| 【発明の名称】 |
エアゾール組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】白水 敏博 【住所又は居所】佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製薬株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】エアゾール用金属製容器を腐蝕させることがなく、また有効成分の結晶生成もなく、長期保存に適した水を含むエアゾール組成物を提供する
【解決手段】本発明は、噴射剤および原液からなるエアゾール組成物であって、原液が、有効成分の酸性塩、水5w/v%以上および非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤を含むpH6〜8の均一系溶液である、前記エアゾール組成物に関する。また、有効成分の酸性塩が、抗真菌薬、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、消炎鎮痛剤、殺菌消毒剤、抗生剤およびビタミン剤からなる群から選択される1種または2種以上の酸性塩である、前記エアゾール組成物に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 噴射剤および原液からなるエアゾール組成物であって、原液が、有効成分の酸性塩、水5w/v%以上および非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤を含むpH6〜8の均一系溶液である、前記エアゾール組成物。 【請求項2】 原液が、さらにアルコールを含む、請求項1に記載のエアゾール組成物。 【請求項3】 原液が、有効成分の酸性塩0.1〜10w/v%および水5〜50w/v%を含む、請求項1または2に記載のエアゾール組成物。 【請求項4】 非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、親水性界面活性剤である、請求項1〜3のいずれかに記載のエアゾール組成物。 【請求項5】 非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、HLB10以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のエアゾール組成物。 【請求項6】 非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエキシエチレン脂肪酸モノグリセリンエステルおよび脂肪酸アルカノールアミドからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のエアゾール組成物。 【請求項7】 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルアミンのアルキル基の炭素数が8〜20個である、請求項6に記載のエアゾール組成物。 【請求項8】 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリエキシエチレン脂肪酸モノグリセリンエステルの脂肪酸の炭素数が14〜20個である、請求項6または7に記載のエアゾール組成物。 【請求項9】 脂肪酸アルカノールアミドが、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドおよびヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項6〜8のいずれかに記載のエアゾール組成物。 【請求項10】 非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項9に記載のエアゾール組成物。 【請求項11】 有効成分の酸性塩が、抗真菌薬、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、消炎鎮痛剤、殺菌消毒剤、抗生剤およびビタミン剤からなる群から選択される1種または2種以上の酸性塩である、請求項1〜10のいずれかに記載のエアゾール組成物。 【請求項12】 有効成分の酸性塩が、塩酸塩または硝酸塩である、請求項1〜11のいずれかに記載のエアゾール組成物。 【請求項13】 有効成分の酸性塩が、塩酸テルビナフィン、塩酸ネチコナゾール、塩酸ブテナフィン、硝酸ミコナゾールおよび硝酸エコナゾールから選択される、請求項12に記載のエアゾール組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、エアゾール組成物に関する。さらに詳しくは、長期間の保存においても金属製容器を腐食したり、配合した有効成分が析出したりすることなく、優れた安定性を有するエアゾール組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、エアゾール組成物、特に水溶液が酸性を示す有効成分を含有するエアゾール組成物を充填した金属製容器を長期間保存した場合、該エアゾール組成物中の水分によって、金属製容器が腐食する現象が起きていた。このような腐食を防ぐために、金属製容器の内面を樹脂などで被覆し、エアゾール組成物と容器の金属表面とが物理的に接触しないように加工する方法が試みられたが、樹脂等で金属表面を完全に被覆したつもりでも、樹脂等で被覆されていない、いわゆるピンホールといわれる箇所から腐食が生じていた。 【0003】 そこでエアゾール組成物の組成の検討が行われてきた。例えば、金属製容器の腐食を防ぐ手段として、組成物中の水の配合量を少なくすることが提案されている。すなわち、塩酸ブテナフィンを有効成分とし、配合水分量が3w/v%以下である抗真菌性液体外用組成物を原液とし、該原液と噴射剤とを配合してなるエアゾール剤が記載されており、配合水分量を可能な限り少なくすることによって、金属性容器の腐食の防止を試みている(特許文献1)。しかし、配合水分量を極端に少なくすると、火気に対する危険性が高まる虞があり、医薬用・化粧用等の人に対し噴射するエアゾール組成物としては、使用感が悪くなるなど、決して好ましいものではない。 【0004】 また他の手段として、酸性の水性成分と油性成分とを配合し、油中水型エアゾール組成物として、金属製容器の腐食を防ぐことを試みている(特許文献2)。しかし、油中水型のエマルションでは、長期保存した場合、水性成分と油性成分とが分離してしまい、結局、金属製容器が腐食してしまっていた。また、エアゾール組成物をpH調整剤等を用いて中性化し、金属製容器の腐食を防止しようとする試みがある。しかし、水と有効成分の酸性塩を同時に含有させた場合、pH調整剤と酸性塩から遊離した酸とが反応して、塩の結晶を生成して沈殿が生じ、含量安定性が不十分となったり、エアゾールバルブから組成物を噴射する際に目詰まりを生じたりする不都合が生じていた。 【0005】 目詰まりを無くすため、組成物中の成分の結晶化を防ぐ手段として、例えば、酸性成分を中和するための塩基としてジイソプロパノールアミンおよび/または炭素数14以上の脂肪酸とアルカノールアミンとの縮合物を用い、溶媒として低級アルコールを用い、かつ実質的に水を配合しないで原液を調製することが提案され、該原液を用いた組成物が金属製容器の腐食させないことを示している(特許文献3)。しかし、このように実質的に水を配合しない組成物では、火気に対する危険性や、使用感の悪さ、皮膚への安全性が低いなどの問題があった。 【0006】 【特許文献1】特開2001−181182号公報 【特許文献2】特開2002−309241号公報 【特許文献3】特開2004−67620号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の課題は、従来の上記問題点を解消し、エアゾール用金属製容器を腐蝕させることがなく、また有効成分の結晶生成もなく、長期保存に適した水を含むエアゾール組成物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するために、本発明者が、鋭意研究を重ねた結果、有効成分の酸性塩および水を含有するエアゾール組成物(原液)において、pHを6〜8程度に調整し、非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤を配合して均一系溶液を形成することによって、エアゾール用金属製缶容器の腐蝕を防止すると共に、エアゾール噴射バルブの目詰まりの原因となる結晶生成を抑制し、長期間安定に使用できるエアゾール製剤を製造し得ることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。 【0009】 すなわち、本発明は、噴射剤および原液からなるエアゾール組成物であって、原液が、有効成分の酸性塩、水5w/v%以上および非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤を含むpH6〜8の均一系溶液である、前記エアゾール組成物に関する。 また本発明は、原液が、さらにアルコールを含む、前記のエアゾール組成物に関する。 さらに本発明は、原液が、有効成分の酸性塩0.1〜10w/v%および水5〜50w/v%を含む、前記のエアゾール組成物に関する。 また本発明は、非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、親水性界面活性剤である、前記のエアゾール組成物に関する。 さらに本発明は、非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、HLB10以上である、前記のエアゾール組成物に関する。 また本発明は、非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエキシエチレン脂肪酸モノグリセリンエステルおよび脂肪酸アルカノールアミドからなる群から選択される1種または2種以上である、前記のエアゾール組成物に関する。 【0010】 さらに本発明は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルアミンのアルキル基の炭素数が8〜20個である、前記のエアゾール組成物に関する。 また本発明は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリエキシエチレン脂肪酸モノグリセリンエステルの脂肪酸の炭素数が14〜20個である、前記のエアゾール組成物に関する。 さらに本発明は、脂肪酸アルカノールアミドが、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドおよびヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドからなる群から選択される1種または2種以上である、前記のエアゾール組成物に関する。 また本発明は、非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドからなる群から選択される1種または2種以上である、前記のエアゾール組成物に関する。 さらに本発明は、有効成分の酸性塩が、抗真菌薬、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、消炎鎮痛剤、殺菌消毒剤、抗生剤およびビタミン剤からなる群から選択される1種または2種以上の酸性塩である、前記のエアゾール組成物に関する。 また本発明は、有効成分の酸性塩が、塩酸塩または硝酸塩である、前記のエアゾール組成物に関する。 さらに本発明は、有効成分の酸性塩が、塩酸テルビナフィン、塩酸ネチコナゾール、塩酸ブテナフィン、硝酸ミコナゾールおよび硝酸エコナゾールから選択される、前記のエアゾール組成物に関する。 【0011】 本発明にかかるエアゾール組成物は、上記の構成を採用することにより、水を含むエアゾール組成物を充填した場合であっても金属製容器を腐食させることなく、また有効成分の酸性塩を用いた場合であっても結晶化することがないので、エアゾール噴射バルブの目詰まりなどの問題が生じない。また、懸濁液や乳濁液(エマルション)のような分散系溶液を用いるものではなく、エアゾール組成物が分離することなく長期間均一な状態で存在するので、長期間の保存にも適している。 【発明の効果】 【0012】 本発明のエアゾール組成物は、エアゾール用金属製缶容器の腐蝕を防止すると共に、エアゾール噴射バルブの腐食や目詰まりなどの原因となる結晶生成を抑制し、長期間安定に使用できる。特に、有効成分の酸性塩が水と共存すると、液性が酸性になり、金属製容器の腐食が促進される結果となるが、本発明のエアゾール組成物は、液性を中性付近にすることによって、腐食を防止している。したがって、使用感や火気に対する安全性を高めるため、水を配合した場合であっても、金属製容器の腐食を防止することができる。また、液性を中性化することによって、結晶(塩)の析出が起こり、噴射ノズルの目詰まりや、各成分の配合比の変化による組成物の変質などの原因となる虞があったが、本発明のエアゾール組成物は、界面活性剤を可溶化剤として用いており、このような結晶の析出を防ぐことができる。さらに、本発明のエアゾール組成物は、油中水型エマルジョンのような分散系溶液ではなく、均一系溶液であるため、長期間保存していた場合も各成分が分離することなく、同等の品質が長期に渡って維持できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明のエアゾール組成物は、噴射剤および原液からなるエアゾール組成物であって、原液が、有効成分の酸性塩、水および非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤を含むpH6〜8の均一系溶液である。 上記組成物原液中の水としては、精製水、滅菌水、注射用水等が使用できる。原液における水の含量は、5w/v%以上であり、5〜50w/v%であることが好ましく、適用時の皮膚冷感を強め、痒みを緩和する効果を付与するという観点からは、10〜45w/v%であることがより好ましい。 【0014】 本明細書において「均一系溶液」とは、溶液中の各成分が均一に溶媒に溶解して透明な状態で存在し、懸濁液や乳濁液(エマルション)などの分散系溶液とは異なり、長期間保存しても液性成分が分離することのない溶液をいう。この「均一系溶液」は、有効成分の酸性塩の量、水の量、界面活性剤の量、溶液のpH、抗酸化剤、防腐剤、香料、安定化剤などを適宜選択し、各成分を混合し、攪拌溶解することで調製することができる。特に、適量のアルコールを添加することによって調整することができる。 本発明において、エアゾール組成物の原液を均一系溶液とすることは、製造時の取り扱いの容易性に優れるのみならず、意外にもpH調整剤を配合した場合に低温で生じ易い中和塩の結晶が生成されにくいため、有用である。 【0015】 本発明のエアゾール組成物に添加し得るアルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、メタノール、無水エタノールなどが挙げられるが、薬物の溶解性、安全性、人体への安全性及び使用感の観点から、無水エタノールが好ましい。また、アルコールの添加量は、原液に対し、5w/v%以上、好ましくは、30〜80w/v%、特に好ましくは、40〜70w/v%である。 【0016】 本発明のエアゾール組成物に用い得る界面活性剤は、非イオン性および/または陽イオン性の界面活性剤であるが、皮膚に適用するエアゾール製剤に用いるエアゾール組成物においては、皮膚への刺激性の観点から、非イオン性界面活性剤が好ましい。また、本発明のエアゾール組成物に用いる界面活性剤は、親水性および親油性のいずれであってもよいが、親油性のものを用いる場合、原液の水分量が多いと白濁して均一系溶液に調製することが困難になる虞があり、親水性のものを用いるのが好ましい。 本発明のエアゾール組成物に用いる界面活性剤のHLBは、均一系溶液を調整し得るのであれば、特に限定されるものではないが、簡便に均一系溶液を調製するためには、HLB10以上のものを用いるのが好ましい。 【0017】 本発明に用いることができる具体的な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル類の界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどのアミン類の界面活性剤が挙げられる。これらエーテル類およびアミン類の界面活性剤は、飽和または不飽和であってよく、これらのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、8〜20個程度が好適であり、さらに好ましくは14〜18個であり、特に好ましくは16〜18個である。 これら界面活性剤のうち、特に、ポリオキシエチレンアルキルアミンは、含窒素型の界面活性剤であり、それ自身が塩基性を示す化合物であるため、水の共存下においてもイオンを生じることなく、原液処方中のpHを調整する効果も期待できるため、好適に使用される。このようなポリオキシエチレンアルキルアミンとして、特に好ましいものとしては、ポリオキシエチレンオレイルアミンが挙げられる。 また、本発明に用いる界面活性剤として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリエキシエチレン脂肪酸モノグリセリンエステルの化合物等も挙げられる。これらの脂肪酸部分の炭素数は、14〜20個程度が好ましく、さらに好ましくは16〜18個である。 【0018】 本発明に用いる界面活性剤として、さらに脂肪酸アルカノールアミドが挙げられ、脂肪酸アルカノールアミドは含窒素型の界面活性剤であり、ポリオキシエチレンアルキルアミンと同様に、それ自身が塩基性を示す化合物として使用することができる。前記脂肪酸アルカノールアミドとしては、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドが挙げられ、有効成分の酸性塩が示す液性を好適に調整する目的では、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを用いることが好ましい。 【0019】 上記のような界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。また、2種以上組み合せる場合、非イオン性のものだけ、あるいは陽イオン性のものだけを組み合せて用いてもよく、非イオン性のものと陽イオン性のものとを組み合せて用いてもよい。また、2種以上の界面活性剤を用いる場合、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドからなる群から選択される2種以上を組み合せて用いるのが、各界面活性剤の配合量を適宜調節しながら、安定にpHを調整し得るという点から好ましい。 本発明のエアゾール組成物では、原液をpH調整剤によりpH6〜8の範囲に調整する。エアゾール組成物を充填する金属製缶容器の腐蝕を防ぐためには、原液のpHを7〜8の範囲に調整することがより望ましい。有効成分の酸性塩を含有する組成物を中和するには、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム水溶液等が好適に使用される。 【0020】 本発明のエアゾール剤の噴射剤としては、公知のものを用いることができる。すなわち、ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)、窒素ガス、炭酸ガス、代替フロンガス等の通常のエアゾール剤に噴射剤として用いられるものが使用される。 本発明のエアゾール容器として利用される金属製容器(エアゾール缶)は、典型的には、アルミニウム、鋼、ブリキ等からなり、その内面をエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂等でコーティングしたものが使用される。 本発明の有効成分の酸性塩には、塩酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、亜硝酸塩、次亜塩素酸塩、クエン酸、フマル酸などの酸性の塩が使用できる。特に、塩酸塩や硝酸塩などが好適に使用される。また、有効成分としては、抗真菌薬、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、殺菌剤から選択される1種または2種以上を配合することができる。 【0021】 特に、強い掻痒感を伴う場合の多い白癬等の症状に使用される抗真菌薬は、噴射剤ガスと共に皮膚へ噴射された場合に、噴射ガスの揮発による冷却作用を有することから、本発明のエアゾール組成物の有効成分として好適に使用される。このような、抗真菌薬としては、塩酸テルビナフィン、塩酸ネチコナゾール、塩酸ブテナフィン、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール等が使用され、好ましくは塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾールである。その配合量は、エアゾール組成物の原液処方に対して、0.1〜10w/v%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜5w/v%である。 【0022】 抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェンなどを配合することができる。その配合量は、エアゾール組成物の原液処方に対して、0.05〜5.0w/v%であり、更に好ましくは0.05〜2.0w/v%である。抗ヒスタミン剤の配合量を0.05w/v%とすることで、抗ヒスタミン剤としての効果が得られ易く、5.0w/v%以上配合しても、抗ヒスタミン剤の効果は向上しない。 【0023】 局所麻酔剤としては、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸オキシブプロカインなどを配合することができる。その配合量は、エアゾール組成物の原液処方に対して、0.01〜5.0w/v%であり、好ましくは0.05〜2.0w/v%である。局所麻酔剤の配合量を0.01w/v%とすることで、局所麻酔剤としての効果が得られ易く、5.0w/v%以上配合しても、局所麻酔剤の効果は向上しない。 【0024】 本発明のエアゾール組成物は、用途に応じて、グリチルレチン酸、アラントイン、サリチル酸メチルなどの抗炎症剤、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの殺菌剤、メントール、カンフル、オイゲノールなどの清涼化剤、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、酢酸トコフェロールなどの抗酸化剤、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸アルキル、チモールなどの防腐剤、エデト酸ナトリウム、ベンジルアルコール、プロピレングリコールなどの保存剤、オレンジ油、ハッカ油、ユーカリ油、ベルガモット油などの香料等の製剤上許容される他の配合成分を適宜含有することができる。 【0025】 以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。 【実施例】 【0026】 実施例1 塩酸ブテナフィン0.5gを、エタノールへ溶解し、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(HLB11.0)3g、ミリスチン酸イソプロピル1g、トリエタノールアミン0.4gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水25g、1,3−ブチレングリコール2gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液70mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)30mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0027】 実施例2 塩酸ブテナフィン1gを、エタノールへ溶解し、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB14.0)4g、トリエタノールアミン0.6gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水20gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液50mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)50mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0028】 実施例3 塩酸ブテナフィンを塩酸ネチコナゾールとした以外は、実施例2と同様の方法により、本発明のエアゾール外用製剤を得た。 実施例4 塩酸ブテナフィンを硝酸ミコナゾールとした以外は、実施例2と同様の方法により、本発明のエアゾール外用製剤を得た。 実施例5 塩酸ブテナフィンを塩酸テルビナフィンとした以外は、実施例2と同様の方法により、本発明のエアゾール外用製剤を得た。 【0029】 実施例6 塩酸ブテナフィン3gを、エタノールへ溶解し、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB14.0)0.5g、ミリスチン酸ジイソプロピル2g、ジエタノールアミン0.5gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水5gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液65mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)35mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0030】 実施例7 塩酸ブテナフィン1g、l−メントール1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.2g、グリチルレチン酸0.3g、イソプロピルメチルフェノール0.3gを、イソプロピルアルコールへ溶解し、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB14.0)2g、ジエタノールアミン0.4gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水12g、1,3−ブチレングリコール3gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液40mL、および噴射剤としてジメチルエーテル(DME)60mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0031】 実施例8 塩酸ブテナフィンを塩酸ネチコナゾールとした以外は、実施例7と同様の方法により、本発明のエアゾール外用製剤を得た。 実施例9 塩酸ブテナフィンを硝酸ミコナゾールとした以外は、実施例7と同様の方法により、本発明のエアゾール外用製剤を得た。 実施例10 塩酸ブテナフィンを塩酸テルビナフィンとした以外は、実施例7と同様の方法により、本発明のエアゾール外用製剤を得た。 【0032】 実施例11 塩酸ブテナフィン2g、l−メントール2g、塩酸ジフェンヒドラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.4g、グリチルレチン酸0.3g、イソプロピルメチルフェノール0.3gを、エタノールへ溶解し、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB14.0)2g、ジエタノールアミン0.4gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水45gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液40mL、および噴射剤としてジメチルエーテル(DME)60mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0033】 実施例12 塩酸ブテナフィン5g、l−メントール1.5g、塩酸ジフェンヒドラミン0.7g、塩酸ジブカイン0.5g、グリチルレチン酸1gを、エタノールへ溶解し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(HLB12.5)1g、0.1N水酸化ナトリウム水溶液3gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水8gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液60mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)40mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0034】 実施例13 塩酸ブテナフィン0.1g、l−メントール2g、マレイン酸クロルフェニラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.2g、グリチルレチン酸0.3g、イソプロピルメチルフェノール0.3gを、エタノールへ溶解し、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(HLB11.0)1g、ポリソルベート80(HLB15.0) 5gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水20gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液75mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)25mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0035】 実施例14 塩酸ブテナフィン1g、l−メントール3g、マレイン酸クロルフェニラミン1g、リドカイン2g、クロタミトン10gをエタノールへ溶解し、塩化ベンザルコニウム(HLB15以上)1.5g、0.1N水酸化ナトリウム水溶液3.5gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水30gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液50mL、および噴射剤としてジメチルエーテル(DME)50mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0036】 実施例15 塩酸ブテナフィン0.5g、l−メントール1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.3g、グリチルレチン酸0.5g、イソプロピルメチルフェノール0.5gをエタノールへ溶解し、モノオレイン酸グリセリン(HLB2.8)3g、ジエタノールアミン0.7gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水20gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液60mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)40mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0037】 実施例16 塩酸ブテナフィン2g、l−メントール2.5g、塩酸ジフェンヒドラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.4g、グリチルレチン酸0.5g、イソプロピルメチルフェノール0.3gをイソプロピルアルコールへ溶解し、ポリオキシオレイルアミン(HLB15.5)2g、ジエタノールアミン0.6gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水10gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液65mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)35mLを充填し、本発明に係るエアゾール外用製剤を得た。 【0038】 比較例1 塩酸ブテナフィン0.5gをエタノールへ溶解し、ポリオキシオレイルアミン(HLB15.5)2gを加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水8g、1,3−ブチレングリコール3gを加えて、さらに撹拌し、エアゾール組成物を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液70mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)30mLを充填し、エアゾール外用製剤を得た。 【0039】 比較例2 塩酸ブテナフィン1gをイソプロピルアルコールへ溶解し、トリエタノールアミン1.5gを順次加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水12g、1,3−ブチレングリコール3gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液65mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)35mLを充填し、界面活性剤を含有しないエアゾール外用製剤を得た。 【0040】 比較例3 塩酸ブテナフィンを塩酸ネチコナゾールとした以外は、比較例2と同様の方法により、エアゾール外用製剤を得た。 比較例4 塩酸ブテナフィンを硝酸ミコナゾールとした以外は、比較例2と同様の方法により、エアゾール外用製剤を得た。 比較例5 塩酸ブテナフィンを塩酸テルビナフィンとした以外は、比較例2と同様の方法により、エアゾール外用製剤を得た。 【0041】 比較例6 塩酸ブテナフィン1g、l−メントール1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.2g、グリチルレチン酸0.3g、イソプロピルメチルフェノール0.3gを、エタノールへ溶解し、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB14.0)2gを加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水10gを加えて、さらに撹拌し、本発明のエアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液65mL、および噴射剤として液化プロパンガス(LPG)35mLを充填し、pH調整剤を含有しないエアゾール外用製剤を得た。 【0042】 比較例7 塩酸ブテナフィンを塩酸ネチコナゾールとした以外は、比較例6と同様の方法により、エアゾール外用製剤を得た。 比較例8 塩酸ブテナフィンを硝酸ミコナゾールとした以外は、比較例6と同様の方法により、エアゾール外用製剤を得た。 比較例9 塩酸ブテナフィンを塩酸テルビナフィンとした以外は、比較例6と同様の方法により、エアゾール外用製剤を得た。 【0043】 比較例10 塩酸ブテナフィン1g、l−メントール1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.5g、リドカイン1g、グリチルレチン酸0.3gを、エタノールへ溶解し、モノオレイン酸グリセリン(HLB2.8)4gを加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水70g、1,3−ブチレングリコール3gを加えて、さらに撹拌し、エアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液60mL、および噴射剤としてジメチルエーテル(DME)40mLを充填し、pH調整剤を含有しないエアゾール外用製剤を得た。 【0044】 比較例11 塩酸ブテナフィン1g、l−メントール2g、塩酸ジフェラミン0.5g、塩酸ジブカイン0.4g、グリチルレチン酸0.3gを、イソプロピルアルコールへ溶解し、トリエタノールアミン2gを加え、撹拌する。その後、得られた溶液に精製水10g、1,3−ブチレングリコール3gを加えて、さらに撹拌し、エアゾール原液を得た。 アルミニウム製エアゾール缶容器に、前記エアゾール原液40mL、および噴射剤としてジメチルエーテル(DME)60mLを充填し、界面活性剤を含有しないエアゾール外用製剤を得た。 【0045】 i)塩酸ブテナフィン含有エアゾール金属缶の安定性試験 実施例1〜16及び比較例1〜11のエアゾール外用製剤を40℃で3ヶ月保存した後、塩酸ブテナフィンとpH調整剤との反応による結晶析出の有無の観察、缶内部の腐蝕およびエアゾールバルブの腐蝕に関する観察を行い、経時安定性について試験を行った。 試験結果を、表1〜4に示す。 【0046】 【表1】
【0047】 【表2】
【0048】 【表3】
【0049】 【表4】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000160522 【氏名又は名称】久光製薬株式会社 【住所又は居所】佐賀県鳥栖市田代大官町408番地
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| 【出願日】 |
平成16年11月9日(2004.11.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102842 【弁理士】 【氏名又は名称】葛和 清司
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| 【公開番号】 |
特開2006−131597(P2006−131597A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月25日(2006.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願2004−325535(P2004−325535) |
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