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【発明の名称】 発汗抑制剤
【発明者】 【氏名】齋藤 暢子
【住所又は居所】東京都江東区東陽4−11−36 ニベア花王株式会社研究所内

【氏名】吉田 あゆみ
【住所又は居所】東京都江東区東陽4−11−36 ニベア花王株式会社研究所内

【氏名】井上 和郎
【住所又は居所】東京都江東区東陽4−11−36 ニベア花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】安全かつ容易に発汗を抑制する手段の提供。

【解決手段】リナロール、リナリルアセテート、ヘキセノール、ヘキセナール及びこれらの成分を含む香料から選ばれる成分の1種又は2種以上を含有する発汗抑制剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リナロール、リナリルアセテート、ヘキセノール、ヘキセナール及びこれらの成分を含む香料から選ばれる成分の1種又は2種以上を含有する発汗抑制剤。
【請求項2】
精神性発汗抑制剤である請求項1記載の発汗抑制剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、緊張や精神的ストレスにより生じる発汗に対する抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
発汗作用は重要な体温調節機能を有しており、発汗の調節は自律神経によって行なわれる。運動や発熱時等に体温上昇を抑制するために汗をかくが、緊張や精神的ストレスによっても汗が出る。運動や発熱時の発汗は、原因を除去すれば抑制することができるが、精神性の発汗はコントロールが困難である。
【0003】
現代人は精神的ストレスを感じる場合が多く、本人が知らない間に大量の汗をかいていることが多い。当該精神性の発汗は、手掌や足底に発現することが多いといわれているが、腋の下にも生じる。精神性発汗を放置しておくと、汗臭、足臭、腋臭が強くなる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、安全かつ容易に発汗を抑制する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、精神性刺激を与えた場合の発汗作用を検討してきたところ、種々の香気成分のうち、ある種の成分は発汗作用を増強するが、ある特定の成分には発汗作用を抑制する効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、リナロール、リナリルアセテート、ヘキセノール、ヘキセナール及びこれらの成分を含む香料から選ばれる成分の1種又は2種以上を含有する発汗抑制剤を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヒトがコントロールすることの困難な精神性発汗を効率よく、かつ容易に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の発汗抑制剤の有効成分は、リナロール、リナリルアセテート、ヘキセノール、ヘキセナール及びこれらの成分を含む香料から選ばれる1種又は2種以上の成分である。これらの各成分は、香料成分であるが、例えばグレープフルーツでは、精神性発汗を増強する作用があり、すべての香料成分に発汗抑制作用があるわけではなく、これらの成分特有のものである。
【0009】
前記成分を含む香料としては、リナロール、リナリルアセテートを含むラベンダーオイル、ヘキセノール、ヘキセナールを含む青葉アルコール、みどりの香り等が挙げられる。
【0010】
これらの有効成分は、発汗抑制作用を有し、特に精神的ストレス、緊張などに伴う精神性発汗を強力に抑制する作用を有する。精神的刺激による手掌、足底、腋などの発汗を特に強力に抑制する。
【0011】
本発明発汗抑制剤は、発汗部位に塗布、スプレーなどすることによって適用してもよいが、ヒトの鼻腔から吸入させることによって効果を発現する。従って、本発明発汗抑制剤の剤形としては、液剤、固体に担持させた形態、スプレー剤、塗布剤等が挙げられる。
【0012】
本発明の発汗抑制剤中の前記有効成分の含有量は、発汗抑制効果の点から0.001〜80質量%、さらに0.01〜70質量%とするのが好ましい。
【0013】
本発明の発汗抑制剤には、水、アルコール、界面活性剤、増粘剤、油脂類、炭化水素類、脂肪酸類、シリコーン油類、抗酸化剤、防腐剤、殺菌剤類、制汗剤類等、任意の成分を配合できる。
【実施例】
【0014】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0015】
実施例1
20歳代の手掌多汗症者男女各1名を被験者とした。官能評価によりにおい強度が楽に感知できるレベルとされた30%ラベンダーオイル、70%グレープフルーツオイル、および希釈溶媒として用いたクエン酸トリエチルをコントロールとして試験に用いた。香料の提示方法は、希釈された香料50μLを匂い紙に滴下し、被験者の鼻先5cmに固定した。被験者を30℃の人工気候室内で安静座位の状態におき、安静、香料提示、香料提示中の精神性刺激の負荷、インターバルを繰り返し、その間換気カプセル法にて手掌部の発汗量を測定した。精神性刺激として電気刺激と暗算を使用し、香料の提示順はランダムにした。
【0016】
発汗量変化の結果を図1に示す通り、精神性刺激により誘発される発汗が、グレープフルーツではコントロールよりも多くなるのに対して、ラベンダーでは抑制されていた。
【0017】
実施例2
20−30歳代の健常者3名(男性2名、女性1名)を被験者とした。trans−2−hexenal・cis−3−hexenol 0.03%混合液(みどりの香り)、および希釈溶媒として用いたクエン酸トリエチルをコントロールとして試験に用いた。香料の提示方法は、希釈された香料50μLを匂い紙に滴下し、被験者の鼻先5cmに固定した。被験者を30℃の人工気候室内で安静座位の状態におき、安静、香料提示、香料提示中の精神性刺激の負荷、インターバルを繰り返し、その間連続発汗記録装置(Kenz−Perspiro 201)にて手掌部の発汗量を測定した。精神性刺激として暗算を使用し、香料の提示順はランダムにした。
【0018】
発汗量変化の結果を図2に示す通り、精神性刺激により誘発される発汗が、コントロールよりもみどりの香りにより抑制されていた。
【0019】
実施例3
20−30歳代の健常女性1名を被験者とした。trans−2−hexenal・cis−3−hexenol 0.03%混合液(みどりの香り)、および希釈溶媒として用いたクエン酸トリエチルをコントロールとして試験に用いた。香料の提示方法は、希釈された香料50μLを匂い紙に滴下し、被験者の鼻先5cmに固定した。被験者を30℃の人工気候室内で安静座位の状態におき、安静、香料提示、香料提示中の精神性刺激の負荷、インターバルを繰り返し、その間連続発汗記録装置(Kenz−Perspiro 201)にて腋窩部の発汗量を測定した。精神性刺激として暗算を使用し、香料の提示順はランダムにした。
【0020】
発汗量変化の結果を図3に示す通り、精神性刺激により誘発される腋窩部の発汗が、コントロールよりもみどりの香りにより抑制されていた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】精神的発汗に対するラベンダーオイル及びグレープフルーツの効果を示す図である。
【図2】精神的発汗に対するみどりの香りの効果を示す図である。
【図3】精神的発汗に対するみどりの香り(腋部)の効果を示す図である。
【出願人】 【識別番号】398039945
【氏名又は名称】ニベア花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成17年3月8日(2005.3.8)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100089048
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 康隆

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100134935
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 詩木

【公開番号】 特開2006−248921(P2006−248921A)
【公開日】 平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願番号】 特願2005−64142(P2005−64142)