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【発明の名称】 歯磨剤組成物
【発明者】 【氏名】石黒 敬二
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】(A)リン酸水素カルシウム、(B)水、及び(C)カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(D)アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合してなり、前記(C)成分と前記(D)成分との合計含有量が組成物全体の0.7〜1.8質量%、かつ(C)成分と(D)成分との質量比[(C)/(D)]が1〜4であることを特徴とする歯磨剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)リン酸水素カルシウム、(B)水、及び(C)カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(D)アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合してなり、前記(C)成分と前記(D)成分との合計含有量が組成物全体の0.7〜1.8質量%、かつ(C)成分と(D)成分との質量比[(C)/(D)]が1〜4であることを特徴とする歯磨剤組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、製剤の経時による固さ増加を抑制し、製造直後から長期間に亘ってチューブ等の収容容器からの押し出し易さが良好であると共に、歯ブラシへの乗せ易さも良好な歯磨剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯磨剤組成物の研磨剤として、リン酸水素カルシウム2水和物等のリン酸水素カルシウムがあり、優れた清掃力・清掃感を持つため、従来より多くの歯磨剤組成物に使用されている。
【0003】
一方、歯磨剤組成物の粘結剤として汎用のものにカルボキシメチルセルロースナトリウムがあり、このカルボキシメチルセルロースナトリウムは、様々な歯磨剤組成物に利用されており、歯磨剤組成物の水分保持、保型性に優れ、他の粘結剤に比べて安価であるため、多くの歯磨剤組成物に使用されている。
【0004】
しかしながら、歯磨剤組成物にリン酸水素カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムとを併用すると、歯磨剤が経時で固くなり、チューブ等の収容容器から押し出し難くなるという欠点があった。
【0005】
従来技術では、歯磨剤組成物においてリン酸水素カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムは汎用に使用されているにもかかわらず、両者を併用した場合の製剤が経時で固くなる現象を解決する手段は見出されていない。なお、リン酸水素カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用する場合、カルボキシメチルセルロースナトリウムの配合量を減らして、製造初期粘度を低く抑えることなどにより、製造後時間が経った後のチューブ等の容器からの押し出し易さを確保することは可能であるが、カルボキシメチルセルロースナトリウムの配合量を減らすと保型性が悪くなるため、製造直後には歯ブラシに乗せた時に歯ブラシから垂れるなど、歯ブラシへの歯磨剤の乗せ易さがよくないといった欠点が生じる。
【0006】
従って、経時で固くなる現象を防止して製造直後から長期間に亘り押し出し易さを良好に維持することができ、歯ブラシへの乗せ易さも良好な歯磨剤組成物の開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】特開平11−71250号公報
【特許文献2】特開平11−71251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、製剤が経時で固くなるのを抑制し、製造直後から長期間に亘ってチューブ等の収容容器からの押し出し易さが良好で、かつ歯ブラシへの乗せ易さも良好な歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)リン酸水素カルシウム、(B)水、及び(C)カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(D)アルギン酸プロピレングリコールエステルを、前記(C)成分のカルボキシメチルセルロースナトリウムと(D)成分のアルギン酸プロピレングリコールエステルとの合計含有量が組成物全体の0.7〜1.8質量%であり、かつ(C)成分と(D)成分の質量比[(C)/(D)]が1〜4となるように配合することにより、リン酸水素カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムとを併用していても、製造後時間が経った後も固くならず、製造直後から長期間に亘って歯磨剤のチューブ等の収容容器からの押し出し易さが良好で、かつ歯ブラシへの乗せ易さも良好な歯磨剤組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0010】
なお、アルギン酸プロピレングリコールエステルは、増粘剤、安定剤、ゲル化剤等として公知であり、また、縮合リン酸塩とキサンタンガムを併用した口腔用組成物、あるいはキサンタンガムを含有し、アルカリ性である口腔用組成物にアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合することで、経時による粘度低下、液分離を改善し得ることが特許文献1、2(特開平11−71250号公報、特開平11−71251号公報)に提案されている。しかし、リン酸水素カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムとを併用した場合の歯磨剤の収容容器からの押し出し難さ、更には歯ブラシへの乗せ易さを、アルギン酸プロピレングリコールエステルを特定割合で併用して配合することによって同時に改善できることは、本発明者の新知見である。
【0011】
従って、本発明は、(A)リン酸水素カルシウム、(B)水、及び(C)カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する歯磨剤組成物に、(D)アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合してなり、前記(C)成分と前記(D)成分との合計含有量が組成物全体の0.7〜1.8質量%、かつ(C)成分と(D)成分との質量比[(C)/(D)]が1〜4であることを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リン酸水素カルシウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムとを併用していても、製剤の経時による固さ増加を抑制し、製造直後から長期間に亘ってチューブ等の収容容器からの押し出し易さ、及び歯ブラシへの乗せ易さを良好に維持できる歯磨剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について更に詳細に説明すると、本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨等として好適に調製できるもので、(A)リン酸水素カルシウム、(B)水、(C)カルボキシメチルセルロースナトリウム、(D)アルギン酸プロピレングリコールエステルを含有し、(C)成分と(D)成分との合計含有量、(C)成分と(D)成分の質量比が特定範囲であるものである。
【0014】
本発明において使用されるリン酸水素カルシウムは、通常歯磨剤に用いられる2水和物、無水和物のどちらでもよいが、平均粒径が10〜50μmで吸液量が0.5〜0.9mL/2gであるものが好適に使用され、例えばリン酸水素カルシウムの2水和物の場合、平均粒径が10〜50μmで吸液量が0.5〜0.9mL/2gである東ソーファインケム(株)製の歯磨用リン酸カルシウム2水和物やRhodia社製のVictor DF等が挙げられる。また、リン酸水素カルシウムの無水和物の場合、平均粒径が10〜50μmで吸液量が0.5〜0.9mL/2gである東ソーファインケム(株)製:歯磨用リン酸カルシウム無水和物等がある。
【0015】
なお、リン酸水素カルシウムの平均粒径は、日機装製マイクロトラック粒度分布測定装置Model 7995−10を用いて0.5gをイオン交換水中に投入することにより測定した値である。
【0016】
また、リン酸水素カルシウムの吸液量は、一定量の試料を滑らかなガラス板上に量りとり、ヘラで液分が全体に均一に混ざるようによくほぐし、グリセリン(42.5%)を滴下した後、最後に試料をヘラでガラス板の中央に集め、ヘラでガラス板よりはがしてみて、きれいにはがれる時を終点とし、質量あたりの試料に要したグリセリン量を吸液量として測定した値である。
【0017】
上記リン酸水素カルシウムとしては、2水和物、無水和物を単独で使用してもこれらを併用して用いてもよく、その合計含有量は、歯磨剤組成物全体の15〜60質量%、特に30〜50質量%が好ましい。配合量が15質量%未満の時は、口腔内清掃力が低くなると共に、製造直後から保型性がなく歯ブラシから垂れ落ちる場合があり、60質量%を超えるものは、製造直後から保型性が高すぎるため歯ブラシから歯磨剤が転がり落ちたり、口腔内での分散性が悪くなり、使用性に劣る場合がある。
【0018】
また、本発明の歯磨剤組成物には、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコールエステルを膨潤させて本発明の効果を得るために、水の配合が必須である。歯磨剤組成物の水の含有量は、歯ブラシへの乗せ易さの点から好ましくは歯磨剤組成物全体の15〜60質量%、特に20〜40質量%が好ましい。配合量が15質量%未満の時は、製造直後から保型性が高すぎて歯ブラシから歯磨剤が転がり落ちたり、製剤の口腔内分散性が悪くなる場合があり、60質量%を超えるものは製造直後から保型性が低く、歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちる場合がある。
【0019】
また、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、セルロースの水酸基にカルボキシメチル基を導入して製造されるものであり、その置換度(エーテル化度)を変化させることで様々な特徴をもつカルボキシメチルセルロースナトリウムが製造できるが、本発明ではエーテル化度0.5〜1.5、より好ましくは0.6〜1.3、更に好ましくは0.8〜1.0のカルボキシメチルセルロースナトリウムが好適に使用できる。エーテル化度0.5未満のものでは、水への溶解性が低く、練歯磨剤としての十分な粘性を得ることができない場合があり、1.5を超えるものでは、製造直後から保型性が低く、歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちる場合がある。
【0020】
また、カルボキシメチルセルロースナトリウムの重合度を変化させることで様々な粘度を持つカルボキシメチルセルロースナトリウムが製造されるが、本発明では重合度が150〜650、より好ましくは200〜600、更に好ましくは250〜500のものが好適に使用できる。重合度が150未満では、製造直後より保型性が低く、歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちる場合があり、650を超えると、製造直後から歯磨剤が固くなりすぎて、チューブから押し出しにくくなる場合がある。
【0021】
カルボキシメチルセルロースナトリウムの含有量は、歯磨剤のチューブからの押し出し易さや歯ブラシへの乗せ易さの点から、好ましくは歯磨剤組成物全体の0.4〜1.4質量%、特に0.6〜1.2質量%が好適である。カルボキシメチルセルロースナトリウムの配合量が0.4質量%未満の時は、製造直後から保型性が低く、歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちる場合があり、1.4質量%を超えるものは、製造直後から粘度が高く、チューブ等の収容容器からの押し出し易さに劣ったり、保型性が高すぎて歯ブラシから歯磨剤が転がり落ちる場合がある。
【0022】
また、アルギン酸プロピレングリコールエステルは、そのアルギン酸のカルボキシル基にプロピレンオキサイドを反応させて作られるもので、例えば、株式会社紀文フードケミファ(株)製のダックロイド、君津化学工業(株)製のキミロイドなどの商品名で商品化されているもの等が挙げられる。
【0023】
本発明において、アルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量は、歯磨剤のチューブからの押し出し易さや歯ブラシへの乗せ易さの点から、歯磨剤組成物全体に対して好ましくは0.2〜0.9質量%、より好ましくは0.2〜0.5質量%である。配合量が0.2質量%未満の時は歯磨剤が経時で固くなる現象を抑える効果が発揮されないため、経時で固くなり歯磨剤のチューブ等の収容容器からの押し出し易さが悪くなる場合があり、0.9質量%を超えるものは製造直後から保型性が悪くなるため歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちる場合がある。
【0024】
更に、上記カルボキシメチルセルロースナトリウムとアルギン酸プロピレングリコールエステルの合計含有量は、歯磨剤のチューブからの押し出し易さや歯ブラシへの乗せ易さの点から、組成物全体の0.7〜1.8質量%、好ましくは1.0〜1.5質量%の範囲とする。合計含有量が0.7質量%未満では、製造直後から歯磨剤の十分な保型性が得られず、歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちてしまい、1.8質量%を超えると、製造直後から保型性が高すぎるため歯ブラシから製剤が転がり落ちてしまい、使用性に劣るものとなってしまう。
【0025】
また、上記カルボキシメチルセルロースナトリウムとアルギン酸プロピレングリコールエステルの質量比[(C)/(D)]は、歯磨剤のチューブからの押し出し易さや歯ブラシへの乗せ易さの点から、(C)/(D)が1〜4、好ましくは2〜3の範囲であることが必要である。(C)/(D)の質量比が1未満では、製造直後から十分な保型性が得られず歯ブラシから歯磨剤が垂れ落ちるなど歯ブラシへの乗せ易さが損なわれてしまい、4を超えると経時による固さ増加抑制の効果が得られず、経時で固くなり歯磨剤のチューブ等の収容容器からの押し出し易さが悪くなってしまう。
【0026】
本発明の歯磨剤組成物は、その剤型に応じ、上記必須成分に加えて任意成分としてその他の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。練歯磨の場合は、例えば上記以外の研磨剤、上記以外の粘結剤、界面活性剤、香料、甘味剤、防腐剤、各種有効成分、着色剤等を配合でき、これら成分と水とを混合して製造することができる。
【0027】
研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。これらの研磨剤の配合量は、歯磨剤組成物全体の2〜20質量%、特に10〜15質量%とすることが好ましい。
【0028】
粘結剤としては、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カラギーナン、グアガム、アルギン酸ナトリウム、カチオン化セルロース、モンモリロナイト、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、カラヤガム、ビーガム、キサンタンガム等が挙げられる。これら粘結剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができるが、歯磨剤組成物全体の0.1〜1質量%、特に0.2〜1質量%が好適である。
【0029】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合し得る。アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のエーテル型の活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチンなどが挙げられる。
【0030】
これら界面活性剤の配合量は、歯磨剤組成物全体の0.1〜3質量%、特に0.5〜1.5質量%とすることが好ましい。
【0031】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム等、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0032】
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。
【0033】
各種有効成分としては、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等のグルカナーゼ、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェノール、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロロヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、アミラーゼ、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物が挙げられる。なお、これらの有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
【0034】
着色剤としては、青色1号、黄色4号、緑色3号、二酸化チタン等を通常量で配合することができる。
【0035】
本発明の口腔用組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、例えばチューブ容器の材質としては、通常、口腔用組成物に使用されるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の材質を使用できる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
【0037】
〔実施例、比較例〕
下記表1,2に示す組成の歯磨剤組成物を下記製造法により調製した。
製造法;
(1)精製水中にサッカリンナトリウム、ソルビット、安息香酸ナトリウムを常温で混合溶解させ、増粘性シリカを均一分散させたA相を調製する。
(2)プロピレングリコール中にカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルを常温で分散させたB相を調製する。
(3)撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製する。
(4)C相中に、香料、研磨剤等の水溶性成分以外の成分を1.5Lニーダー(石山工作所製)により常温で混合し、減圧(4kPaまで減圧)による脱泡を行い、歯磨剤組成物1.2kgを得た。
【0038】
得られた歯磨剤のチューブからの押し出し易さ(押し出し荷重測定、押し出し易さの官能評価)及び歯磨剤のチューブへの乗せ易さを以下の方法により評価した。結果を表1,2に示す。
【0039】
<押し出し荷重の測定法>
評価方法;
歯磨剤のチューブからの押し出し荷重の測定は、サン科学(株)製レオメーターModel CR500DXを用いて測定した。表1,2に示した組成の歯磨剤を、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる胴部直径26mm、長さ17cm、口径8mmのラミネートチューブ(LDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30,厚み257μm(大日本印刷(株)製))に80g充填し、キャップを外した後、レオメーターに横向きにセットした。直径20mmφの円盤状アダプターを取り付け、チューブ側面を300mm/分の速度で圧縮するときチューブより歯磨剤が1cm出るまでに必要とする力を計測し、これを歯磨剤のチューブからの押し出し荷重(g)とした。
【0040】
なお、使用したラミネートチューブの層構成における略号と名称は以下の通りであり、略号に続く数字は各層の厚み(μm)を示したものである。
LDPE:低密度ポリエチレン
白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
【0041】
<押し出し易さの官能評価>
評価方法;
表1,2に示した歯磨剤組成物を上記チューブに詰め、10名の被験者により、適量を歯ブラシに取り出すときの押し出し易さについて、以下の基準で絶対評価を行い、平均値を求めた。
評点;
3点:わずかな力で簡単に歯磨剤をチューブから出すことができる。
2点:やや強い力で歯磨剤をチューブから出すことができる。
1点:強く握らないと歯磨剤がチューブから出てこない。
評価基準;
◎ 平均点 2.5点以上3点以下
○ 平均点 2点以上2.5点未満
△ 平均点 1.5点以上2点未満
× 平均点 1.5点未満
【0042】
<歯磨剤のブラシへの乗せ易さの評価>
評価方法;
歯磨剤の歯ブラシへの乗せ易さは、表1,2に示した歯磨剤組成物を上記チューブに詰め、10名の被験者により、適量を歯ブラシ(ライオン株式会社製、クリニカハブラシ4列ヘッド、ミディアム)に乗せたときの歯ブラシからの歯磨剤の垂れ落ちや転がり落ちの有無について以下の基準で評価を行った。
評価基準;
◎ 歯磨剤が歯ブラシから垂れ落ちた、又は転がり落ちた人の数 0名
○ 歯磨剤が歯ブラシから垂れ落ちた、又は転がり落ちた人の数 1名
△ 歯磨剤が歯ブラシから垂れ落ちた、又は転がり落ちた人の数 2名〜 3名
× 歯磨剤が歯ブラシから垂れ落ちた、又は転がり落ちた人の数 4名〜10名
【0043】
【表1】


*;実験には70%ソルビットを用いたが、この表に示す配合量は純分換算での配合量を示した。
【0044】
リン酸水素カルシウム2水和物:東ソーファインケム(株)製、平均粒径(日機装製マイクロトラック粒度分布測定装置Model 7995−10で測定)17.5μm、吸液量0.7mL/2gを使用
カルボキシメチルセルロースナトリウム:ダイセル化学工業(株)製CMC1260(エーテル化度0.89、平均重合度350)を使用
アルギン酸プロピレングリコールエステル:君津化学工業(株)製キミロイドHVを使用
【0045】
【表2】


*;実験には70%ソルビットを用いたが、この表に示す配合量は純分換算での配合量を示した。
【0046】
リン酸水素カルシウム2水和物:東ソーファインケム(株)製、平均粒径(日機装製マイクロトラック粒度分布測定装置Model 7995−10で測定)17.5μm、吸液量0.7mL/2gを使用
カルボキシメチルセルロースナトリウム:ダイセル化学工業(株)製CMC1260(エーテル化度0.89、平均重合度350)を使用
アルギン酸プロピレングリコールエステル:君津化学工業(株)製キミロイドHVを使用
【0047】
表1,2の結果から、リン酸水素カルシウムと水とカルボキシメチルセルロースナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコールエステルを含有し、カルボキシメチルセルロースナトリウムとアルギン酸プロピレングリコールエステルとを特定量及び特定比で配合した歯磨剤組成物(実施例1〜8)は、50℃1ヶ月保存した後でも押し出し荷重の増加が僅かであり、官能試験による押し出し易さも良好であり、歯ブラシへの乗せ易さも良好であった。一方、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコールエステルのいずれかを配合していない場合(比較例1,2)、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合していても、これらの配合量又は配合比が本発明範囲外である場合(比較例3〜6)は、押し出し易さ、歯ブラシへの乗せ易さのいずれかの点で十分な効果が発揮されなかった。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
【出願日】 平成16年12月24日(2004.12.24)
【代理人】 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司

【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織

【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成

【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史

【公開番号】 特開2006−176479(P2006−176479A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2004−374249(P2004−374249)