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【発明の名称】 化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液およびその製造方法
【発明者】 【氏名】福光 松太郎
【住所又は居所】石川県金沢市石引2−8−3 株式会社福光屋内

【氏名】松井 圭三
【住所又は居所】石川県金沢市石引2−8−3 株式会社福光屋内

【要約】 【課題】天然保湿因子(NMF)の主成分である天然のアミノ酸を豊富に含んだ保湿効果の高い化粧品用ノンアルコールコメ醗酵液およびその製造方法を提供する。

【解決手段】コメ醗酵液の製造工程における第一工程で乳酸菌を育成すると共に野生酵母を死滅させるための亜硝酸を生成させ、第二工程で乳酸を生成させ、一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させてなる化粧品原料用ノンアルコールコメ醗酵液およびその製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノンアルコールコメ発酵液の製造における第一工程で乳酸菌を育成すると共に野生酵母を死滅させるための亜硝酸を生成させ、第二工程で乳酸菌を育成させ一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール1%未満の範囲に発酵させてなること、
を特徴とする化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液。
【請求項2】
ノンアルコールコメ発酵液の製造において、第一工程で麹、蒸米、水を混合して加温し、麹の酵素により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、該糖液に乳酸菌を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させると共に侵入する野生酵母を死滅させるために硝酸還元菌の育成により亜硝酸を生成させ、第二工程においては、前記乳酸菌を育成したものに前記のように調製された糖液を添加し、該糖液との作用によりさらに乳酸発酵を行い、ついで、一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させること、
を特徴とする化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液の製造方法。
【請求項3】
前記ノンアルコールコメ発酵液の製造における第一工程では、 蒸米に麹、水を混合して品温55°C程度に加温し、約一晩で麹の酵素によって米の澱粉を糖化させて糖液を製造し、該糖液を製造した後に乳酸菌を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させ、また、麹の酵素により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、製造環境から侵入する野生酵母を死滅させるために、硝酸還元菌の育成により亜硝酸の生成を促すもので、前記第一の醸造工程では酵母の添加は行わず硝酸還元菌及び乳酸菌のみが育成されること、
を特徴とする請求項1または請求項2何れかに記載の化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液又はノンアルコールコメ発酵液の製造方法。
【請求項4】
前記ノンアルコールコメ発酵液の製造における第二工程では、前記乳酸菌を育成したものに前記のように調製された糖液を添加し、該糖液との作用によりさらに乳酸発酵を行い、ついで、自社開発酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させること、
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液又はノンアルコールコメ発酵液の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、天然保湿因子(NMF=Natural Moisturizing Factor)の主成分である天然のアミノ酸を豊富に含んだ保湿効果の高い化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
本発明は、特にノンアルコールコメ発酵醸造にてアルコール度数1%未満のノンアルコールコメ発酵液を供給するもので、該ノンアルコールコメ発酵液は、天然のアミノ酸を豊富に含んでいるばかりでなく、アルコール独特の香りや刺激を抑えて、人体に対して安全な化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液およびその製造方法を具現化するものである。
【背景技術】
【0003】
アミノ酸は生体適合性の高さや環境負荷の低さなど様々な特長をもっており、これらの特長を利用して化粧品分野にも幅広く応用され、特にスキンケアの効果が期待されている。
【0004】
また、科学的に保湿性が皮膚の健やかさや、潤いのある肌を保つ重要素であり、この保湿性に最も寄与しているのがアミノ酸であることが、明らかにされてきた。
【0005】
而して、近年、エアコン等による生活環境の低湿度化、ストレスや加齢等による皮膚の保湿力の低下が顕著になってきていることもあり、アミノ酸を保湿成分として用いたスキンケア化粧品が、肌の保水力を補う目的で様々配合され販売されている。
【0006】
しかし、消費者の安全に対する要求が高まり、また自分が敏感肌だと感じている消費者は年々増加傾向にある中にあってさえ、なお、製造工程や安全性が消費者にとって不明瞭であつたり、不透明な部分が多いのが現状で、安全で天然のアミノ酸を豊富に含んだ化粧品原料の供給が急務とされてきた。
【0007】
斯くして、日本人の主食である米は安全性の高さが証明されており、その米を主原料とした天然アミノ酸の化粧品原料は数多く開発されており、例えば、特開平7−10733号公報に開示されている。
【0008】
然しながら、上記開示された従来技術を含めて、微生物の発酵という過程を経ているにもかかわらず、ノンアルコールで天然保湿因子(NMF)の主成分である天然のアミノ酸を豊富に含んだ化粧品原料用コメ発酵液の製造方法を確立したものはない。
【0009】
また、従来の技術のおいては、乳酸菌や酵母を使用することで日本酒と同様な独特の香りが生じてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開平7−10733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
而して、本発明は、化粧品原料の安全性が問題となっている点や、アルコールの刺激に弱い敏感肌の消費者が増加している点等に配慮して、これらの問題点を解消し、人体に対して安全で、香りが気にならず、更に保湿効果の高い天然のアミノ酸を豊富に含んだ化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液並びにそのの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ノンアルコールコメ発酵液の製造における第一工程で乳酸菌を育成すると共に野生酵母を死滅させるための亜硝酸を生成させ、第二工程で乳酸菌を育成させ一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール1%未満の範囲に発酵させてなることを特徴とする化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液である。
【0012】
本発明は、ノンアルコールコメ発酵液の製造において、第一工程で麹、蒸米、水を混合して加温し、麹の酵母により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、該糖液に乳酸菌を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させると共に侵入する野生酵母を死滅させるために硝酸還元菌の育成により亜硝酸を生成させ、第二工程においては、前記乳酸菌を育成したものに前記のように調製された糖液を添加し、該糖液との作用によりさらに乳酸発酵を行い、ついで、一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させることを特徴とする化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液の製造方法を提供するものである。
【0013】
また、本発明において、前記ノンアルコールコメ発酵液の製造における第一工程では、蒸米に麹、水を混合して品温55°C程度に加温し、約一晩で麹の酵素によって米の澱粉を糖化させて糖液を製造し、該糖液を製造した後に乳酸菌を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させ、また、麹の酵素により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、製造環境から侵入する野生酵母を死滅させるために、硝酸還元菌の育成により亜硝酸の生成を促すもので、前記第一の醸造工程では酵母の添加は行わず硝酸還元菌及び乳酸菌のみであり添加で乳酸菌が育成されることを特徴とした化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液である。
【0014】
更にまた、本発明おいて、前記ノンアルコールコメ発酵液の製造における第二工程では、前記乳酸菌を育成したものに前記のように調製された糖液を添加し、該糖液との作用によりさらに乳酸発酵を行い、ついで、自社開発酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させることを特徴とする化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液である。
【発明の効果】
【0015】
斯くして、本発明は、日本人の主食である安全性の実証された米を用いて、化粧品原料として安全性が高く、アルコールの刺激に弱い敏感肌の消費者にも安心して使用してもらえる化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液並びにその製造方法を提供するものであり、該製造方法により本発明は、保湿効果の高い天然のアミノ酸を豊富に含んだ化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液を提供することができた。
【0016】
そして、本発明は、米という100%天然素材を原料として用い、また醸造技術を応用させ製造する方法を確立することにより、安全で保湿効果に優れたノンアルコールコメ醗酵液が短時間で大量に提供されることとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明において、ノンアルコールコメ発酵液の製造における第一工程では、乳酸菌を育成すると共に野生酵母を死滅させるための亜硝酸を生成させ、第二工程で乳酸菌を育成させ一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール1%未満の範囲に発酵させた化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液である。
【0018】
本発明のノンアルコールコメ発酵液の製造において、第一工程で麹、蒸米、水を混合して加温し、麹の酵素により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、該糖液に乳酸菌を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させると共に侵入する野生酵母を死滅させるために硝酸還元菌の育成により亜硝酸を生成させ、第二工程においては、前記乳酸菌を育成したものに前記のように調製された糖液を添加し、該糖液との作用によりさらに乳酸発酵を行い、ついで、一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させることを特徴した化粧品原料用のノンアルコールコメ発酵液の製造方法である。
【0019】
本発明において、前記ノンアルコールコメ発酵液の製造における第一工程は、蒸米に麹、水を混合して品温55°C程度に加温し、約一晩で麹の酵素によって米の澱粉を糖化させて糖液を製造し、該糖液を製造した後に乳酸菌を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させ、また、麹の酵素により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、製造環境から侵入する野生酵母を死滅させるために、硝酸還元菌の育成により亜硝酸の生成を促すもので、前記第一の醸造工程では酵母の添加は行わず硝酸還元菌及び乳酸菌のみが育成されることが好ましい。
【0020】
本発明において、前記ノンアルコールコメ発酵液の製造における第二工程は、前記乳酸菌を育成したものに前記のように調製された糖液を添加し、該糖液との作用によりさらに乳酸発酵を行い、ついで、一般的に用いられている清酒酵母ではなく自社にて開発した酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に発酵させることが好ましい。
【0021】
而して、本発明においては、上記最良の形態を勘案して、原料米を精米、洗米して蒸米とし、これに麹、水を加えて18°C前後で約2週間ゆっくりと麹の酵素によって米の澱粉を糖化させて糖液を製造する従来の醸造工程を簡略化及び時間の短縮を図るため、第一工程において、蒸米に麹、水を混合して品温55°C程度に加温し、約一晩で麹の酵素によって米の澱粉を糖化させて糖液を製造する。
【0022】
前記、糖液を製造した後、乳酸菌(例えば、清酒の山廃酒母において一般的に使用されている)を添加して乳酸菌の育成を行い、前記糖液との作用により発酵させて乳酸を生成させる。
【0023】
また、通常の醸造工程では早い段階で酵母の添加を行うが、本発明においては、麹の酵素により米の澱粉の糖化を行って糖液を製造した後、製造環境(空気中や道具類など)から侵入する野生酵母を死滅させるために、硝酸還元菌(例えば、清酒の山廃酒母において一般的に使用されている)の育成により亜硝酸の生成を促す。
【0024】
従って、通常の醸造工程においては、酵母を育成するのに対して、本発明においては、第一工程で酵母の添加は行わないから、酵母は全く関与しない。本発明の第一工程では、硝酸還元菌及び乳酸菌のみが育成されることが特徴である。
【0025】
而して、アルコールを発酵させる従来の醸造工程においては、酵母を育成したのちに、麹、蒸米、水を加え、品温15°C前後で約20日間アルコール醗酵させるのに対して、本発明においては、前記のように、麹、蒸米、水を混合して品温55°C前後まで加温し、麹の酵素によって約一晩で米の澱粉を糖化を行って製造した糖液を15°Cまで冷却後、乳酸菌を育成したものに加え、更に糖液との作用によりさらに乳酸醗酵させて乳酸を生成させる。
【0026】
乳酸発酵終了後、酢酸イソアミルやカプロン酸エチルなどの香りの良い成分を多く生成することを特徴とする自社開発酵母を添加してアルコール度数1%未満の範囲に醗酵させ化粧品用のノンアルコールコメ発酵液を得る。
【実施例1】
【0027】
以下、本発明の実施例について説明する。これらの実施例は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1の第一工程においては、原料米として山田錦を使用し、これを精米、洗米して蒸米(200Kg)とし、米麹100Kg、水450リットルを加えて品温55°Cまで加温し、12時間で米の澱粉の糖化を行い、糖液を製造した。糖化終了後、3.6リットルの培養液に培養した乳酸菌(当社保存菌株No.N5)を遠心分離機にて集菌後、添加して、乳酸菌の育成を行い、糖液との作用により醗酵させて乳酸を生成させた。
【0028】
同時に、侵入する野生酵母を死滅させるるために、硝酸還元菌(当社保存菌株No.S3)500ミリリットルを添加して亜硝酸を生成させた。
【0029】
第二工程においては、前記のように調整した糖液8100リットルに、前記乳酸菌を育成したもの750リットルを加え、更に乳酸発酵を行い、乳酸醗酵終了後、当社保存菌No.F6Bを10リットル添加して、アルコール度数1%未満の範囲で醗酵させたところ、天然のアミノ酸を豊富に含んだ保湿効果の高い化粧品用ノンアルコールコメ発酵液が得られ、該ノンアルコールコメ発酵液のアミノ酸量を測定したところ一般的な清酒の4倍以上のアミノ酸が含まれていることが確認できた。
【0030】
而して、本発明の化粧液の保湿効果を示すため、本発明の化粧液を配合したスキンケア化粧品と保湿効果をうたっている他社同価格帯スキンケア化粧品、対象
には水道水を使って前腕塗布後の角質水分量を経時的に測定した。
【0031】
上記、測定条件として室温25°C、相対湿度50%の環境をつくり、被試験者には測定前に入室してもらい環境にならした。
【0032】
その結果、本発明を配合したスキンケア化粧品を塗布した場合120分後の角質水分量は化粧品塗布前に比べて1.2倍に増加し、他社同価格帯スキンケア化粧品の1.1倍増よりも高かった。また、水道水を塗布した被試験部位と比べると120分後の角質水分量は1.5倍もの差が認められ、これらの結果から本発明品の保湿効果の高さが推察された。
【産業上の利用可能性】
【0033】
斯くして、本発明は米という100%天然素材を原料として用い、また醸造技術を応用させ製造する方法を確立することにより、安全で保湿効果に優れた化粧品用ノンアルコールコメ発酵液が短時間で大量に提供されるようになった。
また、機能性素材として米の利用用途を広めたばかりでなく、保湿効果が高いというデータから化粧品原料用としての利用価値を得た本発明は産業上きわめて有意義でその利用価値は多大なもがある。
【出願人】 【識別番号】391048636
【氏名又は名称】株式会社福光屋
【住所又は居所】石川県金沢市石引2丁目8番3号
【出願日】 平成16年11月26日(2004.11.26)
【代理人】 【識別番号】100077908
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 隆

【公開番号】 特開2006−151837(P2006−151837A)
【公開日】 平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願番号】 特願2004−341476(P2004−341476)