| 【発明の名称】 |
消毒剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 重明 【住所又は居所】埼玉県川口市川口3−3−2 エコラボ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】アルコールによる肌あれの傾向が軽減された消毒剤組成物を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルコールを有効成分として含有し、さらにオレイン酸モノグリセリンを含有することを特徴とする消毒剤組成物。 【請求項2】 アルコールの含有量が50〜90容量%であり、オレイン酸モノグリセリンの含有量が0.001〜0.1質量%である請求項1記載の消毒剤組成物。 【請求項3】 さらに、ゲル化剤を配合してゲル化した組成物である請求項1又は2記載の消毒剤組成物。 【請求項4】 さらにジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンを含有する請求項3記載の消毒剤組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、アルコールを有効成分として用いた消毒剤組成物に関し、特に、オレイン酸モノグリセリンを配合することにより、アルコールによる肌あれの傾向を軽減した消毒剤組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 アルコールを有効成分(消毒剤成分)とする液状消毒剤は、エチルアルコール等の低級アルコールの水溶液から成るものであり、消毒用エタノールを始めとして従来より広く知られている。 【0003】 また近年、ゲル状消毒剤も広く知られるようになって来ている。このゲル状消毒剤は、液状消毒剤と比較して使用操作が容易等の利点がある。例えば、エチルアルコール等の低級アルコールを有効成分とし、これにカルボキシビニルポリマー等のゲル化剤を配合して半流動性または非流動性のゲル化物とすることによって、ゲル状消毒剤を得ることができる(特許文献1等参照)。 【特許文献1】特許2878130号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 アルコールを有効成分とする消毒剤を人肌に頻度高く使用すると、肌あれが生じるケースが多い。例えば、医療現場の医師、看護婦などは、1日のうち消毒剤で手を洗う回数が多く、アルコールによって手あれが生じる傾向が顕著である。 【0005】 特に、液状消毒剤の場合は、手指やその他必要な部位に均一に塗布する為にはその液を多量に噴霧又は塗布するケースが多く、その分肌あれが生じる傾向が顕著になる。一方、ゲル状消毒剤の場合は、液状消毒剤よりも均一に塗布し易く、アルコール分の塗布量は少なくて済むが、それでもアルコールによる手あれの影響は避けられない。 【0006】 本発明は、このような課題を解決する為になされたものであり、その目的は、アルコールによる肌あれの傾向が軽減された消毒剤組成物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、オレイン酸モノグリセリンを配合することによって非常に優れた効果が得られることを見い出し、本発明を解決するに至った。 【0008】 すなわち、本発明は、アルコールを有効成分として含有し、さらにオレイン酸モノグリセリンを含有することを特徴とする消毒剤組成物である。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、繰り返し使用された場合であっても、消毒剤組成物のアルコールによる肌あれ(手あれ等)の傾向を軽減することができる。具体的には、使用後の状態において、乾燥感を生じさせず良好な保湿感が得られ、また手あれ感、かゆみ・発疹を生じさせることが少なくなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明において、アルコールは消毒剤組成物の主剤であり、消毒効果を発現する有効成分(消毒剤成分)である。アルコールの種類及び含有量は特に制限されず、所望の消毒効果が発現するように適宜決定すれば良い。具体的には、C1〜C4低級アルコール等を使用できる。例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが好適を使用でき、特にエチルアルコールが好ましい。アルコールの含有量は、消毒剤組成物中、50〜90容量%が好ましく、71〜87容量%がより好ましい。 【0011】 本発明において、オレイン酸モノグリセリンは、アルコールによる肌あれの傾向を軽減する成分である。オレイン酸モノグリセリンの含有量は、消毒剤組成物中、0.001〜0.1質量%が好ましく、0.01〜0.02質量%がより好ましい。 【0012】 なお、従来の消毒剤組成物においては、例えばプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の保湿剤を配合すると、使用後の保湿感をある程度向上できることが知られている。しかし、本発明において用いるオレイン酸モノグリセリンは、これら従来の保湿剤と比較して、肌あれの傾向を軽減することができ、具体的には、使用後の状態において、乾燥感を生じさせず良好な保湿感が得られ、また手あれ感、かゆみ・発疹を抑制することができる。 【0013】 消毒剤組成物に、さらにゲル化剤を配合してゲル状消毒剤組成物とすることは、好ましい態様である。液状消毒剤組成物の場合は、手指等の肌に塗布する際に液がこぼれたり、流れ落ちたりするので、多量に噴霧又は塗布してしまう傾向がある。一方、ゲル状消毒剤の場合は、液状消毒剤よりも均一に塗布し易くアルコール分の塗布量が少なくて済む。また、使用操作が簡単という利点もある。例えば、手洗いに使用する場合は、適度な粘性を有するので液だれせず、付着したゲルを両手で擦り込むことにより両手指に均一に塗布でき、その手洗いを簡単に行うことができる。 【0014】 ゲル状消毒剤組成物を調製する為には、従来より知られる各種のゲル化剤(増粘剤)を配合すればよい。ゲル化剤としては、代表的には、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。カルボキシビニルポリマーとは、カルボキシル基を有するビニルモノマーを重合して得られるポリマー、又は、カルボキシル基を有するビニルモノマーと他のビニルモノマーを共重合して得られるコポリマーである。カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。特に、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。 【0015】 カルボキシビニルポリマーは水溶性の酸性高分子化合物であり、その水溶液は酸性となる。この水溶液にさらに中和剤を入れて中和するとゲル化して、ゲル状の組成物が得られる。すなわち、この場合のゲル状消毒剤組成物においては、カルボキシビニルポリマーの中和物がゲル基材を構成する。このようなゲル状消毒剤組成物は、通常透明でゼリー状の外観を有し、しかも塗布面のべとつきも少ない。ゲル状消毒剤組成物の粘度は、25℃で約8000〜25000mPa・sが好ましい。 【0016】 カルボキシビニルポリマーは、消毒剤組成物に所望の粘性を付与できるように適度な平均分子量を有することが好ましい。具体的には、その重量平均分子量は、100万〜300万程度であることが好ましい。 【0017】 カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、BF Goodrich社のCARBOPOL、和光純薬工業株式会社のハイビスワコー、3V社のSynthalen、日本純薬株式会社のジュンロン等が挙げられる(以上、全て商品名)。 【0018】 ゲル化剤の含有量は特に限定されず、所望のゲル状態が得られ、かつ使用後の残留物の付着感が生じない程度であればよい。具体的には、ゲル化剤の含有量は、消毒剤組成物中、0.01〜2.0質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。 【0019】 中和剤としては、有機塩基化合物が有用である。例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等のアルキルアミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のトリアルキルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等のアルカノールアミン;ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン等のジアルカノールアミン;トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン等のトリアルカノールアミン;アミノメチルプロパノール;などの有機アミン系塩基化合物を用いることができる。特に、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンが好ましい。 【0020】 中和剤の配合量は、カルボキシビニルポリマーを含む溶液を中和して必要な粘度にでき、かつpH値が6〜8となる量にすればよい。具体的には、中和剤の配合量は、消毒剤組成物中、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。 【0021】 本発明の消毒剤組成物は肌あれを抑制する成分としてオレイン酸モノグリセリンを配合したものであるが、このオレイン酸モノグリセリンを配合すると、組成物の粘性が低くなってしまう傾向にある。ここで、適度な粘性を有するゲル状消毒剤組成物を調製する為には、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンを配合することが好ましい。すなわち、オレイン酸モノグリセリンとジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンとを併用した場合は、アルコールによる肌あれを抑制しつつ、適度なゲル状態を良好に維持することができ、総合的に優れたゲル状消毒剤組成物を得ることができる。 【0022】 消毒剤組成物には、以上説明した各成分の他に、所望に応じて消毒剤組成物に用いられる他の成分、例えば、油脂類、水溶性高分子、皮膜剤、紫外線吸収剤、糖、アミノ酸類、高分子エマルジョン、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を適宜配合することができる。 【0023】 消毒剤組成物は、通常は希釈剤として水を含有する。すなわち、一般的には、上述した各成分及びその他の任意成分を除くその残余量は水の含有量である。具体的には、水の含有量は、消毒剤組成物中、10〜50質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。 【0024】 本発明の消毒剤組成物は、例えば手指の消毒など、皮膚の消毒用途に非常に適している。そして、その対象となる使用者は、病院の従業者、食品の製造、提供または販売所の従業者、及び一般家庭の人など、あらゆる人を対象とすることができる。 【実施例】 【0025】 以下に、本発明の実施例を記載する。 【0026】 <実施例1> まず、精製水10gにカルボキシビニルポリマー(和光純薬工業株式会社製、商品名ハイビスワコー)0.4gを混合して、粘ちょう液を得た。この粘ちょう液にエチルアルコール80mlを加え、さらにプロピレングリコール0.15g及びモノオレイン酸グリセリン0.012gを混合し、次いでジイソプロパノールアミン0.1gを加えて十分撹拌し、粘度約21500mPa・s、pH7のゲル状消毒剤組成物を得た。なお粘度(mPa・s)はブルックフィールドB型回転粘度計を用いて25℃で測定した測定値である。 【0027】 このゲル状消毒剤組成物を試用者に使用させて、アンケートをとった。具体的には、ゲル状消毒剤組成物を掌にとり乾燥するまで両手に擦り込み、その使用後、以下の各項目について5段階の評価を付けたものである(実施例1の使用後保湿感の評価回答者合計66人、それ以外は68人)。 [使用後保湿感] 1.非常に良い感じ。 2.良い感じ。 3.普通。 4.少しつっぱり感がある。 5.かさつく。 [手あれ感] 1.全くない。 2.ほとんどない。 3.普通。 4.ややある。 5.ある。 [かゆみ・発疹] 1.全くない。 2.ほとんどない。 3.普通。 4.ややある。 5.ある。 【0028】 アンケートの集計においては、各評価項目において普通以上(1〜3)と、普通未満(4又は5)に分け、各々の人数を集計し、また全体人数に対するその割合(%)を計算した。その結果を、表1〜3及び図1に示す。 【0029】 <比較例1> 一般に市販されているゲル状消毒剤組成物(GOJO Industries, Inc製、商品名ゴージョー MHS)を用意した。この市販のゲル状消毒剤組成物は、有効成分としてエチルアルコールを78.89%含み、さらに水、プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル等を含有するものである。 【0030】 この市販のゲル状消毒剤組成物について、実施例1と同様のアンケートをとり、集計した(比較例1の評価回答者は合計68人)。 【0031】 以上の実施例及び比較例のアンケート集計結果を表1〜3及び図1に示す。 【0032】 【表1】
【0033】 【表2】
【0034】 【表3】
【0035】 以上の結果から明らかなように、モノオレイン酸グリセリンを配合した実施例1のゲル状消毒剤組成物は、一般的な市販品である比較例1のゲル状消毒剤組成物よりも、保湿感、手あれ感、かゆみ・発疹の各項目において優れた結果を示している。すなわち、実施例1のゲル状消毒剤組成物は、使用者にとって手あれの少ない優れた製品であることが分かる。 【0036】 <実施例2> ジイソプロパノールアミンの代わりに、トリイソプロパノールアミンを配合したこと以外は、実施例1と同様にしてゲル状消毒剤組成物を調製した。このゲル状消毒剤組成物も肌あれの少ない良好なものであった。 【0037】 <実施例3> ジイソプロパノールアミンの代わりに、トリエタノールアミンを配合したこと以外は、実施例1と同様にしてゲル状消毒剤組成物を調製した。このゲル状消毒剤組成物も、肌あれの少ない良好なものであったが、粘度は約6500mPs・sとなってしまい、粘性が低いものであった。この実施例3と実施例1の粘度の結果を比較して図2に示す。 【0038】 この結果から、モノオレイン酸グリセリンを配合した組成物は粘性が低いものとなるが、中和剤としてジイソプロパノールアミンを配合した場合は、この粘性の低下が抑えられ好適な粘度のゲル状消毒剤組成物となることが分かる。なお、実施例2のトリイソプロパノールアミンを使用した場合も、同様に粘性の低下を抑えることができた。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】実施例1及び比較例1のゲル状消毒剤組成物のアンケート評価の集計結果を示すグラフである。 【図2】実施例1及び実施例3のゲル状消毒剤組成物の粘度を示すグラフである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594055147 【氏名又は名称】エコラボ株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区高田馬場1丁目31番18号
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| 【出願日】 |
平成16年11月25日(2004.11.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100123788 【弁理士】 【氏名又は名称】宮崎 昭夫
【識別番号】100106138 【弁理士】 【氏名又は名称】石橋 政幸
【識別番号】100120628 【弁理士】 【氏名又は名称】岩田 慎一
【識別番号】100127454 【弁理士】 【氏名又は名称】緒方 雅昭
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| 【公開番号】 |
特開2006−151824(P2006−151824A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月15日(2006.6.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−340497(P2004−340497) |
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