トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウムを含有する化粧料。
【発明者】 【氏名】岩本 賢二

【氏名】藤川 多布利

【要約】 【課題】化粧料への生薬抽出物配合において障碍となりやすい匂い、香り等官能性の低下、有効性の不顕性、使用感劣化などを防止できる生薬抽出物含有化粧料の提供。

【解決手段】生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウム含有を特徴とする化粧料を提供する。乾燥させた酸化ジルコニウムに、適用皮膚状態に適合しやすい組合せの生薬抽出物を吸着させることで、より少ない生薬抽出物量で、持続的な効果を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウムの含有を特徴とする化粧料。
【請求項2】
生薬抽出物の生薬が、オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ、トウキからなる群から選択される二種以上であることを特徴とする請求項1の化粧料。
【請求項3】
生薬抽出物の生薬が、カッコン、センキュウ、コウカ、ヨクイニン、トウキからなる群から選択される二種以上であることを特徴とする請求項1の化粧料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【001】
本発明は生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウムの含有を特徴とする化粧料に関し、さらに詳しくは、生薬抽出物の生薬が、オウレン、オウゴン、オウバク、サンシシ、トウキからなる群から選択される二種以上であることを特徴とする化粧料及びまたは、生薬抽出物の生薬が、カッコン、センキュウ、コウカ、ヨクイニン、トウキからなる群から選択されるニ種以上であることを特徴とする化粧料に関し、酸化ジルコニウム吸着の生薬抽出物が、より少量で、より持続的に、より有効に発する皮膚機能賦活効果にかかわる。
【背景技術】
【002】
化粧料への生薬抽出物配合においては、効果を得るまでに様々な制約がある。一は生薬抽出物配合が化粧料そのものの香気や色調を損ないやすいこと。二はそれを防ごうとする配合量低減が有効性発現を著しく妨げること、三は通常の化粧料基剤に配合した場合の、基剤の易乾燥による生薬抽出物の皮膚への作用時間の短さなどである。これらのことを免れるには、油脂・ロウ基剤を採る界面活性剤を量多く用いる、生薬抽出物配合量を増やすなどの方法があるが、使用の感触、安全性、官能性を損なうなどの危惧が大きく、実用に供し難い。
【003】
また化粧料への生薬配合においては、効果を得るために考慮すべき条件がある。一は対象とする皮膚状態への生薬薬性の適合性(例えば熱性状態には冷化作用性生薬を、寒性状態には保温作用性生薬をあてるなど)であり、二は対象とする皮膚状態への生薬の刺激性(例えば無気力状態には刺激性生薬を、過敏状態には鎮静性生薬をあてるなど)である。皮膚状態は複合するので、何れの場合も単味の生薬では目的を果たせず、複数以上の生薬の合目的な組合せで対応することができ、その上ではじめて皮膚機能賦活の実を得ることができる。
【004】
即ち保健あるいは改善をはかるべき皮膚状態に適した複数生薬を、皮膚に働きやすいよう相溶せしめ、その可能な限りの少量配合での、作用持続性の高い生薬抽出物配合化粧料が望ましいのであり、しかも現時このことにかなう化粧料は乏しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【005】
現在、女性を中心とする大多数の憂心事は「顔面のしわ」ことに目の周囲、口周辺のそれである。化粧料による対策として行われているのは、コラーゲンなど弾力線維やヒアルロン酸など保水剤の経皮補給や、コラーゲンをはじめとする保湿剤の外塗、さらにコラゲナーゼ(コラーゲンを壊す)阻害剤やヒアルロニターゼ(ヒアルロン酸を壊す)阻害剤の真皮への送達の試みであるが、その何れもにおいて確たる効果を得るには至っていない。また唯一有効性の期待あるビタミンA系薬剤は、製剤後の安定性悪く、安全性においても問題なしとしない。コラーゲンなどの経皮補給は、皮膚のバリアーにより吸収性が疑われており、保湿剤の外塗はしわ予防の外塗時に一時的な効果が見えるも、しわ改善は不確かである。コラゲナーゼやヒアルロニターゼの阻害は、in vitroでの効果のin vivoへの類推に過ぎず、生活時間における受ストレス時間、皮膚が空調設備下に在る時間、曝光時間などの増加等、「しわ」発現機会の増えつつある生活環境にあって、精神衛生の面からも、効果的な皮膚機能賦活化粧料、ことにしわを予防改善するそれの創成が望まれている。
【006】
本発明はそのような必要に対し、上記の課題を解決するために研究され、一定の成果を得うることが見出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【007】
即ち、請求項1にかかわる発明は、生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウムの含有を特徴とする化粧料に関する。請求項2にかかわる発明は、生薬抽出物の生薬が、オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ、トウキからなる群から選択されるニ種以上であることを特徴とする請求項1の化粧料に関する。請求項3にかかわる発明は、生薬抽出物の生薬が、カッコン、センキュウ、コウカ、ヨクイニン、トウキからなる群から選択されるニ種以上であることを特徴とする請求項1の化粧料に関する。
【発明の効果】
【008】
生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウムの含有を特徴とする化粧料は、生薬抽出物をクリーム、ローションほか、通常の化粧品基剤に加える場合より、より少量の配合で(従って化粧品としての香気や色調を損なうことなく)作用持続性高く、あきらかな皮膚機能賦活効果を発揮する。また、本発明において生薬抽出物は不溶性の酸化ジルコニウムに吸着されているので、化粧料基剤の乾燥で皮膚上にとり残されることなく作用を保つことができ、さらに対象とする皮膚状態に適合するよう生薬選択が行われているので安全性もきわめて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【009】
以下本発明について詳しく説明する。本発明にかかわる化粧料は、生薬抽出物を吸着した酸化ジルコニウムの含有を特徴とする。酸化ジルコニウム(zirconium dioxide,ZrO2)は分子量123、比重5.6、水、希酸、アルカリ塩、有機溶媒に不溶の物質で、電気伝導率高く、酸素を拡散しやすいことから固体電解質として利用される。化粧品においては、製品に展性、被覆力を与え、皮膚への付着性をよくする目的で、おしろい、ファンデーション、ボディーパウダー、アイシャドーなど専らメイクアップ化粧料に白色顔料として用いられる。但し化粧料基剤に溶けないため、メイクアップ化粧料以外に用いられることは少ない。因みにメイクアップ化粧料とは皮膚へのペインティングを目的とするもので、皮膚の保健目的で用いられる基礎化粧品と対置する謂いである。
【0010】
本発明者らは、この酸化ジルコニウムを真空乾燥する(水分量5%以下)と、表面吸着の水分が減じた後に施す生薬抽出物蒸着の蒸着率が著しく高まることを見出した。それにより通常の化粧料基剤に直接配合する生薬抽出量より少量で、より高い効果を得ることができる。
【0011】
次に生薬抽出物の生薬について説明する。オウレンは、キンポウゲ科オウレン(Coptiscinensis Franch)の乾燥根茎でベルベリン、コプティシン、オウレニンなどを成分とし、またオウバクはミカン科キハダ(Phellodendron amurense Rupr)の除コルク層樹皮乾物で、ベルベリン、オウバクノンなどを成分とし、またオウゴンは、シソ科コガネバナ(Scutellaria baicalemsis Georgi)の乾燥根茎で、バイカリン、オウゴニンなどを成分とし、またサンシシはアカネ科コリンクチナシ(Gardenia jasminoides Ellis)の乾燥熟果でクロシン、クロセチン、サフロール黄などを成分とし、何れも消炎目的で内用される。またトウキはセリ科トウキ(Angelica sinensis Diels)の乾燥根で、精油、ビタミンEなどを含み、月経調整、血滞疎通目的で内用される。
【0012】
次にカッコンはマメ科クズ(Pueraria pseudo−hirsuta Tang)の乾燥塊根でプエラリン、ダイゼインなどを成分として、降圧、項背拘急(肩こり)緩和目的で、またセンキュウはセリ科センキュウ(Ligusticum wallichii Franch)の乾燥根でアルカロイド、ウエルリツ酸などを成分とし、降圧、拡血管、鎮静目的で、またコウカはキク科ベニバナ(Carthamus Tinctorius L)の花冠乾燥物でカルサミン、サフロール黄などを成分とし、消炎、拡血管目的で、またヨクイニンはイネ科ハトムギ(Coix Lachryma−jobi L)


で、何れも内用される。
【0013】
上記生薬から抽出物を得るに用いる溶剤は、極性溶媒として、水、低級アルコール、高級アルコール、炭化水素類、あるいはその誘導体などを例示でき、非極性溶媒としては石油エーテル、あるいは炭素類4〜8の脂肪族炭化水素、炭素数1〜2の脂肪族炭化水素のハロゲン化物、炭素数6〜7の芳香族炭化水素などを例示できる。また抽出方法はとくに限定されない。
【0014】
本発明においては乾燥酸化ジルコニウムに上記生薬抽出物の群から選択された二種以上を合して含浸させる、あるいはまた加熱蒸気を蒸着させ、何れの場合も生薬抽出物を担持した酸化ジルコニウムを乾燥除湿(水分量5%以下)する。また乾燥除湿の方法はとくに限定されない。
【0015】
このようにして得られた生薬抽出物吸着の酸化ジルコニウムを含有せしめた化粧料は、通常化粧料基剤に生薬抽出物を配合した場合より、より少量の生薬抽出物量で、匂いや色調、肌触りなどにおいての違和感なく、安全に持続的な皮膚機能賦活効果をあらわす。
【0016】
本発明の化粧料の形態は、通常の化粧料形態の何れを採るもよしとする。即ちローション、乳液、クリーム、パックなどの基礎化粧品。おしろい、ファンデーション、アイシャドー、口紅などのメイクアップ化粧品。さらにボディーパウダー、浴用化粧品などの諸形態である。
【0017】
本発明の化粧料において、その採る剤型内容により、生薬抽出物吸着酸化ジルコニウムに加え、公知の外用剤原料を適宣配することは、本発明の効果を妨げない。公知の外用剤原料としては油脂類、ロウ類、炭化水素、脂肪酸類、アルコール類、多価アルコール類、エステル類、アミン、アミド、金属セッケン、水溶性高分子化合物、界面活性剤、酸化防止剤、ビタミン、ホルモン、香料、微生物防腐殺菌剤、アミノ酸、有機薬品類、無機薬品類、金属イオン封鎖剤、保湿剤、動植物薬品類などがある。
【0018】
本発明において用いる生薬抽出物の抽出は、特に限定あるものでなく、公知の生薬抽出法の何れに依るもよしとする。例えば前記溶媒をそれぞれの生薬乾燥物に約12〜20倍量加え、2〜24時間の浸漬後、1〜2時間還流加温(約80°)抽出し、濾過濃縮し、乾燥するなどである。別に化粧品原料基準、汎用化粧品原料集など、公定書等の規格生薬抽出物なども好適に用い得る。
【0019】
以下本発明の化粧料を、実施例に基き詳述するが、本発明はこのような実施例に限定されるものではない。(配合量は重量%)
【0020】
(実施例1)
水分量5%以下に乾燥した酸化ジルコニウム末を、次の割合の生薬抽出物混合溶液に約15分浸漬攪拌し、水分量5%以下になるよう乾燥し、細砕混合して浴用剤をつくる。
組成〜オウレン抽出物:オウバク抽出物:オウゴン抽出物:トウキ抽出物
=0.7:0.7:0.7:1.0・・・・・・(注1)
以上を合して水10に溶かし、酸化ジルコニウム10に浸漬し、のち乾燥細砕する。
【0021】
(対照例1)
実施例1の生薬抽出物・・・(注1)を水に溶かさず次の組成で浴用剤をつくる。
組成〜生薬抽出物(注1) 3.1
硫酸ナトリウム 45.0
炭酸水素ナトリウム 残量
ホウ砂 2.0
合計 100.0重量(%)
【0022】
(実施例2)
次の生薬抽出物を次の割合で合して水に溶かし、実施例1の手順にならって酸化ジルコニウムに吸着させ浴用剤をつくる。
生薬抽出物組成〜カッコン抽出物:コウカ抽出物:ヨクイニン抽出物:センキュウ抽出物
=0.5:0.5:0.5:0.5・・・(注2)
以上を合せて水10に溶かし、酸化ジルコニウム10に浸漬し、乾燥細砕する。
【0023】
(対照例2)
実施例2の生薬抽出物・・・(注2)を水に溶かさず次の組成で浴用剤をつくる。
組成〜生薬抽出物(注2) 2.0
硫酸ナトリウム 45.0
炭酸水素ナトリウム 残量
ホウ砂 2.0
合計 100.0重量(%)
【0024】
(試験例1)
過去に化粧品皮膚炎、又は日光皮膚炎、又はアトピー性皮膚炎経験ある(何れも現在発症なし)女性(13歳〜54歳)14人を二分し、その7人に実施例1の、別の7人に対照例1の浴用剤を、それぞれ2週間継続して浴用せしめた。(浴槽への一回投入量は50g)試用前後の皮膚状態を次の基準1で比較した。基準での二段階以上改善を有効、一段階改善をやや有効、その他を無効とした。結果を表1に示す。
【0025】
(基準1)
1. 口唇周囲や首筋にしわが目立つ。
2. 口唇周囲または首筋にしわがみえる。
3. 口唇や首を動かせるとしわがくっきりする。
4. 表情を動かせると口唇周囲にだけしわができる。
5. 口唇周囲や首筋に目立ったしわはみえない。
【0026】
(試験例2)
試験例1と同じようにして選んだ被験女性7人ずつ(27〜46歳)に実施例2及び対照例2の浴用剤を同様の方法で試用せしめた。評価は次の基準2により、試用前後の皮膚状態を比較した。なお改善二段階以上を有効、改善一段階をやや有効、その他を無効とした。また浴槽への一回投入量は50g、試用は2週間の継続である。結果を表2に示す。
【0027】
(基準2)
1.入浴後の浴湯に垢は浮いていない。清拭後10分ぐらいですでにしっとり感はない。
2.入浴後の浴湯に垢は浮いていない。清拭後10分ぐらいまではしっとり感がある。
3.入浴後の浴湯に所々垢が浮き、清拭後10分ぐらいまではしっとり感がある。
4.入浴後の浴湯に所々垢が浮き、清拭後30分の皮膚はしっとり感が残る。
5.入浴後の浴湯はうっすら垢が浮き、清拭後30分の皮膚はしっとりしている。
(注3)女性ホルモン分泌の改善度は、皮膚新陳代謝改善度に等しく、浴後浴湯に浮く垢や、清拭後皮膚の水分保持能となってあらわれる。
【0028】


【0029】


【0030】
(表1)、(表2)に示された結果のとおり、実施例1〜2の生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウム配合の化粧料は、それぞれ対照例1〜2の化粧料に比べ、すぐれた皮膚機能賦活効果をあらわす。実施例1は対照例1と、実施例2は対照例2と、それぞれ生薬抽出物の種類、組合せ、量は同じなので、生薬抽出物を酸化ジルコニウムに吸着させたものを用いるとき、生薬抽出物を従来のように通常化粧料基材に配合する場合により、より少なくすることができる。
【0031】
次に生薬抽出物を吸着させた酸化ジルコニウム含有化粧料の皮膚感作試験と光のパッチテストの結果を示す。
方法〜試験例1の被験者14人を対照に、各その前腕内側に湿潤した実施例1の化粧料を貼布し、48時間後の被験部位を対照(同じく前腕内側に無刺激性プロペトワセリン〜丸石製薬製を貼布したもの)と比較し、紅斑の有無、程度を判定した。また光パッチテストは、前記貼布試験24時間後、直ちに被験部位(陰性)に検体の貼布されたままの状態で、紫外線を3分照射後24時間後に結果判定した。結果は、検体、対照共全員陰性。
【0032】
上記のように、本発明化粧料は効果、安全性共、きわめてすぐれていることがわかる。
【出願人】 【識別番号】504094224
【氏名又は名称】株式会社サンブレン
【識別番号】598008293
【氏名又は名称】藤川 多布利
【出願日】 平成16年12月22日(2004.12.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−176484(P2006−176484A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2004−382775(P2004−382775)