| 【発明の名称】 |
歯垢形成抑制剤並びにそれを含む口腔剤組成物及び食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤中 英剛 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
【氏名】下豊留 玲 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
【氏名】中村 純二 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
【氏名】小林 明美 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
【氏名】岡島 美由紀 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】歯垢形成抑制剤の提供。
【解決手段】トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有する歯垢形成抑制剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有する歯垢形成抑制剤。 【請求項2】 トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくは0.01〜0.5質量%を含有する歯表面への細菌吸着抑制剤。 【請求項3】 トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有する歯垢形成抑制用口腔剤組成物。 【請求項4】 トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有する歯垢形成抑制用食品。 【請求項5】 トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有し、歯垢形成を抑制する効果を有することを特徴とし、歯垢形成を抑制するために用いるものである旨の表示をした食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ペリクルの形成、歯牙表面への細菌吸着を阻害し、歯垢の形成を抑制する歯垢形成抑制剤、並びに歯垢に起因する口腔疾患の発生を予防する口腔剤組成物及び食品に関する。 【背景技術】 【0002】 歯垢及びこれが石灰化した歯石は、齲蝕や歯周疾患等種々の口腔疾患の原因であることから、従来から、これらの疾患を予防する目的で歯垢形成抑制剤や歯石形成抑制剤が提案されている。歯垢は歯の表面に付着したネバネバした塊であり、口腔内細菌叢およびそれらの産生物からなる。この歯垢の形成は歯牙表面における唾液成分よりなるペリクル(獲得被膜)の形成により始まる。ペリクルは歯牙表面に形成された不定形の膜様の構造物であり、糖タンパク質などの唾液成分が歯牙表面に選択的に吸着したものである。歯垢はこのペリクル表面に口腔内細菌が吸着・増殖する事により形成される。更に歯表面に吸着した細菌に、例えばフゾバクテリウム属などの桿菌が吸着した場合、共凝集と呼ばれる口腔内細菌同士の吸着反応により、歯垢の形成はさらに助長される。 【0003】 歯垢形成抑制剤としては、従来殺菌剤や抗菌剤が広く用いられており、口腔内細菌数を減少させる等の効果が報告されている(非特許文献1)が、唾液の洗浄作用により口腔内においてその有効濃度を維持するのが困難であり、その効果は不十分である(非特許文献2)。また、既に歯垢が存在している場合、これらは歯垢中細菌の代謝活性を低下させ、ミネラル沈着、すなわち石灰化を進行させる。一方、ペリクルへの細菌吸着を阻害する剤としてフノラン、ジェランガムなどの多糖類(特許文献1)等が提案されているが、これらの剤は、ペリクルの形成そのものを抑制するものではないため、その効果は必ずしも満足のいくものではない。また、歯石形成抑制剤としては、リン酸化デンプンの使用(特許文献2)、アルギン酸と2価金属の併用(特許文献3)等が提案されている。これらの剤は、いずれも歯垢中にリン酸カルシウム等が結晶化し歯石になるのを防ぐ対症療法的なものである。 【0004】 キサンタンガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム等の多糖類が、口腔内細菌同士の共凝集を抑制し、歯垢形成抑制剤として有用であることが知られている(特許文献4)。 【特許文献1】特開平5-139979号公報 【特許文献2】特開平4-217613号公報 【特許文献3】特開平9-175968号公報 【特許文献4】特開平01-213222号公報 【非特許文献1】J. Periodontol.,1991,62(11):649〜651 【非特許文献2】Oral Surg.Oral Med. Oral Pathol.,1990 Apr.;69(4):444〜449 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明の目的は、ペリクルの形成及び歯牙表面への細菌吸着を阻害し、歯垢の形成を抑制する歯垢形成抑制剤及び歯垢に起因する口腔疾患の発生を予防する口腔剤組成物及び食品を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 前記特許文献4には、トラガントガム及びアルギン酸ナトリウムは、口腔内細菌同士の共凝集抑制作用を有し、それぞれ濃度0.35%で50%抑制、濃度0.5%で32%抑制することが記載されている。しかしながら、特許文献4における共凝集抑制作用はリン酸緩衝液中で試験された結果である。そこで本発明者は、歯垢形成抑制剤が口腔用組成物であることから、唾液存在下でトラガントガム及びアルギン酸ナトリウムの口腔内細菌同士の共凝集抑制作用を検討したところ、これらの多糖類は唾液存在下では、歯垢形成抑制作用を十分に発揮できるほどには口腔内細菌の共凝集を高率では抑制しないことが判明した。 【0007】 そこで本発明者は、唾液の存在下において、トラガントガム及びアルギン酸ナトリウムの歯表面への細菌吸着を検討したところ、全く意外にも、それぞれ0.0005〜0.1質量%、0.01〜0.5質量%という、唾液存在下において細菌の共凝集を高率では抑制できないほどの低濃度で強力に歯表面への細菌吸着を抑制し、歯垢形成抑制剤として有用であることを見出した。 【0008】 すなわち、本発明は、トラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有する歯表面への細菌吸着抑制剤及び歯垢形成抑制剤を提供するものである。 【0009】 また、本発明はトラガントガム0.0005〜0.1質量%又はアルギン酸もしくはその塩0.01〜0.5質量%を含有し、歯垢形成を抑制する効果を有することを特徴とし、歯垢形成を抑制するために用いるものである旨の表示をした食品を提供するものである。 【発明の効果】 【0010】 本発明の歯垢形成抑制剤は、ペリクルの形成、歯牙表面への細菌吸着を阻害し、口腔内への細菌の吸着や感染を阻害、抑制し、ひいては歯垢の形成を抑制し、該歯垢形成抑制剤を含有する口腔剤組成物は歯垢に起因する口腔疾患の発生を予防する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明の歯垢形成抑制剤の有効成分は、トラガントガム、アルギン酸又はその塩である。これらのウロン酸含有多糖が、唾液存在下で歯牙表面への細菌吸着抑制作用を有することは全く知られていなかった。ここで、アルギン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらは市販の食品添加物として入手する事ができる。または、ある種の海草類や植物の抽出物や分泌物、またはある種の細菌の培養液から分離して得る事ができる。 【0012】 本発明の歯垢形成抑制剤は、担体として水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を用いることができる。歯垢形成抑制剤中の、トラガントガムの含有量は0.0005〜0.1質量%、さらに0.001〜0.1質量%、特に0.001〜0.05質量%とすると投与もし易く好ましい。歯垢形成抑制剤中のアルギン酸又はその塩の含有量は0.01〜0.5質量%、さらに0.01〜0.1質量%が好ましい。また、本発明の歯垢形成抑制剤の成人(60kg)1人あたりの投与量は、0.00001〜5g/日が好ましく、特に0.0001〜1g/日が好ましい。 本発明の歯垢形成抑制剤は、口腔内細菌が定着していない乳幼児等に投与すれば、口腔内への細菌感染を予防する効果を有する。 【0013】 本発明の歯垢形成抑制剤を含有する口腔剤組成物としては、例えば、歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨、洗口剤、マウスウォッシュ、マウススプレー、歯牙コーティング剤、義歯コーティング剤、義歯洗浄剤等が挙げられる。また、口腔剤組成物は、その剤型に応じて、口腔剤組成物の一般的な製法に準じて製造することができる。 【0014】 本発明の口腔剤組成物には、口腔剤組成物に用いられている様々な成分、例えば、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1スズ、塩化ナトリウム、乳酸アルミニウム、グリチルレチン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、酢酸dl-トコフェロール、硝酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、デキストラナーゼ、アミラーゼ、クエン酸亜鉛、塩化亜鉛等の有効成分を添加することができる。 【0015】 また、無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の研磨剤;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、グリセリン等の湿潤剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン等の粘結剤;パラオキシ安息香酸メチル等の保存剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム等の殺菌剤;トラネキサム酸等の消炎剤;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のpH調整剤;ペパーミント油、スペアミント油、アネトール、ユーカリプトール、オイゲノール、メチルサリシレート、リモネン、ハーブやスパイスから得られた天然香料素材、種々のフルーツフレーバー等口腔剤組成物や食品に使用することのできる香料;着色剤;発泡剤を添加することができる。特に殺菌剤を併用することにより、歯垢形成抑制効果が増強され、歯垢形成抑制のための口腔剤組成物として有用であり、また、抗炎症剤と併用すれば歯周疾患の予防効果が増強した口腔剤組成物とすることができる。また、本発明の口腔剤組成物を調製するために、精製水等の水を用いることができる。 【0016】 トラガントガム、アルギン酸又はその塩を有効成分とする食品は、歯垢形成を抑制する効果を有し、歯垢形成を抑制するために用いるものである旨の表示をした食品として提供することができる。歯垢形成を抑制するために用いるものである旨の表示の他に、歯垢を付きにくくする、歯垢形成を未然に防ぐ、虫歯・歯周病・口臭の原因となる菌を寄せ付けない、歯への菌吸着を抑制する、歯のザラつき・粘つきを押さえる、歯と歯茎を丈夫で健康に保つ、酸生成を抑制する、脱灰を抑制する、虫歯・歯肉炎を予防する、細菌感染からの抵抗力を高める、唾液機能に着目した、口腔環境を清浄化する等のために用いるものである旨とも表示することができる。トラガントガム、アルギン酸又はその塩を有効成分とする食品は、歯垢の気になる方、歯垢の付き易い方、口の粘つきが気になる方、虫歯になり易い方、歯茎の腫れ易い方、虫歯・歯周病・口臭の気になる方、口が渇きやすい方等に適している。また食前・食後・就寝前や、歯磨き後等に用いると効果的である。 【0017】 本発明の効果が発揮できる食品としては、チューインガムや口中清涼菓子を挙げることができる。以下にチューインガム及び口中清涼菓子の場合について説明する。 【0018】 本発明の歯垢形成抑制剤を含有するチューインガムは、味ガム及び風船ガムのいずれのチューインガムであってもよい。本発明のチューインガムにおけるガムベースの配合とガム配合は、従来の配合方法に準ずればよい。ガムベースの配合原料としては、天然樹脂、酢酸ビニル樹脂、エステルガム、合成ガム、天然ワックス、乳化剤、及び炭酸カルシウム等が挙げられ、これらを上記チューインガムの種類に応じて選択し配合する。 【0019】 本発明のチューインガムは、上記のようなガムベースに、本発明の歯垢形成抑制剤、糖類、栄養素及び香料などを加え、常法により混合される。 【0020】 糖類としては、ブドウ糖などの単糖類や、果糖、乳糖、などの二糖類、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖類、還元麦芽糖水飴(マルチトール)、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、パラチニット、マンニトールなどの糖アルコール類等が挙げられる。 【0021】 香料としては、天然香料、合成香料などの油脂香料が適当であるが、特に限定されない。例えば、ミント系香料(ペパーミント、スペアミント、メントール等)、フルーツ系香料(シトラス、ミックスフルーツ、ストロベリー、グレープ等)、スパイス系香料(シナモン、クローブ、アネトール、リコリス他)等が挙げられる。 【0022】 また、本発明の歯垢形成抑制剤を含有する口中清涼菓子は、キャンディーや錠菓などその剤型に応じて、一般的な製法に準じて製造することができる。すなわち、キャンディーとは、本発明の歯垢形成抑制剤を含有するキャンディー生地を成型したものであり、キャンディー生地とは糖類及び所望により乳製品、油脂、果実、種実、デンプン、小麦粉、酸味料、着香料を配合したものを原料として、飴状に煮詰めたものである。 【0023】 本発明のキャンディーには、ハードキャンディー、ソフトキャンディーがあり、さらにハードキャンディーには、生地アメ、ドロップ、引きアメ等があり、ソフトキャンディーには、キャラメル、ヌガー等がある。 【0024】 一方、本発明の歯垢形成抑制剤を含有する錠菓は、糖類をアラビアガムなどの乳化剤と共にデキストリンやデンプンなどの賦形剤で粉末あるいは顆粒にしたものと滑沢剤としてショ糖脂肪酸エステル、及び本発明の歯垢形成抑制剤を加えて打錠機にて錠剤とすることで製造できる。 【実施例】 【0025】 実施例1 細菌吸着抑制効果 次法により被験物質の細菌吸着抑制効果を測定した。 ヒト口腔内より単離したS.mutans 保存菌体を10μCi/mLメチル化[3H]-チミジン0.2重量%グルコース含有ブレインハートインフュージョン培地(DIFCO社)10mLに接種し、37℃で24時間嫌気培養した。緩衝KCl溶液(50mM塩化カリウム、1mM塩化マグネシウム、0.1mM 塩化マグネシウム含有1mMリン酸緩衝液)で3回洗浄後、5mg/mLウシ血清アルブミン含有緩衝塩化カリウム溶液に1×109CFU/mLの濃度で分散させ、3H標識S.mutans液とした。 【0026】 ヒドロキシアパタイト平板(旭光学(株)社)1cm×1cm×2mmを種々の濃度%の被験物質水溶液1mLで37℃1時間処理をした。緩衝塩化カリウム溶液2mLで洗浄後、健常男性より採取した耳下腺唾液0.5mL中、4℃で一晩処理した。緩衝塩化カリウム溶液2mLで2回洗浄後、5mg/mLウシ血清アルブミン含有緩衝塩化カリウム溶液0.5mLと、上記 3H標識 S.mutans液0.5mLを加え、37℃で1時間処理した。緩衝塩化カリウム溶液で3回洗浄後、ヒドロキシアパタイト平板を2M/L水酸化ナトリウム1mL中、70℃で1時間処理した。2N塩酸1mLで中和後、液体シンチレーションカウンターにて、3H放射活性を測定し、細菌吸着数(X)を出した。 【0027】 上記操作で、該水溶液の代わりに蒸留水1mLを用いて同様の処理を行ったときの、細菌吸着数をAとする。 【0028】 また該水溶液の代わりに蒸留水1mL、耳下腺唾液の代わりに緩衝塩化カリウム溶液0.5mLを用いて同様の処理を行ったときの、細菌吸着数をBとする。 【0029】 (数1) 細菌吸着抑制率I(%)=(A−X)/(A−B)×100 【0030】 測定結果を表1に示すが、トラガントガム、アルギン酸Naは、それぞれ0.0005〜0.1質量%、0.01〜0.5質量%でいずれも高い細菌吸着抑制効果を示した。 【0031】 【表1】
【0032】 参考例1 共凝集抑制効果 次法により被験物質の共凝集抑制効果を測定した。 Kolenbrander PE.(1995) Methods Enzymol 253:385-97.記載の方法を改変し行なった。 【0033】 S.mutans(ATCC25175)をブレインハートインフュージョン培地(DIFCO社)10mLに接種し、37℃にて24時間嫌気培養した。遠心分離により菌体を回収し、TNMC緩衝液(1mMトリス塩酸塩(pH8)、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、0.15M塩化ナトリウム)で3回洗浄後、2×109CFU/mLとなるように1%ウシ血清アルブミン含有TNMC緩衝液に分散し、非標識S.mutans液を調製した。 【0034】 F.nucleatum(ATCC25586)を5mg/Lヘミン・0.5mg/Lメナジオン含有ブレインハートインフュージョン培地(DIFCO社)10mLに接種し、37℃にて48時間嫌気培養した。遠心分離により菌体を回収し、TNMC緩衝液にて3回洗浄後、2×109CFU/mLとなるように種々の濃度%の被験物質を含む1%ウシ血清アルブミン含有TNMC緩衝液に分散し、F.nucleatum液を調製した。 【0035】 S.mutans(ATCC25175) 保存菌体を10μCi/mLメチル化[3H]-チミジン0.2重量%グルコース含有ブレインハートインフュージョン培地(DIFCO社)10mLに接種し、37℃にて24時間嫌気培養した。遠心分離により菌体を回収し、TNMC緩衝液で3回洗浄後、2×109CFU/mLとなるように種々の濃度%の被験物質を含む1%ウシ血清アルブミン含有TNMC緩衝液に分散し、3H標識S.mutans液を調製した。 【0036】 ヒドロキシアパタイト(HAp)板を健常男性より採取した耳下腺唾液0.5mL中、室温にて2h処理した。TNMC緩衝液にて3回洗浄後、上記非標識S.mutans液0.5mLおよび耳下腺唾液0.5mLを加えて、37℃にて2h処理し、その後4℃にて一晩静置させた。TNMC緩衝液にて3回洗浄後、上記F.nucleatum液0.5mLおよび耳下腺唾液0.5mLを添加し、37℃にて2時間処理した。TNMC緩衝液にて3回洗浄後、上記3H標識S.mutans液0.5mLおよび耳下腺唾液0.5mLを添加し、37℃にて2時間処理した。TNMC緩衝液で3回洗浄後、2N水酸化ナトリウム0.5mLを加えて、70℃にて1時間処理した。2N塩酸0.5mLで中和後、液体シンチレーションカウンターにて、3H放射活性を測定し、細菌吸着数Xを算出した。 上記操作で、被験物質を含まず同様の処理を行ったときの、細菌吸着数をAとする。また、上記操作で被験物質を含まず、かつ、F.nucleatum液の代わりにTNMC緩衝液を用い、同様の処理を行ったときの、細菌吸着数をBとする。 【0037】 (数2) 共凝集抑制率I(%)=(A−X)/(A−B)×100 【0038】 測定結果を表2に示すが、トラガントガム、アルギン酸Naは、いずれもそれぞれ0.1質量%以上、0.5質量%以上の高濃度でなければ唾液存在下では共凝集抑制効果を示さなかった。 【0039】 【表2】
【0040】 実施例2 歯垢形成抑制効果(ラット・洗口剤系) 雄性ODUラット(大阪歯科大学)24匹の切歯を完全に清掃し、2群に分けた。試験群にはトラガントガム0.01%水溶液、コントロール群には蒸留水を自由摂取させ、両群(n=12/群)ともDiet2000粉末飼料(オリエンタル酵母(株))を自由摂取させた。48時間後歯垢染色し、プラーク付着領域の面積(長さ×幅)によりプラーク付着量を測定した。 5日間固形飼料・水道水の自由摂取で飼育後、群をクロスして同様の試験を行った。 48時間後のプラーク付着量(表3)はコントロール群に対し、トラガントガム群のODUラットにおけるプラーク形成は抑制された。 【0041】 【表3】
【0042】 実施例3 歯垢形成抑制効果(ヒト・チューイングガム系) 健常男性12名の歯表面を完全に清掃し、試験群にはトラガントガム20mgを含むチューイングガム、コントロール群にはトラガントガム不含チューイングガムを1日6回咀嚼するよう指導し、48時間口腔清掃を停止させた。48時間後歯垢染色し、プラーク付着領域の高さによりプラーク付着量を測定した。 その後、試験群とコントロール群をクロスして同様の試験を行った。 48時間後のプラーク付着量(表3)はコントロール群に対し、トラガントガム群で抑制された。 【0043】 【表4】
【0044】 実施例4 歯磨剤 トラガントガム 0.1質量% シリカ 30 ソルビトール 30 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 カルボキシメチルセルロース 1.0 サッカリン 0.1 香料 適量 水 全100 【0045】 実施例5 洗口剤 トラガントガム 0.1質量% エタノール 20 ピロリン酸ナトリウム 2.0 サッカリン 0.1 香料 適量 水 全100 【0046】 実施例6 チューイングガム トラガントガム 0.1質量% ガムベース 20 ブドウ糖 20 ソルビトール 20 キシリトール 10 香料 適量 水飴 全100 【0047】 実施例7 キャンディー トラガントガム 0.1質量% 水飴 40 ソルビトール 25 アスパルテーム 0.5 香料 適量 還元マルチトール 全100 【0048】 実施例8 錠菓 トラガントガム 0.1質量% 直打用微粒No.209*(富士化学社製) 45 結晶セルロース 40 CMCカルシウム 8 香料 適量 ステアリン酸マグネシウム 全100 *直打用微粒No.209(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 20質量%、トウモロコシデンプン 30質量%、乳糖 50質量%) 【0049】 実施例4〜8の本発明の口腔剤組成物及び食品は、いずれも優れた歯垢形成抑制効果が認められた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
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| 【出願日】 |
平成17年12月6日(2005.12.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000084 【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100068700 【弁理士】 【氏名又は名称】有賀 三幸
【識別番号】100077562 【弁理士】 【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736 【弁理士】 【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156 【弁理士】 【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 博人
【識別番号】100101317 【弁理士】 【氏名又は名称】的場 ひろみ
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| 【公開番号】 |
特開2006−188497(P2006−188497A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−351943(P2005−351943) |
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