| 【発明の名称】 |
紫外線対抗化粧用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 昌孝
【氏名】加藤 和子
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| 【要約】 |
【課題】紫外線の肌に対する防御特性に優れ、同時に敏感肌の人、アレルギー症状を起こす人でも使用でき、皮膚の本来持っている防御機能を損なうことのない、副作用の少ない紫外線対抗化粧用組成物、及びその製造方法を提供する
【解決手段】紫外線吸収剤を内包し、平均粒径0.02〜3.5μmのポリシリコーンのマイクロカプセル:2.5〜30重量%と、(b)アスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質:0.0001〜0.1重量%と、(c)ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質:0.01〜10重量%と、を含有することを特徴とする紫外線対抗水系化粧用組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)紫外線吸収剤を内包し、平均粒径0.02〜3.5μmのポリシリコーンのマイクロカプセル:2.5〜30重量%と、(b)アスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質:0.0001〜0.1重量%と、(c)ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質:0.01〜10重量%と、を含有することを特徴とする紫外線対抗水系化粧用組成物。 【請求項2】 更に、(d)抗菌剤0.01〜10重量%を含む請求項1に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 【請求項3】 (a)のポリシリコーンが、シリコーンレジン化ポリペプチドである請求項1又は2に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 【請求項4】 (a)の紫外線吸収剤が、2−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル及び/又は4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンである請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 【請求項5】 (c)の粘性物質が、ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドと、グリセリンとの混合物である請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 【請求項6】 (d)の抗菌剤が、直鎖状である、アルキレンジオール類又はグリセロールエーテル類である請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 【請求項7】 (b)アスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの粉末と、(c)ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質とを水の存在下に混合し、次いで、得られる混合物に、残余の水、及び(a)紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルを順次、又は同時に添加することを特徴とする紫外線対抗水系化粧用組成物の製造方法。 【請求項8】 (c)の粘性物質が、さらにグリセリンを含む請求項7に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物の製造方法。 【請求項9】 (d)の抗菌剤を、いずれかの時点で添加する請求項7又は8に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、近年のオゾン層の破壊などにより増加する紫外線障害から、肌を保護するための、紫外線防御特性に優れた、特に敏感肌用の紫外線対抗水系化粧用組成物に関するものである。 【背景技術】 【0002】 日常生活における皮膚への悪影響は、そのほとんどが、紫外線により発生する活性酸素、過酸化脂質に起因する物である。紫外線は、可視光線に近い、波長の長いほうから、A、B、Cに分けられる。C波は波長が約250nmと短く、エネルギーが大きく、皮膚癌の原因になるといわれているが、幸いなことに地表に届く前にほとんど吸収されている。A波(波長が約350nm)、B波(波長が約300nm)は、地表に届き、肌に酸化力として悪影響を与える。A波は皮膚の内部まで届き、シワの原因になるが、B波は皮膚の表面を焼き、一時的な軽いやけどをさせ、色黒を進行させる。 【0003】 健康な肌は、外部の刺激から内部を守る自己防衛機能を持っている。しかし、近年の環境破壊から来る過度の刺激に対しては、自己防衛機能だけでは充分な防衛が出来ないのが現状である。外部刺激の主なものは紫外線による酸化反応である。紫外線による障害を防ぐためには、自己防衛機能を補足し、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線反射(散乱)剤、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤などが有用である(特許文献1〜4参照)。しかし、これらの紫外線反射剤、紫外線吸収剤は、紫外線防御の持続性などの特性でなお不充分であり、また、いずれも敏感肌に悪影響を与える。特に、紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する部分がベンゼン核であり、ベンゼン核は敏感肌の人にアレルギー症状を与える。 【0004】 また、紫外線反射剤や紫外線吸収剤を配合した化粧品の場合には、その量にもよるが、安定性、におい、べたつきなどの問題が発生する。さらに、これらを多量に配合した場合には、塗布時に白浮きや、のびが悪くなるなどの使用感の問題が生じる。 【特許文献1】特開平6−305949号公報 【特許文献2】特開平7−145029号公報 【特許文献3】特開平8−259419号公報 【特許文献4】特開2002−128646号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、紫外線の肌に対する長時間にわたる防御特性に優れ、同時に敏感肌の人、アレルギー症状を起こす人でも使用でき、皮膚の本来持っている防御機能を損なうことのない、副作用の少ない紫外線対抗水系化粧用組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者、上記の目的を達成するために鋭意,研究を進めたところ、紫外線吸収剤を内包しかつ特定の平均粒径を有するポリシリコーンからなるマイクロカプセルを使用し、かつ該マイクロカプセルを、アスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質、及び、ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質とともに含む水系の化粧用組成物は、紫外線防御の持続特性が著しく優れるだけでなく、該組成物は、アレルギー症状を起こす人や肌の敏感な人でも使用できる、副作用の少ない紫外線対抗化粧用組成物を形成することを見出した。 【0007】 本発明の化粧用組成物が何故にこのような優れた特性を発揮するかについては必ずしも明らかではないが、おおよそ、次のように推定される。 【0008】 すなわち、本発明の水系化粧用組成物では、紫外線吸収剤は、ポリシリコーンからなるマイクロカプセルに内包され、肌に接触しないので、敏感肌の人にも悪影響を与えない。一方で、マイクロカプセルの材質のポリシリコーンは、紫外線に対して透明であるので、内包される紫外線吸収剤は、本来の紫外線防御特性を発揮する。しかし、該紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルは通常数μmの平均粒径を有するために粒子間に隙間を生じ、該隙間を通じて紫外線が通過するため紫外線防御は不充分である。本発明では、該マイクロカプセル粒子間の隙間を、抗酸化性をもつアスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質を含むヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質でジェリー状に均一に充填する。その結果、本発明の化粧用組成物によれば、薄くても緻密なバリアーフィルム(層)が形成され、紫外線を長時間にわたりほぼ完全にカットする防御特性が増大する。 【0009】 一方で、本発明の化粧用組成物を形成するアスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質や、ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドは、いずれも、皮膚が本来持っている防御機能を損なうことのない、肌にやさしい物質である。従って、本発明の化粧用組成物は敏感肌の人、アレルギー症状を起こす人でも問題なく使用できるものである。 【0010】 かくして、本発明は下記の要旨を有するものである。 (1)紫外線吸収剤を内包し、平均粒径0.02〜3.5μmのポリシリコーンのマイクロカプセル:2.5〜30重量%と、(b)アスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質:0.0001〜0.1重量%と、(c)ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質:0.01〜10重量%と、を含有することを特徴とする紫外線対抗水系化粧用組成物。 (2)更に、(d)抗菌剤0.01〜10重量%を含む上記(1)に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 (3)(a)のポリシリコーンが、シリコーンレジン化ポリペプチドである上記(1)又は(2)に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物。 (4)(a)の紫外線吸収剤が、アルコキシケイ皮酸2−エチルヘキシル及び/又は4−t-ブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の敏感肌用紫外線対抗化粧用組成物。 (5)(c)の粘性物質が、ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドと、グリセリンとの混合物である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の敏感肌用紫外線対抗化粧用組成物。 (6)(d)の抗菌剤が、直鎖状である、アルキレンジオール類、又はグリセロールエーテル類の上記(1)〜(5)のいずれかに記載の紫外線対抗化粧用組成物。 (7)(b)アスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの粉末と、(c)ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質とを水の存在下に混合し、次いで、得られる混合物に、残余の水、及び(a)紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルを順次、又は同時に添加することを特徴とする紫外線対抗水系化粧用組成物の製造方法。 (8)(c)の粘性物質が、さらにグリセリンを含む上記(7)に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物の製造方法。 (9)(d)抗菌剤を、いずれかの時点で添加する上記(7)又は(8)に記載の紫外線対抗水系化粧用組成物の製造方法。 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、後記する実施例に見られるように、紫外線の肌に対する長時間にわたる防御特性に優れ、同時に敏感肌の人、アレルギー症状を起こす人でも使用でき、皮膚の本来持っている防御機能を損なうことのない、副作用の少ない紫外線対抗化粧用組成物及びその製造方法が提供される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明の紫外線対抗化粧用組成物に含有される(a)の紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルは、紫外線吸収性を有する物質を紫外線を通過させるポリシリコーン材料によりマイクロカプセル化させたものである。この場合の紫外線吸収剤としては、特に肌に対して大きい刺激性を有しない限り従来使用されている物質がいずれも使用できる。なかでも、本発明では、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、メチレン(ビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチルフェノール)、4−tブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンなどの使用が好ましい。本発明では、紫外線のうち、B波の吸収に有効であるパラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、及び/又はA波の吸収に有効である、4−tブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンとを使用するのが好ましい。特には、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルと、4−tブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンとを、前者/後者の重量比率が、6/1〜4/1にて使用が好ましい。 【0013】 マイクロカプセルの材料であるポリシリコーンとしては、シリコーン部とコラーゲンやシルクタンパクなどを加水分解して得られるポリペプチド部とからなるシリコーンレジン化ポリペプチドが好ましく使用される。この材料は、ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシリル化ペプチドの1種以上と、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシラン化合物の1種以上を組成比で5:1〜1:1の範囲で水溶系中にて縮重合させて得られる、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合体が好ましい。該共重合体は、特開2002−121117号公報などに記載される。 【0014】 かかるシリコーンレジン化ポリペプチド材料を使用し、上記の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを得る方法は、マイクロカプセル化する既知の方法が使用される。また、このような紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルは、「シラソーマ(成和化成社商品名)」として市販のものが使用できる。本発明では、かかる紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルとして、紫外線吸収剤が好ましくは70〜99重量%、特に好ましくは85〜95重量%内包されるマイクロカプセルの使用が好適である。紫外線吸収剤が70重量%より小さい場合には、紫外線防御特性が不充分なり、逆に大きい場合には、マイクロカプセルの強度が低下しいずれも好ましくはない。 【0015】 また、紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルの平均粒径は、本発明の組成物の紫外線防御特性にも関係し、本発明では、0.02〜3.5μm、好ましくは、0.5〜2.5μmであるのが好適である。マイクロカプセルの平均粒径が上記の範囲より小さい場合も、逆に大きい場合にも、紫外線防御特性が低下してしまう。 【0016】 かかる(a)の紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルは、本発明の化粧用組成物中、好ましくは2.5〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%含有される。この(a)の含有量が2.5重量%より少ない場合には、紫外線防御特性が低下し、逆に、30重量%より大きいと、ある場合には臭いが発生し、また、化粧品としての特性である、肌触りやのびが悪くなり好ましくない。 【0017】 本発明の化粧用組成物に含有される(b)のアスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質は、通常、天然のカロテノイドの一種で甲殻類や魚類、又はヘマスコッカス藻の培養物などから抽出される、ヘマトコッカス色素とも呼ばれる物質である。フリー体、モノエステル体、ジエステル体などの形態を有するが、いずれも抗酸化作用を有し、本発明ではそのいずれをも使用できる。これらの物質は、通常、粉末状、顆粒状、またはこれらを含む、オイル状、水溶液状などの形態で入手できる。本発明では、例えば、アスタキサンチンをデキストリンなどの糖類の水溶液に混合し、これを噴霧乾燥した粉末が、容易に水に溶解又は分散するので好ましく使用される。このような、噴霧乾燥粉末は、「アスタリーゼ(富士化学社商品名)」の名称で市販品として入手できる。 【0018】 かかる(b)のアスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質は、本発明の化粧用組成物中、好ましくは0.0001〜0.1重量%(1〜1000ppm)、特に好ましくは0.0005〜0.01重量%(5〜100ppm)含有される。この(b)の含有量が0.0001重量%より少ない場合には、紫外線防御特性が低下し、逆に大きい場合には、紫外線防御特性が飽和に達し経済的でないばかりか、組成物の着色性が大きくなり、化粧品としての特性上好ましくない。 【0019】 本発明の化粧用組成物において、(c)のヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含む粘性物質は、上記(b)成分を溶解又は分散する媒体して使用されるとともに、それ自体が保湿性を有し肌に対して潤いを与える機能を有する。ヒアルロン酸は、好ましくはナトリウム塩やカリウム塩が使用され、本発明の粘性物質としての効果が優れている。セラミドは、グリコシルセラミドとも称されるが、骨格構造であるセラミドに親水性の糖類が結合した複合糖脂質であるスフィンゴ糖脂質である。スフィンゴ糖脂質は、水に対して容易に均一に分散するもので、1糖結合型と4糖結合型を含む。発酵セラミドとして、微生物から製造される天然物として入手できる。 【0020】 かかるヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含有する粘性物質は、本発明の化粧用組成物中、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%含有される。この(b)の含有量が0.01重量%より少ない場合には、充分な紫外線防御特性が得られず、逆に10重量%より大きい場合にも、組成物の粘性が強くなり、肌触りが悪くなるので好ましくない。 【0021】 さらに、本発明の(c)の粘性物質としては、ヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドのほかに、グリセリン、コラーゲン、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、カルボキシルビニルポリマを含有することができる。特に、グリセリンを好ましくは2〜5重量を併用する場合には、組成物の化粧品としての保湿性が増すとともに、各成分の混合状態がより均一な組成物が容易に得られるので特に好ましい。 【0022】 本発明の化粧用組成物には、さらに、(d)成分として抗菌剤を含むことが好ましい。これらの抗菌剤は、上記(a)〜(c)を含む化粧用組成物において菌の発生を抑制する役割を果たし、本発明の化粧品組成物の耐久性を増大させる。かかる抗菌剤としては、直鎖状である、アルキレンジオール類及び/又はグリセロールエーテル類が好ましい。これらの好ましい具合例としては、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンチルグリコール、3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールなどが挙げられる。なかでも、1,2−ペンチルグリコール、3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−1,2−プロパンジオールが特に好ましい。 【0023】 かかる(d)の抗菌剤は、本発明の化粧用組成物中、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%含有される。この(d)の含有量が0.01重量%より少ない場合には、抗菌性が充分ではなく、逆に10重量%より大きい場合には、化粧品としての肌触りなどが悪くなるので好ましくない。 【0024】 本発明の化粧用組成物は、上記(a)〜(c)及び、必要に応じて(d)成分を使用して、好ましくは次のようにして調製される。すなわち、本発明では,まず、(b)のアスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質の平均粒径が好ましくは0.05〜1μmの粉末を用意し、これを(c)のヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含有する粘性物質とを水の存在下に混合する。粘性物質としては、上記のように、グリセリンが併用されるのが好ましい。混合に際しては、必要に応じてホモジナイザーなどの混合機を使用することができる。 【0025】 得られる混合物は、(b)のアスタキサンチン及び/又はカンタキサンチンの含有物質が(c)のヒアルロン酸若しくはその塩及び/又はセラミドを含有する粘性物質中に均一に溶解又は分散した形態を有する。本発明では、このように、(b)と(c)とを先に混合することが必要であり、そうした場合には、優れた紫外線防御特性を有する組成物が容易に得ることができる。 【0026】 上記(b)と(c)との混合物に対して、残余の水、及び(a)の紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルを順次、又は同時に添加される。水、及び(a)の紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルを同時に添加する場合は、予め、(a)の紫外線吸収剤を内包するポリシリコーンのマイクロカプセルを水に分散させた分散液を使用してもよい。また、水分は、必要量を同時に添加してもよいし、また、分割して添加してもよい。これらの成分を添加し、混合するに際しては、必要に応じて、ホモジナイザーなどの混合機を使用することができる。 【0027】 本発明において、添加される水は、好ましくはカルシウムやマグネシウムを脱イオンした精製水が使用される。添加される水の量は、本発明の化粧用組成物を構成する上記(a)〜(c)の各成分がそれぞれ上記で規定する含有量になるようにせしめられる。 【0028】 本発明の化粧用組成物では、さらに、好ましくは(d)の抗菌剤が添加される。抗菌剤は、通常、水溶液の形態で使用されるので、組成物の添加時期は特に限定されず、上記(a)〜(c)の混合物を得る過程のいずれで行ってもよい。 【0029】 かくして本発明の紫外線対抗水系化粧用組成物は調製されるが、各成分の混合状態を更に均一にせしめるために、得られた組成物に対し、加熱処理や超音波処理を施すこともできる。また、本発明の化粧用組成物は、組成物中の水の含有量によって、種々の粘度を有するものが得られ、所謂乳液タイプ処方からクリームタイプ処方の形態をもつことができる。なかでも、本発明の紫外線対抗化粧用組成物の粘度は、好ましくは0.1〜100Pas、特には、5〜20Pasであるのが好ましい。 【実施例】 【0030】 次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは例示であって、本発明の解釈についてこれを制限するものではない。 実施例1 「サンプル液の調製」 本発明の紫外線対抗化粧用水系組成物として、以下のサンプル1〜3を調製した。 【0031】 サンプル1: (b)成分としての、アスタリーズ粉末(アスタキサンチンを0.01重量%含有するデキストリン、富士化学社製)0.4gと、(c)成分としての、グリセリン10g及びヒアルロン酸ナトリウム0.08gとを密閉状態のホモジナーザーにて約1時間混合攪拌した。次いで、該混合物に対して、(a)成分としての、(2−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルと4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンとを4/1(重量比)で91重量%内包する、平均粒径2μmのマイクロカプセル(成和化成社商品名、シラソーマMEA)の55重量%水分散液7gを添加して攪拌した。得られた混合物に脱イオン水を添加して全体を200gの組成物(紫外線吸収剤:7重量%、アスタキサンチン:0.002重量%(20ppm)とした。 【0032】 サンプル2: (b)成分を使用しない他は、サンプル1と同様にして調製した。 サンプル3: (a)成分を使用しない他は、サンプル1と同様にして調製した。 【0033】 「評価方法」 上記各サンプル1〜3についての紫外線防御特性を、図1に示す紫外線照射測定装置により評価した。この測定装置は、ポリアクリル酸ソーダ液は紫外線により酸化され、定量的に粘度が低下するが、この粘度の低下の性質を利用するものである。 【0034】 なお、標準液として、ポリアクリル酸ソーダの0.1重量%水溶液を使用し、この標準液300mLを上記サンプル1〜4にも添加し、それぞれ各サンプル液1〜4とした。図1において、測定装置1では、150Lのステンレス製ドラム缶を測定容器にし、紫外線照射灯2を上部に設置した。標準液300mL及びサンプル液1〜5の500mLを、いずれも500mLのポリエチレン製容器に入れ、紫外線照射装置3(ソーラートーン ジャパン社製、波長280〜380nm)を使用した紫外線を照射し、照射時間における粘度を回転粘度計(回転数6rpm)で測定した。標準液はドラム缶の中心に配置し、周りにはサンプル液1〜3を配置した。 【0035】 「測定」 紫外線を照射し、24時間おきに標準液及びサンプル液1〜4を取り出し、粘度(Pas)を測定し、初期粘度を1とし、経時的な粘度の保持率を求めた。その結果を表1に示すともに、図1に示す。 【0036】 【表1】
【0037】 表1及び図1から明らかなように、各サンプル液の粘度は時間とともに低下するが、本発明の実施例であるサンプル液1は、100時間経過後も、粘度はほとんど低下しない。これに比べて、比較例であるサンプル液2(b成分が含まれない)及びサンプル液3(a成分が含まれない)にける粘度の低下は極めて大きい。 【0038】 実施例2 実施例1と同様にして、紫外線対抗化粧用水系組成物として、以下のサンプル液11〜14を調製した。かかる組成物では、(b)成分の含有量を0.002重量%(20ppm)として一定に保持し、(a)成分の量を変化させて、その紫外線防御特性を調べた。 【0039】 サンプル液11〜14: (a)成分の含有量として、それぞれ、1重量%(サンプル液11)、2.5重量%(サンプル液12)、7重量%(サンプル液13)、及び25重量%(サンプル液14)である。 【0040】 「評価方法」及び「測定」 実施例1に準じて、標準液及びサンプル液11〜14を使用し、同じ紫外線照射測定装置を使用して、同様にして紫外線を照射して、24時間おきに標準液及びサンプル液11〜14を取り出し、粘度(Pas)を測定し、経時的な粘度の保持率を求めた。その結果を表2に示すともに、図2に示す。 【0041】 【表2】
【0042】 表2及び図2に示されるように、各サンプル液の粘度は時間とともに低下し、比較例であるサンプル液11の紫外線の防御効果は経過時間につれて大きく低下する。一方、これに比べて、本発明の実施例のサンプル液12〜14の紫外線の防御特性はそれほど低下せず、特に、サンプル液13及び14は、100時間経過するもほとんど同じであることがわかる。 【0043】 実施例3 実施例1と同様にして、紫外線対抗化粧用水系組成物として、以下のサンプル液21〜24を調製した。かかる組成物では、(a)成分の含有量を7重量%として一定に保持し、(b)成分の量を変化させて、その紫外線防御特性を調べた。 【0044】 サンプル液21〜24: (b)成分の含有量として、それぞれ、サンプル液21(0.00005重量%:0.5ppm)、サンプル液22(0.0005重量%:5ppm)、サンプル液23(0.002重量%:20ppm)、及び%サンプル液24(0.005重量%:50ppm)とした。 【0045】 「評価方法」及び「測定」 実施例1に準じて、標準液及びサンプル液21〜24を使用し、同じ紫外線照射測定装置を使用して、同様にして紫外線を照射して、24時間おきに標準液及びサンプル液21〜24を取り出し、粘度(Pas)を測定し、経時的な粘度の保持率を求めた。その結果を表3に示すともに、図3に示す。 【0046】 【表3】
【0047】 表3及び図3に示されるように、各サンプル液の粘度は時間とともに低下し、比較例であるサンプル液21の紫外線の防御効果は経過時間につれて大きく低下する。一方、これに比べて、本発明の実施例のサンプル液22〜24の紫外線の防御特性はそれほど低下せず、特に、サンプル液23及び24は、100時間経過するもほぼ同じであることがわかる。 【0048】 実施例4 実施例1において、ヒアルロン酸Na4gの代わりに、発酵セラミド(紀文フード社製)4gを使用したほかは実施例1と同様に実施して化粧品組成物としてのサンプル液を調製した。 【0049】 このサンプル液を使用し、実施例1に準じて、標準液及び同じ紫外線照射測定装置を使用して、同様にして紫外線を照射して、24時間おきに標準液及びサンプル液を取り出して粘度(Pas)を測定し、経時的な粘度の保持率を求めた。その結果、初期のサンプル液の粘度を1とした場合、24時間経過後、48時間経過後、72時間経過後、96時間経過後及び120時間経過後は、それぞれ、0.98、0.97、0.95、0.94及び0.94であった。 【0050】 実施例5 実施例1のサンプル液1の紫外線対抗化粧組成物を、年齢が25〜40才の日本人女性のモニター10人を選び、紫外線防御例効果と肌への影響をテストした。 【0051】 テストは、真夏の太陽が照りつける、本年8月、沖縄県那覇市にて実施した。実施例1のサンプル液1を各モニターの一方の腕に20cm2の面積に塗布し、もう片方の腕には塗布せずに、4時間暴露した。その結果、いずれのモニターの場合も、サンプル液を塗布しない腕については、夜になって発熱感が生じるとともに、翌日には日焼け現象が見られた。一方、いずれのモニターの場合も、サンプル液を塗布した腕については、上記のごとき、発熱感も日焼け現象もほとんど見られなかった。 【0052】 また、サンプル液の肌に対する影響については、モニター10人中、9人は、肌への影響がほとんどないことが確認されたが、1人には肌にかゆみを伴った若干の赤みが見られた。 【図面の簡単な説明】 【0053】 【図1】本発明で使用した紫外線照射測定装置の概略図である。 【図2】実施例1における各サンプルの紫外線防御効果の経時変化を示す。 【図3】実施例2における各サンプルの紫外線防御効果の経時変化を示す。 【図4】実施例3における各サンプルの紫外線防御効果の経時変化を示す。 【符号の説明】 【0054】 1.紫外線測定装置 2.紫外線照射灯 3.紫外線 4.標準液 5.サンプル液
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| 【出願人】 |
【識別番号】500066779 【氏名又は名称】株式会社山忠
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| 【出願日】 |
平成16年12月22日(2004.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090918 【弁理士】 【氏名又は名称】泉名 謙治
【識別番号】100082887 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 利春
【識別番号】100072774 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 量三
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| 【公開番号】 |
特開2006−176449(P2006−176449A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月6日(2006.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−372073(P2004−372073) |
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