| 【発明の名称】 |
DNAワクチン |
| 【発明者】 |
【氏名】西平 順
【氏名】小山 芳一
【氏名】小野寺 伸
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炎症性サイトカインを誘導または産生するポリペプチドの一部または全部をコードする少なくとも一つの遺伝子ユニットを含むベクターを含有するDNAワクチン。 【請求項2】 前記ポリペプチドがマクロファージ遊走阻止因子、腫瘍壊死因子α、インターフェロン−γ、インターロイキン−1、インターロイキン−2及びインターロイキン−6から選択される一つ以上のポリペプチド由来である前記請求項1記載のDNAワクチン。 【請求項3】 前記ポリペプチドがマクロファージ遊走阻止因子由来である前記請求項2記載のDNAワクチン。 【請求項4】 前記ポリペプチドが酵素である前記請求項2記載のDNAワクチン。 【請求項5】 前記ベクターがマクロファージ遊走阻止因子由来ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む遺伝子ユニットを含む前記請求項1記載のDNAワクチン。 【請求項6】 前記遺伝子ユニット中のポリヌクレオチド配列の一部がThエピトープをコードするポリヌクレオチド配列によって置換されている遺伝子ユニットを含む前記請求項5記載のDNAワクチン。 【請求項7】 前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:4のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む前記請求項5記載のDNAワクチン。 【請求項8】 前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:4のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットと、配列番号:13のポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む前記請求項5記載のDNAワクチン。 【請求項9】 前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:4のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードする遺伝子ユニットと、配列番号:18のポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む前記請求項5記載のDNAワクチン。 【請求項10】 前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:24のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットと、配列番号:13又は18のポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む前記請求項5記載のDNAワクチン。 【請求項11】 前記ベクターがプラスミドDNAである前記請求項1記載のDNAワクチン。 【請求項12】 前記請求項1〜11のいずれかに記載のDNAワクチンを含有する医薬組成物。 【請求項13】 炎症性疾患の治療または予防に用いられる前記請求項12記載の医薬組成物。 【請求項14】 前記炎症性疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ、若年性発症糖尿病、ヴェーゲナー肉芽腫症、炎症性腸疾患、多発筋炎、皮膚筋炎、多発性内分泌不全、シュミット症候群、自己免疫ブドウ膜炎、アディソン病、副腎炎、原発性胆汁性肝硬変、グレーブス病、甲状腺炎、橋本甲状腺炎、自己免疫甲状腺疾患、悪性貧血、ルポイド肝炎、脱髄疾患、多発性硬化症、亜急性の皮膚エリテマトーデス、上皮小体低下症、ドレスラー症候群、重症筋無力症、自己免疫性血小板減少症、突発性血漿板減少性紫斑病、溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、尋常性天疱瘡、天疱瘡、水泡性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円形脱毛症、自己免疫性膀胱炎、類天疱瘡、強皮症、進行性全身性硬化症、CREST症候群、成人発症糖尿病(II型糖尿病)、雄性または雌性自己免疫不妊症、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、混合結合組織病、結節性多発動脈炎、全身性壊死化脈管炎、若年発症関節リウマチ、糸球体腎炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性鼻炎、グッドパスチャー症候群、シャーガス病、サルコイドーシス、リウマチ熱、ぜん息、再発性流産、抗リン脂質症候群、農夫肺、多型紅斑、心術後症候群、クッシング症候群、自己免疫慢性活性肝炎、愛鳥家肺、アレルギー性脳脊髄炎、毒性皮膚壊死溶解、脱毛症、アルポート症候群、肺胞炎、アレルギー性肺胞炎、線維化肺胞炎、間質性肺疾患、結節性紅斑、壊疸性膿皮症、輸血反応、慢性疲労症候群 、線維筋痛、高安動脈炎、川崎病、リウマチ性多筋痛、側頭動脈炎、巨細胞動脈炎、サムター症候群、ベーチェット病、キャプラン症候群、デング熱、脳筋炎、心内膜炎、筋炎、心内膜線維症、眼内炎、持久性隆起性紅斑、乾癬、胎児赤芽球症、好酸球増加を伴う筋膜炎、シャルマン症候群、フェルティ症候群、フィラリア症、毛様体炎、慢性毛様体炎、異虹彩色性毛様体炎、フックス毛様体炎、IgA腎症、ヘーノホ−シェーンライン紫斑病、糸球体腎炎、心筋症、ワクチン接種後症候群、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、腎細胞ガン腫、イートン−ランバート症候群、及び再発性多発性軟骨炎からなる群より選択される自己免疫障害を発症する徴候を有するか、またはその疾患原因および/または補助因子が潜在することを遺伝的または生化学的に確定できる疾患である前記請求項13記載の医薬組成物。 【請求項15】 前記炎症性疾患が、腫瘍壊死因子α、インターフェロン−γ、インターロイキン−1、インターロイキン−2またはインターロイキン−6の発現を伴う前記請求項13記載の医薬組成物。 【請求項16】 前記疾患が、関節リウマチまたは潰瘍性大腸炎である前記請求項13記載の医薬組成物。 【請求項17】 前記治療用組成物が注射剤である前記請求項13記載の医薬組成物。 【請求項18】 請求項11記載のDNAワクチンまたは請求項12記載の医薬組成物の有効量を患者に投与することによって有効な抗体価を得ることを特徴とする炎症性疾患の予防または治療方法
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、炎症性サイトカインの産生を調整するポリペプチドの一部または全部を発現するベクターからなるDNAワクチン、前記DNAワクチンを含有する医薬組成物、およびその医薬組成物を用いた炎症性疾患の予防または治療方法に関する。 【背景技術】 【0002】 サイトカインは免疫細胞をはじめとする種々の細胞から産生される生理活性物質である。一つのサイトカインは多様な生理活性を示し、リンパ球、マクロファージ、NK細胞、好中球など免疫系の細胞の増強により、抗ウイルス作用や抗腫瘍作用など生体防御に関わることも知られている。さらにサイトカインどうしが相互に作用するという特徴をもち、生体防御の恒常性維持に貢献している。しかしながら、サイトカインは炎症惹起作用を有し、関節リウマチ、自己免疫疾患、アレルギー疾患、劇症肝炎、悪性腫瘍、糖尿病、動脈硬化など様々な疾患の病態形成への関与が指摘されている。これらの疾患の進行に伴って、なかでも炎症性サイトカインといわれるインターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−6(IL−6)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)などが誘導され、血液や組織中で検出されるようになる(非特許文献1)。 【0003】 一方、抗原感作により活性化したモルモットのリンパ球培養上清中でマクロファージの遊走を抑制する因子として1966年に発見(非特許文献2)されたマクロファージ遊走阻止因子(以下、MIFと略記する)は、その後、異性化酵素活性、酸化還元酵素活性など様々な機能が再発見され、また線虫から脊椎動物まで広く分布することから長く研究されてきた。現在では、MIFは生体防御に関わるサイトカイン産生に、自然免疫と獲得免疫の両方にわたって関与し、複数の酵素活性(非特許文献3、非特許文献4)を同一分子にもつ特殊なペプチド性の生理活性物質であることが知られている。しかし、これらの酵素活性と免疫との関係を示す報告はまだない。 【0004】 通常サイトカインは刺激誘導により核内のゲノムから遺伝子が転写され発現され、免疫細胞がタンパク質として順次産生する。一方MIFは、ホルモン様に予め細胞内に蓄えられており、エンドトキシンなどの外部刺激により脳下垂体前葉をはじめとする複数の局所組織から分泌されることを特徴としている。またMIFによって刺激されたマクロファージまたはT細胞はグルココルチコイドで抑制されないばかりでなく、グルココルチコイドによって抑制される免疫反応に対抗する生理活性物質であることが報告されている(非特許文献5)。 【0005】 さらに、MIFの受容体は細胞表面にあるという報告があるが、必ずしも明確ではない。これに関して、例えばエンドサイトーシスによって細胞に取り込まれ、細胞質内のタンパク質であるJab1と結合することが知られている(非特許文献6)。 【0006】 また最近になって、遺伝子工学技術の進歩によりDNAワクチンが開発されている。DNAワクチンとしては組み換えプラスミドを用いたものが一般的であり、目的の抗原をコードするDNAを含む組み換えプラスミドを生体内に投与することによって、生体内で当該DNAによってコードされる抗原性を有するアミノ酸配列が発現し、このアミノ酸配列により免疫反応が生体内で惹起される。しかし、ある特定のプラスミドDNAワクチンを生体に投与しても、喚起される免疫反応の程度は一定ではなく、試験動物の種類、DNAの種類、並びに接種方法などにより免疫反応の程度は多様であり、DNAプラスミドがDNAワクチンとして有用であるかどうかを予測することは一般に困難である。そのような中で、例えばインターロイキンー5(IL−5)をDNAワクチンとして喘息等に用いる試みがなされている(非特許文献7)。 【0007】 【非特許文献1】今西二郎、医学のあゆみ、181、750(1997) 【非特許文献2】Bloom BR,. et al.: Science 153, 80 (1966) 【非特許文献3】Rosengren, E., et al.: Mol. Med. 2, 143-149 (1996) 【非特許文献4】Kleemann, R., et al.: J. Mol. Biol. 280, 85-102 (1998) 【非特許文献5】Calandra, T,. et al.: Nature 377, 68-71 (1995) 【非特許文献6】Kleemann, R., et al.: Nature 408, 211-216 (2000) 【非特許文献7】Hertz, M., et al.: J. Immnol. 167, 3792-3799 (2001) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 通常細胞表面上の受容体をターゲットに創薬を行っている当業者が、例えば、MIFを抑制する薬剤を開発するためには、受容体拮抗薬ではなく、直接にMIFに作用する抗体を開発するか、細胞内受容体に結合する物質を探索するしか方法がなかった。実際に、すでにポリクローナル抗体、モノクローナル抗体が開発され、エンドトキシンで誘導された敗血症や劇症肝炎に対して有効であるとの報告がなされている(Bernhagen J, Calandra T, Mitchell RA, et al. MIF is a pituitary-derived cytokine that potentiates lethal endotoxaemia. Nature 1993; 365: 756-9. Kobayashi S, Nishihira J, Watanabe S, et al. Prevention of lethal acute hepatic failure by antimacrophage migration inhibitory factor antibody in mice treated with bacille Calmette-Guerin and lipopolysaccharide. Hepatology1999; 29: 1752-9)。さらに、抗体をモデル動物に投与した研究としては、Bernhagenらのリウマチモデル実験が知られている(Bernhagen, J., et. al.: Regulation of the immune response by macrophage migration inhibitory factor: biological and structural features. J. Mol. Med. 76, 151-161 (1998))。 【0009】 また一般に炎症性サイトカインに対する中和抗体、特にTh1細胞によって放出されたサイトカインは炎症性であり、これにはインターフェロンγ(IFNγ)、IL−2、およびリンホトキシン(LT)が含まれる。これらは自己免疫疾患およびIFNガンマの炎症促進活動におけるTh1の活動が慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、およびクローン病などの多数の自己免疫疾患および炎症疾患に対して関係しており、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、およびIL−13といった炎症性サイトカインに対する中和抗体は有効である。IL−1とIL−6の組み合わせはミエローマにおいて骨破壊に関係することが知られ、サイトカイン中和抗体(Kawano et al, Nature 332, 83, 1988)及びサイトカインレセプター抗体(抗IL−6R抗体など)が有効であることが知られている。最近ではさまざまなモノクローナル抗体が作成され、例えば関節リウマチの治療に用いられている。実際に、関節リウマチ患者に対して行われるTNF−αを標的にした生物学的製剤を用いた抗サイトカイン療法はすでに実用段階にある。サイトカインは特異的な受容体に認識され作用を示すので、サイトカインが標的細胞上の受容体に認識されなければ炎症反応は起きないという観点から、TNF−α、IFN−γ、IL−1、IL−2、IL−6などの炎症性サイトカインに対する可溶性受容体が用いられている。すなわち、可溶性受容体の存在によりサイトカインが本来の受容体に結合できなくなる。しかし、MIFでは細胞表面に受容体が発見されていないので、この手法が利用できない。また抗MIF抗体はMIF自身がもつ毒性のために抗体を量産することは難しく、抗体医薬品の開発は当分困難と考えられる。 【0010】 潰瘍性大腸炎やクローン病などの非特異的炎症性腸疾患(以下、IBDと略す)は、原因不明の難治性疾患である。潰瘍性大腸炎は主に大腸の潰瘍形成性炎症性疾患であり、クローン病は肉芽腫性病変で腸管のどの部位にも発生し得る。IBDの主な治療法は、ステロイド剤やサラゾピリンなどの薬物療法である。特に、ステロイド剤の有効性は確立されているが、投与量や投与法、副作用、薬剤の到達性については問題が残り、検討されてきた。例えば、潰瘍性大腸炎における難治性症例や重症例の場合は、貧血・低タンパク血症を伴い全身状態が悪いうえに、長期間の薬物投与により下痢などの副作用も被っている。したがって、まず炎症の進展を止め、全身状態の改善を図った後に、手術をすることが死亡率の改善に寄与すると考えられ、この様な観点から馬場らによりステロイドの動注療法が試みられるようになった。しかし、上述のステロイド動注療法にも無効例が約30%と少なからず存在すること、また再投与時の有効率の低下も認められること、また、潰瘍性大腸炎以外の炎症性腸疾患に対しては検討されていなかったことから、八木田らによりIBDを対象に、ステロイドとウリナスタチンの併用動注療法が考案され優秀な成績が報告された(八木田旭邦、他:日本臨床外科医学会雑誌、49:p.590-596、(1988))。また、炎症性腸疾患の病態の形成にサイトカインの関与、なかでも、TNF−α、IL−6、IL−8が活動期において高値を示す炎症性腸疾患の治療に、これらサイトカイン産生抑制作用のある薬剤が有効であることが報告されている(八木田旭邦:消化器外科、16:p.1931-1943、(1993))。しかしながら動脈注射は危険が伴う投与方法であるため、より浸襲性の低い治療方法が求められていた。 【0011】 関節リウマチでは、NSAID等の消炎鎮痛剤やステロイドの投与が対症療法として有効である。また、根治的には炎症性サイトカインに対する中和抗体が有効である。実際に、関節リウマチ患者に対しするTNF−αを標的にした生物学的製剤を用いた抗サイトカイン療法は、すでに実用段階にある。しかし、治療抗体に対する抗体の生成や副作用の問題が避けられず、重症の患者しか治療対象にできないという欠点があるためより症状が軽い患者を対象にした治療方法の開発が求められていた。 【課題を解決するための手段】 【0012】 発明者らはMIFが生体防御反応の最初の段階で役割を果たすゲートキーパーであるという仮説の元に、鋭意自己免疫疾患を含む炎症性疾患の患者の解析研究を進めてきた結果、関節リウマチ患者および潰瘍性大腸炎患者の血液中に存在するMIFに対してその活性を中和する能力をもつ抗体の量が有意に少ないという現象を発見した。そこで、発明者らはDNAワクチンを開発することにより、患者自身に抗体を作らせる治療戦略を考案し、動物実験において有効性を確認することができた。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。 【0013】 本発明は、様々な潜在的な炎症性疾患または炎症を伴う疾患の病態形成に関与が指摘されている炎症性サイトカインの産生を調整する酵素またはペプチド性ホルモンのポリペプチドの一部または全部に対するワクチン、これを含有する医薬組成物を提供し、さらに炎症性疾患または関節リウマチ、クローン病をはじめとする自己免疫疾患を予防または治療する方法を提供する。 【0014】 すなわち、本発明は、 (1)炎症性サイトカインを誘導または産生するポリペプチドの一部または全部をコードする少なくとも一つの遺伝子ユニットを含むベクターを含有するDNAワクチン; (2)前記ポリペプチドがマクロファージ遊走阻止因子、腫瘍壊死因子α、インターフェロン−γ、インターロイキン−1、インターロイキン−2またはインターロイキン−6のいずれか一つ以上である上記(1)記載のDNAワクチン; (3)前記ポリペプチドがマクロファージ遊走阻止因子由来である上記(2)記載のDNAワクチン; (4)前記ポリペプチドが酵素である上記(2)記載のDNAワクチン; (5)前記ベクターがマクロファージ遊走阻止因子由来ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む遺伝子ユニットを含む上記(1)記載のDNAワクチン; (6)前記遺伝子ユニット中のポリヌクレオチド配列の一部がThエピトープをコードするポリヌクレオチド配列によって置換されている遺伝子ユニットを含む上記(5)記載のDNAワクチン; (7)前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:4のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む上記(5)記載のDNAワクチン; (8)前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:4のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットと、配列番号:13のポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む上記(5)記載のDNAワクチン; (9)前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:4のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードする遺伝子ユニットと、配列番号:18のポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む上記(5)記載のDNAワクチン; (10)前記ベクターが、配列番号:1、2又は3のアミノ酸配列の一部が配列番号:24のアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットと、配列番号:13又は18のポリヌクレオチド配列を有する遺伝子ユニットを含む上記(5)記載のDNAワクチン; (11)前記ベクターがプラスミドDNAである上記(1)記載のDNAワクチン; (12)前記(1)〜(11)のいずれかに記載のDNAワクチンを含有する医薬組成物; (13)炎症性疾患の治療または予防に用いられる上記(12)記載の医薬組成物; (14)前記炎症性疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ、若年性発症糖尿病、ヴェーゲナー肉芽腫症、炎症性腸疾患、多発筋炎、皮膚筋炎、多発性内分泌不全、シュミット症候群、自己免疫ブドウ膜炎、アディソン病、副腎炎、原発性胆汁性肝硬変、グレーブス病、甲状腺炎、橋本甲状腺炎、自己免疫甲状腺疾患、悪性貧血、ルポイド肝炎、脱髄疾患、多発性硬化症、亜急性の皮膚エリテマトーデス、上皮小体低下症、ドレスラー症候群、重症筋無力症、自己免疫性血小板減少症、突発性血漿板減少性紫斑病、溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、尋常性天疱瘡、天疱瘡、水泡性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円形脱毛症、自己免疫性膀胱炎、類天疱瘡、強皮症、進行性全身性硬化症、CREST症候群(石灰症、レーノー食道運動性障害、強指症、および毛細管拡張症)、成人発症糖尿病(II型糖尿病)、雄性または雌性自己免疫不妊症、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、混合結合組織病、結節性多発動脈炎、全身性壊死化脈管炎、若年発症関節リウマチ、糸球体腎炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性鼻炎、グッドパスチャー症候群、シャーガス病、サルコイドーシス、リウマチ熱、ぜん息、再発性流産、抗リン脂質症候群、農夫肺、多型紅斑、心術後症候群、クッシング症候群、自己免疫慢性活性肝炎、愛鳥家肺、アレルギー性脳脊髄炎、毒性皮膚壊死溶解、脱毛症、アルポート症候群、肺胞炎、アレルギー性肺胞炎、線維化肺胞炎、間質性肺疾患、結節性紅斑、壊疸性膿皮症、輸血反応、慢性疲労症候群 、線維筋痛、高安動脈炎、川崎病、リウマチ性多筋痛、側頭動脈炎、巨細胞動脈炎、サムター症候群(三徴(鼻ポリープ、好酸球増加症、およびぜん息とも呼ばれる))、ベーチェット病、キャプラン症候群、デング熱、脳筋炎、心内膜炎、筋炎、心内膜線維症、眼内炎、持久性隆起性紅斑、乾癬、胎児赤芽球症、好酸球増加を伴う筋膜炎、シャルマン症候群、フェルティ症候群、フィラリア症、毛様体炎、慢性毛様体炎、異虹彩色性毛様体炎、フックス毛様体炎、IgA腎症、ヘーノホ−シェーンライン紫斑病、糸球体腎炎、心筋症、ワクチン接種後症候群、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、腎細胞ガン腫、イートン−ランバート症候群、及び再発性多発性軟骨炎からなる群より選択される自己免疫障害を発症する徴候を有するか、またはその疾患原因および/または補助因子が潜在することを遺伝的または生化学的に確定できる疾患である上記(13)記載の医薬組成物; (15)前記炎症性疾患が、TNFα、IFN−γ、IL−1、IL−2またはIL−6の発現を伴う上記(13)記載の医薬組成物; (16)前記疾患が、関節リウマチまたは潰瘍性大腸炎である上記(13)記載の医薬組成物; (17)前記治療用組成物が注射剤である上記(13)記載の医薬組成物; (18)上記(11)記載のDNAワクチンまたは上記(12)記載の医薬組成物の有効量を患者に投与することによって有効な抗体価を得ることを特徴とする炎症性疾患の予防または治療方法;などを提供する。 【発明の効果】 【0015】 本発明のDNAワクチンを投与することにより、ワクチンが対象とするポリペプチドに対する抗体の抗体価を増加させることができるので、本発明のDNAワクチン、これを含有する医薬組成物、およびこれらを用いた方法は、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの予防または治療に有用である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、本発明を詳細に説明する。 1.DNAワクチン 本発明の第一の態様では、炎症性サイトカインを誘導または産生するポリペプチドの一部または全部をコードする少なくとも一つの遺伝子ユニットを含むベクターを含有するDNAワクチンが提供される。本発明のDNAワクチンを、ヒトを含む哺乳動物に投与すると、本発明のDNAワクチンの遺伝子ユニットにコードされるポリペプチドが生体内で合成され、これが抗原となって免疫が生じることになる。したがって本発明のDNAワクチンを用いる免疫は、炎症性サイトカインを誘導または産生するポリペプチドに関連する疾患の予防及び治療に有効である。本明細書における「ワクチン」とは、免疫応答を生じうる物質を意味する。したがって「DNAワクチン」とは、ワクチンのうち免疫応答を生じうる物質がDNAのもの、すなわちワクチンとして作用するDNAを指す。ここで「遺伝子ユニット」とは、DNAワクチンを構成するために必要な遺伝子配列部分をいい、例えば、抗原となるポリペプチド又はそのポリペプチドが抗原として認識される部位をコードするポリヌクレオチド、そのポリペプチドの分泌を促進するシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド、免疫活性増強作用を持つThエピトープをコードするポリヌクレオチド、約15〜約50アミノ酸残基長さのペプチド(米国特許第5,759,551号)が挙げられる。本発明のDNAワクチンは、そのワクチンの標的、あるいはそのワクチンの活性を増強するために上記遺伝子ユニットをそのベクターDNA中に1つあるいは複数有することができる。 【0017】 本発明のDNAワクチンが標的とする炎症性サイトカインとしては、MIF、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロン−γ(ILγ)、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)及びインターロイキン−6(IL−6)等があげられ、これらを誘導または産生するポリペプチドとしては、MIF、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロン−γ(ILγ)、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)及びインターロイキン−6(IL−6)などがあげられる。本発明では炎症性サイトカイン誘導性ポリペプチドとしてMIFを選択することが好ましい。また、炎症性サイトカインを誘導または産生する酵素としては、例えば、(例示できる物はありません)、乾癬症状に関係するMIFの遺伝子多型(Donn RP ら J. Invest. Dermatol. 2004 Sep;123(3):484-7)が挙げられる。 【0018】 MIFのアミノ酸配列は、ヒト(BC013976;配列番号:1)、マウス(BC024895;配列番号:3)、ラット(NM_031051;配列番号:2)などで公知である。本発明ではこれらのうち、特にヒトのMIFが好ましく用いられる。 【0019】 本発明でいう「MIF由来ペプチド」とは、ヒトMIF(配列番号:1)に対して、80%以上(好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上)の相同性を有するペプチドであり、(1)アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(例えば、1〜6))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(2)アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(例えば、1〜6個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、(3)アミノ酸配列中の1または2個以上(1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(例えば、1〜6個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または(4)それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するペプチドなども包含するものである。 【0020】 本発明のポリペプチドはヒトやその他の温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織に由来するタンパク質であってもよく、また遺伝子工学的に、あるいは市販のペプチド合成機により合成された合成タンパク質であってもよい。 【0021】 上記ポリペプチドをコードする遺伝子はその一部、または全部がDNAワクチンとして用いられる。ここで、「遺伝子の一部」とはワクチンとして投与された場合に、そのポリペプチドに対する抗体が産生されるために必要な領域という意味であり、対象とする遺伝子のうち数個(1〜10個程度)のアミノ酸からなるペプチド領域、あるいは全ペプチド領域をコードする領域の部分が用いられる。 【0022】 DNAワクチンは具体的には以下のように構築される。 【0023】 本発明で用いるDNAは、対象となるタンパク質(例えばヒトMIF)をコードする塩基配列を生体内で発現できるような状態で保持している。本発明で用いるDNAは、対象となるタンパク質(例えばヒトMIF)をコードする塩基配列を発現ベクターと連結させて成るDNAである。発現ベクターは好ましくはプラスミドベクターである。発現プラスミドの作製において有用なベクターとしては、構成性プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター、あるいは各種プロモーターを含むベクターなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。 【0024】 構成性プロモーターの具体例としては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来、ラウス肉腫ウイルス(RSV)由来、シミアンウイルス−40(SV40)由来、あるいは単純ヘルペスウイルス(HSV)由来のプロモーターなどのウイルス由来の強力なプロモーターが挙げられる。組織特異的プロモーターの具体例としては、筋βアクチンプロモーターが挙げられる。誘導性あるいは調節性のプロモーターとしては、例えば、成長ホルモン調節性プロモーター、lacオペロン配列の制御下にあるプロモーター、あるいは抗生物質誘導性プロモーター、あるいは亜鉛誘導性メタロチオネインプロモーターなどが挙げられる。 【0025】 本発明で用いるベクターは、プロモーター(例えば、上記の構成性または誘導性プロモーター)DNA配列を含む発現制御配列を含むことが好ましい。ベクターはさらに、エンハンサー要素、転写あるいはポリアデニル化シグナル(例えば、SV40あるいはウシ成長ホルモン(BGH)由来)のスプライシングのためのイントロン配列などのRNAプロセシング配列、発現タンパク質分泌のシグナル配列、あるいはCpGモチーフとして知られている免疫刺激DNA配列の2以上のコピーを含んでいてもよい。また、ベクターは、細菌の複製起点配列および/または抗生物質耐性(例えば、カナマイシン)あるいは非抗生物質耐性(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子)に用いられ得る選択マーカー用のDNA配列を含んでいてもよい。 【0026】 本発明で用いるDNAの中には、対象となるタンパク質(例えばヒトMIF)をコードする塩基配列に加えて、さらにこれとは異なる別の1または2以上の塩基配列を有していてもよい。そのような別の塩基配列の具体例として、Thエピトープをコードする配列、分泌のためのシグナルペプチド(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)あるいはインターロイキンー5(IL−5)に由来するシグナルペプチド)をコードする配列等が挙げられる。なお、MIFは分泌シグナルをもたないので、MIFをコードする遺伝子ユニットを用いる場合は、シグナルペプチドをコードする遺伝子ユニットを組み合わせて用いると、発現したMIFの分泌を促進することができる。 【0027】 Thエピトープは、Hertzらの報告(J.Immunol.,167:3792−3799(2001))によれば、この配列を抗原中に含むと免疫寛容を生じるので、例えばヒトMIF自身をワクチンとして十分に用いることが可能となる。したがって、Thエピトープをコードする配列を、対象となるポリペプチドの配列の一部(例えば、ループ配列)に置換することが好ましい。このような作用を有するペプチドとして、Thエピトープのほかに、鶏卵リゾチームの部分配列(Nature, 328 (6129):395-399 (1987)参照)あるいはオブアルブミンの部分配列(J. Immunol. 137 (3):911-915 (1986)参照)等があげられる。これらもまたThエピトープ同様に、本発明のDNAワクチンに用いることができる。 【0028】 また、ベクターとしてプラスミドDNAを用いた場合、対象となるタンパク質(例えばヒトMIF)をコードする塩基配列を有するDNAは、常法により大量に調製することができる。例えば、宿主の細菌を形質転換し、形質転換体を大量に培養し、培養液からアルカリ溶解法などの当業者に周知の技法によりプラスミドDNAを回収することができる。本発明の方法において用いられるDNAは、好ましくは、精製されたプラスミドDNAである。 【0029】 2.DNAワクチンを含有する医薬組成物及びそれを用いる予防・治療方法 本発明のDNAワクチンは、例えば、薬学的に許容される担体またはアジュバンド等と一緒に配合して医薬組成物の形態で提供することができる。したがって、本発明の第2の態様によれば、上記したDNAワクチンを含有する医薬組成物が提供される。また、本発明の第3の態様によれば、上記DNAワクチンまたは医薬組成物の有効量を患者に投与することによってそのワクチンが標的とするポリペプチドに対する有効な抗体値を得ることを特徴とする炎症性疾患の予防または治療方法が提供される。 【0030】 本発明で用いる薬学的に許容可能な担体は、生体の細胞中にDNAワクチンをトランスフェクションするのに適したものである。このような薬学的に許容可能な担体の具体例としては、カチオン性リポソーム、フルオロカーボンエマルジョン、蝸牛状剤(cochleate)、筒状剤(tubule)、金粒子、生体分解性ミクロスフェア、あるいはカチオン性ポリマーなどの公知のトランスフェクション試薬が挙げられる。当業者はこのようなトランスフェクション試薬を用いて、本発明で用いるDNAを適宜処方することができる。 【0031】 本発明で好適に用いられるリポソームとしては、市販のリポソーム、あるいはカチオン性脂質あるいはカチオン性ポリマーのいずれかを含むリポソームなどが挙げられる。本発明の好ましい態様においては、リポソームは、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)あるいはコレステロールなどの中性脂質とカチオン性脂質との混合物を含むリポソームが用いられる。そのようなリポソームの調製方法は当業者に公知である。カチオン性脂質とは異なり、カチオン性ポリマーはエステル結合を有さず、その結果、インビボにおいて高い安定性を有する。カチオン性ポリマー(デンドリマーとも称される)の構造は、鎖状でも環状でもよく、ダイマー、オリゴマーあるいはポリマーの何れでもよい。中性脂質を有さない水溶液中のカチオン性ポリマーもまた、本発明において好ましく用いることができる。 【0032】 ホスファチジルセリン、コレステロール、およびカルシウムから成る安定なリン脂質カルシウム沈殿剤である蝸牛状剤は、消化系で存続することができる非毒性および非炎症性トランスフェクション試薬として知られている。また、ポリエステルであるポリ(ラクチド−コ−グリコライド)などのポリマーからなる生体分解性ミクロスフェアを、トランスフェクションのためにDNAをマイクロカプセル化するために用いることができる。筒状剤はらせん状に巻かれた二層の脂質からなり、その縁が合わされてパックされている脂質ベースの微小筒として知られている。筒状剤を用いる場合、DNAは、動物体内に送達および制御放出を行うための中空中心部に配置することができる。 【0033】 本発明の医薬組成物を調製するために用いることができる免疫用アジュバントは当技術分野で周知である。当業者は、医薬組成物を形成するための適切なアジュバントを適宜選択することができる。本発明で用いることができるアジュバントの具体例としては、CpGアジュバント、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。本発明の医薬組成物は、カプセル剤、懸濁液、エリキシル剤又は溶液のような任意の投与形態で用いることができる。 【0034】 単回投与量のワクチンDNAを含む医薬組成物を調製するために担体物質と組み合わせるべきワクチンDNAの量は、一般的には、投与経路および投与方法、用いる塩基配列および発現ベクターの種類、発現される抗原タンパク質あるいはペプチドの安定性および活性(免疫原性)、被験者の状態、予防または治療の対象となる疾患を含む多くの要因に依存する。投与すべきDNAの量はまた、薬学的に許容される担体(トランスフェクション試薬)およびアジュバンドの種類および量にも依存する。 【0035】 本発明のDNAワクチンまたはこれを含有する医薬組成物は、炎症性疾患の予防または治療に用いることができる。炎症性疾患としては、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ、若年性発症糖尿病、ヴェーゲナー肉芽腫症、炎症性腸疾患、多発筋炎、皮膚筋炎、多発性内分泌不全、シュミット症候群、自己免疫ブドウ膜炎、アディソン病、副腎炎、原発性胆汁性肝硬変、グレーブス病、甲状腺炎、橋本甲状腺炎、自己免疫甲状腺疾患、悪性貧血、ルポイド肝炎、脱髄疾患、多発性硬化症、亜急性の皮膚エリテマトーデス、上皮小体低下症、ドレスラー症候群、重症筋無力症、自己免疫性血小板減少症、突発性血漿板減少性紫斑病、溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、尋常性天疱瘡、天疱瘡、水泡性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円形脱毛症、自己免疫性膀胱炎、類天疱瘡、強皮症、進行性全身性硬化症、CREST症候群(石灰症、レーノー食道運動性障害、強指症、および毛細管拡張症)、成人発症糖尿病(II型糖尿病)、雄性または雌性自己免疫不妊症、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、混合結合組織病、結節性多発動脈炎、全身性壊死化脈管炎、若年発症関節リウマチ、糸球体腎炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性鼻炎、グッドパスチャー症候群、シャーガス病、サルコイドーシス、リウマチ熱、ぜん息、再発性流産、抗リン脂質症候群、農夫肺、多型紅斑、心術後症候群、クッシング症候群、自己免疫慢性活性肝炎、愛鳥家肺、アレルギー性脳脊髄炎、毒性皮膚壊死溶解、脱毛症、アルポート症候群、肺胞炎、アレルギー性肺胞炎、線維化肺胞炎、間質性肺疾患、結節性紅斑、壊疸性膿皮症、輸血反応、慢性疲労症候群 、線維筋痛、高安動脈炎、川崎病、リウマチ性多筋痛、側頭動脈炎、巨細胞動脈炎、サムター症候群(三徴)、ベーチェット病、キャプラン症候群、デング熱、脳筋炎、心内膜炎、筋炎、心内膜線維症、眼内炎、持久性隆起性紅斑、乾癬、胎児赤芽球症、好酸球増加を伴う筋膜炎、シャルマン症候群、フェルティ症候群、フィラリア症、毛様体炎、慢性毛様体炎、異虹彩色性毛様体炎、フックス毛様体炎、IgA腎症、ヘーノホ−シェーンライン紫斑病、糸球体腎炎、心筋症、ワクチン接種後症候群、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、腎細胞ガン腫、イートン−ランバート症候群、再発性多発性軟骨炎があげられる。 本発明のDNAワクチン、それを含有する医薬組成物は、特に関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの予防または治療に有用である。 【0036】 前記DNAワクチンまたはこれを含有する医薬組成物は、筋肉または皮膚に直接投与することができる。遺伝子銃を使用して本発明のDNAワクチンを投与することもできる。皮下注入、皮内導入、経皮圧入及び他の投与法、例えば、腹腔内、静脈内または吸入投与、経口投与も可能であり、投与経路は特に限定されない。また、追加免疫接種を行うことも可能である。 【0037】 本発明のDNAワクチン又は医薬組成物を哺乳動物(患者)に投与する場合、上記疾患(例えば、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など)における予防または治療に有効な量で投与されるが、一般的には、1μg〜2000μgを投与する。 このようにして上記DNAワクチン又は医薬組成物を患者に有効量投与することによって、その患者において、そのワクチンが標的とするポリペプチドに対する有効な抗体価得ることができる。 【0038】 以下の比較例および実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではない。 【0039】 [比較例1] マウスMIF発現プラスミドベクターの構築 マウスMIF cDNAは、RAW264.7細胞より調製した全RNAを材料として配列番号:6で表されるプライマーB−1Uおよび配列番号:9で表されるプライマーX−348Lを用いて、RT−PCR法にて増幅した。cDNAの合成反応系は50mM トリス塩酸塩(pH8.3)、50mM 塩化カリウム、10mM 塩化マグネシウム、0.5mM スペルミジン、10mM ジチオスレイトール、1mM dNTP、40U RNase阻害剤、0.2μM ランダムオリゴヌクレオチド(9残基)、30U AMV逆転写酵素、2μg RNAからなり、全量で25μlとした。反応は42℃、60分間行った。PCRは以下の条件:10mM トリス塩酸塩(pH9.0)、50mM 塩化カリウム、0.1%Triton X−100、1.5mM 塩化マグネシウム、0.2μM プライマーB−1U(配列番号:6)およびX−348L(配列番号:9)、1mM dNTP、10U TaqDNAポリメラーゼからなる全量25μlの反応系で、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行い、マウスMIF cDNA断片を得た。そのcDNA断片を精製後、プラスミドベクターpcDNA3.1の制限酵素BamHI/XhoI部位へクローニングし、マウスMIFを発現するプラスミドベクターpcDNA3.1/MIF(DV1と称する:配列番号:32)を得た。 【実施例1】 【0040】 DNAワクチンの作製(1) DNAワクチンとして、ここでは破傷風毒素Thエピトープ(配列番号:4)を持った変異MIF発現プラスミドベクター(pcDNA3.1/MIF/Ttx(DV2))を作製した。その手順を図1に示す。 プライマーB−1U(配列番号:6)とE−93L(配列番号:7)、あるいはE−112U(配列番号:8)とX−348L(配列番号:9)の組合せで、MIF cDNAを鋳型として、それぞれPCRを行った。該反応における反応液の組成は1ngの上記cDNA,10mM トリス塩酸塩,pH9.0,50mM 塩化カリウム,0.1%Triton X−100,1.5mM 塩化マグネシウム,0.2μMの上記のプライマー,1mM dNTP, 10U TaqDNAポリメラーゼであり、最終液量を25μlとした。PCRは、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行った。その結果、MIF cDNAの断片B−1/E−93およびE−112/X−348を得た。これらの断片を制限酵素EcoRIで処理し、T4 DNAリガーゼで連結し、さらに得られた断片を鋳型に、B−1UとX−348LをプライマーとしてPCRを行った。この反応における反応液の組成は、上記で得られた断片のDNAを1ng使用し、10mM トリス塩酸塩,pH9.0,50mM 塩化カリウム,0.1%Triton X−100,1.5mM 塩化マグネシウム,0.2μMの上記のプライマー,1mM dNTP, 10U TaqDNAポリメラーゼであり、最終液量を25μlとした。PCRは、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行った。その結果、2番目のループを欠損し、かつここをEcoRI部位に置き換えた変異MIF cDNAを得た。これをBamHIおよびXhoIで処理し、pcDNA3.1のBamHI/XhoI部位に挿入した。その結果得られた変異MIF発現プラスミドベクターをpcDNA3.1/MIFd2(DV0と称する)と命名した。また、このベクターにより発現されるポリペプチドを配列表に配列番号:33で示す。 【0041】 一方、破傷風毒素のThエピトープ(配列番号:4)を、DNA伸長反応により作製した。すなわち、E−TxU(配列番号:10)およびE−TxL(配列番号:11)をプライマー/鋳型とし、Klenow断片を酵素として使用し、10mM トリス塩酸塩,pH9.0,50mM 塩化カリウム,0.1%Triton X−100,1.5mM 塩化マグネシウム,1μMの上記のプライマー,1mM dNTP, 最終液量を25μlとして37℃・30分の伸長反応を行った。この産物(配列番号:5)をEcoRIで処理した後、上記のように調製したMIF発現ベクターDV0のEcoRI部位に挿入し、破傷風毒素のThエピトープを持った変異MIF発現プラスミドベクター(pcDNA3.1/MIF/Ttx(DV2と称する))を得た。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:34で示す。 【実施例2】 【0042】 DNAワクチンの作製(2) MIFはいわゆる分泌シグナルを持たないタンパク質である。MIFを積極的に分泌させることでその抗原性が亢進することを期待し、分泌シグナルをそのアミノ末端に融合した。ここでは腫瘍壊死因子(TNF)の分泌シグナルを用いた。TNFは一部が膜タンパクとして発現していることが知られており、このシグナル配列によりMIFもその一部が膜型として発現することが予想される。実施例1で作製した変異MIF発現プラスミドベクターであるDV2にTNFの分泌シグナルペプチド(配列番号:12)をコードするDNA(配列番号:13)を導入し、pcDNA3.1/TNFsignal/MIF/Ttx(DV3と称する)を作製した。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:35で示す。 【0043】 TNFの分泌シグナルペプチドをコードするDNA(配列番号:13)を鋳型としプライマーB−TsU(配列番号:14)とsoe−TsL(配列番号:15)、あるいはDV2を鋳型としてsoe−Ts−MIFU(配列番号:16)とX−348L(配列番号:8)の組合せでそれぞれPCRを行った。該反応における反応液の組成は、1ngの上記cDNA,10mM トリス塩酸塩,pH9.0,50mM 塩化カリウム,0.1%Triton X−100,1.5mM 塩化マグネシウム,0.2μMの上記のプライマー,1mM dNTP, 10U TaqDNAポリメラーゼであり、最終液量を25μlとした。PCRは、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行った。得られた反応物を鋳型とし、プライマーB−TsU(配列番号:14)とX−348L(配列番号:8)の組合せでさらにPCRを行った。この反応液の組成は、1ngの上記cDNA,10mM トリス塩酸塩,pH9.0,50mM 塩化カリウム,0.1%Triton X−100,1.5mM 塩化マグネシウム,0.2μMの上記のプライマー,1mM dNTP, 10U TaqDNAポリメラーゼであり、最終液量を25μlとした。PCRは、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行った。得られた断片を制限酵素BamHI/XhoIで処理し、pcDNA3.1のBamHI/XhoI部位に挿入した。 【実施例3】 【0044】 DNAワクチンの作製(3) IL−5の分泌シグナルペプチド(配列番号:17)をコードするDNA(配列番号:18)を導入し、pcDNA3.1/IL−5signal/MIF/Ttx(DV4と称する)を作製した。IL−5の分泌シグナルペプチドをコードするDNAはDNA伸長反応により作製した。すなわち、5sU(配列番号:19)および5sL(配列番号:20)をプライマー/鋳型とし、Klenow断片を酵素として使用し、10mM トリス塩酸塩(pH9.0)、50mM 塩化カリウム、0.1%Triton X−100、1.5mM 塩化マグネシウム、1μMの上記のプライマー、1mM dNTP、最終液量を25μlとして37℃・30分の伸長反応を行った。この反応生成物を鋳型とし、プライマーB−5sU(配列番号:21)とsoe−5sL(配列番号:22)、あるいはDV2を鋳型としてsoe−5s−MIFU(配列番号:23)とX−348L(配列番号:8)の組合せでそれぞれPCRを行った。該反応における反応液の組成は、1ngの上記cDNA、10mM トリス塩酸塩(pH9.0)、50mM 塩化カリウム、0.1%Triton X−100、1.5mM 塩化マグネシウム、0.2μMの上記のプライマー、1mM dNTP、10U TaqDNAポリメラーゼであり、最終液量を25μlとした。PCRは、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行った。得られた反応物を鋳型とし、プライマーB−5sU(配列番号:21)とX−348L(配列番号:8)の組合せでさらにPCRを行った。この反応液の組成は、1ngの上記cDNA、10mM トリス塩酸塩(pH9.0)、50mM 塩化カリウム、0.1%Triton X−100、1.5mM 塩化マグネシウム、0.2μMの上記のプライマー,1mM dNTP, 10U TaqDNAポリメラーゼであり、最終液量を25μlとした。PCRは、(i)94℃・5分の後、(ii)94℃・10秒、56℃・10秒、72℃・1分のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・5分の伸長反応を行った。得られた断片を制限酵素BamHI/XhoIで処理し、pcDNA3.1のBamHI/XhoI部位に挿入した。ここで発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:36で示す。 【実施例4】 【0045】 DNAワクチンの作製(4) 実施例1で用いたThエピトープと同様の効果を有することが知られているペプチドとして、鶏卵リゾチームあるいはオブアルブミンの部分ペプチドがあげられる。ここではDV2のThエピトープを鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列(配列番号:24)を有するペプチドをコードするDNAに置換したpcDNA3.1/MIF/HEL(DV5と称する)を作製した。 【0046】 鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列(配列番号:24)を有するペプチドをコードするDNA断片(配列番号:25)を、以下のオリゴDNA:プライマーE−HLU(配列番号:26)およびプライマーE−HLL(配列番号:27)を用いてDNA伸長反応により作製した。すなわち、E−HLU(配列番号:26)およびE−HLL(配列番号:27)をプライマー/鋳型とし、Klenow断片を酵素として使用し、10mM トリス塩酸塩(pH9.0)、50mM 塩化カリウム、0.1%Triton X−100、1.5mM 塩化マグネシウム、1μMの上記のプライマー、1mM dNTP、最終液量を25μlとして37℃・30分の伸長反応を行った。生成物をEcoRIで処理した後、実施例2で調製したMIF発現ベクター(DV2)のEcoRI部位に置換挿入し、鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列を有するペプチドを持った変異MIF発現プラスミドベクター(pcDNA3.1/MIF/HEL(DV5))を得た。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:37で示す。 【実施例5】 【0047】 DNAワクチンの作製(5) 実施例2で作製したDV3のThエピトープを鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列(配列番号:24)に置換した変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/TNFsignal/MIF/HEL(DV6と称する)を作製した。 【0048】 実施例4で作成した鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列を有するペプチドをコードするDNA断片を同様にDV3のEcoRI部位に置換挿入し、鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列を有するペプチドを持った変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/TNFsignal/MIF/HEL(DV6)を作製した。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:38で示す。 【実施例6】 【0049】 DNAワクチンの作製(6) 実施例4と同様の方法でDV4のThエピトープを鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列(配列番号:24)を有するペプチドに置換した変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/IL−5signal/MIF/HEL(DV7と称する)を作製した。 実施例4で作成した鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列を有するペプチドをコードするDNA断片を同様にDV4のEcoRI部位に置換挿入し、鶏卵リゾチームの81番目から95番目までのアミノ酸配列を有するペプチドを持った変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/IL−5signal/MIF/HEL(DV7)を作製した。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:39で示す。 【実施例7】 【0050】 DNAワクチンの作製(7) ここではオブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列(配列番号:28)を有するペプチドを持つ変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/MIFに導入したpcDNA3.1/MIF/OVA(DV8と称する)を作製した。 【0051】 オブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列を有するペプチドをコードするDNA断片(配列番号:29)を、以下のオリゴDNA:プライマーE−OVU(配列番号:30)およびプライマーE−OVL(配列番号:31)を用いてDNA伸長反応により作製した。すなわち、E−OVU(配列番号:30)およびE−OVL(配列番号:31)をプライマー/鋳型とし、Klenow断片を酵素として使用し、10mM トリス塩酸塩(pH9.0)、50mM 塩化カリウム、0.1%Triton X−100、1.5mM 塩化マグネシウム、1μMの上記のプライマー、1mM dNTP、最終液量を25μlとして37℃・30分の伸長反応を行った。生成物をEcoRIで処理した後、実施例2で調製したMIF発現ベクター(DV2)のEcoRI部位に置換挿入し、オブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列を有するペプチドを持った変異MIF発現プラスミドベクター(pcDNA3.1/MIF/OVA(DV8))を得た。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:40で示す。 【実施例8】 【0052】 DNAワクチンの作製(8) 実施例2で作製したDV3のThエピトープをオブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列(配列番号:28)を有するペプチドに置換した変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/TNFsignal/MIF/OVA(DV9と称する)を作製した。 【0053】 実施例7で作成したオブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列を有するペプチドをコードするDNA断片を同様にDV3のEcoRI部位に置換挿入し、オブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列を有するペプチドを持った変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/TNFsignal/MIF/OVA(DV9)を作製した。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:41で示す。 【実施例9】 【0054】 DNAワクチンの作製(9) 実施例7と同様の方法でDV4のThエピトープをオブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列(配列番号:28)を有するペプチドに置換した変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/IL−5signal/MIF/OVA(DV10と称する)を作製した。 実施例7で作成したオブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列を有するペプチドをコードするDNA断片を同様にDV4のEcoRI部位に置換挿入し、オブアルブミンの325番目から336番目までのアミノ酸配列を有するペプチドを持った変異MIF発現プラスミドベクターpcDNA3.1/IL−5signal/MIF/OVA(DV10)を作製した。この発現プラスミドベクターにより得られるペプチドを配列表に配列番号:42で示す。 【実施例10】 【0055】 実施例1〜3において得られたワクチン(DV1〜DV4)をそれぞれ6匹からなるマウス群に投与(100μgを2カ所に分けて皮下投与、2週おきに6回)し、各群の任意の1匹から2,4、6、8、10及び12週間後に血液を採取し、ELISAによって抗MIF抗体力価を測定した。抗MIF抗体力価の測定は、96ウエルプレートに固相化した組換えMIFと1mM EDTA含有リン酸緩衝生理食塩水を用いて希釈した血漿を反応させて結合抗体を定量することによって行なった。得られた結果を図2に示す。図2に示すように、DV2〜DV4のDNAワクチンを使用した場合は、有効な抗体価が得られたことが分かった。 【実施例11】 【0056】 関節炎の誘導 関節炎の誘導は、Kawabata等の方法にしたがった(Arthritis and Rheumatism, 50, 660-668, 2004)。すなわち、実施例1で作製したDNAワクチンあるいはコントロールDNAを投与したマウスの腹腔内にII型コラーゲンに対するモノクローナル抗体のカクテル(500μgのD1、D8、A2、およびF10、Chondrex、Redmond、WA)を500μlのPBSに溶かして投与し、その72時間後、50μgのLPS/100μlのPBSを腹腔内に投与して関節炎を誘導した。 【0057】 その結果、図3に示すように、コントロールマウス(抗体陰性)では足関節部に典型的な腫脹を認めた(図2−a)のに対し、MIF/Th DNAワクチン投与群(抗体陽性)ではその発症が顕著に抑制され(図2−b)、同週齢の未処置マウス(図2−c)とほとんど区別が付かなかった。 【実施例12】 【0058】 DNAワクチンの関節炎に対する組織学的格付け Balb/cマウス(各9匹)を生食、MIF cDNAコントロール(DV1)ワクチン、MIF−OVA(DV8)ワクチンで6回皮下注射後、抗コラーゲン抗体カクテル関節炎発症操作を行い、1週後屠殺して両手関節・足関節の関節炎に関し滑膜増生、軟骨破壊、パンヌス形成を観察し、組織学的格付けを行った。その結果を図4に示した。その結果、MIF−OVA(DV8)ワクチン投与マウスはコントロールワクチン投与マウスに比較して抗コラーゲン抗体カクテル投与による関節炎・関節破壊の程度が有意に低い事が明らかとなった。 【産業上の利用可能性】 【0059】 本発明により関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などに対して有効なDNAワクチンが提供される。具体的には、MIF遺伝子を含有するDNAワクチンを医薬組成物として投与することにより、抗体価を増加し、上記疾患の予防または治療を行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0060】 【図1】DNAワクチンの作製手順を示す図である。 【図2】実施例10で行なった実験における抗MIF抗体の抗体価の変化を示す図である。 【図3】実施例11で行った実験における、関節炎に対するDNAワクチンの効果を示す図である。 【図4】実施例12で行った実験における、関節炎に対するDNAワクチンの組織学的格付けを示す図である。 【配列表フリ−テキスト】 【0061】 [配列番号:4] 破傷風毒素P30のアミノ酸配列を示す。 [配列番号:5] 破傷風毒素P30の塩基配列を示す。 [配列番号:6] プライマーB−1Uの塩基配列を示す。 [配列番号:7] プライマーE−93Lの塩基配列を示す。 [配列番号:8] プライマーE−112Uの塩基配列を示す。 [配列番号:9] プライマーX−348Lの塩基配列を示す。 [配列番号:10] プライマーE−TxUの塩基配列を示す。 [配列番号:11] プライマーE−TxLの塩基配列を示す。 [配列番号:12] TNFの分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。 [配列番号:13] TNFの分泌シグナルペプチドをコードする塩基配列を示す。 [配列番号:14] プライマーB−TsUの塩基配列を示す。 [配列番号:15] プライマーsoe−TsLの塩基配列を示す。 [配列番号:16] プライマーsoe−Ts−MIFUの塩基配列を示す。 [配列番号:17] IL−5の分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。 [配列番号:18] IL−5の分泌シグナルペプチドをコードする塩基配列を示す。 [配列番号:19] プライマー5sUの塩基配列を示す。 [配列番号:20] プライマー5sLの塩基配列を示す。 [配列番号:21] プライマーB−5sUの塩基配列を示す。 [配列番号:22] プライマーsoe−5sLの塩基配列を示す。 [配列番号:23] プライマーsoe−5s−MIFUの塩基配列を示す。 [配列番号:24] HELペプチド(81−95)のアミノ酸配列を示す。 [配列番号:25] HELペプチド(81−95)をコードするDNAの塩基配列を示す。 [配列番号:26] プライマーE−HLUの塩基配列を示す。 [配列番号:27] プライマーE−HLLの塩基配列を示す。 [配列番号:28] OVAペプチド(325−336)のアミノ酸配列を示す。 [配列番号:29] OVAペプチド(325−336)をコードするDNAの塩基配列を示す。 [配列番号:30] プライマーE−OVUの塩基配列を示す。 [配列番号:31] プライマーE−OVLの塩基配列を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501463845 【氏名又は名称】西平 順
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| 【出願日】 |
平成16年9月27日(2004.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092783 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360 【弁理士】 【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100093676 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 純子
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| 【公開番号】 |
特開2006−89442(P2006−89442A) |
| 【公開日】 |
平成18年4月6日(2006.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−280051(P2004−280051) |
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