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【発明の名称】 染毛剤
【発明者】 【氏名】小林 克
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真フイルム株式会社内

【要約】 【課題】毛髪を鮮明な色調に強く染色することができ、染色性が高く、経日で褪色しにくい染毛剤及びこれを用いた染毛方法を提供する。

【解決手段】直接染料として下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する染毛剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接染料として下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする染毛剤。
【化1】


(式中、L、L、L、L、L、L、L、L及びLはメチン基を表す。p及びpは0又は1を表す。qは0又は1を表わす。n及びnは0、1、2、3又は4を表す。Z及びZは含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表す。ZとZ’は(N−R)qと一緒になって環を形成するために必要な原子群を表す。ただし、Z及びZの形成する含窒素複素環及びZとZ’が(N−R)qと一緒になって形成する環にはそれぞれさらに他の環が縮環していてもよく、またZ及びZの形成する含窒素複素環及びZとZ’が(N−R)qと一緒になって形成する環はそれぞれ置換基を有していても良い。Mは電荷均衡対イオンを表し、mは分子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。R、R、及びRは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。)

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた染色力を有し、毛髪に対し極めて鮮明で広い範囲の色を付与することができ、経日による色落ちも少ない染毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より永久染毛剤においては、酸化染料が使用されてきた。サイズの小さな染料前駆体の状態で毛髪中に浸透させ、毛髪内部で酸化されて分子サイズの比較的大きな染料分子を生成することで、長期間にわたって着色を保持している。しかしながら、この方法では鮮やかな色調の染毛効果を得ることが出来ないという問題があった。さらに近年、染料前駆体自身、制御不能な中間生成物、及び最終生成物の安全性が問題視されている。
一方で、直接染料を毛髪に適用して染毛する半永久染毛剤若しくは一時的染毛剤も利用されているが、その名前の通り着色の保持期間が短いことと、染毛濃度が十分でないことなどが、欠点として挙げられている。この方法での染毛濃度を向上する為に直接染料としてニトロ染料やカチオン染料を用いることが試みられている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、ニトロ染料を用いた場合には、染料によっては経日での色落ちが著しく、色がくすみ易いという問題があり、カチオン染料を用いた場合には、染料によってはシャンプーによる洗髪による色落ちが大きいことが問題となっていた。また、これらの問題を解決するために特定構造のシアニン色素等を用いた例が開示されている(特許文献3、4参照)。しかし、ここに開示されている構造の色素の染色性と着色の保持性はまだ十分満足いくものではなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平6−271435号公報
【特許文献2】特表平8−501322号公報
【特許文献3】特開2002−12534号公報
【特許文献4】特開2002−80331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、毛髪を鮮明な色調に強く染色することができ、染色性が高く、経日で褪色しにくい染毛剤及びこれを用いた染毛方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、下記一般式(1)で表される直接染料を用いれば、上記要求を満たす染毛剤が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]直接染料として下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする染毛剤、
【0006】
【化1】


【0007】
(式中、L、L、L、L、L、L、L、L及びLはメチン基を表す。p及びpは0又は1を表す。qは0又は1を表わす。n及びnは0、1、2、3又は4を表す。Z及びZは含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表す。ZとZ’は(N−R)qと一緒になって環を形成するために必要な原子群を表す。ただし、Z及びZの形成する含窒素複素環及びZとZ’が(N−R)qと一緒になって形成する環にはそれぞれさらに他の環が縮環していてもよく、またZ及びZの形成する含窒素複素環及びZとZ’が(N−R)qと一緒になって形成する環はそれぞれ置換基を有していても良い。Mは電荷均衡対イオンを表し、mは分子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。R、R、及びRは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。)
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の染毛剤は優れた染色性を有する。また、本発明の染毛剤は、洗髪、日光への暴露に対して高い持続性を有する。さらに本発明に用いられる化合物(1)は酸化物に対して十分安定であるから、酸化剤と併用する染毛剤として毛髪を脱色しながら鮮やかな色に染めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明について説明する。
本発明に用いられる化合物において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分は基自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における基が有してもよい「置換基」には、どのような置換基でも含まれる。
【0010】
置換基をVとすると、Vで示される置換基としては特に制限は無いが、例えばハロゲン原子、アルキル基[(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基及びトリシクロアルキル基を含む)、またアルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基も含むこととする]、アリール基、複素環基(ヘテロ環基とも言う)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、その他公知の置換基が例として挙げられる。
【0011】
さらに詳しくは、Vはハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、例えばビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基に加え、下記のアルケニル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、アルキニル基等も含むものとする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらはアルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えばビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えばエチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5〜6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは炭素数3〜30の5〜6員の芳香族の複素環基、例えば2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性複素環基でもよい)、
【0012】
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えばホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えばN,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えばフェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
【0013】
アミノ基(好ましくはアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチルアニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えばトリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくはホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えばカルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えばフェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えばスルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えばメチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
【0014】
メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えばフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えばN−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えばアセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えばカルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
【0015】
アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えばフェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくはN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えばジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えばホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えばジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えばジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、ホスホ基、シリル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えばトリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイド)を表す。
【0016】
また、2つのVが連結して、環(芳香族または非芳香族の、炭化水素環または複素環。これらはさらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、キノリン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、キノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)構造をとることもできる。
【0017】
上記の置換基Vの中で水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の置換基で置換されていてもよい。そのような複合置換基の例としては、アシルスルファモイル基、アルキルおよびアリールスルホニルカルバモイル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルカルバモイル、p−メチルフェニルスルホニルカルバモイル、アセチルスルファモイル、ベンゾイルスルファモイル基が挙げられる。
【0018】
以下に本発明で使用する一般式(1)で表される化合物について詳しく説明する。
1及びZは含窒素複素環、好ましくは5又は6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。ただし、これらには、さらに他の環が縮環していても良く、また置換基を有していても良い。Z1及びZに縮環してもよい環としては、芳香族環、又は非芳香族環のいずれでも、また炭化水素環、又は複素環のいずれでも良い。好ましくは芳香族環であり、例えばベンゼン環、ナフタレン環などの炭化水素芳香族環や、ピラジン環、チオフェン環などの複素芳香族環が挙げられる。Z1及びZが有してもよい置換基としては前述のVが挙げられる。
【0019】
1及びZが形成する含窒素複素環として、具体的にはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、テルラゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、ピロリン核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、ピラゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができるが、好ましくはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核が挙げられる。
【0020】
これらには、前述のVで表される置換基が置換していてもよく、また他の環が縮合していても良い。好ましい置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基であり、また芳香環と縮合している場合も好ましい。しかし、好ましくは無置換の場合である。
【0021】
とZ’と(N−R)q1によって形成される環としてはいかなるものでも良いが、好ましくは複素環(好ましくは5又は6員の複素環)であり、さらに好ましくは下記で説明する酸性核からオキソ基又はチオキソ基を少なくとも一つ除いたものである。ここで、オキソ基とは“=O”を、チオキソ基とは“=S”を意味する。
【0022】
ここでいう酸性核は、例えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the Photographic Process)第4版、マクミラン出版社、1977年、197〜200頁に記載されている。酸性核は、具体的には、米国特許第3,567,719号、第3,575,869号、第3,804,634号、第3,837,862号、第4,002,480号、第4,925,777号、特開平3−167546号、米国特許第5,994,051号、米国特許5,747,236号などに記載されているものが挙げられる。
【0023】
酸性核としては、炭素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原子からなる複素環を形成しているものが好ましく、さらに好ましくは炭素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原子からなる5員又は6員の含窒素複素環を形成しているものである。具体的には、例えば次の核が挙げられる。
【0024】
2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリジン−2,5−ジオン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−オン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、インダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリニウム、3−オキソインダゾリニウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ[3,2−a]ピリミジン、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロマン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキサイド、3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキサイドの核。
【0025】
これらの酸性核には、他の環が縮環していても、置換基(例えば前述のV)が置換していても良い。
【0026】
とZ’と(N−R)q1によって形成される環としてさらに好ましくは、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸からオキソ基又はチオキソ基を少なくとも一つ除いたものであり、特に好ましくは、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸からオキソ基又はチオキソ基を少なくとも一つ除いたものであり、最も好ましくは2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニンからオキソ基又はチオキソ基を少なくとも一つ除いたものである。
【0027】
1は0又は1であるが、好ましくは1である。
【0028】
、R、及びRで表されるアルキル基は無置換でも置換されていてもよく、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜7、特に好ましくは炭素数1〜4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、または炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜7、特に好ましくは炭素数1〜4の置換アルキル基{置換基としては、前記Vで表される各置換基(アリール基、不飽和炭化水素基、カルボキシ基、スルホ基、スルファト基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、複素環基、アルキルスルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、アルキルスルホニルスルファモイル基など、さらに置換されてよい)が挙げられる}である。
【0029】
、R、及びRで表されるアリール基は無置換でも置換されていてもよく、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10の無置換アリール基(例えばフェニル、1−ナフチル)、または炭素数6〜26、好ましくは炭素数6〜21、さらに好ましくは炭素数6〜16の置換アリール基{置換基としては、前記Vで表される各置換基(アルキル基およびアリール基、不飽和炭化水素基、カルボキシ基、スルホ基、スルファト基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、複素環基、アルキルスルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、アルキルスルホニルスルファモイル基など、さらに置換されてよい)が挙げられる}であり、好ましくはフェニル基である。
【0030】
、R、及びRで表される複素環基は無置換でも置換されていてもよく、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは炭素数1〜10の無置換複素環基(例えばピロール、フラン、チオフェン)、または炭素数1〜26、好ましくは炭素数1〜21、さらに好ましくは炭素数1〜16の置換複素環基{置換基としては、前記Vで表される各置換基が挙げられる}である。
【0031】
、R、及びRは好ましくは、炭素数1〜4の無置換アルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3の無置換アルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜2の無置換アルキル基、又は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基であり、最も好ましくは、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基である。
【0032】
、L、L、L、L、L、L、L、及びLで表されるメチン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、前記Vで表される各置換基が挙げられる。更に、L〜L上の置換基と近傍の複数のL〜Lで表されるメチン基が一緒になって環を形成してもよい。
【0033】
1及びnはそれぞれ独立に0、1、2、3または4を表す。n1及びnとして好ましくは0、1、2、3であり、更に好ましくは0、1、2である。n1及びnが2以上の時、メチン基が繰り返されるが同一である必要はない。
【0034】
及びp2は0が好ましい。
【0035】
は色素のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオンまたは陰イオンの存在を示すために式の中に含められている。ある色素が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その置換基および溶液中の環境(pHなど)に依存する。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H+)、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン化物陰イオン(例えばフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリ−ルスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ルジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマーまたは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよい。好ましい陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、メチルピリジニウムイオンである。好ましい陰イオンは過塩素酸イオン、ヨウ化物イオン、臭化物イオン、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン)である。
【0036】
は電荷を均衡させるのに必要な0以上の数を表し、分子内塩を形成する場合は0である。好ましくは0以上4以下の数である。
【0037】
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物の好ましい態様を以下に述べる。
【0038】
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物として好ましくは、nが0であり、qが1であるものである。
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物として更に好ましくは、nが0であり、qが1であり、且つZ’が硫黄原子を表し、且つZがカルボニル基をあらわすものである。
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物として更に好ましくは、nが0であり、qが1であり、且つZ’が硫黄原子を表し、且つZがカルボニル基を表し、且つZ及びZによって形成される含窒素複素環がベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核をあらわすものである。
【0039】
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物として更に好ましくは、nとqが共に0であり、且つZ’が硫黄原子を表し、且つZがカルボニル基を表し、且つZ及びZによって形成される含窒素複素環がベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベンゾイミダゾール核をあらわすものである。
【0040】
以下に本発明で使用する一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これにより本発明が制限されるわけではない。
【0041】
【化2】


【0042】
【化3】


【0043】
【化4】


【0044】
【化5】


【0045】
【化6】


【0046】
【化7】


【0047】
一般式(1)で表される化合物は、F.M.Hamer著「Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related Compounds」、John Wiley & Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、D.M.Sturmer著「Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry」、第18章、第14節、第482〜515頁、John Wiley & Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「Rodd's Chemistry of Carbon Compounds」2nd Ed.vol.IV, part B,1977刊、第15章、第369〜422頁、Elsevier Science Publishing Company Inc.社刊、ニューヨークなどに記載の方法に基づいて合成することができる。
【0048】
本発明において「染毛剤」とは特定の染毛化合物を単独で含む剤だけではなく、他の染毛化合物との混合物もしくは、染毛化合物と剤、溶媒との混合物すなわち組成物や、さらには、後述するように1剤からのみなるものでなく、2剤以上をセットした多剤形式の染毛剤を包含する意味である。
本発明の染毛剤においては、前記一般式(1)で表される化合物以外に、他の直接染料又は酸化染料を組み合わせて用いることができる。
【0049】
他の直接染料としては、例えばベーシックブルー7(C.I.42595)、ベーシックブルー26(C.I.44045)、ベーシックブルー99(C.I.56059)、ベーシックバイオレット10(C.I.45170)、ベーシックバイオレット14(C.I.42515)、ベーシックブラウン16(C.I.12250)、ベーシックブラウン17(C.I.12251)、ベーシックレッド2(C.I.50240)、ベーシックレッド12(C.I.48070)、ベーシックレッド22(C.I.11055)、ベーシックレッド46(C.I.110825)、ベーシックレッド76(C.I.12245)、ベーシックレッド118(C.I.12251:1)、ベーシックイエロー28(C.I.48054)、ベーシックイエロー57(C.I.12719);特開昭58−2204号公報、特開平9−118832号公報、特表平8−501322号公報及び特表平8−507545号公報に記載されているカチオン染料などが挙げられる。
【0050】
本発明の染毛剤において、一般式(1)で表される化合物の含有量は、全組成(2剤式又は3剤式の場合は各剤の混合後。以下同じ。)中に0.0001〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜20質量%、更に好ましくは0.05〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。また他の直接染料を併用する場合には、解離性直接染料(1)と合計したときの含有量が、全組成中に0.001〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.05〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
【0051】
前記一般式(1)で表される化合物は、通常の染毛剤で用いられるpH2〜11の広い範囲で保存安定性に優れるため、本発明の染毛剤は、上記範囲内の任意のpHで使用することができる。しかし、pH5以上の範囲で使用するのが、染色性の点から好ましい。
【0052】
本発明の染毛剤は、上記一般式(1)の化合物以外の種々の成分を含んでいてもよい。
本発明の染毛剤に用いられるアルカリ剤としては、例えばアンモニア;モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン又はこれらの塩等のアルカノールアミン;グアニジン炭酸塩等のグアニジウム塩;水酸化ナトリウム等の水酸化物などが挙げられる。アルカリ剤の含有量は、全組成中の0.01〜20質量%が好ましく、更には0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
【0053】
本発明の染毛剤に用いられる一般式(1)で表される化合物は、酸化剤に対して十分安定なので、酸化剤と混合した後に毛髪に適用することができる。換言すれば、本発明の染毛剤の実施態様として前記一般式(1)で表される化合物を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤の2剤式にすることができる。この場合、染色と脱色が同時に行われ、より鮮やかな染色が得られる。
【0054】
酸化剤としては、例えば過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過ホウ酸ナトリウム等の過ホウ酸塩;過炭酸ナトリウム等の過炭酸塩;臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩などが挙げられる。なかでも、毛髪に対する脱色性、前記一般式(1)で表される化合物の安定性及び有効性の点から、過酸化水素が特に好ましい。また、過酸化水素を他の酸化剤と組み合わせて用いることもできる。酸化剤の含有量は、全組成中の0.5〜10質量%、特に1〜8質量%が好ましい。
【0055】
前記一般式(1)で表される化合物を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤の混合割合は、容積比で2:1〜1:3の範囲であるのが好ましい。
【0056】
本発明の染毛剤においては、前記一般式(1)で表される化合物とともに、酸化染料を併用することもできる。このような併用により、酸化染料単独では得られない、極めて鮮明で強い染色が可能となる。酸化染料としては、酸化型染毛剤に通常用いられる公知の顕色物質及びカップリング物質が用いられる。
【0057】
顕色物質としては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、N−メトキシエチル−パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、1,3−ビス(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノフェニル)アミノ)−2−プロパノール、PEG−3,2,2’−パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−4−アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−アセタミドフェノール、3,4−ジアミノ安息香酸、5−アミノサリチル酸、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール等、及びその塩が挙げられる。
【0058】
また、カップリング物質としては、例えばメタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール、2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4−ジメトキシ−1,3−ジアミノベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2−メチル−5−アミノフェノール、2−メチル−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、2−クロロ−3−アミノ−6−メチルフェノール、2−メチル−4−クロロ−5−アミノフェノール、N−シクロペンチル−メタアミノフェノール、2−メチル−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2−メチル−4−フルオロ−5−アミノフェノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4−メチレンジオキシフェノール、2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシフェノール、3,4−メチレンジオキシアニリン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジン等、及びその塩が挙げられる。
【0059】
これらの顕色物質及びカップリング物質は、それぞれ2種以上を併用することもでき、またそれらの含有量は、全組成中にそれぞれ0.01〜20質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。
【0060】
本発明の染毛剤中には、更にインドール類、インドリン類等に代表される自動酸化型染料や、ニトロ染料、分散染料等の公知の直接染料を含有させることもできる。
【0061】
本発明の染毛剤中に、ポリオール類又はポリオールアルキルエーテル類、カチオン性又は両性ポリマー類、シリコーン類を加えると均一な染毛が得られるとともに、毛髪の化粧効果を改善することができ好ましい。
【0062】
本発明の染毛剤中には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を含有させることができる。このような任意成分としては、炭化水素類、動植物油脂、高級脂肪酸類、有機溶剤、浸透促進剤、カチオン界面活性剤、天然又は合成の高分子、高級アルコール類、エーテル類、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、蛋白誘導体、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0063】
本発明の染毛剤は、通常の方法に従って製造でき、1剤式、アルカリ剤を含有する剤成分と酸化剤を含有する剤成分からなる2剤式、あるいはこれに過硫酸塩等の粉末状の酸化剤を加えた3剤式の形態とすることができる。2剤式又は3剤式の場合、前記一般式(1)で表される化合物は、上記の染毛剤成分の少なくとも1つに配合すればよい。本発明の染毛剤は、1剤式の場合は直接毛髪に塗布することにより使用され、2剤式又は3剤式の場合は染毛時にこれらを混合し毛髪に塗布することにより使用される。
【0064】
2剤式とする場合、典型的には、第1剤に前記一般式(1)で表される化合物と必要により酸化染料を配合し、アンモニア等のアルカリ剤でpHを8〜12とする。一方、第2剤は過酸化水素を2〜6質量%程度含有させ、リン酸等により弱酸性に調整する。3剤式とする場合には、過硫酸塩をタルク、デキストリン等の不活性物質や粘結剤と混合し、過硫酸塩を5〜95質量%程度含有する粒状物とし、上記2剤式の場合と同様の第1剤と第2剤との混合物に使用時に添加して用いる。
【0065】
またその形態は、粉末状、透明液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、エアゾール、エアゾールフォーム状等とすることができる。毛髪に適用する段階(2剤式又は3剤式の場合は混合後)における粘度は、2000〜100000mPa・sが好ましい。ここで、粘度は、ブルックフィールド回転粘度計(No.5スピンドル、5rpm)を用いて20℃で測定した値である。
【0066】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0067】
実施例1:染料成分の染料特性に関する実施例
表1に記載の染料を、アルカリ性過酸化物を含む水ベースの組成物に溶解し、下記の処方からなる染毛剤としてヤギ毛にそれぞれ適用した。
【0068】
〔処方〕
染料(表1に記載のもの) 0.2g
ベンジルアルコール 5.0g
ラウリル硫酸ナトリウム 0.01g
水酸化アンモニウム(25質量%) 5.0g
過酸化水素(50質量%) 6.0g
水 全量を100gとするに必要な量
pH 10.0
【0069】
損傷のない白ヤギ毛に染料混合物を25℃で18分適用した。ヤギ毛1gあたり1.5〜2.0gの上記処方の組成物を適用した。染色時間が終了した後、各毛束を水洗し、シャンプー洗浄し、乾燥した。その後、毛束の色を測定した。各染毛剤に関して、カラーリング処理前後の毛束のL、a及びb値をミノルタ社製色計測器で計測し、ΔEabの値を、周知の次式に従って算出した(以下、全実施例において同様に適用するものとする)。
【0070】
ΔEab={(ΔL2+(Δa2+(Δb21/2
結果を表1に示す。
下記表1の結果より以下のことが分かる。比較例である染毛剤1及び4でもそこそこのΔEab値を示す。
しかし、これに対し本発明の染毛剤2、3、5、6は同系色の比較染料に比べてさらに高いΔEab値を示すことがわかる。つまり、染毛性が一段高い色素であることがわかる。
【0071】
【表1】


【0072】
【化9】


【0073】
(試験例)洗浄及び光に対する耐性試験
実施例1でカラーリングした各毛束を20回シャンプー洗浄した後の各毛束のΔEab値の変化値を確認した。染毛剤2、3、5、6の耐洗浄退色性は染毛剤1を使用した場合と同等以上であった。また、日光による退色試験でも本発明品は比較色素1及び2を用いたものに対し同等以上の高い光堅牢性を示した。

【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
【出願日】 平成17年3月23日(2005.3.23)
【代理人】 【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三

【識別番号】100118131
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 渉

【識別番号】100131288
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 尚祐

【公開番号】 特開2006−265159(P2006−265159A)
【公開日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願番号】 特願2005−84966(P2005−84966)