トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 ケラチン繊維、特に睫毛の被覆用組成物
【発明者】 【氏名】イザベル・ジャキエール

【要約】 【課題】良好な維持力を有し、水、汗、及び皮脂に対して良好な耐性を有すると同時に、光沢を有し、ケラチン繊維に対して滑らかで均一な皮膜の沈着が可能である組成物の提供。

【解決手段】化粧品的に許容可能な媒体中に、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容可能な媒体中に、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリアミド樹脂ポリマー;
を含み、ワックスを含まずに、20%未満の水及び/または水溶性溶媒を含む、ケラチン繊維の被覆用組成物。
【請求項2】
化粧品的に許容可能な媒体中に、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含み、組成物の全重量に対して37重量%以下の固体含量を有する、ケラチン繊維の被覆用組成物。
【請求項3】
化粧品的に許容可能な媒体中に、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
− 組成物の全重量に対して10重量%以上の固体含量の少なくとも一つの第二の親油性または脂溶性ポリマー
を含む、ケラチン繊維の被覆用組成物。
【請求項4】
少なくとも一つの第二の脂溶性または親油性皮膜形成性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記第二の脂溶性または親油性皮膜形成性ポリマーが、ビニルエステルポリマー及びコポリマー、ビニルピロリドンコポリマー、及び液体脂肪粗中のアクリルポリマー粒子の分散物、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記第二の親油性または脂溶性皮膜形成性ポリマーが、組成物の全重量に対して0.1から40重量%の範囲の固体含量で存在することを特徴とする、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
前記第二の脂溶性または親油性皮膜形成性ポリマーが、組成物の全重量に対して17重量%以上の固体含量で存在することを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記第一のポリマーの平均分子質量が100000未満であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記第一のポリマーが、下式(II):
【化1】


[式中、
− nは1から30の範囲の整数であり;
− R'は独立に各場合で脂肪鎖を表し、少なくとも1の炭素原子、特に4から24の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル基から選択され;
− R'は独立に各場合で、1から52の炭素原子を含む炭化水素ベースの基を表し;
− R'は独立に各場合で、少なくとも3の炭素原子を含むことを条件に、炭素、水素、及び窒素原子から選択される少なくとも一つの原子を含む有機基を表し;
− R'は独立に各場合で、水素原子、1から10の炭素原子を含むアルキル基、またはR'と別のR'から選択される少なくとも一つの基に対する直接結合を表し、前記基が別のR'である場合、R'とR'との両者が結合する窒素原子が、R'の少なくとも50%が水素原子を表すことを条件に、R'−N−R'によって規定される複素環構造の一部を形成する;及び
− Lは、上述の少なくとも一つのR'基で任意に置換された、エステル、エーテル、アミン、ウレア、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオウレア、及びチオウレタン基から選択される結合基を表す]
のポリアミドから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記第一のポリマーが、下式(I):
【化2】


[式中、
− mは、エステル基の数がエステル基とアミド基の総数の10から50%を占めるような、アミド単位の総数を表し;
− Rは独立に各場合で、少なくとも4の炭素原子、特に4から24の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル基であり;
− Rは独立に各場合で、R基の50%がC30からC42の炭化水素ベースの基を表すことを条件に、CからC42の炭化水素ベースの基を表し;
− Rは独立に各場合で、少なくとも2の炭素原子、水素原子、任意に一つ以上の酸素原子または窒素原子を含む有機基を表し;および
− Rは独立に各場合で、水素原子、CからC10のアルキル基、またはR若しくは別のRに対する直接結合を表し、RとRとの両者が結合する窒素原子が、Rの少なくとも50%が水素原子を表すことを条件に、R−N−Rによって規定される複素環構造の一部を形成する]
のポリアミドから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記第一のポリマーが、組成物の全重量に対して0.01から20重量%の範囲の含量で存在することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記非水性溶媒相が、少なくとも一つの揮発性化合物を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記揮発性化合物が、8から16の炭素原子を含む炭化水素ベースの揮発性オイル、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
揮発性化合物の含量が、組成物の全重量に対して5から90重量%の範囲であることを特徴とする、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
i)第一の組成物の第一の被覆;
ii)次いで第一の被覆の一部のまたは全部の乾燥後、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含み、ワックスを含まない第二の組成物の少なくとも一つの第二の被覆
をケラチン繊維に適用することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛の被覆方法。
【請求項16】
i)少なくとも30重量%の水及び/または水溶性溶媒を含む第一の組成物の少なくとも一つの第一の被覆;
ii)次いで第一の被覆の一部のまたは全部の乾燥後、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物の少なくとも一つの第二の被覆
をケラチン繊維に適用することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛の被覆方法。
【請求項17】
別個の容器に、
i)少なくとも30重量%の水及び/または水溶性溶媒を含む第一の組成物;
ii)− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物
を含むメイクアップキット。
【請求項18】
i)50%以下の乾物量を有する第一の組成物の少なくとも一つの第一の被覆;
ii)次いで第一の被覆の一部のまたは全部の乾燥後、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物の少なくとも一つの第二の被覆
をケラチン繊維に適用することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛の被覆方法。
【請求項19】
別個の容器に、
i)50%以下の乾物量を有する第一の組成物;
ii)− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物
を含むメイクアップキット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維、例えば睫毛、眉毛、及び毛髪、とりわけ睫毛の被覆用組成物に関する。
【0002】
本発明に係る組成物は、マスカラ、眉毛用製品、アイライナー、または毛髪メイクアップ製品の形態で存在して良い。とりわけ本発明はマスカラに関する。それは特に、メイクアップ組成物、メイクアップの上部または下部に適用される組成物、特にそれぞれ「トップコート」または「ベースコート」としても知られる製品、または別法として睫毛の処理用組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、ケラチン繊維、特に睫毛のメイクアップ用組成物は、液体溶媒相に分散された少なくとも一つのワックスまたはワックスの混合物からなる。
【0004】
無水マスカラ、あるいは低含量の水及び/または水溶性溶媒を有するマスカラは、「ウォータープルーフマスカラ」とも知られ、非水性溶媒中のワックスの分散物の形態で製剤化され、水及び/または皮脂に対して良好な耐性を示すものとして特に知られている。
【0005】
特に、組成物を構造化することが可能なワックスの量によって、組成物に対して所望される適用特異性、例えば流動度または粘稠度、被覆力及び/またはカール力、並びに増粘力(負荷力またはメイクアップ力とも知られる)を調節できる。
【0006】
顕微鏡による観察により、このタイプの組成物では、ワックス粒子が凝集物の形態で一般的に存在し、組成物を不透明にしてその光沢を減少することが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、良好な維持力を有し、水、汗、及び皮脂に対して良好な耐性を有すると同時に、光沢を有し、ケラチン繊維に対して滑らかで均一な皮膜の沈着が可能である組成物を得ることが所望されている。
【0008】
本出願人は、驚くべきことに、非水性溶媒相と特定の構造化ポリマーとを含む組成物が、上述の利点を有することを発見した。
【0009】
特に前記組成物は、適用が容易で、ケラチン繊維状に滑らかで、均一で、光沢を有し、不透明ではない皮膜を形成する。組成物の皮膜は、経時的に良好な維持力と、水及び/または皮脂に対する良好な耐性を示す。
【0010】
更にこのメイクアップは、控えめな負荷しかない、即ちそれは睫毛を増粘しない:かくして、自然なメイクアップ効果が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一の特徴点によれば、本発明の一つの主題は、とりわけ、化粧品的に許容可能な媒体中に、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含み、ワックスを含まずに、20%未満の水及び/または水溶性溶媒を含む、ケラチン繊維の被覆用組成物である。
【0012】
第二の特徴点によれば、本発明の一つの主題は、化粧品的に許容可能な媒体中に、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含み、組成物の全重量に対して37重量%以下の固体含量を有する、ケラチン繊維の被覆用組成物である。
【0013】
本発明の一つの主題はまた、化粧品的に許容可能な媒体中に、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
− 組成物の全重量に対して10重量%以上の固体含量の少なくとも一つの第二の親油性または脂溶性ポリマー
を含む、ケラチン繊維の被覆用組成物である。
【0014】
別の特徴点によれば、本発明の一つの主題はまた、前述の組成物のケラチン繊維への適用を含む、ケラチン繊維の処理またはメイクアップ用の美容方法である。本発明の一つの主題はまた、ケラチン繊維への沈着後、良好な維持力を有し、及び/または水及び/または皮脂に耐性であるメイクアップの皮膜を得るための、前述の組成物の使用である。
【0015】
特に本発明に係る組成物は、第一の組成物の第一の被覆に重ねて適用するための、及び第一の組成物の維持力及び/または水及び/または皮脂に対する耐性を増大することを企図した、着色または無着色のトップコートである。第一の組成物は、消費者により通常使用されるいずれかの美容的に利用可能なマスカラであって良い:かくして本発明に係る組成物は、適用される第一の組成物の皮膜の維持力を改良することが可能である。
【0016】
特に本発明に係る組成物が無着色である場合、その透明度によって、組成物の第一の皮膜を識別することが可能である。
【0017】
かくして本発明の主題はまた、
i)第一の組成物の少なくとも一つの第一の被覆;
ii)次いで第一の被覆の一部のまたは全部の乾燥後、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含み、ワックスを含まない第二の組成物の少なくとも一つの第二の被覆
をケラチン繊維に適用することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛の被覆方法である。
【0018】
一つの実施態様によれば、本発明に係る組成物は、組成物の全重量に対して一般的に30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好適には50重量%以上の高含量の水及び/または水溶性溶媒を含む組成物、特に「クリームマスカラ」としても知られている水性マスカラの第一の被覆に重ねて、前記マスカラの皮膜を非透過性にするために適用して良い。
【0019】
従って、本発明の主題はまた、
i)少なくとも30重量%の水及び/または水溶性溶媒を含む第一の組成物の少なくとも一つの第一の被覆;
ii)次いで第一の被覆の一部のまたは全部の乾燥後、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物の少なくとも一つの第二の被覆
をケラチン繊維に適用することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛の被覆方法である。
本発明はまた、別個の容器に、
i)少なくとも30重量%の水及び/または水溶性溶媒を含む第一の組成物;
ii)− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物
を含むメイクアップキットに関する。
【0020】
別の特徴点によれば、本発明に係る組成物は、比較的低い、例えば50%以下の固体含量(または乾物量)を有し、メイクアップの自然で控えめに負荷を与える皮膜を可能にする組成物の第一の被覆に重ねて、この組成物の第一の被覆を非透過性にするための適用に特に適している。
【0021】
かくして本発明の別の主題は、
i)50%以下、より好適には47%以下、更に好適には45%以下の乾物量を有する第一の組成物の少なくとも一つの第一の被覆;
ii)次いで第一の被覆の一部のまたは全部の乾燥後、
− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物の少なくとも一つの第二の被覆
をケラチン繊維に適用することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛の被覆方法である。
【0022】
本発明はまた、別個の容器に、
i)50%以下、より好適には47%以下、更に好適には45%以下の乾物量を有する第一の組成物;
ii)− 非水性溶媒相;
− a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む第一のポリマー;
を含む第二の組成物
を含むメイクアップキットに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
固体含量の特徴づけ
本発明の目的のため、用語「固体含量」は、非揮発性物質の含量を表す。
【0024】
「乾物量」またはDEの略称として一般的に知られている、本発明に係る組成物のこの固体の量は、2μmから3.5μmの波長を有する赤外線でのサンプルの加熱によって測定される。高蒸気圧を有する前記組成物に含まれる物質は、この放射の効果の下で蒸発する。サンプルの重量損失の測定により、組成物の「乾物量」を測定することが可能である。これらの測定は、Mettler社の市販の赤外線デシケーターLP16(登録商標)を使用して実施される。この方法は、Mettler社により供給される機械手引書に十分に記載されている。
【0025】
測定プロトコールは以下の通りである:
【0026】
約1gの組成物を金属るつぼに広げる。このるつぼをデシケーターに導入した後、それを1時間120℃の設定温度に供する。初期重量に対応するサンプルの湿潤重量と、赤外線に曝露した後の重量に対応するサンプルの乾物重量を、正確なバランスを使用して測定する。
【0027】
固体含量は以下の態様で計算される:
乾物量=100×(乾物重量/湿潤重量)
【0028】
前述のプロトコールによって測定される値は、プラスマイナス1%まで対応する理論値とは異なって良い。
【0029】
本発明に係る組成物は特に、組成物の全重量に対して37重量%以下、特に35重量%以下、好適には33重量%以下の固体含量によって特徴づけされる。
【0030】
第一のポリマー
本発明に係る組成物の第一のポリマーは、構造化の役割を有し、本発明に係る組成物の非水性溶媒相(または油性相)をゲル化するためにとりわけ機能する。本特許出願の目的のため、用語「ゲル化非水性溶媒相」は、第一のポリマーの添加によって増大し、それ自体の重量下で流動する粘度を有する非水性溶媒相を意味する。
【0031】
第一のポリマーは好ましくは固体であり、室温で変形可能でなく、有利には組成物を不透明化することなくそれを構造化できる。
【0032】
上述のように、第一のポリマーは、a)少なくとも一つのヘテロ原子を含む炭化水素ベースの繰り返し単位を有するポリマー骨格と、任意にb)少なくとも4の炭素原子を含み、これらの炭化水素ベースの単位に少なくとも一つの結合基を介して結合した、任意に官能化された少なくとも一つのペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの末端脂肪鎖とを含む。
【0033】
本発明の目的のため、用語「官能化された鎖」は、特にアミド、ヒドロキシル、エーテル、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、及びフルオロまたはパーフルオロ基を含むハロゲン基、エステル、シロキサン、及びポリシロキサン基から選択される一つ以上の官能基または反応基を含むアルキル鎖を意味する。更に、一つ以上の脂肪鎖の水素原子は、少なくとも部分的にフッ素原子で置換されても良い。
【0034】
本発明の目的のため、用語「ポリマー」は、少なくとも2の繰り返し単位、好ましくは少なくとも3の繰り返し単位を含む化合物を意味する。
【0035】
本発明の目的のため、用語「炭化水素ベースの繰り返し単位」は、直鎖状、分枝状、または環状であって良く、飽和または不飽和であって良い、2から80の炭素原子、好ましくは2から60の炭素原子を含む単位を意味する。これらの単位のそれぞれはまた、有利には非ペンダント状だが、ポリマー骨格に存在する一つ以上のヘテロ原子を含む。これらのヘテロ原子は、窒素、硫黄、及びリン原子、並びにそれらの組合せから選択され、任意に一つ以上の酸素原子と組み合わされる。前記単位は好ましくは、少なくとも一つの窒素原子を、特に非ペンダント状の窒素原子を含む。これらの単位はまた、カルボニル基を有利には含む。
【0036】
ヘテロ原子を含む単位は、特にポリアミドタイプの骨格を形成するアミド単位、ポリウレタン、ポリウレア、及び/またはポリウレア−ウレタン骨格を形成するカルバマート及び/またはウレア単位である。これらの単位は好ましくはアミド単位である。ペンダント鎖は有利には、ポリマー骨格のヘテロ原子の少なくとも一つに直接結合する。
【0037】
炭化水素ベースの鎖の中では、第一のポリマーはシリコーン単位又はオキシアルキレン単位を含んでも良い。
【0038】
更に、本発明の組成物中の第一のポリマーは、ヘテロ原子を含む単位と脂肪鎖の総数に対して、有利には40から98%、より好適には50から95%の脂肪鎖を含む。ヘテロ原子を含む単位の性質と割合は、脂肪相の性質に依存し、特に脂肪相の極性と同様である。かくして、ヘテロ原子を含む単位が多いほど極性であり、いくつかのヘテロ原子の存在に対応する第一のポリマーの高い割合では、極性油に対する第一のポリマーの親和性が大きくなる。他方で、ヘテロ原子を含む単位が極性が少ないまたは無極性である、あるいはその割合が低いほど、無極性油に対する第一のポリマーの親和性が大きくなる。
【0039】
ペンダント脂肪鎖は好ましくは、第一のポリマーのアミド単位の窒素原子の少なくとも一つに結合する。
【0040】
特にこのポリアミドの脂肪鎖は、アミド単位と脂肪鎖の総数の40から98%、より好適には50から95%を占める。
【0041】
有利には、本発明に係る組成物の第一のポリマー、特にポリアミドは、100000未満(特に1000から100000の範囲)、特に50000未満(特に1000から50000の範囲)、とりわけ1000から30000の範囲、好ましくは2000から20000の範囲、より好適には2000から10000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0042】
第一のポリマー、特にポリアミドは、特に25℃で水中に不溶性である。特にそれはいずれのイオン性基をも含まない。
【0043】
本発明で使用されて良い好ましい第一のポリマーとして、6から120の炭素原子、好適には8から120の炭素原子、特に12から68の炭素原子を含むペンダント脂肪鎖及び/または末端脂肪鎖で分枝したポリアミドであって、各末端脂肪鎖が、少なくとも一つの結合基を介してポリアミド骨格に結合しているものが挙げられる。前記結合基は、エステル、エーテル、アミン、ウレア、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオウレア、及びチオウレタン基から選択されて良い。これらのポリマーは好ましくは、ポリマー骨格、特にポリアミド骨格の各末端で脂肪鎖を含む。
【0044】
これらの第一のポリマーは好ましくは、少なくとも32の炭素原子を含む(特に32から44の炭素原子を含む)ジカルボン酸と、少なくとも2の炭素原子(特に2から36の炭素原子)を含むジアミン、及び少なくとも2の炭素原子(特に2から36の炭素原子)を含むトリアミンから選択されるアミンとの間の重縮合から生成するポリマーである。ジ酸は好ましくは、少なくとも16の炭素原子、好ましくは16から24の炭素原子を含むエチレン性不飽和脂肪酸から由来するダイマー、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸である。ジアミンは好ましくは、エチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、またはヘキサメチレンジアミンである。トリアミンは例えばエチレントリアミンである。1または2の末端カルボン酸基を含むポリマーとしては、少なくとも4の炭素原子、好ましくは10から36の炭素原子、より好適には12から24の炭素原子、更には16から24の炭素原子、例えば18の炭素原子を含むモノアルコールでそれをエステル化することが有利である。
【0045】
本発明に係る組成物中のポリアミドは、特に下式(II)のポリマーから選択されて良い:
【化1】


[式中、
− nは1から30の範囲の整数であり;
− R'は独立に各場合で脂肪鎖を表し、少なくとも1の炭素原子、特に4から24の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル基から選択され;
− R'は独立に各場合で、1から52の炭素原子を含む炭化水素ベースの基を表し;
− R'は独立に各場合で、少なくとも3の炭素原子を含むことを条件に、炭素、水素、及び窒素原子から選択される少なくとも一つの原子を含む有機基を表し;
− R'は独立に各場合で、水素原子、1から10の炭素原子を含むアルキル基、またはR'と別のR'から選択される少なくとも一つの基に対する直接結合を表し、前記基が別のR'である場合、R'とR'との両者が結合する窒素原子が、R'の少なくとも50%が水素原子を表すことを条件に、R'−N−R'によって規定される複素環構造の一部を形成する;及び
− Lは、上述の少なくとも一つのR'基で任意に置換された上述の結合基を表す]。
【0046】
一つの実施態様によれば、これらのポリマーは、式中結合基Lが下式:
【化2】


のエステル基を表す式(I)のポリマーから選択される。
【0047】
これらのポリマーは、とりわけUnion Camp社の文献US-A-5 783 657に開示されたものである。これらのポリマーのそれぞれは、特に下式(I)を満足する:
【化3】


[式中、
− mは、エステル基の数がエステル基とアミド基の総数の10から50%を占めるような、アミドの単位の総数を表し;
− Rは独立に各場合で、少なくとも4の炭素原子、特に4から24の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル基であり;
− Rは独立に各場合で、R基の50%がC30からC42の炭化水素ベースの基を表すことを条件に、CからC42の炭化水素ベースの基を表し;
− Rは独立に各場合で、少なくとも2の炭素原子、水素原子、任意に一つ以上の酸素原子または窒素原子を含む有機基を表し;および
− Rは独立に各場合で、水素原子、CからC10のアルキル基、またはR若しくは別のRに対する直接結合を表し、RとRとの両者が結合する窒素原子が、Rの少なくとも50%が水素原子を表すことを条件に、R−N−Rによって規定される複素環構造の一部を形成する]。
【0048】
式(I)の特定の場合、本発明の目的のため任意に官能化される末端脂肪鎖は、ポリアミドの骨格の最後のヘテロ原子、この場合窒素原子に結合した末端鎖である。
【0049】
特に本発明の目的のため、末端及び/またはペンダント脂肪鎖の一部を形成する式(I)のエステル基は、エステル基とアミド基の総数の15から40%、より好適には20から35%を占める。
【0050】
更にmは有利には1から5の範囲、より好適には2より大きい整数である。
【0051】
好ましくはRはC12からC22、好ましくはC16からC22のアルキル基である。有利にはRはC10からC42の炭化水素ベースの(アルキレン)基であることができる。好ましくは、R基の少なくとも50%、好適には少なくとも75%は、30から42の炭素原子を含む基である。他のR基は、CからC19、より好適にはCからC12の水素含有基である。
【0052】
好ましくはRは、CからC36の炭化水素ベースの基またはポリオキシアルキレン基であり、Rは水素原子を表す。好ましくはRは、CからC12の炭化水素ベースの基を表す。
【0053】
炭化水素ベースの基は、直鎖状、環状、または分枝状の、飽和したまたは不飽和の基であって良い。更に、アルキル基及びアルキレン基は、直鎖状または分枝状の、飽和したまたは不飽和の基であって良い。
【0054】
一般的に、式(I)のポリマーは、ポリマーの混合物の形態であり、これらの混合物はまた、nが0である式(I)の化合物、即ちジエステルに対応する合成製品を含むことも可能である。
【0055】
本発明に係る組成物で使用されて良い式(I)の第一のポリマーの例として、Uniclear 80及びUniclear 100 VGの名称でArizona Chemical社により市販されている製品が挙げられ、それらはそれぞれ鉱物オイル中に80%(活性物質の点で)のゲルの形態、及び100%(活性物質の点で)のゲルの形態で存在する。それらは88から94℃の軟化点を有する。これらの市販品は、約6000の重量平均分子量を有する、エチレンジアミンと縮合したC36ジ酸のコポリマーの混合物である。末端エステル基は、残余の酸末端基と、セチルアルコール、ステアリルアルコール、またはこれらの混合物(セチルステアリルアルコールとも知られる)とのエステル化から生成する。
【0056】
一般式(II)に対応する第一のポリマーとして、少なくとも一つの第三級アミド結合基を介してポリマー骨格に結合した少なくとも一つの末端脂肪鎖を含むポリマー(アミド末端化ポリアミドまたはATPAとしても知られている)が挙げられる。
【0057】
そのようなポリマーは、例えばArizona Chemical社製の参考名Sylvaclear A 200 Vで入手可能である。これらのポリマーに関する更なる情報については、文献US 6 503 522を参照。
【0058】
一つの実施態様によれば、式(II)の第一のポリマーは、少なくとも一つのエーテルまたはポリエーテル結合基を介してポリマー骨格に結合した少なくとも一つの末端脂肪鎖を含んでも良い(それはエーテル末端化ポリ(エーテル)アミドとしても知られている)。そのようなポリマーは、例えば文献US 6 399 713に記載されている。
【0059】
本発明で使用されて良い第一のポリマーとしては、脂肪族ジカルボン酸とジアミンの縮合から生成するポリアミド樹脂(2より多いカルボニル基と2より多いアミン基を含む化合物を含む)が挙げられ、隣接する個々の単位のカルボニル基及びアミン基は、アミド結合を介して縮合している。これらのポリアミド樹脂は特に、General Mills Inc社及びHenkel Corp社により商標名Versamidで市販されている製品(Versamid 930、744、または1655)、あるいはOlin Mathieson Chemical Corp社により商標名Onamid、特にOnamid SまたはCで市販されている製品である。これらの樹脂は、6000から9000の範囲の重量平均分子量を有する。これらのポリアミドに関する更なる情報については、文献US 3 645 705及びUS 3 148 125が参照される。とりわけVersamid 930または744が使用される。
【0060】
第一のポリマーとして、エステル末端基を含むポリ(エステルアミド)(エステル末端化ポリ(エステルアミド)またはETPEA)、例えば文献US 6 552 160に調製法が記載されたものを使用することも可能である。このポリアミドは、例えばArizona Chemical社製のSylvaclear C 75 Vである。
【0061】
参考名Uni-Rez (2658、2931、2970、2621、2613、2624、2665、1554、2623、及び2662)でArizona Chemical社により市販されているポリアミド、及びHenkel社によりMacromelt 6212の参考名で市販されている製品を使用しても良い。これらのポリアミドに関する更なる情報は、文献US 5 500 209を参照。
【0062】
植物から得られるポリアミド樹脂、例えば文献US 5 783 657及びUS 5 998 570に開示されたものを使用することも可能である。
【0063】
本発明に係る組成物中に存在する第一のポリマーは、有利には65℃より高温であって190℃までであって良い軟化点を有する。それは、好ましくは70℃から130℃、より好適には80℃から105℃の範囲の軟化点を有する。第一のポリマーは特に、非ワックス状ポリマーである。
【0064】
本発明に係る第一のポリマーは、好ましくは上述の式(I)に対応する。その脂肪鎖により、この第一のポリマーはオイル中に容易に可溶性であり、かくして脂肪鎖を含まないポリマーとは異なり、高含量(少なくとも25%)のポリマーを使用した場合でさえ、巨視的に均一である組成物を導く。
【0065】
第一のポリマーは、組成物の全重量に対して0.01から20重量%の範囲、好ましくは0.05から15重量%の範囲、好適には0.1から10重量%の範囲の含量で、本発明に係る組成物中に存在して良い。
【0066】
非水性溶媒相
本発明に係る組成物は、非水性溶媒相を含む。
【0067】
この相は、連続相を形成することが可能であり、その名前が示す通り、好ましくは揮発性化合物であり、水中に不溶性で、室温且つ大気圧下で液体である少なくとも一つの非水性溶媒を含む。
【0068】
本発明の目的のため、用語「揮発性化合物」は、ケラチン繊維との接触した際、室温且つ大気圧下で、1時間未満で蒸発可能ないずれかの化合物(または非水性媒体)を意味する。揮発性化合物は、室温で液体であり、特に室温且つ大気圧下で0ではない蒸気圧、特に0.13Paから40000Pa(10-3から300mmHg)、特に1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)、とりわけ1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性化粧品化合物である。
【0069】
対照的に、用語「非揮発性化合物」は、室温且つ大気圧下で、少なくとも数時間の間ケラチン繊維に残存し、10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を特に有する化合物を意味する。
【0070】
室温で液体である水不溶性揮発性化合物の含量は、組成物の全重量に対して一般的に5から90重量%、特に10から80重量%、とりわけ20から75重量%である。
【0071】
室温で液体である水不溶性揮発性化合物は、特に化粧品的に許容可能な有機溶媒またはオイル(25℃で大気圧下で液体である脂肪物質)である。用語「化粧品的に許容可能な」は、ケラチン繊維への適用に適合的である使用を有する化合物を意味する。
【0072】
言うまでもなく、本発明に係る組成物の非水性溶媒相は、そのような化合物の混合物を含んでも良い。
【0073】
揮発性オイルは、炭化水素ベースのオイル、シリコーンオイル、フルオロオイル、またはそれらの混合物であって良い。
【0074】
用語「炭化水素ベースのオイル」は、主に水素及び炭素原子、任意に酸素、窒素、硫黄、またはリン原子を含むオイルを意味する。揮発性炭化水素ベースのオイルは、8から16の炭素原子を含む炭化水素ベースのオイル、特にC−C16分枝状アルカン、例えば石油起源のC−C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカン、イソヘキサデカン、及び"Isopar"若しくは"Permethyl"の商標名で市販されているオイル、分枝状C−C16エステル、及びイソヘキシルネオペンタノアート、並びにそれらの混合物から選択されて良い。他の揮発性炭化水素ベースのオイル、例えば石油蒸留物、特にShell社により"Shell Solt"の名称で市販されているものも使用して良い。
【0075】
揮発性シリコーン、例えば揮発性直鎖状または環状シリコーンオイル、特に6センチストローク(6×10-62/s)以下の粘度を有し、特に2から10のケイ素原子を有するものを揮発性オイルとして使用しても良く、これらのシリコーンは任意に、1から22の炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシ基を含む。本発明で使用して良い揮発性シリコーンオイルとしては、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
揮発性有機溶媒、特にフッ素化揮発性有機溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン、またはパーフルオロメチルシクロペンタンもまた使用して良い。
【0077】
本発明に係る組成物の一つの特定の実施態様によれば、室温で液体である水不溶性揮発性化合物は、8から16の炭素原子を含む揮発性炭化水素ベースのオイル、及びそれらの混合物から選択される。
【0078】
非水性溶媒相は、室温で液体である少なくとも一つの水不溶性非揮発性化合物、特に非揮発性炭化水素ベースのオイル及び/またはシリコーンオイル及び/またはフルオロオイルから選択されて良い、特に少なくとも一つの非揮発性オイルを含んでも良い。
【0079】
非揮発性炭化水素ベースのオイルとしては、特に以下のものが挙げられる:
− 植物起源の炭化水素ベースのオイル、例えばグリセロールの脂肪酸エステルから成るトリグリセリドであって、CからC24の範囲の鎖の長さの脂肪酸を有するもので、これらの鎖は直鎖状または分枝状であって、飽和したまたは不飽和のものである;これらのオイルは特に麦芽オイル、ヒマワリオイル、グレープシードオイル、ゴマタネオイル、コーンオイル、アプリコットオイル、ヒマシオイル、シアオイル、アボカドオイル、オリーブオイル、ダイズオイル、スイートアーモンドオイル、パームオイル、レープシードオイル、綿実油、ヘーゼルナッツオイル、マカダミアオイル、ホホバオイル、アルファルファオイル、ケシ油、カボチャオイル、ゴマダネオイル、マローオイル、レープシードオイル、クロフサスグリオイル、マツヨイグサオイル、アワオイル、オオムギオイル、キノアオイル、ライ麦オイル、サフラワーオイル、ククイノキオイル、トケイソウオイル、及びムスクローズオイル;または別法としてカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により市販されているもの、またはDynamit Nobel社により"Miglyol 810"、"Miglyol 812"、及び"Miglyol 818"の名称で市販されているもの;
− 10から40の炭素原子を含む合成エーテル;
− 鉱物または合成起源の直鎖状または分枝状炭化水素、例えばワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム、及びスクアラン、並びにそれらの混合物;
− 合成エステル、例えばRCOORの式を有するオイルで、式中、Rは1から40の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の脂肪酸残基を表し、Rは1から40の炭素原子を含む特に分枝状鎖の炭化水素ベースの鎖を表し、R+R≧10であるもの、例えばパーセリンオイル(セトステアリルオクタノアート)、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、C12からC15のアルキルベンゾアート、ヘキシルラウラート、ジイソプロピルアジパート、イソノニルイソノナノアート、2-エチルヘキシルパルミタート、イソステアリルイソステアラート、及びアルコールまたはポリアルコールオクタノアート、デカノアート、またはリシノールアート、例えばプロピレングリコールジオクタノアート;ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクタート、またはジイソステアリルマラート;並びにペンタエリスリトールエステル;
− 室温で液体であり、12から26の炭素原子を含む分枝状及び/または不飽和炭素ベースの鎖を有する脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノアート、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、または2-ウンデシルペンタデカノール;
− 高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸;
並びにこれらの混合物。
【0080】
本発明に係る組成物で使用されている非揮発性シリコーンオイルは、非揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン鎖にペンダント状に及び/またはその末端に存在し、2から24の炭素原子をそれぞれ含むアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリカートであって良い。
【0081】
本発明の組成物で使用して良いフルオロオイルは特に、フルオロシリコーンオイル、フルオロポリエーテル、及び文献EP-A-847 752に記載されたようなフルオロシリコーンである。
【0082】
室温で液体である水不溶性非揮発性化合物の含量は、組成物の全重量に対して一般的に0.01から30重量%、特に0.1から25重量%である。
【0083】
水及び/または水溶性溶媒
本発明に係る組成物は、水及び/または少なくとも一つの水溶性溶媒を含む。
【0084】
本発明では、用語「水溶性溶媒」は、室温で液体であり、水と混和する(25℃且つ大気圧下で50重量%より大きい水混和性)化合物を表す。
【0085】
本発明に係る組成物で使用してよい水混和性溶媒は、一般的に揮発性でもある。
【0086】
本発明に係る組成物で使用して良い水溶性溶媒としては、特に1から5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール、2から8の炭素原子を含むグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコール、C及びCケトン、及びC−Cアルデヒドが挙げられる。
【0087】
水及び/または水溶性溶媒は、本発明に係る製剤中にそのまま導入されても良く、または前記組成物を構成する一つ以上の成分によってそこに導入されても良い。かくして水は特に、ラテックスまたはシュードラテックス、即ちポリマー粒子の水性分散物によって、組成物中に導入されて良い。
【0088】
一つの特定の実施態様によれば、本発明に係る組成物中の水及び/または水溶性溶媒の含量は、組成物の全重量に対して20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好適には5重量%以下、更に好適には2重量%以下である。
【0089】
ワックス
本発明の文脈において考慮されるワックスは一般的に、室温(25℃)で固体であり、30℃以上で120℃までの融点を有する固体/液体可逆的状態変化を有する脂溶性化合物である。
【0090】
ワックスを液体形態にもたらす(溶融する)ことによって、それをオイルと混和可能とし、微視的に均一な混合物を形成することが可能であるが、前記混合物を室温にもたらすと、混合物のオイル中のワックスの再結晶化が得られる。
【0091】
特に前記ワックスは、約45℃より高温、好適には50℃以上、特に55℃以上の融点を有して良い。
【0092】
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばMettler社によりDSC 30の名称で市販されている熱量計を使用して測定されて良い。
【0093】
測定プロトコールは以下の通りである:
【0094】
るつぼに配置した15mgの製品のサンプルを、10℃/分の加熱速度で0℃から120℃の範囲の第一の温度上昇に供し、次いで10℃/分の冷却速度で120℃から0℃に冷却し、最後に5℃/分の加熱速度で0℃から120℃の範囲の第二の温度上昇に供する。第二の温度上昇の間で、空のるつぼによって吸収された力と、製品のサンプルを含むるつぼによって吸収された力の際の変化を、温度の関数として測定する。化合物の融点は、温度の関数として吸収力の際の変化を表す曲線のピークの頂点に対応する温度の値である。
【0095】
ワックスは、0.05MPaから30MPaの範囲、好ましくは6MPaから15MPaの範囲の硬度を有して良い。硬度は、2mmの直径のステンレススチールシリンダー状針を備えたRheo社製のTA-XT2iの名称で市販されている硬度計を使用して、0.1mm/sの測定速度で動かして、ワックス0.3mmの浸透深度で浸透させることにより、20℃で測定した圧縮力を測定することによって決定される。
【0096】
測定プロトコールは以下の通りである:
【0097】
ワックスを、ワックスの融点+20℃に等しい温度で溶融する。溶融したワックスを、30mmの直径で20mmの深さの容器に配置する。ワックスを室温(25℃)で24時間再結晶化し、次いで少なくとも1時間20℃で貯蔵し、硬度の測定を実施する。硬度の値は、ワックスと接触した硬度計の針の領域によって割り算した、測定された最大圧縮力である。
【0098】
ワックスは一般的に、動物、植物、鉱物、または合成起源のワックス、及びそれらの混合物から選択され、それらは室温で固体であって堅い。ワックスの例としては、炭化水素ベースのワックス、例えばビーズワックス、ラノリンワックス、及びハクロウ;ライスワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリキュリーワックス、モクロウ、及びスマックワックス;モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、及びオゾケライト;ポリエチレンワックス、及びワックス状コポリマー、及びそれらのエステルが挙げられる。
【0099】
一つの実施態様によれば、前記組成物はワックスを含まない。用語「ワックスを含まない」は、組成物の全重量に対して10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好適には3重量%未満のワックスを含む組成物を意味する。より好ましくは前記組成物はワックスを全く含まない。
【0100】
皮膜形成性ポリマー
本発明に係る組成物は、少なくとも一つの脂溶性皮膜形成性ポリマー(即ち前述のような有機溶媒またはオイルを含む液体脂肪相に可溶性であるポリマー)、または親油性皮膜形成性ポリマー(即ち前述のような有機溶媒またはオイルを含む液体脂肪相と適合性であるポリマー)を含んでも良く、それらは「第二のポリマー」とも称される。
【0101】
本発明の目的のため、用語「液体脂肪相」は、室温(25℃)且つ大気圧(760mmHg、即ち105Pa)で液体であり、前述のオイルのような室温で液体である一つ以上の脂肪物質からなり、一般的に互いに適合性であり、一般的に前記組成物の非水性溶媒相に対応する脂肪相を意味する。
【0102】
本発明では、用語「皮膜形成性ポリマー」は、それ自体により、または皮膜形成助剤の存在下で、支持体、特にケラチン物質に接着する連続皮膜を形成可能なポリマーを意味する。
【0103】
脂溶性ポリマーの例としては、ビニルエステル(ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合しており、ビニルエステルはエステル基のカルボニルに結合した1から19の炭素原子の飽和した直鎖状または分枝状の炭化水素ベースの基を含む)と、ビニルエステル(すでに存在するビニルエステル以外のもの)、α-オレフィン(8から28の炭素原子を含む)、アルキルビニルエーテル(アルキル基は2から18の炭素原子を含む)、またはアリル若しくはメタリルエステル(エステル基のカルボニルに結合した1から19の炭素原子の飽和した直鎖状または分枝状炭化水素ベースの基を含む)であって良い少なくとも一つの他のモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0104】
これらのコポリマーは、ビニルタイプまたはアリル若しくはメタリルタイプのいずれか、例えばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオアート、ジビニルドデカンジオアート、及びジビニルオクタデカンジオアートのようなものであって良い架橋剤の補助で架橋されても良い。
【0105】
これらのコポリマーの例としては、以下のコポリマーが挙げられる:ビニルアセタート/アリルステアラート、ビニルアセタート/ビニルラウラート、ビニルアセタート/ビニルステアラート、ビニルアセタート/オクタデセン、ビニルアセタート/オクタデシルビニルエーテル、ビニルプロピオナート/アリルラウラート、ビニルプロピオナート/ビニルラウラート、ビニルステアラート/1-オクタデセン、ビニルアセタート/1-ドデセン、ビニルステアラート/エチルビニルエーテル、ビニルプロピオナート/セチルエーテル、ビニルステアラート/アリルアセタート、ビニル2,2-ジメチルオクタノアート/ビニルラウラート、アリル2,2-ジメチルペンタオクタノアート/ビニルラウラート、ビニルジメチルプロピオナート/ビニルステアラート、アリルジメチルプロピオナート/ビニルステアラート、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルプロピオナート/ビニルステアラート、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルジメチルプロピオナート/ビニルラウラート、0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋されたビニルアセタート/オクタデシルビニルエーテル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルアセタート/アリルステアラート、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルアセタート/1-オクタデセン、及び0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたアリルプロピオナート/アリルステアラート。
【0106】
脂溶性皮膜形成性ポリマーとしては、脂溶性コポリマー、特に9から22の炭素原子を含むビニルエステル、またはアルキルアクリラート若しくはメタクリラートと、10から20の炭素原子を含むアルキル基との共重合から生成するものが挙げられる。
【0107】
そのような脂溶性コポリマーは、ポリビニルステアラート、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、またはジアリルフタラートの補助で架橋されたポリビニルステアラート、ポリステアリル(メタ)アクリラート、ポリビニルラウラート、及びポリラウリル(メタ)アクリラートから選択されて良く、これらのポリ(メタ)アクリラートは、エチレングリコールジメタクリラートまたはテトラエチレングリコールジメタクリラートの補助で架橋することが可能である。
【0108】
上述の脂溶性コポリマーは既知であり、特に特許出願FR-A-2 232 303に記載されている;それらは2000から500000の範囲、好ましくは4000から200000の範囲の重量平均分子量を有して良い。
【0109】
本発明で使用されて良い脂溶性皮膜形成性ポリマーとしては、ポリアルキレン、特にC−C20アルカンのコポリマー、例えばポリブテン、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C−Cアルキル基を有するアルキルセルロース、例えばエチルセルロース及びプロピルセルロース、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、特にビニルピロリドンと、CからC40、好適にはCからC20アルカンとのコポリマーが挙げられる。本発明で使用して良いVPコポリマーの例として、VP/ビニルアセタート、VP/エチルメタクリラート、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/エチルメタクリラート/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン、またはVP/アクリル酸/ラウリルメタクリラートのコポリマーが挙げられる。
【0110】
一般的にシリコーンオイルに可溶性または膨潤性であり、架橋化されたポリオルガノシロキサンポリマーであるシリコーン樹脂も挙げられる。シリコーン樹脂の用語は、「MDTQ」の名称で知られており、前記樹脂が含む各種のシロキサンモノマー単位の関数として記載されており、「MDTQ」の文字のそれぞれは単位のタイプを特徴付けする。
【0111】
市販で入手可能なポリメチルシルセスキオキサンの例としては、以下の市販品が挙げられる:
− Wacker社製の参考名Resin MK、例えばBelsil PMS MK;
− Shin-Etsu社製の参考名KR-220L。
【0112】
シロキシシリカート樹脂としては、トリメチルシロキシシリカート(TMS)樹脂、例えばGeneral Electric社により参考名SR 1000で市販されているもの、またはWacker社により参考名TMS 803で市販されているものが挙げられる。シクロメチコーンのような溶媒中で市販されるトリメチルシロキシシリカート、例えばShin-Etsu社により"KF-7312J"の名称で、及びDow Corning社により"DC 749"及び"DC 593"の名称で市販されているものも挙げられる。
【0113】
ポリジメチルシロキサンと前述のようなシリコーン樹脂のコポリマー、例えば文献US 5 162 410に記載され、参考名Bio-PSAでDow Corning社により市販されている圧力感受性接着性コポリマー、または前述のもののようなシリコーン樹脂と、文献WO 2004/073 626に記載されたようなジオルガノシロキサンとの反応から由来するシリコーンコポリマーも挙げられる。
【0114】
文献US-A-5 874 069、US-A-5 919 441、US-A-6 051 216、及びUS-A-5 981 680に記載されたもののようなポリオルガノシロキサンタイプのシリコーンポリアミドも使用されて良い。
【0115】
これらのシリコーンポリマーは、以下の二つの群に属して良い:
【0116】
水素相互作用を確立することが可能で、ポリマー鎖中に配置される少なくとも二つの基を含むポリオルガノシロキサン;及び/または
【0117】
水素相互作用を確立することが可能で、グラフトまたは分枝として配置されている少なくとも二つの基を含むポリオルガノシロキサン。
【0118】
本発明の一つの実施態様によれば、皮膜形成性ポリマーは、皮膜形成性直鎖状ブロックエチレン性ポリマーであり、それは好ましくは、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも一つの第一のブロックと少なくとも一つの第二のブロックとを含み、前記第一及び第二のブロックは、第一のブロックの少なくとも一つの構成モノマーと、第二のブロックの少なくとも一つの構成モノマーとを含む中間ブロックを介してともに結合している。
【0119】
有利には、前記ブロックポリマーの第一及び第二のブロックは、互いに不適合性である。
【0120】
そのようなポリマーは、例えば文献EP 1 411 069またはWO 04/028 488に記載されている。
【0121】
親油性または脂溶性皮膜形成性ポリマーは、本発明に係る組成物のものであって良い非水性溶媒中に分散した粒子の形態で、組成物中に存在しても良い。これらの分散物の調製方法は当業者に周知である。
【0122】
皮膜形成性ポリマーの非水性分散物の例として、例えば文献EP 749 746に記載された分散物、脂肪相(例えばイソドデカン)中の分散物として、安定化剤で表面安定化されたアクリルポリマー粒子、例えばChimex社製のMexomer PAP、液体脂肪相中のグラフト化エチレン性ポリマー、好ましくはアクリルポリマーの粒子の分散物であって、エチレン性ポリマーは有利には、粒子の表面で付加的安定化剤の不存在下で分散しているもの、例えば文献WO 04/055081に特に記載されたものが挙げられる。
【0123】
第二の親油性または脂溶性皮膜形成性ポリマーは、組成物の全重量に対して0.1から40重量%の範囲、好ましくは0.5から30重量%の範囲、より好ましくは1から20重量%の範囲の固体含量で存在して良い。
【0124】
一つの特定の実施態様によれば、本発明に係る組成物は、組成物の全重量に対して10重量%以上、好ましくは17重量%以上、好適には20重量%以上のポリマー固体含量で、少なくとも一つの親油性または脂溶性ポリマーを含む。
【0125】
前記組成物はまた、例えば以下のもののような親水性皮膜形成性ポリマーから選択される付加的な皮膜形成性ポリマーを含んでも良い:
− タンパク質、例えば植物起源のタンパク質、例えばコムギタンパク質及びダイズタンパク質;動物起源のタンパク質、例えばケラチン、例えばケラチン加水分解産物及びスルホンケラチン;
− アニオン性、カチオンせ、両性、または非イオン性キチンまたはキトサンポリマー;
− セルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース、および第四級化セルロース誘導体のポリマー;
− ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルと無水リンゴ酸とのコポリマー、ビニルアセタートとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンとビニルアセタートとのコポリマー;ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー;ポリビニルアルコール;
− 任意に変性された天然起源のポリマー、例えば
− アラビアゴム、グアゴム、キサンタン誘導体、及びカラヤゴム;
− アルギナート、及びカラギーナン;
− グリコアミノグリカン、及びヒアルロン酸とその誘導体;
− シェラック樹脂、サンダラックゴム、ダンマル樹脂、エレミゴム、及びコパール樹脂;
− デオキシリボ核酸;
− ムコ多糖、例えばヒアルロン酸及び硫酸コンドロイチン、
並びにこれらの混合物。
【0126】
付加的な皮膜形成性ポリマーはまた、水性分散物の形態で存在しても良く、例えばAvecia-Neoresins社によりNeocryl XK-902、Neocryl A-1070、Neocryl A-1090、Neocryl BT-62、Neocryl A-1079、及びNeocryl A-523の名称で、Dow Chemical社によりDow Latex 432の名称で、Daito Kasey Kogyo社によりDaitosol 5000 ADまたはDaitosol 5000 SJの名称で市販されているアクリル分散物;Interpolymer社によりSyntran 5760の名称で市販されているもの、またはAvecia-Neoresins社によりNeorez R-981及びNeorez R-972の名称で、Goodrich社によりAvalure UR-405、Avalure UR-410、Avalure UR-425、Avalure UR-450、Sancure 875、Sacure 861、Sancure 878、及びSancure 2060の名称で、Bayer社によりImpranil 85の名称で、並びにHydromer社によりAquamere H-1511の名称で市販されていえるポリウレタンの水性分散物;Eastman Chemical Products社により"Eastman AQ"の商標名で市販されているスルホポリエステル、例えばChimex社によりMexomer PAMの名称で市販されているビニル分散物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0127】
付加的な皮膜形成性ポリマーは、組成物の全重量に対して0.1から30重量%の範囲、好ましくは0.5から20重量%の範囲、より好ましくは1から15重量%の範囲の固体含量で存在して良い。
【0128】
本発明に係る組成物は、皮膜形成性ポリマーと共に皮膜の形成を促進する可塑剤を含んでも良い。そのような可塑剤は、所望の機能を実現することが可能であると当業者に既知のいずれかの化合物から選択されて良い。
【0129】
染料
本発明に係る組成物は、少なくとも一つの染料、例えば粉体染料、脂溶性染料、及び水溶性染料を含んでも良い。
【0130】
粉体染料は、顔料及び真珠光沢剤から選択されて良い。
【0131】
顔料は、白色でも有色でも良く、鉱物及び/または有機でも良く、被覆されていてもされていなくても良い。鉱物顔料としては、任意に表面処理された二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、または酸化セリウム、並びに酸化鉄、または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、または水和クロム、及びフェリックブルーが挙げられる。有機顔料としては、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、及びコチニールカルミン、またはバリウム、ストロンチウム、カルシウム、若しくはアルミニウムに基づくレーキが挙げられる。
【0132】
真珠光沢剤は、チタンまたはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカのような白色真珠光沢顔料、酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特にフェリックブルーまたは酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上述の有機顔料で被覆されたチタンマイカ、並びにオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料のような着色真珠光沢顔料から選択されて良い。
【0133】
脂溶性染料は、例えばスーダンレッド、D&C赤色17号、D&C緑色6号、β−カロチン、ダイズオイル、スーダンブラウン、D&C黄色11号、D&C紫色2号、D&C橙色5号、キノリンイエロー、及びアナートである。
【0134】
これらの染料は、組成物の全重量に対して0.01から30重量%の範囲の含量で存在して良い。
【0135】
一つの実施態様によれば、本発明に係る組成物が染料を含まない。
【0136】
フィラー
本発明に係る組成物は、少なくとも一つのフィラーを含んでも良い。
【0137】
フィラーは、当業者に周知であり、化粧品組成物で通常使用されるものから選択されて良い。前記フィラーは、鉱物または有機であって良く、ラメラ状または球状であって良い。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミドパウダー、例えばAtochem社によりOrgasolの商標名で市販されているナイロン(登録商標)、ポリ-β-アラニンパウダー、及びポリエチレンパウダー、テトラフルオロエチレンポリマーのパウダー、例えばテフロン(登録商標)、ラウロイルリシン、デンプン、窒化ホウ素、膨張ポリマー状中空ミクロスフェア、例えば塩化ポリビニリデン/悪路リニトリルのもの、例えばNobel Industrie社によりExpancelの名称で市販されている製品、アクリルポリマー、例えばDow Corning社によりPolytrapの名称で市販されている製品、ポリメチルメタクリラート粒子、及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えばToshiba社製のTospearls)、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア(Maprecos社製のSilica Beads)、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、及び8から22の炭素原子、特に12から18の炭素原子を含む有機カルボン酸から由来する金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、マグネシウム、またはリチウム、ラウリン酸亜鉛、及びミリスチン酸マグネシウムが挙げられる。
【0138】
フィラーは、組成物の全重量に対して0.1から25重量%、特に1から20重量%を占めてよい。
【0139】
本発明の組成物は、抗酸化剤、防腐剤、香料、中和剤、可塑剤、増粘剤またはゲル化剤、繊維、及び化粧品活性剤、並びにこれらの混合物のような、化粧品で通常使用されるものから特に選択されるいずれかの化粧品的に許容可能な添加剤を含んでも良い。
【0140】
前記組成物は特に、上述の第一のポリマーに加えて、有機または無機であって良く、ポリマー状または分子状であって良い少なくとも一つの脂溶性ゲル化剤を含んで良い。
【0141】
無機脂溶性ゲル化剤としては、任意に変性されたクレー、例えばC10からC22脂肪酸アンモニウム塩化物で変性されたヘクトライト、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト、例えばElementis社により"Bentone 38V"の名称で市販されている製品が挙げられる。
【0142】
1μm未満の粒径を有する疎水性表面処理に任意に供されたフュームドシリカが挙げられる。特に、シリカの表面に存在するシラノール基の数を減少させる化学反応により、シリカの表面を化学的に変性することが可能である。特に疎水性基でシラノール基を置換することが可能である:かくして疎水性シリカが得られる。疎水性基は以下のものであって良い:
− 特にヘキサメチルジシラザンの存在下でフュームドシリカを処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。かくして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)により「シリカシリラート」として知られている。それらは例えば、Degussa社により参考名"Aerosil R812"及びCabot社により"Cab-O-Sil TS-530"の名称で市販されている;
− 特にポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下でヒュームドしリカを処理することによって得られるジメチルシリルオキシまたはポリジメチルシロキサン基。かくして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)により「シリカジメチルシリラート」として知られている。それらは例えば、Degussa社により参考名"Aerosil R972"及び"Aerosil R974"、並びにCabot社により"Cab-O-Sil TS-610"及び"Cab-O-Sil TS-720"の名称で市販されている。
【0143】
疎水性フュームドシリカは好ましくは、ナノメーターまたはミクロメーター、例えば約5から200nmの範囲であって良い粒径を有する。
【0144】
ポリマー状有機脂溶性ゲル化剤は、例えば三次元構造の部分的または全体的に架橋されたエラストマー性オルガノポリシロキサン、例えばShin-Etsu社によりHSG6、KSG16、及びKSG18の名称で、Dow Corning社によりTrefil E-505CまたはTrefil E-506Cの名称で、Grant Industries社によりGransil SR-CYC、SR DMF 10、SR-DC556、SR 5CYC Gel、SR DMF 10 gel、及びSR DC 556 gelの名称で市販されている製品;エチルセルロース、例えばDow Chemical社によりEthocelの名称でい市販されている製品;飽和または不飽和アルキル鎖で置換された、サッカリド当たり1から6、特に2から4のヒドロキシル基を含むガラクトマンナン、例えばCからC、特にCからCアルキル鎖でアルキル化されたグアゴム、並びにこれらの混合物である。ポリスチレン/ポリイソプレン、またはポリスチレン/ポリブタジエンタイプ、例えばBASF社によりLuvitol HSBの名称で市販されていえる製品、ポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプ、例えばShell Chemical Co社によりKratonの名称で市販されている製品、またはポリスチレン/コポリ(エチレン−ブチレン)タイプの「ジブロック」または「トリブロック」タイプのブロックコポリマーが挙げられる。
【0145】
本発明に係る組成物で使用してよいゲル化剤としては、デキストリンの脂肪酸エステル、例えばデキストリンパルミタート、特にChiba Flour社によりRheopearl TLまたはRheopearl KLの名称で市販されている製品が挙げられる。
【0146】
本発明に係る組成物は、長くする効果を改良するために繊維を含んでも良い。
【0147】
用語「繊維」は、長さL及び直径Dの対象について、LがDよりすっと大きく、Dが繊維の断面が内接する円の直径を意味するように理解されるべきである。特にL/Dの比(または形状因子)は、3.5から2500、好ましくは5から500、好適には5から150の範囲で選択される。
【0148】
特に前記繊維は、1μmから10μm、好ましくは0.1mmから5mm、好適には0.3mmから3mmの範囲の長さを有する。
【0149】
特に、本発明の組成物で使用して良い繊維は、堅いまたは堅くない繊維から選択されて良く、合成または天然であっても、無機または有機起源であっても良い。
【0150】
本発明に係る組成物で使用して良い繊維として、ポリアミド(ナイロン(登録商標))繊維のような堅くない繊維、またはポリイミドアミド繊維のような堅い繊維、例えばRhodia社によりKermel及びKermel Techの名称で市販されているもの、またはポリ(p−フェニレンテトラフタルアミド)(またはアラミド)繊維、特にNemours社によりKevlarの名称で市販されているものが挙げられる。
【0151】
本発明に係る組成物で使用して良い化粧品活性剤として、特に皮膚軟化剤、保湿剤、ビタミン、及びスクリーニング剤、特にサンスクリーンが挙げられる。
【0152】
言うまでもなく、当業者は任意の付加的な添加剤及び/またはそれらの量を選択するのに注意を払い、本発明に係る組成物の有利な特性が、考慮される添加によって負に影響されない、または実質的に負に影響されないようにするであろう。
【0153】
本発明の組成物は、例えば文献US 6 581 610、US 6 343 607、US 6 412 469、US 6 546 937、EP 1 157 632、WO 01/05274、WO 01/05272、WO 01/05271、EP 1 306 029、及びEP 1 342 428に記載されたよウなブラシ、クシ−ブラシ、またはクシを使用して、特に睫毛に塗布されて良く、これらの文献の内容は、参考として本特許出願に取り込まれる。
【0154】
以下の実施例は、本発明の比制限的な説明として与えられる。
【実施例】
【0155】
実施例1
以下の組成を有するウォータープルーフマスカラを調製した:
ポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)ジブロック 6%
コポリマー(Kraton G1701)でイソドデカン中で表面安定化さ
れたポリ(メチルメタクリラート/アクリル酸)粒子の分散物
24.5%のポリマー固体含量(Chimex社製のMexomer PAP)
ビニルピロリドン/1-エイコセンコポリマー 8%
(ISP社製の"Antaron V 220")
ポリビニルラウラート(Chimex社製の"Mexomer PP") 0.9%
アリルステアラート/ビニルアセタートコポリマー 8.1%
(Chimex社製の"Mexomer PQ")
エチレンジアミン/ステアリルジリノールアートコポリマー 3%
(Arizona Chemical社製のUniclear 100 VG)
変性ヘクトライト(Elementis社製の"Bentone 38V") 7.5%
防腐剤 適量
イソドデカン 100%とする残部
【0156】
従来のエマルションマスカラのベースコートで事前被覆し、次いで乾燥させた睫毛に、このマスカラを塗布する。かくして、良好な維持力を有し、水及び/または皮脂に耐性である睫毛のメイクアップの結果が得られる。
【0157】
実施例2
以下のクリームマスカラを調製した:
カルナウバワックス 2.9%
ビーズワックス 3.62%
パラフィンワックス 11.45%
2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで 0.1%
第四級化されたヒドロキシエチルセルロース
ヒドロキシエチルセルロース 0.91%
水中に25%の安定化してないナトリウムポリメタクリラート 1%
(Vanderbilt社製のDarvan 7)
アラビアゴム 3.45%
ポリジメチルシロキサンと水和シリカとの混合物 0.13%
トリエタノールアミン 2.4%
ステアリン酸 5.82%
D-パンテノール 0.5%
アミノメチルプロパンジオール 0.5%
顔料 5.45%
防腐剤 適量
水 100%とする残部
【0158】
このマスカラの第一の被覆を睫毛に塗布し、数秒間乾燥させ、実施例1に係るマスカラの第二の被覆を第一の被覆に重ねて塗布する。良好な維持力を示すウォータープルーフの皮膜が睫毛に得られる。
【出願人】 【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【出願日】 平成17年12月19日(2005.12.19)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉

【公開番号】 特開2006−176513(P2006−176513A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2005−365514(P2005−365514)