| 【発明の名称】 |
鎮痛用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】好田 裕史
【氏名】粟生 修司
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】式(I): |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 式(I): 【化1】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含有することを特徴とする鎮痛用組成物。 【請求項2】 ウィスキーラクトンが、ブナ科コナラ属植物の溶媒抽出物由来であることを特徴とする請求項1に記載の鎮痛用組成物。 【請求項3】 溶媒抽出物が、ウィスキーであることを特徴とする請求項2に記載の鎮痛用組成物。 【請求項4】 組成物中のウィスキーラクトンの含有量が、1重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鎮痛用組成物。 【請求項5】 医薬品または飲食品である請求項1〜4のいずれかに記載の鎮痛用組成物。 【請求項6】 式(I): 【化2】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含むことを特徴とする鎮痛作用を有する医薬品。 【請求項7】 式(I): 【化3】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含むことを特徴とする鎮痛作用を有する飲食品。 【請求項8】 式(I): 【化4】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含むことを特徴とする鎮痛のために用いられる旨の表示を付した飲食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ウィスキーラクトンを有効成分とする鎮痛用組成物に関する。また、本発明は、鎮痛作用を有する医薬品または飲食品に関する。 【背景技術】 【0002】 一過性の軽度の痛みから慢性的で耐え難い程度の激痛に至るまで、程度の差はあれ、痛みを伴う疾患はきわめて多いが、痛み除去に関しては現代医学・医療でもなお十分な成果を上げるに至っていない。特に慢性的疼痛は、急性疼痛とは全く異なるもので、その治療に関しては何ら有効なものが開発されていない。 【0003】 現在、痛みの治療として鎮痛剤が主に使用されているが、鎮痛剤は、その副作用が問題になることが多い。鎮痛薬は、麻薬性鎮痛薬と非麻薬性鎮痛薬に大別されるが、麻薬性鎮痛剤、例えばモルヒネにおいては、急性毒性としては、深い昏睡、呼吸抑制、瞳孔縮小、便秘等が起こり、慢性毒性としては薬物耐性を生じ、精神的及び身体的依存をも引き起こし、投与の中止によって激しい禁断症状を呈する。一方、非麻薬性鎮痛剤、例えばアスピリン、インドメタシン、イブプロフェン、エテンサミド、フェナセチン、アミノピリン等は、アレルギー反応、重篤な胃腸障害等の副作用をもたらすことが多い。 【0004】 従って、従来臨床的に実用化されている鎮痛剤は短期的に使用するのには有効であるが、長期にわたり使用する場合には問題がある。 【0005】 そこで、副作用が少ない漢方薬系の鎮痛剤として、生薬もしくは生薬抽出エキスを配合した鎮痛薬が提案されている(特許文献1、特許文献2)。これらは、気血を増して痛みを緩和する作用を有する生薬および/または内臓機能を強化する生薬を配合することにより、胃腸障害の起こりにくい鎮痛剤を提供するものである。しかし、これら生薬配合の鎮痛剤であっても、老化の加わった高齢者においては副作用が発生したり、鎮痛の効果が十分に得られないといった問題があった。 【特許文献1】特開平6−107556号公報 【特許文献2】特開2001−086953号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、痛みを有効に軽減または除去でき、さらに安全でかつ服用や摂取が容易な鎮痛用組成物、および鎮痛作用に優れた医薬品および飲食品を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、式(I): 【化1】
で表されるウィスキーラクトンが、鎮痛作用に優れていることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。 【0008】 すなわち、本発明は、 [1] 式(I): 【化2】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含有することを特徴とする鎮痛用組成物、 [2] ウィスキーラクトンが、ブナ科コナラ属植物の溶媒抽出物由来であることを特徴とする前記[1]に記載の鎮痛用組成物、 [3] 溶媒抽出物が、ウィスキーであることを特徴とする前記[2]に記載の鎮痛用組成物、 [4] 組成物中のウィスキーラクトンの含有量が、1重量%以上であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の鎮痛用組成物、 [5] 医薬品または飲食品である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の鎮痛用組成物、 [6] 式(I): 【化3】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含むことを特徴とする鎮痛作用を有する医薬品、 [6] 式(I): 【化4】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含むことを特徴とする鎮痛作用を有する飲食品、および [7] 式(I): 【化5】
で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含むことを特徴とする鎮痛のために用いられる旨の表示を付した飲食品、 に関する。 【発明の効果】 【0009】 本発明の鎮痛用組成物は、種々の疾患に伴う疼痛を有効に予防・軽減することができる。また、本発明の鎮痛用組成物は、ウィスキー等の香気成分に含まれるウィスキーラクトンを有効成分として含有しているので、安全性に優れ、使用に際して特別な制限がないという利点を有する。そのため、本発明の鎮痛用組成物を、香料組成物や医薬品、飲食品等に好適に使用することができる。特に、本発明の鎮痛用組成物をドリンク剤などの機能性食品の形態にした場合には、該機能性食品を摂取することで、日常的に疼痛を予防および/または軽減することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明の鎮痛用組成物は、ウィスキーラクトンを有効成分とする。 ウィスキーラクトンは、化合物名が5−ブチル−ジヒドロ−4−メチルフラン−2(3H)−オンであり、ケルカスラクトンとも呼ばれ、その構造は下記式(I)で表される。 【化6】
【0011】 ウィスキーラクトンは、下記(Ia)および(Ib)で示される2種類の幾何異性体が存在し、各異性体にはさらに2種類ずつ計4種類の光学異性体が存在するが、本発明の鎮痛用組成物には、いずれの種類の異性体も有効成分として用いることができ、2種以上の異性体を混合して用いることもできる。 【0012】 【化7】
【化8】
【0013】 上記式(Ia)で表されるウィスキーラクトンは、トランス−3−メチル−4−オクタノリドであり、式(Ib)で表されるウィスキーラクトンは、シス−3−メチル−4−オクタノリドである。 【0014】 ウィスキーラクトンは、ウィスキーの樽材に含まれ、ウィスキーの熟成中に樽材よりウィスキー中に移行することが知られている (R.E. Kepner, A.D. Webb and C. J. Muller, Agr. Biol. Chem.,38,485(1978)参照)。さらに、ウィスキーラクトンは、ウィスキーだけでなく、ブランデー、ラム(K. Otsuka, Y. Zenibayashi, M. Itoh and A. Totsuka, Agr. Biol. Chem.,38,485(1974)参照)、ワイン(R.E. Kepner, A.D. Webb and C. J. Muller, Agr. Biol. Chem.,38,485(1978)参照)等のオーク樽に貯蔵される種々の酒類中にも含まれることが知られている。 【0015】 このため、オーク樽に貯蔵されたウィスキー、ブランデー、ラム、ワインなどの酒類からウィスキーラクトンを分離・精製し、得られた分離・精製物を本発明の有効成分であるウィスキーラクトンとして用いることができる。 【0016】 また、ブナ科(Fagaceae)コナラ属(Quercus sp)植物から抽出する方法あるいは化学的な合成方法によっても本発明の有効成分であるウィスキーラクトンを製造することができる。 抽出方法による場合は、(i)ブナ科コナラ属植物原料(以下、単に植物原料ともいう)を有機溶媒または有機溶媒と水との混合溶媒に接触させてブナ科コナラ属植物溶媒抽出物を調製し(溶媒抽出物調製工程)、ついでブナ科コナラ属植物溶媒抽出物からウィスキーラクトンを分離・精製すること(ウィスキーラクトン分離・精製工程)により、ウィスキーラクトンを製造することができる。 【0017】 溶媒抽出物調製工程は、通常、溶媒と植物原料とを接触させることにより実施され、より具体的には例えば、溶媒中に植物原料を浸漬させるか、または例えばオーク類を成形加工した樽等のブナ科コナラ属由来の容器を植物原料として用いて、容器の中に溶媒を注入して、抽出処理を行い、ブナ科コナラ属植物溶媒抽出物を調製する。かかる抽出は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、常温下で行われてもよいし、加温下で行われてもよい。加熱還流により行われてもよい。抽出温度は特に限定されないが、操作上、溶媒の沸点以下であるのが好ましい。抽出に要する時間は、温度条件や抽出方法などにより異なるので一概にはいえないが、通常約30分間〜30年間程度である。 【0018】 前記の植物原料は、ブナ科(Fagaceae)コナラ属(Quercus sp)植物またはその加工品であり、該植物としては、例えば、ミズナラ(学名:Q.mongolica Fisch. ex Turcz. var. grosseserrata (Bl.) Rehd. et Wils.)、カシワ(学名:Quercus dentata Thunb)、コナラ(学名:Quercus serrata Thunb )、クヌギ(学名:Quercus acutissima Carruth)、シラカシ(学名:Quercus myrsinaefolia Bl.)、ホワイトオーク(学名:Quercus alba L.)、コモンオーク(リムーザンオーク、フレンチオークまたはスパニッシュオークとも呼ばれる。学名:Quercus robur L.)、セシルオーク(学名:Quercus petraea (Mattuschka) Lieblein)、コルクオーク(学名:Quercus suber L.)等が挙げられる。古来、ウィスキーやブランデー等の酒類の製造、貯蔵用の樽の原料として用いられてきた植物の多くは、このコナラ属に属し、中でもオーク類と称される植物が好ましい。前記オーク類とは、ブナ科コナラ属の植物のうち、ウィスキーやブランデー等の酒類の製造、貯蔵用の樽の原料として用いられる植物群をいう。本工程においては、このオーク類を好適に用いることができ、中でも、ホワイトオーク、コモンオーク、セシルオークやミズナラを特に好適に用いることができる。 【0019】 上記した植物について、本工程の植物原料として用いる部位は特に制限されるものではなく、ウィスキーラクトンを含んでいる部位であればいずれも使用でき、またかかる植物部位に例えば粉砕、切断、細切、成形等の加工を施した植物の加工品も植物原料として用いることができる。前記植物の加工品としては、例えば、前記の植物の木材から得られるチップ、木粉、樽等が加工品として挙げられる。なお、樽については、本工程で使用する前に、溶媒抽出に使用する前に内面を焼く等の加熱処理を施すのが好ましい。 【0020】 溶媒抽出の際に用いられる溶媒(以下、抽出溶媒ともいう)は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の溶媒であってよい。このような溶媒としては、アルコール、水、炭化水素、エーテル、これらの混合溶媒などが挙げられるが、中でもC1−8低級アルカノール、C1−8低級アルカン、エーテル、C1−8低級炭化水素とエーテルとの混合溶媒、低級アルコールと水との混合溶媒が好ましく、とりわけエタノール、またはエタノールと水との混合溶媒が好ましい。 【0021】 抽出溶媒として、例えばエタノールと水との混合溶媒を用いる場合には、工業的な試薬グレードのエタノールを水と混合したものを用いてもよいし、または各種アルコール製品やその仕掛品を用いてもよい。前記のアルコール製品やその仕掛品としては、例えばブランデー、ウィスキー、焼酎、日本酒、ビール、発泡酒、スピリッツ、ウオッカ、それらの仕掛品{例えば、ウィスキー貯蔵前原酒(例えばモルトウィスキーの原酒のニューポット、グレンウィスキーの原酒のニューメイクなど)、ブランデー貯蔵前原酒(例えばヌーベル)など}が挙げられる。 【0022】 また、植物原料として、例えばオーク類からなる樽等の容器を用い、容器の中に溶媒を注入して抽出処理を行う場合には、抽出溶媒として、エタノール含有物を蒸留したものを用いるのが好ましい。ここでいう「エタノール含有物を蒸留したもの」とは、エタノール含有物を蒸留して得られる蒸留物をいい、このような蒸留物は、例えば、麦芽、米、ブドウ等を原料の一部として糖化、醗酵させて得られるエタノール含有物を、単式蒸留または複式蒸留することにより得られる。 【0023】 ウィスキーラクトン分離・精製工程では、常法に従い、前記ブナ科コナラ属植物溶媒抽出物から有効成分となり得るウィスキーラクトンを分離および/または精製する。分離・精製方法は、前記溶媒抽出物から有効成分となり得るウィスキーラクトンを分離および/または精製できさえすれば特に限定されない。かかる分離・精製手段としては、例えば、遠心分離、蒸留、ろ過、イオン交換樹脂などによるカラム分離、濃縮などの公知の分離・精製手段が挙げられる。 【0024】 以下、ブナ科コナラ属植物溶媒抽出物からウィスキーラクトンを分離・精製する方法の好ましい態様を説明する。 原料となるブナ科コナラ属植物溶媒抽出物として、例えば、エタノールと水との混合溶媒で抽出して得た抽出液(ウィスキー原酒なども含む)を用いる場合は、該抽出液を水で約1.1〜5倍程度、好ましくは約2±0.5倍の範囲程度に希釈し、次いで希釈されたブナ科コナラ属植物溶媒抽出物水溶液に対し有機溶媒(エーテルなど)を用いた抽出を行う。有機溶媒抽出後、常法に従い有機溶媒層を取り出す。ついで、有機溶媒層より溶媒を除去する。溶媒の除去方法は、公知の方法の中から適宜に選択されてよいが、通常、減圧下で留去する方法、シュナイダーカラムを用いたKD濃縮器で常圧濃縮し、さらに減圧下で除去する方法が好適に採用される。次いで、さらに残渣を減圧下、好ましくは約100〜110mmHg程度の圧力下で蒸留し、イソアミルアルコールなどのフーゼルアルコールを除去する。かくして得られる香気画分(ラクトン部)をカラムクロマトグラフィー等の公知の手段を用いて精製することにより、上記式(I)で表されるウィスキーラクトンを分離・精製することができる。 【0025】 また、本発明の有効成分であるウィスキーラクトンは、化学的な合成によっても得られる。かかる合成方法としては、何ら限定されるものではなく、例えば、小畑の方法(小畑、薬誌、vol.73,1298(1953))、特開昭63−41473号公報に記載の方法、特開平5−86045号公報に記載の方法、特開平6−256334号公報に記載の方法等が挙げられる。 【0026】 本発明の鎮痛用組成物は、上記式(I)で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含んでいれば特に限定されず、ウィスキーラクトンが単品で用いられていても、他の香気成分等と混合した状態で用いられていてもよい。 【0027】 前記鎮痛用組成物中のウィスキーラクトンの含有量は、通常、1重量%以上であり、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは5〜20重量%である。 【0028】 前記の鎮痛用組成物は、医薬品および飲食品(特に機能性食品)のいずれにも用いることができる。なお、本発明の鎮痛用組成物は、嗅覚刺激によって優れた鎮痛効果を発揮するので、その用途形態としては、香気成分が効率よく鼻腔に吸入される形態であることが好ましい。 【0029】 本発明の鎮痛作用を有する医薬品は、上記式(I)で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含有することを特徴とする。前記の医薬品は、経口投与または非経口投与が都合よく行われるものであればどのような剤形のものであってもよく、医薬品の種類としては、例えば、注射液、輸液、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、外用液剤、湿布剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤、軟膏剤、ローション剤、坐剤等が挙げられる。 【0030】 また、本発明の医薬品においては、目的に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、安定化剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の添加剤を添加することができる。より具体的には、本発明の医薬品がカプセル剤、錠剤、散剤または顆粒剤などの固形製剤の場合には、例えば、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニットなどの賦形剤;澱粉、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤;ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤;脂肪酸エステルなどの界面活性剤;グリセリンなどの可塑剤などの添加剤を製剤中に含有させることができる。また、本発明の医薬品が液体製剤の場合には、例えば、水、ショ糖、ソルビット、果糖などの糖類;ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類;p−ヒドロキシ安息香酸エステルなどの防腐剤などの添加剤を製剤中に含有させることができる。また、液体製剤の場合、本発明の医薬品は有効成分であるウィスキーラクトンを用時溶解させる形態の製剤であってもよい。 【0031】 上述したような本発明の医薬品は、原料として上記式(I)で表されるウィスキーラクトンを用いて、それ自体製剤学の分野で周知または慣用の方法に従って容易に製造することができる。また、本発明の医薬品の製造には、前記の鎮痛用組成物を原料として用いてもよい。 【0032】 また、本発明の医薬品の投与量は、投与経路、剤形、患者の症状の重篤度、年齢もしくは体重などによって異なるので、一概にはいえないが、通常、成人に対する1回の投与量が、上記式(I)で表されるウィスキーラクトンの総量として約5〜500mg程度、好ましくは約5〜50mg程度である。 【0033】 本発明の鎮痛作用を有する飲食品は、上記式(I)で表されるウィスキーラクトンを有効成分として含有することを特徴とする。 本発明の飲食品の形態は何ら限定されず、自然流動食、半消化態栄養食もしくは成分栄養食、またはドリンク剤の加工形態とすることもできる。また、前記の飲食品は、機能性食品であるのが好ましい。前記の機能性食品は、通常、鎮痛のために用いられる旨の表示を付した飲食品であり、このような機能性食品としては、例えばビスケット、クッキー、ケーキ、キャンデー、チョコレート、チューインガム、和菓子などの菓子類;パン、麺類、ごはん、豆腐もしくはその加工品;清酒、薬用酒などの発酵食品;みりん、食酢、醤油、味噌、ドレッシングなどの調味料;ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージ、マヨネーズなどの畜農食品;かまぼこ、揚げ天、はんぺんなどの水産食品;果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、茶などの飲料等の形態が挙げられる。また、本発明の飲食品が機能性食品である場合には、機能性食品の形態を、アルコール飲料やミネラルウォーターに用時添加する易溶製剤とすることができる。 【0034】 また、本発明の飲食品が機能性食品である場合には、例えば、医師の食事箋に基づく栄養士の管理の下に、病院給食の調理の際に任意の食品に本発明の有効成分であるウィスキーラクトンを加え、その場で調整した機能性食品の形態で患者に与えることもできる。 【0035】 本発明の飲食品(特に機能性食品)は、食品分野で慣用の補助成分を含んでいてもよい。前記補助成分としては、例えば乳糖、ショ糖、液糖、蜂蜜、ステアリン酸マグネシウム、オキシプロピルセルロース、各種ビタミン類、微量元素、クエン酸、リンゴ酸、香料、無機塩などが挙げられる。 【0036】 本発明の飲食品中のウィスキーラクトンの含有量は、通常、成人に対する1回の摂取量が、上記式(I)で表されるウィスキーラクトンの総量として約5〜500mg程度、好ましくは約5〜50mg程度となるような量である。 【0037】 本発明の医薬品または飲食品(特に機能性食品)は、抗ストレス剤、ビタミン剤、ホルモン剤、栄養剤、微量元素もしくは鉄化合物などと併用することができる。例えば、本発明の飲食品が機能性食品であり、かつドリンク剤の形態である場合には、所望により、ドリンク剤に他の生理活性物質、ミネラル、ホルモン、栄養成分、香味剤等を配合することにより、嗜好飲料的性格をドリンク剤に持たせることができる。 本発明に係る鎮痛用組成物は、医薬品や飲食品以外にも、さらに各種空間散布剤用香料組成物(例えば、インセンス、室内芳香剤、及び車内芳香剤、ならびに防臭剤など)、化粧品用芳香組成物(例えば、香水、コロン、シャンプー・リンス類、スキンケア、ボディシャンプー、ボディリンス、ボディパウダー類、浴用剤、ローション、クリーム、石鹸、歯磨剤、エアゾール製品など)、医薬部外品用香料組成物(例えば、皮膚用外剤、吸入剤)などに鎮痛作用を付与するために用いることができる。 【実施例】 【0038】 次に実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。 【0039】 実施例1 (ウィスキーラクトンの分離・精製) ウィスキー原酒(ホワイトオーク樽にて12年熟成させたもの)872Lを水で2倍に希釈した後、銅製の単式蒸留器によって蒸留し、前留部66L、中留部(エタノール)および後留部200Lを得た。外径3mmのステンレス製へリックス充填物をつめた2m×25mmのカラム10基を一度に使用して、中留部および後留部からフーゼル油部を分離した。なお、この分離は、分留器1基あたりのはり込み量を2Lとし10回にわたって行った。フーゼル油部を分液ロートに移し、油層を分離した後、この油層と、水層を食塩飽和エーテルで抽出したものとを合わせ、全部で2Lのフーゼル油を得た。このフーゼル油をPodbielniak社製1.5m×25mmのHeli−Grid充填カラムを用いて109mmHgで減圧蒸留を行い、分画により、イソアミルアルコールよりも高沸点の画分を得た。得られた高沸点の画分95mlを2N水酸化ナトリウム200mlで2回抽出し、さらにエーテル100mlを用いて逆抽出した後、中和し、エーテルで抽出し、常法により、乾燥、濃縮することにより、残渣9.3gを得た。ついで50gのDEAE−セファデックスA−25を用いて、残渣4.0gからラクトン部を分離した。このラクトン部の分離は、DEAE−セファデックスA−25を用いてRoweらの方法に従って行った。すなわち、残渣をエーテル/メタノール/水(89:10:1)溶液で溶出し、溶出液を常法により、乾燥、濃縮してラクトン部0.38gを得た。このラクトン部から、GC−MS分析により、トランス−3−メチル−4−オクタノリド、シス−3−メチル−4−オクタノリドのウィスキーラクトンを同定することができた。 【0040】 実施例2 (ウィスキーラクトンの化学的合成) 小畑の方法(小畑、薬誌、vol.73,1298(1953))に従って、ウィスキーラクトンを合成した。すなわち、10gのブロム酢酸エチル、10gの2−ヘプタノンおよび5gの亜鉛よりリフォマトスキー(Reformatsky)反応により11gのエチル3−ヒドロキシ−3−メチルオクタノアートを得た(収率62%)。このうち8gを同量の濃硫酸と加熱後溶媒抽出し、3.4gのオイルを得た。これを100gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、トランス−3−メチル−4−オクタノリド1.8g、並びにトランス−3−メチル−4−オクタノリドとシス−3−メチル−4−オクタノリドとの混合物0.8gを得た。この混合物からさらにシス−3−メチル−4−オクタノリドを分取して精製した。この精製は、分取用GCとして20%SE30を充填した2’×3/8’’のカラムを用い、カラム温度220℃で行った。その結果、トランス−3−メチル−4−オクタノリドおよびシス−3−メチル−4−オクタノリドの生成比は、約4:1であった。 【0041】 実施例3 (鎮痛作用の評価) 実験材料として、ICR系マウス(雄性、8週齢、1群8匹)を1週間の予備飼育の後に使用した。 ウーロン茶の香気成分の一つであるジャスミンラクトン(小川香料製)、ウィスキーの香気成分の一つであるウィスキーラクトン(小川香料(株)製)をトリエチルクエン酸により10%に希釈したものを試料として使用した。 上記マウスを、ジャスミンラクトンおよびウィスキーラクトンをそれぞれ染み込ませた床敷きを敷いたケージ中で1時間、ジャスミンラクトンおよびウィスキーラクトンそれぞれに暴露した。その後、マウスを55℃のホットプレートの上に置き、後肢を上げるまでの時間(潜時)を測定した。有意差検定は、Dunnet検定を用いた。試験の結果を図1に示す。なお、図1中、JLはジャスミンラクトンを、WLはウィスキーラクトンを示し、「***」は、コントロール群に比較してp<0.001の危険率で有意差のあることを示す。 試験の結果、ジャスミンラクトンをマウスに暴露した場合は、後肢を上げるまでの時間は、コントロール群と比較して有意な差は、認められなかった。一方、ウィスキーラクトンに暴露した場合は、後肢を動かすまでの時間がコントロール群と比較して、有意に延長し、痛覚閾値の上昇が認められた(図1)。以上の結果より、ウィスキーラクトンの暴露により、鎮痛作用が生じたことが分かる。 【0042】 実施例4 (カプセル剤) 【表1】
【0043】 (カプセル剤の製法) 表1の処方に従ってウィスキーラクトンと乳糖を混合し、打錠後粉砕したものに処方量のステアリン酸マグネシウムを混合した。混合物500mgずつを2号カプセルに充填して、1カプセル中に5mgのウィスキーラクトンを含有するカプセル剤を製造した。 【0044】 実施例5 (ドリンク剤) 【表2】
【0045】 (ドリンク剤の製法) 表2の処方に従って上記の成分を蒸留水8Lに溶解し、蒸留水を加えて全量10Lとした後、0.22μmの除菌フィルターを通過させ、100mlずつ褐色びんに無菌充填して、1剤あたり50mgのウィスキーラクトンを含有するドリンク剤を製造した。 【0046】 実施例6 表3に示す処方で鎮痛作用を有する芳香剤として使用する成形体を調製した。具体的には、所定量のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー及びポリオキシエチレンアルキルエーテルを100〜160℃に加熱して溶解し、その後、60〜80℃で保温しつつ、ウィスキーラクトン、色素を加えて均一に分散するように混合した。その後、型に流し込み、0〜30℃付近で冷却し、下面直径34mm、上面直径30mm、高さ30mmの円錐状の成形体を得た。 【表3】
【産業上の利用可能性】 【0047】 本発明の鎮痛用組成物は、鎮痛作用に優れており、鎮痛作用を有する医薬品および飲食品として有用である。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】実施例3の試験結果を示す図であって、ウィスキーラクトンの鎮痛作用を示すグラフである。 【符号の説明】 【0049】 JL:ジャスミンラクトン WL:ウィスキーラクトン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001904 【氏名又は名称】サントリー株式会社 【識別番号】504174135 【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
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| 【出願日】 |
平成17年3月4日(2005.3.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077012 【弁理士】 【氏名又は名称】岩谷 龍
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| 【公開番号】 |
特開2006−241103(P2006−241103A) |
| 【公開日】 |
平成18年9月14日(2006.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−61615(P2005−61615) |
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