| 【発明の名称】 |
染毛性化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】白木 和晴 【住所又は居所】三重県上野市ゆめが丘7丁目6番地16 エステートケミカル株式会社内
【氏名】瀬戸島 大輔 【住所又は居所】三重県上野市ゆめが丘7丁目6番地16 エステートケミカル株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、安全性に問題のある従来の染料を使用せずにカラーバリエーションを備え、日毎使用しているうちに徐々に染色することにより白髪をぼかし、または脱色後の毛髪を自然に周囲の毛髪になじませる染毛性化粧料を提供することにある。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下の成分(A)、(B)及び(C)を配合することを特徴とする染毛性化粧料。 (A)銀塩の1種又は2種以上 (B)有機酸塩の1種又は2種以上 (C)染色性植物の粉末及び/又はそれらの抽出物の1種又は2種以上 【請求項2】 成分(A)が硝酸銀及び/又は硫酸銀である請求項1記載の染毛性化粧料。 【請求項3】 成分(A)の配合量が0.001〜3.0重量%である請求項1又は請求項2記載の化粧料。 【請求項4】 成分(B)の有機酸塩の配合量が成分(A)の当量の1〜10倍である請求項1〜請求項3記載の化粧料。 【請求項5】 成分(B)の有機酸塩がクエン酸塩、リンゴ酸塩及び酒石酸塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜請求項4記載の染毛性化粧料。 【請求項6】 成分(C)の染色性植物がヘナ、柿、柘榴、茶、藍、栗、熊笹、桜、薔薇、トマト、コーヒーから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜請求項5記載の染毛性化粧料。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は毛髪を染色するための化粧料であって、特に白髪ぼかし等のように、日毎使用しているうちに徐々に色が濃くなり、目立たなくするための染毛性化粧料に関する。 【背景技術】 【0002】 毛髪の染色に関しては歴史は古く、エジプトにおけるヘナ(HENNA)の使用や、古代支那での茶葉抽出物と鉄による黒染め等が知られている。日本においても江戸末期にザクロの皮やクワの白木根を利用する方法が紹介されている。近年においては、明治から大正にかけてパラフェニレンジアミンを主原料とする最初の酸化染料による染毛剤(ヘアダイ)が白髪染めとして普及し始め、現在に至っている。 【0003】 このヘアダイの主原料であるパラフェニレンジアミンによる皮膚障害は昭和初期頃から知られており、これの対策として銀塩の日光による黒変を利用した「染髪料」がその当時提示されている(特許第113723号)。銀塩は一般的に水に難溶性で酢酸塩及び硫酸塩はわずかに溶ける程度であるが、硝酸銀はフッ化銀等と同様に比較的易溶で、光により分解されて金属銀を生じ、灰色〜黒色を呈する。 【0004】 しかしながら同時に遊離した硝酸により新たな皮膚刺激が発生し、また色も一定で不自然なため広く普及するには至らなかった。さらに硝酸銀は光による分解反応が早く製造時や保管時に完全に遮光する必要があった。なお有機酸の銀塩の場合は反応速度は緩やかであるが不安定なものが多くコントロールが難しい。 【0005】 その後白髪染めばかりでなく若い女性をも対象とした黒髪を明るく染める「おしゃれ染め」の登場を経て、カラーバリエーションとともに毛髪のダメージの低減や感触の向上も求められるようになり、これに応じるように酸性染毛料(ヘアマニキュア)が考案された。このヘアマニキュアは直接染料(色素)のうちの酸性染料を主成分とするため、酸化重合型の酸化染料より皮膚障害が起こりにくいが、毛髪の表面を染色するにとどまるため2〜3週間程度しか持たなかった。 【0006】 この他にも直接染料のうち、塩基性染料や中性染料を主成分としたカラーリンスやヘアクリームが市販されている。塩基性染料はカチオン性のため酸性染料よりも吸着しやすく、中性染料は分子量が他の直接染料より小さいため毛髪内部に入りやすい。従って染色性はヘアマニキュアより優れるが、酸性染料と同様に稀に一部の過敏な人においてこれらに含まれる色素によるアレルギーや刺激もまた皆無ではなかった。 【0007】 そこで皮膚に対しての安全性に配慮して、天然の成分である草木染を応用することを誰もが考案したが、毛髪に対する染色性は衣類等の繊維の染色ほどでなく草木染めの成分だけではあまりにも色が淡すぎて白髪を目立たなくするには及ばず、一部改良方法が提示されている(特開2002−138024)が、これもまた満足できるものではなかった。 【0008】 以上のように、これら従来の方法においては染色性と安全性が両立できず満足が得られなかった。 【0009】 【特許文献1】 特許第113723号公報 【特許文献2】 特開平3−17008号公報 【特許文献3】 特開2002−138024号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、安全性に不安のある染料を使用せずにカラーバリエーションを備え、日毎使用しているうちに徐々に染色することにより白髪をぼかし、または脱色後の毛髪を自然に周囲の毛髪になじませる染毛性化粧料を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明の染毛性化粧料は以下の成分(A)、(B)及び(C)を配合することを特徴とする。 (A)銀塩の1種又は2種以上 (B)有機酸塩の1種又は2種以上 (C)染色性植物の粉末及び/又はそれらの抽出物の1種又は2種以上 【発明の効果】 【0012】 本発明の染毛性化粧料は、日毎使用することにより白髪をぼかし、または脱色後の毛髪を自然に周囲の毛髪になじませることができる優れたものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の染毛性化粧料は、銀塩の1種又は2種以上と、有機酸塩の1種又は2種以上を配合することにより、光による銀塩の分解時に起こる遊離酸の発生を抑えることで皮膚に対する刺激を軽減するとともに製品の安定性を増し、さらに染色性植物の粉末及び/又はそれらの抽出物の1種又は2種以上を配合することでカラーバリエーションに対応できるものと成す。 【0014】 本発明に使用する銀塩としては硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、酢酸銀、乳酸銀、塩化銀、よう化銀、臭化銀、塩素酸銀、よう素酸銀等が挙げられる。このうち硝酸銀及び硫酸銀が、純度、安定性、溶解性及び入手しやすさ等の面で好ましく、特に硝酸銀、次いで硫酸銀が好ましい。 【0015】 銀塩の染毛性化粧料に対する配合量は、0.001重量%〜3.0重量%が好ましく、特に0.01重量%〜1.0重量%が好ましい。0.001重量%未満であると染毛性が不充分で3.0重量%を超えて配合すると黒色が強すぎてカラーバリエーションに不向きであり、また取り扱いも難しくなる。 【0016】 本発明に使用する有機酸塩としては水溶性のものが好ましく、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、グリコール酸等のヒドロキシ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸等の塩が挙げられる。このうち三塩基酸塩であるクエン酸塩が特に好ましく、次いでリンゴ酸、酒石酸等の二塩基酸塩が好ましい。 【0017】 これらの塩としては銀塩の遊離酸と結合したときに水溶性となるものが好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩の他アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙られる。 【0018】 具体的にはクエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸水素アンモニウム、リンゴ酸二アンモニウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸(二)カリウム、乳酸ナトリウム等が挙げられる。 【0019】 本発明に使用する有機酸塩の配合量は、銀塩の当量の1〜10倍が好ましく、当量の2〜5倍がより好ましい。当量未満であると銀塩の遊離酸の発生を抑えられず、当量の10倍を超えて配合すると金属銀が析出し難くなるので染毛性が悪くなる。 【0020】 本発明の染毛性化粧料に有機酸塩を配合する場合、同じ酸の異なる塩を組み合わせるか、さらに元の有機酸も併せて配合するとpH緩衝作用も発揮するので、染毛性化粧料を所望のpHに維持でき、より好都合である。 【0021】 本発明に使用する染色性植物は、茜、うこん、コチニール等一部の発がん性等安全性を疑われているものを除き、特に制限されなく使用できる。具体的にはヘナ、柿、柘榴、茶、藍、栗、熊笹、桜、梅、桃、小豆、菫、薔薇、ハイビスカス、カミツレ、紅茶、コーヒー、甘草、トマト、人参、胡瓜、李、蓬、蜜柑、薩摩芋等が挙げられる。 【0022】 これらの染色性植物を配合する場合は、所望の色素を含む部位、例えば葉、樹皮、花弁、果実、果皮等の粉末又は乾燥粉末、或いは必要に応じて醗酵、焙煎等の処理をしたものを使用する。また、これらの水及び/又はアルコール等の水溶性の溶媒による抽出物も有用で、飲用に供する緑茶、紅茶、コーヒー、果汁等もそのまま、或いは必要に応じて濃縮、ろ過等の処理をして使用することができる。 【0023】 さらにこれらの染色性植物の粉末及び/又はそれらの抽出物の2種以上を組み合わせて所望の色とすることができる。 【0024】 本発明の染毛性化粧料は、一般的なシャンプー、リンス、トリートメント、ヘアローション、ヘアスプレー、ヘアムース、ヘアフォーム、ヘアオイル、ヘアワックス等、液剤、クリーム、ジェル等のあらゆる剤型の頭髪用化粧品とすることができるが、染色性植物の粉末を配合する場合はシャンプー、リンス等の洗い流すものとするのが好ましい。なおこれらの頭髪用化粧品とする際、本発明の効果を損なわない範囲内で一般的に用いられる各種成分、例えば、溶剤、油剤、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、増粘剤、着香剤、抗炎症剤、毛髪感触向上剤等を配合することができる。 【実施例】 【0025】 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は重量%とする。 【0026】 表1に銀塩と有機酸塩の組み合わせによる染色性を示した。なお使用した銀塩及び有機酸塩並びに有機酸は全て和光純薬工業(株)製の試薬を用いた。また染色性については白髪毛束をそれぞれの液に20分間浸漬後、水洗して乾燥した後評価した。 【0027】 表1に示すとおり銀塩の配合量が0.001%未満のものは染色が淡く、また3.0%を超えるものは黒く染まりすぎてカラーバリエーションに対して不向きであった。さらに有機酸塩の銀塩に対する当量比が10倍を超えると銀塩の析出が非常に遅く、毛髪を染める程には至らなかった。 【0028】 次に、以下の処方例1〜5の染毛性化粧料を作成し、これらについての染毛性を評価した。 【0029】 処方例1:シャンプー (1) カチオン化セルロース 0.5% (2) ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%)15.0% (3) ラウリル硫酸ナトリウム液(30%) 25.0% (4) ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.5% (5) グリセリン 0.5% (6) 硝酸銀 0.8% (7) クエン酸三ナトリウム 0.8% (8) クエン酸 1.0% (9) 粉末ヘナ 5.0% (10)安息香酸ナトリウム 1.0% (11)香料 0.1% (12)精製水 45.8% 【0030】 処方例2:ヘアリンス (1) セタノール 4.5% (2) ステアリルアルコール 3.0% (3) ヒマシ油 3.0% (4) 塩化アルキルトリメチルアンモニム 2.0% (5) イソプロパノール 0.5% (6) ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 0.5% (7) パラオキシ安息香酸メチル 0.4% (8) 硝酸銀 0.5% (9) クエン酸三ナトリウム 0.5% (10)クエン酸 0.8% (11)抹茶 6.0% (12)香料 0.1% (13)精製水 78.0% 【0031】 処方例3:ヘアクリーム (1) セタノール 5.0% (2) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3.5% (3) オクチルドデカノール 5.0% (4) パルミチン酸オクチル 5.0% (5) ポリオキシエチレン(6E.O.)セチルエーテル 1.0% (6) 濃グリセリン 3.0% (7) パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (8) パラオキシ安息香酸プロピル 0.2% (9) 硝酸銀 0.6% (10)リンゴ酸ナトリウム 0.9% (11)リンゴ酸 1.0% (12)コーヒー 50.0% (13)香料 0.1% (14)精製水 24.5% 【0032】 処方例4:ヘアワックス(水性タイプ) (1) 流動パラフィン 10.0% (2) パラフィン 5.0% (3) ステアリルアルコール 6.0% (4) キャンデリラロウ 2.0% (5) ジプロピレングリコール 5.0% (6) ポリオキシエチレン(6E.O.)セチルエーテル 4.5% (7) メチルポリシロキサン 0.5% (8) パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (9) 硫酸銀 1.0% (10)リンゴ酸ナトリウム 1.2% (11)リンゴ酸 0.8% (12)バラエキス(プロピレングリコール抽出液) 10.0% (13)香料 0.1% (14)精製水 53.7% 【0033】 処方例5:ヘアフォーム(ポンプ式容器に充填して使用) (1) エチルアルコール(95%) 6.0% (2) ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0% (3) 塩化セチルトリメチルアンモニウム 5.0% (4) コハク酸ジエトキシエチル 0.1% (5) テトラデセンスルホン酸ナトリウム液(30%) 0.5% (6) パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (7) 硝酸銀 0.5% (8) クエン酸三ナトリウム 1.2% (9) クエン酸 0.6% (10)トマト果汁(布でろ過したもの) 50.0% (11)香料 0.1% (12)精製水 30.8% 【0034】 実施例5:処方例1のシャンプーを白髪毛束に塗布し、10分間放置後水洗し、乾燥した。これを繰り返し行うと、8回目でイエローブラウンとなり始め、15回目において良好なイエローブラウンヘアーとなった。 【0035】 実施例6:処方例2のヘアリンスを白髪毛束に塗布し、15分間放置後水洗し、乾燥した。これを繰り返し行うと、12回目で良好なマットグリーンヘアーとなった。 【0036】 実施例7:処方例3のヘアクリームを白髪毛束に塗布し、8時間放置後水洗し、乾燥した。これを繰り返し行うと、5回目で良好なナチュラルブラックヘアーとなった。 【0037】 実施例8:処方例4のヘアワックスを白髪毛束に塗布し、8時間放置後水洗し、乾燥した。これを繰り返し行うと、7回目で良好なレッドブラウンヘアーとなった。 【0038】 実施例9:処方例5のヘアフォームを白髪毛束に塗布し、8時間放置後水洗し、乾燥した。これを繰り返し行うと、8回目で良好なライトブラウンヘアーとなった。 【0039】 以上のように、本発明による染毛性化粧料は日毎使用しているうちに白髪を徐々に染色でき、また染色性植物を選択することにより所望の色とすることができる優れたものであった。さらに白髪の他、脱色(ブリーチ)毛等にも利用でき、色についても染色性植物の組み合わせにより、様々なカラーバリエーションにも応用できるものである。 【0040】 【表1】
|
| 【出願人】 |
【識別番号】397031304 【氏名又は名称】エステートケミカル株式会社 【住所又は居所】三重県伊賀市ゆめが丘7丁目6番地16
|
| 【出願日】 |
平成16年12月20日(2004.12.20) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2006−176486(P2006−176486A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月6日(2006.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−382789(P2004−382789) |
|