| 【発明の名称】 |
活性炭処理梅肉エキスを含有する皮膚外用剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】末次 一博
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| 【要約】 |
【課題】梅肉エキス中から、水溶性部分を取り出し、活性炭を用いることによって、不溶分、着色成分、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸を選択的に除去した活性炭処理梅肉エキスと保湿剤を配合した皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】梅肉エキスの水溶性部分を取り出し、活性炭にまず吸着させ、を用いることによって、ムメフラール及び5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールが活性炭に吸着され、クエン酸などの有機酸は活性炭に吸着されないことを利用し、クエン酸を選択的に除くことによって得た活性炭処理梅肉エキスと保湿剤を併用することによって保湿性に優れた皮膚外用剤を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性炭処理梅肉エキスを含有することを特徴とする皮膚外用剤。 【請求項2】 活性炭処理梅肉エキスと保湿剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。 【請求項3】 活性炭処理梅肉エキスが、梅肉エキスの水溶解分を活性炭に吸着させ、水性エタノール溶液で抽出することによって精製した活性炭処理梅肉エキスであることを特徴とする請求項第1または2項記載の皮膚外用剤。 【請求項4】 活性炭の細孔直径が25〜40Åにピークを持つことを特徴とする請求項第1または2項記載の皮膚外用剤。 【請求項5】 保湿剤が、アミノ酸、ポリオールまたはムコ多糖類である請求項第1または2項記載の皮膚外用剤。 【請求項6】 アミノ酸が、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、メチオニン、グリシン、システイン、アスパラギン酸、アルギニン、オルニチン並びにこれらの塩類から選ばれたものである請求項第1または2項記載の皮膚外用剤。 【請求項7】 ポリオールが、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリンから選ばれたものである請求項第1または2項記載の皮膚外用剤。 【請求項8】 ムコ多糖類が、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸並びにこれらの塩類から選ばれたものである請求項第1または2項記載の皮膚外用剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は皮膚外用剤に関し、更に詳細には、活性炭を用いることによって、不溶分、着色成分、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸を選択的に除去した活性炭処理梅肉エキスを配合した皮膚外用剤に関する。 【背景技術】 【0002】 梅肉エキスは日本の特有の食品で、昔から健康に良いと愛用されている。梅肉エキスは、クエン酸、リンゴ酸やコハク酸などの有機酸類が多量に含まれており、食物繊維や鉄分などが含まれている。酸味が強く、これが昔から殺菌、疲労回復、胃の保護作用を持つといわれている。梅干や梅肉エキスには血圧を上げる酵素ACEの活性を抑制する働きがあり、梅肉エキスは梅干と異なり、食塩が全く含まれていないため、食塩の摂取を制限されている人も安心して食べることができる。特に最近の研究では、梅肉エキスの中にムメフラール (Mumefural)という成分が血流改善に良い働きがあることが分った(Chuda Y. et al.、J. Agric. Food Chem.、47、p828−831、(1999))。 【0003】 梅肉エキスの製造方法は、昔から伝統的に伝えられており、青梅の実をすりおろしてガーゼなどで果汁をろ過し、その後弱火で飴状になるまで長時間煮詰める。梅肉エキスは梅の実1kg分から20〜25gしか取れない。 【0004】 梅肉エキス中に含まれる血流改善作用を有するムメフラールは、生梅の状態では含まれておらず、梅肉エキス製造時の加熱処理によって、グルコース、フルクトースやスクロースなどの糖が脱水反応によって5−ヒドロキシメチル2−フルフラールを生成し、更にクエン酸がエステル縮合して生成することがわかっている。(我籐伸樹 他、ヘモレオロジー研究会誌、第3巻、p81−87(2000)) 【0005】 ムメフラールの効能を発揮し、有機酸類を取り除く精製法としてカラムクロマトを用いる方法が提示されている(登録第2979305号)。しかし、カラムによる精製は単一成分にする能力は高いが処理に費用がかかり実用的でない。このようなことから、安価な方法で、酸味の主要因であるクエン酸を選択的に除き、ムメフラール含有比率の高いクエン酸低含有梅肉エキス組成物を製造する。 【0006】 梅肉エキスは、このように食品への利用はされているが、皮膚外用剤への利用は、梅肉エキスの着色が強いこと、不溶性成分が多いこと、酸性度が強いことなどの問題点から使用には至っていないのが現状である。 【特許文献1】特許登録第2979305号公報 【特許文献2】特願2005−12101号公報 【非特許文献1】Chuda Y. et al.、J. Agric. Food Chem.、47、p828−831、(1999) 【非特許文献2】我籐伸樹 他、ヘモレオロジー研究会誌、第3巻、p81−87(2000) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 解決しようとする問題点は、梅肉エキスの皮膚外用剤への配合であり、着色が強い、不溶性成分が多い、酸性度が強いを改善することによって、皮膚外用剤への配合ができ、皮膚への有効性が見出されることが望まれていた。更に、皮膚に対する有効性の確認し、皮膚外用剤への応用が望まれていた。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、皮膚外用剤への梅肉エキス配合を可能とするべく鋭意検討を行った結果、梅肉エキスの水溶性部分を取り出し、活性炭にまず吸着させ、水性アルコールを用いることによって、活性炭に吸着した成分を抽出することによって、着色・匂いが少なく、不溶分及びクエン酸等の酸が少なく、ムメフラールの含有比率が高い活性炭処理梅肉エキスを製造できることを見出し、その抽出液に保湿効果が見られ、更に、その他の保湿剤と併用することによって保湿効果が向上することを見出し、本発明を完成した。 【0009】 即ち、本発明は、活性炭処理梅肉エキスと保湿剤を含有する皮膚外用剤を提供するものである。 【発明の効果】 【0010】 本発明の活性炭処理梅肉エキスは、着色が少なく、酸度が低いため処方系への影響が少ない。そして、保湿性に優れた皮膚外用剤を提供することができる。更に、他の保湿剤と併用することによって、更に優れた保湿性効果が期待できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明皮膚外用剤の成分である活性炭処理梅肉エキスは、既に食品への利用が検討され、クエン酸濃度を低減させたものが造られている。クエン酸を低減した梅肉エキスは、例えば次の方法により製造することができる。 【0012】 即ち、市販の梅肉エキスに精製水を加え、よく分散後、遠心分離またはろ過を行い、梅肉エキス水抽出液を得る。次いで、活性炭を加え、しばらく放置後、ろ過を行い、活性炭をる。活性炭を集め、50%エタノールで抽出を行い、活性炭処理梅肉エキスを得ることができる。 【0013】 本発明皮膚外用剤における活性炭処理梅肉エキスの含有量は、好ましくは乾燥固形分として0.0001〜10重量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.01〜5%である。 抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。 この活性炭処理梅肉エキスの含有量が0.0001%より少ないと十分な効果が得られないことがあり、また、10%を越えて配合してもそれ以上の効果の増大は見られない。 【0014】 一方、併用される保湿剤としては、アミノ酸、ポリオールまたはムコ多糖類が挙げられる。 【0015】 更に詳しくは、アミノ酸は、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、メチオニン、グリシン、システイン、アスパラギン酸、アルギニン、オルニチンなどが挙げられる。 【0016】 ポリオールは、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリンが挙げられる。 【0017】 ムコ多糖類は、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸並びにこれらの塩類が挙げられる。 【0018】 上記の併用成分である保湿剤の本発明の皮膚外用剤への配合量は、保湿剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。 【0019】 更にまた、保湿剤であるアミノ酸及び/又はポリオール及び/又はムコ多糖類の本発明皮膚外用剤中の配合量は、アミノ酸及び/又はムコ多糖に関しては、一般には0.0001%〜5%、好ましくは0.001〜1%である。 これらの含有量が0.0001%より少ない場合は、十分な効果が得られないことがあり、また、5%を超えて配合してもそれ以上の効果の増大は見られない。ポリオールに関しては、一般には0.1%〜20%、好ましくは1〜5%である。 これらの含有量が0.1%より少ない場合は、十分な効果が得られないことがあり、また、20%を超えて配合してもそれ以上の効果の増大は見られないばかりか、皮膚刺激となる場合もある。 【0020】 本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、必須成分である活性炭処理梅肉エキスと保湿剤とを通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基剤に配合して調製することができる。 【0021】 皮膚外用剤の形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、分散液、洗浄料等の化粧品や、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができ、外用剤の基剤としては、これら外用剤の形態に応じた基剤、例えば、精製水、低級アルコール、多価アルコール、油脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、防腐剤、香料等を用いることができる。 【実施例】 【0022】 次に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。 【0023】 〔製造例1〕活性炭処理梅肉エキスの製造方法 市販の梅肉エキス(梅丹製)150gに精製水5000mLを加え、よく分散後、ろ過を行い、梅肉エキス水抽出液を得た。抽出液5000mLに活性炭(太閤FC)を液量に対して0.5%にあたる25gを加え、時々攪拌し15分間放置した。ろ過を行い、未吸着液を捨て、次いで、ろ過残分(活性炭)に1500mLの水で洗浄した。ろ過残分(活性炭)に、50%エタノール5000mL順次加え、溶出を行った。溶出液を減圧下溶媒の除去を行い、最終凍結乾燥を行い、約9gの活性炭処理梅肉エキスを得る。 【0024】 〔実験例1〕活性炭処理梅肉エキス単独での保湿効果 試料として活性炭処理梅肉及びグリセリンの25%水溶液を作成し,約0.10gを正確にφ=25mmのガラスフィルターをセットした容器に滴下した。人工的に設定した温度30℃,2Lの密閉容器中で0%(シリカゲル),約40%(K2CO3),約80%((NH4)2SO4)において試料を放置した。経時的にそれぞれの試料の重量変化を測定し,減少分を水分の蒸散として,水分残存率を求めた。測定は,同一試料につき3検体ずつ行い平均した。 【0025】 図1、2、3から分かるように、本試験法で高い保湿作用を示すグリセリンと比較して、勝ってはいないが、それに迫る保湿作用を有することが分かった。 【0026】 〔実験例2〕他の保湿剤と組み合わせた実使用における保湿効果 実施例1〜3及び比較例1〜4 化粧水表1に示す組成化粧水を調製し、その保湿実感及び皮膚状態を評価した。 (評価方法)26〜52才の女性42名をパネルとし、各6名を1群として、毎日朝と夜の2回、8週間にわたって洗顔後に被験化粧水の適量を顔面に塗布した。塗布による保湿実感及び皮膚状態を下の評価基準によって評価した。6名の評価の平均値を表2に示す。 【0027】 【表1】
【0028】 保湿実感スコア: [スコア] [ 状 態 ] 1 保湿感が低い。 2 保湿感やや低い。 3 中程度の保湿感。 4 保湿感がやや高い。 5 保湿感が高く。 【0029】 肌状態スコア: [スコア] [ 状 態 ] 1 肌の皮溝が不鮮明であり、角質のはがれが認められる。 2 肌の皮溝がやや不鮮明であるかまたは一方向性が強い。 3 肌の皮溝は認められるが、浅いかまたは一方向性が強い。 4 肌の皮溝が認められるかまたはやや網目状である。 5 肌の皮溝がはっきり認められるかまたはきれいな網目状である。 【0030】 【表2】
【0031】 表2のように従来の保湿剤単独及び活性炭処理梅肉エキス単独よりも保湿剤と活性炭処理梅肉エキスを併用した化粧水を塗布した群の方が、保湿実感及び肌状態の評価ともに優れていた。 【産業上の利用可能性】 【0032】 本発明の活性炭処理梅肉エキスを配合した皮膚外用剤は、活性炭処理梅肉エキス自体の着色が少なく、酸度の低いため処方系への影響が少ないため、種々の剤型に応用ができる。そして、保湿性に優れているため、広く化粧料に応用が期待できる。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】湿度80%下における経時水分残存率を示した図。 【図2】湿度40%下における経時水分残存率を示した図。 【図3】湿度0%下における経時水分残存率を示した図。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591230619 【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
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| 【出願日】 |
平成17年3月30日(2005.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−273817(P2006−273817A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−99937(P2005−99937) |
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