| 【発明の名称】 |
ミネラル製剤およびその原料ならびにそれらの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 賢一
【氏名】高岡 晋作
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| 【要約】 |
【課題】胡麻油の製造の副産物である脱脂胡麻を有効利用し、付加価値を有する食品または医薬品を提供すること。
【解決手段】本発明のミネラル製剤用原料は、脱脂胡麻を焼成することによって得られ、そしてこのミネラル製剤用原料からミネラルを回収することによって、体内吸収性が良好なミネラル製剤が得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱脂胡麻を焼成することによって得られる、ミネラル製剤用原料。 【請求項2】 脱脂胡麻を焼成する工程を包含する、ミネラル製剤用原料の製造方法。 【請求項3】 請求項1に記載のミネラル製剤用原料から回収したミネラルを含有する、ミネラル製剤。 【請求項4】 マグネシウム、カルシウム、およびカリウムを含有し、 該マグネシウム、該カルシウム、および該カリウムの全質量中に占める該マグネシウムの割合が20質量%以上である、請求項3に記載のミネラル製剤。 【請求項5】 請求項1に記載のミネラル製剤用原料と酸性水溶液とを混合する工程、および 水溶液相を回収する工程 を含む、ミネラル製剤の製造方法。 【請求項6】 脱脂胡麻を焼成してミネラル製剤用原料を得る工程、 ミネラル製剤用原料と酸性水溶液とを混合する工程、および 水溶液相を回収する工程 を含む、脱脂胡麻からのミネラルの回収方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ミネラル製剤およびミネラル製剤用原料ならびにそれらの製造方法に関する。本発明はまた、脱脂胡麻からミネラルを回収する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 胡麻種子は、約50質量%の脂質を含有しており、胡麻油の原料として利用されている。一方、胡麻油を搾油した残りの成分、すなわち胡麻種子の約50質量%に相当する脱脂胡麻は、ほとんど有効利用されていない。この脱脂胡麻は、胡麻油の搾油工程で相当の熱を受けるために、蛋白分解物などに起因して暗褐色を呈し、異味異臭を有する。そのため、そのまま食材として用いることは困難であり、そのほとんどが産業廃棄物として処理されている。 【0003】 近年、脱脂胡麻に含まれる有効成分に着目した利用法が提案されている。例えば、脱脂胡麻中に脂質が少なく、蛋白質およびセサミノール3配糖体が多いことを利用して、豆粉、穀類、芋粉、各種澱粉などの食用粉類と所定の割合で混合した混合食用粉類が開示されている(特許文献1)。また、脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶でかつ1−ブタノール可溶の画分が、セサミンまたはセサモールを含有し、糖および脂質代謝剤として使用できることが開示されている(特許文献2)。 【0004】 一方、胡麻種子には、一般的に、35mg/100g以上のシュウ酸および5000mg/100g以上のフィチン酸が含まれている。これらのシュウ酸およびフィチン酸は、ミネラル代謝を阻害し、ミネラルの有効性を減少させる。例えば、胡麻種子、特に胡麻の種皮にはカルシウムが多く含有されるが、そのほとんどがシュウ酸カルシウムとして存在しているため、胡麻の種皮由来のカルシウムは吸収率が悪いことが知られている。そのため、胡麻の種皮を焼成することにより、体内へのカルシウムの吸収性が良好なカルシウムを得ることが検討されている(特許文献3)。しかし、この方法で得られるミネラルは、カルシウム含量が高いミネラル製剤であり、カルシウム以外にも、マグネシウムなどの他のミネラルを豊富に含むバランスのよいミネラル製剤が求められている。 【特許文献1】特開平10−276662号公報 【特許文献2】特開平11−246427号公報 【特許文献3】特許第3189044号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明の目的は、胡麻油の製造の副産物である脱脂胡麻を有効利用し、付加価値を有する食品または医薬品を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者らは、脱脂胡麻を焼成することにより、シュウ酸およびフィチン酸が除去されたミネラル製剤用原料が得られること、このミネラル製剤用原料には、マグネシウム、カルシウム、およびカリウムが多く含有され、特にマグネシウムが高い割合で含有されること、そして酸性水溶液を使用して抽出することにより、該ミネラルを容易に回収でき、さらにこのミネラルが体内に吸収されやすいことを見出して、本発明を完成するに至った。 【0007】 本発明のミネラル製剤用原料は、脱脂胡麻を焼成することによって得られる。 【0008】 本発明のミネラル製剤用原料の製造方法は、脱脂胡麻を焼成する工程を包含する。 【0009】 本発明のミネラル製剤は、上記ミネラル製剤用原料から回収したミネラルを含有する。 【0010】 好ましい実施態様においては、マグネシウム、カルシウム、およびカリウムを含有し、該マグネシウム、該カルシウム、および該カリウムの全質量中に占める該マグネシウムの割合が20質量%以上である。 【0011】 本発明のミネラル製剤の製造方法は、上記ミネラル製剤用原料と酸性水溶液とを混合する工程、および水溶液相を回収する工程を含む。 【0012】 本発明の脱脂胡麻からのミネラルの回収方法は、脱脂胡麻を焼成してミネラル製剤用原料を得る工程、ミネラル製剤用原料と酸性水溶液とを混合する工程、および水溶液相を回収する工程を含む。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、脱脂胡麻からシュウ酸および/またはフィチン酸の含有量が小さく、体内へのミネラルの吸収性が良好なミネラル製剤、特にマグネシウム、カルシウム、およびカリウムを多く含有し、その中でも特にマグネシウムを高い割合で含有するミネラル製剤が提供される。本発明のミネラル製剤を摂取することによって、ミネラルをバランスよくかつ効率よく摂取することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明においては、脱脂胡麻を焼成することによってミネラル製剤用原料が得られ、そしてこのミネラル製剤用原料からミネラルを回収することによってミネラル製剤が得られる。以下、脱脂胡麻、ミネラル製剤用原料、およびミネラル製剤について順次説明する。 【0015】 (脱脂胡麻) 本発明において、脱脂胡麻とは、胡麻から工業的に胡麻油を回収する過程で生じる残渣をいう。この脱脂胡麻は、具体的には、胡麻を圧搾することによって得られる。 【0016】 本発明に用いられる脱脂胡麻の原料である胡麻は、ゴマ科に属する一年草の種子であり、食用として使用されている胡麻のいずれも使用することができる。例えば、黒色のクロゴマ、白色のシロゴマ、黄色のキゴマ、黄金色のキンゴマなどの品種が挙げられる。胡麻は、予め前処理された胡麻、例えば、脱皮胡麻、炒り胡麻などを用いてもよい。脱皮胡麻は、例えば、ロータリーシフター、ロータリースクリーン、比重分離機(風力選別機)などを用いて、胡麻の種皮を剥離することによって得られる。炒り胡麻は、例えば、胡麻を比較的高温で炒ることによって得られる。 【0017】 (ミネラル製剤用原料) 本発明のミネラル製剤用原料は、脱脂胡麻を焼成することによって得られる。焼成することによって、焼成物、すなわちミネラル製剤用原料中のシュウ酸および/またはフィチン酸の含有量を減少させ、ミネラル含有量を高めることができ、ミネラルが体内に吸収されやすい形態に再構成することができる。焼成度が低い場合、若干のシュウ酸およびフィチン酸を含有するミネラル製剤用原料が得られるが、実質的にシュウ酸およびフィチン酸を含有しないミネラル製剤用原料が好ましい。 【0018】 本発明のミネラル製剤用原料は、種々のミネラルを含有する。本発明のミネラル製剤用原料中のミネラル含有量は、通常、85質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上である。ミネラルとしては、主として、マグネシウム、カルシウム、およびカリウムを含有する(以下、これらを主要なミネラルという)。これらの主要なミネラルの含有量は、特に制限されない。マグネシウム含有量は、好ましくは、5g/100g以上、より好ましくは7〜10g/100g程度であり、カルシウム含有量は、好ましくは20g/100g以上、より好ましくは23〜30g/100g以上であり、カリウム含有量は、好ましくは8g/100g以上、より好ましくは10〜15g/100g程度である。 【0019】 本発明のミネラル製剤用原料を得るための焼成温度および焼成時間は、特に制限されず、シュウ酸および/またはフィチン酸の含有量に応じて、適宜設定することができる。通常、脱脂胡麻を300℃以上にて30分間(好ましくは60分間)以上、好ましくは600℃以上にて30分間(好ましくは60分間)以上、より好ましくは800℃にて30分間(好ましくは60分間)以上、さらに好ましくは900℃にて30分間(好ましくは60分間)以上である。シュウ酸および/またはフィチン酸の含有量が少なく、ミネラル含有量が高いミネラル製剤用原料が得られる点で、好ましくは800℃〜1200℃にて2時間以上、より好ましくは3時間以上焼成する。実質的にシュウ酸およびフィチン酸を含有しないミネラル製剤用原料が得られる点で、800℃〜1200℃にて3時間以上焼成することが特に好適である。 【0020】 脱脂胡麻を焼成する際の雰囲気については、特に限定はなく、例えば、脱脂胡麻を空気中で焼成することにより、ミネラル製剤用原料を得ることができる。脱脂胡麻は、例えば、間接的に加温することまたは直接的に燃焼させることなどによって焼成することができる。焼成装置については、特に限定はなく、例えば、焼成炉、電気炉などを使用することができる。 【0021】 本発明のミネラル製剤用原料は、シュウ酸および/またはフィチン酸の含有量が少なく、ミネラルを豊富に含み、そして主要ミネラル(マグネシウム、カルシウム、およびカリウム)をバランスよく含んでいるため、体内に吸収されやすいミネラルとして有用である。 【0022】 (ミネラル製剤) 本発明のミネラル製剤は、上記ミネラル製剤用原料から回収したミネラルを含有する。 ミネラルの回収は、具体的には、ミネラル製剤用原料に酸性水溶液を加えて抽出することによって行われる。この抽出により、ミネラル製剤用原料中のミネラルが水溶液相に溶出される。 【0023】 抽出に用いる酸性水溶液としては、pHが7.0未満の水溶液であれば特に制限はない。好ましくはpHが4〜6の水溶液である。酸性水溶液は、例えば、塩酸、硫酸などの無機酸あるいは乳酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸などの水溶液が挙げられる。特に乳酸または酢酸の酸性水溶液あるいは発酵により得られる乳酸、醸造酢、木酢液などを用いることが好ましい。 【0024】 上記酸性水溶液の添加量は特に制限されない。通常、ミネラル製剤用原料に含有されるミネラルが酸性溶液中の酸と十分反応するように、過剰量の酸性水溶液が添加される。酸性水溶液の添加量の目安としては、酸とミネラル製剤用原料(灰)とが反応することによって生じるガス(炭酸ガス)が発生しなくなるまで酸性水溶液を徐々に添加すればよい。なお、抽出温度および抽出時間も特に制限されない。上記のガスが発生しなくなることを目安に適宜設定すればよい。 【0025】 このようにして抽出されたミネラルは、水溶液あるいは沈殿物として回収される。回収は、デカンテーション、濾過、または遠心分離などの方法によって、液相と固相とを分離することによって行われる。このミネラル製剤は、その後、例えば、凍結乾燥、スプレードライ、蒸発乾固などの当業者が通常用いる乾燥方法により、粉末化してもよい。 【0026】 本発明のミネラル製剤は、上記ミネラル製剤用原料由来の種々のミネラルを含有する。これらのミネラルの中でも、主要なミネラル(マグネシウム、カルシウム、およびカリウム)を含有することが好ましい。これらの主要なミネラルの含有量は、特に制限されない。マグネシウム含有量は、好ましくは、4g/100g以上、より好ましくは4.5〜7g/100g程度であり、カルシウム含有量は、好ましくは4g/100g以上、より好ましくは4.5〜7g/100g以上であり、カリウム含有量は、好ましくは6g/100g以上、より好ましくは7〜10g/100g程度である。 【0027】 本発明のミネラル製剤に含有されるマグネシウム、カルシウム、およびカリウムの含有割合は任意である。好ましくは、主要なミネラル、すなわちマグネシウム、カルシウム、およびカリウム中に占めるマグネシウムの割合が、20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは28質量%以上である。カルシウムについては、主要なミネラル中に占めるカルシウムの割合が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。カリウムについては、主要なミネラル中に占めるカリウムの割合が、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。 【0028】 本発明のミネラル製剤は、含有される主要なミネラル中に占めるマグネシウムの割合が25〜35質量%、カルシウムの割合が20〜35質量%、かつカリウムの割合が40〜50質量%であることが特に好ましい。 【0029】 その他のミネラルとしては、例えば、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ナトリウム、リンなどが挙げられる。これらの含有量についても特に制限はない。鉄含有量は、好ましくは5g/100g以下、より好ましくは1g/100g以下である。銅含有量は、好ましくは2〜100mg/100g程度、より好ましくは5〜50mg/100g程度である。セレン含有量は、好ましくは0.01〜100mg/100g程度、より好ましくは0.1〜50mg/100g程度である。ナトリウム含有量は、好ましくは10mg〜5g/100g程度、より好ましくは100mg〜1g/100g程度である。亜鉛およびマンガン含有量は、好ましくはそれぞれ0.01〜20mg/100g程度、より好ましくは0.05〜20mg/100g程度である。リン含有量は、好ましくは100mg〜10g/100g程度、より好ましくは100mg〜1g/100g程度である。 【0030】 本発明のミネラル製剤は、シュウ酸およびフィチン酸の含有量が少なく、体内への吸収性が良好なミネラルを含有する。本発明のミネラル製剤の剤型については、特に限定はなく、必要に応じて賦形剤を使用して、例えば、粉末、顆粒、またはペレットとして、または食用または薬学的に許容される任意の溶剤に溶解または分散させた液剤として使用することができる。 【0031】 本発明のミネラル製剤は、マグネシウム、カルシウム、およびカリウムをバランスよく含有するため、体内に吸収された場合に、種々の優れた効果が発揮され得る。このような効果としては、例えば、骨粗鬆症の予防効果;循環器系疾患予防効果;高脂血症予防効果;血清コレステロール、中性脂肪、およびLDL−コレステロールの増加抑制効果;HDL−コレステロールの低下抑制効果;血圧上昇抑制効果などが挙げられる。このミネラル製剤は、特にマグネシウムを多く含有しており、このマグネシウムが過剰なカルシウムの体内からの排泄に寄与するため、カルシウムの過剰摂取を抑制しつつ、ミネラルを摂取することが可能である。 【実施例】 【0032】 (実施例1〜3:ミネラル製剤用原料の調製) 脱脂胡麻(Lot No.1)を電気炉に投入し、800℃まで昇温した後、1時間焼成を行い、焼成物(焼成物1)を得た。焼成時間を2時間または3時間に設定したこと以外は上記と同様に焼成し、焼成物2および3を得た。 【0033】 得られた各焼成物の灰分を以下の方法で測定した。まず、550℃に調節した電気炉にニッケル製のるつぼを入れて1時間乾燥し、その後、デシケーターに移し30分間放冷し秤量した。この乾燥、放冷、および秤量を繰り返し、秤量時の質量が、前の秤量時の質量に比べて1mg以下の差となったときの質量をるつぼの恒量として測定した(W0g)。次いで、このるつぼに焼成物を入れ、焼成物の質量を正確に秤量した(W1g)。焼成物が入ったるつぼをガスバーナーで加熱し、水分を完全に除去した後、電気炉にるつぼの蓋をずらして入れ、1時間乾燥した。電気炉中でるつぼに蓋をし、デシケーターに移し、30分間放冷し秤量した。さらに、1時間乾燥、放冷、および秤量の操作を恒量(W2g)が得られるまで繰り返し行った。得られたW0(るつぼの質量)、W1(焼成物の質量)、およびW2(灰化後の焼成物およびるつぼの質量)を用いて以下の式から焼成物の灰分を求めた。結果を表1に示す: (焼成物の灰分)={(W2−W0)/W1}×100(%) 【0034】 (比較例1) 上記実施例1〜3で用いた焼成前の脱脂胡麻の灰分を、実施例1と同様にして測定した(非焼成物)。結果を表1に併せて示す。 【0035】 【表1】
【0036】 表1の結果より、脱脂胡麻を800℃にて長時間焼成するほど、得られる焼成物の灰分含量が高くなることがわかる。特に温度800℃で3時間焼成することにより、焼成物中の灰分含量が99.9%となり、実質的にシュウ酸およびフィチン酸を含有しない焼成物が得られた。 【0037】 (実施例4:ミネラル製剤用原料の調製) 脱脂胡麻(Lot No.2)を電気炉に投入し、800℃まで昇温した後、3時間焼成を行い、焼成物(焼成物4)を得た。 【0038】 (ミネラル製剤用原料中のミネラルの測定) 実施例3で得られた焼成物3および実施例4で得られた焼成物4中の各ミネラル(マグネシウム、カルシウム、カリウム、およびその他のミネラル成分)の含有量を以下の表2に記載の分析方法を用いて測定した。結果を表3に示す。 【0039】 【表2】
【0040】 【表3】
【0041】 表3の結果から、脱脂胡麻焼成物(焼成物3および4)は、ミネラルを豊富に含んでいることがわかる。特に、マグネシウムの含有量は5g/100g以上、カルシウムの含有量は20g/100g以上、およびカリウムの含有量は8g/100g以上であった。表1および3の結果から、これらの焼成物は、シュウ酸および/またはフィチン酸の含有量が少なく、そして主要ミネラル(マグネシウム、カルシウム、およびカリウム)の構成割合を考慮すると、これらの焼成物から体内に吸収されやすいミネラル製剤が得られることが期待される。 【0042】 (実施例5〜7:ミネラル製剤の調製1) 上記実施例1〜3で得られた焼成物(焼成物1〜3)をそれぞれ室温まで冷却した後、これらの焼成物(焼成物1〜3)に酸性水溶液(5〜20%の塩酸水溶液、硫酸水溶液、乳酸水溶液、乳酸発酵液、酢酸水溶液、または酢酸発酵液(醸造酢))を徐々に添加して混合した。酸と焼成物が反応してガス(炭酸ガス)が発生し、同時に焼成物中のミネラル成分が溶液中に溶出した。酸性水溶液は、ガスが発生しなくなるまで添加した。このようにして反応を終了させて得られた反応生成物を濾過して濾液を回収し、この濾液をスプレードライすることによってミネラル製剤を得た。 【0043】 (実施例8:ミネラル製剤の調製2) 電気炉を使用して、実施例1で使用した脱脂胡麻を800℃で3時間焼成することによって灰化して灰分99.9%の焼成物を得た。この焼成物425gを反応槽に移し、攪拌しながら天然醸造酢(15%酢酸溶液)3Lを徐々に加えて混合した。混合液のpHは4.38であった。さらに攪拌しながら一晩放置してミネラル成分を完全に溶液相に溶出させた。その後、濾過して濾液を回収し、145〜150℃にてスプレードライを行い、ミネラルを含有する固形物(脱脂胡麻焼成物の酢酸処理物)約400gを得た。 【0044】 これとは別に、上記焼成物405gを反応槽に移し、攪拌しながら乳酸発酵液(L型乳酸を50質量%含有)630gおよび水3.6Lを徐々に加えて混合した。混合液のpHは4.98であった。さらに攪拌しながら60℃にて一晩放置してミネラル成分を完全に溶液相に溶出させた。その後、濾過して濾液を回収し、145〜150℃にてスプレードライを行い、ミネラルを含有する固形物(脱脂胡麻焼成物の乳酸処理物)約400gを得た。 【0045】 このようにして得られた脱脂胡麻(焼成前)、酢酸処理物、および乳酸処理物中の各ミネラル(マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ナトリウム、およびリン)の含有量を上記表2に記載の分析方法を用いて測定した。結果を表4に示す。 【0046】 (比較例2) 脱脂胡麻の代わりに、胡麻表皮を用いたこと以外は実施例8と同様にして、胡麻表皮焼成物の酢酸処理物および乳酸処理物を得、これらの処理物中の各ミネラル含有量を測定した。結果を表4に併せて示す。 【0047】 【表4】
【0048】 表4の結果から、脱脂胡麻焼成物の酢酸処理物および乳酸処理物は、マグネシウム、カルシウム、およびカリウムをバランスよく、かつ高い割合で含有することがわかる。特に脱脂胡麻の処理物に含有される主要ミネラル(マグネシウム、カルシウム、およびカリウム)中に占めるマグネシウムの割合は、20質量%以上と高い値であった。これに対して、比較例の胡麻表皮焼成物の酢酸処理物および乳酸処理物に含有される主要なミネラル中に占めるマグネシウムの割合は、5.5質量%以下であった。なお、上記脱脂胡麻の処理物に含有される主要なミネラル中に占めるカルシウムの割合は25質量%以上であり、カリウムの割合は40質量%以上であった。 【産業上の利用可能性】 【0049】 本発明によれば、産業廃棄物である脱脂胡麻から、シュウ酸および/またはフィチン酸の含有量が小さく、体内へのミネラルの吸収性が良好なミネラル製剤が得られる。特にマグネシウム、カルシウム、およびカリウムを多く含有し、その中でも特にマグネシウムを高い割合で含有するミネラル製剤を提供する。本発明のミネラル製剤を摂取することによって、ミネラルを効率よく摂取することができる。このように、本発明のミネラル製剤は、胡麻油の製造の副産物である脱脂胡麻を有効利用することができる。また、本発明のミネラル製剤は、食品、医薬品などの分野に利用される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】397026458 【氏名又は名称】株式会社日本生物科学研究所
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| 【出願日】 |
平成16年12月14日(2004.12.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104673 【弁理士】 【氏名又は名称】南條 博道
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| 【公開番号】 |
特開2006−89453(P2006−89453A) |
| 【公開日】 |
平成18年4月6日(2006.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−361600(P2004−361600) |
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