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【発明の名称】 シート状組成物
【発明者】 【氏名】森 秀樹
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】横道 秀季
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】内田 幸司
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】持続的に二酸化炭素を皮膚に供給でき、その効果が視認できるシートの提供。

【解決手段】波長550nmに於ける光透過率が少なくとも70%以上で含水ゲルからなるゲルシートに二酸化炭素を150ppm〜3,000ppm含有してなるシート状組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長550nmに於ける光透過率が少なくとも70%以上である含水ゲルからなるゲルシートに二酸化炭素を150ppm〜3,000ppm含有してなるシート状組成物。
【請求項2】
波長550nmに於ける光透過率が少なくとも70%以上で、かつ660nmに於ける光透過率が少なくとも75%以上である含水ゲルからなるゲルシートに炭酸ガスを150ppm〜3,000ppm含有し、当該ゲルシートが二酸化炭素非透過性の容器に保存されてなることを特徴とするシート状組成物。
【請求項3】
ゲルシートに二酸化炭素を含有させる方法が、ゲルシートを調製後にゲルシートを二酸化炭素非透過性の容器に充填時または充填後に容器内のガスを二酸化炭素に置換する方法である請求項1又は2項記載のシート状組成物。
【請求項4】
ゲルシートが、さらに酸性基及び/又は水酸基を有するポリマー及びポリオールを含み、pH7以下である請求項1〜3項のいずれか1項記載のシート状組成物。
【請求項5】
ゲルシートの内部又は外側にフィルムを積層してなる請求項1〜4のいずれか1項記載のシート状組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を経皮供給して皮膚の血行促進を行い、かつ皮膚疾患の諸症状の改善効果等に優れたシート状組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二酸化炭素の血行促進作用を利用した化粧料としては、二酸化炭素を耐圧容器に含有してなる血流を促進する化粧料(特許文献1)、皮膚への二酸化炭素浸透を促進するように多価アルコールを10〜99.9%含む二酸化炭素含有化粧料(特許文献2)、噴出後の二酸化炭素の揮散を抑制する為に化粧料を高粘度にしたもの(特許文献3)などが知られている。しかし、これらの形態は、高圧ガス容器(エアゾール缶)を利用したものか、又は液体(高粘度のジェルを含む)を密閉容器に入れ、皮膚上に噴出して使用するものであることから、皮膚上に噴射された二酸化炭素の作用時間は極めて短時間であり、十分満足できる血行促進効果が得られないと云う問題があった。二酸化炭素の作用時間を延ばそうとすると、噴射ジェルなどを皮膚上に厚く塗布したまま保持しなければならず、使用後、拭き取ったり洗い流したりする必要があった。
【0003】
一方、二酸化炭素を高圧容器などを利用せずに身体に供給する方法としては炭酸塩と酸を反応させて炭酸ガスを発生させる方法による技術があるが、身体に利用する際には反応させるために水分などが必要で、使用場所(浴槽)や使用形態として複雑な機構(特許文献4)が必要とされているのが現状である。一方、シップ剤として使用時、水に濡らした布を重ねて使用する方法(特許文献5)があるが、皮膚に対して、高濃度の塩溶液が付着することで皮膚に炎症が起きるなどの問題がある。また、皮膚の創傷治癒を促進するなどの目的で経皮的に二酸化炭素を供給する方法として特許文献6が知られているが、これも二酸化炭素の供給源として、ドライアイスや炭酸塩と酸、ボンベからの供給など装置的に複雑であり、かつ気体透過性素材の水分透過量が非常に少なく、実際に皮膚の血行促進を行うのに必要な水分量を供給できない。また、遊離炭酸を高濃度に含有する水溶性高分子組成物であって、ゾル−ゲル転移する組成物からなる炭酸経皮吸収用組成物(特許文献7)が知られている。この組成物はゲル化することにより炭酸ガスの揮散を抑制できる旨記載されており、高濃度の二酸化炭素が溶存したゾルをシート材への塗布後にゲル化させて使用することが示されている。しかし、シートへの塗布時、及び冷却して固化させる際に、二酸化炭素の揮散を防ぐ具体的な手段が示されておらず、実際に二酸化炭素を十分に皮膚に供給することは困難と考えられる。また、シート状に加工した場合、作用が遅れる(5分以上の赤化が遅れ)といった問題もある。
【0004】
一方、透明なゲルシートについては、何らかのシート(フィルム)上にゲルシートを形成する技術(特許文献8)や、ゲルそのもので一層のシートを形成する技術(特許文献9)などが知られているが、これらのゲルシート剤は配合した成分の皮膚に対する以外に、冷却効果を期待しているものであり、炭酸ガスを配合することや、透明ゲルと炭酸ガスを組み合せるという技術思想はない。
【特許文献1】特開昭59−141512号公報
【特許文献2】特開平11−171755号公報
【特許文献3】特開平11−228334号公報
【特許文献4】特開2000−297007号公報
【特許文献5】特開昭62−286922号公報
【特許文献6】特開2002−326938号公報
【特許文献7】特開2003−34612号公報
【特許文献8】特開平11−269031号公報
【特許文献9】特開2000−226325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記のようにして調製した二酸化炭素溶存シート剤でも、血行促進による皮膚の紅潮状態を確認する為には、シートを剥すなどして状態の確認をしなければならないこと、貼付を繰り返すことで二酸化炭素が揮散しやすくなること、また、皮膚への貼付時に気泡などを巻き込んでしまうと皮膚への二酸化炭素供給効率が低下してしまうことから、貼付状態の確認に気を使うという欠点があった。また、ゲル中に炭酸ガスを含有させる方法として加圧容器内にて炭酸ガスをゲル化前の液に溶存させて含有させるという煩雑な方法を取らなければいけなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、二酸化炭素をゲル中に一定量溶解させ、そのゲルを一定の透明度以上のシートとすれば、貼付したまま剥がさずに血行促進状態の目安となる紅潮などの皮膚の状態変化が確認でき、かつ皮膚とシートの間に挟まった気泡などの存在も確認できるので、ゲルシートを上から押すなどの行為で容易に気泡を追い出すことが可能となり、均一に皮膚に二酸化炭素供給を行えることを見出した。また、ゲルシートを炭酸ガス非透過性容器内に充填するとき、または充填後に、容器内のガスを炭酸ガスに置換することで、含水量の高い寒天ゲルのようなものから、含水量の低いポリアクリル酸ゲルであっても炭酸ガスを溶存できることを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、波長550nmに於ける光透過率が少なくとも70%以上である含水ゲルからなるゲルシートに二酸化炭素を150ppm〜3,000ppm含有してなるシート状組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシート状組成物を用いれば、二酸化炭素による皮膚の血行促進が目視的に確認できる。また、シートの貼付状況、特に気泡の有無が判断可能であることから、容易に気泡を追い出すことができる。その結果、貼付部位に気泡がないため密着性が向上し、二酸化炭素等の皮膚への供給効率が向上する。また、このようなゲルシートの調製に当っては、炭酸ガス非透過性容器内で二酸化炭素にガス置換を行うことで容易に得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のゲルシートは、波長550nmにおける光透過率が少なくとも70%以上である。シートを皮膚に貼付した際に、血行促進による皮膚の紅潮や気泡の存在を目視的に確認できるためには、波長550nmにおける光透過率が70%以上必要であり、好ましくは80%以上、より好ましくは88%以上である。光透過率が70%未満では、皮膚の紅潮や気泡が容易に確認できない。尚、ここでいう透過率は、後述する測定法でのシート厚2mmに換算した数値であり、測定方法としては、液セル内にゲルを調整した数値を使用することから求めることができる。また、シート状のものを直接測定できるUV測定装置、UV−3100PC(島津製作所)を用い、2mmに調整したシートを直接測定しても良い。
また、皮膚の紅潮の変化についての判別性をより向上させるには、波長550nmの透過率の他に、波長660nmの透過率が75%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上であることが好ましい。
なお、ゲルシートの一部に嗜好性や判別性を上げる為に、模様として透過率が70%未満となるような部分や、粒子などを分散させても、それ以外の部分の透過率が70%以上であれば問題はない。
【0010】
本発明のゲルシートには、二酸化炭素を150〜3,000ppm含有する。150ppm未満では、シートを皮膚に貼付したときに十分な血行促進効果が得られない。また、3,000ppmを超える二酸化炭素を含有させることは困難である。ここで、二酸化炭素は、ゲル中に溶存していることが必要である。好ましい二酸化炭素濃度は300〜2,000ppm、さらに好ましくは500〜2,000ppmである。また、二酸化炭素は、アルカリ条件下では炭酸塩(CO32-)となってしまうことから、ゲルシートのpHは7以下、好ましくは3.5〜6.5であり、より好ましくは5.0〜6.5である。また、当該ゲルの水分量は、2質量%以上が好ましい。より好ましい水分量は2〜99.5質量%、さらに好ましい水分量は10〜99.5質量%、特に好ましい水分量は60〜99.5質量%である。
【0011】
本発明のシートは、二酸化炭素を150〜3,000ppm含有する含水ゲルである。当該含水ゲルは、酸性基及び/又は水酸基を有するポリマーをゲル基材として使用し、さらにポリオールを含有するのが好ましい。
【0012】
酸性基を有するポリマーとしては、硫酸基、カルボキシル基を有するポリマーが挙げられる。より具体的には、天然素材や微生物多糖からなる寒天、カラギーナン、アルギン酸、ポリアルギン酸、ペクチン、コンニャクマンナン、種子多糖、ジェランガム、キサンタンガム、カードランなどが挙げられる。水酸基を有するポリマーとしては、アガロースやセルロース及びその誘導体、合成高分子のビニルポリマー、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、水酸基にアルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、ビスエポキシドを架橋することもできる。
また、ポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、トレハロース、キシリトースなどのポリオールより選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、これらポリオール類の一部の水酸基にポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基やアルキル基を導入したポリオール誘導体も使用できる。また、ポリアルギン酸などのポリカルボン酸ポリマーに、ポリリジンなどのアミノ基を有するポリマーを使用したゲルも使用することができる。
【0013】
これらのゲル基剤の使用量は、ゲル基剤としてアクリル酸ポリマー等の合成高分子を用いる場合、製品の総量に対して2〜20質量%が好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。配合量が5質量%未満の場合には、他の天然高分子系ゲル剤などを0.5〜3質量%添加することで、安定で感触の良いゲルシートを得ることができる。
【0014】
ゲル基剤として寒天やコンニャクマンナンなどの天然高分子を用いる場合、ゲル基剤の使用量は製品の総量に対し1〜10質量%、さらに1.5〜3.0質量%が好ましい。この範囲にすると、安定で感触の良いゲルシートを得ることができる。また、冷却条件としてなるべく急冷を行った方が透明度が高くなる。また、カラギーナン、アルギン酸などの金属塩に対しゲル強度を増すゲル基剤の場合、K、Ca、Mg等の金属の塩を添加することでゲルの強度を調整することが可能である。これらの塩の添加量は製品の総量に対して0.01〜1質量%の範囲が好ましい。
【0015】
また、湿潤効果を有し、透明で柔軟性に富むゲルシートを得るためにはポリオールを3〜50質量%、さらに5〜25質量%配合することが好ましい。ポリオールの量が少なすぎると、湿潤や保湿の効果が出にくく、また50質量%以上になるとゲルの保持性やベタツキが生じる。
【0016】
これらの含水ゲルには、さらに生理活性成分を配合することもできる。生理活性成分とは、小じわ・たるみの改善効果、ターンオーバー改善効果、美白効果、スリミング効果、保湿効果、血行促進効果、消炎効果、鎮痛効果等の皮膚及び組織に何らかの有効な作用が認められる成分であり、例えば、セラミド類、ビタミン類(水溶性のビタミンCや脂溶性のビタミンA、ビタミンE、トコフェロール誘導体やビタミンC誘導体など)、抗酸化作用を示すカロチンやアスタキサンチン、αリポ酸、ヒアルロン酸及びその塩、アミノ酸及びその誘導体や蛋白分解物、ヒドロキシ酸等の有機酸類、ラクトフェリン等の糖蛋白質、酵素、血行促進剤、収斂剤、痩身剤、抗炎症剤等で、合成物に加え、動物由来、植物由来、海藻由来などの成分が使用できる。
また、乳化剤等を添加し可溶化したり微細乳化や液晶状態に調整することで、透明なゲル状態を維持したまま油性成分を添加することも可能である。油性成分としては、長鎖炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、シリコーン類、フルオロカーボン類等が挙げられる。長鎖炭化水素としては流動パラフィンが好ましく、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコールでは、特に分岐脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、分岐脂肪族アルコール、不飽和脂肪族アルコールが液状を呈することから好ましく、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、ジイソステアリン酸ジグリセリルなど不飽和脂肪酸や分岐脂肪酸の誘導体などが好ましい。これら油性成分の配合量としては、保湿感の向上効果の点から、0.1〜10質量%、さらに2〜5質量%が好ましい。
【0017】
当該含水ゲルは、ゲル基剤として寒天やコンニャクマンナンなどの天然高分子を用いる場合、例えば前記ゲル基剤、ポリオール、水及びその他の成分を溶解した後、ゲル基剤のゲル化温度以下に冷却することにより製造することができる。また、ゲル基剤としてアクリル酸ポリマー等の合成高分子を用いる場合、例えば前記ゲル基剤を濃グリセリンなどのポリオールに分散させた後、水、水酸化アルミニウム及びその他の成分を配合し、50〜60℃で数日エージングすることにより製造することができる。このとき、シート状の型に入れてゲル化させてもよいし、大型のシート状ゲルを形成した後切断(打抜き)してもよい。含水ゲルシートの形状、大きさは特に限定されないが、シートの厚さは使用感、血行促進効果等の点から0.3〜5.0mmが好ましく、それ以上の厚さであると装着時に落ちたりズレたりなどの問題がおき、薄すぎると例えフィルムを積層しても、皮膚の紅潮を確認できるほどの二酸化炭素量の保持ができない。その為、特に1.0〜3.0mmが好ましい。
【0018】
本発明のゲルシートには、透明性を妨げない限り、その内部又は外部にフィルムを積層してもよい。フィルムを積層すると、皮膚に貼付した際、貼付面の反対側から二酸化炭素の揮散が防止できるので好ましい。また、フィルムは、前記ゲルと同等以上の光透過性を有する必要がある。このようなフィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン、アイオノマー、メタクリル酸ポリマーなどが挙げられ、これらの多層フィルムや透明蒸着フィルムなども利用できる。
また、ゲルとの投錨性(接着性)を上げるために、親水性フィルムとして、ナイロンやアイオノマーフィルムなどを使用したり、フィルムに対してコロナ処理を行ったり、視認性を邪魔しないレベルで、表面に微細な凹凸を処理をしても良い。
【0019】
ゲルシートの調製時に二酸化炭素をゲル中に溶解させてもよいが、ゲルシートを二酸化炭素非透過性の容器に投入した後、または投入と同時に二酸化炭素をその容器中に封入することにより、ゲルシート中に二酸化炭素を溶存させるのが簡便である。本発明のゲルシートは、二酸化炭素の揮散を防止するため二酸化炭素非透過性の容器に保存しておくのが望ましい。
【0020】
二酸化炭素非透過性の容器としては、炭酸ガス非透過性の容器が好ましく、各種プラスティックにアルミ等の金属のラミネート包装容器やアルミやシリカなどの蒸着した包装容器、また金属やガラスなどを利用した容器が使用できる。ここでいう炭酸ガス非透過性とは、二酸化炭素透過度が50cc/m2・day・atm(ASTM D−1434)以下であるも
のが挙げられる。
【0021】
本発明のゲルシートは、前記密封容器から取り出し、所望の皮膚、例えば手、足、顔等に貼付することにより使用できる。これにより、所望の部位に経皮的に二酸化炭素を供給し、血行促進効果が得られる。本発明ゲルシートは、種々の疾患の治療目的に使用できるが、化粧目的にも使用できる。
【実施例】
【0022】
透過率の測定
ゲルの透過率の測定に付いては、ディスポーサブルの10mm光路長のセルにそれぞれ調整したサンプルを液の状態で注入し、ゲル化後に25℃で測定を行った。なお、各サンプル液中に気泡が存在する場合には、遠心機にかけるなどして気泡を取り除いた液を使用した。また、フィルムや不織布は予めセル内にフィルムや不織布を片面に貼付しそのセル内に液を入れてゲル化させた後に、測定した。測定には、島津製作所社製のUV測定装置、UV−1600を用いて測定を行い、100%透過率の対象として同じディスポーザブルのセル内に水を充填し測定した。測定後の数値は、実際の2mm厚のシートと数値レベルを合わせるために、ランベルト−ベールの法則から誘導される以下の式によって透過率を換算した数値を採用した。
【0023】
【数1】


【0024】
つまり、フィルム(もしくはフィルム+不織布)の厚さ2mmの測定値は、フィルム(もしくはフィルム+不織布)を貼付した10mmセルの透過率にゲル10mm厚のセルの測定値透過率の−4/5乗をかけたものとして算出した。
【0025】
実施例1
寒天をゲル基剤として表1の処方の液を80℃で溶解後、氷を敷いたプラスチックトレイ上で厚さ2mmになるように冷却ゲル化し、ゲルシートを調整した。そのゲルシートを4cm×3cmに打抜き、プラスチックトレイにのせて、アルミピロー内に炭酸ガスとともに封入し、室温にて4日間保存した後に取り出し、皮膚に貼付して、そのゲル物性と皮膚紅潮の効果及び開封し直ぐ皮膚に貼付した5分後のシートの二酸化炭素濃度を測定した。
【0026】
【表1】


【0027】
実施例1及び比較例1
実施例1と同様に調整した寒天ゲルシートとアルミピロー内に窒素ガスとともに封入し、室温にて4日間保存した後に、同様にゲル物性と皮膚紅潮の効果を測定した。この結果、二酸化炭素を含有した実施例1のゲルシートでは皮膚の紅潮が、約2分後から5分間認められ、またその紅潮の出現から終了までゲルシートを剥ぐことなく確認できた。これに対し、窒素ガスを封入した比較例1は皮膚の紅潮は認められなかった。
【0028】
【表2】


【0029】
実施例2
表1の寒天ゲルを基剤として、図1に示すようなフィルムを内部に包埋した形(4×3cm)で固定したゲルシートを調製した。フィルムはポリプロピレン20μm厚を使用した。
【0030】
比較例2
フィルム基材用接着剤を塗工したポリプロピレン20μmの厚さのフィルムに不織布(コットン100%、坪量13.5g/m2、厚み0.07mm)を積層し、その上に厚さ2mmとなるように寒天をゲル基剤とした実施例1記載のゲルを用いて図2に示すように調製し、4×3cmにカットし、アルミピロー中に炭酸ガスとともに封入し、4日間保持した後に皮膚に貼付してその紅潮及びゲルシートの柔軟性を評価した。また、開封し直ぐ皮膚に貼付した5分後のシートの二酸化炭素濃度を測定した。
【0031】
【表3】


【0032】
実施例3、4、5
皮膚貼付用ゲルシートとして、柔軟性に富むゲル基剤を使用し、植物エキス及び各種を配合した実施例3、4、5のゲル組成物を調整し、実施例1と同様にして厚さ3mmのシートを調製した。そのゲル物性と光透過度及び5分後の二酸化炭素濃度と、貼付10分後の肌への効果を調べた。
【0033】
潤い感 1:ほとんど潤う感じがない
2:わずかに潤う感じ
3:やや潤う感じ
4:潤う感じ
5:とても潤う感じ
ハリ感 1:ほとんど変化無し
2:わずかにハリが出る感じ
3:ややハリが出る感じ
4:ハリが出る感じ
5:とてもハリが出る感じ
【0034】
付着性 前腕部にシートを添付し、45度に保ったときのシートのずれを評価した。
1:シートを添付して45度に保ち5分後には剥れる。
2:シートを添付して45度に保ち5分後には剥れないが5mm以上ずれる。
3:シートを添付して45度に保ち5分後のズレが1mm以上5mm未満である。
4:シートを添付して45度に保ち5分後のズレが1mm未満である。
5:シートを添付して45度に保ち5分後の移動が全くない。
【0035】
【表4】


【0036】
【表5】


【0037】
実施例6
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸をゲル基材として、表6の処方のゲル状組成物を調整した。このゲル状組成物のpHは5.2であった。厚さ20μmのPPシート面にバーコータを用いてゲル厚2mmとなるようにこのゲル組成物を伸展し、さらに表面を多孔質のPPフィルムにて被覆した後、60℃で4日間エージングをさせてゲル状シートを調製した。
【0038】
【表6】


【0039】
4日後に、ゲル状シートを図3に示すような4cm×3cmの長方形シートに調製し、アルミピロー内に炭酸ガスとともに封入し、室温にて7日間保存した後に取り出し、両面のPPフィルムを剥がし、皮膚に貼付して、そのゲル物性と皮膚紅潮の効果及び開封直ぐ皮膚に貼付した5分後のシートの二酸化炭素濃度を測定した。
【0040】
実施例7
皮膚貼付用ゲルシートとして、表6のポリアクリル酸ゲルを基剤として、図4に示すような片面にフィルムを貼付したゲルシートを調整し、同様にゲル物性と皮膚紅潮の効果を測定した。実施例6及び7のシートのゲル物性、二酸化炭素濃度及び皮膚紅潮の効果を表7に示す。
【0041】
【表7】


【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ポリプロピレンシートの上に寒天ゲルシートを積層した状態を示す図である。
【図2】ポリプロピレンシートと不織布を積層し、さらにその上に寒天ゲルシートを積層した状態を示す図である。
【図3】ポリプロピレンシートの上にポリアクリル酸ゲルシートを積層し、さらにその上に多孔質のポリプロピレンシートを積層した状態を示す図である。
【図4】ポリプロピレンシートの上にポリアクリル酸ゲルシートを積層した状態を示す図である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成17年5月18日(2005.5.18)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【公開番号】 特開2006−89459(P2006−89459A)
【公開日】 平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願番号】 特願2005−145910(P2005−145910)