| 【発明の名称】 |
皮膚にモイスチュアバランスをもたらす洗顔化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩本 賢二
【氏名】藤川 多布利
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| 【要約】 |
【課題】皮膚の正常代謝を維持させるためのスキンケアは、皮膚清浄の為の洗顔化粧料使用が必須であるが、洗浄力向上は同時に表皮損傷度を増さしめる。それを補うモイスチュアバランス効果を洗顔効果に併せてもたらしうる洗顔化粧料を提供することにある。
【解決手段】液体酵素含有洗顔化粧料の提供、液体化する酵素としてはタン白質分解酵素が、また洗顔化粧料処方中の水としては水不溶無機顔料浸漬水が挙げられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗顔後の皮膚にモイスチュアバランス(moisture balance〜脂質、水分、保湿成分の平衡充足状態)をもたらす液体酵素含有洗顔化粧料。 【請求項2】 液体酵素の酵素がタン白質分解酵素である請求項1の液体酵素含有洗顔化粧料。 【請求項3】 洗顔化粧料処方中の水が、水不溶無機顔料に浸漬し、ろ過した水である請求項1の液体酵素含有洗顔化粧料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は洗顔後の皮膚にモイスチュアバランス(moisture balance〜脂質、水分、保湿成分の平衡充足状態)をもたらす液体酵素含有洗顔化粧料に関する。さらに詳しくは、加水分解酵素であるタン白質分解酵素を液体化して含有せしめた及びまたは、洗顔化粧料処方中の水が、水不溶無機顔料浸漬ろ過水である液体酵素含有洗顔化粧料に関する。 【背景技術】 【0002】 皮膚は日常普段の外界刺激からからだを守ること、とりわけ体内から水分を失わせないことを最重要の責務とし、そのために皮膚最外層の表皮角層を日々更新し、その代謝が滞らないようにしている。表皮角層は表皮下層の基底層で生成し、約4週間で外層に至り角化角解(角層をしての役目を終了)して分解剥落する。即ち垢になってからだを離れる。この表皮の角化角解プロセスは、からだ内外の条件でそのリズムを乱すことが往々で、例えば皮膚への紫外線刺激などにより、基底層での表皮新生が督促され過剰となって角化未了のままフケとなって剥がれたり、女性ホルモン分泌の低下で、角解が鈍って角化表皮が厚くなり皮膚柔軟性を損じたりする。因みに女性ホルモン分泌は、25才頃をピークに漸減し、50才頃に急減するが、比例する表皮外層の過角化、即ち皮膚の厚化傾向は、そのまま、しみ、こじわ増につながっていく。また本来、表皮にもあるタン白質分解酵素の低下も加齢による角化角層の角解を遅延させる。 【0003】 日常浴びる紫外線を遮るメラニンは表皮に在るが、表皮の角解が遅れ角化が過ぎると、含メラニン角化細胞がふえ皮膚は色黒傾向を強くする。加えて、角化が過ぎ表皮角層が厚くなると表情筋などの屈折痕が残りやすくなって、しわをふやすことはいうまでもない。皮膚の老化を早めないために、化粧において角解を全うさせる洗顔が最も大切だとされる所以であり、そのことにより角化角層をとりすぎずためすぎない洗顔化粧料が求められてやまないわけである。 【0004】 洗顔化粧料には石けん系のものと非石けん系のものがある。洗浄対象が皮膚、それも最も敏感性大な顔の皮膚であり、洗浄すべきは皮膚付着の汚れ、微生物の他、皮膚分泌の汗、皮垢、酸化皮脂であり、さらに皮膚付着性をよくし微粒子化を競ってつくられ塗布されたメイクアップ化粧料残滓なので、洗顔化粧料において皮膚刺激のない洗浄力が高いという二律背反する要求を満たすのは容易ではない。脱脂洗浄力温和な石けん系のそれは、温度によって水溶性変動大きく、冷温ですすぎが悪くなり、耐硬水性が低下する欠点があり、非石けん系のクリームや乳液形態のものでは皮膚への吸着残留が避けられず、加えて分解性が必ずしもよくない界面活性剤使用が弱点となる。そのような現状の中で、「洗顔した後に、モイスチュアバランスをとる(supply)ことをしない皮膚は、脂質が失われ無防備な状態に放置される」ことになり(文献1)、洗顔化粧料使用のあとはモイスチュアバランスをとることがスキンケアの基本とされるようになった。(因みにモイスチュアバランスの脂質は皮脂、細胞間脂質、水分は自然蒸散の水分や汗、保湿成分は主に表皮タン自由来のアミノ酸などによる。) 【0005】 (文献1)〜「化粧品の科学」尾沢達也、裳華房〜P67 【0006】 角化表皮は元来がタン白質であり、その角解にはタン白質分解酵素が関わる。そのことを為す表皮のタン白質分解酵素は加齢に伴って減少する。皮垢の剥去は十分でなくなり、厚化した表皮は色黒、しわを固定化するので、洗顔化粧料へのタン白質分解酵素配合が賞用されはじめたが、タン白質分解酵素は加水分解酵素であり、水分と合一して失活するために、タン白質分解酵素配合洗顔化粧料は粉末形態をとらざるを得なかった。それは用時、例えば手のひらで水分と合し泡立てて用いるのであるが、手のひらでの水との混合だけでは粉末状のそれを均一微細な泡状とするに能わず、その顔への塗布は斑状になりやすく、細かい皮溝を上滑って、洗浄力を行きわたらせることができず、しかも元来が粉に発するので皮膚状での滑りが悪く、そのために顔の皮膚を摩擦する手のひらの力が強くなり、洗顔中に顔の皮膚を荒らし、表皮を損傷することも一再ならずであった。ただ、近時ようやく乳液状のタン白質分解酵素配合洗顔化粧料が提唱され一部に行われるようになったが、洗顔後保湿性のさらなる向上が望まれている(特許文献1参照)。 【0007】 【特許文献1】特開2002−53423号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 スキンケアの基本である洗顔においては、皮膚状の異物、皮垢、化粧料残滓の払拭に洗浄力のよさが至上命題であるが、それは同時に表皮を損傷してその機能を損なわしめやすい。洗顔化粧料使用後のモイスチュアバランスのための化粧料による手当が必須とされる所以であるが、いうまでもなくそのような手間をかけずに洗顔後の皮膚でモイスチュアバランスが維持できることが望ましく、本発明者らはそのことを課題とし、解決方法を求めて研究を重ねてきた。その結果、液体酵素洗顔化粧料、とりわけタン白質分解酵素を液体化して含有せしめた液体酵素洗顔料、及びまたは洗顔化粧料処方中の水が水不溶無機顔料浸漬ろ過水である液体酵素含有洗顔料による洗顔が、改めてモイスチュアバランスをとらずとも皮膚モイスチュアバランスをよく保たしめ、皮膚機能の正常化を助けることを見出し本発明を為すに至った。 【課題を解決するための手段】 【0009】 即ち請求項1に関わる発明は、洗顔後の皮膚にモイスチュアバランス(moisturebalance〜脂質、水分、保湿成分の平衡充足状態)をもたらす液体酵素含有化粧料に関する。 請求項2に関わる発明は、液体酵素の酵素がタン白質分解酵素である請求項1の液体酵素洗顔料に関わる。 請求項3に関わる発明は、洗顔化粧料処方中の水が、水不溶無機顔料に浸漬し、ろ過した水である請求項1の液体酵素洗顔化粧料に関する。 【発明の効果】 【0010】 液体酵素含有洗顔化粧料、とりわけタン白質分解酵素を液体化した液体酵素洗顔料、及び又は洗顔化粧料処方中の水が、水不溶無機顔料浸漬ろ過水である液体酵素含有洗顔化粧料は、その用による洗顔で皮膚の角化角層を十分角解剥去せしめ、しかも洗顔後の皮膚にモイスチュアバランスをもたらし、表皮の脂質、水分、保湿成分の平衡充足状態を保たしめて、皮膚機能の正常化を助け、好ましいしっとり感を持続させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明について詳しく説明する。本発明に関わる液体酵素含有洗顔化粧料は、液体化したタン白質分解酵素を含有する。このタン白質分解酵素の液体化は水溶性高分子化合物、界面活性剤を必須成分とする化学修飾によりなされたものである。化学修飾されるタン白質分解酵素としては、例えば微生物由来のプロテアーゼ、酵母由来のプロテアーゼ、植物由来のパパイン、キモパパイン、プロメライン、アクチニジン、フイシン、動物由来のペプシン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パンクレアチン、レンネットなどを例示することができるが特に限定されるものではない。水溶性高分子化合物としては多価アルコール類、多糖類、タン白質アミノ酸等の天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物を挙げ得るが、何ら特に限定するものでない中で、例えばCH2=<基を有する化合物と無水マイレン酸の共重合体を好適に用い得る。これら水溶性高分子化合物によるタン白質分解酵素の化学修飾は通常の方法により、特に限定されるものではない。 【0012】 化学修飾のための界面活性剤は、通常化粧品原料として用いられる非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを例示する。本発明においては、これら界面活性剤の一種、あるいは二種以上の混合使用も可であり、その配合量も特に限定あるものでないながら、化粧料全重量中0.01〜10.0%(重量)、とりわけ0.05〜5.0%(重量)を好ましくする。また、修飾酵素配合量は特に限定されないが、酵素活性値が10.000〜200.000U/mlである修飾酵素溶液の0.1〜10.0重量%配合、好ましくは0.5〜5.0重量%配合が望ましい。 【0013】 次に本発明でいう水不溶無機顔料浸漬ろ過水を得るための水不溶無機顔料を列挙すると、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、マイカ、雲母チタン、オキシ酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミンなどであり、この浸漬ろ過水を得る方法としては、これら無機顔料を常水、蒸留水などに対し、重量比5〜15%浸漬し、12〜15時間静置後ろ過するなどがある。また上記無機顔料は、一種類でも複数種類の利用でも本発明の効果を防げない。 【0014】 また本発明においては、以上説明の成分の他に、本発明の効果が失われない範囲で通常化粧料原料として用いられる成分を適宜任意に配合することができる。それには油脂類、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、保湿剤、カチオン界面活性剤、高分子化合物、色素顔料、香料、防腐殺菌剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、ホルモン類、アミノ酸、pH調整剤、有機薬品、無機薬品、生薬類の動植物抽出成分などを列挙できる。 【0015】 なお、本発明の液体酵素含有洗顔化粧料は種種の剤型に調整可能であるが、化粧料のうち化粧品、薬用化粧品のうち基礎化粧品のクリーム、乳液、ローションなどの形態とするのが好適である、 【0016】 以下本発明を、実施例を示して詳しく説明する。ただし、本発明は以下の実施例に何らの限定を受けるものではない。 【実施例】 表1の組成により、実施例1の洗顔フォーム(乳液状)をつくり、表2の組成により対照例の洗顔フォームをつくる。別に表1の組成中の精製水をケイ酸マグネシウム10%浸漬ろ過水に代えたものをつくり実施例2とする。 【0017】 (表1) 実施例1の洗顔フォーム 天然脂肪酸 34.0 ソルビット 10.0 グリセリン 10.0 水酸化カリウム 6.7 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.5 ジステアリン酸エチレングリコール 1.0 パラベン 0.3 EDTA 0.1 ラウロイルメチルアラニンNa 0.3 PEG 4.0 プロテアーゼ 45,000U 精製水 残量 合計 100.0重量(%) 【0018】 (表2) 対照例の洗顔フォーム 天然脂肪酸 30.0 グリセリン 18.0 オレイルアルコール 1.5 ラノリン誘導休(E,O付加物) 1.0 水酸化カリウム 6.0 パラベン 0.3 EDTA 0.1 プロテアーゼ 45,000U 精製水 残量 合計 100.0重量(%) 【0019】 試験例1〜洗顔効果 上記、調整した実施例1、実施例2、対照例の各試料を12週間室温保存し、25〜46才の顔面皮膚トラブルがない健康女性5人ずつ3グループに分け、何れも朝晩2回の洗顔を7日間継続せしめ、表3の基準により、試験前後の状態を比較した。Aグループの5人は実施例1試料を、Bグループの5人は実施例2試料を、Cグループの5人は対照例試料による洗顔である。評価は基準での二段階改善を有効、一段階改善をやや有効、その他を無効としたもの。結果を表4に示す。(但し、試験前状態は2日目朝の状態、試験後の状態は8日目朝の状態) 【0020】 (表3) 基準〜1、肌に軽いむくみがあり、かさつきと僅かに痒みがある。 2、肌に軽いむくみがあり、全体にかさつき感がある。 3、肌にむくみは目立たないが、頬や額に部分的なかさつきがある。 4、肌の状態は前夜と変わらないが、かさつき感が無くしっとり感もない。 5、肌にかさつき感が無く、しっとり感がある。 6、肌にしっとり感があり、指触りもすべすべしている。 【0021】 試験例2〜皮膚pH値 皮膚は、からだが健やかさを保つ(弱アルカリ性を保つ)反映として弱酸性であり、皮膚機能低下であれば中性方向に変化する。因みに正常皮膚(9人)の顔面pH平均値は4.1〜5.0であり、トラブル皮膚(女子顔面黒皮症6人)の顔面pH平均値は5.77〜6.27であった。(資料文献2)試験例1のA、B、C3グループの試験前後の顔面pH値を測り平均値を比較した結果を表5に示す。なお皮膚pH測定は、試験開始前日と試験終了翌日に行った。即ち、起床後顔面を温湯でよくすすぎ、そのまま何もつけず午後1〜2時の間に日立ガラス電極pHメーターで、各人上瞼、下瞼、頬(何れも右側)部位のpHを測定した。 【0022】 (資料文献2)〜顔面皮膚疾患と血清脂質、皮脂量、過酸化脂質料、顔面pH値、皮膚中和能との関連(早川律子)・・・日本皮膚科学会誌、第81巻1号 【0023】 試験例3〜保湿性試験 試験例1のA、B、C3グループと別にDグループ5人を加えた計20人の被験者の上腕部をよく洗浄し、該部位皮膚水分量を、インピーダンスメーターを用い、電気伝導度として測定した。次にAグループ5人に実施例1の試料、Bグループ5人に実施例2の試料、Cグループ5人に対照例試料、別にDグループとしての5人に精製水をそれぞれ上腕部に塗布せしめ、軽く摩擦洗浄し、よくすすいだ30分後に該部位皮膚水分量をインピーダンスナーターを用いて電気伝導度として測定し、各試料等塗布前を100とした相対値で示した。A、B、C、D4グループの平均値を表6に示す。 【0024】 【表4】
【0025】 【表5】
【0026】 【表6】
【0027】 (表4)、(表5)、(表6)が示すように実施例1、及び実施例2は対照例と比べ、顕著なモイスチュアバランス効果を示し、本来肌荒れ傾向の増す洗顔後の皮膚に正常な代謝を持続させることがわかる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】504094224 【氏名又は名称】株式会社サンブレン 【識別番号】598008293 【氏名又は名称】藤川 多布利
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| 【出願日】 |
平成17年3月29日(2005.3.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−273831(P2006−273831A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−127075(P2005−127075) |
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