| 【発明の名称】 |
アルコキシ化アルコールのエステルおよび皮膜形成ポリマーを含む化粧品組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】オードリー・リカール
【氏名】カロリーヌ・リブレ
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| 【要約】 |
【課題】本発明の組成物は、ケラチン物質、特に皮膚、唇および/または表面的な身体発育点をケアおよび/またはメイクアップするための製品として使用することができる。
【解決手段】本発明は、アルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルを少なくとも1つと、固体の非晶質皮膜形成ポリマーを少なくとも1つ含む組成物に関する。アルコキシ化アルコールのエステルは、特にオクチルドデシルPPG-3ミリスチル エーテル ダイマー ジリノレートとすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルを少なくとも1つ、および、室温で固体である非晶質皮膜形成ポリマーを少なくとも1つ含む化粧品組成物であって、 前記アルコキシ化エステルが、以下の展開した式: 【化1】
[式中、 R1は、展開した以下の式: 【化2】
(式中、 R4は、4から24の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、置換または非置換の脂肪族単位であり; xは3から30の整数であり;yは3から30の整数である)を有し; R2は、4から40の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、置換または非置換の脂肪族単位であり; R3は、4から32の炭素原子、特に12から24の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族単位である] を有する化合物から選択されることを特徴とする組成物。 【請求項2】 R4が、12または20の炭素原子の飽和脂肪族単位であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 R2が、4から40の炭素原子を含む飽和脂肪族単位であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。 【請求項4】 xおよびyが、相互に独立に、3または4であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。 【請求項5】 R3が、12から20の炭素原子を含む分枝鎖状の飽和脂肪族単位であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。 【請求項6】 R3が、オクチルドデシル、イソステアリルおよびステアリルから選択されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。 【請求項7】 前記アルコキシ化エステルが、オクチルドデシル PPG-3 ミリスチル エーテル ダイマー ジリノレートであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。 【請求項8】 前記アルコキシ化エステルが、イソステアリル PPG-4 ブチルオクチル エーテル ダイマー ジリノレートであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。 【請求項9】 前記ポリマーが、前記組成物中に十分量で存在する場合に、組成物が30%以上の保持を有する付着層を形成することができる皮膜形成ポリマーであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項10】 前記皮膜形成ポリマーが、シリコーンガムから選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項11】 前記ポリマーが、シリコーン樹脂から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項12】 前記ポリマーが、ブロックまたはフリーラジカルアクリルコポリマー、シリコーンマクロマーでグラフトされたアクリルポリマーおよびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項13】 前記ポリマーがポリイソプレンであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項14】 前記ポリマーがポリアミド/ポリシロキサンコポリマーであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項15】 前記組成物が、40%以上の保持指数を有する付着層を形成することができることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。 【請求項16】 前記組成物が、50%以上、特には60%より高い、より特には65%以上の保持指数を有する付着層を形成することができることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。 【請求項17】 前記組成物が、染料、顔料、真珠光沢剤およびグリッターから選択される1つまたは複数の着色物質をさらに含むことを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項18】 前記組成物が、ワックス、ペースト状の脂肪物質、油およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの脂肪物質をさらに含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項19】 前記組成物が、ビタミン、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、軟化剤、金属イオン封鎖剤、香料、塩基性化剤または酸性化剤、保存剤、紫外線防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、繊維、抜け毛防止剤、睫毛ケア剤、抗ふけ剤、噴射剤またはこれらの混合物から選択される化粧品成分を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項20】 前記組成物が、懸濁液、分散液、溶液、ゲル、エマルジョン、特に水中油(0/W)型もしくは油中水(W/O)型エマルジョン、または多重エマルジョン(W/O/W、ポリオール/O/WもしくはO/W/O)、クリーム、ペースト、泡、ベシクル分散液、特にイオン性もしくは非イオン性脂質ベシクル分散液、2相型もしくは多層型ローション、スプレー、粉末もしくはペースト、特に軟ペーストもしくは無水ペースト、またはスティックもしくは成形固体の形態で提供されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項21】 前記組成物が無水の形態で提供されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項22】 前記組成物が、ケラチン物質のメイクアップまたはケアのための組成物であることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項23】 前記組成物が、唇をメイクアップするための製品であることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項24】 アルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルを少なくとも1つ、および、 ビニル、特にアクリルポリマーおよびエチレン性ポリマーおよびコポリマー、ウレタンポリマーおよびコポリマー、ポリエステルポリマーおよびコポリマー、ポリアミドポリマーおよびコポリマー、特にシリコーンポリアミド、ポリウレアポリマーおよびコポリマー、セルロースポリマーおよびコポリマー、例えばニトロセルロース、ならびにシリコーンポリマーおよびコポリマーから選択される非晶質皮膜形成ポリマーを少なくとも1つ含む化粧品組成物。 【請求項25】 請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物の化粧品的使用。 【請求項26】 請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物を、皮膚、唇および/または表面的な身体発育点に塗布することを含む、皮膚または唇をメイクアップおよび/またはケアする方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、化粧品組成物、特にヒトの顔または身体の皮膚、頭皮、唇、または、髪、睫毛、眉毛もしくは爪などの表面的な身体発育点をメイクアップもしくはケアするための化粧品組成物に関する。 【0002】 本発明の組成物は、特に、付加的にケア特性を保有することができる表面的な身体発育点または唇をメイクアップするための製品を構成することができる。本発明の組成物は、特に、口紅もしくはリップグロース、フェイスパウダー、アイシャドー、ボディペインティング製品、マスカラ、アイライナー、マニキュア、皮膚の人工的なタンニングのための製品、または髪を染めるもしくはケアするための製品を構成することができる。 【0003】 本発明の化粧品組成物は、有利なことには、光沢があり心地良さを有しながら、非常に満足な色の保持を示す。 【背景技術】 【0004】 保持は、特に、化粧品製品のユーザーが望むものである。満足いく保持を有する口紅は、一般的に、低分子量の油またはシリコーン油を含んでいるスティックである。これらの製品の保持を増すために、前記の調製物のコンセプトは、揮発性溶媒によって適合させた「光沢」相ならびに「色および心地良さ」相を組み合わせることに基づいている。この製品を唇に適用した場合、揮発性物質が蒸発し、その後、分離してしまう現象が生じる。しかしながら、このコンセプトは、保持および心地良さを改良する点で制限が存在する。なぜならば、スティックの硬さ、特に心地良さのために、これらの相の適合性の範囲は制限されており、イソドデカンのレベルを増すことができないからである。 【特許文献1】米国特許出願第2002/0192249号 【特許文献2】米国特許第5693316号 【特許文献3】米国特許第6476254号 【特許文献4】WO2003/0134389号 【特許文献5】米国特許第5302377号 【特許文献6】米国特許第5455025号 【特許文献7】米国特許第5597555号 【特許文献8】WO2004/052076号 【特許文献9】WO2000/19972号 【特許文献10】欧州特許第895467号 【特許文献11】欧州特許第964459号 【特許文献12】米国特許第5725882号 【特許文献13】米国特許第5209924号 【特許文献14】米国特許第4972037号 【特許文献15】米国特許第4981903号 【特許文献16】米国特許第4981902号 【特許文献17】米国特許第5468477号 【特許文献18】米国特許第5219560号 【特許文献19】欧州特許第0388582号 【特許文献20】欧州特許第0815836号 【特許文献21】米国特許第5849318号 【特許文献22】仏国特許出願公開公報第2232303号 【特許文献23】仏国特許出願第0113920号 【特許文献24】米国特許第4152416号 【特許文献25】米国特許第5246694号 【特許文献26】米国特許出願公開公報第5874069号 【特許文献27】米国特許出願公開公報第5919441号 【特許文献28】米国特許出願公開公報第6051216号 【特許文献29】米国特許出願公開公報第5981680号 【特許文献30】米国特許第5188899号 【特許文献31】欧州特許出願公開公報第080976号 【特許文献32】仏国特許第2077143号 【特許文献33】仏国特許第2393573号 【特許文献34】米国特許第3589578号 【特許文献35】米国特許第4031307号 【特許文献36】米国特許第4131576号 【特許文献37】米国特許第3836537号 【特許文献38】米国特許第4693935号 【特許文献39】米国特許第4728571号 【特許文献40】WO95/00578号 【特許文献41】欧州特許出願公開公報第0412704号 【特許文献42】欧州特許出願公開公報第0412707号 【特許文献43】欧州特許出願公開公報第0640105号 【特許文献44】欧州特許出願公開公報第O582152号 【特許文献45】WO93/23009号 【特許文献46】WO95/03776号 【特許文献47】米国特許第4972037号 【特許文献48】米国特許第5061481号 【特許文献49】米国特許第5209924号 【特許文献50】米国特許第5849275号 【特許文献51】米国特許第6033650号 【特許文献52】WO93/23446号 【特許文献53】WO95/06078号 【特許文献54】仏国特許出願第0209246号 【特許文献55】欧州特許出願公開公報第0955039号 【特許文献56】仏国特許出願第0304259号 【特許文献57】欧州特許公開公報第749746号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 イソドデカンなどの揮発性溶媒に分散させたアクリレート/アクリルコポリマーを含む調製物が供給されている。これらのポリマーは、溶媒の蒸発後に、唇上で皮膜を形成する。それでもなお、これらの調製物には、ケラチン物質上での化粧品組成物の保持を確かなものとするために、ケラチン物質上で付着した層の心地良さを犠牲にしてでも、非常に高いレベルの揮発性物質が必要である。 【課題を解決するための手段】 【0006】 驚くべきことに、特定の皮膜形成ポリマーと組み合わせたアルコキシ化エステルによって、既知の調製物と比較して色の保持が有意に改善されているにもかかわらず、改善した光沢および、一般的な調製物と同等の心地良さを有する調製物を得ることができることを見出した。 【0007】 幾つかのアルコキシ化エステルは、既に化粧品組成物において使用されている。 【0008】 米国特許出願第2002/0192249号には、4から24の炭素原子を含むモノカルボン酸と、ポリプロポキシ基および2から24の炭素原子を含むアルキル基を含むアルコールのエステルを含む化粧品組成物が開示されている。 【0009】 アルコキシ化エステルに加えて、この調製物は、鉱物油または液体パラフィンを含みうる。この文献は、また、このエステルおよび皮膜形成剤を含む無水組成物、およびPPG-3ミリスチル エーテル ネオヘプタノエートを含む組成物を開示する。より具体的には、この特許出願は、水素化ポリイソブテンと組み合わせてプロポキシ化エステルを含む口紅組成物;このエステル含む、エマルジョンとしてのクリームファンデーション組成物;このエステルと組み合わせてヘキシルラウレート、オクチルパルミテートおよびセチルパルミテートを含む、エマルジョンとしてのサンスクリーン組成物を供給する。 【0010】 米国特許第5693316号は、2から22の炭素原子を含むジカルボン酸(特にマレイン酸)、ならびに、14から22の炭素原子を含むアルキル鎖およびポリアルコキシ基を含んでおり、化学量論的に過剰の1つまたは複数のポリアルコキシ化脂肪アルコールから得られる、アルコキシ化脂肪エステルを含む化粧品組成物を開示する。この文献は、また、このエステルおよび皮膜形成剤を含む無水組成物を開示している。このアルコキシ化エステルは、特に、Di-PPG-3ミリスチルマレエートである。 【0011】 米国特許第6476254号は、4から12の炭素原子を含むジカルボン酸と、ポリアルコキシ化脂肪アルコール(非アルコキシル化部分は8から36の炭素原子を含む)のエステルを含む化粧品組成物を開示する。このエステルは、Di-PPG-3ミリスチルアジペートとすることができる。組成物は、無水とすることができる。鉱物油または液体パラフィンを含むことができる。 【0012】 WO2003/0134389号の主題は、C3からC21のジカルボン酸、または、脂肪族C4からC22(特にC3からC9)のトリカルボン酸と、C6からC30(特にC18からC22)のアルキル基を含むポリアルコキシ脂肪アルコールのエステルである。この文献は、ワセリン、鉱物油、脂肪族カルボン酸と18から40の炭素原子を含む脂肪族アルコールのエステル、皮膜形成剤またはセチルアルコールなどの脂肪アルコールを含みうる化粧品組成物が開示されている。 【0013】 米国特許第5302377号、米国特許第5455025号および米国特許第5597555号は、化学量論的に過剰な1つまたは複数のポリアルコキシ化脂肪アルコールとトリカルボン酸(特にクエン酸)のアルコキシ化脂肪エステルを含む、局所的調製物のためのエモリエント特性を有する化粧品組成物が開示されている。この調製物は、第二のエモリエントとして無機物油を含む。この文献は、また、このエステルと皮膜形成剤との組み合わせを開示する。エステルは、特にTri-PPG-3ミリスチルシトレートである。 【0014】 WO2004/052076号は、ポリポリアルコキシ化アルコールと、ポリカルボン酸(特にジカルボン酸)を有するモノヒドロキシアルコールの混合エステルを含む化粧品組成物を開示する。これらの組成物は、鉱物油またはワセリンなどの第二のエモリエント剤を含みうる。開示されている混合エステルは、皮膜形成化合物との組み合わせで調製することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明の第一の主題は、アルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルを少なくとも1つ、および、室温で固体である非晶質皮膜形成ポリマーを少なくとも1つ含む化粧品組成物である。 【0016】 用語「室温で固体」は、それ自身の重量で流れないポリマーを意味すると理解される。粉末形態のポリマーは、本発明の意味においては固体である。粘性ポリマーまたは非常に粘性を有するポリマーについて、それ自身の重量での流動性は、特に、支持体上に20gのポリマーを置き、それ以後の付着物質のアウトラインを黒のサインペンでプロットすることによって評価することができる。サンプルを、25℃に調整した温度で約2時間放置する。この期間の最後に、付着領域の外側に如何なる流れも肉眼で観察されない。 【0017】 本発明の第二の主題は、アルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルを少なくとも1つ、ならびに、ビニル、特にアクリルおよびエチレン性ポリマーおよびコポリマー、ウレタンポリマーおよびコポリマー、ポリエステルポリマーおよびコポリマー、ポリアミドポリマーおよびコポリマー、特にシリコーンポリアミド、ポリウレアポリマーおよびコポリマー、ニトロセルロースなどのセルロースポリマーおよびコポリマー、ならびにシリコーンポリマーおよびコポリマーから選択される非晶質皮膜形成ポリマーを少なくとも1つ含む化粧品組成物である。 【0018】 有利なことには、組成物は、30%以上の保持を有する付着層を形成することができる。 【0019】 有利なことには、皮膜形成ポリマーは、皮膜形成ポリマーが組成物中に十分量で存在する場合、組成物が30%以上の保持を有する付着層を形成することができるようなポリマーである。 【0020】 (保持) 有利なことには、組成物は、30%以上の、好ましくは40%以上の、45%以上の、50%以上の保持指数を有する付着層を形成することができる。 【0021】 本発明の組成物により得られた付着層の保持指数は、以下に示す測定方法によって求めることができる。 【0022】 接着性石膏が付いている側と反対の面に接着するポリエチレン発泡体の層(RE40X70EP3の名でJoint Technique Lyonnais Indにより販売)に接着された、アクリルコーティング(ポリエチレンフィルム上の低アレルギー性アクリル接着剤、Blendermの名で3M Healthe Careにより販売(ref. FH5000-55113))からなる支持体(40mm×70mm長方形)を調製する。 【0023】 支持体のアクリルコーティング表面の色彩L*0a*0b*0を、Minolta CR300 colorimeterを用いて測定する。 【0024】 支持体の表面が33℃±1℃で保持されるように、調製した支持体を、40℃の温度で保持した加熱プレート上で予め加熱する。 【0025】 支持体を加熱プレート上に静置している間に、支持体の完全な非接着性の表面上(すなわち、アクリルコーティングの表面上)で約15μmの組成物の付着層を得るために、ブラシを用いて組成物を塗り広げることによって塗布し、その後、10分間静置して乾燥させる。 【0026】 乾燥後、得られた皮膜の色空間L*a*b*を測定する。 【0027】 その後、何も塗布していない支持体の色と皮膜の色の色dE1の差異を、以下の式に従って測定する。 【0028】 【数1】
【0029】 その後、支持体を、接着面によって、直径20mmのネジピッチを備えたアンビルに接着接合させる。支持体/付着層が組み合わさったテスト標本を、直径18mmの穴あけパンチを用いて切断する。その後、アンビルを引っ張り測定装置(Someco販売のImada DPS-20)を装備したプレス(Someco販売のStatif Manuel Imada SV-2)にねじこむ。 【0030】 幅33mmおよび長さ29.7cmのストリップを、坪量80g/m2の白色のコピー用紙上で描く。シートの端から2cmに第一の線を引き、シートの端から5cmに第二の線を引き、第一の線と第二の線により、ストリップ上で囲みを作る。ストリップに第一の印および第二の印を、それぞれ第二の線から8cmおよび16cmの場所に作る。20μlの水を第一の印上に置き、10μlの精製ヒマワリ油(Lesieurから販売)を第二の印上に置く。 【0031】 この白色用紙をプレスの台上に置き、その後、用紙のストリップの囲いの上にテスト標本を置き、約300g/cm2の圧力で30秒間プレスする。その後、プレスを挙げ、テスト標本を再度第二の線の後ろ(すなわち囲いの傍ら)に置き、約300g/cm2の圧力を再度かけて、テスト標本が水および油の付着物を通過するように、ストリップの全長にわたり1cm/sの速度で、接触すると同時に直線的に用紙を動かす。 【0032】 テスト標本を取り除いた後、付着層の一部が紙上に転写される。テスト標本上に残った付着物の色彩L*’a*’b*’を測定する。 【0033】 その後、何も塗布していない支持体の色彩に対するテスト標本上に残った付着物の色彩を、以下の式に従って測定する。 【0034】 【数2】
【0035】 パーセンテージで表される、組成物の保持指数は、100×ΔE2/ΔE3の比率に等しい。 【0036】 測定は、連続して6個の支持体で行われ、保持指数は、6個の支持体から得られた6個の測定値の平均とする。 【0037】 本発明の他の主題は、化粧品組成物へ、少なくとも1つのアルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステル、および、本発明の第一の主題または第二の主題で定義した皮膜形成ポリマーを導入することからなる、化粧品組成物の皮膜に光沢特性、保持特性および心地よさ特性を付与する化粧方法である。 【0038】 本発明の更なる主題は、光沢特性、保持特性および心地よさ特性を有する化粧品組成物を得るための、少なくとも1つのアルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルおよび前記で定義した少なくとも1つの皮膜形成ポリマーの組合せの使用である。 【0039】 本発明の更なる主題は、ケラチン物質に、少なくとも1つのアルコキシ化アルコールとカルボン酸のエステルおよび前記で定義した少なくとも1つの皮膜形成ポリマーを含む組成物を適用することからなる、ケラチン物質をケアおよび/またはメイクアップする方法であって、前記組成物が30%以上の保持指数を有する付着層を形成することができる方法。 【0040】 用語「アルコキシ化アルコール」は、少なくとも1つの-OH官能基(好ましくは1つだけ)、および少なくとも1つの以下の基: 【0041】 【化1】
【0042】 (式中、 xおよびyは、独立に、0から40の整数であり、xおよびyの合計が1から80であり、 R4は、1から36の炭素原子、特に4から36の炭素原子を含む、置換または非置換の、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香族炭化水素単位である) を含む炭化水素化合物を意味すると理解される。 【0043】 アルコキシ化アルコールは、好ましくは、xおよびyが、独立に0から40の整数であり、xおよびyの合計が1から80である前記式の基を有するポリアルコキシ化アルコールである。xおよびyは、好ましくは、独立に、0から30の整数であり、xおよびyの合計は2から30である。 【0044】 前記式は、図式的に、第一の基に全てのエトキシ単位を、もう1つの基にプロポキシ単位を図示している。実際には、これらの単位は、任意の順番で、ランダムに、ブロックでまたは代替単位の形態で置換することができる。明確な例として、アルコキシ化アルコールのエトキシ単位(E)およびプロポキシ単位(P)は、以下のような位置にある:EEEP、EEPE、EPEE、PEEE、EEEPEPPPE、PEPPPEEEEPEおよび類似の配置。 【0045】 (アルコキシ化エステル) 本発明の組成物は、少なくとも1つのアルコキシ化アルコールおよびカルボン酸のエステル(以下、アルコキシ化エステル)を含み、エステルは、 −アルコキシ化アルコールとモノカルボン酸の反応によって得られるエステル、 −ポリカルボン酸の酸官能基の数に関して化学量論的に過剰な少なくとも1つのアルコキシ化アルコールと、ポリカルボン酸の反応によって得られるエステル、 −アルコキシ化アルコールとポリカルボン酸の酸官能基の反応によって得られる、1つだけのエステル官能基を有するポリエステル、 −アルコキシ化アルコールとポリカルボン酸の酸官能基の反応によって得られる少なくとも1つのエステル官能基、および、脂肪アルコールと前記ポリカルボン酸の他の酸官能基の反応によって得られる少なくとも1つのエステル官能基を含むポリエステル、および −これらの混合物、 から選択することができる。 【0046】 (モノカルボン酸のアルコキシ化エステル) アルコキシ化エステルは、モノカルボン酸とアルコキシ化脂肪アルコール(特にポリアルコキシ化脂肪アルコール)のエステルから選択することができる。特に、アルコキシ化エステルは、化学量論的に過剰なポリアルコキシ化脂肪アルコール(例えばポリプロポキシ化アルコール)と脂肪族または芳香族モノカルボン酸の反応によって形成されるエステルから選択される。 【0047】 モノカルボン酸のアルコキシ化エステルは、以下の展開した式: 【0048】 【化2】
【0049】 (式中、xは、2から40の、好ましくは3から30の、特に3から10の整数であり、 R4は、1から36の、好ましくは3から24の、特に4から24の炭素原子を含む、置換または非置換の、飽和または不飽和の、脂肪族炭化水素単位であり、 RCOOは、脂肪族または芳香族モノカルボン酸RCOOHに対応する) を有するポリプロポキシ化モノエステルから選択することができる。 【0050】 RCOOは、 −モノカルボン酸、例えば、式(R2R3R4)COO(式中、R2、R3およびR4は、独立に、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルから選択される)の酸残基; −任意にOHまたはNH2またはメチルまたはエチルで置換されたベンゼン環を含む芳香族酸残基; とすることができる。 【0051】 アルコキシ化エステルの調製に適した脂肪族モノカルボン酸は、4から24の、特に4から18の炭素原子を含むことができる。脂肪族モノカルボン酸の例は、2-エチルヘキサン酸、カプロン酸、ネオペンタン酸、イソステアリン酸、ネオヘプタン酸およびオレイン酸を含む。 【0052】 芳香族モノカルボン酸の例は、安息香酸およびp-アミノ安息香酸を含む。 【0053】 アルコキシ化エステルの調製に使用される脂肪アルコールは、飽和または不飽和であることができ、飽和または不飽和であり脂肪族または芳香族であることができ、および、直鎖状または分枝鎖状であることができる。それらは、6から24の、特に12から14の炭素原子を有することができる。 【0054】 用語「脂肪アルコール」は、少なくとも3つの炭素原子を有する脂肪族アルコールを意味すると理解される。好ましくは、脂肪アルコールは、炭素、水素および酸素原子から構成される。それらは、飽和であることができ、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含むことができる。 【0055】 脂肪アルコールは、特に、植物脂肪もしくは植物油または動物脂肪もしくは動物油の加水分解によって得ることができる。 【0056】 モノカルボン酸とポリプロポキシ化脂肪酸アルコールのエステルは、例えば、PPG-3ミリスチル エーテル ネオペンタノエート(Trivasperseで販売されている)、PPG-4ブチルオクチル エーテル エチルヘキサノエートおよびこれらの混合物から選択される。 【0057】 これらのエステルは、米国特許出願第2002/0192249号の教示に従って調製することができ、その内容は、リファレンスによって本願出願に導入される。 【0058】 (アルコキシ化混合エステル) 特に、アルコキシ化エステルは、アルコキシ化アルコールおよびモノヒドロキシアルコールの、ポリカルボン酸、特にジカルボン酸との混合エステルから選択することができる。 【0059】 特に、アルコキシ化エステルは、ポリアルコキシ化脂肪アルコールおよびモノヒドロキシ脂肪アルコールの、ジカルボン酸との混合エステルから選択される。 【0060】 用語「混合エステル」は、少なくとも2つの異なるアルコールとポリカルボン酸の反応によって得られるエステルを意味すると理解される。 【0061】 用語「脂肪酸」は、少なくとも3つの炭素原子を有する脂肪族カルボン酸を意味すると理解される。好ましくは、脂肪酸は、炭素、水素および酸素原子から構成される。脂肪酸は飽和していてもよく、または、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含んでもよい。 【0062】 脂肪酸は、特に、植物脂肪もしくは植物油または動物脂肪もしくは動物油の加水分解によって得られるカルボン酸とすることができる。 【0063】 アルコキシ化アルコールの混合エステルは、特に、以下の展開した式: 【0064】 【化3】
【0065】 [式中、 R1は、展開した以下の式: 【0066】 【化4】
【0067】 (式中、 R4は、4から24の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、置換または非置換の脂肪族単位であり; xは3から30の整数であり;yは3から30の整数である)を有し; R2は、4から40の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、置換または非置換の脂肪族単位であり; R3は、4から32の炭素原子、特に12から24の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族単位である] を有する化合物から選択される。 【0068】 前記一般紙に対応する化合物の例は: −Arch ChemicalによってLiquixaw PolyEFAの商品名で販売されている、以下の式: 【0069】 【化5】
【0070】 のオクチルドデシルPPG-3ミリスチル エーテル ジリノレート、 −Arch ChemicalによってLiquixaw PolyIPLの商品名で販売されているステアリルPPG-3ミリスチル エーテル ジリノレート、および −イソステアリルPPG-4ブチルオクチル エーテル ジリノレート、 である。 【0071】 これらの混合エステルは、ジカルボキシ脂肪酸と、アルコキシ化脂肪アルコールおよびモノヒドロキシ脂肪アルコールの反応によって調製することができる。 【0072】 好ましくは、アルコキシ化脂肪アルコールは、プロポキシ化脂肪アルコールであり、4から24の炭素原子長の炭素鎖、および、3から30のプロピレンオキシド単位、好ましくは3から15のプロピレンオキシド単位のプロポキシ化度を有する。好ましいプロポキシ化脂肪アルコールは、ミリスチルアルコールおよびブチルオクタノールである。 【0073】 ジカルボン酸は、分子当たり少なくとも2つのカルボン酸を含む。それらは、特に、以下の式(I): HOOC-(CH2)n-COOH (I) (式中、 Nは1から16の整数、好ましくは3から16の整数である) によって表すことができる。 【0074】 例示として、そして、本発明に適したジカルボン酸を制限することなしに、特に、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナメチレンジカルボン酸、1,10-デカメチレンジカルボン酸、1,11-ウンデカメチレンジカルボン酸、1,12-ドデカメチレンジカルボン酸、1,13-トリデカメチレンジカルボン酸、1,14-テトラデカメチレンジカルボン酸、1,15-ペンタデカメチレンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカメチレンジカルボン酸およびこれらの混合物を挙げることができる。 【0075】 ジカルボン酸は、また、二量体二酸とすることもできる。二量体二酸は、少なくとも1つの不飽和モノカルボン酸の分子内重合反応、特に二量化反応によって得られる二酸と定義する。 【0076】 それらには、特に、不飽和脂肪酸、特に不飽和C8からC34脂肪酸、特にC12からC22脂肪酸、特に不飽和C16からC20脂肪酸、更には特に不飽和C18脂肪酸の二量化から得られる。 【0077】 前記のこれら不飽和脂肪酸の例として、ウンデセン酸、リンデル酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、エライジン酸、ガドレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、アラキドン酸およびこれらの混合物を挙げることができる。 【0078】 具体的な代替形態によれば、二量体二酸は、より具体的には、エステル化された二量体ジオールが由来する化合物である。 【0079】 より具体的には、リノレン酸の二量化、そしてその後に場合によって行われる炭素-炭素二重結合の水素付加によって得られる二量体二酸である。二量体二酸は、飽和形態、すなわち如何なる炭素-炭素二重結合も含まないことができる。他の実施態様によれば、二量体二酸の可能な炭素-炭素二重結合は、二量体二酸の二量体ジオールとのエステル化反応の後で、全てまたは部分的に水素付加されている。 【0080】 1つの実施態様によれば、二量体二酸は、約36の炭素原子を有するジカルボン酸から構成される市販の製品である。この製品は、また、製品の純度に応じた割合で、三量体酸および一量体酸を含む。便利なことには、70%以上の二量体二酸の含有量を有する製品、および、90%以上に調整した二量体二酸の含有量を有する他の製品を購入することができる。 【0081】 酸化に対する安定性が二量化反応後に残っている二重結合の水素付加によって改善された、二量体二酸、特にジリノール二酸も購入することができる。 【0082】 現在市販されている任意の二量体二酸を、本発明で使用することができる。 【0083】 モノヒドロキシ脂肪アルコールは、12から24の炭素鎖長を有することができる。好ましいモノヒドロキシ脂肪アルコールは、オクチルドデカノールおよびイソステアリルアルコールである。 【0084】 前記したエステルの調製の例は、WO2004/052076号において与えられており、この文献は、本願明細書にリファレンスとして挿入される。 【0085】 (アルコキシ化ポリエステル) アルコキシ化エステルは、同一でも異なっていてもよい少なくとも2つのアルコキシ化アルコールとポリカルボン酸のエステル化によって得ることができる。 【0086】 エステルは、特に、以下の式: 【0087】 【化6】
【0088】 (式中、 -OOC-B-COO-は、飽和または不飽和の、置換または非置換の前記したジカルボン酸(特に2から40の炭素原子を有する)であり、 Xおよびyは、独立に、0から40の整数であり、xおよびyの合計が1から80、好ましくは20から80であり、 tおよびuは、独立に、0から40の整数であり、xおよびyの合計が1から80、好ましくは2から80であり、 R4およびR5は、お互いに独立に、4から36の炭素原子を含む、置換または非置換の、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香族炭化水素単位である) から選択することができる。 【0089】 1つの実施態様によれば、R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、特に10から22の炭素原子を含み、置換または非置換および飽和または不飽和とすることができる。 【0090】 1つの実施態様によれば、yは1から40の値を有し、xは0から30の値を有する。但し、xが0である場合、yは少なくとも2に等しく、追加条件としてyはxより大きい。 【0091】 1つの実施態様によれば、uは1から40の値を有し、tは0から30の値を有する。但し、tが0である場合、uは少なくとも2に等しく、追加条件としてuはtより大きい。 【0092】 ジカルボン酸は、脂肪族とすることができ、2から36の炭素原子を含むことができる。脂肪族ジカルボン酸は、有利には、8から36の炭素原子を含む。好ましい芳香族ジカルボン酸は3から8の炭素原子を含む。脂肪族ジカルボン酸の適した例は、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸およびマレイン酸を含む。 【0093】 好ましい芳香族ジカルボン酸は、8から12の炭素原子を含む。適した芳香族ジカルボン酸の例は、フタル酸である。フタル酸の異性体の中で最も低い融点を有する1,2-フタル酸が好ましい。 【0094】 好ましくは、xおよびyは、それぞれ15に等しくすることができ、xおよびyの合計が25を超えない。好ましくはuおよびtは、それぞれ15に等しくすることができ、uおよびtの合計が25を超えない。 【0095】 1つの実施態様においては、yまたはuは1以上であり、xまたはtは0以上である。エトキシ単位の数は、プロポキシ単位の数よりも大きくすることができる。 【0096】 アルコキシ化エステルは、WO2000/19972号の教示によって調製することができる。この文献は、本願明細書にリファレンスとして挿入される。 【0097】 本発明のジカルボン酸のジエステルにおいては、非置換の飽和脂肪族基が好ましく、14から18の炭素原子を含むこのような脂肪基がより好ましい。14から16の炭素原子を含む基が、更に好ましい。前記したように、14の炭素原子を含むミリスチル脂肪基が特に好ましい。 【0098】 好ましい実施態様において、R4およびR5がミリスチル基である場合、yおよびuは好ましくは0に等しく、xおよびtそれぞれは、好ましくは2から40から独立に選択される。特に好ましい例は、Cromollient DP3Aの商品名で販売されている製品(前記の式中、R4およびR5はミリスチル基であり、-OOC-B-COO-はアジペートであり、yとuは0に等しく、xとtは3に等しい。)である。 【0099】 アルコキシ化エステルは、有利には、組成物の全重量に基づき、1から99重量%、具体的には2から60重量%、特には5から40重量%、更に特には10から35重量%の割合で組成物に存在する。 【0100】 (皮膜形成ポリマー) 「皮膜形成ポリマー」という用語は、それ自体でまたは付加的な皮膜形成剤の存在下で、支持体、特にケラチン物質上での連続皮膜、好ましくは粘着性皮膜、より好ましくはその粘着性および機械的特性が、該皮膜が該支持体から単離し得る程度である皮膜を形成可能なポリマーを意味する。 【0101】 1つの実施態様によれば、皮膜形成ポリマーは、結晶性ではない。例えば、ポリマーは、ポリマーの元になる原料が融点で組成物の油または油類に可溶であっても、ワックスと異なり、軟化温度で組成物の油または油類に不溶である。 【0102】 本発明の組成物において使用することができる他の皮膜形成ポリマーとしては、合成ポリマー、ラジカルタイプまたは縮合タイプ、天然起源のポリマーおよびそれらの混合物が挙げられる。 【0103】 特に、皮膜形成ポリマーとして、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ニトロセルロースなどのセルロースポリマー、シリコーンポリマーまたはシリコーンポリアミドが挙げられる。 【0104】 皮膜形成ポリマーは、組成物の全重量に対して、0.01から50%、例えば1から30%、適切な場合は5から25%の範囲の量で使用することができる。 【0105】 1つの実施例においては、皮膜形成ポリマーは、以下のポリマー: −脂肪溶解性皮膜形成ポリマー、 −脂肪分散性皮膜形成ポリマー、特にポリマー粒子の非水性分散の形態のポリマー、好ましくはシリコーン油または炭化水素油での分散液、 −たびたび「ラテックス」と呼ばれる、皮膜形成ポリマー粒子の水性分散液;この場合、組成物は水相を含まなければならない、 −水溶性皮膜形成ポリマー;この場合、組成物は水相を含まなければならない、 からなる群から選択させる有機ポリマーである。 【0106】 (液体脂肪相中のグラフト化エチレン性ポリマー粒子の分散液) 本発明による組成物は、皮膜形成剤として、液体脂肪相中のグラフト化エチレン性ポリマー粒子の分散液を含むことができる。 【0107】 「『エチレン性』ポリマー」なる用語は、エチレン性不飽和を有するモノマーの重合により得られるポリマーを意味する。 【0108】 グラフト化エチレン性ポリマーの分散液は、特に欧州特許第0749747号に記載され、以下に記載されているもの等、前記グラフト化ポリマーとは異なる、安定化ポリマーを含有せず、よってグラフト化エチレン性ポリマーの粒子は、このような付加的な安定化ポリマーで表面安定化されていない。しかしてグラフト化ポリマーは、粒子用の付加的な表面安定化剤の不在下で、液体脂肪相に分散している。 【0109】 「グラフト化」ポリマーなる用語は、少なくとも1つのペンダント側鎖または鎖の末端に位置する1つの側鎖、好ましくは1つのペンダント側鎖を含む骨格を有しているポリマーを意味する。 【0110】 有利には、グラフト化エチレン性ポリマーは、液体脂肪相に溶解しないエチレン性骨格と、該骨格に共有結合し、液体脂肪相に溶解する側鎖とを含有する。 【0111】 グラフト化エチレン性ポリマーは、特に架橋していないポリマーである。特にポリマーは、唯一の重合性基を有するモノマーの重合により得られる。 【0112】 本発明の1つの実施態様において、グラフト化エチレン性ポリマーは、グラフト化アクリルポリマーである。 【0113】 グラフト化エチレンポリマーは、特に有機重合媒体において: −少なくとも1つのエチレン性モノマー、特に少なくとも1つのアクリルモノマー、場合によっては、不溶性の骨格を形成するために、少なくとも1つの付加的な非アクリルビニルモノマー、および −側鎖を形成するように重合性末端基を含む少なくとも1つのマクロモノマー(ここで該マクロモノマーは、200以上の重量平均分子量を有するもので、重合されるマクロモノマーの含有量は、ポリマーの重量の0.05%〜20%である) をフリーラジカル重合させることにより得ることができる。 【0114】 液体脂肪相は、グラフト化エチレン性ポリマーのための有機重合媒体を含んでよい。 【0115】 グラフト化ポリマーが供給される媒体に相当する、液体有機分散媒体は、重合媒体と同一であってもよい。 【0116】 しかしながら、重合媒体は、他の有機液体媒体と全体的または部分的に置き換えてもよい。この他の有機液体媒体は、重合後に重合媒体に添加してもよい。ついで、前記重合媒体は、全体的または部分的に蒸発されてもよい。 【0117】 液体脂肪相は、分散媒体に存在するもの以外の液体有機化合物を含有していてもよい。これらの他の化合物は、グラフト化ポリマーが液体脂肪相に分散した形態のままであるように選択される。 【0118】 液体有機分散媒体は、得られたグラフト化ポリマーの分散液の組成物に導入させるために、本発明の組成物の液体脂肪相に存在している。 【0119】 液体脂肪相は、好ましくは、主として、以下に記載するような1つまたは複数の液体有機化合物(または油)を含有する。 【0120】 特に、液体脂肪相は、室温(25℃)で水と不混和性である、非水性の液体有機相である。 【0121】 「液体有機化合物」なる用語は、室温(25℃)で液体であり、よって自重で流れ落ちる非水性の化合物を意味する。 【0122】 「シリコーン化合物」なる用語は、少なくとも1つのケイ素原子を有する化合物を意味する。 【0123】 本発明の組成物は、有利には以下に記載する揮発性油を含有する。 【0124】 揮発性油はシリコーン油または非シリコーン油であってよい。それは、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、イソドデカン、イソデカン、およびイソヘキサデカン、およびそれらの混合物から選択され得る。 【0125】 揮発性油はシリコーンベースまたは非シリコーンベースであってよい。 それは、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、イソドデカン、イソデカン、およびイソヘキサデカン、およびそれらの混合物から選択され得る。 【0126】 液体脂肪相は、以下に記載するような、非揮発性油を含有していてもよい。非揮発性油は、組成物の重量に基づき、有利には1重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜60重量%、さらに好ましくは10重量%〜50重量%の範囲の量で存在する。 【0127】 液体有機分散媒体に存在し得る液体有機化合物または油としては: −18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下の、Hansenの溶解度空間による包括的溶解度パラメーターを有する、特にシリコーンベースまたは非シリコーンベースの液体有機化合物、 −20(MPa)1/2以下の、Hansenの溶解度空間による包括的溶解度パラメーターを有するモノアルコール類、および −それらの混合物、 を挙げることができる。 【0128】 Hansen溶解度空間による包括的溶解度パラメーターδは、「Polymer Handbook」 第3版、第VII章、519-559頁に記載のEric A. Grulkeによる文献、「Solubility parameter values」中に、下式によって定義されている。 δ=(δD2+δP2+δH2)1/2 上式中、 −δDは、分子衝撃の際に誘発される双極子の形成により得られるロンドン分散力を特徴付け、 −δPは、永久双極子間の相互作用のデバイ相互作用を特徴付け、および −δHは、相互作用(水素結合、酸/塩基、電子供与体/電子受容体等)の特異的な力を特徴付ける。 【0129】 Hansenによる溶解度空間における溶媒の定義は、C. M. Hansenによる論文:「The three-dimensional solubility parameters」 J. Paint Technol. 39, 105 (1967)に記載されている。 【0130】 18(MPa)1/2以下のHansenの溶解度空間による包括的溶解度パラメーターを有する、特にシリコーンベースまたは非シリコーンベースの液体有機化合物としては、液体脂肪物質、特に天然または合成由来のものから選択され得る油、炭素ベース、炭化水素ベースのもの、分枝状であってもよいシリコーン油およびフルオロ油の単独物または混合物を挙げることができる。 【0131】 これらの油としては、ポリオールと脂肪酸のエステル、特にトリグリセリドから形成される植物性油、例えばヒマワリ油、ゴマ油または菜種油、または長鎖の酸もしくはアルコール(すなわち、6〜20の炭素原子を有する鎖)から誘導されるエステル、特に、式RCOOR’のエステル(式中、Rが7〜19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、R’が3〜20の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す)、例えばパルミチン酸エステル、アジピン酸エステルおよび安息香酸エステル、特にアジピン酸ジイソプロピルを挙げることができる。 【0132】 また、揮発性であってもよい直鎖状、分枝状および/または環状のアルカン、特に流動パラフィン、流動ワセリンまたは水素化ポリイソブチレン、イソドデカン、または「アイソパー」、揮発性のイソパラフィンを挙げることができる。さらに、エステル、エーテルおよびケトンを挙げることもできる。 【0133】 さらにシリコーン油、例えば、フッ化されていてもよい脂肪族および/または芳香族基、または官能基、例えばヒドロキシル、チオールおよび/またはアミン基で置換されていてもよい、ポリメチルフェニルシロキサン類およびポリジメチルシロキサン類、および揮発性のシリコーン油、特に環状のものを挙げることもできる。 【0134】 特に、揮発性および/または非揮発性で分枝状であってもよいシリコーン油を挙げることができる。 【0135】 「揮発性油」なる用語は、1時間未満で、皮膚または唇から蒸発可能であり、特に室温および大気圧で、10-3〜300mmHg(0.13Pa〜40000Pa)の範囲の蒸気圧を有する油を意味する。 【0136】 本発明で使用され得る揮発性シリコーン油としては、2〜7のケイ素原子を有する直鎖状または環状シリコーンを挙げることができ、これらのシリコーンは、1〜10の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を有していてもよい。特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびドデカメチルテトラシロキサン、およびそれらの混合物を挙げることができる。 【0137】 非揮発性シリコーン油としては、非揮発性のポリジアルキルシロキサン、例えば非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS);ペンダントアルキル、アルコキシまたはフェニル基またはシリコーン鎖の末端でアルキル、アルコキシまたはフェニル基を有するポリジメチルシロキサンで、これらの基が2〜24の炭素原子を有するもの;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチル-シロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、またはポリメチル-フェニルシロキサン;脂肪酸(特にC8-C20脂肪酸)、脂肪アルコール(特にC8-C20のもの)またはポリオキシアルキレン(特に、ポリオキシ-エチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)で変性したポリシロキサン;アミノポリシロキサン;ヒドロキシル基を有するポリシロキサン;1〜12の炭素原子を有し、水素原子の全てまたはいくつかがフッ素原子で置換された、ペンダントフッ化基またはシリコーン鎖の末端でフッ化基を有するフルオロポリ-シロキサン、およびそれらの混合物を挙げることができる。 【0138】 18(Mpa)1/2以下の、Hansenの溶解度空間による包括的溶解度パラメーターを有する、非シリコーンベースの液体有機化合物としては、特に: −少なくとも6の炭素原子、特に6〜30の炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状エステル、 −少なくとも6の炭素原子、特に6〜30の炭素原子を有するエーテル、 −少なくとも6の炭素原子、特に6〜30の炭素原子を有するケトン が挙げられる。 【0139】 「20(MPa)11/2以下のHansen溶解度空間による包括的溶解度パラメータを有する液体のモノアルコール」という表現は、6〜30の炭素原子を有し、炭化水素鎖が置換基を含有していない液体の脂肪族脂肪モノアルコールを意味する。挙げることのできる本発明のモノアルコールとしては、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、デカノール、オクチルドデカノールおよびリノレイルアルコールが挙げられる。 【0140】 本発明の第一の実施態様によれば、液体脂肪相は非シリコーン液体脂肪相であってよい。 【0141】 「非シリコーン液体脂肪相」なる用語は、例えば上述したような、1つまたは複数の非シリコーン液体有機化合物または油を含有する脂肪相を意味し、該非シリコーン化合物は、主に液体脂肪相に存在しており、すなわち液体脂肪相の全重量に対して、少なくとも50重量%、特に50重量%〜100重量%、好ましくは60重量%〜100重量%(例えば60重量%〜99重量%)、または65重量%〜100重量%(例えば65重量%〜95重量%)である。 【0142】 非シリコーン液体有機化合物は、特に: −Hansen溶解度空間による包括的溶解度パラメータが18(MPa)1/2未満の非シリコーン液体有機化合物、 −Hansen溶解度空間による包括的溶解度パラメータが20(MPa)1/2以下のモノアルコール、 または、 −それらの混合物、 から選択され得る。 【0143】 よって、非シリコーン液体脂肪相は、例えば先に記載したもの等の、シリコーン液体有機化合物を含有していてもよく、それは液体脂肪相の全重量に対して50重量%未満、特に0.1重量%〜40重量%の範囲、または1重量%〜35重量%の範囲、さらには5重量%〜30重量%の範囲の量で存在し得る。 【0144】 本発明の特定の実施態様において、非シリコーン液体脂肪相は、シリコーン液体有機化合物または油を何ら含有しない。 【0145】 液体脂肪相が非シリコーン液体脂肪相である場合、グラフト化モノマーに存在しているマクロモノマーは、有利には、以下に記載するような炭素ベースのマクロモノマーである。 【0146】 特に、液体脂肪相が非シリコーン液体脂肪相である場合、組成物に存在するグラフト化ポリマーは、有利には非シリコーングラフト化ポリマーである。 【0147】 「非シリコーングラフト化ポリマー」なる用語は、主として炭素ベースのマクロモノマーを含有しており、場合によってはシリコーンマクロモノマーを7重量%を超えて、好ましくは5重量%を超えては含有しない、さらにはシリコーンマクロモノマーを含有しないグラフト化ポリマーを意味する。 【0148】 本発明の第二の実施態様において、液体脂肪相はシリコーン液体脂肪相であってよい。 【0149】 「シリコーン液体脂肪相」なる用語は、例えば上述したような、1つまたは複数のシリコーン液体有機化合物またはシリコーン油を含有する脂肪相を意味し、該シリコーン化合物は、主に液体脂肪相に存在しており、すなわち液体脂肪相の全重量に対して、少なくとも50重量%、特に50重量%〜100重量%、好ましくは60重量%〜100重量%(例えば60重量%〜99重量%)、または65重量%〜100重量%(例えば65重量%〜95重量%)である。 【0150】 シリコーン液体有機化合物は、特に、Hansen溶解度空間による包括的溶解度パラメータが18(MPa)1/2以下のシリコーン液体有機化合物から選択され得る。 【0151】 よって、シリコーン液体脂肪相は、場合によっては例えば先に記載したもの等の、非シリコーン液体有機化合物を含有していてもよく、それは液体脂肪相の全重量に対して50重量%未満、特に0.1重量%〜40重量%の範囲、または1重量%〜35重量%の範囲、さらには5重量%〜30重量%の範囲の量で存在し得る。 【0152】 本発明の特定の1つの実施態様において、シリコーン液体脂肪相は、非シリコーン液体有機化合物を含有しない。 【0153】 液体脂肪相がシリコーン液体脂肪相である場合、グラフト化モノマーに存在しているマクロモノマーは、有利には、以下に記載するようなシリコーンマクロモノマーである。 【0154】 特に、液体脂肪相がシリコーン液体脂肪相である場合、組成物に存在するグラフト化ポリマーは、有利にはシリコーングラフト化ポリマーである。 【0155】 「シリコーングラフト化ポリマー」なる用語は、主としてシリコーンマクロモノマーを含有しており、場合によっては炭素マクロモノマーを7重量%まで、好ましくは5重量%までしか含有せず、さらには炭素マクロモノマーを含有しないグラフト化ポリマーを意味する。 【0156】 グラフト化エチレン性ポリマーの粒子の分散液、特にその安定した分散液を得るために、分散液体有機媒体によって、ポリマー骨格をなすモノマーおよびマクロモノマーの選択、ポリマーの分子量の選択ならびにモノマーとマクロモノマーの割合の選択を行うことができ、この選択は、この業界の当業者にとっては容易である。 【0157】 「安定した分散液」なる用語は、特に例えば4000回転/分で15分間遠心分離した後、固体状の沈殿物を形成したり、または液体/固体の相分離を生じない分散液を意味する。 【0158】 よって、分散した粒子を形成するグラフト化エチレン性ポリマーは、該分散媒体に不溶の骨格と、該分散媒体に溶解する部分とを含む。 【0159】 グラフト化エチレン性ポリマーは、ランダムポリマーであってもよい。 【0160】 本発明において、「グラフト化エチレン性ポリマー」なる用語は: −1つまたは複数のエチレン性モノマー; −1つまたは複数のマクロモノマー; との、有機重合媒体における、フリーラジカル重合により得ることができるポリマーを意味する。 本発明において、「グラフト化アクリルポリマー」なる用語は: −1つまたは複数のアクリルモノマー、および場合によっては1つまたは複数の付加的な非アクリル酸ビニルモノマー; −1つまたは複数のマクロモノマー; との、有機重合媒体における、フリーラジカル重合により得ることができるポリマーを意味する。 【0161】 有利には、アクリルモノマーは、アクリルモノマーと任意の非アクリル酸ビニルモノマーの混合物の、50重量%〜100重量%、好ましくは55重量%〜100重量%(特に55重量%〜95重量%)、より好ましくは60重量%〜100重量%(特に60重量%〜90重量%)である。 【0162】 好ましくは、アクリルモノマーは、そのホモポリマーが、考慮される分散媒体に不溶、すなわちホモポリマーが、該分散媒体に、室温(20℃)で5重量%以上の濃度で固体状(または溶解しない)形態であるモノマーから選択される。 【0163】 本発明において「重合性末端基を有するマクロモノマー」なる用語は、骨格を構成するアクリルモノマーおよび場合によっては付加的な非アクリル酸ビニルモノマーと、重合反応中に反応可能な重合性末端基をその一端のみに有する任意のポリマーを意味する。マクロモノマーにより、グラフト化アクリルポリマーの側鎖を形成することができる。マクロモノマーの重合性基は、有利には、骨格を構成するモノマーとフリーラジカル重合可能な、エチレン性不飽和基であってもよい。 【0164】 「炭素マクロモノマー」なる用語は、非シリコーンマクロモノマー、特にエチレン性不飽和を有する非シリコーンモノマーの重合、および主としてアクリルおよび/または非アクリル酸ビニルモノマーの重合により得られる、オリゴマーマクロモノマーを意味する。 【0165】 「シリコーンマクロモノマー」なる用語は、オルガノポリシロキサンマクロモノマー、特にポリジメチルシロキサンマクロモノマーを意味する。 【0166】 好ましくは、マクロモノマーは、そのホモポリマーが、考慮される分散媒体に溶解する、すなわち、該分散媒体に、室温にて5重量%以上の濃度で完全に溶解するマクロモノマーから選択される。 【0167】 よって、グラフト化アクリルポリマーは、特に1つまたは複数のアクリルモノマーの重合により得られるアクリル単位の配列からなる骨格(または主鎖)、およびマクロモノマーの反応により得られる側鎖(またはグラフト部)を含み、該側鎖は該主鎖に共有結合している。 【0168】 骨格(または主鎖)は、考慮される分散媒体に不溶であるが、側鎖(またはグラフト部)は該分散媒体に溶解する。 【0169】 本出願において、「アクリルモノマー」なる用語は、(メタ)-アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリラートとしても公知)、および(メタ)アクリル酸アミド((メタ)アクリルアミドとしても公知)から選択されるモノマーを意味する。 【0170】 ポリマーの不溶性の骨格を構成するのに使用され得るアクリルモノマーとしては、以下のモノマー、およびその塩の単独物または混合物を挙げることができる: −(i)以下の式: 【0171】 【化7】
【0172】 [式中、 −R1は水素原子またはメチル基を示し; −R2は以下の基: −1〜6の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基で、該基が、その鎖にO、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有することができ;および/または、該基が、-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)、および-NR’R’’ (R’およびR’’が同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状のC1-C4アルキルから選択される)から選択される1つまたは複数の置換基を有することができ;および/または、該基が、少なくとも1つのポリオキシアルキレン基、特にC2-C4アルキレン、中でもポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンで置換可能であるもので、さらに該ポリオキシアルキレン基が5〜30のオキシアルキレン単位の繰り返しからなるもの; −3〜6の炭素原子を有する環状のアルキル基で、該基が、その鎖にO、NおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を有することができ、および/または、該基が、OHおよびハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)から選択される1つまたは複数の置換基を有することができるもの; から選択される基を表す] の(メタ)アクリラート類。 挙げることのできるR2の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシポリオキシエチレン 350 OE、トリフルオロエチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、またはジメチルアミノプロピル基が含まれる。 【0173】 −(ii)以下の式: 【0174】 【化8】
【0175】 [式中、 −R3は水素原子またはメチル基を示し; −R4およびR5は同一でも異なっていてもよく、水素原子、または、-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)および-NR’R’’(R’およびR’’が同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状のC1-C4アルキルから選択される)から選択される1つまたは複数の置換基を有することができる、直鎖状もしくは分枝状で1〜6の炭素原子を有するアルキル基を表し;または −R4は水素原子を表し、R5は1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表す] の(メタ)アクリルアミド。 R4およびR5を構成可能なアルキル基の例としては、n-ブチル、t-ブチル、n-プロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチルおよびジメチルアミノプロピルを挙げることができる。 【0176】 −(iii)少なくとも1つのカルボン酸、リン酸またはスルホン酸官能基を含有する、例えばアクリル酸、メタクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルモノマー。 これらのアクリルモノマーとしては、特にメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびイソブチルの(メタ)アクリラート;メトキシエチルまたはエトキシエチルの(メタ)アクリラート;メタクリル酸トルフルオロエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;およびそれらの塩;およびそれらの混合物を特に挙げることができる。 【0177】 好ましくは、アクリルモノマーは、アクリル酸メチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸およびメタクリル酸ジメチルアミノエチル、およびそれらの混合物から選択される。 【0178】 付加的な非アクリル酸ビニルモノマーとしては: −式:R6-COO-CH=CH2 [式中、R6は直鎖状または分枝状で1〜6の炭素原子を有するアルキル基、または3〜6の炭素原子を有する環状のアルキル基、および/または芳香族基、例えばベンゼン、アントラセンまたはナフタレン型のものを表す] のビニルエステル; −少なくとも1つのカルボン酸、リン酸またはスルホン酸官能基を有する非アクリル酸ビニルモノマー、例えばクロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、またはビニルリン酸、およびそれらの塩; −2-ビニルピリジンまたは4-ビニルピリジン等の、少なくとも1つの第3級アミン官能基を有する非アクリル酸ビニルモノマー、 −およびそれらの混合物; を挙げることができる。 【0179】 有利には、グラフト化ポリマーに存在するアクリルモノマーは、上述した(i)および(ii)に記載したような、(メタ)アクリラートおよび(メタ)アクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、および少なくとも(メタ)アクリル酸を含有する。好ましくは、アクリルモノマーは、C1-C3(メタ)アクリル酸アルキルから選択される少なくとも1つのモノマーと、少なくとも(メタ)アクリル酸を含有する。(メタ)アクリル酸は、ポリマーの全重量に対して、少なくとも5重量%、特に5重量%〜80重量%、好ましくは少なくとも10重量%、特に10重量%〜70重量%、好ましくは少なくとも15重量%、特に15重量%〜60重量%の量で存在してよい。 【0180】 塩としては、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウム、またはアルカノールアミドタイプの有機塩基、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、または2-メチル-2-アミノ-1-プロパノールで酸基が中和されることにより得られるものを挙げることができる。 【0181】 例えば無機または有機酸を使用して、第3級アミン単位を中和することにより形成される塩を挙げることができる。無機酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸およびホウ酸を挙げることもできる。有機酸としては、1つまたは複数のカルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸基を有する酸を挙げることができる。それらは直鎖状、分枝状または環状の脂肪族酸、または芳香族酸であってよい。これらの酸は、例えばヒドロキシル基の形態をした、OおよびNから選択される一または複数のヘテロ原子をさらに含有していてよい。特に酢酸、プロピオン酸、テレフタル酸、およびクエン酸および酒石酸を挙げることができる。 【0182】 本発明の1つの実施態様において、グラフト化エチレン性ポリマーは、上述したような付加的な非アクリル酸ビニルモノマーを含有しない。この実施態様において、グラフト化エチレン性ポリマーの不溶性の骨格は、上述したアクリルモノマーのみから形成される。 【0183】 これらの重合していないアクリルモノマーは考慮される分散媒体に溶解し得るが、これらのモノマーにより形成されるポリマーは、分散媒体に不溶であると理解される。 【0184】 本発明の特定の実施態様において、グラフト化エチレン性ポリマーは: −不溶性の骨格を形成し、単独でまたは混合物として、C1-C3(メタ)アクリル酸アルキルから選択される主たるアクリルモノマー、および場合によっては以下の式(I)の(メタ)アクリル酸、メタクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキルから選択される一または複数の付加的なアクリルモノマー、およびそれらの塩;および −上述したような重合性末端基を有する少なくとも1つのシリコーンベースのマクロモノマー; との、有機重合媒体における、フリーラジカル重合により得ることができる。 【0185】 使用され得る主たるアクリルモノマーには、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、メタクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、およびメタクリル酸イソプロピル、およびそれらの混合物が含まれる。 【0186】 アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸エチルが最も好ましい。 【0187】 付加的なアクリルモノマーは: −(メタ)アクリル酸およびその塩、 −以下の式(I): 【0188】 【化9】
【0189】 [式中: −R’1は水素原子またはメチル基を示し; −R’2は: −1〜6の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基で、該基が、その鎖に1つまたは複数の酸素原子を有しており、および/または、-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)、および-NR’R’’(R’およびR’’が同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状のC1-C3アルキルから選択される)から選択される1つまたは複数の置換基を有するもの; −3〜6の炭素原子を有する環状のアルキル基で、該基が、その鎖に1つまたは複数の酸素原子を有することができ、および/またはOHおよびハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)から選択される1つまたは複数の置換基を有することができるもの; を表す] の(メタ)アクリラート類、およびその塩; −およびそれらの混合物; から選択され得る。 【0190】 挙げることのできるR’2の例には、メトキシエチル、エトキシエチル、トリフルオロエチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、またはジメチルアミノプロピル基が含まれる。 【0191】 これらの付加的なアクリルモノマーとしては、特に(メタ)アクリル酸、メトキシエチルまたはエトキシエチル(メタ)アクリラート;メタクリル酸トルフルオロエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシ-プロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、およびアクリル酸2-ヒドロキシエチル、それらの塩、およびそれらの混合物を挙げることができる。 【0192】 アクリル酸およびメタクリル酸が特に好ましい。 【0193】 マクロモノマーは、グラフト化エチレン性ポリマーの側鎖を形成するために、アクリルモノマーと、場合によっては付加的なビニルモノマーと重合中に反応重合性末端基を鎖の一端に有する。特に前記重合性末端基は、ビニルまたは(メタ)アクリラート(または(メタ)-アクリルオキシ)基、好ましくは(メタ)アクリラート基であってよい。 【0194】 マクロモノマーは、そのホモポリマーが25℃以下、特に-100℃〜25℃の範囲、好ましくは-80℃〜0℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有するマクロモノマーから好ましく選択される。 【0195】 マクロモノマーは、200以上、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは600以上の重量平均分子量を有する。 【0196】 好ましくは、マクロモノマーは、200〜100000の範囲、好ましくは500〜50000の範囲、より好ましくは800〜20000の範囲、さらに好ましくは800〜10000の範囲、特に好ましくは800〜6000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。 【0197】 本特許出願において、重量平均(Mw)モル質量および数平均モル質量(Mn)は、ゲル浸透液体クロマトグラフィー(THF溶媒、直鎖状のポリスチレンスタンダードを用いて確立された検量曲線、屈折検出器)により測定される。 【0198】 特に挙げることのできる炭素マクロモノマーには、以下のものが含まれる: −(i)ビニルまたは(メタ)アクリラート基から選択される重合性末端基を有する、直鎖状または分枝状のC8-C22アルキルの(メタ)アクリラートのホモポリマーまたはコポリマーで、特にモノ(メタ)アクリラート末端基を有するポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリラート末端基を有するポリ(アクリル酸ドデシル)またはポリ(メタクリル酸ドデシル)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリラート末端基を有するポリ(アクリル酸ステアリル)またはポリ(メタクリル酸ステアリル)マクロモノマーを挙げることができるもの。 【0199】 このようなマクロモノマーは、特に、欧州特許第895467号および欧州特許第964459号、およびGillman K.F.,による文献、Polymer Letters, 第5巻, 477-481頁(1967)に記載されている。 【0200】 特に、モノ(メタ)アクリラート末端基を有するポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)またはポリ(アクリル酸ドデシル)をベースにしたマクロモノマーを挙げることができる。 【0201】 −(ii)エチレン性不飽和末端基、特に(メタ)アクリラート末端基を有するポリオレフィン。挙げることのできるこのようなポリオレフィン類の例には、特に次のマクロモノマーで、(メタ)アクリラート末端基を有すると理解されるもの、例えばポリエチレンマクロモノマー、ポリプロピレンマクロモノマー、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーのマクロモノマー、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー、ポリイソブチレンマクロモノマー;ポリブタジエンマクロモノマー;ポリイソプレンマクロモノマー;ポリブタジエンマクロモノマー;ポリ(エチレン/ブチレン)-ポリイソプレンマクロモノマーが含まれる。 【0202】 このようなマクロモノマーは、特に、米国特許第5625005号に記載されており、ここには、(メタ)アクリラート反応性末端基を有するエチレン/ブチレンおよびエチレン/プロピレンマクロモノマーを挙げられている。 【0203】 特に、クラトン・ポリマー社からクラトン・リキッドL-1253の名称で販売されているポリ(エチレン/ブチレン)メタクリラートを挙げることができる。 【0204】 特に挙げることのできるシリコーンマクロモノマーには、モノ(メタ)アクリラート末端基を有するポリジメチルシロキサン、特に、以下の式(II): 【0205】 【化10】
【0206】 [上式中、R8は水素原子またはメチル基を示し;R9は1〜10の炭素原子を有し、場合によっては1つまたは2つのエーテル結合-O-を有していてもよい二価の炭化水素基を示し;R10は1〜10の炭素原子、特に2〜8の炭素原子を有するアルキル基を示し;nは1〜300の範囲、好ましくは3〜200の範囲、より好ましくは5〜100の範囲の整数を示す] のモノ(メタ)アクリラート末端基を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。 【0207】 使用され得るシリコーンマクロモノマーには、モノメタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサン、例えばユナイテッド・ケミカル・テクノロジーズ・インク(United Chemical Technologies Inc.)(UCT)からPS560-K6の名称で、またはゲレスト・インク(Gelest Inc.)からMCR-M17の名称で販売されているものが含まれる。 【0208】 好ましくは、重合したマクロモノマー(グラフト化ポリマーの側鎖を構成するもの)は、ポリマーの全重量に対して0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%、より好ましくは0.3重量%〜8重量%である。 【0209】 非シリコーン液体脂肪相に分散した特に好ましいグラフト化エチレン性ポリマーとしては: −特にイソドデカン、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、マレイン酸ジイソステアリルまたは安息香酸C12-C15アルキル(例えばフィンソルブ(Finsolv)TN)から選択される溶媒における、アクリル酸メチルと、メタクリラート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー(特にクラトンL-1253); −特にイソドデカンにおける、アクリル酸メトキシエチルと、メタクリラート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー(特にクラトンL-1253); −特にイソドデカンにおける、アクリル酸メチル/メタクリル酸メチルモノマーと、メタクリラート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー(特にクラトンL-1253); −特にイソドデカンにおける、アクリル酸メチル/アクリル酸の酸性モノマーと、メタクリラート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー(特にクラトンL-1253); −特にイソドデカンにおける、アクリル酸メチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチルモノマーと、メタクリラート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー(特にクラトンL-1253); −特にイソドデカンにおける、アクリル酸メチル/メタクリル酸2-ヒドロキシエチルモノマーと、メタクリラート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー(特にクラトンL-1253); の重合により得られるものを使用することができる。 【0210】 シリコーンベースの液体脂肪相に分散した特に好ましいグラフト化アクリルポリマーとしては: −特にデカメチルシクロペンタシロキサンまたはフェニルトリメチコンにおける、800〜6000の重量平均分子量を有する、モノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンマクロモノマーとアクリル酸メチル; −特にデカメチルシクロペンタシロキサンまたはフェニルトリメチコンにおける、800〜6000の重量平均分子量を有する、モノメタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンマクロモノマーと、アクリル酸と、アクリル酸メチル; の重合により得られるものを使用することができる。 【0211】 グラフト化ポリマー重量平均分子量(Mw)は、10000〜300000、特に20000〜200000、好ましくは25000〜150000である。 【0212】 付与された有機分散媒体において、上述した特徴により、ポリマーはそれら自身の上に折り畳まれる能力を有しており、よって実質的に球形の粒子が形成され、これら粒子の表面には、これらの粒子の安定性が確実になるように配された側鎖が存在する。グラフト化ポリマーの特徴に起因するこのようなポリマーは、前記媒体においては凝集しないという特徴を有しており、よって自己安定し、特定の安定したポリマー粒子分散液が形成される。 【0213】 特に、分散液のグラフト化エチレン性ポリマーは、10〜400nm、好ましくは20〜200nmの範囲の平均径を有する、ナノメートルサイズの粒子を形成することができる。 【0214】 これが非常に小さなサイズである結果、グラフト化ポリマーの分散粒子は特に安定しており、よって凝集体の形成に対してほとんど影響を受けない。 【0215】 よって、グラフト化ポリマーの分散液は安定した分散液であり、長い時間(例えば24時間)室温(25℃)に静置した場合にも、沈殿物は形成されない。 【0216】 好ましくは、グラフト化ポリマー粒子の分散液は、固体重量の40%〜70%、特に45%〜65%のポリマーの乾燥物含量(または固体含有量)を有する。 【0217】 グラフト化ポリマー粒子の分散液は、有機重合媒体において、上述した1つまたは複数のアクリルモノマー、上述した1つまたは複数のマクロモノマーのフリーラジカル共重合の工程を含む方法を介して調製され得る。 【0218】 上述したように、液体有機分散媒体は、重合媒体と同一でも異なっていてもよい。 【0219】 共重合は、重合開始剤の存在下、便宜的に実施され得る。重合開始剤はフリーラジカル開始剤であってもよい。一般的に、このような重合開始剤は、有機過酸化化合物、例えば過酸化ジラウロイル、過酸化ジベンゾイル、またはtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノアート;ジアゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリルまたはアゾビスジメチルバレロニトリルから選択され得る。 【0220】 また、反応は、光開始剤または光線、例えばUVまたはニュートロン、またはプラズマを使用して開始させてもよい。 【0221】 一般的にこのプロセスを実施するために、有機重合媒体の少なくとも一部、重合後に不溶性の骨格を構成するであろう付加的なアクリルおよび/またはビニルモノマーの一部、マクロモノマー(ポリマーの側鎖を構成するであろうもの)の全て、および重合開始剤の一部を、所定量のポリマーが調製されるのに適切な大きさの反応器に導入する。この導入段階において、反応媒体は比較的均質な媒体を形成する。 【0222】 ついで、反応媒体を攪拌し、モノマーとマクロモノマーとの重合がなされる温度まで加熱する。所定の時間後、当初、均質で透明であった媒体は、乳白色の外観の分散液に至る。ついで、残存部のモノマーと重合開始剤とからなる混合物を添加する。混合物を攪拌しつつ加熱している間の適切な時間後、媒体は乳白色の分散液の形態で安定しており、媒体中で安定しているポリマー粒子を含有する分散液が生産され、該安定化は、ポリマーに、前記分散媒体に溶解する側鎖が存在することによりなされる。 【0223】 グラフト化ポリマーは、本発明の組成物においては、組成物の全重量に対して、1から70重量%の範囲の、好ましくは5から60重量%の範囲の、より好ましくは6から45重量%の範囲の、更に好ましくは8から40重量%の範囲の乾燥物(または活性物質)の含量で存在することができる。 【0224】 (直鎖状エチレン性シークエンシャルポリマー) 本発明による組成物は、皮膜形成剤として、以下に示すような特徴的な構造を有する直鎖状エチレン性シークエンシャルポリマー(sequential polymer)(以後は「シークエンシャルポリマー」と呼ぶ)を含みうる。 【0225】 「『シークエンシャル』ポリマー」なる用語は、少なくとも2つの離れたシークエンス(sequence)、好ましくは少なくとも3つの離れたシークエンスを含有するポリマーを意味する。 【0226】 ポリマーは、直鎖状構造を有するポリマーである。対照的に、非直鎖状構造を有するポリマーは、例えば、分枝状、星型、グラフト化または他の構造を有するポリマーである。 【0227】 有利には、シークエンシャルポリマーはスチレンを含まない。用語「スチレンを含まないポリマー」は、ポリマーの総重量に対して、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満のスチレンモノマー(例えばスチレン、スチレン誘導体、例えばメチルスチレン、クロロスチレンまたはクロロメチルスチレン)を含有するポリマー、あるいはスチレンモノマーを含有しないポリマーを意味する。 【0228】 好ましくは、シークエンシャルポリマーは、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも1つの第1シークエンスと少なくとも1つの第2シークエンスとを含み、前記第1シークエンスと第2シークエンスが、第1シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーと第2シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーとを含む中間シークエンスを介して連結している。 【0229】 用語「『少なくとも』1つのシークエンス」は、1つまたは複数のシークエンスを意味する。 【0230】 中間シークエンスは、第1シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーと、第1シークエンスと第2シークエンスを「相容」させるポリマーの第2シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーとを含むシークエンスである。 【0231】 本明細書の上記および下記において、用語「第1」および「第2」シークエンスは、シークエンシャルポリマーの構造における前記シークエンス(またはブロック)の順序を条件付けるものでは決してないことを指摘する。 【0232】 有利には、シークエンシャルポリマーの第1シークエンスおよび第2シークエンスは互いに非相容性である。 【0233】 用語「互いに非相容性のシークエンス」は、第1シークエンスに対応するポリマーと第2シークエンスに対応するポリマーとから形成した混合物が、液体脂肪相に含有された重量での主要量である有機液体に室温(25℃)および大気圧(105Pa)で、混合物(ポリマーおよび溶媒)の総重量に対して、5重量%以上のポリマー混合物含量で混和性でないことを意味する。そして、このことは、 i)前記ポリマーは、各重量比が10/90から90/10の範囲であるような含量で混合物に存在し、 ii)第1シークエンスおよび第2シークエンスに対応するポリマーのそれぞれの平均(重量平均または数平均)モル質量は、シークエンシャルポリマーの平均モル質量の±15%に等しい と理解される。 液体脂肪相が有機液体の混合物を含むとき、2種以上の有機液体が同一の質量割合で存在する場合、前記ポリマー混合物は、それらの少なくとも1つに不混和性である。 【0234】 当然のことながら、液体脂肪相が有機液体を1つのみ含む場合、この液体は主要な有機液体である。 【0235】 好ましくは、シークエンシャルポリマーはその骨格にケイ素原子を含まない。用語「骨格」は、ペンダント側鎖に対して、ポリマーの主鎖を意味する。 【0236】 好ましくは、シークエンシャルポリマーは、pHを変更することなく、少なくとも1重量%の活性物質含量、室温(25℃)で、水あるいは水と炭素原子2から5個を含有する直鎖状または分枝状の低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノールまたはn-プロパノールとの混合物に可溶性ではない。 【0237】 好ましくはシークエンシャルポリマーはエラストマーではない。 【0238】 用語「非エラストマーポリマー」は、それを伸ばす(例えばその最初の長さに対して30%)ことを意図した制約を受けると、制約が無くなったときにその最初の長さと実質的に同一の長さには戻らないポリマーを意味する。 【0239】 より具体的には、用語「非エラストマーポリマー」は、30%伸ばした後の瞬間回復Riが50%未満であり、遅延回復R2hが70%であるポリマーを表す。好ましくは、Riは30%未満であり、R2hは50%未満である。 【0240】 より具体的には、用語「非エラストマーポリマー」は、30%伸ばした後の瞬間回復Riが50%未満であり、遅延回復R2hが70%であるポリマーを表す。好ましくは、Riは30%未満であり、R2hは50%未満である。 より具体的には、ポリマーの非エラストマー性は以下のプロトコルに従って判定する: ポリマー皮膜は、ポリマーの溶液をTeflon処理したマトリクスに注ぎ、次いで23±5℃および相対湿度50±10%に調節した環境で7日間乾燥することによって調製する。 厚さ約100μmの皮膜を得、そこから長方形の試験品を(例えばパンチを使用して)幅15mm、長さ80mmで切り取る。 このサンプルを、参照名Zwickで販売されている機械を使用して、乾燥と同じ温度および湿度条件で引張応力にかける。 50mm/分の速度、試験品の最初の長さ(l0)に対応する50mmのジョー間の距離で試験品を引っ張る。 【0241】 瞬間回復Riは、以下の通りに判定する: −試験品を30%(εmax)、即ちその最初の長さ(l0)の約0.3倍引っ張り、 −引張速度と等しい戻り速度、即ち50mm/分をかけることによって制約を解除し、ゼロ制約(εi)に戻した後、試験品に残った伸びを百分率として測定する。 【0242】 瞬間回復(Ri)の百分率は次式で得られる: Ri = ((εmax−εi)/εmax) × 100 【0243】 遅延回復を判定するには、ゼロ制約(εi)に戻した2時間後に試験品に残った伸びの百分率(ε2h)を測定する。 【0244】 遅延回復(R2h)の百分率は次式で得られる: R2h = (εmax−ε2h)/εmax) × 100 【0245】 純粋に指針として、本発明の1つの実施態様によるポリマーは、瞬間回復Riが10%であり、遅延回復R2hが30%である。 【0246】 有利には、シークエンシャルポリマーの多分散指数Iは2を超え、例えば2から9の範囲、好ましくは2.5以上、例えば2.5から8の範囲、より好ましくは2.8以上、特に2.8から6の範囲である。 【0247】 シークエンシャルポリマーの多分散指数Iは重量平均質量Mwと数平均質量Mnの比に等しい。 【0248】 重量平均モル質量(Mw)および数平均モル質量(Mn)はゲル浸透液体クロマトグラフィー(THF溶媒、直鎖状のポリスチレンスタンダードを用いて確立された検量曲線、屈折検出器)で判定する。 【0249】 シークエンシャルポリマーの重量平均質量(Mw)は好ましくは300000以下であり、例えば35000から200000、より好ましくは45000から150000の範囲である。 【0250】 シークエンシャルポリマーの数平均質量(Mn)は好ましくは70000以下であり、例えば10000から60000、より好ましくは12000から50000の範囲である。 【0251】 シークエンシャルポリマーの各シークエンスは、1つのタイプのモノマーまたは数種の異なるタイプのモノマーから導出する。 【0252】 これは、各シークエンスがホモポリマーまたはコポリマーからなることができること、シークエンスを構成するこのコポリマーがランダムまたは交互であってよいことを意味する。 【0253】 有利には、シークエンシャルポリマーの第1シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーと第2シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーとを含む中間シークエンスは、ランダムポリマーである。 【0254】 好ましくは、中間シークエンスは、第1シークエンスの構成モノマーと第2シークエンスの構成モノマーとから本質的に導出する。 【0255】 用語「本質的に」は、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、さらに好ましくは100%を意味する。 【0256】 有利には、中間シークエンスは、第1シークエンスのガラス転移温度と第2シークエンスのガラス転移温度との間のガラス転移温度Tgを有する。 【0257】 第1シークエンスと第2シークエンスについて示したガラス転移温度は、参照マニュアル、例えばPolymer Handbook、第3版、1989、John Wileyに記載され、Foxの法則として知られる以下の関係に従った、シークエンスのそれぞれの構成モノマーの理論的Tg値から判定した理論的Tg値とすることができる: 【0258】 【数3】
【0259】 別段の指摘がない限り、本特許出願の第1シークエンスおよび第2シークエンスで指摘したTg値は理論的Tg値である。 【0260】 第1シークエンスのガラス転移温度と第2シークエンスのガラス転移温度との間の差は、一般に10℃を超え、好ましくは20℃を超え、さらに好ましくは30℃を超える。 【0261】 特に、シークエンシャルポリマーの第1シークエンスは、 a)Tgが40℃以上のシークエンス、 b)Tgが20℃以下のシークエンス、 c)Tgが20から40℃の間のシークエンス から選択することができ、第2シークエンスは第1シークエンスとは異なるカテゴリーa)、b)またはc)から選択することができる。 【0262】 本発明では、表現「…から…の間」は挙げた限界を除く値の範囲を示すことを意図し、「…から…」および「…から…の範囲」は挙げた限界を含める値の範囲を示すことを意図する。 【0263】 〈a)Tgが40℃以上のシークエンス〉 Tgが40℃以上のシークエンスのTgは、例えば40から150℃の範囲、好ましくは50℃以上、例えば50℃から120℃の範囲、より好ましくは60℃以上、例えば60℃から120℃の範囲である。 【0264】 Tgが40℃以上のシークエンスは、ホモポリマーまたはコポリマーであることができる。 【0265】 このシークエンスがホモポリマーである場合、それから調製されたホモポリマーのガラス転移温度が40℃以上であるようなモノマーから導出される。この第1シークエンスは、ただ1つのタイプのモノマー(対応するホモポリマーのTgは40℃以上である)からなるホモポリマーであることができる。 【0266】 第1シークエンスがコポリマーである場合、1つまたは複数のモノマーから完全にまたは部分的に導出されてよく、その性質および濃度は得られるコポリマーのTgが40℃以上であるように選択する。このコポリマーは、例えば、 −それから調製されたホモポリマーのTg値が40℃以上、例えば40から150℃の範囲、好ましくは50℃以上、例えば50℃から120℃の範囲、より好ましくは60℃以上、例えば60℃から120℃の範囲のTgであるモノマー、および −下記の通り、それから調製されたホモポリマーのTg値が40℃未満であり、Tgが20から40℃の間のモノマーおよび/またはTgが20℃以下、例えば-100から20℃の範囲、好ましくは15℃未満、特に-80℃から15℃の範囲、さらに好ましくは10℃未満、例えば-50℃から0℃の範囲のモノマーから選択されるモノマー を含むことができる。 【0267】 そのホモポリマーのガラス転移温度が40℃以上のモノマーは、好ましくは、主要モノマーとしても知られる以下のモノマーから選択される。 −式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリレート(式中、R1は、炭素原子1から4個を含有する直鎖状もしくは分枝状の非置換アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソブチル基を表し、あるいはR1はC4からC12シクロアルキル基を表す)、 −式CH2=CH-C00R2のアクリレート(式中、R2はC4からC12シクロアルキル基、例えばアクリル酸イソボルニルまたはtert-ブチル基を表す)、 −以下の式の(メタ)アクリルアミド: 【0268】 【化11】
【0269】 (式中、R7およびR8は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または直鎖状もしくは分枝状のC1からC12アルキル基、例えばn-ブチル、t-ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチルまたはイソノニル基を表し、あるいはR7はHを表し、R8は1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、R’はHまたはメチルを表す。挙げることができるモノマーの例としては、N-ブチルアクリルアミド、N-(t-ブチル)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジブチルアクリルアミドがある)、および −それらの混合物。 【0270】 特に好ましい主要モノマーは、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニルならびにそれらの混合物である。 【0271】 〈b)Tgが20℃以下のシークエンス〉 Tgが20℃以下のシークエンスのTgは、例えば-100から20℃の範囲、好ましくは15℃以下、特に-80℃から15℃の範囲、より好ましくは10℃以下、例えば-50℃から0℃の範囲である。 【0272】 Tgが20℃以下のシークエンスは、ホモポリマーまたはコポリマーであることができる。 【0273】 このシークエンスがホモポリマーである場合、それから調製されたホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下であるようなモノマーから導出される。この第2シークエンスは、ただ1つのタイプのモノマー(対応するホモポリマーのTgは20℃以下である)からなるホモポリマーであることができる。 【0274】 Tgが20℃以下のシークエンスがコポリマーである場合、1つまたは複数のモノマーから完全にまたは部分的に導出されてよく、その性質および濃度は得られるコポリマーのTgが20℃以下であるように選択する。 【0275】 それは、例えば、 −それに対応するホモポリマーのTgが20℃以下、例えば-100℃から20℃の範囲、好ましくは15℃未満、特に-80℃から15℃の範囲、より好ましくは10℃未満、例えば-50℃から0℃の範囲のTgである1つまたは複数のモノマー、および −上記の通り、それに対応するホモポリマーのTgが20℃を超える1つまたは複数のモノマー、例えばTgが40℃以上、例えば40から150℃の範囲のTg、好ましくは50℃以上、例えば50℃から120℃の範囲、より好ましくは60℃以上、例えば60℃から120℃の範囲のモノマーおよび/またはTgが20℃から40℃の間のモノマー を含むことができる。 【0276】 好ましくは、Tgが20℃以下のシークエンスはホモポリマーである。 【0277】 ホモポリマーのTgが20℃以下となるモノマーは、以下のモノマーまたは主要モノマーから好ましくは選択される: −式CH2=CHCOOR3のアクリレート(R3は、tert-ブチル基を除く、直鎖状または分枝状のC1からC12の非置換アルキル基を表し、ここで、O、NおよびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子が場合により介在する)、 −式CH2=C(CH3)-COOR4のメタクリレート(R4は、直鎖状または分枝状のC6からC12の非置換アルキル基を表し、ここで、O、NおよびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子が場合により介在する)、 −式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル(式中、R5は、直鎖状または分枝状のC4からC12アルキル基を表す)、 −C4からC12アルキルビニルエーテルおよびアルキルエーテル −N-(C4からC12)アルキルアクリルアミド、例えばN-オクチルアクリルアミド、および −それらの混合物。 【0278】 Tgが20℃以下のシークエンスに特に好ましい主要モノマーは、アルキル鎖がtert-ブチル基を除いて炭素原子1から10個を含有するアクリル酸アルキル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸イソブチルおよびアクリル酸2-エチルヘキシルならびにそれらの混合物である。 【0279】 〈c)Tgが20から40℃の間のシークエンス〉 Tgが20から40℃の間のシークエンスは、ホモポリマーまたはコポリマーであることができる。 【0280】 このシークエンスがホモポリマーである場合、それから調製されたホモポリマーのガラス転移温度が20から40℃の間であるようなモノマー(または主要モノマー)から導出される。この第1シークエンスは、ただ1つのタイプのモノマー(対応するホモポリマーのTgは20℃から40℃の範囲にある)からなるホモポリマーであることができる。 【0281】 そのホモポリマーのガラス転移温度が20から40℃の間であるモノマーは、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸シクロデシル、アクリル酸ネオペンチル、イソデシルアクリルアミドならびにそれらの混合物から好ましくは選択される。 【0282】 Tgが20から40℃の間のシークエンスがコポリマーである場合、1つまたは複数のモノマーから完全にまたは部分的に導出されてよく、その性質および濃度は得られるコポリマーのTgが20から40℃の間であるように選択する。 【0283】 有利には、Tgが20から40℃の間のシークエンスは、 −上記の通り、対応するホモポリマーのTgが40℃以上、例えば40℃から150℃の範囲のTg、好ましくは50℃以上、例えば50から120℃の範囲、より好ましくは60℃以上、例えば60℃から120℃の範囲の主要モノマー、および/または −上記の通り、対応するホモポリマーのTgが20℃以下、例えば-100から20℃の範囲のTg、好ましくは15℃以下、特に-80℃から15℃の範囲、より好ましくは10℃以下、例えば-50℃から0℃の範囲の主要モノマー から完全にまたは部分的に導出されたコポリマーであり、前記モノマーは、第1シークエンスを形成するコポリマーのTgが20から40℃の間であるように選択される。 【0284】 このような主要モノマーは、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸2-エチルヘキシルならびにそれらの混合物から選択される。 【0285】 好ましくは、20℃以下のTgを有する第2シークエンスの割合は、ポリマーの10重量%から85重量%、より好ましくは20重量%から70重量%、さらに好ましくは20重量%から50重量%の範囲である。 【0286】 しかし、シークエンスのそれぞれは、少量の割合で、他方のシークエンスの少なくとも1つの構成モノマーを含有していてもよい。 【0287】 したがって、第1シークエンスは第2シークエンスの少なくとも1つの構成モノマーを含有していてもよく、逆の場合も同様である。 【0288】 シークエンスポリマーの第1シークエンスおよび/または第2シークエンスのそれぞれは、上記で指摘したモノマーに加えて、上記で言及した主要モノマーとは異なる追加のモノマーとして知られる1つまたは複数の他のモノマーを含むことができる。 【0289】 この追加のモノマーまたはこれらの追加のモノマーの性質および量は、それらが存在するシークエンスが所望のガラス転移温度を有するように選択する。 【0290】 この追加のモノマーは、例えば 親水性モノマー、例えば −アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸およびそれらの塩など、少なくとも1つのカルボン酸官能基またはスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、 −2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルおよびジメチルアミノプロピルメタクリルアミドならびにそれらの塩など、少なくとも1つの第三級アミン官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、 −式CH2=C(CH3)-COOR6のメタクリレート(式中、R6は、炭素原子1から4個を含有する直鎖状または分枝状のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはイソブチル基を表し、前記アルキル基は、ヒドロキシル基(例えばメタクリル酸2-ヒドロキシプロピルおよびメタクリル酸2-ヒドロキシエチル)およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)(例えばメタクリル酸トリフルオロエチル)から選択された1つまたは複数の置換基で置換されている)、 −式CH2=C(CH3)-COOR9のメタクリレート(R9は、直鎖状または分枝状のC6からC12アルキル基を表し、ここで、O、NおよびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子が場合により介在し、前記アルキル基はヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択された1つまたは複数の置換基で置換されている); −式CH2=CHCOOR10のアクリレート(R10は、ヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IおよびF)から選択された1つまたは複数の置換基で置換された直鎖状または分枝状のC1からC12アルキル基、例えばアクリル酸2-ヒドロキシプロピルおよびアクリル酸2-ヒドロキシエチルを表し、あるいはR10は、オキシエチレン単位の5から30回の繰返しを有するC1からC12アルキル-O-POE(ポリオキシエチレン)、例えばメトキシ-POEを表し、あるいはR8は、エチレンオキシド単位5から30個を含むポリオキシエチレン化基を表す); b)1つまたは複数のケイ素原子を含むエチレン性不飽和モノマー、例えばメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよびメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ならびに −それらの混合物 から選択される。 【0291】 特に好ましい追加のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸およびメタクリル酸トリフルオロエチルならびにそれらの混合物である。 【0292】 1つの好ましい実施態様によれば、シークエンシャルポリマーは非シリコーンポリマー、即ちケイ素原子を含まないポリマーである。 【0293】 この追加のモノマーまたはこれらの追加のモノマーは、一般に、第1シークエンスおよび/または第2シークエンスの総重量に対して、30重量%以下、例えば1重量%から30重量%、好ましくは5重量%から20重量%、より好ましくは7重量%から15重量%の量に相当する。 【0294】 好ましくは、第1シークエンスおよび第2シークエンスのそれぞれは、(メタ)アクリル酸エステルから選択された少なくとも1つのモノマー、場合により(メタ)アクリル酸から選択された少なくとも1つのモノマーおよびそれらの混合物を含む。 【0295】 有利には、シークエンシャルポリマーの第1シークエンスおよび第2シークエンスのそれぞれは、アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルから選択された少なくとも1つのモノマー、場合により(メタ)アクリル酸から選択された少なくとも1つのモノマーおよびそれらの混合物から完全に導出される。 【0296】 シークエンシャルポリマーは、以下の調製方法によるフリーラジカル溶液重合で得ることができる: −重合溶媒の一部を適切な反応器に導入し、重合に適した温度に到達するまで加熱し(通常60から120℃の間)、 −この温度に到達したら、第1シークエンスの構成モノマーを重合開始剤の一部の存在下で導入し、 −最大転換度90%に相当する時間T後、第2シークエンスの構成モノマーおよび開始剤の残りを導入し、 −混合物を時間T'(3から6時間の範囲)反応させ、その後、混合物を室温に冷却し、 −重合溶媒に溶解したポリマーを得る。 【0297】 用語「重合溶媒」は、溶媒または溶媒の混合物を意味する。重合溶媒は、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノールまたはエタノールなどのアルコールおよびイソドデカンなどの脂肪族アルカンならびにそれらの混合物から特に選択することができる。好ましくは、重合溶媒は酢酸ブチルとイソプロパノールまたはイソドデカンとの混合物である。 【0298】 第一の実施態様によれば、シークエンシャルポリマーは、a)で上記したTgが40℃以上の第1シークエンスおよびb)で上記したTgが20℃以下の第2シークエンスを含む。 【0299】 好ましくは、Tgが40℃以上の第1シークエンスは、上記のモノマーなど、それから調製したホモポリマーのガラス転移温度が40℃以上のモノマーから導出したコポリマーである。 【0300】 有利には、Tgが20℃以下の第2シークエンスは、上記のモノマーなど、それから調製したホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下のモノマーから導出したホモポリマーである。 【0301】 好ましくは、Tgが40℃以上のシークエンスの割合は、ポリマーの20重量%から90重量%、より好ましくは30重量%から80重量%、より好ましくは50重量%から70重量%の範囲である。 【0302】 好ましくは、Tgが20℃以下のシークエンスの割合は、ポリマーの5重量%から75重量%、好ましくは15重量%から50重量%、より好ましくは25重量%から45重量%の範囲である。 【0303】 有利には、シークエンシャルポリマーは、 −アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチルコポリマーである、Tgが40℃以上、例えば85から115℃の範囲である第1シークエンス、 −アクリル酸2-エチルヘキシルホモポリマーである、Tgが20℃以下、例えば-85から-55℃の範囲である第2シークエンス、 −アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムコポリマーである中間シークエンス −を含むことができる。 【0304】 第二の実施態様によれば、シークエンシャルポリマーは、c)に記載のシークエンスに従った、ガラス転移温度(Tg)が20から40℃の間の第1シークエンス、b)に記載の通りのガラス転移温度が20℃以下の、または上記a)に記載の通りのガラス転移温度が40℃以上の第2シークエンスを含む。 【0305】 好ましくは、Tgが20から40℃の間の第1シークエンスの割合は、ポリマーの10重量%から85重量%、より好ましくは30重量%から80重量%、さらに好ましくは50重量%から70重量%である。 【0306】 第2シークエンスが、40℃以上のTgを有するシークエンスである場合、ポリマーの10重量%から85重量%、より好ましくは20重量%から70重量%、さらに好ましくは30重量%から70重量%の割合で存在するのが好ましい。 【0307】 第2シークエンスが、20℃以下のTgを有するシークエンスである場合、ポリマーの10重量%から85重量%、より好ましくは20重量%から70重量%、さらに好ましくは20重量%から50重量%の割合で存在するのが好ましい。 【0308】 好ましくは、Tgが20から40℃の間である第1シークエンスは、対応するホモポリマーのTgが40℃以上であるようなモノマー、および対応するホモポリマーのTgが20℃以下であるようなモノマーから導出されたコポリマーである。 【0309】 Tgが20℃以下、またはTgが40℃以上の第2シークエンスは、有利にはホモポリマーである。 【0310】 第1の変形によれば、シークエンシャルポリマーは、 −アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルコポリマーである、Tgが20から40℃の間、例えばTgが21から39℃の第1シークエンス、 −メタクリル酸メチルのホモポリマーである、Tgが20℃以下、例えば-65から-35℃の範囲である第2シークエンス、および −アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシルランダムコポリマーである中間ブロック を含む。 【0311】 第2の変形によれば、シークエンシャルポリマーは、 −メタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチルコポリマーである、Tgが40℃以上、例えば85から115℃の範囲である第1シークエンス、 −アクリル酸イソブチルホモポリマーである、Tgが20℃以下、例えば-35から-5℃の範囲である第2シークエンス、および −メタクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチルランダムコポリマーである中間シークエンス を含むことができる。 【0312】 第3の変形によれば、シークエンシャルポリマーは、 −アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチルコポリマーである、Tgが40℃以上、例えば60から90℃の範囲である第1シークエンス、 −アクリル酸イソブチルホモポリマーである、Tgが20℃以下、例えば-35から-5℃の範囲である第2シークエンス、および −アクリル酸イソボルニル/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸イソブチルランダムコポリマーである中間シークエンス を含むことができる。 【0313】 1つの実施態様では、皮膜形成剤は、任意の化学タイプのものとすることができ、特に、 a)オレフィン、シクロオレフィン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、ビニルエーテル、エステルもしくはアミド、または直鎖状、分枝状または環状のC4〜50アルキル基を含む(メタ)アクリル酸エステルもしくはアミドの、脂肪溶解性かつ非晶質の、好ましくは非晶質のホモポリマーおよびコポリマーから選択することができる。好ましい脂肪溶解性ホモポリマーおよびコポリマーは、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸トリデシルおよび(メタ)アクリル酸ステアリルまたはそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーから得る。挙げることができる例としては、Phoenix Chem.からGiovarez AC-5099 MLの名称で販売されているアクリル酸アルキル/アクリル酸シクロアルキルコポリマー、およびビニルピロリドンコポリマー、例えばC2〜C30、特にC3からC22アルケンのコポリマーならびにそれらの混合物である。本発明で使用することができるVPコポリマーの例としては、VP/ラウリン酸ビニル、VP/ステアリン酸ビニル、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテンまたはVP/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルのコポリマーを挙げることができる。 【0314】 挙げることができる具体的な脂肪溶解性コポリマーとしては、 i)シリコーン骨格とアクリルグラフトを含有するまたはアクリル骨格とシリコーングラフトを含有するアクリル-シリコーングラフトポリマー、例えばSA 70.5の名称で3Mから販売されている製品ならびに米国特許第5725882号、米国特許第5209924号、米国特許第4972037号、米国特許第4981903号、米国特許第4981902号および米国特許第5468477号ならびに米国特許第5219560号および欧州特許第0388582号で記載の製品、 ii)上記のクラスの1つに属し、フルオロ基を有する脂肪溶解性ポリマー、特に米国特許第5948393号で記載のものならびに欧州特許第0815836号および米国特許第5849318号で記載の(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸フルオロアルキルコポリマー、 iii)好ましくは共役した(即ちジエン)1つまたは複数のエチレン結合を含むエチレン性モノマーの重合または共重合から得られるポリマーまたはコポリマー がある。エチレン性モノマーの重合または共重合から得られるポリマーまたはコポリマーとしては、ビニル、アクリルまたはメタクリルコポリマーを使用することができる。 【0315】 1つの実施態様では、皮膜形成剤は、スチレン単位またはスチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、クロロスチレンまたはクロロメチルスチレン)からなる少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーである。少なくとも1つのスチレンブロックを含むコポリマーは、星形もしくは放射状ジブロックもしくはトリブロックコポリマー、特に星形もしくは放射状形態のマルチブロックコポリマーであることができる。少なくとも1つのスチレンブロックを含むコポリマーは、さらに、例えばアルキルスチレン(AS)ブロック、エチレン/ブチレン(EB)ブロック、エチレン/プロピレン(EP)ブロック、ブタジエン(B)ブロック、イソプレン(I)ブロック、アクリレート(A)ブロック、メタクリレート(MA)ブロックまたはこれらのブロックの組合せを含むことができる。スチレン単位またはスチレン誘導体からなる少なくとも1つのブロックを含むコポリマーは、ジブロックもしくはトリブロックコポリマー、特にポリスチレン/ポリイソプレンまたはポリスチレン/ポリブタジエンタイプ、例えば「Luvitol HSB」の名称でBASFにより販売または製造されているもののジブロックもしくはトリブロックコポリマー、およびポリスチレン/コポリ(エチレン-プロピレン)タイプまたはポリスチレン/コポリ(エチレン-ブチレン)タイプ、例えば「Kraton」の商標でShell Chemical Co.により販売または製造されているもののジブロックもしくはトリブロックコポリマーであってよく、あるいはPenrecoのGelled Permethyl 99Aとすることができる。 【0316】 挙げることができる例としては、Kraton G1650(SEBS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton G1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton D-1101(SBS)、Kraton D-1102(SBS)、Kraton D-1107(SIS)、Gelled Permethyl 99A-750、Gelled Permethyl 99A-753-58(トリブロックと星形ブロックポリマーとのブレンド)、Gelled Permethyl 99A-753-59(トリブロックと星形ブロックポリマーとのブレンド)、Penreco製のVersagel 5970およびVersagel 5960(イソドデカン中のトリブロックと星形ポリマーとのブレンド)がある。 【0317】 Lubrizolから参照名OS129880、OS129881およびOS84383で販売されているポリマー(スチレン-メタクリレートコポリマー)などのスチレン-メタクリレートコポリマーも使用することができる。 【0318】 1つの実施態様では、皮膜形成剤は、ビニルエステルのコポリマー(ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合しており、ビニルエステルは、炭素原子1から19個の飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素系の基を有し、エステル基のカルボニルに結合している)と、ビニルエステル(既に存在するビニルエステル以外)、α-オレフィン(炭素原子8から28個を含有する)、アルキルビニルエーテル(そのアルキル基は炭素原子2から18個を含有する)またはアリルタイプもしくはメタリルタイプのエステル(炭素原子1から19個の飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素系の基を含有し、エステル基のカルボニルに結合している)であることができる少なくとも1種のその他のモノマーとのコポリマーから選択される。 【0319】 これらのコポリマーは、ビニルタイプまたはアリルタイプもしくはメタリルタイプのいずれか、例えばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエートおよびジビニルオクタデカンジオエートであることができる架橋剤を使用して部分的に架橋することができる。 【0320】 挙げることができるこれらのコポリマーの例には、以下のコポリマーがある:酢酸ビニル/ステアリン酸アリル、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニル、酢酸ビニル/オクタデセン、酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/ラウリン酸アリル、プロピオン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル/1-オクタデセン、酢酸ビニル/1-ドデセン、ステアリン酸ビニル/エチルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/セチルビニルエーテル、ステアリン酸ビニル/酢酸アリル、2,2-ジメチルオクタン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、2,2-ジメチルペンタン酸アリル/ラウリン酸ビニル、ジメチルプロピオン酸ビニル/ステアリン酸ビニル、ジメチルプロピオン酸アリル/ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル/ステアリン酸ビニル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋、ジメチルプロピオン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋、酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋、酢酸ビニル/ステアリン酸アリル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋、酢酸ビニル/0.2%ジビニルベンゼンで架橋した1-オクタデセン、およびプロピオン酸アリル/ステアリン酸アリル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋。 【0321】 挙げることができる脂肪溶解性皮膜形成性ポリマーには、また、脂肪溶解性コポリマー、特に炭素原子9から22個を含有するビニルエステルの、またはアルキル基が炭素原子10から20個を含有するアクリル酸アルキルもしくはメタクリル酸アルキルの共重合から得られるものがある。 【0322】 このような脂肪溶解性コポリマーは、ポリ(ステアリン酸ビニル)の、ジビニルベンゼンで、ジアリルエーテルでまたはフタル酸ジアリルで架橋したポリ(ステアリン酸ビニル)のコポリマー、ポリ(ステアリン酸(メタ)アクリレート)の、ポリ(ラウリン酸ビニル)、ポリ(ラウリン酸(メタ)アクリレート)のコポリマー(これらのポリ(メタ)アクリレートは、ジメタクリル酸エチレングリコールまたはジメタクリル酸テトラエチレングリコールで場合により架橋されている)から選択することができる。 【0323】 上記定義の脂肪溶解性コポリマーは既知であり、特に仏国特許出願公開公報第2232303号に記載されており、それらの重量平均分子量は2000から500000、好ましくは4000から200000の範囲であることができる。 【0324】 本発明で使用することができる脂肪溶解性ポリマーの例として、ポリアルキレンおよびC2〜C20アルケンコポリマー、特にポリブテンを挙げることができる。 b)水素相互作用を与える基を好ましくは含まない非晶質で脂肪溶解性のポリ縮合物、特にC4〜50アルキル側鎖を含む脂肪族ポリエステルまたは脂肪酸二量体の縮合から得られるポリエステル、あるいはさらに仏国特許出願第0113920号で定義のブロック、グラフトまたは末端基の形態でシリコーン部分を含むポリエステル。 c)アルキル(エーテルまたはエステル)側鎖を含む非晶質で脂肪溶解性の多糖類、特に飽和または不飽和、直鎖状または分枝状のC1からC8アルキル基を含有するアルキルセルロース、例えばエチルセルロースおよびプロピルセルロース。 【0325】 皮膜形成性ポリマーは、特にセルロースポリマー、例えばニトロセルロース、酢酸セルロース、アセト酪酸セルロース、アセトプロピオン酸セルロースもしくはエチルセルロースから、またはポリウレタン、アクリルポリマー、ビニルポリマー、ポリビニルブチラール、アルキド樹脂、アリールスルホンアミド-ホルムアルデヒド樹脂などのアルデヒド縮合物から導出した樹脂、例えばトルエンスルホンアミド-ホルムアルデヒド樹脂およびアリールスルホンアミドエポキシ樹脂から選択することができる。 【0326】 特に使用することができる皮膜形成性ポリマーには、ニトロセルロースRS 1/8 sec.;RS 1/4 sec.;1/2 sec.;RS 5 sec.;RS 15 sec.;RS 35 sec.;RS 75 sec.;RS 150 sec.;AS 1/4 sec.;AS 1/2 sec.;SS 1/4 sec.;SS 1/2 sec.; SS 5 sec.、特にHercules社から販売されている;Akzo社製のトルエンスルホンアミド-ホルムアルデヒド樹脂「Ketjentflex MS80」またはFaconnier社製の「Santolite MHP」および「Santolite MS80」またはPan Americana社製の「Resimpol 80」、Dainippon社製のアルキド樹脂「Beckosol Ode 230-70-E」、Rohm & Haas社製のアクリル樹脂「Acryloid B66」およびBaxenden社製のポリウレタン樹脂「Trixene PR 4127」がある。 d)シリコーンガムおよびシリコーン樹脂などのシリコーンポリマー。 【0327】 シリコーンガムの粘度は、Standard ASTM D-445に従って測定した1000から10000000cStの間、好ましくは100000から1000000cStの間、より好ましくは300000から700000cStの間とすることができる。シリコーンガムは、好ましくは、ジメチコノール、フルオロシリコーン、ジメチコンおよびこれらの混合物から選択される。ジメチコンには、米国特許第4152416号に開示されているジメチコンを含む。それらには、例えば、参照名SE30、SE33、SE54およびSE76で販売されているものがある。 【0328】 挙げることができる本発明に使用することができるシリコーンガムは、General Electricによって商品名SE30で販売されているもの、Wackerによって商品名AK500000で販売されているもの、Rhodiaによって商品名Silbione 70047Vで販売されているもの、Dow Corningによって商品名Q2-1401またはQ2-1403で販売されているものおよびPhone-Poulencによって商品名761で販売されているものがある。 【0329】 シリコーン樹脂は、シリコーン油に一般に可溶性または膨潤性とすることができる。これらの樹脂は架橋ポリオルガノシロキサンポリマーである。 【0330】 シリコーン樹脂の名称は名称「MDTQ」で知られ、樹脂はそれが含む種々のシロキサンモノマーの機能として記載され、文字「MDTQ」のそれぞれは単位のタイプを特徴付けている。 【0331】 文字Mは、式(CH3)3SiO1/2の単官能単位を表し、ケイ素原子はこの単位を含むポリマーのただ1個の酸素原子に連結している。 【0332】 文字Dは二官能単位(CH3)2SiO2/2を示し、式中、ケイ素原子は2個の酸素原子に連結している。 【0333】 文字Tは式(CH3)SiO3/2の三官能単位を表す。 【0334】 上記定義の単位M、DおよびTでは、少なくとも1個のメチル基がメチル基以外の基R、例えば炭素原子2から10個を含有する炭化水素基(特にアルキル)またはフェニル基、あるいはヒドロキシル基で置換されていてもよい。 【0335】 最後に、文字Qは四官能単位SiO4/2を意味し、式中、ケイ素原子は4個の酸素原子に連結しており、酸素原子自体はポリマーの残部に連結している。 【0336】 異なる性質を有する種々の樹脂はこれらの種々の単位から得ることができ、これらのポリマーの性質は、モノマー(または単位)のタイプ、置換した基のタイプおよび数、ポリマー鎖の長さ、分枝度およびペンダント鎖のサイズによって変化する。 【0337】 挙げることができるこれらのシリコーン樹脂の例としては、 −式[(CH3)3XSiXO]xX(Si04/2)y(MQ単位)(式中、xおよびyは50から80の範囲の整数である)のトリメチルシロキシシリケートであることができるシロキシシリケート、 −式(CH3SiO3/2)x(T単位)(式中、xは100を超え、そのメチル基の少なくとも1個は上記定義の基Rで置換されていてもよい)のポリシルセスキオキサン、 −メチル基が別の基で置換されていないポリシルセスキオキサンであるポリメチルシルセスキオキサン(そのようなポリメチルシルセスキオキサンは米国特許第5246694号に記載されており、その内容を参照により援用する) がある。 【0338】 市販のポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例としては、 −Wacker社から、参照名Resin MK、例えばBelsil PMS MK(CH3SiO3/2繰返し単位(T単位)を含み、(CH3)2SiO2/2単位(D単位)も1重量%まで含んでよく、平均分子量が約10000であるポリマー) −Shin-Etsu社から、式CH3SiO3/2の単位Tから構成され、Si-OH(シラノール)末端基を含有する参照名KR-220L、98%の単位Tおよび2%のジメチルD単位を含み、Si-OHOU末端基を含有する参照名KR-242A、または88%のT単位および12%のジメチルD単位を含み、Si-OH末端基を含有する参照名KR-251 で販売されているものを挙げることができる。 【0339】 挙げることができるシロキシシリケート樹脂としては、場合により粉末形態のトリメチルシロキシシリケート樹脂(TMS)がある。そのような樹脂は、参照名SR1000でGeneral Electric社から、または参照名TMS 803でWacker社から販売されている。シクロメチコンなどの溶媒中、名称「KF-7312J」でShin-Etsu社から、または「DC 749」および「DC 593」でDow Corning社から販売されているトリメチルシロキシシリケート樹脂も挙げることができる。 e)ポリオルガノシロキサンタイプのシリコーン系のポリアミド、例えば米国特許出願公開公報第5874069号、米国特許出願公開公報第5919441号、米国特許出願公開公報第6051216号および米国特許出願公開公報第5981680号で記載のもの。 【0340】 本発明によれば、これらのシリコーンポリマーは以下の2つのファミリーに属することができる: 1)ポリマー鎖に位置し、水素相互作用を確立することができる少なくとも2個の基を含むポリオルガノシロキサン、および/または 2)グラフト部または分枝部に位置し、水素相互作用を確立することができる少なくとも2個の基を含むポリオルガノシロキサン。 【0341】 ポリマー鎖に水素相互作用を確立することができる2個の基を含むポリマーは、次式に対応する少なくとも1個の単位を含むポリマーであることができる: 【0342】 【化12】
【0343】 [式中、 1)R4、R5、R6およびR7は、同一でも異なっていてもよく、 −それらの鎖内に1つまたは複数の酸素、イオウおよび/または窒素原子を場合によって含み、フッ素原子で場合により部分的または完全に置換された直鎖状、分枝状または環状、飽和または不飽和のC1からC40炭化水素基、 −1つまたは複数のC1からC4アルキル基で場合によって置換されたC6からC10アリール基、 −1つまたは複数の酸素、イオウおよび/または窒素原子を場合によって含むポリオルガノシロキサン鎖 から選択される基を表し、 2)X基は、同一でも異なっていてもよく、その鎖内に1つまたは複数の酸素および/または窒素原子を場合によって含む直鎖状または分枝状のC1からC30アルキレンジイル基を表し、 3)Yは、直鎖状または分枝状の二価のアリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレンまたはアリールアルキレン基である、飽和または不飽和のC1からC50アルキレンであり、1つまたは複数の酸素、イオウおよび/または窒素原子を場合によって含み、かつ/または以下の原子もしくは原子の群: フッ素、ヒドロキシル、C3からC8シクロアルキル、C1からC40アルキル、C5からC10アリール、1から3つのC1からC3アルキル基で場合によって置換されたフェニル、C1からC3ヒドロキシアルキルおよびC1からC6アミノアルキル の1つを置換基として有する、あるいは 4)Yは、次式に対応する基を表し、 【0344】 【化13】
【0345】 (式中、 −Tは、ポリオルガノシロキサン鎖で場合よって置換され、O、NおよびSから選択される1つまたは複数の原子を場合によって含有する直鎖状または分枝状、飽和または不飽和のC3からC24の三価または四価炭化水素系の基を表し、あるいはTは、N、PおよびAlから選択される三価の原子を表し、 −R8は、1つまたは複数のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、尿素、チオ尿素および/またはスルホンアミド基を場合によって含み、ポリマーの別の鎖に場合によって連結していてもよい直鎖状または分枝状のC1からC50アルキル基またはポリオルガノシロキサン鎖を表す) 5)基Gは、同一でも異なっていてもよく、以下から選択される二価の基を表し、 【0346】 【化14】
【0347】 (式中、R9は、水素原子または直鎖状もしくは分枝状のC1からC20アルキル基を表すが、ポリマーのR9基の少なくとも50%は水素原子を表し、ポリマーのG基の少なくとも2つは以下以外の基であることを条件とする) 【0348】 【化15】
【0349】 6)nは、2から500、好ましくは2から200の範囲の整数であり、mは、1から1000、好ましくは1から700、より好ましくは6から200の範囲の整数である。] 【0350】 本発明によれば、ポリマーのR4、R5、R6およびR7基の80%は、メチル、エチル、フェニルおよび3,3,3-トリフルオロプロピル基から好ましくは選択される。 【0351】 本発明によれば、Yは、ポリマーまたはコポリマーの他の部分との結合を確立するために、さらに1つまたは複数の遊離の結合価を場合によって含む、種々の二価の基を表すことができる。好ましくは、Yは、以下から選択される基を表す: a)直鎖状のC1からC20、好ましくはC1からC10アルキレン基、 b)環および共役していない不飽和を場合によって含むC30からC56の分枝状アルキレン基、 c)C5〜C6シクロアルキレン基、 d)1つまたは複数のC1からC40アルキル基で場合によって置換されたフェニレン基、 e)アミド基を1から5つを含むC1からC20アルキレン基、 f)ヒドロキシル、C3からC8シクロアルカン、C1からC3ヒドロキシアルキルおよびC1からC6アルキルアミン基から選択される1つまたは複数の置換基を含むC1からC20アルキレン基、 g)次式のポリオルガノシロキサン鎖: 【0352】 【化16】
【0353】 (式中、R4、R5、R6、R7、Tおよびmは、上記定義の通りである)、および h)次式のポリオルガノシロキサン鎖: 【0354】 【化17】
【0355】 第2のファミリーのポリオルガノシロキサンは、式(III)に対応する少なくとも1個の単位を含むポリマーであることができる。 【0356】 【化18】
【0357】 [式中、 −R4およびR6は、同一でも異なっていてもよく、上記定義した式(II)の通りであり、 −R10は、上記定義したR4およびR6の基を表し、あるいは式-X-G-R12の基(式中、XおよびGは上記定義した式(II)の通りであり、R12は水素原子、またはその鎖内に、0、SおよびNから選択される1つもしくは複数の原子を場合によって含み、1つもしくは複数のフッ素原子および/または1つもしくは複数のヒドロキシル基で場合によって置換された直鎖状、分枝状もしくは環状の飽和もしくは不飽和のC1からC50炭化水素基、あるいは1個もしくは複数のC1からC4アルキル基で場合によって置換されたフェニル基を表す)を表し、 −R11は、式-X-G-R9の基(式中、X、GおよびR12は上記定義の通りである)を表し、 −m1は、1から998の範囲の整数であり、 −m2は、2から500の範囲の整数である。] 【0358】 本発明によれば、使用するポリマーはホモポリマー、即ちいくつかの同一の単位、特に式(II)または式(III)の単位を含むポリマーであってよい。 【0359】 本発明によれば、式(II)のいくつかの異なる単位を含むコポリマーからなるポリマー、即ちR4、R5、R6、R7、X、G、Y、mおよびnの少なくとも1つが1つの単位内で異なるポリマーを使用することも可能である。コポリマーはまた、式(III)(式中、RR、R6、R10、R11、m1およびm2の少なくとも1つが、少なくとも1つの単位内で異なる)のいくつかの単位から形成することもできる。 【0360】 式(II)の少なくとも1つの単位および式(III)の少なくとも1つの単位を含むコポリマーを使用することも可能である。式(II)の単位と式(III)の単位は互いに場合により同一でも異なっていてもよい。 【0361】 1つの変形によれば、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアニジドおよびビグアニジド基ならびにそれらの組合せから選択される、水素相互作用を確立することができる2つの基を含む少なくとも1つの炭化水素単位をさらに含むコポリマーを使用することもできる。 【0362】 これらのコポリマーはブロックコポリマー、シークエンシャルコポリマーまたはグラフトコポリマーであることができる。 【0363】 (液体脂肪相におけるポリマー粒子の分散液) 本発明による組成物は、有利には、生理学的に許容される脂肪相中に、1つまたは複数のポリマーの本質的に球状のポリマー粒子の少なくとも1つの安定な分散液を含む。 【0364】 これらの分散液は特に、前記液体有機相の安定な分散液のポリマーナノ粒子の形態であることができる。ナノ粒子は好ましくは、5から800nmの間、より好ましくは50から500nmの間の平均サイズを有する。しかし、サイズが1μmまでの範囲のポリマー粒子を得ることが可能である。 【0365】 好ましくは、分散液中のポリマー粒子は水溶性アルコール、例えばエタノールに不溶性である。 【0366】 本発明の組成物で使用することができる分散液中のポリマーは、好ましくは、2000から10000000g/molのオーダーの分子量および-100℃から300℃、より好ましくは-50℃から100℃、好ましくは-10℃から50℃のTgを有する。 【0367】 皮膚温度以下、特に40℃以下の低いTgを好ましくは有する皮膜形成性ポリマーを使用することが可能である。 【0368】 挙げることができる皮膜形成性ポリマーは、単独または混合物で使用される、40℃以下、特に-10℃から30℃の範囲のTgを好ましくは有するアクリルまたはビニルフリーラジカルホモポリマーまたはコポリマーである。 【0369】 用語「フリーラジカルポリマー」は、不飽和の、特にエチレン性モノマーの重合で得られるポリマーを意味し、この各モノマーは(重縮合物とは異なり)単独重合が可能である。フリーラジカルポリマーは特に、ビニルポリマーまたはコポリマー、特にアクリルポリマーであってよい。 【0370】 アクリルポリマーは、少なくとも1つの酸基を含有するエチレン性不飽和モノマー、および/または、これらの酸モノマーのエステル、および/または、これらの酸のアミドの重合から得ることができる。 【0371】 使用することができる酸基を有するモノマーには、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはイタコン酸がある。(メタ)アクリル酸およびクロトン酸を好ましくは使用し、より好ましくは(メタ)アクリル酸を使用する。 【0372】 酸モノマーのエステルは、有利には、(メタ)アクリル酸のエステル((メタ)アクリレートとしても知られる)、例えば、特にC1〜C20、好ましくはC1〜C8アルキルの(メタ)アクリル酸アルキル、特にC6〜C10アリールの(メタ)アクリル酸アリール、特にC2〜C6ヒドロキシアルキルの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルから選択する。挙げることができる(メタ)アクリル酸アルキルには、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルがある。挙げることができる(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルには、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピルがある。挙げることができる(メタ)アクリル酸アリールには、アクリル酸ベンジルまたはアクリル酸フェニルがある。 【0373】 特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸アルキルである。 【0374】 好ましく使用するフリーラジカルポリマーには、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキル、特にC1〜C4アルキルの(メタ)アクリル酸アルキルとのコポリマーがある。アクリル酸と場合により共重合しているアクリル酸メチルは、より優先的に使用することができる。 【0375】 挙げることができる酸モノマーのアミドには、(メタ)アクリルアミド、特にN-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にC2〜C12アルキルのN-アルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミドおよびN-オクチルアクリルアミド;N-ジ(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリルアミドがある。 【0376】 アクリルポリマーは、また、少なくとも1つのアミン基を遊離形態でまたは部分的もしくは完全に中和した形態で、あるいは部分的もしくは完全に四級化した形態で含有するエチレン性不飽和モノマーの重合から得ることができる。このようなモノマーは、例えば(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ビニルアミン、ビニルピリジンまたはジアリルジメチルアンモニウムクロリドであってよい。 【0377】 ビニルモノマーは、ビニルエステルおよびエチレンモノマーから選択される少なくとも1つのモノマーの単独重合または共重合から得てもよい。特に、これらのモノマーは、上記のものなど、酸モノマーおよび/またはそれらのエステルおよび/またはそれらのアミドと重合することができる。挙げることができるビニルエステルの例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニルおよびt-ブチル安息香酸ビニルがある。挙げることができるスチレンモノマーには、スチレンおよびα-メチルスチレンがある。 【0378】 記載したモノマーのリストは限定的なものではなく、(シリコーン鎖で修飾したモノマーを含む)アクリルモノマーおよびビニルモノマーのカテゴリーに含まれる、当業者に既知の任意のモノマーを使用することが可能である。 【0379】 使用することができるその他のビニルモノマーとしては、 −N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、ビニル-N-(C1〜C8)アルキルピロール、ビニルオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルピリミジンおよびビニルイミダゾール、 −オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレンまたはブタジエン も挙げることができる。 【0380】 ビニルポリマーは、ジメタクリル酸エチレングリコールまたはフタル酸ジアリルなど、少なくとも2つのエチレン性不飽和を特に含む1つまたは複数の二官能性モノマーで架橋していてもよい。 【0381】 非限定的に、本発明の分散液中のポリマーは、以下のポリマーまたはコポリマー:ポリウレタン、ポリウレタン-アクリル、ポリ尿素、ポリ尿素-ポリウレタン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、アルキド;アクリルおよび/またはビニルポリマーまたはコポリマー;アクリル-シリコーンコポリマー;ポリアクリルアミド;シリコーンポリマー、例えばシリコーンポリウレタンまたはシリコーンアクリルならびにフルオロポリマーならびにそれらの混合物から選択することができる。 【0382】 脂肪相中に分散しているポリマーは、固体として、組成物の5重量%から40重量%、好ましくは5重量%から35重量%、より好ましくは8重量%から30重量%で存在することができる。 【0383】 1つの実施態様によれば、分散液中のポリマー粒子は、室温で固体の安定剤で表面安定化されている。この場合、分散液中の固体の量は、ポリマー+安定剤の総量を表し、但しポリマーの量は5%未満であることはできない。 【0384】 ポリマー粒子は、単独または混合物で、シークエンシャルポリマー、グラフトポリマーおよび/またはランダムポリマーであることができる安定剤で表面安定化していることが好ましい。安定化は、任意の既知の手段、特に重合中に安定化ポリマーを直接加えることによって実施してよい。 【0385】 安定剤はまた、ポリマーの重合前に混合物に存在してもよい。しかし、特にモノマーも連続的に加えている場合に、連続的に加えることも可能である。 【0386】 開始時のモノマー混合物に対して、2〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の安定剤を使用してもよい。 【0387】 グラフトポリマーおよび/またはシークエンシャルポリマーを安定剤として使用する場合、合成溶媒は、前記ポリマー安定剤のグラフトまたはシークエンスの少なくとも一部が前記溶媒に可溶性であり、グラフトまたはシークエンスの残りは前記溶媒に不溶性であるように選択する。重合中に使用するポリマー安定剤は、合成溶媒に可溶性または分散性でなければならない。さらに、不溶性シークエンスまたはグラフトが重合中に形成したポリマーに一定の親和性を有する安定剤が好ましく選択される。 【0388】 挙げることができるグラフトポリマーは、炭化水素鎖がグラフトしたシリコーンポリマー、シリコーン鎖がグラフトした炭化水素ポリマーである。 【0389】 ポリオルガノシロキサンタイプの少なくとも1つのブロックおよびポリエーテルの少なくとも1つのブロックを含むグラフトまたはシークエンシャルブロックコポリマーを使用することができる。ポリオルガノポリシロキサンブロックは、特にポリジメチルシロキサンまたはポリ(C2〜C18)アルキルメチルシロキサンであることができ、ポリエーテルブロックはポリ(C2〜C18)アルキレンオキシド、特にポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンであることができる。特に、ジメチコンコポリオールまたは(C2〜C18)アルキルジメチコンコポリオール、例えば「Dow Corning 3225C」の名称でDow Corning社から販売されているもの、またはラウリルジメチコン、例えば「Dow Corning Q2-5200」の名称でDow Corning社から販売されているものを使用することができる。 【0390】 同様に挙げることができるグラフトまたはシークエンシャルブロックコポリマーには、1つまたは複数の場合により共役したエチレン結合を含有する少なくとも1つのエチレン性モノマー、例えばエチレンまたはブタジエンおよびイソプレンなどのジエンと、ビニルポリマー、より好ましくはスチレンポリマーの少なくとも1つのブロックとの重合から得られた少なくとも1つのブロックを含むものがある。エチレン性モノマーが、場合により共役した複数のエチレン結合を含む場合、重合後の残りのエチレン性不飽和は一般に水素化されている。したがって、既知の方法では、イソプレンの重合は、水素化後にエチレン-プロピレンブロックの形成をもたらし、ブタジエンの重合は、水素化後にエチレン-ブチレンブロックの形成をもたらす。挙げることができるこれらのポリマーは、特に「ジブロック」または「トリブロック」タイプのシークエンシャルコポリマー、例えばポリスチレン/ポリイソプレン(SI)タイプ、「Luvitol HSB」の名称でBASFから販売されているものなどのポリスチレン/ポリブタジエン(SB)タイプ、「Kraton」の名称でShell Chemical Co.から販売されているものなどのポリスチレン/コポリ(エチレン-プロピレン)(SEP)タイプ、またはポリスチレン/コポリ(エチレン-ブチレン)(SEB)などのタイプのシークエンシャルコポリマーである。特に、Kraton G1650(SEBS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton G1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton D-1101(SBS)、Kraton D-1102(SBS)およびKraton D-1107(SIS)を使用することができる。ポリマーは一般に、水素化または非水素化ジエンコポリマーとして知られている。 【0391】 Penreco製のGelled Permethyl 99A-750、99A-753-59および99A-753-58(トリブロックと星形ポリマーとの混合物)、Versagel 5960(トリブロック+星形ポリマー);Lubrizol製のOS129880、OS129881およびOS84383(スチレン/メタクリレートコポリマー)も使用することができる。 【0392】 1つまたは複数のエチレン結合を含有する少なくとも1つのエチレン性モノマーと、アクリルポリマーの少なくとも1つのブロックとの重合から得られる少なくとも1つのブロックを含むグラフトブロックまたはシークエンシャルコポリマーとして、ポリ(メタクリル酸メチル)骨格およびポリイソブチレングラフトを含有するポリ(メタクリル酸メチル)/ポリイソブチレンジシークエンシャルまたはトリシークエンシャルコポリマーまたはグラフトコポリマーを挙げることができる。 【0393】 1つまたは複数のエチレン結合を含有する少なくとも1つのエチレン性モノマーと、C2〜C18ポリアルキレン(特にポリエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)などのポリエーテルの少なくとも1つのブロックとの重合から得られる少なくとも1つのブロックを含むグラフトまたはシークエンシャルブロックコポリマーとして、ポリオキシエチレン/ポリブタジエンまたはポリオキシエチレン/ポリイソブチレンジシークエンシャルまたはトリシークエンシャルコポリマーを挙げることができる。 【0394】 ランダムポリマーを安定剤として使用する場合、意図する合成溶媒に可溶性にする十分量の基を有するように選択する。 【0395】 したがって、C1〜C4アルコールから導出されたアクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルをベースとするコポリマーおよびC8〜C30アルコールから導出されたアクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルをベースとするコポリマーを使用することができる。特にメタクリル酸ステアリル/メタクリル酸メチルコポリマーを挙げることができる。 【0396】 ポリマーの合成溶媒が非極性である場合、安定剤として、粒子をできるだけ十分に被覆し、それによりいくつかのポリマーを安定化する鎖が重合で得られたポリマーの粒子に吸着されるポリマーを選択することが好ましい。 【0397】 この場合、より優れた界面活性を有するように、安定剤としてグラフトポリマーまたはシークエンシャルポリマーのいずれかを使用することが好ましい。合成溶媒に不溶性のシークエンスまたはグラフトは、粒子の表面により厚い被覆を提供するからである。 【0398】 合成溶媒が少なくとも1つのシリコーン油を含む場合、安定剤は、ポリオルガノシロキサンタイプの少なくとも1つのブロックと、フリーラジカルポリマー、ポリエーテルまたはポリエステルの少なくとも1つのブロック、例えばポリオキシプロピレンおよび/またはオキシエチレンブロックとを含むグラフトまたはシークエンシャルブロックコポリマーからなる群から好ましくは選択される。 【0399】 合成溶媒がシリコーン油を含まない場合、安定剤は、 −(a)ポリオルガノシロキサンタイプの少なくとも1つのブロックと、フリーラジカルポリマー、またはポリエーテルもしくはポリエステルの少なくとも1つのブロックとを含むグラフトまたはシークエンシャルブロックコポリマー、 −(b)C1〜C4アルコールから導出したアクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルと、C8〜C30アルコールから導出したアクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルとのコポリマー、 −(c)共役したエチレン結合を含有する少なくとも1つのエチレン性モノマーの重合から得られる少なくとも1つのブロックを含むグラフトまたはシークエンシャルブロックコポリマー、および ビニルポリマーもしくはアクリルポリマーまたはポリエーテルまたはポリエステルあるいはこれらの混合物の少なくとも1つのブロック からなる群から好ましくは選択される。 【0400】 ジブロックポリマーは安定剤として好ましく使用される。 【0401】 (ポリマー粒子の水性分散液) 別の実施態様では、皮膜形成性ポリマーは、本発明による組成物が水相を含む場合、ポリマー粒子の水性分散液から選択することができる。 【0402】 当業者は、1つまたは複数の皮膜形成性ポリマーを含む水性分散液を一般的知識に基づいて、特にエマルジョン重合または予備形成したポリマーの分散によって調製することができる。 【0403】 本発明による組成物で使用することができる皮膜形成性ポリマーとして、重縮合物タイプまたはフリーラジカルタイプの合成ポリマー、天然由来のポリマーおよびそれらの混合物を挙げることができる。 | |