| 【発明の名称】 |
ペプチドおよびタンパク質のエアゾール製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】チェール・ベックストレム
【氏名】マグナス・ダールベック
【氏名】アン・ヨハンソン
【氏名】イェーラン・ケルストランド
【氏名】エリザベート・リンドクヴィスト
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| 【要約】 |
【課題】HFA噴射剤を使用し、薬理学的に活性なポリペプチドを含有する薬用エアゾール製剤を提供する。
【解決手段】(a)HFA噴射剤;(b)噴射剤中に分散し得る薬理学的に活性なポリペプチド;および、(c)C8−C16脂肪酸またはそれらの塩、胆汁酸塩、リン脂質またはアルキルサッカリドである界面活性剤を含有し、該界面活性剤は気道下部でポリペプチドの全身吸収を促進するものである、薬用エアゾール製剤を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)HFA噴射剤;(b)噴射剤中に分散し得る薬理学的に活性なポリペプチド;および(c)C8−C16脂肪酸またはそれらの塩、胆汁酸塩、リン脂質またはアルキルサッカリドである界面活性剤(この界面活性剤は気道下部でポリペプチドの全身吸収を促進するものである) を含有する薬用エアゾール製剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、医学的に有益なペプチドおよびタンパク質を含む、エアゾール吸入器からの吸入用薬品製剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 様々な種類の薬品がエアゾール製剤の形で口または鼻を経て投与される。このエアゾール製剤を調製するために広く用いられている方法は、噴射剤として知られる液化ガス中に、微粉末とした薬物の懸濁製剤を作ることを含む。計量加圧薬剤吸入器、すなわちpMDIは、通常このような製剤を患者に投薬する場合に用いられる。噴射剤中での薬物の分散を助け、微細化薬物粒子が集塊するのを防ぐため、一般に界面活性薬剤、または界面活性剤が含有されている。 【0003】 様々なエアゾール製剤が提案されてきたにもかかわらず、ペプチドを基礎とした薬物はこれまで伝統的に、エアゾール製剤として投与する薬物の範疇には入っていなかった。例えば、アメリカ合衆国特許第5,284,656号は、ソルビタントリオレエート、大豆レシチンまたはオレイン酸のような界面活性剤の助けを借りて、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を含む微細粉末を噴射剤中に懸濁した、G−CSF製剤を開示している。アメリカ合衆国特許第5,364,838号は、乾燥インシュリン粉末を、オレイン酸のような添加物と共に低沸点噴射剤中に懸濁する、インシュリン製剤を開示している。 【0004】 最近まで、クロロフルオロカーボン含有噴射剤(CFC)は全ての薬用エアゾール製剤において使用が認められていた。CFC製剤で使用される典型的な界面活性化分散剤は、例えばソルビタントリオレエート、オレイン酸、レシチン類およびエタノールである。CFCはオゾン層の破壊に関与しているため、新世代の噴射剤が出現し、その代わりとなった。 【0005】 1,1,1,2−テトラフルオロエタン(P134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(P227)および1,1−ジフルオロエタン(P152a)のようなヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤は最も見込みのある新しい噴射剤であると考えられる。これらは環境的に許容できるだけでなく、毒性が低く、蒸気圧もエアゾールの使用に適している。しかしながら、通常CFC−エアゾール製剤に使用される界面活性剤は新世代の噴射剤と共に使用するにはあまり適していないため、近年、特にHFA噴射剤と共に使用する数多くの界面活性剤が提案され、その中にはポリエトキシル化界面活性剤やフッ化界面活性剤などがある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明はこのように、(a)HFA噴射剤;(b)噴射剤中に分散し得る薬理学的に活性なポリペプチド;および(c)C8−C16脂肪酸またはそれらの塩、胆汁酸塩、リン脂質またはアルキルサッカリドである界面活性剤(この界面活性剤は気道下部でポリペプチドの全身吸収を促進するものである)を含有する薬用エアゾール製剤を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 我々は驚くべきことに、気道においてポリペプチドの吸収を促進する様々な物質が、HPA噴射剤と共に界面活性剤として使用するにも極めて適していることを発見した。 【0008】 本発明で用いられる界面活性剤は驚くべきことにHFA噴射剤と共に用いるのに適し;ポリペプチドの吸収を促進する能力により2つの機能を有すことになり、これは本ポリペプチドエアゾール製剤での使用に特に有益である。 【0009】 本発明は、(a)HFA噴射剤;(b)噴射剤中に分散し得る薬理学的に活性なポリペプチド;および(c)C8−C16脂肪酸またはそれらの塩、胆汁酸塩、リン脂質またはアルキルサッカリドである界面活性剤(この界面活性剤は気道下部でポリペプチドの全身吸収を促進するものである) を含有する薬用エアゾール製剤を提供する。 【0010】 脂肪酸およびそれらの塩の中で、C8−C16脂肪酸塩が好ましい。好ましい脂肪酸塩はカプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)およびミリスチン酸(C14)のナトリウム、カリウム、リジン塩である。対イオンの性質は特に重要でないので脂肪酸のどのような塩でも有効である。特に好ましい脂肪酸塩はカプリン酸ナトリウムである。 【0011】 適当な胆汁酸塩は例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、リトコール酸およびウルソデオキシコール酸であり得る。 【0012】 胆汁酸塩中で、トリヒドロキシ胆汁酸塩が好ましい。より好ましいのは、コール酸、グリココール酸およびタウロコール酸の塩で、特にそれらのナトリウムおよびカリウム塩が好ましい。最も好ましい胆汁酸塩はタウロコール酸ナトリウムである。 【0013】 適当なリン脂質は例えば、例えばリゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルイノシトールおよびリゾホスファチジルセリンのような一本鎖リン脂質、または、例えばジアシルホスファチジルコリン類、ジアシルホスファチジルグリセロール類、ジアシルホスファチジルエタノールアミン類、ジアシルホスファチジルイノシトール類およびジアシルホスファチジルセリン類のような二本鎖リン脂質であり得る。 【0014】 リン脂質中、例えばジオクタノイルホスファチジルグリセロールやジオクタノイルホスファチジルコリンなどの、ジアシルホスファチジルグリセロール類およびジアシルホスファチジルコリン類が好ましい。 【0015】 適当なアルキルサッカリドは例えば、デシルグルコシドやドデシルマルトシドのような、アルキルグルコシド類またはアルキルマルトシド類であり得る。 【0016】 最も好ましい界面活性剤は胆汁酸塩である。 【0017】 噴射剤は1,1,1,2−テトラフルオロエタン(P134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(P227)および1,1−ジフルオロエタン(P152a)の一つまたはそれ以上を、例えば所望により一つまたはそれ以上の噴射剤との混合物として含み得る。好ましくは、噴射剤はP134aまたはP227、または例えばP134aとP227との密度適合(density-matched)混合物のようなP134aとP227との混合物を含む。 【0018】 ポリペプチドは全身に運搬されることを期待された、小から中サイズの、すなわち、約40kD分子量(MW)までの、医学上または診断学上有益なペプチドまたはタンパク質であり得る。吸収促進の度合はポリペプチドのMWおよび物理化学的性質および使用する界面活性剤により変化するが、本発明によるポリペプチド吸収の促進機構は一般的に適用でき、このようなポリペプチド全てに適用されるべきである。25kDまでのまたは20kDまでの、および特に15kDまたは10kDまでの分子量をもつポリペプチドのように、30kDまでの分子量をもつポリペプチドが本発明のおいて最も有益であると思われる。 【0019】 ポリペプチドは、インシュリン、グルカゴン、インシュリンのC−ペプチド、バソプレッシン、デスモプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニストおよびアンタゴニスト、性腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモンまたは黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH))、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTH(34)およびPTH(38)のようなPTHの生物活性部分、成長ホルモン(GH)(例えばヒト成長ホルモン(hGH))、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ソマトスタチン、オキシトシン、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、プロラクチンおよび濾胞刺激ホルモン(FSH)および上記全ての類似体のようなペプチドホルモンが好ましい。 【0020】 その他の可能なポリペプチドは、薬理学的効果を全身に及ぼすような成長因子、インターロイキン、ポリペプチドワクチン、酵素、エンドルフィン、糖タンパク質、リポタンパク質、血液凝固カスケードに関与しているポリペプチドなどである。全てではなくともほとんどの小から中サイズのポリペプチドは本発明の方法により効果的に運搬される。 【0021】 好ましいポリペプチドはインシュリンである。 【0022】 本発明の製剤は、薬物、噴射剤、界面活性剤に加えて、少量のエタノール(通常5重量%までであり20重量%まで可能)を含み得る。定量バルブの機能を向上し、またある場合では分散を安定化するので、通常エタノールをエアゾール組成物中に含有させる。 【0023】 組成物はもちろん、他の薬理学的に活性な薬物、補助剤、担体、矯臭剤、緩衝液、抗酸化剤、化学的安定化剤等を含む他の添加剤を必要により含有し得る。適切な添加剤の例としては例えば、ラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、ラフィノース、マルチトール、メレチトース、スタキオース、ラクチトール、パラチナイト、デンプン、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトール等およびそれらの水和物、および例えばアラニン、グリシンおよびベタインのようなアミノ酸、およびペプチド類および例えばアルブミンのようなタンパク質類などがある。 【0024】 好ましい担体はメレチトースである。 【0025】 本発明の製剤は、用いる界面活性剤が二つの機能をもつため特に有益である。本発明で提示される界面活性剤は驚くべきことに新世代の噴射剤中で微細拡散できるだけでなく、大変重要なことにポリペプチドの吸収も促進する。本製剤は安定であり、ポリペプチドのバイオアベイラビリティーも高く、再現性も良い。 【0026】 本発明で用いる界面活性剤はポリペプチドの吸収を例えば次の方法で促進し得る。 【0027】 (1)上皮細胞間の密着性に構造的変化を誘発させてポリペプチドの細胞間透過性を促進する。 【0028】 (2)膜中のタンパク質または脂質成分と相互作用または引き抜きによりポリペプチドの経細胞透過性を促進する。 【0029】 (3)促進剤とポリペプチド間の相互作用により水溶液中でのポリペプチドの溶解度を上げる。これはポリペプチド集塊(二量体、三量体、六量体)の形成を防ぐことで、またはエンハンサーミセル中へポリペプチド分子を溶解させることで起こる。 【0030】 (4)肺胞および気管支の表面を被覆する粘液壁の粘度を下げもしくは溶解し、上皮表面をさらしてポリペプチドを直接吸収させる。 【0031】 (5)肺中のプロテアーゼの活性を下げ、ポリペプチドの安定性を上げ、吸収を増加させる。 【0032】 界面活性剤は上記の機構単独でまたは二つ以上の機構で作用し得る。いくつかの機構で作用している界面活性剤は一つまたは二つのみの機構で作用する界面活性剤よりポリペプチドの吸収をより効率良く促進する。 【0033】 「吸収を促進する」は、界面活性剤の存在下で全身循環に取り込まれたポリペプチドの量が、界面活性剤の非存在下のときよりも多いことを意味する。 【0034】 本発明において、界面活性剤:ポリペプチド比がおよそ1:10〜1:0.2、好ましくは1:4〜1:1、より好ましくは1:4〜1:2.5の比率で界面活性剤が存在することが好ましい。本発明の製剤におけるポリペプチドの好ましい濃度は0.1mg/ml〜25mg/mlである。 【0035】 できるだけ多くのポリペプチドが、例えば0.01−10ミクロンまたは0.1−6ミクロン、例えば0.1−5ミクロンのように、10ミクロン以下の直径をもつ粒子から構成されるのが好ましい。少なくとも50%のポリペプチドが所望のサイズの範囲内である粒子から構成されるのが好ましい。例えば、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%のポリペプチドが所望のサイズの範囲内である粒子から構成される。 【0036】 それ故、本発明で使用するポリペプチドは、製剤に添加する前に、所望のサイズ範囲内の粒子を調製するために加工しなければならない。例えば、ポリペプチドを、例えばジェットミルのような適切な粉砕機で微細化し得る。あるいは、所望の粒子サイズの粒子は例えば噴霧乾燥法または、例えば超臨界液体を使用した結晶化といった調節結晶法などにより得られ得る。 【0037】 好ましくは、本発明で使用する界面活性剤も所望サイズの範囲内の粒子から構成される。適切には、ポリペプチドおよび界面活性剤を水溶性緩衝液中に混合し、乾燥して固体粉末とし、次いで所望により微細化する。微細粉末に低温で噴射剤(および所望によりエタノール)を添加し得る。薬物を混合後、残りの界面活性剤および噴射剤および所望によりエタノールを添加し得、懸濁液を適切な容器に注ぐ。 【0038】 本発明のポリペプチドエアゾール製剤は疾病の局所または全身処置に有効であり、例えば経鼻経路を含めた上部または下部気道を通じて投与し得る。このように、本発明はまた治療に使用する上記ポリペプチドエアゾール製剤;気道を経由する疾病処置用の薬剤の製造におけるポリペプチドエアゾール製剤の使用;治療有効量の本発明のポリペプチドエアゾール製剤を治療の必要な患者に適用することを含む、患者の処置法を提供する。 【0039】 本発明のポリペプチドエアゾール製剤で処置し得る疾病は、各場合において全て特定のポリペプチドで処置し得るものである;例えば本発明によるインシュリン含有製剤は例えば糖尿病の治療に使用し得;副腎皮質刺激ホルモンを含有する製剤は例えば炎症性疾病の治療に使用し得;GnRHを含有する製剤は例えば雄不妊症の治療に有効であり得る。記載した全てのポリペプチドの適応は良く知られている。本発明のポリペプチドエアゾール製剤はまた予防治療にも用い得る。 【0040】 従って、本発明は、以下の態様を含み得る。 【0041】 (1)(a)HFA噴射剤;(b)噴射剤中に分散し得る薬理学的に活性なポリペプチド;および(c)C8−C16脂肪酸またはそれらの塩、胆汁酸塩、リン脂質またはアルキルサッカリドである界面活性剤(この界面活性剤は気道下部でポリペプチドの全身吸収を促進するものである) を含有する薬用エアゾール製剤。 【0042】 (2)界面活性剤がC8−C16脂肪酸塩である、上記(1)項記載の薬用エアゾール製剤。 【0043】 (3)脂肪酸塩がカプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)およびミリスチン酸(C14)のナトリウム、カリウムおよびリジン塩からなる群から選択されるものである、上記(2)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0044】 (4)界面活性剤がトリヒドロキシ胆汁酸塩である、上記(1)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0045】 (5)胆汁酸塩がコール酸、グリココール酸およびタウロコール酸からなる群から選択されるものである、上記(4)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0046】 (6)胆汁酸塩がコール酸、グリココール酸およびタウロコール酸のナトリウムおよびカリウム塩からなる群から選択されるものである、上記(5)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0047】 (7)胆汁酸塩がタウロコール酸ナトリウムである、上記(6)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0048】 (8)界面活性剤が一本鎖のリン脂質である、上記(1)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0049】 (9)界面活性剤がリゾホスファチジルコリン類、リゾホスファチジルグリセロール類、リゾホスファチジルエタノールアミン類、リゾホスファチジルイノシトール類およびリゾホスファチジルセリン類からなる群から選択されるものである、上記(8)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0050】 (10)界面活性剤が二本鎖リン脂質である、上記(1)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0051】 (11)界面活性剤がジアシルホスファチジルコリン類、ジアシルホスファチジルグリセロール類、ジアシルホスファチジルエタノールアミン類、ジアシルホスファチジルイノシトール類およびジアシルホスファチジルセリン類からなる群から選択されるものである、上記(10)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0052】 (12)界面活性剤をジオクタニルホスファチジルグリセロールおよびジオクタニルホスファチジルコリンから選択する、上記(11)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0053】 (13)界面活性剤がアルキルグリコシド類およびアルキルマルトシド類からなる群から選択されるものである、上記(12)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0054】 (14)界面活性剤がデシルグリコシドおよびドデシルマルトシドからなる群から選択されるものである、上記(13)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0055】 (15)噴射剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタン(P134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(P227a)または1,1−ジフルオロエタン(P152a)を含む、上記(1)〜(14)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0056】 (16)噴射剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタン(P134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(P227)を含む、上記(15)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0057】 (17)噴射剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタン(P134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(P227)の密度適合混合物を含む、上記(15)項または(16)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0058】 (18)ポリペプチドの分子量が40kDまでの、上記(1)〜(17)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0059】 (19)ポリペプチドの分子量が30kDまでの、上記(18)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0060】 (20)ポリペプチドの分子量が25kDまでの、上記(19)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0061】 (21)ポリペプチドの分子量が20kDまでの、上記(1)〜(20)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0062】 (22)ポリペプチドの分子量が15kDまでの、上記(1)〜(21)項のずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0063】 (23)ポリペプチドの分子量が10kDまでの、上記(1)〜(22)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0064】 (24)ポリペプチドがペプチドホルモンである、上記(1)〜(23)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0065】 (25)ポリペプチドがインシュリン、グルカゴン、インシュリンのC−ペプチド、バソプレッシン、デスモプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニストおよびアンタゴニスト、性腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモン、またはLHRH)、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTH(34)およびPTH(38)のようなPTHの生物活性部分、成長ホルモン(GH)(例えばヒト成長ホルモン(hGH))、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ソマトスタチン、オキシトシン、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、プロラクチン、濾胞刺激ホルモン(FSH)およびそれらの類似体からなる群から選択されるものである、上記(1)〜(17)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0066】 (26)ポリペプチドがインシュリンである、上記(25)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0067】 (27)噴射剤および界面活性剤の重量にして20%までの量のエタノールを含む、上記(1)〜(26)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0068】 (28)噴射剤および界面活性剤の重量にして5%までの量のエタノールを含む、上記(1)〜(27)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0069】 (29)補助剤、担体、矯臭剤、緩衝液、抗酸化剤および化学的安定化剤からなる群から選択された添加剤を含むものである、上記(1)〜(28)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0070】 (30)添加剤がラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、ラフィノース、マルチトール、メレチトース、スタキオース、ラクチトール、パラチナイト、デンプン、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトール、それらの水和物、アラニン、グリシンおよびベタインおよびアルブミンからなる群から選択されるものである、上記(29)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0071】 (31)担体がメレチトースである、上記(30)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0072】 (32)界面活性剤:ポリペプチド比が1:10〜1:0.2の範囲で界面活性剤が存在する、上記(1)〜(31)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0073】 (33)界面活性剤:ポリペプチド比が1:4〜1:1の範囲で界面活性剤が存在する、上記(32)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0074】 (34)ポリペプチドが直径0.01〜10ミクロンである粒子を含む上記(1)〜(33)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0075】 (35)ポリペプチドが直径0.1〜6ミクロンである粒子を含む、上記(34)項に記載の薬用エアゾール製剤。 【0076】 (36)ポリペプチドが直径0.1〜5ミクロンである粒子を含む、上記(34)に記載の薬用エアゾール製剤。 【0077】 (37)少なくとも50%のポリペプチドが上記サイズ範囲内の粒子を含む、上記(34)〜(36)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0078】 (38)少なくとも60%のポリペプチドが上記サイズ範囲内の粒子を含む、上記(34)〜(36)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0079】 (39)少なくとも70%のポリペプチドが上記サイズ範囲内の粒子を含む、上記(34)〜(36)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0080】 (40)少なくとも80%のポリペプチドが上記サイズ範囲内の粒子を含む、上記(34)〜(36)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0081】 (41)少なくとも90%のポリペプチドが上記サイズ範囲内の粒子を含む、上記(34)〜(36)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0082】 (42)ポリペプチドの濃度が製剤の0.1mg/ml〜25mg/mlである、上記(1)〜(41)項のいずれかに記載の薬用エアゾール製剤。 【0083】 (43)ポリペプチドおよび界面活性剤を水性緩衝液中で混合し;乾燥して固体粉末とし;所望により固体粉末を微細化し;所望により微細化した粉末、噴射剤および所望によりエタノールを低温で容器に加え;混合し;さらに噴射剤および所望によりエタノールを加える工程を含む、上記(1)〜(42)項いずれかに記載のポリペプチドエアゾール製剤の製造方法。 【0084】 (44)治療に使用することを目的とする、上記(1)〜(42)項のいずれかに記載のポリペプチドエアゾール製剤。 【0085】 (45)気道を経由する疾病処置用の薬剤の製造における、上記(1)〜(42)項のいずれかに記載のポリペプチドエアゾール製剤の使用。 【0086】 (46)上記(1)〜(42)項のいずれかに記載のポリペプチドエアゾール製剤の治療有効量を治療の必要な患者に投与することを含む、上記患者の処置法。 【0087】 以下の実施例は本発明を説明するものであり、限定するものではない。 【0088】 異なる界面活性剤を用いたP134aおよび/またはP227のインシュリン製剤は作成した懸濁液の質を評価するために調製された。以下の実施例で懸濁液の質を「許容可能」または「良好」と評価している。許容し得る懸濁液は、分散が均一な投薬量を得るのに充分安定であるような、ゆっくりとした静置または分離、素早い再分散、ほとんど凝集がないことおよび結晶化または形態変化のないことを一つまたはそれ以上含むことを特徴とする。良い拡散はさらにより安定である。 【実施例1】 【0089】 方法 インシュリン(25−35部、下記参照)を水と共にビーカーに加え、溶解した。界面活性剤(65−75部、下記参照)を加え、溶解し、pHを7.4に調節した。溶液を水を蒸発させて濃縮した。得られた固体ケークを破砕し、ふるいにかけ、ジェットミルで粉砕した。粉末40または50mgをプラスチックコートしたガラスビンに加えた。ビンをドライアイスとイソプロパノールの混合物を用いて約−40℃まで冷却し、冷却したP134a(約−40℃)を10ml加えた。ビンを定量バルブで密封し、次いで約30秒間はげしく振盪した。実施例1g〜1nはさらに約10分間超音波浴で処理した。 【0090】 結果 【0091】 【表1】
【実施例2】 【0092】 カプリン酸ナトリウム(25部)およびインシュリン(75部)を別々に微細化し、次いで乾燥混合する。この混合液40mgをプラスチックコートしたガラスの容器に加えた。容器をドライアイスとイソプロパノールの混合物を用いて約−40℃まで冷却し、冷却(約−40℃)したP134aを10ml加えた。容器を定量バルブで密封し、次いで約30秒間はげしく振盪した。良好な懸濁液が形成した。 【実施例3】 【0093】 方法 インシュリン(25−35部、下記参照)を水と共にビーカーに加え、溶解した。界面活性剤(65−75部、下記参照)を加え、溶解し、pHを7.4に調節した。溶液を水を蒸発させて濃縮した。得られた固形ケークを破砕し、ふるいにかけ、ジェットミルで粉砕した。粉末40または50mgをプラスチックコートしたガラスビンに加えた。ビンをドライアイスおよびイソプロパノールの混合物を用いて約−40℃まで冷却し、冷却(約−40℃)したP227を10ml加えた。ビンを定量バブルで密封し、次いで約30秒間はげしく振盪した。実施例3g〜3nはさらに超音波浴で約10分間処理した。 【0094】 【表2】
【実施例4】 【0095】 DNaseを含む微細製剤、界面活性剤(タウロコール酸ナトリウムまたはジオクタノイルホスファチジルグリセロール)およびメレチトース(DNase:界面活性剤:メレチトース比1:0.33:98.67、総重量50mg)をプラスチックコートしたガラスビンに加え、約−40℃まで冷却した。冷却した噴射剤134aまたは噴射剤227a(約−40℃、約10ml)を加え、ビンを定量バルブで密封し、超音波浴で約10秒間処理した。 【0096】 超音波浴で処理する前に5%(w/w)のエタノールを加えた、同じ製剤を調製した。 【0097】 形成した懸濁液の質を直ぐにまたは室温で20時間貯蔵後に評価した。全てにおいて良好な懸濁液が観察された。 【実施例5】 【0098】 カプリン酸ナトリウムおよびインシュリンを別々に微細化し、次いで乾燥混合した。カプリン酸ナトリウムとインシュリンとの比率は25:75であった。この混合液80mgをエアゾールバイアルに加えた。エアゾールバイアルをドライアイスおよびイソプロパノールの混合物を用いて約−40℃に冷却し、冷却(約−40℃)したP134aを10mlを加えた。エアゾールバイアルを50μl定量バルブと共に密封し、次いで超音波浴中で数分間処理した。 【0099】 容器から運ばれるエアゾール中のインシュリンの粒子サイズは『アンダーソン』インパクター28.3ml/minにて測定した。微細粒子(6pm以下)の画分は運ばれてきた量の41%であった。粒子サイズの測定を2ヶ月月間室温で貯蔵した後、繰り返した。微細粒子画分は46%であった。 【実施例6】 【0100】 インシュリンおよびタウロコール酸ナトリウム(比率75:25、8mg/ml)を含有する50エアゾール単位を以下のように調製した;物質をビーカーに量り入れた。ビーカーをドライアイスおよびイソプロパノールの混合物を用いて約−40℃に冷却した。噴射剤(p134a、約−40℃)を加え、ウルトラトラックス(ultraturrax)で数分間混合し、次いで製造容器に入れ、さらに噴射剤(p134a、約−40℃)を加えた。(総容量500ml)製剤をウルトラトラックスで撹拌し、定量吸入器に各10mlで入れた。吸入器を定量バルブで密封した。 エアゾールは様々な条件下で貯蔵した: 5℃、乾燥状態で2、8、13週間 30℃、30%相対湿度で11週間 懸濁液の質を評価した。全ての場合において良好な懸濁液が観察された。 【0101】 加えて、インシュリンの安定性は標準的クロマトグラフィー技術を用いて、分解生成物であるデスアミドインシュリンおよび他のインシュリン関連不純物の濃度を測定することで評価した。全ての場合において、不純物のレベルは許容可能な範囲内であった(デスアミドインシュリンが5%以下でありその他のインシュリン関連不純物が3%以下)。 【実施例7】 【0102】 実施例5の調製物で満たされた、計量加圧吸入器を作動させ、運ばれてきたエアゾールをスペーサーに収集する。空気流(8lit/min)をスペーサーを通して、デリバリーシステムに導入し、5匹の犬を5分間さらした。目標吸入用量は1U.インシュリン/kgであった。バイオアベイラビリティーは吸入後の血漿曲線を以前の研究における静脈注射後の血漿曲線と比較することで決定する。バイオアベイラビリティーは肺に到達した薬物の66%であった。 【実施例8】 【0103】 計量加圧吸入器を実施例6の製剤またはエンハンサーなしの対応する製剤で満たす。各吸入器を作動させ、運ばれて来たエアゾールをスペーサーに収集する。空気流(8lit/min)をスペーサーを通して、デリバリーシステムに導入し、5匹の犬を2分間さらした。目標吸入用量は1U.インシュリン/kgであった。血液サンプルを投薬前および投薬開始後245分間までの様々な時間間隔で収集した。血漿インシュリン濃度はラジオイムノアッセイで測定した。 【0104】 エンハンサーのない製剤では、一般的にインシュリンは比較的ゆっくりと吸収され、ある動物においては血漿インシュリンレベルのピークは投与後50および100分の間であった。その他の動物では血漿インシュリンレベルのピークは投与後10および20分の間であった。 【0105】 本発明による製剤では、全ての動物において、血漿インシュリンレベルのピークは投与から10分以内に到達し、もう一つのピークが25分あたりにあらわれた。 【0106】 本発明の製剤からのインシュリンの一般的により早い吸収は、健康なヒトにおける食後の自然インシュリン血漿曲線に近い。さらに、動物間での差異がないということは、本発明の製剤を用いて、望ましいレベルのインシュリン吸収が、より容易により確実に達成されることを示している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391008951 【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ 【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
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| 【出願日】 |
平成18年2月7日(2006.2.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆
【識別番号】100067035 【弁理士】 【氏名又は名称】岩崎 光隆
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| 【公開番号】 |
特開2006−137776(P2006−137776A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月1日(2006.6.1) |
| 【出願番号】 |
特願2006−29669(P2006−29669) |
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