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【発明の名称】 パーマ液及びパーマ液キット
【発明者】 【氏名】玄 洋子

【氏名】玄 優基

【要約】 【課題】液だれを防止することが可能なパーマ液及びパーマ液キットを提供する。

【解決手段】本発明のパーマ液は、水溶性高分子を含有することを特徴とする。本発明のパーマ液キットは、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液とを備え、それらのパーマ液の少なくともいずれかが水溶性高分子を含有する。また別のパーマ液キットは、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液と、水溶性高分子を含有する水溶液とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性高分子を含有することを特徴とするパーマ液。
【請求項2】
前記水溶性高分子が、デンプン、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、ペクチン、ポリ−α−グルタミン酸、ヒアルロン酸、ケラチン、フィブロイン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミン、ポリグルタミン酸ソーダ、又はポリリシンである請求項1に記載のパーマ液。
【請求項3】
前記水溶性高分子の重量平均分子量が、1万〜400万である請求項1又は2に記載のパーマ液。
【請求項4】
粘度が、100〜80000cpである請求項1〜3のいずれかに記載のパーマ液。
【請求項5】
毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液である請求項1〜4のいずれかに記載のパーマ液。
【請求項6】
毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液である請求項1〜4のいずれかに記載のパーマ液。
【請求項7】
毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液とを備え、それらのパーマ液の少なくともいずれかが水溶性高分子を含有することを特徴とするパーマ液キット。
【請求項8】
毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液と、水溶性高分子を含有する水溶液とを備えることを特徴とするパーマ液キット。
【請求項9】
前記水溶性高分子が、デンプン、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、ペクチン、ポリ−α−グルタミン酸、ヒアルロン酸、ケラチン、フィブロイン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミン、ポリグルタミン酸ソーダ、又はポリリシンである請求項7又は8に記載のパーマ液キット。
【請求項10】
前記水溶性高分子の重量平均分子量が、1万〜400万である請求項7〜9のいずれかに記載のパーマ液キット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪にパーマネントを施す際に使用されるパーマ液及びパーマ液キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーマネントを施す際に使用されるパーマ液は、通常第1剤と第2剤とからなる。第1剤のパーマ液は還元剤を有し、これによって毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合(シスチン内のS−S結合)を切断する。一方、第2剤のパーマ液は酸化剤を有し、切断されたタンパク質鎖間を再びシスチン結合させる。
【0003】
パーマネントを施すには、例えば、まず毛髪をロッドで巻いて固定する。続いて、この状態で第1剤のパーマ液を毛髪に塗布してしばらく放置する。これにより、毛髪のタンパク質鎖間のシスチン結合が切断され、また毛髪はロッドにより曲げられているのでタンパク質鎖の配置がずれる。次に、第2剤のパーマ液を毛髪に塗布し、所望時間放置する。その結果、タンパク質鎖がずれたまま再結合するために、毛髪が曲がった状態で固定される。
【0004】
【特許文献1】特開2003−235632号公報
【特許文献2】特開平11−239518号公報
【特許文献3】特開平6−133815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のパーマ液では、第1剤、第2剤ともに溶液の粘度(粘性率あるいは粘性係数とも言う)が10〜20cpと低い。そのため、使用時に液だれが生じ、パーマ液が顔、耳、衣服などの毛髪以外のところに付着してしまう。通常、パーマ液は酸性若しくはアルカリ性であり、また種々の添加剤が含まれている。そのため、パーマ液が顔などに触れると強い刺激を与え、眼に入った場合には失明の恐れもあって非常に危険である。
【0006】
パーマ液が顔などへ付着するのを防止するために、例えば、パーマ液だれ防止帯付ヘアキャップ(特許文献1参照)、パーマ液だれ防止シート(特許文献2参照)及びパーマ液吸収材(特許文献3参照)などが考案されている。
【0007】
これらのヘアキャップ等は一定の効果を示すものの、装着に手間を要し、またコストが掛かるために不経済である。しかも、これらのヘアキャップ等では頭皮への付着までは防ぐことが出来ない。さらに、近年増加しつつあるまつ毛のパーマネントに対しては、効果がない。
【0008】
それ故、本発明の課題は、液だれを防止することが可能なパーマ液及びパーマ液キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパーマ液は、水溶性高分子を含有することを特徴とする。
【0010】
本発明のパーマ液キットは、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液とを備え、それらのパーマ液の少なくともいずれかが水溶性高分子を含有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の別のパーマ液キットは、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液と、水溶性高分子を含有する水溶液とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のパーマ液及びパーマ液キットでは、パーマ液の粘度を高めることが出来る。よって、使用時におけるパーマ液の液だれを防止することができ、パーマ液が顔などの毛髪以外のところに付着するのを避けることが出来る。そのため、パーマネントを安全に施すことができ、美容師の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明において、水溶性高分子は特に限定されず、天然高分子、半合成高分子及び合成高分子のいずれでも良い。好ましいのは、デンプン、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、ペクチン、ポリ−α−グルタミン酸、ヒアルロン酸、ケラチン、フィブロイン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミン、ポリグルタミン酸ソーダ、及びポリリシンである。
【0014】
水溶性高分子として特に好ましいのは、天然高分子であり、中でもヒアルロン酸が適している。ヒアルロン酸はムコ多糖類の一種であり、タンパク質と結合して生体内のあらゆる部分に存在しているため安全性が高い。またヒアルロン酸は他の水溶性高分子に比べても保水性に優れているので、毛髪に水分を補って潤滑性を与えることが出来る。さらに、ヒアルロン酸を使用すると、1重量%以下の濃度でもパーマ液を高粘度にすることが出来る。
【0015】
ヒアルロン酸は、例えば、ニワトリ等の動物の組織から抽出することによって製造されうる。さらに、乳酸球菌を用いた発酵法により、より安価に製造することもできる。また、ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸ナトリウム等の塩の状態で利用されても良い。
【0016】
パーマ液に含有される水溶性高分子は、一種類に限られず、複数種類でも良い。複数種類のときには、例えば、ヒアルロン酸の他に、アルギン酸ソーダ、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子を含有させて、2〜4種類とする。この場合、ヒアルロン酸は高価であるので、ヒアルロン酸単独の場合よりもコスト面で有利である。
【0017】
水溶性高分子の重量平均分子量は、1万〜400万が好ましい。特に好ましいのは150万〜250万であり、最も好ましいのは200万程度である。また水溶性高分子の好ましい濃度は0.01〜10重量%であり、より好ましいのは0.1〜1.5重量%である。
【0018】
パーマ液の粘度は、100〜80000cp(cp:センチポアズ)が望ましい。より望ましい粘度は500〜10000cpであり、特に望ましい粘度は500〜5000cpである。
【0019】
パーマ液は、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液でも良いし、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液でも良い。
【0020】
第1剤である場合には、パーマ液は還元剤を含む水溶液であることが望ましい。還元剤としては、例えばチオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、L−システィン、DL−システィン、アセチルシスティン、亜硫酸塩などが好適に使用されうる。また第1剤のパーマ液は、タンパク質鎖間のシスチン結合とともに塩結合の切断を可能にするため、アルカリ性であることが好ましい。適当なpHの範囲は、8.0〜10.0である。アルカリ性にするには、例えば、アンモニア、モノエタノールアミン、トリメタノールアミン、重炭酸アンモンなどのアルカリ剤を添加すると良い。
【0021】
第2剤である場合には、パーマ液は酸化剤を含む水溶液であることが望ましい。酸化剤としては、例えば臭素酸ナトリウム、過酸化水素などが好適に使用されうる。また第2剤のパーマ液は、切断された塩の再結合を可能にするため、酸性であることが好ましい。適当なpHの範囲は、4.5〜6.0である。酸性にするには、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸性剤を添加すると良い。
【0022】
パーマ液には、浸透剤、pH調節剤、安定剤、湿潤剤、養毛剤、着色剤、乳化剤、香料、酸化防止剤、防腐剤などの添加剤を加えても良い。例えば、尿素、塩素、各種炭酸塩、水酸化ナトリウム、エデト酸塩、セタノール、ソルビン酸、ラウリル硫酸塩、パラベン、油脂分などを加える。
【0023】
本発明のパーマ液を製造するには、例えば、還元剤、酸化剤等の水溶性高分子以外の成分を蒸留水やイオン交換水などの水に先に溶解させた後、水溶性高分子を添加し、加熱しながら撹拌することによって溶解させると良い。また、事前に水溶性高分子を水に溶解させて、その水溶液を添加しても良い。本発明では、パーマネントを施す方法については、従来と同様の方法で良い。
【0024】
本発明では、第1剤と第2剤とを有するパーマ液キットを構成することが出来る。例えば、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液とを備え、それらのパーマ液の少なくともいずれかが水溶性高分子を含有するパーマ液キットとする。水溶性高分子を含有させるのは第1剤及び第2剤のいずれか一方で良いが、望ましくは両方に含有させる。
【0025】
また、毛髪におけるタンパク質鎖間のシスチン結合を切断しうる第1剤のパーマ液と、毛髪における切断されたタンパク質鎖間のシスチン結合を再結合しうる第2剤のパーマ液と、水溶性高分子を含有する水溶液とを備えるパーマ液キットでも良い。水溶液中における水溶性高分子の濃度は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜1.5重量%がより好ましい。このパーマ液キットよると、水溶性高分子を含有する水溶液をパーマ液に添加し混合することで、パーマ液の粘度を高めることができる。そのため、水溶液の添加量を変えることによって、パーマ液の粘度を変えることが可能である。従って、頭髪パーマネントやまつ毛パーマネント等の用途、あるいは髪質に応じて、使用時にパーマ液の粘度を調節することができる。
【実施例1】
【0026】
市販のパーマ液キット(タマリ化学株式会社製シスカールA)の第1剤及び第2剤のパーマ液に、市販のヒアルロン酸(株式会社紀文フードケミファ製のヒアルロン酸FCH−200、重量平均分子量198万)をヒアルロン酸濃度が0.5重量%になるように撹拌しながら添加し、溶解させた。これにより、本発明の第1剤及び第2剤のパーマ液がそれぞれ得られた。
【0027】
続いて、各パーマ液の粘度を測定した。粘度の測定には、株式会社トキメック製のB型回転粘度計(No.4のローター使用)を用い、試料50mlを50mlポリ広口瓶に入れて25℃温度条件にて測定した。測定の結果、第1剤及び第2剤の粘度は、ともに約4000cpであった。
【0028】
次に、得られた第1剤及び第2剤のパーマ液を使用して、実際に美容師が治験者にパーマネントを施した。その結果、第1剤及び第2剤ともにパーマ液の液だれが全く生じなかった。また作業性に優れるともに施術後のパーマネントの仕上がりが良く、そのため美容師及び治験者のいずれにも好評であった。
【実施例2】
【0029】
市販のパーマ液キット(タマリ化学株式会社製シスカールA)の第1剤及び第2剤のパーマ液に、市販のヒアルロン酸(株式会社紀文フードケミファ製のヒアルロン酸FCH−200、重量平均分子量198万)をヒアルロン酸濃度が0.25重量%になるように撹拌しながら添加し、溶解させた。さらに、各々のパーマ液に、市販のポリエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量200万)をポリエチレングリコール濃度が0.25重量%になるように撹拌しながら添加し、溶解させた。これにより、本発明の第1剤及び第2剤のパーマ液がそれぞれ得られた。
【0030】
続いて、各パーマ液の粘度を実施例1と同様の方法で測定した。測定の結果、第1剤及び第2剤の粘度は、ともに約3200cpであった。
【0031】
次に、得られた第1剤及び第2剤のパーマ液を使用して、実際に美容師が治験者にパーマネントを施した。その結果、第1剤及び第2剤ともにパーマ液の液だれが全く生じなかった。また作業性に優れるともに施術後のパーマネントの仕上がりが良く、そのため美容師及び治験者のいずれにも好評であった。
【実施例3】
【0032】
市販のヒアルロン酸(株式会社紀文フードケミファ製のヒアルロン酸FCH−200、重量平均分子量198万)をヒアルロン酸濃度が1.0重量%になるように蒸留水に撹拌しながら添加し、溶解させた。このヒアルロン酸水溶液の粘度を実施例1と同様の方法で測定したところ、粘度は約20000cpであった。
【0033】
続いて、ヒアルロン酸水溶液を市販のパーマ液キット(タマリ化学株式会社製シスカールA)の第1剤及び第2剤のパーマ液にそれぞれ添加し、混合した。各パーマ液に対する水溶液の配合割合は5対1(体積比)とした。これにより、本発明の第1剤及び第2剤のパーマ液がそれぞれ得られた。その後、各パーマ液の粘度を実施例1と同様の方法で測定したところ、粘度はともに約800cpであった。
【0034】
次に、得られた第1剤及び第2剤のパーマ液を使用して、実際に美容師が治験者にパーマネントを施した。その結果、第1剤及び第2剤ともにパーマ液の液だれがほとんど生じなかった。また作業性に優れるともに施術後のパーマネントの仕上がりが良く、そのため美容師及び治験者のいずれにも好評であった。
【出願人】 【識別番号】398056252
【氏名又は名称】エム・ジー製薬株式会社
【出願日】 平成16年12月28日(2004.12.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−188441(P2006−188441A)
【公開日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願番号】 特願2004−383006(P2004−383006)