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【発明の名称】 プロゲステロンを有する新規の注入可能処方
【発明者】 【氏名】ジョルジオ ゾペッティ

【氏名】マルコ ピゾッティ

【氏名】ナディア プッピニ

【要約】 【課題】ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン量に対して、0.3%未満、好ましくは0.1%未満の未置換β−シクロデキストリンを有することを特徴とするヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン−プロゲステロン複合体を有する注入可能なプロゲステロン処方を提供する。

【解決手段】プロゲステロンとヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンとの複合体を有する注入可能プロゲステロン処方であって、前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して、0.3重量%未満の未置換β−シクロデキストリンを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロゲステロンとヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンとの複合体を有する注入可能プロゲステロン処方であって、
前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して、0.3重量%未満の未置換β−シクロデキストリンを有することを特徴とする処方。
【請求項2】
前記未置換β−シクロデキストリンは、前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して、0.1重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の処方。
【請求項3】
筋肉内又は皮下への使用に適することを特徴とする請求項1又は2に記載の処方。
【請求項4】
即時に使用できる水性溶液の形態であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の処方。
【請求項5】
注入可能な水性溶液の一時的な調製用の凍結乾燥物の形態であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の処方。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の処方の調製方法であって、
a)12重量%以上55重量%以下の濃度のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン水性溶液を調製するステップと;
b)攪拌下で、前記ステップa)の溶液にプロゲステロンを添加するステップと、無色澄明な溶液を得るように、任意で濾過するステップと;
c)2℃以上8℃以下の温度で、少なくとも2日間、前記溶液を保持するステップと;
d)0.45μm以上0.8μm以下の空隙率を有するフィルターを用いて、浄化濾過を行うステップと;
を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
前記ステップa)において、前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの濃度は、48重量%であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップb)において、前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して、10重量%の前記プロゲステロンを添加することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップb)において、微細化された形態で前記プロゲステロンを添加することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップc)において、2℃以上8℃以下の温度で、2日以上10日以下の期間、前記溶液を保持することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップc)において、2℃以上8℃以下の温度で、3日以上8日以下の期間、前記溶液を保持することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップc)において、前記溶液を5℃に温度制御することを特徴とする請求項6乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記処方は、即時に使用できる水性溶液の形態であり、
前記ステップa)において、注入調製用水を使用し、且つ
前記ステップd)の後に、ステップe)として、前記ステップd)の溶液を0.22μmのフィルターで濾過して滅菌を行うことを特徴とする請求項6乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記処方は、注入可能溶液の一時的な調製用の凍結乾燥の形態であり、
前記ステップd)の後に、ステップe)として、前記ステップd)の溶液を0.22μmのフィルターで濾過して滅菌を行い、且つ
その後、ステップf)として、該溶液を、滅菌環境で、凍結乾燥することを特徴とする請求項6乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップf)において、凍結乾燥を行う前に、前記プロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の濃度が27重量%となるまで、前記ステップe)で得た溶液を水で希釈することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
25mg以上100mg以下の量のプロゲステロンを有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の処方からなる、筋肉内又は皮下投与用のプロゲステロンに関する単回投与形態。
【請求項17】
a)27重量%未満の濃度を有するプロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の溶液を調製するステップと;
b)前記溶液を凍結乾燥するステップと;
を有することを特徴とする注入可能プロゲステロン処方の調製方法。
【請求項18】
前記ステップa)は、
a’)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水性溶液を調製するステップと;
a’’)前記ステップa’)の溶液にプロゲステロンを攪拌下で添加するステップと、無色澄明な溶液を得るように、任意で濾過するステップと;
a’’’)必要に応じて、前記溶液を、注入可能調製用水で希釈するステップと;
を有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ステップa’’)において、前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して10重量%で前記プロゲステロンを添加することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項17乃至19のいずれか一項に記載の方法で得た注入可能処方。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、注入可能な使用に係る新規のプロゲステロン処方に関する。
【背景技術】
【0002】
プロゲステロン(プレグン−4−エン−3,20−ジオン)は、薬学的に種々に適用される。このホルモンは、例えば、再生工程(protocol)の補助、流産の兆候の処置及び習慣的な流産の阻止に使用される。
【0003】
流産の兆候に対する治療において、治療的な効果を達成するには、少なくとも200nmol/mLの血漿プロゲステロンレベルを保持する必要がある。
【0004】
しかしながら、このホルモンは、消化管吸収が遅く、肝臓で強く代謝を受けるため、上述のレベルは、経口投与では達成し得ない。従って、上述の病態の処置において、プロゲステロンは、一般的に筋肉内注射で投与される。
【0005】
プロゲステロンの脂溶性ゆえ、市販で利用可能なこのホルモンの注入可能処方は、オレイン酸エチルに微細に分散された懸濁状態である。しかしながら、この種の処方は、複数の欠点を示す:注入部位で炎症を引き起こし、良好に許容可能(tolerate)とされておらず、最も簡易で危険を伴わない投与経路である皮下経由で投与し得ず、さらに、充分な血漿レベルを達成するために一日当たり100mgオーダーという高いプロゲステロンの投与量で投与する必要がある、他方、合成又は半合成の水性溶液で投与することにより上述の問題を解決するのは、これらの製品がしばしば逆行的な効果を示すため、勧められない。
【0006】
従って、本技術分野において、注入可能なプロゲステロンの水性溶液が強く要望されている。
【0007】
特許文献1及び2等に知られているように、プロゲステロンなどの水溶性の低い薬物の水溶性は、β−シクロデキストリンエステル、特にヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンと複合体を形成させることにより、増加され得ることが知られている。これら特許文献において、注入可能な溶液を調製するのにこれらの処方が適切であることが示されている。
【0008】
上述の特許文献が数年で今や特許されているが、プロゲステロンとヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンとの複合体を有し水性溶液の形態で非経口的に投与する市販で利用可能な処方は現存しない。このことにより示唆されるのは、本技術分野においてかなり必要とされている名目上で着想されるこれらのタイプの処方が、実用的に実行する上で困難であることである。
【0009】
本発明者らは、本技術分野において公知の教示によるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン−プロゲステロン複合体の水性溶液を調製し、且つ、事実、これらの溶液は、経時的にも安定ではなく、従って、注入に使用し得ないことが分かった。
【0010】
特に、上述の複合体を溶解して得られる溶液を外部温度で載置すると、約24時間後に沈殿物を形成する。この沈殿物を濾過で除去しても、このようにして得た澄明な溶液は、約48時間後に沈殿が再度形成する。
【0011】
この現象は、上述のいずれの文献にも記載されていない。
【0012】
上述の沈殿は、水、96%エタノール、又はポリエチレングリコール若しくはTween20などのポリソルベートなどを有する水性溶液でも溶解しない。従って、このように観察される問題により、本技術分野において述べられている上述の処方を注入で使用不可能となっている。
【特許文献1】米国特許第4,727,064号明細書
【特許文献2】国際公開第85/02767号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の第一の態様は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン量に対して、0.3%未満、好ましくは0.1%未満の未置換β−シクロデキストリンを有することを特徴とするヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン−プロゲステロン複合体を有する注入可能なプロゲステロン処方を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による注入可能プロゲステロン処方は:
プロゲステロンとヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンとの複合体を有する注入可能プロゲステロン処方であって、
前記ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して、0.3重量%未満の未置換β−シクロデキストリンを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
筋肉内や皮下経由で投与し得るプロゲステロン製剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明者らは、驚くべきことに、プロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の溶液に由来する沈殿の形成は、薬学的に使用する際、市販で利用可能なヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン調製における不純物である未置換のβ−シクロデキストリンの存在に関連していることを、見出した。観察されたこの沈殿は、本技術分野においてこの未置換β−シクロデキストリンが水に対する溶解度として1.8g/100mLである点及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの調製物中でごく少量(通常1%未満)である点で、驚くべきものであり、且つ予期されていなかったものである。
【0017】
本発明者らは、また、沈殿の形成は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン−プロゲステロン複合体中の未置換β−シクロデキストリンの量が0.3%未満、好ましくは0.1%未満となるように調製すると、回避し得ることを見出した。これらの溶液は、25℃で少なくとも40日安定であり、注入による使用に適するものである。
【0018】
上述の処方は、即時に使用できる(ready−to−use)水性溶液の形態であってもよく、或いは一時的な注入可能水性溶液を提供する必要がある際、水に再構成される凍結乾燥の形態であってもよい。
【0019】
以下の例1、2、3及び5に示すように、本発明の水性溶液は、経時的に安定で、25℃で少なくとも40日間、且つ5℃で少なくとも48時間、沈殿物を形成せず、従って、注入による使用に適する。
【0020】
さらに、本発明の溶液は、非常に高い濃度のプロゲステロンを有してもよい。
【0021】
従って、本発明の処方は、少量の溶液を使用する必要のある筋肉内や特に皮下への使用に特に適する。
【0022】
β−シクロデキストリンの水酸化物のプロピル化から得られ、シクロデキストリン当たりのヒドロキシプロピル基の平均数で示される種々の置換度を有するヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、市販で利用可能である。市販のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン調製物は、未置換β−シクロデキストリンからなる不純物を有し、その量は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの置換度の減少に伴い通常増加する。
【0023】
第一の実施例によると、本発明の処方は、当業者公知の方法に従って、例3に示すように、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの量に対して、0.3%未満、好ましくは0.1%未満の未改変のβ−シクロデキストリンを有するヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの調製物に由来するプロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体を調製することにより、得てもよい。
【0024】
しかしながら、薬局方に収載され、従って薬学的使用に適する全てのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン調製物は、上述の値以上の量の未置換のβ−シクロデキストリン不純物を有する。
【0025】
従って、代替的で特に好適な実施例によると、上述の値以上の未置換β−シクロデキストリンを有するヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン調製物から、本発明者らが構築した工程により、本発明の処方を得てもよく、これにより、上述の-β−シクロデキストリンの量を、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの量に対して0.3w/w%未満、好ましくは0.1w/w%未満に減少させ得る。
【0026】
上述の工程は、以下のステップを有する:
a)12w/w%以上55w/w%以下、好ましくは48w/w%の濃度のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水性溶液を調製するステップと;
b)上述の溶液の飽和濃度に対応する10重量%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンと同等の量で、ステップa)の溶液を攪拌しながら微細化したプロゲステロンを添加するステップと、無色澄明な溶液を得るように、好ましくは0.45μmのフィルターを用いて任意で濾過するステップと;
c)沈殿物を得るように、2℃以上8℃以下、好ましくは、5℃で、少なくとも2日間、好ましくは、2〜10日間、好ましくは、3〜8日間、さらに好ましくは3日間、上述の溶液を保持して沈殿物を得るステップと;
d)0.45〜0.8μmの空隙度を有するフィルターを用いて浄化濾過を実行するステップと;
を有する。
【0027】
通常、プロゲステロンを完全に溶解させるのは、ステップb)で微細化したプロゲステロンを使用する必要があり、及び/又は上述の混合物を、攪拌下、少なくとも30分保持する必要がある。
【0028】
上述の工程のステップa)で調製されるべきものが上述の即時に使用できる溶液の形態の注入可能処方である場合、注入可能処方用の水を使用し;ステップd)の後のステップe)として、ステップd)で得た溶液を、0.22μmのフィルターを用いた濾過により滅菌するステップを実行する。
【0029】
代わって、水で再構成されるべき上述の凍結乾燥の形態の注入可能処方が調製されるべき場合、本発明の工程は、ステップe)として、ステップd)で得た溶液を、0.22μmのフィルターを用いた濾過により滅菌するステップと、その後、ステップf)として、ステップe)で得た溶液を滅菌環境下で凍結乾燥するステップとを有する。
【0030】
凍結乾燥を行う前に、上述の溶液は、プロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の濃度が27w/w%未満となるまで好ましく希釈される。以下の例4及び5に示すように、本発明者らは、本発明に従って希釈された溶液から、5〜10分で澄明な溶液をもたらす水で容易に再構成され得る製品を得る一方、高濃度の溶液を凍結乾燥することにより、30〜40分というオーダーの長い時間をかけて水に溶解する粉末が得られることを、見出した。
【0031】
本発明者らは、凍結乾燥処理により、上述のプロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の水に対する安定性がさらに向上されることを、驚くべきことに見出した。
【0032】
この点、上述の乾燥凍結物を再構成して得た溶液は、飽和工程により得た溶液よりもさらに高い安定性を有する。
【0033】
本発明は、また、本発明による25〜100mgの量のプロゲステロンを有する処方からなるプロゲステロンの筋内及び皮下用投与用の単回投与形態にも関する。
【0034】
本発明の処方のさらなる利点は、本発明の上述の注入可能溶液は、同様の投与形態で当業者公知のオイルの分散物で達成される3倍の血漿プロゲステロン濃度を達成し得る点であり、これにより、効果的な血漿濃度を達成するのに必要なプロゲステロンの投与量をかなり削減し得る。
【0035】
さらに、例6に示すように、本発明者らは、飽和工程を行わない場合、凍結乾燥物単独でも、上述のプロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の水における安定性を増加させ得ることを見出した。上述の通り、飽和溶液の凍結乾燥物の調製において、適切な時間で水に再構成され得る凍結乾燥物を得るため、27w/w%未満の濃度のプロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の溶液で凍結乾燥を行う必要がある。
【0036】
従って、本発明のさらなる態様は、以下のステップを有する注入可能プロゲステロン処方を調製する方法に関する:
a)27重量%未満の濃度を有するプロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の溶液を調製するステップと;
b)前記溶液を凍結乾燥するステップと;
を有することを特徴とする。
【0037】
本発明の好適実施例によると、上述のステップa)は、以下のステップを有する工程により調製される:
a’)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水性溶液を調製するステップと;
a’’)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの重量に対して、好ましく10%の量で、ステップa’)の溶液に、攪拌下でプロゲステロンを添加するステップと、無色澄明な溶液を得るため、任意で濾過するステップと;
a’’’)上述の通り得た溶液が27w/w%より高い濃度を有する場合、プロゲステロン−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体の濃度が上述の量未満となるまで注入可能調製物用の水で希釈し、その後凍結乾燥を行うステップと;
を有することを特徴とする。
【実施例】
【0038】
以下の実験例により、本発明を詳細に示す。
【0039】
(例1)
48gのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(置換度0.63;未置換のβ−シクロデキストリン含量が0.5%)を、攪拌下、約47gの脱イオン水に溶解する。攪拌下、上述の無色澄明な溶液に4.8gのプロゲステロンを添加し、最終的に、脱イオン水で100gにした。約40分間、攪拌する。この溶液を、0.45μmのフィルターで濾過し、無色澄明な溶液を得る。UV分析で得たプロゲステロンの濃度は、55.52mg/mLである。
【0040】
上述の通り得た溶液を、8日間、5℃で保持する。この条件下、沈殿が形成し、0.45μmのフィルターで濾過してこの沈殿を除去する。
【0041】
無色澄明な溶液を得、少なくとも40日間、25℃で安定であることが分かった。
【0042】
そのプロゲステロン濃度は、UV分析により、52.54mg/mLであった。
【0043】
(例2)
48gのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(置換度0.59;未置換のβ−シクロデキストリン含量が0.6%)を、攪拌下、約47gの脱イオン水に溶解する。攪拌下、上述の無色澄明な溶液に4.8gのプロゲステロンを添加し、最終的に、脱イオン水で100gにした。約40分間、攪拌する。この溶液を、0.45μmのフィルターで濾過し、無色澄明な溶液を得る。UV分析で得たプロゲステロンの濃度は、54.44mg/mLである。
【0044】
上述の通り得た溶液を、3日間、5℃で保持する。この条件下、沈殿が形成し、0.45μmのフィルターで濾過してこの沈殿を除去する。
【0045】
無色澄明な溶液を得、少なくとも40日間、25℃で安定であることが分かった。
【0046】
そのプロゲステロン濃度は、UV分析により、51.37mg/mLであった。
【0047】
(例3)
攪拌下、47.2gの脱イオン水に溶解することにより、0.6%(溶液1)、0.5%(溶液2)及び0.1%未満(溶液3)の未置換β−シクロデキストリンをそれぞれ有する48gのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの3つの溶液をそれぞれ調製する。これらの溶液が無色澄明である場合、4.8gのプロゲステロンを添加し、攪拌下、約40分載置する。
【0048】
固体を含まない溶液を得るため、0.45μmのフィルターで上述の通り得た各溶液を浄化する。これらの澄明な溶液を、5℃で15日間保持する。この環境下、溶液1に関しては、1日後に白色の沈殿が形成し、溶液2に関しては、4日後に曇った溶液となったが、溶液3の場合、沈殿又は曇りは観察されない。5℃で15日間飽和させた後、0.45μmのフィルターで溶液1及び2を濾過する。
【0049】
上述の通り得た上述の各溶液は、無色澄明であり、少なくとも40日間25℃で安定である。
【0050】
(例4)
48gのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(置換度0.63;未置換のβ−シクロデキストリン含量が0.5%)を、攪拌下、47.2gの脱イオン水に溶解する。この溶液が無色澄明である場合、4.8gのプロゲステロンを添加し、約40分間、攪拌する。
【0051】
上述の通り得た溶液を、0.45μmのフィルターで浄化し、固体を有さない溶液を得る。この澄明な溶液を、4〜6℃で8日間保持する。この条件で、白色の沈殿が形成され、さらに、0.45μmのフィルターで濾過して、沈殿を除去する。
【0052】
このようにして得た溶液を、バイアル当たり1.1gとなるようにバイアルに分注し、栓をした後、凍結乾燥チャンバーに載置し、凍結乾燥工程を行う。このようにして得た凍結乾燥物は、コンパクト(compact)で、象牙色である。
【0053】
このようにして得たサンプルを、注入用水1mLで処理し、攪拌することなく30分後に、澄明な溶液が形成される。
【0054】
再構成したものに関するUV分析によるプロゲステロン濃度は、32.75mg/gであり、バイアル当たり49mgに対応する。
【0055】
(例5)
例4の通り調製した2つの飽和した40gの溶液のサンプルを、60g(溶液A、希釈率1→2.5)及び40g(溶液B、希釈率1→2)の脱イオン水でそれぞれ希釈し、10分間攪拌下で溶液を保持する。
【0056】
このように調製したこれらの2つの溶液を、バイアル当たり、それぞれ2.5g、及び2gとなるようにバイアルに分注する。栓をした後、各バイアルを凍結乾燥チャンバーに入れ、凍結乾燥工程を行い、象牙色でコンパクトな凍結乾燥物を得る。
【0057】
得た凍結乾燥物を、バイアル当たり1mLの注入用水を利用して再構成する。上述の希釈溶液から得た凍結乾燥物に関して完全に溶解するのに必要な時間は、10分未満である。
【0058】
凍結乾燥前の溶液に関するUV分析で得たプロゲステロン濃度は、溶液Aの場合、46mg/バイアルであり、溶液Bの場合、46.5mg/バイアルである。再構成物に関するこのUV分析は、両サンプルの濃度と一致する。
【0059】
注入用水1mLで再構成した凍結乾燥物は、無色澄明であり、25℃で少なくとも50日間、5℃で少なくとも5日間、沈殿を形成しない。
【0060】
このようにして得た結果は、凍結乾燥前の溶液の希釈により、凍結乾燥物の再構成に必要な時間を大幅に減少させることを、示す。
【0061】
(例6)
(例6a)例4の通り、プロゲステロン及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの溶液を調製する。しかしながら、8日間低温で溶液を保持するのに代えて、例4に述べた通り、バイアルへの充填と凍結乾燥とを直接行う。
【0062】
このようにして得た凍結乾燥物は、コンパクトであり、象牙色である。
【0063】
注入用水1mLで処理して得たサンプルは、攪拌せずに30分後に澄明な溶液を形成する。
【0064】
この再構成物に関するUV分析で得たプロゲステロン濃度は、34.7mg/gであり、バイアル当たり52mgに相当する。
【0065】
(例6b)例4の通り、プロゲステロン及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの溶液を調製し、飽和工程を省略する。40gの非飽和溶液を、60gの水で希釈し、例4に述べた通り、バイアルへの充填と凍結乾燥とを直接行う。
【0066】
このようにして得た凍結乾燥物は、コンパクトであり、象牙色である。
【0067】
これを、1mLの注入用水を用いて再構成する。
【0068】
上述の緩衝液の完全な溶解に必要な時間は、10分未満であった。
【0069】
凍結乾燥前の溶液に関するUV分析で得たプロゲステロン濃度は、溶液2.5g当たり47.3mgであり、注入用水1mLで再構成した凍結乾燥物の濃度は、30.9mg/gであり、バイアル当たり46.3mgに相当する。
【0070】
1mLの水で再構成した後、凍結乾燥物は、無色澄明であり、25℃で少なくとも20日間、5℃で少なくとも5日間、沈殿は形成しない。この期間経過後、24時間以内に、バイアルの底部に固着した沈殿物の形成が観察される。
【0071】
例6bで得た結果は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン溶液の直接凍結乾燥物は、溶液の飽和工程がない場合であっても、水で一旦再構成した処方に関して、初期の溶液に比較して安定性が向上されていることを、示す。
【出願人】 【識別番号】593096077
【氏名又は名称】アルテルゴン エス.エイ.
【出願日】 平成17年9月14日(2005.9.14)
【代理人】 【識別番号】100065385
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 穣平

【公開番号】 特開2006−83171(P2006−83171A)
【公開日】 平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願番号】 特願2005−266457(P2005−266457)