 創傷作成後3、4および5時間後に、実施例1および実施例2の角膜疾患治療剤(点眼剤)を100μL点眼した。また、実施例1に対しては2%エタノールおよび2%ポリソルベート80を含有する生理食塩水を、実施例2に対しては5%エタノールおよび2%ポリソルベート80を含有する生理食塩水をそれぞれ対照として用いた。 【0030】 (3)染色および治癒観察 創傷作成から24時間後に、1%フルオレセイン水溶液(50μL)を点眼して眼を染色し、染色後、余分なフルオレセインを滅菌生理食塩水で洗い流した。次にフォトスリットランプに装着したデジタルカメラにて角膜の写真撮影を行い、創傷の治癒具合を観察した。 【0031】 (4)評価 各実験において製剤投与後、および24時間後における染色面積を画像処理ソフトウェアを用いて、開瞼器のラベル幅(5mm)を基準として測定し、これを創傷面積とした。その結果より、治癒率を下式に従って算出した。 【0032】 治癒率(%)=[1−(SB/SA)]×100 SA:創傷作成直後の創傷面積 SB:製剤投与後の創傷面積 【0033】 角膜疾患治療剤−1についての試験結果を表1に、角膜疾患治療剤−2についての試験結果を表2にそれぞれ示す。 【0034】 【表1】
【0035】 【表2】
【0036】 以上のように、本発明の角膜疾患治療剤は、優れた角膜上皮障害治癒作用を有することが示された。 【産業上の利用可能性】 【0037】 本発明のマレイン酸イルソグラジンを有効成分とする製剤は、角膜疾患治癒、特に角膜上皮障害治癒を有意に促進する効果を有するものである。従って、本製剤は角膜疾患の新規な治療剤として有効なものである。 以 上
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| 【出願人】 |
【識別番号】390031093 【氏名又は名称】テイカ製薬株式会社 【住所又は居所】富山県富山市荒川一丁目3番27号
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| 【出願日】 |
平成17年4月27日(2005.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086324 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 信夫
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| 【公開番号】 |
特開2006−306757(P2006−306757A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月9日(2006.11.9) |
| 【出願番号】 |
特願2005−129450(P2005−129450) |
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