| 【発明の名称】 |
ニンニク卵黄を含有する高脂血症の予防及び/又は治療用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤 裕己 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市平之町10−2 株式会社健康家族内
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、高脂血症の予防及び/又は治療に有用な組成物を提供する。
【解決手段】ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、高脂血症の予防及び/又は治療用組成物 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、高脂血症の予防及び/又は治療用組成物。 【請求項2】 ニンニク卵黄が、ニンニク100重量部に対して卵黄を5〜100重量部含む、請求項1記載の組成物。 【請求項3】 食品である、請求項1又は2記載の組成物。 【請求項4】 医薬である、請求項1又は2記載の組成物。 【請求項5】 ニンニク卵黄の経口摂取量が、体重60kgの成人1日当たり100〜1000mgである、請求項3又は4記載の組成物。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、高脂血症の予防及び/又は治療用の組成物、並びにこの組成物の食品及び医薬としての用途に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、心筋梗塞、脳梗塞などの、動脈硬化に起因する循環器疾患が年々増加しており、成人の主な死亡原因の1つとなっている。動脈硬化を引き起こす原因としては様々なものがあるが、高脂血症(高コレステロール血症、高トリグリセライド血症など)が最も重要な原因の一つとされている。高脂血症は動脈硬化の促進因子であり、虚血性心疾患の発生危険率との間に正の相関が認められている。 【0003】 一般に、高脂血症の治療には、薬物療法や食事療法が行われる。薬物療法には、メバロスタチンなどのHMG−CoAリダクターゼ阻害剤や、陰イオン交換樹脂などの胆汁酸吸着剤などの薬物が用いられている。 【0004】 高脂血症の治療には、これら薬物の使用と同時に食事制限及び運動療法も併用する場合もある。食事制限や運動療法は、いずれも長期にわたって継続する必要があり、効果が現れるためには精神衛生上の困難さを伴う。したがって、天然物由来で安全性が高く、日常の食生活を通して血中脂質低下作用を有し、高脂血症の予防や改善に有用である医薬品や飲食品の開発が望まれていた。例えば、特許文献1には大麦由来のコレステロール上昇抑制剤が、特許文献2には高コレステロール血症に効果がある田七杜仲精を主成分とする食品添加物剤及びこれを添加した健康食品が、特許文献3には、高脂血症改善のための麦若葉末を含有する食品が、それぞれ記載されている。 【特許文献1】特開平10−165120号公報 【特許文献2】特開2000−139405号公報 【特許文献3】特開2002−272416号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、高脂血症の予防及び/又は治療に有用な組成物を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ニンニク卵黄が、優れたコレステロール低下作用を有し、高脂血症の予防又は治療に有用であることを見出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は、ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、高脂血症の予防及び/又は治療用組成物に関する。 【発明の効果】 【0007】 本発明の組成物は、高脂血症改善効果を示す。例えば、本願発明の組成物は、血中の総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度、トリグリセライド濃度、リン脂質濃度及び遊離脂肪酸濃度を低下させ、またHDL−コレステロール濃度を増加させる。しかも、その効果は、ニンニクと卵黄との相乗効果である。 また、ニンニク卵黄は、化学物質と異なり、天然由来のものなので、本発明によれば、安全で、長期に服用しても副作用などの心配の少ない組成物を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明においてニンニク卵黄とは、ニンニクと卵黄とを混合したものをいう。ニンニク卵黄は慣用の方法で製造することができ、例えば、特開平4−158759号公報、特開平2−49560号公報、特開昭61−28361号公報、及び特開昭61−199757号公報などにその製法が記載されているが、これらに限定されない。 一例として、ニンニクをミキサーなどで破砕し、そこに卵黄を添加して、低温で混合し、次いで乾燥することにより、粉状物として、又はこれを造粒して顆粒物としてニンニク卵黄を得ることができる。 本発明において、生ニンニクの破砕物と生卵黄とを低温、約50〜110℃で、特に約60〜約100℃、とりわけ約80℃で、約8〜約16時間、特に約10〜約14時間、とりわけ約12時間混合して得たニンニク卵黄が、良好な高脂血症改善効果を得る上で好ましい。 【0009】 本発明において使用されるニンニクは、ネギ属ユリ科に属する植物(Allium sativum L)の鱗茎部である。 ニンニクにはアリイン、γ−グルタミル−S−アリルシステイン、アリチアミン、スコルジニンA、シトラール、ゲラニオール、リナロール、α−及びβ−フェランドレン、プロピオンアルデヒド、イヌリン、アルギニン、並びにクエン酸などが含有される。 また、アリインは、ニンニクに含まれる酵素のアリイナーゼの作用により刺激性成分のアリシンに変化する。その他に、生ニンニクの加工処理により、ジアリル−ジスルフィドなどのアリルスルフィド類、ビニルジチイン、アホエン、S−アリルシステイン、又はS−アリルメルカプトシステインなどが生じてくる。 【0010】 本発明ではニンニクとして、生のニンニクをそのままか、又は皮をむいたものを使用してもよく、あるいは生ニンニクを加工処理したものなどを使用してもよく、特に制限されない。ニンニクの加工処理方法としては、例えば、乾燥後粉末化したり、加熱したり、蒸したり、マイクロ波に照射させたり、酒若しくはアルコールに漬けたり、熟成させたりする方法が挙げられるが、これら方法を組み合わせて使用してもよい。あるいは、水蒸気蒸留などで得た抽出物などを使用してもよい。また、これらのニンニクを2種以上併用してもよい。本発明では、熱を加えず自然に乾燥させたもの、例えば、収穫時よりも水分が30%程度減少したニンニクを使用してもよい。このようなニンニクでは、γ−グルタミル−S−アリルシステインの含有量が多い。 【0011】 本発明で使用される卵黄は、例えば、鳥類、特に家禽の卵黄、例えば、ニワトリ、ウズラ、アヒル、カモ、シチメンチョウ、キジ、又はダチョウなどの卵黄、好ましくはニワトリなどの卵黄があるが、これらに制限されない。また、これらを2種以上併用してもよい。 本発明では、有精卵の卵黄も無精卵の卵黄も何れも使用できるが、良好な高脂血症改善作用が得られるという点から、有精卵の卵黄が好ましい。 卵黄に含まれる成分としてレシチンなどが挙げられる。 本発明で卵黄は、生卵黄、卵黄粉末、加糖卵黄及び加塩卵黄などのいずれの形態であってもよく、特に制限されない。また、これらを2種以上併用してもよい。良好な高脂血症改善作用が得られるという点から、生卵黄が好ましい。 【0012】 本発明の組成物中のニンニクと卵黄との配合比は、特に制限されないが、ニンニク100重量部に対して卵黄を5〜100重量部、特に5〜30重量部、とりわけ10〜30重量部含有するのが、良好な高脂血症改善効果を得る上で好ましい。 【0013】 本発明の組成物は、ニンニク卵黄以外に、他の成分、例えば高脂血症の予防及び/又は治療に有用な物質などを含んでいてもよい。例えば、ゴマ油、サフラワー油、紅花油、黒酢、ウコン、ナタネ油であり、好ましくはナタネ油である。 【0014】 本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない限り、添加剤、例えば、賦形剤、甘味料、酸味料、増粘剤、香料、色素又は乳化剤などを含有してもよい。 【0015】 本発明に係る組成物は、食品として、特に健康食品、機能性食品、健康補助食品、特定保健用食品として使用することができる。これら食品は、例えばお茶、ジュースといった飲料水;ゼリー、あめ、チョコレート、チューインガムなどの形態であってもよい。また、本発明に係る食品は、栄養補助食品(サプリメント)として、液剤、粉剤、粒剤、カプセル剤、錠剤の形で製造されてもよい。 【0016】 また、本発明に係る組成物は、医薬としても使用することができる。これら医薬は、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬若しくは軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で経口投与することができるが、例えば坐剤の形態で直腸内に;あるいは、例えば軟膏、クリーム剤、ゲル剤又は液剤の形態で局部又は経皮的に投与するなど、非経口的に投与することもできる。 【0017】 本発明に係る組成物の摂取量は、特に制限されないが、ニンニクと卵黄との混合比、投与経路、疾病の種類、剤型、摂取者の年齢、体重及び症状に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の組成物を経口摂取する場合には、体重60kgの成人1日当たり有効成分量としてニンニク卵黄を100〜1000mg、好ましくは300〜800mg、より好ましくは300〜400mg摂取することが、良好な高脂血症改善効果を得る上で望ましい。また、摂取期間は、摂取者の年齢、症状に応じて任意に定めることができる。 【0018】 以下、本発明を、実施例によってさらに詳細に説明する。本発明は、実施例によって限定されるものではない。また、実施例では%は特に規定されていない限り重量%を意味する。 【実施例1】 【0019】 本発明の組成物のヒトの血中脂質濃度に対する作用を試験した。 (1)試験食の調製 ニンニク卵黄は株式会社健康家族製(ニンニク100重量部に卵黄を25重量部含む)を使用した。試験食1としてニンニク卵黄を1カプセル当たり94mg含む軟ゼラチンカプセル剤を、試験食2としてニンニク卵黄を1カプセル当たり188mg含む軟ゼラチンカプセル剤を、それぞれ調製した。またプラセボ食としてニンニク卵黄の代わりにデキストリンを1カプセル当たり188mg含む軟ゼラチンカプセル剤を調製した。 (2)被験者 血清総コレステロール値が240mg/dl以上の健康成人男女18名を被験者とした。 (3)試験食の摂取方法 被験者を3群に分け、各群にプラセボ食、試験食1又は試験食2を、それぞれ毎日1回朝食前に、4カプセル、4週間摂取させた。プラセボ食を摂取した被験者は5名、試験食1を摂取した被験者は7名、試験食2を摂取した被験者は6名である。 このようにして摂取されたプラセボ食、試験食1及び試験食2の組成は表1のとおりである。 【0020】 【表1】
【0021】 (4)試験スケジュール 試験食の摂取開始前と開始4週間後に、被験者から採血及び採尿して、脂質関連項目検査、一般検査、血液生化学検査及び尿検査を行った。各検査における測定項目は以下に示すとおりであった。また、被験者には、簡単な食事及び体調に関する項目を日誌に記録させた。 血中脂質関連項目検査:総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度、HDL−コレステロール濃度、トリグリセライド濃度、リン脂質濃度、遊離脂肪酸濃度 一般検査:身長、体重、血圧、問診所見 血液生化学検査:血糖、GOT、GPT、γ−GTP、中性脂肪、総コレステロール、BUN、クレアチニン、LDH、ALP、尿酸、総蛋白、赤血球数、白血球数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン、血小板数 尿検査:蛋白定性、糖定性、pH、潜血 【0022】 (5)試験結果 脂質関連項目検査: 結果を表2に示した。 【0023】 【表2】
【0024】 表2が示すとおり、総コレステロール濃度及びLDL−コレステロール濃度は、プラセボ食摂取群では増加した。それに対し、試験食1摂取群では、総コレステロール濃度及びLDL−コレステロール濃度の有意な低下が認められた。試験食2摂取群では総コレステロール濃度及びLDL−コレステロール濃度の増加が抑えられた。 また、表2には示さなかったが、試験食1摂取群では、HDL−コレステロール値の有意な上昇、並びにリン脂質濃度、遊離脂肪酸濃度及びトリグリセライド値の有意な低下も認められた。 【0025】 また、上記の方法と同様にして、ニンニク及び卵黄をそれぞれ単独で摂取させた群と、試験食1摂取群とを比較したところ、総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度、トリグリセライド濃度、リン脂質濃度及び遊離脂肪酸濃度に対する低下作用、HDL−コレステロール濃度に対する増加作用において、試験食1は、ニンニク単独の効果と卵黄単独の効果とを合わせたものよりも優れた効果を示し、相乗効果を発揮することが確認できた。 【0026】 一般検査、血液生化学検査及び尿検査: 異常を示す測定値は認められず、試験食1〜3が安全性であることが示された。 簡単な食事及び体調に関する日誌: 特に異常を示す所見は認められなかった。 【実施例2】 【0027】 本発明の組成物のラットの血中脂質濃度に対する作用を試験した。 (1)飼料の調製 表3に示すとおりの対照飼料、ニンニク卵黄1%飼料、及びニンニク卵黄2%飼料を調製した。ニンニク卵黄粉は株式会社健康家族製(ニンニク100重量部に卵黄を25重量部含む)を使用した。なお、ニンニク卵黄粉にはタンパク質、脂質、食物繊維、リンなどが含まれているので、これらの含有量が対照飼料とニンニク卵黄飼料との間で等しくなるように調整も行った。 【0028】 【表3】
【0029】 (2)試験方法 5週齢の高血圧自然発症ラットSHRの雄を日本エスエルシー株式会社より購入し、24℃、12時間の明暗サイクルの条件下で飼育した。予備飼育を2日間行った後、血圧及び体重により対照群、試験群1及び試験群2に6匹ずつ群れ分けをした。対照群には対照飼料を、試験群1にはニンニク卵黄1%飼料を、試験群2にはニンニク卵黄2%飼料を、それぞれ60日間摂取させた。その間、水は自由に摂取させた。60日間摂取させた後、ラットの心臓より採血を行い、総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度、HDL−コレステロール濃度、トリグリセライド濃度、リン脂質濃度、遊離脂肪酸濃度を測定した。結果を図1及び2に示す。 (3)考察 図1及び2から、試験群1及び試験群2が、対照群と比較してトリグリセライド濃度及びLDL−コレステロール濃度が低下していることが認められた。 また、図1及び2には示さなかったが、試験群1及び2では、HDL−コレステロール値の有意な上昇、並びにリン脂質濃度、遊離脂肪酸濃度及びトリグリセライド値の有意な低下も認められた。 なお、上記実験とは別の実験で、ニンニク卵黄1%飼料及び2%飼料が、ニンニク単独の効果と卵黄単独の効果とを合わせたものよりも優れた効果を示し、相乗効果を発揮することも確認できた。 以上の結果から、本発明の組成物は、高血圧患者の高脂血症の予防や治療にも有効性を示すことが認められた。 【産業上の利用可能性】 【0030】 本発明によれば、高脂血症の予防及び/又は治療用組成物を得ることができる。 本発明の組成物は、高脂血症を改善することにより、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化に起因する循環器疾患の予防又は治療に有用である。 これら組成物は、医薬品、あるいは健康食品、健康補助食品、特定保健用食品又は栄養補助食品などの食品に利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】ラットの血中トリグリセライド濃度を示した図である。 【図2】ラットの血中LDL−コレステロール濃度を示した図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】398013554 【氏名又は名称】株式会社健康家族 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市平之町10番2号
|
| 【出願日】 |
平成16年10月29日(2004.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078662 【弁理士】 【氏名又は名称】津国 肇
【識別番号】100075225 【弁理士】 【氏名又は名称】篠田 文雄
|
| 【公開番号】 |
特開2006−124340(P2006−124340A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月18日(2006.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願2004−315826(P2004−315826) |
|