| 【発明の名称】 |
化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 弘 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号株式会社ナリス化粧品内
【氏名】西田 光宏 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号株式会社ナリス化粧品内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、メシマコブの液体培養を行うに際し、菌体の生産量を飛躍的に向上させる液体培地組成を配合した肌に有効な化粧料を提供することである。
【解決手段】本発明は、従来の液体培養組成物にオカラ粉末 または豆乳を配合してメシマコブの菌体を培養することにより、菌体の生産量を飛躍的に向上させ、それにより得られた菌体抽出物を化粧料に配合することで可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体培養にて培養したメシマコブ菌糸培養液および/または菌糸抽出物を配合することを特徴とする化粧料。 【請求項2】 液体培養培地が、オカラ粉末および/または豆乳を含有した培地であることを特徴とする請求項1の化粧料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、特定の成分を含有させたの液体培養培地組成で液体培養して得られたメシマコブ菌糸体の抽出物を配合した化粧料に関する。詳しくは、従来の液体培地にオカラ粉末または豆乳を添加した液体培養培地組成で液体培養して得られた培養液及び/又はメシマコブ菌糸体抽出物を配合した化粧料に関する。 【技術背景】 【0002】 メシマコブは桑に特異的に寄生して、子実体の裏側が鮮黄色または黄褐色を呈する半円形をしたサルノコシカケのような木質のキノコである。メシマコブは漢方では桑黄と呼ばれ、日本では長崎県の男女群島や、韓国、北米、オーストラリア、フィリピンなど東南アジアの温帯地域に広く分布して自生している。しかし、近年、メシマコブから生理活性成分として抗腫瘍性の多糖体が抽出され、免疫賦活作用の優れていることが判明したために需要が増え、原産地での乱獲を招いて入手が困難になってきている。加えて、化粧料においても美白効果、抗シワ効果、抗炎症効果等の優れた効果が公開(特許第3619185)されているため、今後の一層の需要増加による供給不測が予想される。 【0003】 そこで、近年、メシマコブの菌糸体を人工的に培養する方法が提案されている(例えば、特開2001-178448)。この培養方法は、液体培地にメシマコブ菌糸体を接種して22〜35℃で培養すること、液体培地の炭素源にグルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオース、マルトース、ラクトース、ラフィノースから選択された1以上の糖類を使用すること、好気的条件下で培養すること、培養開始時の培地のpHを4.5〜6.5とすること、などを培養条件とするものである。 【0004】 また、特開2003−259857にはヤマグワ及び桑の木の幹、枝、葉、根から熱水抽出によって得られる抽出物を添加してメシマコブ菌糸体を液体培養する方法が記載されている。 【0005】 更に、特開2002−70には、ハタケシメジの人工栽培に際して、人工栽培用培地にオカラを添加する方法が記載されている。しかしながら、この公報に記載された栽培用培地は、担子菌の子実体を発生させるための固体培養用の培地であり、本発明の液体培養培地ではない。一般に、担子菌の増殖に必要な栄養素と、子実体の形成に必要な栄養条件は大きく異なっている。また、子実体中の成分と、液体培養で得た菌糸体中の成分、さらに固体培養あるいは菌床培養で得た菌糸体中の成分は大きく異なっていることが多いため、栽培用培地、すなわち固体培養用培地に有効な栄養成分が、そのまま液体培養用培地にも有効であるとは限らない。また、成分が異なる培養培地をもちいて培養し、産出される菌糸体やその抽出物の効果にバラツキを生じるため、化粧料への応用が困難であった。 【特許文献1】特開2001-178448号公報 【特許文献2】特開2003−259857号公報 【特許文献3】特開2002−70号公報 【特許文献4】特許第3619185号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 解決しようとする問題点は、メシマコブの菌糸成長を促進し、従来の液体培養方法で得られる菌糸体抽出物と同様な生理活性効果を有するメシマコブの菌糸体抽出物を化粧料に配合し、美白効果、抗シワ効果、抗炎症効果等の優れた効果を有する化粧料を安定的に供給することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、従来の液体培地にオカラ粉末または豆乳を添加することによって、メシマコブ菌糸体の収量が飛躍的に増加することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、オカラ粉末または豆乳が添加された液体培地にメシマコブ菌糸体を接種し、これを液体培養することによりメシマコブ菌糸体の増殖を飛躍的に増加させ、それにより得られた培養液及び/又は菌糸抽出物を化粧料に配合することを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0008】 本発明による化粧料は、従来の液体培地にオカラ粉末および豆乳を含有させた液体培地の中で培養させることで、メシマコブ菌糸体の収量を短期間で飛躍的に増加させることができるため、その抽出物を充分に含有させた化粧料を恒常的に提供することが可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明におけるオカラ粉末は豆腐の製造時、即ち、水に浸漬処理した大豆を磨砕して加熱・絞り処理することにより発生する副産物としてのオカラを気流乾燥法やドラム乾燥法など公知の乾燥手段により乾燥して用いる。また、豆乳は水に浸漬処理した大豆を磨砕して絞った絞り汁である。オカラ粉末、および豆乳はタンパク質、脂質、あるいは無機質などの成分を含有するため、担子菌の良い窒素源となる。 【0010】 前記オカラ粉末は、基本培地に対して0.1〜10重量%の範囲で添加するのが望ましい。液体培地の中にオカラ粉末を固体のまま添加し、分散させる。その後、滅菌を行い培養培地とする。オカラ粉末はメシマコブの培養につれ、菌糸が産生するプロテアーゼにより分解され、窒素源として菌糸に供給され、メシマコブ菌糸体の成長が促進される。特に、基本培地に対して0.5〜5.0重量%を添加したときにその効果が著しく発揮される。 【0011】 また、豆乳は基本培地に対して1.0〜30重量%の範囲で添加するのが望ましく、特に、基本培地に対して5.0〜20.0重量%を添加したときにその効果が著しく発揮される。 【0012】 本発明の液体培養で用いられる基本培地には、炭素源、窒素源などメシマコブ菌糸体を培養する際の生育に必要な栄養素が含まれており、さらにビタミン類やミネラルを含むこともある。 【0013】 炭素源としては、グルコース、スクロース、マンニトール、ガラクトース、トレハロース、マルトース、ラクトース、デキストリン等が添加される。 【0014】 窒素源としては、イーストエキス、モルトエキス、ペプトン、ポリペプトン、カザミノ酸、硝酸カルシウム、硫酸アンモニウム等が添加される。 【0015】 また、ビタミン類やミネラルとしては、チアミン、ビオチン、葉酸、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等が添加される。 【0016】 本発明における基本培地としては、例えば、グルコース2.0%、イーストエキス0.5%を添加した培地組成からなるものである。また、前記以外の培地組成であっても、メシマコブ菌糸培養に適している培地であれば、本発明に適用されるのは勿論である。 【0017】 本発明におけるメシマコブの液体培養法は、前述のオカラ粉末を添加した液体培地にメシマコブの種菌を接種し、室温約20〜30℃の好気条件下で約21〜28日間培養するのが望ましい。培養は、振とう培養を行なっても良いし、通気培養を行なっても良い。 【0018】 〔抽出物の調製法〕 メシマコブの菌糸抽出物の調製法は特に限定されないが、例えば種々の適当な有機溶媒を用いて低温下から加温下で抽出される。抽出溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチルなどのアルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等の1種または2種以上を用いることが出来る。そのうち、水、エチルアルコール、1,3−ブチレングリコールの1種または2種以上の混合溶媒が特に好適である。 メシマコブの菌糸抽出物は、生のままあるいは乾燥したものを一種又は二種以上を重量比で1〜1000倍量、特に10〜100倍量の溶媒を用い、常温抽出の場合には、0℃以上、特に20℃〜40℃で1時間以上、特に3〜7日間行うのが好ましい。また、60〜100℃で0.5〜24時間、加熱抽出しても良い。 【0019】 以上のような条件で得られるメシマコブ菌糸の抽出物および、培養液は溶液のまま用いても良いが、更に必要により、ろ過等の処理をして、濃縮、粉末化したものを適宜使い分けて用いることが出来る。 【実施例】 【0020】 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、培養および操作方法は無菌的に行なうものとする。 【0021】 〔実施例 1〕培地に添加するオカラ粉末の効果試験 継代培養しているメシマコブ保存菌株(株式会社ナリス化粧品の保存菌株)の一部をポテトデキストロース(DIFCO社)の寒天培地に接種し、約4週間平面培養を行なったのち、これを種菌として用いる。 【0022】 グルコース2.0%、酵母エキス0.5%を100mlの水に添加して基本の液体培地を作った。また、添加物としてオカラ乾燥粉末、クワ抽出物(蒸発算分4.0%濃度の水溶液)、フスマ、米ヌカを表-1の量を添加して液体培地を調製する。これらの液体培地を200mlの三角フラスコに100mlずつ分注後、オートクレーブを用いて高圧殺菌する。なお、クワ抽出物は、桑の木の幹や枝を剪定バサミで5mm程度に細かく切り、水に加えて約60分間熱水抽出を行い、冷却後に固形分を除去して、上記の蒸発残分になるように濃縮したものを用いた。 【0023】 上述の液体培地を室温まで放冷した後、寒天培地で培養したメシマコブ培養物を取り、グルコースと酵母エキスからなる基本培地で良くホモジネートしたものを1mlづつフラスコに接種する。接種後は24℃、150rpmの暗条件下で振とう培養を行った。 【0024】 培養を開始して約21日後には液体培地に菌糸体が生育する。そこで、生育した菌糸体を収集し、これを水でよく洗浄したのち60℃で5時間、送風乾燥した。 【0025】 前記収集した菌糸体の成長比を表-1に示す。成長比は実施例-1の基本培地で培養した時の収量を100とし、それに対する比計算によって算出した。 【0026】 【表−1】
【0027】 表−1によれば、実施例−1の基本培地で培養したものと比較して、オカラ粉末を1%添加した実施例−3は、328%の増殖率を示した。これに対し、桑エキスを添加した実施例−2の増殖率は109%であり、オカラ粉末添加の効果が著しいことが明らかとなった。また、固体培地に汎用されるフスマを添加した実施例−4、米ヌカを添加した実施例−5の増殖率はそれぞれ165%、149%であり、いずれもオカラ粉末を添加したものの増殖率には及ばなかった。以上の結果からも、液体培養と固体培養での培養は、必要とされる物質が同じものではないことが明らかである。また、実施例−3,4、5に桑エキスをそれぞれ添加した実施例−6,7,8の増殖率は、桑エキスを添加しないものと比較して大差はなく、メシマコブ菌糸の増殖にはオカラ粉末が大きな影響を与えていることが明らかとなった。 【0028】 〔実施例2〕培地に添加するオカラ粉末の添加量 培地に添加するオカラ粉末の添加量を検討するため、表-2に示したような培地を作成し、実施例1と同じ方法で、メシマコブ菌体量を測定した。 【0029】 【表−2】
【0030】 表-2に結果を示した。オカラ粉末の添加量が0.05%の場合は、増殖率が156%となった。増殖率が上がるが顕著な増殖効果は示さなかった。これに対し、0.1%〜5.0%添加したものは、メシマコブ菌糸体の顕著な増殖効果が認められた。 【0031】 〔実施例3〕培地に添加する豆乳の添加量 培地に添加する豆乳の添加量を検討するため、表-3に示したような培地を作成し、実施例1と同じ方法で、メシマコブ菌体量を測定した。 【0032】 【表−3】
【0033】 表-3に結果を示した。豆乳の添加量が1.0%の場合は、増殖率が181%となった。これに対し、5.0%〜20.0%添加したものは、増殖率が281%から437%とメシマコブ菌糸体の顕著な増殖効果が認められた。また、添加量を30%と増加させても、添加量に比例するような増殖は認められなかった。 【0034】 次に、本発明のメシマコブ培養液及び/又は菌糸抽出物を含有させた化粧料について説明する。 【0035】 本発明のメシマコブ培養液及び/又は菌糸抽出物の化粧料への配合量は、有効であれば特に限定はされないが、菌糸抽出物は、乾燥重量に換算して0.001〜80重量%が好ましく、更に0.01〜1重量%が好ましい。また、培養液は、0.001〜90重量%が好ましく、0.01〜30重量%が更に好ましい。 【0036】 本発明の化粧料には、上記必須成分のほか、化粧品、医薬部外品、医薬品に用いられる水性成分、油性成分、植物性抽出物、動物抽出物、粉未、界面活性剤、油剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等を必要に応じて本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することが出来る。本発明の皮膚外用剤の剤型としては、化粧水、乳液、クリーム、パック、パウダー、スプレー・軟膏、分散液、洗浄料等種々の剤型とすることができる。 【0037】 以下に、本発明のメシマコブ培養液及び/又は菌糸抽出物を含有させた化粧料の効果について説明する。 【0038】 これに先立ち評価項目および方法に関して詳述する。各実施例共女性パネラー20名に、実施例試料と比較例試料とを配布した後それぞれが1ヶ月間塗布した後、使用前と比較して皮膚のハリ、美白効果、及び保湿効果を判定し、実施例試料と比較例試料との優劣を、表4〜表5に示した。 【0039】 表-4に、製剤化した実施例15及び比較例7の処方とその処方にて製剤化した化粧水のパネラーテストの結果を示した。また、パネラーテストを実施中にパネラー全員が皮膚への違和感や肌トラブル等の異常は見られなかった。なお、化粧水は通常の化粧料の方法にて製造した。 【0040】 なお、化粧料に配合する培養液は、表−1の実施例1で示した培地組成でメシマコブ菌糸を4週間培養した培養物からメシマコブ菌糸を除去したものを使用した。また、メシマコブ菌糸抽出物は、除去した菌糸乾燥物1gを50%エタノール水溶液50mlで60℃,1時間抽出したものを使用した。 【0041】 【表−4】
【0042】 表-5に、製剤化した実施例16及び比較例8の処方とその処方にて製剤化した乳液のパネラーテストの結果を示した。また、パネラーテストを実施中にパネラー全員が皮膚への違和感や肌トラブル等の異常は見られなかった。なお、乳液は通常の化粧料の方法にて製造した。 【0043】 【表−5】
【0044】 表-6に、製剤化した実施例17及び比較例9の処方とその処方にて製剤化したクリームのパネラーテストの結果を示した。また、パネラーテストを実施中にパネラー全員が皮膚への違和感や肌トラブル等の異常は見られなかった。なお、クリームは通常の化粧料の方法にて製造した。 【0045】 【表−6】
【0046】 上記表−4〜表−6より、本発明の化粧料は肌のハリ及び保湿改善効果、及び美白効果に優れている結果を得た。また、パネラーへの皮膚刺激等の肌トラブルも全く無かったことから極めて安全性が高いことも判明した。 【産業上の利用可能性】 【0047】 本発明の化粧料は、皮膚のハリ、保湿の改善効果に優れているとともに高い美白効果を有する。また、安全性も極めて高いことから種々の化粧料に広く応用が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591230619 【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号
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| 【出願日】 |
平成17年3月30日(2005.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−273818(P2006−273818A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−99938(P2005−99938) |
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