| 【発明の名称】 |
保湿、抗老化化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】目片秀明 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号 株式会社ナリス化粧品内
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、保湿効果に優れた化粧料の提供である。更に詳しくは、マメ科フジ属の各植物の各種抽出物を有効成分として、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化によるNMF成分産生促進剤、または過酸化物質の生成抑制する抗酸化剤を有効成分とする皮膚抗老化剤、それらの効果を有する植物抽出液を有効成分としてそれぞれに含有させたNMF成分産生促進剤、抗酸化剤および保湿、抗老化化粧料を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マメ科フジ属植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする天然保湿因子(NMF)成分産生促進剤。 【請求項2】 マメ科フジ属植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。 【請求項3】 マメ科フジ属植物が野田藤(Wisteria floribunda)または山藤(Wisteria brachbotrys)より選ばれた植物であることを特徴とする請求項1記載の天然保湿因子(NMF)成分産生促進剤。 【請求項4】 マメ科フジ属植物が野田藤(Wisteria floribunda)または山藤(Wisteria brachbotrys)より選ばれた植物であることを特徴とする請求項2記載の抗酸化剤。 【請求項5】 マメ科フジ属植物の野田藤(Wisteria floribunda)または山藤(Wisteria brachbotrys)より選ばれた植物の花弁より、抽出された抽出物であることを特徴とする請求項1記載の天然保湿因子(NMF)成分産生促進剤。 【請求項6】 マメ科フジ属植物の野田藤(Wisteria floribunda)または山藤(Wisteria brachbotrys)より選ばれた植物の花弁より、抽出された抽出物であることを特徴とする請求項2記載の抗酸化剤。 【請求項7】 請求項1記載及び請求項3及び請求項5記載の天然保湿因子(NMF)成分産生促進剤を含有することを特徴とする保湿化粧品。 【請求項8】 請求項2記載及び請求項4及び請求項6記載の抗酸化剤を含有することを特徴とする抗老化化粧品
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、マメ科フジ属から抽出した天然保湿因子(NMF)成分産生促進剤、抗酸化剤を有効成分とする皮膚の水分保持機能を亢進させ、皮膚の保湿、肌荒れ予防・改善等などの美肌効果、皮膚の抗酸化機能を亢進させ、皮膚の老化を防止し、若々しい肌状態を維持できる老化防止効果に優れた化粧料に関するものである。 【背景技術】 【0002】 角質層の水分量は肌の状態と密接な関係があり、肌が健康的できれいな状態であるためには少なくとも角質層に適切な水分量が存在しなくてはならない。角質層の水分量は化粧品学的に肌にしなやかさ、なめらかさ、柔軟性、あるいはみずみずしさ、透明感等を付与しており、肌のきれいさを演出している根源であると言える。すなわち、角質層の水分量は皮膚の美肌効果に非常に重要な役割りを果たしている。また、角質層が10〜20%の水分を保持し、正常な生理機能が維持されるためには、水の他表皮脂質、細胞間脂質、NMF成分の皮膚上、皮膚内での極めて巧みな共同作業がなされている。そしてこれらの要因のひとつが欠けても肌荒れが生じるといわれている。したがって、皮膚外用剤、特に基礎化粧品においてはこれらの要因を補充する意味でヒアルロン酸やコラーゲン等の保湿剤やNMF成分を配合している。しかしながら、このような成分を皮膚に適用しても、その効果は低く、また一時的であり、皮膚の乾燥、皮膚の保湿能、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させるというものではなかった。 【0003】 また、角質層は外部環境に水分が存在すると、その水分を吸湿する機能を有している。この機能を主に司るのがNMF成分である。NMFの主成分は各種アミノ酸とピロリドンカルボン酸(PCA)から構成されている。NMF成分中の遊離アミノ酸やPCAの皮膚内産生経路としては、表皮細胞の角化過程において表皮顆粒層に存在するケラトヒアリン顆粒で産生されるプロフィラグリンが角化する時に、脱リン酸化とプロテアーゼの作用で分解され、フィラグリンというタンパク質を遊離し、そのフィラグリンのアルギニン残基がペプチジルアルギニンデイミナーゼという酵素によってシトルリン残基になる等の修飾を受けて、フィラグリンが徐々にケラチン繊維の間からはずれ、分解されてNMF成分が作り出される。その証拠にフィラグリンの構成アミノ酸組成は、NMF成分のアミノ酸組成とほぼ同じであることが知られている。 【0004】 乾皮症患者や高齢者(乾燥皮膚)の角質層の遊離アミノ酸量が減少していることが報告されており、また角質層アミノ酸の前駆体であると考えられるフィラグリンがアトピー性皮膚炎患者の表皮中で減少していることが報告されている。さらには、角質層の水分保持機能はフィラグリンの分解が十分に行われている皮膚表面ほど高いことが報告されている。 【0005】 以上の皮膚内代謝経路を考慮すると、角質層の水分保持機能を亢進させるためには、皮膚内でNMF成分の産生を促進させることが最も有効であると考えられる。すなわち、フィラグリンの分解を促進させてNMF成分を産生促進することである。そのフィラグリンの分解を促進させるためには、ペプチジルアルギニンデイミナーゼの酵素活性を活性化することが有効であると考えられる。つまり、角質層のペプチジルアルギニンデイミナーゼの酵素活性を活性化することが、フィラグリンの分解促進につながり、皮膚内NMF成分の産生に導かれる。さらに詳しくいうと、角質層のペプチジルアルギニンデイミナーゼの酵素活性を活性化することにより、フィラグリンが分解されて、皮膚中にフィラグリンの残存量が少なくなる。すると、生体反応においてフィラグリンを産生しようとする方向に進むので、ますますNMF成分の産生の方向に導かれて、角質層の水分保持機能が亢進され、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させることができると考えられる。また、皮膚の老化を防止するのに強力な抗酸化剤は、皮膚老化の促進因子である活性酸素の発生や皮膚の酸化を防ぎ、皮膚老化の防止に非常に有効であると考えられている。 【0006】 そこで、本発明にかかる、マメ科フジ属植物の抽出物は、これまでに特開2002-20225で報告された各植物の各種植物抽出物のペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果に比べ優れており、得られたペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化によるNMF成分産生促進剤を有効成分とする保湿化粧料であり、また、マメ科フジ属の抽出物は、ビタミンEと同等の抗酸化作用を持つ抗酸化剤を有効成分とする抗老化化粧料である。次のような観点により産業上の利用性がある。つまり本発明は、角質層の遊離アミノ酸量が減少している乾皮症患者や高齢者(乾燥皮膚)、または角質層アミノ酸の前駆体であると考えられるフィラグリンが表皮中で減少しているアトピー性皮膚炎患者および皮膚の乾燥に悩んでいる人々の角質層の水分保持機能を亢進させ、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させるのに有効であると考えられる。また、皮膚の酸化を抑えて皮膚の老化を防止し、若々しい肌の状態を維持するのに有効であると考えられる。 【0007】 これまでにフジの抽出物によるムコ多糖断片化抑制効果(特開平7-309770)、SCF結合阻害効果(特開2003-73290)が報告されているが、NMF産生促進効果による保湿、抗酸化効果による皮膚老化防止効果は全く知られていなかった。 【特許文献1】特開平7−309770号公報 【特許文献2】特開2002−20225号公報 【特許文献3】特開2003−73290号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 従来の保湿剤は、水分を閉じ込める脂質類や吸・保湿性を高める湿潤剤を用いた肌の状態の一時的な改善を目的としたものであった。肌の一時的な状態の改善だけでなく、本質的に角質層の水分保持機能を亢進させるような生体成分(特にNMF成分)の産生を促すような機能を与え、総合的かつ恒常的に肌の状態の向上を目的とするような新しい保湿機能を持った保湿剤、及び皮膚の老化を防止するのに非常に有効であると考えられている抗酸化作用に優れた皮膚老化防止剤という二つの特性を併せ持った保湿、抗老化剤の開発が望まれていた。 【課題を解決するための手段】 【0009】 そこで、本発明者等は、角質層の水分保持機能を最大限に引き出すために皮膚内のNMF成分の産生を促す新しい保湿剤、抗酸化作用に優れた皮膚老化防止剤について鋭意研究を重ねた。その結果、マメ科フジ属植物の抽出物が、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(Peptidylarginine deiminase)活性を活性化することにより、フィラグリンの分解が促進され、それにより、皮膚内NMF成分の産生が促進し、高い保湿効果が得られることを見出し、またマメ科フジ属植物の抽出物が高い抗酸化作用を併せ持つことを見出して新しい保湿剤、皮膚老化防止剤としてこれらを有効成分とする化粧料を提供することで、本発明を完成するに至った。 【0010】 すなわち、本発明者らは、マメ科フジ属植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするNMF成分産生促進剤を有効成分とする保湿剤、または、マメ科フジ属植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤を有効成分とする皮膚老化防止剤を提供することで、この発明を完成するに至った。 【発明の効果】 【0011】 本発明のマメ科フジ属植物の抽出物を有効成分として含有した化粧料は、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を活性化する作用に優れており、肌の一時的な状態の改善だけでなく、本質的に角質層の水分保持機能を亢進させるような生体成分(特にNMF成分)の産生を促すような機能を与え、総合的かつ恒常的に肌の状態の向上を目的とするような新しい保湿機能を有している。また、抗酸化効果にも優れ、安定であり、副作用も少なく、皮膚老化防止剤としても応用が可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明にかかるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化によるNMF成分産生促進剤、皮膚の老化を防止する抗酸化剤を有効成分とする組成物には、マメ科フジ属植物の抽出物が有効成分として含有される。 【0013】 本発明に用いられるマメ科フジ属植物は、例えば、フジ属(Prunus)の野田藤(Wisteria floribunda)、山藤(Wisteria brachbotrys)挙げられるが、フジ属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0014】 本発明で利用しうるマメ科フジ属植物は、各植物の花が好ましいが、全草またはその葉、枝、樹皮、根等の1または2以上の箇所(以下「原体」と称する)を乾燥し、または乾燥することなく粉砕した後、水および/またはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールまたは低級アルコール水溶液、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、または多価アルコール水溶液、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル等のアルキルエステル、ベンゼン、ヘキサン等の炭水化物、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等を単独および/または2種類以上の溶媒を任意に組み合わせて使用することができる。 【0015】 本発明で利用しうるマメ科フジ属植物の低級アルコールによる抽出液は、植物原体1に対して、抽出溶媒は1〜100倍量で浸し、加温又は常温で抽出して抽出液を得た。そして、各種抽出物は、減圧濃縮した後、凍結乾燥して、それぞれの抽出物を得た。 【0016】 本発明にかかるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化によるNMF成分産生促進剤である各種有効成分(マメ科フジ属植物の抽出物)の配合量(含有量)は、前記有効成分の種類および/またはその組合せ、ならびにその使用目的、実施態様、使用形態、使用回数等々に応じて変動させることができるので、特に限定されるものではない。原則的には、有効量存在すればよいことになるが、各種植物抽出物の含有量は、固形分として好ましくは0.0001〜10重量%(以下、単に「%」で示す)の範囲であり、より好ましくは0.001〜5%の範囲である。この範囲であれば、本発明の効果がより顕著に発現する。含有量が0.0001%未満であると充分な効果が発揮されず、10%以上加えても効果はほぼ一定である。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形物の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。さらにまた、本発明にかかる有効成分(各植物の各種抽出物)は公知の保湿剤、抗酸化剤と併用するにより優れた相乗効果を奏することもできる。 【0017】 本発明にかかる化粧料の適用範囲は、特に限定されない。つまり、本発明の有効成分が有する作用効果に応じて各作用効果を利用できる全ての化粧料に適用できる。 【0018】 例えば、本発明にかかる各種有効成分の1種または2種以上を各種化粧料基剤などに配合して、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料などの各種基礎化粧料、ファンデーション、ほほ紅、口紅、白粉などの各種メーキャップ料、洗髪料、養毛剤、シャンプー、リンスなどの各種頭髪用化粧料、石鹸、美爪料、オーデコロンなどその他化粧料に対して広範囲に適用できるが、ここに挙げた例に限定されるものではない。また、前記各種化粧料の実施態様は、溶液、エマルジョン、軟膏、オイル、ワックス、ゾル、ゲル、パウダー、スプレーなどの各種態様で適用できるが、ここに挙げた例に限定されるものではない。 【実施例】 【0019】 以下、実施例を挙げ、本発明について詳細を説明する。 【0020】 本発明にかかる各植物の各種抽出物に関するペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の測定は、次の方法により行った。 【0021】 〔植物抽出物の調製例〕 (1)調製例1(水抽出物) 前記各植物の原体5gを円筒濾紙に入れ、精製水50〜100mlに浸し、60℃で8〜20時間加熱抽出してろ液を得た。この操作を3回繰り返し、全てのろ液を合せて凍結乾燥して各植物の水抽出物を得た。 【0022】 (2)調製例2(各種低級アルコール抽出物) 抽出溶媒に各種低級アルコールを用い、ソックスレー抽出器を用いて8時間抽出した後、溶媒を留去、抽出物を粉末にして各植物の各種低級アルコール抽出物を得た。 【0023】 (3)調製例3(各種有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物) 前記水抽出物における抽出操作において、水の代わりに各種有機溶媒または有機溶媒水溶液を使用した。全ての抽出液を合せて可能な限り溶媒を留去、濃縮した後、凍結乾燥して各植物の各種有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物を得た。 【0024】 〔ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の測定方法〕 ペプチジルアルギニンデイミナーゼは、次の反応を触媒する。 アルギニン残基+H2O → シトルリン残基+NH3 ペプチジルアルギニンデイミナーゼは、表1.に示した反応液を用いて55℃で30分反応させた後、0.1mlの60%(w/v)過塩素酸を添加して反応を停止した後、0.2mlの75mM2,3-ブタンジオンモノオキシム(BMO)を使ってシトルリン残基を発色させて波長490nmにおける吸光度を測定した。検量線は1mMのL-シトルリンを用いた。 【0025】 酵素1uintは、pH7.2、55℃で、1時間あたりにベンゾイルアルギニンエチルエステル(N-α-Benzoyl-L-Arginine Ethyl Ester)から生成する1μmolのベンゾイルシトルリンエチルエステル(N-α-Benzoyl-L-Citrulline Ethyl Ester) の量とした。 【0026】 ペプチジルアルギニンディミナーゼの反応液の組成を表1に示す。 【0027】 【表1】
【0028】 それぞれの供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)について、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を比較評価した。なお、対照区(ブランク)として50容量%エタノール水溶液を試験に供した。 【0029】 表2は本発明にかかる植物の各種植物抽出物を添加した場合のペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を測定した結果である。前記表1におけるペプチジルアルギニンデイミナーゼ相対活性率(%)が100%以上を示す植物抽出物に対して、本発明にかかる「ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化によるNMF成分産生促進剤」、「保湿剤」として有効な植物抽出物である。すなわち、植物抽出物群としては、フジ属植物からなる植物より、抽出された各種植物抽出物を有効成分として含有することを特徴とするペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性によるNMF成分産生促進剤を有効成分とする保湿化粧料。 【0030】 【表2】
【0031】 〔抗酸化試験の測定方法〕 2×10-1Mリノール酸原液1mlに0.2mlの供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)を加え、さらに0.8mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加えた後、37℃でインキュベートする。ロダン鉄法(表6のフローに従う。)で過酸化物質を波長500nmにおける吸光度にて測定した。 【0032】 それぞれの供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)について、ロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制率を比較評価した。なお、コントロールは添加物を水のみとし、陽性対照区(ブランク)として0.01%ビタミンEを試験に供した。 【0033】 【表6】
【0034】 表3は本発明にかかる植物の各種植物抽出物を添加した場合のロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制率を測定した結果である。前記表2における陽性対照区(ブランク)として0.01%ビタミンEを試験に供した時の過酸化物質の生成抑制率を水のみを添加した時のコントロールに対して100%とする。過酸化物質の生成抑制率(%)が100%近くの値を示す植物抽出物に対して、本発明にかかる「抗酸化剤」、「皮膚抗老化剤」として有効な植物抽出物である。すなわち、植物抽出物群としては、フジ属植物からなる植物より、抽出された各種植物抽出物を有効成分として含有することを特徴とするロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制する抗酸化剤を有効成分とする皮膚抗老化化粧料。 【0035】 本発明にかかる各植物の抽出物は、いずれも複合物であり、前述のとおり、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化によるNMF成分産生促進、保湿効果があり、さらにはロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制する抗酸化、皮膚抗老化があり、また熱安定性も良く、安全性の高い化粧料を提供することができるという卓越した特性を有する。 【0036】 【表3】
【0037】 〔作用〕 本発明にかかる各植物の各種抽出物は、前述のとおり、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果、ロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制効果を有し、安全性が高く、かつ安定であるNMF成分産生促進剤、抗酸化剤を有効成分とする化粧料を提供することができ、よって皮膚の水分保持機能を亢進させ、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させることができる。 【0038】 次に、実施例によりこの発明をさらに詳細に説明するが、この発明はこれらの実施例により制限されるものではない。なお、実施例中の部は、特に断りのない限り重量部を示す。 【0039】 〔各種植物抽出物の調製例〕 (1)調製例1(水抽出物) 前記各植物の原体40gを容器に入れ、精製水400mlに浸し、60℃で8時間加熱抽出してろ液を得た。凍結乾燥して各植物の水抽出物を得た。 【0040】 (2)調製例2(各種エタノール抽出物) 前記各植物の原体40gを容器に入れ、抽出溶媒に50容量%エタノール水溶液400mlに浸し、60℃で8時間加熱抽出してろ液を得た。凍結乾燥して各植物の水抽出物を得た。 【0041】 (3)調製例3(各種有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物) 前記水抽出物における抽出操作において、水の代わりに各種有機溶媒または有機溶媒水溶液を使用した。全ての抽出液を合せて可能な限り溶媒を留去、濃縮した後、凍結乾燥して各植物の各種有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物を得た。 【0042】 〔ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の測定方法〕 ペプチジルアルギニンデイミナーゼは、次の反応を触媒する。 アルギニン残基+H2O → シトルリン残基+NH3 ペプチジルアルギニンデイミナーゼは、表2.に示した反応液を用いて55℃で30分反応させた後、0.1mlの60%(w/v)過塩素酸を添加して反応を停止した後、0.2mlの75mM2,3-ブタンジオンモノオキシム(BMO)を使ってシトルリン残基を発色させて波長490nmにおける吸光度を測定した。検量線は1mMのL-シトルリンを用いて引いた。 【0043】 酵素1uintは、pH7.2、55℃で、1時間あたりにベンゾイルアルギニンエチルエステル(N-α-Benzoyl-L-Arginine Ethyl Ester)から生成する1μmolのベンゾイルシトルリンエチルエステル(N-α-Benzoyl-L-Citrulline Ethyl Ester) の量とした。 【0044】 供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)について、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を比較評価した。なお、ブランクとして50容量%エタノール水溶液を試験に供した。 【0045】 表2に結果を示したとおり、本発明にかかる各種植物の各種抽出物にペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果、すなわち、NMF成分産生促進効果、保湿効果が認められる。 【0046】 〔抗酸化試験の測定方法〕 2×10-1Mリノール酸原液1mlに0.2mlの供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)を加え、さらに0.8mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加えた後、37℃でインキュベートする。ロダン鉄法(表6のフローに従う)で過酸化物質を波長500nmにおける吸光度にて測定した。 【0047】 それぞれの供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)について、ロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制率を比較評価した。なお、コントロールは添加物を水のみとし、陽性対照区(ブランク)として0.01%ビタミンEを試験に供した。 【0048】 表3は本発明にかかる植物の各種植物抽出物を添加した場合のロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制率を測定した結果である。前記表3における陽性対照区(ブランク)として0.01%ビタミンEを試験に供した時の過酸化物質の生成抑制率を水のみを添加した時のコントロールに対して100%とする。過酸化物質の生成抑制率(%)が100%に近い値を示す植物抽出物に対して、本発明にかかる「抗酸化剤」、「皮膚抗老化剤」として有効な植物抽出物である。すなわち、植物抽出物群としては、フジ属植物からなる植物より、抽出された各種植物抽出物を有効成分として含有することを特徴とするロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制する抗酸化剤を有効成分とする皮膚抗老化化粧料。 【0049】 〔保湿効果確認試験:累積塗布におけるヒトによる保湿効果、抗老化効果〕 本発明にかかる各植物の各種抽出物は、前述のとおり、インビトロ(in vitro)試験においては、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果を有し、NMF成分産生促進剤として有効であることがわかった。また、ロダン鉄法により過酸化物質の生成抑制効果を有し、皮膚抗老化剤として有効であることがわかった。そこで、これら有効成分を配合した化粧料を作成し、被験者に連続塗布して、インビボ(in vivo)での効果を調べる目的で、ヒトによる保湿効果確認試験を行った。被験者として、31〜52歳の女性24名をそれぞれ無作為にA群(12名)、B群(12名)に分け、A群には下記比較品を、B群には下記本発明品を、を1日2回(朝、夜)連続1ヶ月間それぞれ使用してもらい、表4に示すような項目、(イ)しっとり感、(ロ)肌の状態、(ハ)シワの改善について評価してもらった。尚、本発明品1に配合した披験物質としては、本発明効果の最も高かった山藤固形分1重量%の50容量%エタノール水溶液抽出物(表2、3)を用いた。本発明の実施例と比較対象のための比較例について、処方と製法を記す。 【0050】 本発明品と比較品の化粧水についての処方をまとめて表5に示す。 【0051】 【表4】
【0052】 【表5】
【0053】 〔製法〕 エチルアルコールに活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O))、防腐剤を加えて均一に溶解する。これに、あらかじめ溶解していた水層部(精製水、被験物質、グリセリン)を加え溶解する。 【0054】 結果は、表4より明らかなように、山藤抽出物抽出物を配合した本発明の化粧水は、皮膚に1ヶ月間、毎日塗布することにより、しっとり感、肌状態、シワ改善のいずれの項目においても対照品(ブランク)である比較品より高い保湿・肌荒れ改善、シワ改善効果が認められた。 【0055】 次に、本発明にかかるNMF成分産生促進剤、保湿剤、抗酸化剤、皮膚抗老化剤を用いて、本発明にかかる化粧料を作製した。なお、配合割合は重量部である。 【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【産業上の利用可能性】 【0061】 本発明のマメ科フジ属植物抽出物を含有した化粧料は、保湿性に優れ、抗酸化効果も有する。また、併せて高い安全性をも有するため、肌荒れ改善、抗老化化粧料に広く応用が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591230619 【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号
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| 【出願日】 |
平成17年3月30日(2005.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−273823(P2006−273823A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−99970(P2005−99970) |
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