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【発明の名称】 育毛剤
【発明者】 【氏名】笹嶋 美知代
【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

【氏名】伊藤 紀子
【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

【氏名】楠奥 比呂志
【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】安全性が高く、毛再生効果に優れる育毛剤を提供する。

【解決手段】ユキノシタ又はその抽出物を有効成分とする育毛剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユキノシタ又はその抽出物を有効成分とする育毛剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、養毛・育毛効果を発揮する育毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
男性型脱毛症、円形脱毛症などの脱毛症の多くは、未だその発症機序の詳細が不明である。従来これらの脱毛症の治療には、経験的に、血行促進剤、免疫抑制剤、代謝促進剤、ビタミン剤、抗男性ホルモン剤等の薬剤が用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの薬剤は、症状や体質によっては効果が異なる場合が多く、その効果も未だ満足できるものではない。また、多量に使用すると適応部位に不快な刺激感を与えたり、継続使用により皮膚炎が発生するといった場合もある。
【0004】
一方、ユキノシタは、解熱、解毒、消炎作用を有し、古くから民間薬として使用されている植物である。最近では、表皮細胞賦活作用があり、肌荒れ、乾燥等に有用であることが報告されている(特許文献1)。しかしながら、ユキノシタに育毛作用があることはこれまでに知られていない。
【特許文献1】特開2003−292432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、症状や体質にかかわらず、発毛・育毛を促進し、種々の脱毛症に有効な育毛剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、安全性が高い天然物を探索したところ、ユキノシタ又はその抽出物が優れた毛再生作用を有することを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、ユキノシタ又はその抽出物を有効成分とする育毛剤に係るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の育毛剤を頭皮等に適用することにより、適用部位において、優れた発毛・養毛・育毛作用が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明におけるユキノシタ(雪の下)とは、ユキノシタ科(Saxifragaceae)のユキノシタ(Saxifraga stolonifera)を意味する。当該ユキノシタは、全草、葉、茎、果実等をそのまま又は粉砕して用いることができるが、全草又は葉を使用するのが好ましい。
【0010】
ユキノシタの抽出物としては、上記のユキノシタを常温又は加温下にて抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその乾燥末が挙げられる。
【0011】
本発明の抽出物を得るための抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられ、このうち、ヘキサン、超臨界二酸化炭素などの低極性溶媒を用いるのが好ましい。
【0012】
抽出条件は、使用する溶媒によっても異なるが、例えばヘキサンにより抽出する場合、ユキノシタ1重量部に対して1〜50重量部の溶剤を用い、4〜100℃、好ましくは室温〜60℃の温度で、1時間〜150日間、より好ましくは1日〜30日間抽出するのが好ましい。
【0013】
上記の抽出物は、そのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮若しくは凍結乾燥した後、必要に応じて粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。
また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。これらは、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。
【0014】
本発明のユキノシタ又はその抽出物は、後記実施例に示すように、優れた毛再生作用を有することから、発毛・養毛・育毛作用及び脱毛予防効果を奏する医薬部外品、医薬品、毛髪化粧料等として使用可能な育毛剤とすることができる。尚、本発明において、育毛には、発毛、養毛及び脱毛予防の概念が包含されるものとする。
【0015】
本発明の育毛剤の投与形態としては、経口剤、非経口剤の何れでもよいが、外用剤が好ましく、軟膏、ローション、トニック、スプレー、懸濁液、乳剤等の塗布剤とするのが好ましい。これらの剤型とするにあたっては、上記有効成分以外に、蒸留水、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、キレート剤、増粘剤、色素、香料、水等を配合できる。
【0016】
本発明の育毛剤は、ユキノシタ又はその抽出物の他に、通常用いられる養毛薬効剤、例えば、抗炎症剤、細胞賦活剤、皮脂分泌抑制剤、末梢血管拡張剤、アミノ酸類、ビタミン類等を必要に応じて適宜配合し、育毛効果の向上を図ることができる。また、その他医薬品等の成分として一般に使用されている保湿剤、紫外線吸収剤等を任意に組み合わせて配合することができる。
【0017】
本発明の育毛剤におけるユキノシタ又はその抽出物の含有量は、添加形態及び投与形態によっても異なるが、広い範囲から選択できる。例えば、溶媒抽出乾燥物換算で、組成物中に0.003質量%〜10質量%、特に0.03〜1質量%とするのが好ましい。
【実施例】
【0018】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
製造例1 ユキノシタ抽出物の調製
ユキノシタ(中国産)の全草40gをとり、400mLのヘキサンを加え、室温で7日間静置抽出後、ろ過して抽出液322mLを得た。エバポレーターにてこの抽出液の溶媒を留去し、エタノール322mLに溶解させた。
【0019】
実施例1 育毛試験
6週齢のC3H(HeNCrj)系雄性マウスを1週間予備飼育した後、電気バリカンを用いて約2×3cmの面積の背部毛を皮膚が傷つかないように剃毛した。剃毛後除毛クリーム(カネボウ・エピラット除毛ミルキィクリーム)で除毛を行った。1群5匹、コントロール群は10匹とし、剃毛部位に1日3回約150μLずつをスプレーにより塗布を行った。製造例1にて調製したユキノシタ抽出物を80%エタノールに溶解し、全て5%濃度で評価した。コントロールには溶媒(80%エタノール)のみを使用した。スプレー塗布開始14日目及び17日目の背部の写真撮影を行い、画像解析装置を用いて再生毛面積比(再生毛面積/除毛面積)をコントロール群と比較した。結果を表1に示す。
表1より、ユキノシタ抽出物には、優れた育毛作用があることが示された。
【0020】
【表1】


【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成17年4月26日(2005.4.26)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100134935
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 詩木

【公開番号】 特開2006−306737(P2006−306737A)
【公開日】 平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願番号】 特願2005−127969(P2005−127969)