| 【発明の名称】 |
アルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤、それを含有する食品製剤、化粧品製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 和則
【氏名】剛力 英樹
【氏名】二村 芳弘
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| 【要約】 |
【課題】副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗炎症剤、食品製剤及び化粧品製剤を提供する。
【解決手段】副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗炎症剤は、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸、レシチン、リパーゼから得られる。多価不飽和脂肪酸は、アルファ−リポ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種である。また、レシチンは、大豆由来ものも良い。副作用が弱く、優れた食品製剤、化粧品製剤は、ラジカル消去作用を呈する抗炎症剤、アルファ−リポ酸、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸を含有するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の式(1)で示されるアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤。 【化1】
Rは、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸。 【請求項2】 請求項1の多価不飽和脂肪酸がエイコサペンタエン酸である下記の式(2)で示されるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤。 【化2】
【請求項3】 請求項1の多価不飽和脂肪酸がドコサヘキサエン酸である下記の式(3)で示されるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤。 【化3】
【請求項4】 アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗炎症剤。 【請求項5】 アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、610nm〜750nmのレーザー光を照射して得られる請求項1に記載の抗炎症剤。 【請求項6】 アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.002〜0.08重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗炎症剤。 【請求項7】 請求項1に記載の抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸からなる食品製剤。 【請求項8】 請求項1に記載の抗炎症剤、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸からなる化粧品製剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、ラジカル消去作用を呈する抗炎症剤に関するものである。また、アルファ−リポ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種、レシチン又はリパーゼから得られるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤に関するものである。さらに、ラジカル消去作用を呈する抗炎症剤を含有する食品製剤、化粧品製剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 ビタミンCやビタミンEより優れたラジカル消去作用を呈する物質を探索する目的で、海洋植物、藻類、微生物、動物、培養植物、植物から有用物質の探索が進められ、オキアミ又はクリプトコッカスやヘマトコッカスなどの藻類からアスタキサンチンが分離され、また、培養酵母や心筋組織よりユビキノンやアルファ−リポ酸が分離され、それらの抗炎症作用も調べられている(例えば、非特許文献1参照。)。 【0003】 それぞれのラジカル消去作用を呈する物質には特長があり、特に、アルファ−リポ酸はビタミンEより20倍程度強いラジカル消去作用を呈する。しかし、水溶性の性質が強いため、排泄が早いという欠点があり、その組成物について報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。 【0004】 一方、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸などの不飽和多価脂肪酸は、細胞膜に入り込み、インターロイキン1や腫瘍壊死因子などの炎症性サイトカイン産生を持続的に抑制する機序により、抗炎症作用を長期間にわたり、発揮する特長があるものの、過酸化されやすいという欠点がある(例えば、非特許文献3参照。)。そのため、医薬品、食品、化粧品の各産業に利用できるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤が切望されている。 【0005】 ラジカル消去作用を呈する抗炎症剤に関する発明としては、例えば、抗酸化組成物、皮膚老化防止用組成物、抗炎症組成物及び脂質代謝改善用組成物の報告である(特許文献1参照)。さらに、アルファ−リポ酸を含有する組成物に関する報告が認められる(特許文献2参照)。しかし、アルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸からなる組成物と結合物については、知られていない。 【特許文献1】特開2005−15364 【特許文献2】特表2004−513957 【非特許文献1】Atomaca G.Yonsei MEd J、45、776−88、2004。 【非特許文献2】Melhem MFら、J.Am.Soc.Nephrol.13、108−16、2002。 【非特許文献3】Simopoulos AP.J.Am.Coll Nutr.21、495−505、2002。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 従来、ラジカル消去作用を呈する水溶性物質は、体内からの排泄が早く、その働きが一過性であるという問題点があった。また、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸などの不飽和多価脂肪酸は、過酸化反応を受けた後に分解されやすく、生成された過酸化物質は、細胞膜を破壊するという副作用の問題点があった。 【0007】 さらに、化学合成により製造されたラジカル消去作用を呈する物質は、強い働きの反対に、副作用であるという問題点があった。天然由来の物質で、細胞膜に働き、持続的にラジカル消去作用を呈する抗炎症剤についての例はなく、副作用の弱い、天然物由来の物質が望まれている。 【0008】 この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗炎症剤を提供することにある。 【0009】 また、アルファ−リポ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種、レシチン又はリパーゼを原料とした副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗炎症剤を提供することにある。 【0010】 さらに、副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸からなる食品製剤及び化粧品製剤を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、下記の式(1)で示されるアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤に関するものである。 【0012】 【化1】
Rは、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸。 【0013】 請求項2に記載の発明は、請求項1の多価不飽和脂肪酸がエイコサペンタエン酸である下記の式(2)で示されるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤に関するものである。 【0014】 【化2】
【0015】 請求項3に記載の発明は、請求項1の多価不飽和脂肪酸がドコサヘキサエン酸である下記の式(3)で示されるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤に関するものである。 【0016】 【化3】
【0017】 請求項4に記載の発明は、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗炎症剤に関するものである。 【0018】 請求項5に記載の発明は、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、600nm〜700nmのレーザー光を照射して得られる請求項1に記載の抗炎症剤に関するものである。 【0019】 請求項6に記載の発明は、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.002〜0.08重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗炎症剤に関するものである。 【0020】 請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸からなる食品製剤に関するものである。 【0021】 請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の抗炎症剤、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸からなる化粧品製剤に関するものである。 【発明の効果】 【0022】 この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。 【0023】 請求項1に記載のアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0024】 請求項2に記載のアルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0025】 請求項3に記載のアルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0026】 請求項4に記載のアルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0027】 請求項5に記載のアルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、600nm〜700nmのレーザー光を照射して得られる抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0028】 請求項6に記載のアルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.002〜0.08重量を添加し、加温して得られる抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0029】 請求項7に記載の抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸からなる食品製剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【0030】 請求項8に記載の抗炎症剤、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸からなる化粧品製剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0031】 以下、この発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。 まず、本実施形態の抗炎症剤は、下記の式(1)で示されるアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈するものである。 【0032】 【化4】
Rは、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸である。 【0033】 前記の抗炎症剤は、アルファ−リポ酸の1位のイオウ基に、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸のカルキボキシル基から最も遠い炭素が共有結合している。前記のようにすることにより、前記の抗炎症剤の残ったSH基が活性化され、アルファ−リポ酸より強いラジカル消去作用及び抗炎症作用を呈する。 【0034】 また、前記のようにすることにより、多価不飽和脂肪酸が結合して油溶性が高まり、アルファ−リポ酸に比して炎症細胞の細胞膜に結合しやすくなることから、より強いラジカル消去作用及び抗炎症作用を呈する。 【0035】 さらに、前記のようにすることにより、単独のぞれぞれの多価不飽和脂肪酸に比して結合した多価不飽和脂肪酸が細胞膜から細胞内に到達しやすくなり、細胞内の多価不飽和脂肪酸受容体に結合しやすくなる。多価不飽和脂肪酸は、受容体に結合した後に、炎症性サイトカインの産生を抑制し、その働きを抑制する。 【0036】 前記の物質は、藻類、魚類、動物からの抽出、又は合成のいずれの方法によって得られるものでも良い。動物からの抽出は、その含量が高いことから好ましい。 【0037】 合成される場合には、アルファ−リポ酸と目的とする不飽和多価脂肪酸とから、触媒を利用して化学合成される。たとえば、アルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸をクロロホルムなどの有機溶媒中で、加熱し、触媒として金属ナトリウムを利用して、反応させ、シリカゲルカラムやセルロースカラムなどにより、精製して目的とする反応物を得る。 【0038】 次に、下記の式(2)で示されるアルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈するものである。 【0039】 【化5】
前記の抗炎症剤は、アルファ−リポ酸の1位のイオウ基に、エイコサペンタエン酸のカルキボキシル基から最も遠い炭素が共有結合している。前記のようにすることにより、前記の抗炎症剤の残ったSH基が活性化され、アルファ−リポ酸より強いラジカル消去作用及びエイコサペンタエン酸より強力な抗炎症作用を呈する。 【0040】 また、前記のようにすることにより、エイコサペンタエン酸が結合して油溶性が高まり、アルファ−リポ酸に比して炎症細胞の細胞膜に結合しやすくなることから、より強いラジカル消去作用及び抗炎症作用を呈する。 【0041】 さらに、前記のようにすることにより、エイコサペンタエン酸が細胞膜から細胞内に到達しやすくなり、細胞内のエイコサペンタエン酸受容体に結合しやすくなる。このエイコサペンタエン酸は、受容体に結合した後に、炎症性サイトカインの産生を抑制し、その働きを抑制する。 【0042】 さらに、細胞内エステラーゼにより、アルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸に分解された後も、それぞれ細胞内で効果を発揮する。 【0043】 前記の物質は、藻類、魚類、動物からの抽出、又は合成のいずれの方法によって得られるものでも良い。動物からの抽出は、その含量が高いことから好ましい。合成される場合には、アルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸とから、合成される。 【0044】 次に、下記の式(3)で示されるアルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈するものである。 【0045】 【化6】
前記の抗炎症剤は、アルファ−リポ酸の1位のイオウ基に、ドコサヘキサエン酸のカルキボキシル基から最も遠い炭素が共有結合している。前記のようにすることにより、前記の抗炎症剤の残ったSH基が活性化され、アルファ−リポ酸より強いラジカル消去作用及びドコサヘキサエン酸より強力な抗炎症作用を呈する。 【0046】 また、前記のようにすることにより、ドコサヘキサエン酸が結合して油溶性が高まり、アルファ−リポ酸に比して炎症細胞の細胞膜に結合しやすくなることから、より強いラジカル消去作用及び抗炎症作用を呈する。 【0047】 さらに、前記のようにすることにより、ドコサヘキサエン酸が細胞膜から細胞内に到達しやすくなり、細胞内のドコサヘキサエン酸受容体に結合しやすくなる。このドコサヘキサエン酸は、受容体に結合した後に、炎症性サイトカインの産生を抑制し、その働きを抑制する。 【0048】 さらに、細胞内エステラーゼにより、アルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸に分解された後も、それぞれ細胞内で効果を発揮する。 【0049】 前記の物質は、藻類、魚類、動物からの抽出、又は合成のいずれの方法によって得られるものでも良い。動物からの抽出は、その含量が高いことから好ましい。合成される場合には、アルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸とから、合成される。 【0050】 次に、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られるアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤について説明する。 【0051】 ここでいうアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤とは、前記のように、アルファ−リポ酸の1位のイオウ基に、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸のカルキボキシル基から最も遠い炭素が共有結合した化合物である。 【0052】 原料となるアルファ−リポ酸は、植物、藻類、魚類、動物、合成のいずれの方法によって得られるものでも良い。動物は、その含量が高いことから好ましい。 【0053】 原料となるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸は、藻類又は魚類から抽出して得られ、又は、合成して得られる。 【0054】 原料がエイコサペンタエン酸の場合、前記したアルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸の結合物が得られる。 【0055】 原料がドコサヘキサエン酸の場合、前記したアルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸の結合物が得られる。 【0056】 原料となるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸の重量は、アルファ−リポ酸1重量に対し、1〜10重量である。 【0057】 この重量が1重量を下回る場合、目的とする抗炎症剤が得られないおそれがある。この重量が10重量を上回る場合、コストが高くなり、産業上利用できないおそれがある。 【0058】 原料となるレシチンは、大豆、ナタネなどの植物より抽出して得られるもので良く、さらに、卵黄や動物から採取されるものも用いられる。 【0059】 レシチンの重量は、アルファ−リポ酸1重量に対し、10〜100重量である。このレシチンの重量が10重量を下回る場合、生成反応の媒体としての機能が発揮されず、生成物が十分に得られないおそれがある。 【0060】 また、この重量が100重量を上回る場合、生成物を回収し、生成するためのコストがかかるおそれがある。 【0061】 これらの原料は、加温される。この加温は、温度4〜45℃が好ましく、加温時間は、温度により異なり、加温温度4℃では、10〜14日間であり、加温温度45℃では、1〜3時間である。加温温度が4℃を下回る場合、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。 【0062】 加温温度が45℃を上回る場合、原料のアルファ−リポ酸が不安定となり、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。 【0063】 加温期間について加温温度4℃では、10日間を下回る場合、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。また、14日間を上回る場合、原料のアルファ−リポ酸が不安定となり、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。 【0064】 加温期間について加温温度45℃では、1時間を下回る場合、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。また、3時間を上回る場合、原料のアルファ−リポ酸が不安定となり、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。 【0065】 前記の抗炎症剤は、油性物質として得られ、加温後、反応物としてそのまま用いられ、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸、レシチンは、その働きを妨害しない。 【0066】 また、前記の抗炎症剤は、加温後、エタノールにより抽出され、精製されることは、好ましい。 【0067】 次に、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、610nm〜750nmのレーザー光を照射して得られる前記の抗炎症剤について説明する。 【0068】 前記の抗炎症剤は、前記のラジカル消去作用を呈する抗炎症剤である。原料となるアルファ−リポ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸、レシチンは、前記の記載したものを用いる。 【0069】 前記の抗炎症剤は、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、610nm〜750nmのレーザー光を照射して得られる。 【0070】 ここでいうアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤とは、前記のように、アルファ−リポ酸の1位のイオウ基に、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸のカルキボキシル基から最も遠い炭素が共有結合した化合物である。 【0071】 原料となるアルファ−リポ酸は、植物、藻類、魚類、動物、合成のいずれの方法によって得られるものでも良い。動物は、その含量が高いことから好ましい。 【0072】 原料となるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸は、藻類又は魚類から抽出して得られ、又は、合成して得られる。 【0073】 原料がエイコサペンタエン酸の場合、前記したアルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸の結合物が得られる。 【0074】 原料がドコサヘキサエン酸の場合、前記したアルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸の結合物が得られる。 【0075】 原料となるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸の重量は、アルファ−リポ酸1重量に対し、1〜10重量である。 【0076】 この重量が1重量を下回る場合、目的とする抗炎症剤が得られないおそれがある。この重量が10重量を上回る場合、コストが高くなり、産業上利用できないおそれがある。 【0077】 原料となるレシチンは、大豆、ナタネなどの植物より抽出して得られるもので良く、さらに、卵黄や動物から採取されるものが用いられる。 【0078】 レシチンの重量は、アルファ−リポ酸1重量に対し、10〜100重量である。このレシチンの重量が10重量を下回る場合、生成反応の媒体としての機能が発揮されず、生成物が十分に得られないおそれがある。 【0079】 また、この重量が100重量を上回る場合、生成物を回収し、生成するためのコストがかかるおそれがある。 【0080】 前記の原料に、610nm〜750nmのレーザー光が照射される。レーザーは、単一波長の光であり、光子と波としての両方のエネルギーを利用して、開環と結合反応を生じさせ、前記の抗炎症剤が得られる。 【0081】 レーザーは、半導体レーザー、イオンレーザー、可視レーザーのいずれでも良い。その波長は、610nm〜750nmである。 【0082】 波長が610nmを下回る場合、生成物が分解されるおそれがある。また、この波長が750nmを下回る場合、反応が十分に行われないおそれがある。 【0083】 レーザー光の出力と照射時間は、相反関係にある。すなわち、出力が高い場合、照射時間は短くなる。 【0084】 出力0.1mWの場合、照射時間は、24〜48時間であり、出力1mWの場合、照射時間は、3〜10時間である。照射時間が短い場合、反応が十分に行われず、効率的ではなく、照射時間が長い場合、生成された抗炎症剤が分解するおそれがある。 【0085】 前記の抗炎症剤は、油性物質として得られ、レーザー照射後、反応物としてそのまま用いられ、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸、レシチンは、その働きを妨害しない。また、前記の抗炎症剤は、シリカゲルやセルロースカラムを通してエタノールなどにより溶出させて、精製されることは、好ましい。 【0086】 次に、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.002〜0.08重量を添加し、加温して得られる前記の抗炎症剤について説明する。 【0087】 前記の抗炎症剤は、前記のラジカル消去作用を呈する抗炎症剤である。原料となるアルファ−リポ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸、レシチンは、前記の記載した由来のものを用いる。 【0088】 ここでいうアルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の結合体からなるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤とは、前記のように、アルファ−リポ酸の1位のイオウ基に、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種の多価不飽和脂肪酸のカルキボキシル基から最も遠い炭素が共有結合した化合物である。 【0089】 原料となるアルファ−リポ酸は、植物、藻類、魚類、動物、合成のいずれの方法によって得られるものでも良い。動物は、その含量が高いことから好ましい。 【0090】 原料となるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸は、藻類又は魚類から抽出して得られ、又は、合成して得られる。 【0091】 原料がエイコサペンタエン酸の場合、前記したアルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸の結合物が得られる。 【0092】 原料がドコサヘキサエン酸の場合、前記したアルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸の結合物が得られる。 【0093】 原料となるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸の重量は、アルファ−リポ酸1重量に対し、1〜10重量である。 【0094】 この重量が1重量を下回る場合、目的とする抗炎症剤が得られないおそれがある。この重量が10重量を上回る場合、コストが高くなり、産業上利用できないおそれがある。 【0095】 原料となるレシチンは、大豆、ナタネなどの植物より抽出して得られるもので良く、さらに、卵黄や動物から採取されるものが用いられる。 【0096】 レシチンの重量は、アルファ−リポ酸1重量に対し、10〜100重量である。このレシチンの重量が10重量を下回る場合、生成反応の媒体としての機能が発揮されず、生成物が十分に得られないおそれがある。 【0097】 また、この重量が100重量を上回る場合、生成物を回収し、生成するためのコストがかかるおそれがある。 【0098】 原料となるリパーゼは、食品加工用に利用されるものであり、名糖製リパーゼMY、リパーゼOF、アマノエンザイム製リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどが用いられる。このリパーゼにより、エステル交換反応が安定的に促進される。 【0099】 アルファ−リポ酸1重量に対し、リパーゼは0.002〜0.08重量である。アルファ−リポ酸1重量に対し、リパーゼの量が0.002重量を下回る場合、抗炎症剤が安定的に生産されないおそれがある。アルファ−リポ酸1重量に対し、リパーゼの量が0.08重量を上回る場合、リパーゼによる分解反応が起き、収率が低下するおそれがある。 【0100】 加温は、温度22〜41℃が用いられ、加温時間は、温度により異なり、加温温度22℃では、24時間〜48時間であり、加温温度41℃では、2〜6時間である。加温温度が22℃を下回る場合、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。加温温度が41℃を上回る場合、分解反応が促進されるおそれがある。 【0101】 加温期間について加温温度22℃で、24時間を下回る場合、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。また、48時間を上回る場合、原料のアルファ−リポ酸が不安定となり、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。 【0102】 加温期間について加温温度41℃で、2時間を下回る場合、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。また、6時間を上回る場合、原料のアルファ−リポ酸が不安定となり、前記の抗炎症剤が十分に得られないおそれがある。 【0103】 前記の抗炎症剤は、油性物質として得られ、反応物としてそのまま用いられ、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸、レシチンは、その働きを妨害しない。また、前記の抗炎症剤は、エタノールにより抽出され、精製されることは、好ましい。 【0104】 次に、抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸からなる食品製剤について説明する。ここでいう抗炎症剤とは、前記のラジカル消去作用を呈する抗炎症剤である。抗炎症剤は前記の抗炎症剤であり、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸は、前記の原料のいずれかである。 【0105】 前記の抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸を構成することにより、抗炎症剤が、アルファ−リポ酸と多価不飽和脂肪酸の抗炎症力により、安定的に維持される。 【0106】 この食品製剤において、前記の抗炎症剤の1重量に対し、アルファ−リポ酸は0.1〜10重量が好ましく、多価不飽和脂肪酸は0.5〜50重量が好ましい。 【0107】 前記の食品製剤において、抗炎症剤、アルファ−リポ酸、多価不飽和脂肪酸は、混合され、成型される。こうすることにより、目的とする臓器に移動して蓄積することから好ましい。さらに、目的とする組織内に到達し、前記の抗炎症剤が遊離され、標的に作用することから好ましい。 【0108】 前記の場合、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって、例えば、粉末状、錠剤状、液状(ドリンク剤等)、カプセル状等の形状の食品製剤とすることができる。また、基材、賦形剤、添加剤、副素材、増量剤等を適宜添加してもよい。 【0109】 前記の食品製剤は、1日数回に分けて経口摂取される。1日の摂取量は0.1〜10gが好ましく、0.3〜5gがより好ましく、0.5〜3gがさらに好ましい。1日の摂取量が、0.1gを下回る場合、十分な効果が発揮されないおそれがある。1日の摂取量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。上記の他に、飴、せんべい、クッキー、飲料等の形態で使用することができる。 【0110】 前記の食品製剤は、抗炎症作用により、肝臓、すい臓、腎臓、肺、消化管の炎症の改善及び予防などに用いられる病院食、患者食、予防食として利用される。さらに、前記の食品製剤は、花粉症や鼻炎などの炎症に対しても、優れた抗炎症作用を呈することから好ましい。 【0111】 加えて、皮膚疾患に対しても、血中から皮膚組織に移行し、ラジカルを消去し、皮膚の構築を改善又は予防することから、好ましい。また、皮膚における過酸化物産生を抑制し、しわの改善や防止にも有用である。さらに、保健機能食品としても利用される。 【0112】 また、ペットや家畜などに用いる動物用サプリメントやペットサプリメントとしての食品製剤とすることもできる。前記の食品製剤は、動物においても炎症により生じる障害を改善することができるから好ましい。 【0113】 次に、抗炎症剤、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸からなる化粧品製剤について説明する。ここでいう抗炎症剤とは、前記のラジカル消去作用を呈する抗炎症剤である。アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸は、前記の原料のいずれかである。前記の抗炎症剤、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸を構成することにより、抗炎症剤が、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸の抗炎症力により、安定的に維持される。 【0114】 抗炎症剤1重量に対し、アスタキサンチンは0.2〜12重量が好ましく、多価不飽和脂肪酸は0.4〜60重量が好ましい。 【0115】 前記の化粧品製剤において、抗炎症剤、アスタキサンチン、多価不飽和脂肪酸は、混合され、成型される。こうすることにより、油溶性が高まり、皮膚又は皮下組織に移動して蓄積することから好ましい。さらに、目的とする組織内に到達し、前記の抗炎症剤が分離されることから好ましい。 【0116】 前記の化粧品製剤は、表皮や真皮において過酸化脂質やラジカルによるコラーゲンの分解を抑制することにより、コラーゲン量を維持することから、コラーゲン低下に起因する水分保持やしわに対する効果又は予防がある。さらに、炎症を抑制することから、ニキビや日焼けにより組織の炎症を抑制することから、好ましい。 【0117】 前記の場合、常法に従って油分、界面活性化剤、ビタミン剤、紫外線吸収剤、増粘剤、保湿剤、副素材等とともに用いることができる。化粧水、クリーム、軟膏、ローション、乳液、パック、オイル、石鹸、洗顔料、香料、オーディコロン、浴用剤、シャンプー、リンス等の形態とすることができる。化粧品製剤の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状又は粉末状として用いることができる。 【0118】 化粧品製剤として皮膚に1日数回に分けて塗布される。1日の塗布量は0.01〜10gが好ましく、0.05〜3gがより好ましく、0.1〜1gがさらに好ましい。1日の塗布量が、0.01gを下回る場合、しわやしびれの治療または防止効果が発揮されないおそれがある。1日の塗布量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。 【0119】 以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。 【実施例1】 【0120】 アルファ−リポ酸(東洋発酵製)とエイコサペンタエン酸(焼津水産製)を用いて化学合成法により、目的とするラジカル消去作用を呈する抗炎症剤を得た。すなわち、市販の純度95%以上のアルファ−リポ酸1gを還流フラスコにとり、クロロホルム(食用、和光純薬製)、メタノール(食用、和光純薬製)と水の混合溶液100mLを添加した。これにエイコサペンタエン酸および触媒として金属ナトリウム(メルク製)を添加し、150℃で、6時間還流した。 【0121】 これを冷却後、シリカゲルカラム(メルク製)に供してヘキサンとメタノールで溶出し、溶媒除去後、真空乾燥して目的とする抗炎症剤を採取した。抗炎症剤の回収率は、5.8%であった。また、以下の試験方法により求めたラジカル消去能はビタミンEの2300倍であった。 (試験例1) 【0122】 HPLCによる分析では、フォトダイオードアレイ(島津製作所製)を装着したHPLCにより解析を行った。さらに、NMR(ジョエル製)による解析の結果、目的とする抗炎症剤が同定された。 以下に、ラジカル消去能の測定法の試験方法について述べる。 (試験例2) 【0123】 ラジカル消去活性は、キサンチンオキシダーゼにより産生されたラジカルを1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH、アルドリッチ製)を用いて測定する方法を用いた。すなわち、キサンチンオキシターゼ(アルドリッチ製)を0.01Mリン酸緩衝液に溶解し、これにヒポキサンチンを添加し、37℃に加温し、ラジカルを生成させた。この溶液に、試験検体溶液を添加し、さらに、0.1MDPPH溶液を添加して520nmの吸光度を測定した。対照として、ビタミンE(シグマ製)を用いた。 【0124】 以下に、アルファ−リポ酸、エイコサペンタエン酸、レシチンを添加し、加温して得られるラジカル消去作用を呈する抗炎症剤について説明する。 【実施例2】 【0125】 北海道産大豆の若葉10kgを乾燥後、食品用ミキサー(KSM90G)で粉砕して、水に分散した。これに5%次亜塩素酸溶液を添加した後、ろ過した後、遠心分離装置に供してミトコンドリア分画を採取した。この分画よりエタノール及び水により抽出し、さらに、セルロース(ワコーゲル、和光純薬)をガラスカラム(3.5cm径、50cm長)に充填した装置に供し、含水エタノールで洗浄後、エタノール液を流して分離しアルファ−リポ酸10gを得た。 【0126】 前記で得られたアルファ−リポ酸(東洋発酵製)1gに、市販されている大豆由来レシチン(オリザ油化製)20gを添加し、さらに市販されているエイコサペンタエン酸(焼津水産製)5gを添加した。この溶液を30℃で12時間加温した。その後、冷却し、目的とするラジカル消去作用を呈する抗炎症剤を混合物として得た。 【0127】 HPLCによる分析では、フォトダイオードアレイ(島津製作所製)を装着したHPLCに供し、純度解析を行った。 【0128】 また、ラジカル消去活性測定法を指標として、目的とする抗炎症剤を検出した。その結果、この抗炎症剤の収率は3.6%であった。また、実施例1で得られた抗炎症剤をCAPCELLPACKC18カラムによるHPLCを実施した。さらに、NMR(ジョエル製)による解析の結果、目的とする抗炎症剤が同定された。 【0129】 得られた抗炎症剤についてラジカル消去試験を行った結果、ビタミンEに比して1920倍のラジカル消去能を呈した。 【0130】 以下に、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、610nm〜750nmのレーザー光を照射して得られる前記の抗炎症剤の実施例について説明する。 【実施例3】 【0131】 純度90%以上のアルファーリポ酸1gを透明のガラス容器に入れ、これに大豆由来レシチン20gを添加した。混合後、魚由来ドコサヘキサエン酸(焼津水産製)5gを添加し、さらに、混合した。この溶液に、波長700nm、出力1Wの半導体レーザー(ファインリッチ製)を時々、混合しながら、5時間照射した。 【0132】 照射後、反応液に、エタノール1Lを添加し、セルロースカラムに供し、水とエタノールにより、分画した。前記のラジカル消去能を指標として活性のある画分を採取し、溶媒を除去し、乾燥した。その結果、目的とするアルファ−リポ酸とドコサヘキサエン酸の結合物が得られ、その回収率は、4.8%であった。この抗炎症剤のラジカル消去能は、前記の方法で測定した結果、ビタミンEの2080倍であった。 【0133】 次に、アルファ−リポ酸1重量に対し、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アルファ−リノレン酸、ガンマ−リノレン酸から選択される少なくとも一種1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.002〜0.08重量を添加し、加温して得られる前記の抗炎症剤の実施例について説明する。 【実施例4】 【0134】 純度90%以上のアルファーリポ酸1kgを透明のガラス容器に入れ、これに大豆由来レシチン20kgを添加した。混合後、魚由来エイコサペンタエン酸(焼津水産製)5kgを添加し、アマノエンザイム製リパーゼF−AP15の30gを添加した。この混合物を22℃で、25時間加温した。 【0135】 照射後、反応液に、エタノール1Lを添加し、セルロースカラムに供し、水とエタノールにより、分画した。前記のラジカル消去能を指標として活性のある画分を採取した。その結果、目的とするアルファ−リポ酸とエイコサペンタエン酸の結合物が得られ、その回収率は、4.4%であった。この抗炎症剤のラジカル消去能は、前記の方法で測定した結果、ビタミンEの2020倍であった。 【0136】 以下に、ラジカル消去活性を呈する抗炎症剤からなる食品製剤について説明する。 【実施例5】 【0137】 前記の実施例4で得られた抗炎症剤10g、市販のアルファ−リポ酸(東洋発酵製)20g及び市販のエイコサペンタエン酸(焼津水産製)50g、食用セルロース3kg、アスコルビン酸1g及び食用香料90gを食品加工用ミキサーに添加し、混合した。これを常法により粉末化し、乾燥後、ブタ由来ゼラチン製ハードカプセル(三生医薬製)に充填し、食品製剤を得た。 (試験例3) 【0138】 40〜60才のスギ花粉によりクシャミやハナミズを呈する男性5例に、前記の実施例5で得られた食品製剤を1日1回2gずつ、14日間摂食させた。摂食前及び摂食14日目に、スギ花粉による反応性を観察した。さらに、摂食前及び摂食14日目に、血液を採取し、IgE量を免疫抗体法により測定した。 【0139】 その結果、摂食後、スギ花粉によるクシャミやハナミズの発現数は、摂食前に比して平均で、40%になり、反応性の減少が認められた。さらに、血液IgE量は、摂食前に比して平均値で45%となり、IgE量の減少が認められた。また、摂食後に、健康状態に異常は、認められなかった。 【0140】 以下に、ラジカル消去活性を呈する抗炎症剤からなる化粧品製剤について説明する。 【実施例6】 【0141】 実施例4で得られた抗炎症剤0.1g、アスタキサンチン(武田紙器製)3g、エイコサペンタエン酸30g、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(エステック製)1g、親油型モノステアリン酸グリセリン(エステック製)1g、馬油エステル(エステック製)2g及びオレイン酸3gを加熱し、溶解した。さらに、プロピレングリコール2g、α−トコフェロール(エステック製)0.1g及び精製水(エステック製)70gを添加した。これらを溶解した後、冷却して化粧品製剤として乳液を得た。 (試験例4) 【0142】 実施例6で得られた乳液を使用して、41〜68才の女性6例を対象に、紫外線に対する炎症改善試験を行なった。すなわち、前記実施例6の乳液を1日当たり1gずつ、7日間、顔面部に塗布させた。 【0143】 前記の女性に、13時〜14時の間、太陽光を浴びさせた。使用前及び使用7日後に、肌温度、皮表角層水分量測定装置(IBS社製、SKICON200)を用いて角質水分量、弾力計(クトメーター)を用いて肌弾性及び単位面積当たりのしわの長さを計測した。さらに、汗に含有される炎症性物質であるプロスタグランジンE2量を免疫酵素法により測定した。 【0144】 その結果、使用前の太陽光照射に比し、実施例6の使用後には、平均で0.9℃の肌温度の低下が認められた。皮表角層水分量は、実施例6の使用後に、210%に増加した。また、弾力計による弾力は、使用前に比して実施例6の使用後では、180%に増加した。さらに、しわの長さは、使用前に比し、77%になり、しわの減少が認められた。加えて、プロスタグランジンE2量は、使用前に比して、60%に減少した。 【0145】 一方、使用感においても特に苦情は聞かれなかった。この結果、実施例6で得られた乳液は、抗炎症作用、水分増加作用、しわの減少作用および炎症物質の産生の抑制作用が認められた。 【産業上の利用可能性】 【0146】 本発明は、ラジカル消去作用を呈する抗炎症剤、それからなる食品製剤、化粧品製剤に関するものであり、副作用の弱い、優れた抗炎症作用を発揮することにより、炎症物質に対する防御、紫外線からの予防、さらに、遺伝子の変異や癌化に対しても、幅広く改善する。また、食品製剤又は化粧品製剤として日々の生活のQOLを改善する。これらにより、医療の進歩に寄与し、医薬品業界、食品業界、化粧品業界での活用が期待される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】504447198 【氏名又は名称】二村 芳弘
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| 【出願日】 |
平成17年3月8日(2005.3.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−248904(P2006−248904A) |
| 【公開日】 |
平成18年9月21日(2006.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2005−63598(P2005−63598) |
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