| 【発明の名称】 |
錠剤およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉永 一浩 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市南栄3丁目20番地 日本澱粉工業株式会社内
【氏名】石場 秀人 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市南栄3丁目20番地 日本澱粉工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/またはその誘導体を含有する錠剤およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/またはその誘導体と、澱粉および/または澱粉分解物の混合物を打錠して1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/またはその誘導体を含有する錠剤を製造する。好ましくは、1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/またはその誘導体1重量部に対し、澱粉および/または澱粉分解物を0.1〜20重量部混合する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/または下記の一般式(1) 一般式(1):G−(G)n−AF 上式中、AFは1,5−D−アンヒドロフルクトース残基を表し、Gはグルコース残基であり、そしてnは0〜20の数であり、但し、上記グルコース残基には側鎖として他のグルコース単位がグリコシド結合していてもよい、 で表される1,5−D−アンヒドロフルクトースの誘導体を含有することを特徴とする錠剤。 【請求項2】 1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/または請求項1に記載の一般式(1)で表される1,5−D−アンヒドロフルクトースの誘導体と、澱粉および/または澱粉分解物を含有することを特徴とする錠剤。 【請求項3】 澱粉および/または澱粉分解物を1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/または請求項1に記載の一般式(1)で表される1,5−D−アンヒドロフルクトースの誘導体1重量部に対し0.1〜20重量部混合することを特徴とする、請求項2の錠剤。 【請求項4】 1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/または請求項1に記載の一般式(1)で表される1,5−D−アンヒドロフルクトースの誘導体を含有する組成物を打錠することを特徴とする、請求項1〜3に記載の錠剤の製造法。 【請求項5】 1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/または請求項1に記載の一般式(1)で表される1,5−D−アンヒドロフルクトースの誘導体を含有する組成物が噴霧乾燥して得られた粉末である、請求項4に記載の製造法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、1,5−D−アンヒドロフルクトースおよび/またはその誘導体を含有する錠剤およびその製造法に関する。 【背景技術】 【0002】 1,5−D−アンヒドロフルクトース(以下、1,5−AFという)は、澱粉の酵素分解によって調製できる糖質である。その分子内には二重結合を有しており、他の単糖類と比較して反応性に富む物質である。1,5−AFは、抗酸化力が強く,抗菌活性が高いことから食品に安全に添加される抗酸化剤([特許文献1]参照)、枯草菌および乳酸菌に特に有効な抗菌剤([特許文献2]参照)としての用途が開示されている。また澱粉の老化防止剤([特許文献3]参照)、タンパク質等のアミノ化合物への糖供与体([特許文献4]参照)、および食品の着色剤([特許文献5]参照)等としての機能も有しており、幅広い応用が検討されている単糖である。また、この単糖は抗生物質ピロンミクロテシンの前駆体でもある([特許文献6]参照)。 【0003】 特許文献1では、Morchella costataまたはMorchella vulgaris等の菌類やGracilariopsis lemaneiformis等の藻類からα−1,4−グルカンリアーゼを単離する方法、および、澱粉あるいは澱粉分解物の溶液をα−1,4−グルカンリアーゼで分解することにより1,5−AFを生産する方法を開示している。こうした方法で得られた1,5−AFは天然物であるため、安全性の高い抗酸化剤または甘味料として食品に添加することができる。 【0004】 さらに、最近では、歯牙疾患予防剤([特許文献7]参照)、糖尿病用製剤([特許文献8]参照)等の報告もあり、1,5−AFは、さらに機能性をもった健康食品あるいは医薬品等さまざまな分野でもその利用が期待される糖質である。 【0005】 また、1,5−AFを構成糖として含有する糖鎖(G−(G)n−AF)を製造する技術についても考案されている([特許文献9]参照)。 【0006】 1,5−AFやG−(G)n−AFは健康食品や医薬品としての期待が高いが、これらを利用する場合、摂取しやすく携帯に便利である方が望ましい。1,5−AFの形態として、液状では持ち運びに不便であり、さらに摂取が容易ではない。粉末状は液状よりは形態が容易になるが、摂取が容易でない。また、液状品や粉末品の場合、体内での吸収速度の制御が難しいため、制御しやすい錠剤のような形態が望まれる。 【0007】 さらに、食品以外の用途、例えば浴用剤等も現在ではその取り扱いの便利さなどから粉末状のものより錠剤のほうが使用されるようになってきている。このように、取り扱いのし易さ、品質の安定性などを考慮すると、当該化合物を含有する製品形態のひとつとして錠剤であることが望まれる。 【0008】 【特許文献1】特表平9−505988号 【特許文献2】特開2001−89377号 【特許文献3】特開2001−333712号 【特許文献4】特開2001−213891号 【特許文献5】特開2002−27945号 【特許文献6】仏国特許出願公開第2617502号 【特許文献7】特開2004−123604 【特許文献8】特表2003−519660 【特許文献9】特開2001−204490 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明の目的は、1,5−AFおよび/またはその誘導体を含有する錠剤を提供することである。 【0010】 また、本発明の他の目的は、上記錠剤を製造するための方法を提供することである。 【0011】 本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、1,5−AFおよび/またはその誘導体に澱粉および/または澱粉分解物を加えることで、成型性に優れ、且つ、取り扱いのし易い錠剤を容易に製造できることを見出し、本発明に到達した。 【0013】 すなわち、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、1,5−AFおよび/またはその誘導体1重量部に対し、澱粉および/または澱粉分解物を0.1〜20重量部添加した混合物を打錠することを特徴とする錠剤の製造法によって達成される。 【0014】 また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、上記方法によって得られた錠剤を提供することによって達成される。 【0015】 これらについて、以下に詳述する。 【0016】 本発明で使用される1,5−AFは既に公知の方法によって調製することができる。 紅藻(例えば、オゴノリ)から抽出した酵素α−1,4−グルカンリアーゼを澱粉あるいは澱粉分解物の溶液に作用させ、酵素分解により1,5−AFを含有する反応液を得ることができる。 【0017】 こうして得られた反応液は、1,5−AFの他に未分解画分を含有する溶液であり、さらに噴霧乾燥をすることで1,5−AF含有粉末を得ることが可能である。 また、この反応液をさらにクロマト分離・精製して1,5−AF含有量95%以上の高純度にして使用することもできるが、本発明における錠剤は、澱粉および/または澱粉分解物を含有することが好ましいため、特に分離・精製せずに、反応溶液をそのまま利用したほうが生産効率もよい。特に、予め粉末化しておく場合は、1,5−AF単独では噴霧乾燥が困難であるため、逆に反応溶液をそのまま使用することが好ましい。 【0018】 本発明における錠剤化では、1,5−AFおよび/またはその誘導体に澱粉および/または澱粉分解物を混合した組成物を使用する。 【0019】 1,5−AFの誘導体とは、下記の一般式(1)で表される、その誘導体からなる群より選ばれる、1種またはそれ以上のものを意味する。 一般式(1):G−(G)n−AF 上式中、AFは1,5−AF残基を表し、Gはグルコース残基であり、そしてnは0〜20の数であり、但し、上記グルコース残基には側鎖として他のグルコース単位がグリコシド結合していてもよい。 【0020】 これらの誘導体については、上述の特許文献9に記載の方法で得ることが可能である。 【0021】 これらの配合割合としては、1,5−AFおよび/またはその誘導体1重量部に対し、澱粉および/または澱粉分解物を好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部混合することができる。 【0022】 また、本発明における製法では一般的に錠剤化を行う際に使用される結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の添加剤や、必要に応じて他の薬剤等を含有させることも可能である。 【0023】 結合剤としては、例えば、天然物由来の澱粉(馬鈴薯、とうもろこしなど)、α化澱粉、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピル澱粉、セルロース誘導体としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース等が挙げられる。 【0024】 崩壊剤としては、例えば、天然物由来の澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、カルボキシメチルスターチナトリウム、セルロース誘導体のカルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、界面活性剤のラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。 【0025】 滑沢剤としては、例えば、天然物由来のタルク、ロウ類、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、脂肪酸のステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムが挙げられる。 【0026】 またコーティング剤として糖衣用に精製白糖、ゼラチン、アラビアゴム、タルク、酸化チタン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングルコール酸ナトリウム、結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム 等が挙げられる。 【0027】 次に、本発明の錠剤の代表的な製造方法について以下に説明する。 【0028】 本発明の錠剤は、上述の方法で調製した混合組成物を例えば、打錠することによって製造することができる。 【0029】 打錠用生地としては、混合組成物を予め噴霧乾燥して粉末化しておいたものを使用することができる。この粉末はその粒の状態によって、成型上の困難が生じる場合があるため、必要に応じて、予め造粒することが好ましい。また、この造粒を行ったあと、必要に応じてさらに澱粉あるいは澱粉分解物や滑沢剤等を添加、混合して打錠してもよい。 【発明の効果】 【0030】 本発明の方法によると、成型性に優れ、且つ、取り扱いに便利な、1,5−AFおよび/またはその誘導体を含有する錠剤を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0031】 以下の実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例中で使用する%は重量%を意味する。 【実施例】 【0032】 実施例1[1,5−AF含有粉末の調製] 紅藻オゴノリから抽出して得られた酵素α−1,4−グルカンリアーゼをマルトデキストリン溶液に作用させ、1,5−AFを調製した。得られた溶液の組成を表1に示す。 【0033】 【表1】
【0034】 この溶液を回転円盤型の噴霧乾燥機(大川原化工機(株)製 L−8型)を使用して噴霧乾燥したところ、微細な球状の乾燥粉末を得ることができた。 【0035】 実施例2[1,5−AF含有錠剤の製造] 実施例1で得られた1,5−AF含有粉末98重量部に対し、滑沢剤としてタルクを2重量部混合したものをロータリー式打錠機((株)エステック製)を使用して外形7〜20mm、厚さ5mmの円形錠剤を成型したところ、特に結合剤等を添加することなく連続的に製造することが可能であった。 【0036】 実施例3[1,5−AF含有錠剤の製造] 実施例1で得られた1,5−AF含有粉末89.0重量部に対し、賦形剤として造粒コーンスターチ9.2重量部、滑沢剤としてタルク1.8重量部を混合したものをロータリー式打錠機((株)エステック製)で打錠したところ、連続的に外径7〜20mm、厚さ5mmの円形錠剤を成型することが可能であった。 【0037】 実施例4[1,5−AF誘導体を含有する錠剤の製造] 紅藻オゴノリから抽出して得られた酵素α−1,4−グルカンリアーゼをマルトデキストリン溶液に作用させ、全糖中の1,5−AFが40%である反応液を調製した。酵素を失活後、さらにサイクロデキストリン合成酵素を作用させ1,5−AFに糖鎖を転移させた。反応終了後、これをグルコアミラーゼで極限まで分解したところ、全糖中に10%のグルコシルアンヒドロフルクトース(GAF)が得られた。 このGAF含有溶液ををゲルろ過クロマトグラフィーに供しGAF画分を回収した。得られた画分はGAF含有量が80%であった。これを濃縮し、濃度30%としそれに同量の30%デキストリン溶液を加えた。 【0038】 この混合液を回転円盤型の噴霧乾燥機(大川原化工機(株)製 L−8型)を使用して噴霧乾燥したところ、微細な球状の乾燥粉末を得ることができた。 得られたGAF含有粉末98重量部に対し、滑沢剤としてタルクを2重量部混合したものをロータリー式打錠機((株)エステック製)を使用して外形7〜20mm、厚さ5mmの円形錠剤を成型したところ、特に結合剤等を添加することなく連続的に製造することが可能であった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390015004 【氏名又は名称】日本澱粉工業株式会社 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市南栄3丁目20番地
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| 【出願日】 |
平成17年3月3日(2005.3.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−241069(P2006−241069A) |
| 【公開日】 |
平成18年9月14日(2006.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−59124(P2005−59124) |
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