| 【発明の名称】 |
体脂肪蓄積抑制または低減剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】高垣 欣也 【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 株式会社東洋新薬内
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| 【要約】 |
【課題】ターミナリアを用いた新たな用途を提供すること。
【解決手段】ターミナリアより得られる加工物を有効成分とする体脂肪蓄積抑制または体脂肪低減剤を提供する。本発明のターミナリアより得られる加工物は優れたリパーゼ阻害作用による脂質吸収抑制作用、α−グルコシダーゼ阻害作用による糖質吸収抑制効果を有し、さらに、少なくともこれらの作用に起因した体脂肪蓄積抑制作用または体脂肪低減作用を有する。好ましくはターミナリアの種子以外の部位であり、ターミナリアの中でもターミナリア ベリリカが好適に用いられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする、体脂肪蓄積抑制剤または体脂肪低減剤。 【請求項2】 ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする、脂質吸収抑制剤。 【請求項3】 ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする、糖質吸収抑制剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする体脂肪蓄積抑制剤または体脂肪低減剤に関する。より詳細には、ターミナリアより得られる加工物は、脂質吸収抑制剤または糖質吸収抑制剤である。 【背景技術】 【0002】 ターミナリア(Terminalia)は、シクンシ科の植物であり、その果実はインドにおいては、医薬品として使用されており、その果実は主に下痢止めに、完熟果実は止瀉剤として利用されてきた。 【0003】 近年においては、このターミナリアには、血管の繊維化を防止する効果が見出され、血管繊維化の予防または治療薬としての用途が見出されている(例えば、特許文献1を参照)。 【特許文献1】特開2004−75584号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、ターミナリアが有する効果または効能についてはいまだ十分な検討がされておらず、有効に利用されていないといった問題点がある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者は、ターミナリアが有する効果または効能について鋭意検討を行った。その結果、ターミナリアは優れた体脂肪蓄積抑制効果または体脂肪低減効果を有し、これらの効果は、少なくとも脂質吸収抑制作用または糖質吸収抑制作用、抗肥満作用(体重増加抑制作用)が関与していることを見出し、本発明に至った。 【0006】 すなわち、本発明は、ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする体脂肪蓄積抑制剤または体脂肪低減剤に関する。 【0007】 また、本発明は、ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする脂質吸収抑制剤に関する。 【0008】 さらに本発明は、ターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物を有効成分とする糖質吸収抑制剤に関する。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、ターミナリア チェブラの果実を除くターミナリアより得られる加工物は、優れた体脂肪蓄積抑制剤または体脂肪低減剤として利用することができる。また、ターミナリアより得られる加工物は、脂質吸収抑制剤または糖質吸収抑制剤としても利用可能である。すなわち、ターミナリアより得られる加工物は、少なくとも脂質の吸収抑制または糖質の吸収抑制をすることによって、体内への余分な糖質又は脂質の吸収を抑え、体脂肪の蓄積抑制または低減効果を得ることができる。さらには、体重増加を抑制することにより抗肥満作用も得、ひいては体脂肪の蓄積抑制または低減効果を得ることもできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記載のみに限定されず、当業者が理解し得る特許請求の記載の範囲内で種々の変更が可能である。 【0011】 (ターミナリアから得られる加工物) 本発明におけるターミナリアとは、Terminalia属の植物であればよく、例えば、Terminalia bellirica、Terminalia belerica、Terminalia catappa、Terminalia tomentosa、Terminalia citrina、Terminalia phellocarpa、Terminalia copelandii、Terminalia brassi、Terminalia ivorensis、Terminalia superba、Terminalia arjuna、Terminalia chebulaなどが挙げられる。本発明においては、ターミナリア チェブラ(Terminalia chebula)の果実を除くターミナリアが好ましく、ターミナリア ベリリカ(Terminalia bellirica)がさらに好ましく用いられる。 【0012】 本発明に用いるターミナリアより得られる加工物(以下、単に加工物ということがある)とは、葉、樹皮、根、花、木部、果実、種子などの部位より得られる乾燥物、ペースト、搾汁、抽出物等が挙げられる。なお、本発明のターミナリアは、いずれの部位を用いても良いが、種子を除く部位が好ましく、果実の種子を除く部位(果皮または果肉部)が最も好ましく用いられる。 【0013】 本発明における加工物の一様態である乾燥物を得るための方法は特に制限されず、例えば日干し、半日干し、陰干し、加熱乾燥、常温乾燥、凍結乾燥などによって、乾燥したものであればよく、必要に応じて、ボールミル、ハンマーミルなどを用いて、粉末化しても良い。 【0014】 また、本発明の加工物の一様態であるペーストまたは搾汁は、例えば、ターミナリアの果実を乾燥せずにマスコロイダーなどで粉砕することでペーストを得ることができ、更にこのペーストをろ過または遠心分離をすることで、搾汁とすることができる。また、ターミナリアの果実を圧搾して搾汁とすることもできる。もちろん、得られたエキスは、そのまま飲料または飲料用原料として利用したり、いったん乾燥して、エキス末としたりすることも可能である。また、乾燥物よりエキスを得る場合は、乾燥物を加水した後に、圧搾またはろ過することで得ることが可能である。加水の量は特に制限はないが、乾燥粉末1質量部に対し、1質量部〜50質量部程度である。 【0015】 さらに、本発明の加工物の一様態である抽出物とは、例えば、ターミナリアの果実をそのまま水または有機溶媒を添加して抽出してもよいし、すり潰したものから抽出してもよく、また、一旦乾燥したものから抽出してもよい。特に、果実を粉砕して、ペースト状にするか、乾燥粉末化してから抽出することが好ましい。 【0016】 抽出に用いる溶媒としては、水、有機溶媒または水と有機溶媒の混合溶液が挙げられ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,2−トリクロロエテンなどが挙げられる。好ましくは極性有機溶媒、より好ましくはエタノール、n−ブタノール、メタノール、アセトン、プロピレングリコール、酢酸エチル、最も好ましくはエタノールである。 【0017】 なお、抽出に使用する溶媒量は、十分に抽出される溶媒量であれば特に制限はないが、ターミナリアを乾燥した乾燥物の場合は乾燥物の1質量部に対して溶媒の量は1〜50質量部が好ましく、乾燥物でない場合は、0.1〜30質量部であることが好ましい。また、抽出の温度についても特に制限はなく、用いる溶媒の沸点によって代わるが、効率よく抽出する場合は、抽出温度の下限値は、10℃以上、好ましくは20℃以上であり、抽出温度の上限値は、120℃以下であることが好ましいが、抽出温度の上限値は、用いる溶媒の沸点以下であることが好ましい。 【0018】 抽出の時間については、抽出溶媒の量または抽出温度によって変動するが、抽出時間の下限値は、30分以上、好ましくは1時間以上であり、上限値は、72時間以下、好ましくは48時間以下である。このようにしてターミナリアより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、そのまま用いても良いが、必要に応じて、当業者が通常用いる方法で濃縮して、液状、ペースト状、あるいは粉末状とした抽出物とすることが可能である。濃縮には、加熱乾固、減圧濃縮乾固、凍結乾燥などが用いられるが、抽出液中の成分の変性を抑えるために、好ましくは減圧濃縮乾固または凍結乾燥する。 【0019】 さらに、得られた抽出物をより活性の高いものとするために、この抽出物を合成吸着剤(ダイアイオンHP20やセファビースSP825、アンバーライトXAD4、MCIgelCHP20P等)やデキストラン樹脂(セファデックスLH−20など)を用いてさらに成分を分画、濃縮することも可能である。このようにして得られたターミナリアの加工物は、優れた効果を示すため、以下に示す用途に利用可能である。 【0020】 (体脂肪蓄積抑制または体脂肪低減剤) 体脂肪の蓄積は、主に脂質または糖質摂取と体内に蓄積した脂肪をエネルギーとして消費するバランスが崩れたときに発生する。例えば、脂質または糖質の摂取がエネルギー消費を上回ると、摂取した脂質または糖質が皮下または内臓の脂肪として体内に蓄積してしまう。本発明のターミナリアより得られる加工物は、少なくとも以下に示す阻害活性によって、脂質または糖質の吸収を抑制し、結果として体脂肪の蓄積抑制または体脂肪低減を行い得る。なお、効果の面からは、ターミナリア ベリリカ(Terminalia bellirica)が好適に用いられ、特にその果実が好ましく用いられる。 【0021】 (脂質吸収抑制剤) 食物から摂取した脂質は、膵臓由来のリパーゼによって分解され、腸管より吸収される。このため、膵リパーゼを阻害することは、摂取した食品の脂質の吸収を抑制して、体外へ脂質を排出することを促進し得る。従って、リパーゼの阻害は、余分な脂質の吸収を抑制することで、生体内へ体脂肪として蓄積することを抑制し、さらには、体内に蓄積した脂肪の分解を促進し得る。本発明のターミナリアの果実より得られる加工物は、この膵臓由来のリパーゼの活性を阻害し得、これによって、脂質の吸収を抑制し得る。なお、効果の面からは、ターミナリア ベリリカ(Terminalia bellirica)、特にその果実が好ましく、ターミナリア チェブラ(Terminalia chebula)の果実は、効果が弱く、好ましくない。 【0022】 (糖質吸収抑制剤) 食物から摂取する糖質は二糖以上の糖類として摂取されるが、これら糖質が体内で吸収されるためには、単糖類にまで分解する必要がある。この分解に関わる酵素が、α−アミラーゼ、α−グルコシダーゼである。α−グルコシダーゼは、二糖以上の糖類を単糖類にまで分解する酵素(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど)の総称である。例えばデンプンの場合は、α−アミラーゼで二糖類に分解された後、マルターゼで単糖類であるブドウ糖にまで分解されて、体内吸収される。またショ糖の場合は、スクラーゼで単糖類のブドウ糖と果糖に分解されて体内吸収される。従って、糖質の体内吸収に関わるα−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど)を阻害することで腸管からの糖質の吸収を抑制し得る。本発明のターミナリアの果実より得られる加工物は、優れたα−アミラーゼ阻害作用を有し、さらにα−グルコシダーゼ阻害活性、特にマルターゼ阻害作用ならびにスクラーゼ阻害作用にも優れることから、腸管からの糖質の吸収を抑制し、糖の体外排出を促進し得る。この結果、体内への余分なエネルギーの摂取が抑制され、体内への脂肪の蓄積を抑制し、さらには、体内に蓄積した脂肪を低減し得る。なお、効果の面からは、脂質吸収抑制と同様にターミナリア ベリリカ、特にその果実が好ましく、ターミナリア チェブラの果実は、効果が弱く、好ましくない。 【0023】 このように、ターミナリアより得られる加工物は、体脂肪の蓄積抑制または体脂肪の低減効果、脂質吸収抑制効果、糖質吸収抑制効果を有する。これらの効果を得るための摂取量、配合量は特に制限はなが、摂取量については、成人一日あたりの摂取量が、例えばターミナリアの抽出物の場合は、1日当たりの摂取量の下限値は、乾燥質量換算で10mg以上、好ましくは20mg以上であり、上限値は、1000mg以下、好ましくは600mg以下である。また、食品中への配合量は、その剤形によっても異なるが、例えば、ターミナリアの抽出物の場合における配合量の下限値は、乾燥質量換算で0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上であり、配合量の上限値は、90質量%以下、好ましくは60質量%以下である。 【0024】 なお、ターミナリアの乾燥粉末の場合は、成人の1日当たりにおける摂取量の下限値は、乾燥質量換算で100mg以上、好ましくは200mg以上であり、上限値は、10000mg以下、好ましくは6000mg以下である。また、食品中への配合量は、その剤形によっても異なるが、ターミナリアの乾燥粉末における配合量の下限値は、乾燥質量換算で0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上であり、配合量の上限値は、90質量%以下、好ましくは60質量%以下である。なお、ペーストや搾汁、エキス末の場合は、乾燥質量でターミナリアの乾燥粉末と同等量となるようにすればよい。 【0025】 このようなターミナリアより得られる加工物を、例えば経口投与可能な剤形にする場合は、必要に応じて、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、セレン、キチン、キトサン、レシチン、ポリフェノール(フラボノイド、これらの誘導体等)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、キサンチン誘導体(カフェイン等)、タンパク質またはペプチド(大豆タンパク、コラーゲン、エラスチン、シルクまたはこれらの分解物等)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、これらの誘導体等)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質(フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン等)、スフィンゴ脂質及びその誘導体(スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、リグナン類(セサミン等)、真珠粉末、α−リポ酸またはその誘導体、コエンザイムQ10、およびこれらを含有する動植物抽出物、根菜類(ショウガ等)などを添加して、加工食品とすることができる。このような中でも、以下に示す脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分、糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分と組み合わせることが好ましい。 【0026】 (脂質吸収抑制成分、脂質代謝促進成分) 本発明における脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分の少なくともいずれかの成分の添加は、相乗的な脂質の蓄積抑制または体脂肪減少効果を得ることができる。 【0027】 ここでいう脂質吸収抑制成分としては、例えば、キトサンおよびその誘導体、サイリウム、プロアントシアニジンなどの胆汁酸を排泄する作用を有する成分、ガロタンニン、ビワ葉等およびその抽出物などのリパーゼ阻害作用を有する成分が挙げられる。なお、例えば、松樹皮抽出物といったプロアントシアニジンを多く含む植物抽出物を、プロアントシアニジンとして用いることも可能である。 【0028】 脂質代謝促進成分としては、リボフラビン類、茶カテキン類、異性化リノール酸、カフェイン、カプサイシン、カルニチン、コエンザイムQ10、α−リポ酸およびその誘導体、大豆ペプチド、分岐アミノ酸、フォスファチジルコリン、アリルスルフィド化合物、フォルスコリン、ベルゲニン、ケルセチン、アスチルビン、ヒドロキシクエン酸、およびこれらの塩などが挙げられる。もちろん、これら脂質代謝促進成分を含有する植物抽出物、例えば、茶、葛花、コレウスフォコリ、アカショウマ、黄杞、大豆、唐辛子、ソバ、ニンニク、タマネギ、コーヒーなどの抽出物を、脂質代謝促進成分として用いることも可能である。 【0029】 上記脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分は、目的に応じて適宜配合される。例えば、脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分のいずれかの成分のみを添加してもよく、脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分の両方を添加してもよい。もちろん、2種類以上の脂質吸収抑制成分を添加しても、2種類以上の脂質代謝促進成分を添加してもよい。 【0030】 なお、本発明の加工物と脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分との配合比は、特に制限はない。例えば、本発明の加工物100質量部に対して、脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の下限値は、1質量部以上、好ましくは5質量部以上とするのがよい。また、本発明の加工物100質量部に対して、脂質吸収抑制成分または脂質代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の上限値は、5000質量部以下、好ましくは2500質量部以下とするのがよい。 【0031】 (糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分) また、本発明において、本発明の加工物と共に糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分を少なくともいずれかの成分の配合は、脂質吸収抑制成分および脂質代謝促進成分の少なくともいずれかの成分の添加と同様に、相乗的な効果が期待できる。 【0032】 糖の代謝促進成分を有する原料としては、例えば、チアミン類(例えばビタミンB1)、ピリドキシン類、アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン、セリン、プロリン、グリシン、アラニン、及びスレオニン等)、クエン酸、リンゴ酸、モリブデン、リン、イオウ、クロム、カリウム、マンガン、カプサイシノイド、甘藷茎葉に見られるトリカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸およびこれらの誘導体、ニンジンのサポニンなどの成分自体や、これら成分を有する原料、さらに、同様の作用を有するレイシ、黒酢、大豆、菊芋、ビール酵母などが挙げられる。これらを配合することにより、体内での糖の蓄積を抑制し、ひいては糖の吸収によって引き起こされる体脂肪が増加することを抑制し得る。 【0033】 糖の消化吸収抑制成分を有する原料としては、例えば、α−アミラーゼ阻害剤、グルコシダーゼ阻害剤などの糖分解酵素の阻害作用を有する成分自身、そのような阻害作用を有する成分を有する原料、水溶性食物繊維などの糖吸収抑制効果がある成分自身、およびそのような糖吸収抑制効果がある成分を有する原料などが挙げられる。糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料の具体例としては、α−アミラーゼ阻害活性を有するタンパク質やタンニンが挙げられる。α−アミラーゼ阻害タンパク質は、小麦やライ麦等の中に含まれている。タンニンは、大麦、茶、グァバ、ビワ等に含まれている。 【0034】 また、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料として、α−グルコシダーゼ阻害物質を用いてもよい。ここでいうα−グルコシダーゼ阻害物質としては、例えば、1−デオキシノジリマイシン、サラシノール、1−デオキシノジリマイシン、これらを含有するサラシア・レティキュラタや桑葉が挙げられる。また、α−グルコシダーゼ阻害物質の別の例としては、ボタンピ、カシュウ、ゲットウ、アカメガシワ、ヒラミレモン、クダモノトケイソウおよびストレリチア、阿仙薬、サッサフラス、イエロードック、メドウスィートなどが挙げられる。さらに、別のα−グルコシダーゼ阻害物質としては、例えば、ウンシュウミカン、ダイダイ、ハッサク、ナツミカン、イヨカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ユズ、ライムなどの柑橘類に含まれるジヒドロカルコン化合物またはフラバノン配糖体、ウラジロガシ、オオボウシバナ、芍薬、チョウジ、ラフマ、ケイヒ、ユーカリ、エゾイシゲ、カモミール、シソ、ノイチゴ、トウチ、クローブ、ヒドロキシプロリンなどが挙げられる。 【0035】 また、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料として、糖質消化酵素の阻害効果がある物質を用いることもできる。ここでいう糖質消化酵素の阻害効果がある物質としては、例えば、茶、グァバ、テンチャ、イチョウ葉、ブドウ種子や松樹皮抽出物等に含まれるポリフェノールや、マオウ、カリン、インゲン豆、ナンバンカラスウリ、カキ葉、プーアル茶、オトギリソウ、リンゴ、タラ、アカメガシワ、サンシュユ、トチュウ葉などが挙げられる。 【0036】 また、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料としては、ターミナリア以外の糖質消化酵素阻害物質そのものを用いてもよく、その糖質消化酵素阻害物質を含んでいる物質(植物・動物など)の粉末や抽出物等を用いることもできる。 【0037】 さらに、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料としては、例えば、糖の吸収を阻害する成分、サポニン、コンズリトールA、グルマリン、及び食物繊維などが挙げられる。特に、ギムネマ・シルベスタ、ギムネマ・イノドラム、タラ、トンブリ等に含まれるサポニン、ギムネマ・シルベスタに含有されるコンズリトールA、グルマリンなどを、糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料として用いてもよい。糖の代謝促進成分または糖の消化吸収抑制成分を有する原料としての食物繊維には、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、可溶性アルギン酸ナトリウム、イヌリンなどを、例として挙げることができる。食物繊維は、食餌をゲル化することにより、糖の腸管からの吸収を抑制すると考えられている。 【0038】 なお、本発明の加工物と糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分との配合比は、特に制限はない。例えば、本発明の加工物100質量部に対して、糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の下限値は、1質量部以上、好ましくは5質量部以上とするのがよい。また、本発明の加工物100質量部に対して、糖吸収抑制成分または糖代謝促進成分(またはそれら成分を含有する原料)の上限値は、5000質量部以下、好ましくは2500質量部以下とするのがよい。 【0039】 もちろん、別の素材・成分として、必要に応じて、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料や他の食品原料、医薬品原料などを、ターミナリアの加工物と共に添加してもよい。 【0040】 また、本発明の加工物を添加する剤形は、飲料、顆粒、錠剤、ガム、キャンディー、トローチ、ゼリー、グミ、ティーバック等の形態で利用することが可能である。 【実施例】 【0041】 以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、本実施例は、本発明を制限することを意図しない。 【0042】 (製造例1) ターミナリア ベリリカの果実から種子を除去した残りの部分50gを水2Lと混合して混合液を調整し、100℃、30分間で加熱還流抽出を行った。抽出後、混合液をろ過してろ液を得、残渣を水2Lに更に混合して同様に加熱還流を行い、ろ過して得られたろ液を合わせて凍結乾燥し、20gの抽出粉末Aを得た。 【0043】 (製造例2) 製造例1の水を50容量%のアルコール水溶液とし、加熱温度を80℃としたこと以外は、製造例1と同様の操作を行って22gの抽出粉末Bを得た。 【0044】 (製造例3) 製造例1の果実から種子を除去した残りの部分の代わりに種子20gを用いたこと以外は、製造例1と同様の操作を行って、4gの抽出粉末Cを得た。 【0045】 (製造例4) 製造例2の果実から種子を除去した残りの部分の代わりに種子20gを用いたこと以外は、製造例2と同様の操作を行って、5.8gの抽出粉末Dを得た。 【0046】 (実施例1:リパーゼ阻害作用の評価) 製造例1〜4にて得られた抽出粉末A〜Dを水に溶解して、30mg/mLとなるように調整した試験溶液を用いて、以下のようにしてリパーゼ阻害作用を評価した。 【0047】 まず、各試験溶液1mLを10質量/容量%の炭酸ナトリウム(和光純薬株式会社)でpH8.5に調整し、蒸留水で全量を2mLに調整した。この溶液に、4mLの基質液(牛乳を蒸留水で3倍希釈し、炭酸ナトリウムでpH8.5に調整した溶液)および0.04質量/容量%の豚膵臓由来のリパーゼ(和光純薬株式会社)を2mL添加した。この溶液のpHを直ちに測定し、さらに37℃にて20分間反応させた後に再度pHを測定し、このpHの差(ΔAとする)を求めた。対照として、上記各試験液の代わりに、蒸留水を用いたこと以外は上記と同様に行い、pHの差(ΔBとする)を求めた。ΔAおよびΔBを用いて、以下の式(I)よりリパーゼ阻害率(%)を求めた。結果を表1に示す。なお表中の値は、三重測定の平均値および標準偏差である。 【0048】 【数1】
【0049】 【表1】
【0050】 表1の結果から、本発明のターミナリアより得られた加工物(抽出粉末)は、特に種子以外の部位において優れたリパーゼ阻害効果を示すことが分かる。すなわち、本発明のターミナリアの果実より得られた加工物は優れた脂質吸収抑制効果を有することが分かる。 【0051】 なお、ターミナリア カタッパ(Terminalia catappa)またはターミナリア チェブラの果実を製造例1と同様にして得た抽出粉末を用いて、実施例1と同様に測定をしたところ、ターミナリア カタッパは35.1±3.1であったが、ターミナリア チュブラは17.1±4.3とリパーゼ阻害効果が弱かった。 【0052】 (実施例2:α−グルコシダーゼ阻害作用の評価) 製造例1〜4にて得られた抽出粉末A〜Dを水に溶解して、10mg/mLとなるように調整した試験溶液を用いて、以下のようにしてα−グルコシダーゼ阻害作用を評価した。 【0053】 まず、各試験液を精製水で3倍、9倍、27倍、81倍希釈した希釈液を調整し、各希釈液80μLに40μLの0.02Mの基質水溶液(基質:p−ニトロフェニル−α−Dグルコピラノシド)を添加して37℃にて5分間保持した。その後、0.2μg/mLのα−グルコシダーゼを含有する0.2g/mLの卵白アルブミン含有リン酸緩衝液を40μL加えて、さらに37℃にて15分間保持した。次いで、0.2M炭酸ナトリウム水溶液を160μL添加し、得られた溶液を試験液として400nmの吸光度を測定した(測定値Aとする)。対照として、上記希釈液の代わりに、精製水を用いたこと以外は上記と同様に行って得た試験液(対照試験液)の吸光度を測定した(測定値Bとする)。さらに、試験液および対照試験液の各ブランクとして、上記αグルコシダーゼの代わりに0.2g/mLの卵白アルブミン含有リン酸緩衝液を用いたこと以外は上記と同様に行って得た各溶液(ブランク)の吸光度を測定した(試験液のブランクの測定値を測定値C、対照試験液のブランクの測定値を測定値Dとする)。上記の測定値A〜Dを用いて、以下の式(II)を用いてα−グルコシダーゼ阻害率(%)を算出した後に、α−グルコシダーゼ阻害率で50%阻害効果(IC50)を示す各抽出粉末の反応溶液中の最終濃度を算出した。 【0054】 【数2】
【0055】 結果を表2に示す。なお、表2の値は、三重測定して得られた値の平均値から算出しており、濃度が低いほど、強い阻害活性を示している。 【0056】 【表2】
【0057】 表2の結果から、本発明のターミナリアより得られた加工物(抽出粉末)は、特に種子以外の部位において優れたα−グルコシダーゼ阻害効果を示すことが分かる。すなわち、本発明のターミナリアより得られた加工物は優れた糖質吸収抑制効果を有することが分かる。 【0058】 なお、ターミナリア カタッパまたはターミナリア チェブラの果実を製造例1と同様にして得た抽出粉末を用いて、実施例2と同様に測定をしたところ、ターミナリア カタッパはIC50が0.2mg/mLであったが、ターミナリア チェブラはIC50が1.0mg/mLとα−グルコシダーゼ阻害効果が弱かった。 【0059】 (実施例3:体脂肪蓄積抑制または体脂肪低減効果の評価) さらに実施例1および2にて効果のあった、製造例1および2の抽出粉末を用いて、体脂肪に対する効果を評価した。 【0060】 まず、27週齢の雌性ICR系マウス21匹を標準飼料(MF飼料、オリエンタル酵母工業株式会社)で1週間馴化した。次いで、1群あたりの平均体重が均一となるようにしたこと以外はランダムに1群7匹の3群に群分けを行った。そして、この内の1群には5質量%の製造例1の抽出粉末及び40質量%の牛脂、9質量%のグラニュー糖を含有する試験飼料1を自由摂取させた。残りの群のうち、もう1群には試験飼料1の製造例1の抽出粉末の代わりに製造例2の抽出粉末を含有していること以外は同様の組成の試験飼料2を自由摂取させた。さらに、もう一群には、残りの1群には、試験飼料1の製造例1の抽出粉末を含有しないこと以外は同様の組成の対照飼料を自由摂取させた。 各群の自由摂取開始から25日目に体重を測定した。測定後、下記式(III)にて体重増加率(%)を測定した。 【0061】 【数3】
【0062】 さらに、皮下脂肪を実験動物用X線CT(商品名:LATheata、アロカ社製)にて測定した。さらに、解剖を行い、後腹膜脂肪および子宮周囲脂肪を摘出して合計の重量(内臓脂肪の重量)を測定した。結果を表3に示す。 【0063】 【表3】
【0064】 表3の結果から、本発明の加工物を含有する試験飼料1または2を摂取した群は、対照飼料に比べ皮下脂肪、内臓脂ともに低かった。すなわち本発明の加工物は、体脂肪の蓄積抑制または体脂肪低減作用を有することが分かった。また、対照飼料および試験飼料2に比べ体重の増加が少なかったことから、抗肥満剤としても利用し得ることが分かった。 【0065】 (実施例4) 製造例1の抽出物粉末A(2.4g)を、以下の条件のカラムクロマトグラフィーにより分画した。その際、洗浄液(水)で回収した分画を乾燥して抽出物粉末Eを得た、その後の溶出液(エタノール)で回収した分画を乾燥して抽出物粉末Fを得た。なお、これらの抽出物のポリフェノール量をフォーリンデニス法で測定したところ、抽出物粉末A(27質量%)、抽出物粉末E(24質量%)、抽出物粉末F(55質量%)であった。 カラムサイズ:1×7cm カラム担体:DIAION HP−20(三菱化学株式会社) 洗浄液:水 溶出液:エタノール 【0066】 (実施例5:スクラーゼ阻害作用の評価) 実施例4で得た抽出物粉末A、E、Fについて、以下の方法でマルターゼ阻害作用の評価を行った。まず、ラット腸管アセトン粉末(SIGMA社製)を9倍容量の56mMマレイン酸緩衝液(pH6.0)でホモジネートし、この溶液の遠心分離を行った。その後、得られた上清を、56mMマレイン酸緩衝液(pH6.0)でさらに2倍に希釈して酵素液とした。 【0067】 96ウェルプレートに、上記酵素液(10μL)、50mMスクロース液(200μL)ならびに、56mMマレイン酸緩衝液(pH6.0)で各濃度に調整した抽出物粉末A、E、Fの溶液(10μL)を加えた。この反応溶液を37℃で30分間保持して反応を進行させた後、2分間煮沸することで反応を停止させた。 【0068】 反応停止後の混合溶液の上清を回収し、上清中のスクラーゼにより生成したグルコース量を測定キット(グルコース−CIIテストワコー;和光純薬工業株式会社)で測定し、スクラーゼ阻害率(%)を算出した後に、スクラーゼ阻害率で50%阻害効果(IC50)を示す各抽出物粉末の反応溶液中の最終濃度を求めた。結果を表4に示す。 【0069】 (比較例1) 抽出物粉末A、E、Fのかわりにグァバ葉抽出物(グァバフェノン;備前化成株式会社)を用いた他は、実施例5と同様にスクラーゼ阻害率で50%阻害効果(IC50)を示すグァバ葉抽出物の反応溶液中の最終濃度を求めた。結果を表4にあわせて示す。 【0070】 【表4】
【0071】 表4の結果、ターミナリア ベリリカの抽出物粉末Aと抽出物粉末Eは、グァバ葉抽出物と同程度のスクラーゼ阻害作用を有することがわかる。さらに、抽出物粉末Aを分画して得た抽出物粉末Fは、特に優れたスクラーゼ阻害作用を有し、グァバ葉抽出物の6倍以上の作用を有することがわかる。従って、本発明のターミナリア(ターミナリア チェブラの果実を除く)より得られる加工物は、優れた糖吸収抑制作用を有することがわかる。 【0072】 (製造例5) 以下の配合割合にて1本当たり500mLの飲料を調整した(単位は質量%)。 製造例1の抽出粉末 0.01 茶抽出物(三井農林株式会社) 0.1 葛花抽出物(株式会社東洋新薬) 0.01 グァバ葉抽出物(備前化成株式会社) 0.01 L−カルニチン酒石酸塩(日清ファルマ株式会社) 0.02 果糖ブドウ糖 1.0 トレハロース 1.0 ビタミンB1(BASF武田ビタミン株式会社製) 0.001 【0073】 (製造例6) 以下の配合量にて1錠当たり200mgの錠剤を調整した(単位はmg)。 製造例2の抽出粉末 30 松樹皮抽出物(株式会社東洋新薬社製) 30 アスコルビン酸ナトリウム(BASF武田ビタミン株式会社製) 50 コエンザイムQ10(日清ファルマ株式会社) 5 L−カルニチン酒石酸塩(日清ファルマ株式会社) 20 ショ糖エステル 5.0 二酸化ケイ素 2.5 還元麦芽糖 57.5 【産業上の利用可能性】 【0074】 本発明のターミナリア チェブラを除くターミナリアより得られる加工物は優れたリパーゼ阻害作用による脂質吸収抑制作用、α−グルコシダーゼ阻害作用ならびにスクラーゼ阻害作用による糖質吸収抑制効果を有し、さらに、少なくともこれらの作用に起因した体脂肪蓄積抑制作用または体脂肪低減作用を有するため、有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398028503 【氏名又は名称】株式会社東洋新薬 【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 九勧リクルート博多ビル6階
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| 【出願日】 |
平成17年9月14日(2005.9.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−188486(P2006−188486A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−267233(P2005−267233) |
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