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【発明の名称】 頭皮刺激緩和組成物及び頭皮刺激緩和方法
【発明者】 【氏名】佐倉 正明
【住所又は居所】愛知県愛知郡長久手町大字長湫字櫨木1番地の12 ホーユー株式会社総合研究所内

【氏名】野々垣 剛
【住所又は居所】愛知県愛知郡長久手町大字長湫字櫨木1番地の12 ホーユー株式会社総合研究所内

【要約】 【課題】ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和することができる頭皮刺激緩和組成物、及び頭皮刺激緩和方法を提供すること。

【解決手段】2重量部の赤ワイン酵母抽出液、0.1重量部のカルボキシビニルポリマー、5重量部の1、3−BG、5重量部の変性エタノール、5重量部のポリエチレングリコール400、及び適量の精製水を混合することにより、頭皮刺激緩和組成物を製造した。毛髪に対しヘアカラーやパーマ等の化学処理を行う前、化学処理を行った後、又はその両方において、この頭皮刺激緩和組成物を頭皮に塗布することで頭皮刺激緩和方法を実施する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッカロミセス属酵母エキスを含有することを特徴とする頭皮刺激緩和組成物。
【請求項2】
前記サッカロミセス属酵母エキスは、サッカロミセス属酵母、当該サッカロミセス属酵母の乾燥粉体、前記サッカロミセス属酵母を紫外線照射又は自己消化により処理したもの、又は前記サッカロミセス属酵母を酸又は蛋白分解酵素で分解した分解物から、水、エタノール、プロピレングリコール、1.3−ブチレングリコール、及びグリセリン水溶液の中から選ばれる1種以上から成る溶媒を用いて抽出されたものであることを特徴とする請求項1記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項3】
前記サッカロミセス属酵母エキスが赤ワイン酵母エキスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項4】
前記サッカロミセス属酵母エキスの配合量が、0.01〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項5】
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である無機塩を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項6】
前記無機塩として、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含むことを特徴とする請求項5に記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項7】
前記無機塩の配合量が、0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項8】
前記無機塩の配合量と前記サッカロミセス属酵母エキスの配合量との重量比が、1:0.05〜3の範囲にあることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物。
【請求項9】
毛髪に対する化学処理の前及び/又は後に、請求項1〜8のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物を使用することを特徴とする頭皮刺激緩和方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ヘアカラーやパーマ等の化学処理の前後、好ましくは化学処理前に使用して、化学処理による頭皮への刺激を緩和する頭皮刺激緩和組成物、及び頭皮刺激緩和方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘアスタイルの多様化により、毛髪は染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ用剤、ヘアストレートナ−等によって化学処理される機会が多くなっている。これらの化学処理は、頭皮に刺激や炎症を生じさせることがあった。
【0003】
従来より、化粧品原料による皮膚、毛髪、粘膜等への刺激を緩和する刺激緩和剤としては、杜仲抽出物(特許文献1参照)、カルダモン、クララ、ボタンボウフウ、ガジュツ、カミツレ、ガラナ、プエラリア、田七人参、ダッタンソバ、ナツメグ、コショウ、ミョウガ、及び桃仁の抽出物(特許文献2参照)の使用が提案されている。また、染毛剤用刺激抑制剤としては、コメ胚芽油及びアズレン類の使用が提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−302437号公報
【特許文献2】特開2003−155246号公報
【特許文献3】特開2002−363053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の化粧品原料に対する刺激緩和剤や刺激抑制剤では、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への刺激に対して、十分な刺激緩和効果が得られなかった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和することができる頭皮刺激緩和組成物、及び頭皮刺激緩和方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1の発明は、
サッカロミセス属酵母エキスを含有することを特徴とする頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0007】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、サッカロミセス属酵母エキスを含有することにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が高い。
サッカロミセス属酵母エキスとしては、例えば、赤ワイン酵母エキス、白ワイン酵母エキス、ビール酵母エキス、パン酵母エキス、清酒酵母エキス等が挙げられる。特に、赤ワイン酵母エキスが好ましい。
(2)請求項2の発明は、
前記サッカロミセス属酵母エキスは、サッカロミセス属酵母、当該サッカロミセス属酵母の乾燥粉体、前記サッカロミセス属酵母を紫外線照射又は自己消化により処理したもの、又は前記サッカロミセス属酵母を酸又は蛋白分解酵素で分解した分解物から、水、エタノール、プロピレングリコール、1.3−ブチレングリコール、及びグリセリン水溶液の中から選ばれる1種以上から成る溶媒を用いて抽出されたものであることを特徴とする請求項1記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0008】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、上記のようにして製造したサッカロミセス属酵母エキスを含む。
尚、本発明で用いられるサッカロミセス属酵母は、ぶどう(果肉、果皮、種子など)を発酵し、赤ワインを製造するために用いられる。発酵後、サッカロミセス属酵母は、遠心分離機などで赤ワインと分離される。このときサッカロミセス属酵母は、ポリフェノールを吸着したまま分離され、これを乾燥してサッカロミセス属酵母が得られる。
【0009】
また、酵母の自己消化による分解物を利用する場合は、洗浄後の湿菌体に対して10〜100倍量の精製水を加え、35〜45℃で、24〜72時間程度自己消化させた後、必要に応じて濾過し、凍結乾燥若しくは減圧濃縮することにより得られる、酵母分解物を用いることができる。
【0010】
酵母の蛋白質分解酵素による分解物を利用する場合は、洗浄後の湿菌体に対して10〜100倍量の精製水を加え、蛋白質分解酵素を湿菌体1kgに対して20〜50万ユニット程度添加し、酵素活性温度付近で12〜48時間反応させる。次いで酵素を失活させた後、必要により水性溶媒を適量加えて、遠心分離などの操作を行った後濾過し、凍結乾燥若しくは減圧濃縮することにより得られる、酵母分解物を用いることができる。
【0011】
酵母の酸加水分解物を利用する場合は、洗浄後の湿菌体に対して、塩酸などの酸を添加し、40〜60℃にて、3〜8時間、ときどき攪拌しながら加水分解する。その後水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いて中和し、必要に応じて濾過した後、凍結乾燥若しくは減圧濃縮することにより得られる、酵母分解物を用いることができる。
【0012】
これらの酵母分解物は、そのまま酵母エキスとして用いても良く、また酵母分解物から下記に示す方法にて抽出して得られる酵母分解物抽出物を酵母エキスとして用いても良い。
【0013】
酵母より抽出物を得るにあたっては、培養後の菌体を回収し、精製水などを用いて洗浄し湿菌体を得た後、湿菌体をそのまま若しくは高周波などで菌体を破壊して用いる。
これらの酵母菌体及び酵母分解物に、水、エタノール,メタノール,イソプロパノール,イソブタノール,n-ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2-エチルブタノール,n-オクチルアルコールなどの一価アルコール類、グリセリン,エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコール,1.3-ブチレングリコール,ヘキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体等の水性溶媒から1種又は2種以上を選択して抽出溶媒として添加して抽出する。抽出溶媒としては上記のような水性溶媒であれば特に限定されないが、皮膚外用剤に配合する際の安全性及び安定性の面から、精製水,エタノール,1.3-ブチレングリコール,グリセリン,プロピレングリコールを単独で若しくは2種以上を併用して用いることが好ましい。
【0014】
抽出方法としては、室温,冷却又は加温した状態で浸漬して抽出する方法、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法等が例示され、これらの方法を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0015】
抽出の際の湿菌体と溶媒との比率は特に限定されるものではないが、湿菌体1に対して溶媒0.5〜1000重量倍、特に抽出操作、効率の点で0.5〜100重量倍が好ましい。また抽出温度は、常圧下で室温から溶剤の沸点以下の範囲とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度などによって異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
(3)請求項3の発明は、
前記サッカロミセス属酵母エキスが赤ワイン酵母エキスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0016】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、サッカロミセス属酵母エキスとして赤ワイン酵母エキスを含有することにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
(4)請求項4の発明は、
前記サッカロミセス属酵母エキスの配合量が、0.01〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0017】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、サッカロミセス属酵母エキスの配合量が0.01重量%以上(好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上)であることにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
【0018】
また、本発明の頭皮刺激緩和組成物は、サッカロミセス属酵母エキスの配合量が多いほど、頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が高くなるが、その効果の上昇は、配合量が5重量%を越えると頭打ちになり、8重量%を越えると更に頭打ちになり、10重量%を越えると一層頭打ちになる。本発明の頭皮刺激緩和組成物は、サッカロミセス属酵母エキスの配合量が10重量%以下(好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下)であるので、頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果は有しつつ、サッカロミセス属酵母エキスの配合量が少なくて済むので、経済性において優れている。
(5)請求項5の発明は、
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である無機塩を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0019】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である無機塩を含有するので、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
【0020】
また、無機塩を含有しない場合に比べて、サッカロミセス属酵母エキスの配合量が少なくても、同様の効果を奏することができる。
アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。また、アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれか1種類でも配合すれば効果を得ることができるが、2種以上を併用すると一層効果が高い。特に、塩化ナトリウムと塩化カリウムとを併用することが好ましい。塩化カリウムと塩化ナトリウムの重量比は0.02〜50が好ましく、更に0.05〜20が特に好ましい。
(6)請求項6の発明は、
前記無機塩として、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含むことを特徴とする請求項5に記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0021】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含むことにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
(7)請求項7の発明は、
前記無機塩の配合量が、0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0022】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、無機塩の配合量が、0.1重量%以上(好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上)であることにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
【0023】
また、本発明の頭皮刺激緩和組成物は、無機塩の配合量が、10重量%以下(好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下)であることにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
(8)請求項8の発明は、
前記無機塩の配合量と前記サッカロミセス属酵母エキスの配合量との重量比が、1:0.05〜3の範囲にあることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物を要旨とする。
【0024】
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、無機塩の配合量とサッカロミセス属酵母エキスの配合量との重量比が、1:0.05〜3(好ましくは1:0.1〜2、更に好ましくは1:0.3〜1.5)であることにより、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果が一層高い。
(9)請求項9の発明は、
毛髪に対する化学処理の前及び/又は後に、請求項1〜8のいずれかに記載の頭皮刺激緩和組成物を使用することを特徴とする頭皮刺激緩和方法を要旨とする。
【0025】
本発明によれば、ヘアカラーやパーマ等の化学処理による頭皮への一次刺激や炎症を緩和することができる。
本発明の頭皮刺激緩和組成物は、一般に用いられる油脂類、多価アルコール、低級アルコール、増粘剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、香料、色素、水等を適宜配合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の頭皮刺激緩和組成物、及び頭皮刺激緩和方法の実施の形態の例(実施例)を説明する。
【実施例】
【0027】
a)まず、本実施例の頭皮刺激緩和組成物の製造方法を説明する。表1〜表4に示すように、各成分を所定の比率で混合することで実施例1〜20の頭皮刺激緩和組成物を製造した。
【0028】
【表1】


【0029】
【表2】


【0030】
【表3】


【0031】
【表4】


上記表1〜表4において、実施例1〜20の頭皮刺激緩和組成物のいずれかに含まれる赤ワイン酵母抽出液、白ワイン酵母抽出液、及びビール酵母抽出液は、サッカロミセス属酵母エキスである。特に、赤ワイン酵母抽出液は、赤ワイン酵母エキスである。
【0032】
赤ワイン酵母エキスは、協和発酵株式会社製の水溶性赤ワイン酵母抽出液(FAOII)協和発酵株式会社製である。また、白ワイン酵母抽出液は協和発酵株式会社製のワイン酵母抽出液(商品名)である。また、ビール酵母抽出液は丸善製薬社製の酵母抽出液(商品名)である。
【0033】
実施例9〜20の頭皮刺激緩和組成物は、アルカリ金属塩である無機塩として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はその両方を含んでいる。
上記表1〜表4において、配合量の単位は重量部であり、精製水の配合量である「適量」は、頭皮刺激緩和組成物の全量が100重量部となる量である。
【0034】
また、上記表2及び表4に示すように、各成分を所定の比率で混合することで比較例1〜4の頭皮刺激緩和組成物を製造した。これら比較例1〜4は、サッカロミセス属酵母エキスを含まないため、本発明の範囲外である。
【0035】
b)次に、本実施例の頭皮刺激緩和組成物を用いた頭皮刺激緩和方法を説明する。
毛髪に対しヘアカラーやパーマ等の化学処理を行う前に、本実施例の頭皮刺激緩和組成物を頭皮に塗布する。
【0036】
また、化学処理を行った後に、本実施例の頭皮刺激緩和組成物を頭皮に塗布してもよいし、化学処理を行う前と化学処理を行った後の両方に、本実施例の頭皮刺激緩和組成物を頭皮に塗布してもよい。
【0037】
c)次に、本実施例の頭皮刺激緩和組成物の効果を確かめるために行った実験について説明する。
i)皮膚一次刺激性評価の実験方法
実験には日本白色種ウサギを用いた。その刈毛した背部の1インチ四方範囲に被験物質(実施例1〜20及び比較例1〜4の頭皮刺激緩和組成物のうちのいずれか)0.5mlを塗布することにより前処置を行った。また、前処置を行わない部位も設定し、未処置対照部とした。
【0038】
前処置から30分後、前処置部位及び未処置対照部位上に染毛剤組成物0.5mlを塗布した。ここで、染毛剤組成物は表5に示す組成の第1剤と第2剤とを混合して用いた。染毛剤組成物を塗布してから24時間後に被験物質を除去した。
【0039】
【表5】


被験物質塗布から24時間経過時に、前処置部位と未処置対照部位のそれぞれについて、Draizeの方法に従い、皮膚反応を紅斑と浮腫に分けて判定し、評価点を定めた。具体的には、表6に示す基準に従って、紅斑形成の評価点と、浮腫形成の評価点とを定め、それらをそれぞれX24、Y24とした。また、被験物質塗布から72時間経過時にも、同様に、紅斑形成の評価点と、浮腫形成の評価点とを定め、それらをX72、Y72とした。そして、前処置部位と未処置部位のそれぞれについて、X24、Y24、X72、及びY72の合計を3で割った数値を算出した。この数値を実験に用いた各動物ごとに求めて全体の平均値を出し、これを一次刺激性インデックス(P.I.I)とした。
【0040】
【表6】


そして、次式(1)に従い、被験物質によるP.I.I抑制率を算出した。
【0041】
式(1) C={(A−B)/A}×100
A:未処置対照部位でのP.I.I
B:その被験物質で前処置した部位でのP.I.I
C:P.I.I抑制率(%)
このP.I.I抑制率の値に応じ、次のようにして被験物質の評価を定めた。
(評価)
◎:P.I.I抑制率が25%以上
○:P.I.I抑制率が15%以上25%未満
△:P.I.I抑制率が5%以上15%未満
×:P.I.I抑制率が5%未満
ii)実験結果
実験結果を上記表1〜表4に示す。
【0042】
実施例1〜20の頭皮刺激緩和組成物は、全て評価が△以上であり、頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果において優れていた。それに対し、比較例1〜4の頭皮刺激緩和組成物は、評価が全て×であった。
【0043】
実施例の中でも、実施例1は、サッカロミセス属酵母エキスとして赤ワイン酵母エキスを含むことにより、白ワイン酵母抽出液を含む実施例2やビール酵母抽出液を含む実施例3よりも、P.I.I抑制率において一層優れていた。
【0044】
また、実施例の中でも、実施例1は、赤ワイン酵母抽出液の配合量が0.01重量%を越えていることにより、その配合量が0.01重量%である実施例4よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。また、実施例1は、赤ワイン酵母抽出液の配合量が0.1重量%を越えていることにより、その配合量が0.1重量%である実施例5よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。
【0045】
また、実施例の中でも、実施例9〜20は、アルカリ金属塩である塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含んでいるので、頭皮への一次刺激や炎症を緩和する効果において一層優れていた。特に、実施例9は塩化ナトリウムと塩化カリウムを両方含んでいるので、塩化ナトリウムのみを含む実施例13や、塩化カリウムのみを含む実施例14よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。
【0046】
また、実施例9は、無機塩(塩化ナトリウムと塩化カリウム)の配合量が0.1〜10重量%の範囲にあることにより、同じ種類の無機塩の配合量が上記範囲外である実施例12よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。更に、実施例9は、無機塩の配合量が1〜3重量%の範囲にあることにより、同じ種類の無機塩の配合量が上記範囲外である実施例10よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。
【0047】
同様に、実施例13は、無機塩(塩化ナトリウム)の配合量が0.1〜10重量%の範囲にあることにより、同じ種類の無機塩の配合量が上記範囲外である実施例15よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。更に、実施例13は、無機塩の配合量が1〜3重量%の範囲にあることにより、同じ種類の無機塩の配合量が上記範囲外である実施例16、18、19よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。
【0048】
また、実施例13は、無機塩の配合量に対する赤ワイン酵母抽出液の配合量の比率が1:0.05〜3の範囲にあることにより、上記比率がこの範囲外である実施例15、16よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。更に、実施例13は、無機塩の配合量に対する赤ワイン酵母抽出液の配合量の比率が1:0.3〜1.5の範囲にあることにより、上記比率がこの範囲外である実施例18、19、20よりもP.I.I抑制率において一層優れていた。
【0049】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【出願人】 【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市東区徳川1丁目501番地
【出願日】 平成16年9月27日(2004.9.27)
【代理人】 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉

【公開番号】 特開2006−89438(P2006−89438A)
【公開日】 平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願番号】 特願2004−279557(P2004−279557)