| 【発明の名称】 |
焼酎粕を含有する化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 聡 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号 株式会社ナリス化粧品内
|
| 【要約】 |
【課題】解決しようとする課題は、焼酎粕を活用した、ハリ・シワ改善効果を有する老化防止化粧料及びメラニン産生抑制美白化粧料の提供である
【解決手段】焼酎粕をろ過し、減圧濃縮した残分である焼酎粕濃縮物を含有させることにより、ヒアルロン酸産生促進効果及びメラニンの産生抑制効果を有する老化防止化粧料及び美白化粧料の提供が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 焼酎粕をろ過後に得られる濃縮物を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。 【請求項2】 焼酎粕をろ過後に得られる濃縮物を有効成分として含有することを特徴とするメラニン産生抑制剤。 【請求項3】 焼酎粕の原料が芋、米、麦、ゴマ、ニンジン、及びトマトから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載のヒアルロン酸産生促進剤。 【請求項4】 焼酎粕の原料が芋、米、麦、ゴマ、ニンジン、及びトマトから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項2記載のメラニン産生抑制剤。 【請求項5】 請求項3記載のヒアルロン酸産生促進剤を含有することを特徴とする化粧料。 【請求項6】 請求項4記載のメラニン産生抑制剤を含有することを特徴とする化粧料。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、焼酎粕を含有する化粧料に関し、詳しくは、焼酎粕を含有したケラチノサイトのヒアルロン酸産生を促進することにより、皮膚のハリ・シワを改善するとともに、メラニンの産生を抑制することによって肌を白くすることを目的とした化粧料に関する。 【背景分野】 【0002】 近年、高齢化社会が進行するにつれて、美しく年を重ねるために、化粧品に求められる役割が大きくなってきている。ところが、肌は、加齢等の内的因子や紫外線、活性酸素等の外的因子によって、皮膚が本来維持している収縮性、柔軟性、保湿性等の機能が衰え、様々なトラブルを発生する。 【0003】 これらのトラブルの一つであるシワは、真皮の細胞外マトリックスを産生する細胞数の減少、分裂速度の衰え等による細胞機能の老化や、コラーゲン線維の減少及び変性、皮下脂肪組織の減少等により、皮膚の弛緩及び弾力性の損失の起こることが原因となって発生する。また、シミ、ソバカス、日焼け等により見られる皮膚の色素沈着は、すべてが解明されているわけではないが、一般的には皮膚内に存在するチロシンが酵素反応によりメラニン前駆体となり、以後自動酸化によりメラニンを生成することに基づくとされている。そこでこのメラニン生成を抑制する物質は主に大きく2つのタイプに分けられる。その1つはメラニン生成に影響を及ぼすチロシナーゼ酵素の活性自体を直接抑制するタイプ、もう1つは直接チロシナーゼ活性に対しては抑制を示さないが、色素細胞内におけるメラニン生成を抑制するタイプである。また両タイプをあわせ持つ物質も見られる。 【0004】 従来、シワへの対処法としては、老化によって失われるコラーゲン、ヒアルロン酸等の物質を皮膚に塗布し補う組成物や、紫外線や活性酸素から皮膚を守るための防御物質を配合した間接的な老化防止剤が主流であった。シミなどについてはメラニン生成抑制物質としてアスコルビン酸やグルタチオン、ハイドロキノン等が一般的に知られており、その他種々の天然植物由来成分、例えば植物生薬の水溶性抽出エキス(特開昭61−50909号)等が提案されている。 【0005】 しかしながら、これらの方法は満足のいく効果を奏するものではなかった。また、老化特に生成したシワを根本的に改善しようとする試みとしてはレチノイン酸やグリコール酸に代表されるα−ヒドロキシ酸等があるが、これらは高い配合量が必要とされ、腫れを伴う炎症等を起こす等安全性に問題があり、長期使用に耐え得るものではなかった。また、シミに関してアスコルビン酸類は安定性に問題があり、水系では不安定で変色、変臭の原因となる。グルタチオンなどのチオール系化合物は異臭が強い上、酸化されやすいなどの問題点がある。ハイドロキノンは皮膚に対する安全性に問題がある。コウジ酸は効果の発現がきわめて緩慢であり、又安定性についても、変色する等の問題がある。アルブチンは漂白効果は強いが細胞毒性が強いという重大な欠点がある。また、従来提案されている桑白皮や当帰などの天然植物由来のものについても刺激性が少ない等の利点がうたわれているものの、その安定性や効果の面で未だ満足されるべきものではない。従って、皮膚の老化を根本的に改善し、メラニン生成やチロシナーゼ活性を抑制、しかも皮膚に弊害がなく、安全に使用できる老化防止に有効な化粧料の開発が望まれている。 【0006】 一方、焼酎粕は従来、飼料などとして利用する以外は海洋投棄されていた。しかし、近年において焼酎粕の海洋投棄は海洋を汚染するとして、規制が厳しくなり、酒造メーカーなどの負担が大きくなっているため、焼酎粕の有効利用が望まれてきた。そして、焼酎粕を利用した化粧料が検討されているが、ヒアルロン酸産生能効果及びメラニン産生抑制果について示唆されてる例はない。(特開平10−130121号公報、特開2005−15456号公報) 【特許文献1】特開昭61−50909号公報 【特許文献2】特開平10−130121号公報 【特許文献3】特開2005−15456号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 解決しようとする課題は、焼酎粕を活用した、ハリ・シワ改善効果を有する老化防止化粧料及びメラニン産生抑制美白化粧料の提供である。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者は、係る実情に鑑み鋭意検討した結果、焼酎粕をろ過し、減圧濃縮した残分が、ケラチノサイトのヒアルロン酸産生能を活性化し、細胞外マトリックスの産生を増加させることにより、皮膚のハリ・シワの改善に顕著な作用を示すことと、メラニンの産生を抑制することによって肌を白くすることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0009】 即ち、本発明は、焼酎粕をろ過し、減圧濃縮した残分を含有することを特徴とする老化防止に有効な皮膚外用剤を提供するものである。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、焼酎粕濃縮物のヒアルロン酸産生促進によるシワ改善およびメラニン産生抑制による美白効果に有効な化粧料が提供され、いつまでもみずみずしくハリのあり透き通るような肌を保つことが可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明で使用される焼酎粕濃縮物は、焼酎粕をろ過し、減圧濃縮することにより得ることができる。 【0012】 本発明に係る焼酎粕濃縮物の各種化粧料に対する配合量は、化粧料の実施態様、化粧料の使用形態等に応じて変動させることができるので特に限定されない。原則的には、有効量存在すれば良いことになるが、一般的には化粧料組成物中、乾燥重量に換算して0.0001〜100質量%が利用でき、好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5.0質量%である。 【0013】 本発明に係る化粧料の適用範囲は、特に限定されない。つまり、この発明の有効成分が有する作用効果に応じて各作用効果を利用できる全ての化粧料に適用できる。 【0014】 例えば、本発明に係る有効成分を各種化粧料基剤等に配合して、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料等の各種基礎化粧料、ファンデーション、口紅、ほほ紅、白粉等の各種メーキャップ料、洗髪料、養毛剤、シャンプー、リンス等の各種頭髪用化粧料、石鹸、美爪料、オーデコロン等その他化粧料に対して広範囲に適用できる。また、前記各種化粧料の実施態様は、ローション、エマルジョン、軟膏、ゾル、ゲル、パウダー、スプレー、固形等の各種態様で適用できる。 【0015】 以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【実施例1】 【0016】 〔焼酎粕濃縮物の作成〕 原材料として、100g使用した。前記原材料100gを遠心分離し、比較的大きい浮遊物を除去したあと、メッシュ径0.22μmのろ紙を用いてろ過する。ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、焼酎粕濃縮物、約1.5gを得た。 【実施例2】 【0017】 〔ケラチノサイトを用いたヒアルロン酸産生試験〕 (1)試験溶液調製 前記、焼酎粕濃縮物を5%牛胎児血清含有DULBECCO’S MODIFICATION OF EAGLE’S MEDIUM(EME)培地に1.0(w/v)%になるように溶解後、0.2μmメンブランフィルターにて濾過滅菌し、適宜希釈したものを、試験溶液とした。 (2)細胞培養 ケラチノサイトを、DULBECCO’S-EME培地に5(v/v)%の牛胎児血清を添加したもので培養した。前記培地にて5×105cell/mLに調整した細胞を、内径6.5mmの滅菌プラスチック96穴プレートに0.1mLずつ接種し、48時間培養した。 (3)培地内ヒアルロン酸の定量 ヒアルロン酸の定量は生化学工業株式会社製のヒアルロン酸測定キットを用いた。培養した細胞から培地を取りだし、ヒアルロン酸結合蛋白質(HABP)が固定化されたマイクロプレートに50μL添加した。続いて、ビオチン標識HABP溶液を各ウェルあたり、50μLずつ添加した。プレートミキサーを用い、1分間混和後、37℃で60分間静置した。(1時反応)各ウェルの洗浄後HRP標識ストレプトアビジン溶液を100μLずつ添加した後、37℃で60分間静置した。(2次反応)各ウェルの洗浄後、酵素基質溶液を100μLずつ添加した後、アルミホイルなどで遮光し常温で30分間静置した。(発光反応)各ウェルに反応停止溶液を100μLずつ添加した。プレートリーダーで各ウェルの吸光度を測定した。 【0018】 レチノイン酸および焼酎粕濃縮物のケラチノサイトにおけるヒアルロン酸産生能を表1に示す。 【0019】 【表1】
【0020】 表1の結果より、焼酎粕濃縮物はヒアルロン酸産生を促進することがわかる。 【実施例3】 【0021】 〔細胞メラニン生成抑制試験〕 (1)試験溶液調製前記植物抽出物をCMF−PBSで0.1mg/ml〜1mg/mlの適当な濃度に希釈し、オートクレーブ処理(121℃、15分処理)を行ったものを試験溶液とした。 (2)細胞培養マウスメラノーマB−16を AUTOPOW MINIMUM ESSENTIAL MEDIUM EAGLE (MODIFIED) (Flow Laboratories 社製) に5%の牛胎児血清を添加したもので培養した。試験は滅菌12穴シャーレに細胞を一定量いれ前記培地で培養し、細胞添加2日目に前記試験溶液を添加し、その後4日間培養を行った。 (3)細胞メラニン生成抑制試験前記のように培養後、12穴シャーレの培地を捨て細胞をCMF−PBSで洗浄し、水酸化ナトリウム溶液を加えて細胞を溶解する。この細胞溶解液のタンパク量を PROTEIN ASSAY液 (Bio-Rad 社製)で測定し、この値を細胞増殖度合とし、この値をブランク値で割ったものを細胞増殖率とした。また細胞溶解液の400nmにおける吸光度を測定し、この400nmにおける吸光度をタンパク量で割ったものをメラニン量とする。試験物質の効果測定のブランクとしてCMF−PBSを使用した。メラニン生成率は下記数式1を用い、ブランクのメラニン量を100%とし計算を行った。 【0022】 【数1】
【0023】 細胞メラニン生成抑制試験の結果を第2表に示す。 【0024】 焼酎粕濃縮物のメラニン産生抑制能を表2に示す。 【0025】 【表2】
【0026】 表2の結果より、焼酎粕濃縮物はメラニン産生を抑制することがわかった。 【0027】 以下に本発明の処方例を挙げる。 <処方例1>化粧水 (成分名) (質量%) 焼酎粕濃縮物 0.01 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0) 1.5 エタノール 10.0 防腐剤・酸化防止剤 適量 香料 適量 精製水 残部 【0028】 <処方例2>化粧用クリーム (成分名) (質量%) 焼酎粕濃縮物 0.0001 ミツロウ 2.0 ステアリルアルコール 5.0 ステアリン酸 8.0 スクワラン 10.0 自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 1.0 グリセリン 5.0 水酸化カリウム 0.3 香料 適量 防腐剤・酸化防止剤 適量 精製水 残部 【0029】 <処方例3>乳液 (成分名) (質量%) 焼酎粕濃縮物 0.1 スクワラン 8.0 ワセリン 2.0 ミツロウ 0.5 ソルビタンセスキオレエート 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0) 1.2 カルボキシビニルポリマー 0.2 グリセリン 1.5 水酸化カリウム 0.1 エタノール 7.0 香料 適量 防腐剤・酸化防止剤 適量 精製水 残部 【0030】 <処方例4>パック剤 (成分名) (質量%) 焼酎粕濃縮物 0.01 酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0 ポリビニルアルコール 10.0 ホホバ油 3.0 グリセリン 5.0 酸化チタン 8.0 カオリン 7.0 エタノール 5.0 香料 適量 防腐剤・酸化防止剤 適量 精製水 残部 【0031】 <処方例5>軟膏 (成分名) (質量%) 焼酎粕濃縮物 0.0001 酢酸トコフェロール 0.5 パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 4.0 ブチルメトキシベンゾイルメタン 4.0 ステアリルアルコール 18.0 モクロウ 20.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3 ワセリン 33.0 香料 適量 防腐剤・酸化防止剤 適量 精製水 残部 【0032】 <処方例6>パウダーファンデーション (成分名) (質量%) 焼酎粕濃縮物 0.01 タルク 43.0 カオリン 18.0 マイカ 8.0 酸化亜鉛 10.0 酸化チタン 5.0 着色顔料 適量 ステアリン酸マグネシウム 6.0 流動パラフィン 4.0 白色ワセリン 1.0 セレシン 1.0 ミリスチン酸イソプロピル 1.5 防腐剤・酸化防止剤 適量 香料 適量 【0033】 処方例2のクリームを健常成人女性20名に1ヶ月間使用させたところ、18名に皮膚の潤い、ハリ、シワ、シミが改善したとの結果を得た。また、使用中に肌に何らかの異常を感じたパネラーは無かった。 【産業上の利用可能性】 【0034】 本発明の焼酎粕濃縮物は、ヒアルロン酸産生促進によるシワ改善およびメラニン産生抑制に優れているため、美白化粧料や老化防止化粧料等の化粧品に広く応用が期待できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591230619 【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号
|
| 【出願日】 |
平成17年3月30日(2005.3.30) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2006−273822(P2006−273822A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−99963(P2005−99963) |
|