| 【発明の名称】 |
アトピー性皮膚炎治療剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】松岡 周二
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| 【要約】 |
【課題】アトピー性皮膚炎に対する有効な治療薬及び/又は予防剤を提供する。
【解決手段】本発明により、I−J分子に対するモノクローナル抗体であって、添加することにより不活性化型の免疫細胞は傷害しないが、活性化した免疫細胞を傷害する抗体を選択する方法により得られた抗体を有効成分とするアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤が提供される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 I−J分子に対するモノクローナル抗体であって、活性化型免疫細胞と不活性化型免疫細胞に投与し、活性化型免疫細胞のみを傷害する抗体を選択する方法により得られた抗体を有効成分とするアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤。 【請求項2】 免疫細胞がリンパ細胞及び/又はリンフォーマ細胞である請求項1記載の予防及び/又は治療剤。 【請求項3】 抗体が、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−19701として寄託されたハイブリドーマ(RE2 2004.01.14)により産生されるモノクローナル抗体RE2である請求項1又は2記載の予防及び/又は治療剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、I−J分子に対するモノクローナル抗体を有効成分とするアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤に関する。 【背景技術】 【0002】 アトピー性皮膚炎は、現在患者数の増大傾向が認められる代表的なアレルギー疾患である。アトピー性皮膚炎の症状は強い痒みを伴って湿疹が出るもので、重症患者になると日常生活にも支障をきたすようになる。このような状態になっている人が味わう苦痛は計り知れないものである。各方面でアトピー性皮膚炎の治療方法について研究が行われてきたが、行われている治療方法は、対症的なステロイド剤や抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤などの投与がほとんどであった。このような治療では、一時的に症状が改善し寛解したとしても、再発を繰り返す例が少なくない。また、ステロイド剤には副作用の問題があるため、その長期、反復連用には限界があり、患者もステロイド剤を忌避する傾向があった。 そこで、発症や病態形成に基づいた、より選択的で副作用の少ない治療薬の開発が求められてきた。 【0003】 一方、本発明者らは、MHCクラスI様分子であるI−J分子に対する抗体の中に、活性化したリンパ球やリンフォーマ細胞を補体非依存性に傷害する抗体があることを見出しており、その一つをRE2と名づけていた。(非特許文献1参照)。そして、リンフォーマ細胞等に引き起こす細胞死は、他の抗MHCクラスI抗体が引き起こさない細胞死であること、また、その細胞死はアポトーシスではない新しいタイプの細胞死であること、さらには、この抗体がリンフォーマの治療に有効であること、人工的に誘導した肝炎の症状を抑え、肝炎治療に有効であることを報告している(非特許文献2参照)。また、RE2抗体のMHCクラスI分子内におけるエピトープはα2ドメイン内にあることを見出した(非特許文献2参照)。また、RE2抗体のクラスはIgG1であった。 【0004】 しかしながら、当該抗体にアトピー性皮膚炎に対して優れた治療効果があることは全く知られていない。 【非特許文献1】J.Exp.Med.181, 2007-2015, 1995 【非特許文献2】J.Exp.Med.198, 497-503, 2003 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、有効性が高く副作用が少ないアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 斯かる実情のもと、本発明者らは、多種多様な抗体について、種々検討したところ、前述のI−J分子に対する抗体のうち、活性化したリンパ球やリンフォーマ細胞のみを傷害する抗体が、アトピー性皮膚炎に対する治療効果を示すことを見出し、本発明を完成した。 【0007】 すなわち、本発明は、I−J分子に対するモノクローナル抗体であって、活性化型免疫細胞のみを傷害する抗体を選択する方法により得られた抗体を有効成分とする、アトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤を提供するものである。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、アトピー性皮膚炎に対する予防治療効果が高く且つ安全性が高い薬剤が提供できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明のモノクローナル抗体は、I−J分子に対するモノクローナル抗体であって、活性化型免疫細胞と不活性化型免疫細胞に投与し、活性化型免疫細胞のみを傷害する抗体を選択する方法により得られるものである。 【0010】 ここでI−J分子とは、サプレッサー(抑制性)T細胞の細胞表面上にある分子として知られ、これをコードする遺伝子はMHC領域に単にマップされるだけでなく、T細胞の分化過程でその環境により受動的にも決定される分子であるとされている(Nature 1985 Aug22-28;316(6030):741-3)。I−J分子はMHCのアロタイプにより規定され、MHCのアロタイプがk(C3Hマウス由来など)ならばI−Jk分子,b(C57BL6マウス由来)ならばI−Jb分子というようにポリモルフィックな分子であり、例えばI−Jk分子を取得するためにはアロタイプがk由来のT細胞クローン溶解物を抗I−Jk抗体で免疫沈降することにより得ることができ、I−Jb分子を取得するためにはアロタイプがb由来のT細胞クローン溶解物を抗I−Jk抗体で免疫沈降することにより得ることができる。( Proc Natl Acad Sci USA. 1985 May;82(9):2905-9.) ( Int Immunol. 1989;1(1):50-8.)。 【0011】 本発明のモノクローナル抗体は、1)I−J分子を動物に免疫感作し、2)当該動物から抗体産生細胞を調製して、これを骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマを作製し、 3)それぞれのハイブリドーマから抗体を採取し、これらの抗体の活性化型免疫細胞及び不活性化型免疫細胞に対する細胞傷害性を調べ、活性化型免疫細胞に特異的に細胞傷害性を示すことが認められた抗体を選択することにより得ることができる。 【0012】 1)免疫感作の方法としては、公知の方法を利用することができるが、例えば、I−J分子をアジュバンドの存在下または非存在下で、単独でまたは担体に結合して哺乳動物の皮内または腹腔内に投与することにより行われるが、免疫効率の点から、腹腔内投与が好ましい。この際、投与は2週間おきに数ヶ月に渡って行うのが好ましい。また、免疫抗原分子の投与量は、投与経路、哺乳動物の種類等に応じて適宜決定されるが、マウスに腹腔内投与する場合は、通常投与I−J分子の蛋白量は一回目が1mg、二回目以降が0.3mg/匹程度とするのが好ましい。担体は、それ自体が宿主に対して有害な作用を及ぼさず且つ抗原性を増強せしめるものであれば特に限定されず、例えばセルロース、重合アミノ酸、アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン等を例示できる。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、Ribi(MPL)、Ribi(TDM)、Ribi(MPL+TDM)、百日咳ワクチン(Bordetella pertussis vaccine)、ムラミルジペプチド、アルミニウムアジュバント(ALUM)、およびこれらの組合せが例示できる。被免疫動物は、特に限定されるものではなく、公知のモノクローナル抗体の作成に用いられる哺乳動物を使用することができるが、細胞融合に用いる骨髄細胞との適合性を考慮して選択されるのが望ましく、一般的には、マウス、ハムスター、ラット等を使用するのがよい。尚、これら齧歯類の免疫時の週令は、免疫効果の点から8週令から10週令が好ましい。 【0013】 2)当該動物から抗体産生細胞を調製する方法は、公知の方法により行われる。 次いで、得られた免疫細胞骨髄細胞を融合するが、ここで用いられる骨髄細胞としては、すでに選択手段が確立されている公知の各種細胞株、例えばNS1−Ag4/1(Europian J. Immunol., 6:511-519(1976)),P3−U1( Current Topic in microbiology and Immunology, 81:1-7(1978))などを使用することができる。 【0014】 上記免疫細胞と骨髄腫細胞の融合反応は、公知の方法、すなわちOiおよびHerzenbergの方法(Selected Methods in Cellular Immunology, p351-371, W.H.Freeman & Co., USA出版(1980))に準じて、融合促進剤の存在下に通常の栄養培地中で行われる。融合促進剤としては、通常用いられるポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウイルス(HVJ)等を使用でき、更に所望によりジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。免疫細胞と骨髄腫細胞の使用比は通常の方法と変わりなく、たとえば骨髄腫細胞に対し、免疫細胞を約1から10倍用いればよい。 【0015】 上記融合時の培地としては、この種の細胞培養に使用される通常の各種栄養培地はいずれも使用できる。その代表例として例えばRPMI−1640培地、ダルベッコーMEM培地等を例示でき、これら培地には通常知られるように例えば牛胎児血清(FCS)、必須アミノ酸混合液、ピルビン酸ナトリウム、2メルカプトエタノール等の補液を添加しておくこともできる。 【0016】 融合は、例えば、上記免疫細胞と骨髄細胞との所定量を血清を含まない上記培地内でよく混ぜて遠沈し、上清を除去した後、予め37℃程度に加温したPEGを培地に約30〜60%(W/V)の濃度となるように加えたものを細胞の沈渣に滴下して混ぜ合わすことによって行われる。これを37℃で数分間反応させ、適当な培地を逐次添加して10分間前後室温におき遠沈し、上清を除去する操作を行うことにより、所望のハイブリドーマが作製される。 【0017】 得られたハイブリドーマの分離は、通常の選択用培地、例えばHAT培地での培養後、更に培養物をHT培地(ヒポキサンチンおよびチミジンを含む培地)で数週間培養することによって行われる。 かくして得られるハイブリドーマを、通常の限界希釈法等の公知の方法にしたがい単クローン化する。 【0018】 次に、このハイブリドーマが産生する抗体の抗原結合性を確認する。確認は、ハイブリドーマの上清液を、I−J陽性リンパ球系細胞と反応させ、さらにFITCなどでラベルした抗イムノグロブリン抗体を反応させフローサイトメーターで染色を確認することにより行われる。 かくして得られたハイブリドーマは、通常の培地で継体培養でき液体窒素中で長期間安定に保存することが出来る。 【0019】 好適なハイブリドーマとしては、例えば、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号FERM P−19701として寄託されたハイブリドーマ(RE2 2004.01.14)を挙げることができる。 【0020】 3)このようにして得られたハイブリドーマの培地中からモノクローナル抗体を採取する。採取は、常法に従い該ハイブリドーマを培養し、培養上清から分離する方法、または上記ハイブリドーマをこれと適合性のある哺乳動物に投与し、増殖させ、該動物の腹水より分離する方法により行うことができるが、培養上清から分離する方法が好ましい。 次に、得られた抗体を精製する。精製方法としては、既知の方法、(例えば、陰イオン交換体、ヒドロキシアパタイト、プロテインA又はG固定化カラム及びプロタミン固定化カラム等を用いた各種のカラムクロマトグラフィー、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法及び低張緩衝液沈殿法)を応用することで、容易に達成されるが、プロテインG固定化カラムを用いたカラムクロマトグラフィーが好ましい。 【0021】 さらに、このようにして得られた抗体を、活性化型免疫細胞と非活性化型免疫細胞に、それぞれ等量ずつ投与し一定時間培養し、その後、活性化型免疫細胞における死細胞の率と、不活性化型免疫細胞における死細胞の率を測定する。この際、非活性化型免疫細胞としては、無刺激の末梢リンパ球が好ましい。活性化型免疫細胞としては、対応する末梢リンパ球を活性化することにより得ることができ、たとえば、T細胞をIL2存在下で培養することにより、もしくは、B細胞をLPS存在下で培養することにより得ることができる。また、死細胞はトリパンブルーを加えた際に、青く染まることにより確かめることができる。 本発明のモノクローナル抗体は、活性化型免疫細胞における死細胞の率が非活性化型免疫細胞における死細胞の率に比べて有意に多い抗体を選別することにより得ることができる。 【0022】 斯くして得られる本発明のモノクローナル抗体は、I−J分子に特異的に反応し、また、正常細胞は傷害せず、活性化リンパ球、リンフォーマ細胞等の活性化免疫細胞を傷害する性質を有する。このうち、アトピー性皮膚炎に対する治療効果の点からハイブリドーマRE2 2004.01.14(FERM P−19701)から産生されるRE2抗体が特に好ましい。 【0023】 また、本発明のアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤において用いられるモノクローナル抗体は、抗体の活性領域が保持され、抗原を架橋することができ、アトピー性皮膚炎に対する予防及び/又は治療効果を発揮する限り、当該抗体分子の一部を用いることもできる。すなわち、本発明のモノクローナル抗体には、その断片であるF(ab′)2などが包含される。 【0024】 また、本発明のモノクローナル抗体は、その可変領域(Fab領域、Fc領域)をマウス等動物のまま保持し、その他の定常領域をヒト由来のものに置き換え(キメラ抗体)て使用することもでき、また、相補性決定領域(CDR)のみをマウスのまま残し、他の全ての領域をヒト由来のものに置き換え(ヒト型化抗体)て使用することもできる。斯かるキメラ抗体やヒト型化抗体への変換は公知の方法に従って行うことができる。 【0025】 本発明のモノクローナル抗体は、後記実施例に示すように、アトピー性皮膚炎マウスに投与することにより、血清IgE値を有意に低下させ、湿疹、発赤、潰瘍等の症状を著明に改善する作用を有する。従って、この抗体を有効量含有する製剤は、アトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療のための医薬として有用である。 【0026】 本発明のアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤の製剤形態は、経口投与製剤、非経口投与製剤のいずれでも良いが、非経口投与製剤が好ましく、特に皮下投与、静脈内投与のための注射剤とするのが好ましい。 【0027】 斯かる製剤は、常法により調製することができ、例えば、注射剤の場合、本発明のモノクローナル抗体に必要に応じて浸透圧調整剤、pH調整剤、界面活性剤、増粘剤などの通常用いられる賦形剤を加え、注射用の蒸留水に溶解すればよい。また、用時溶解型の製剤としてもよい。また、錠剤の場合には、当該モノクローナル抗体に必要に応じて賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、コーティング剤などの通常用いられる製剤添加剤を加えて調製すればよい。 【0028】 本発明のアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療剤の投与量は、症状や剤型などによって決められるが、モノクローナル抗体として、一日0.25〜0.5mgを1回または数回に分けて投与すればよい。 【0029】 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。 【実施例】 【0030】 実施例1 抗体の作製 (1)免疫感作 マウスT細胞クローンMS−S2のNP−40溶解物を抗I−J抗体(JK10−23)で免疫沈降し、1−2×109個のMS−S2から分離精製した免疫沈降産物を免疫源としてSDラットに注射した。この免疫感作を2週間おきに4回繰り返した。 【0031】 (2)ハイブリドーマの作製 最後の追加抗原刺激免疫処理を行ってから3日後に、脾細胞を摘出して、このうち3×108の細胞とマウス骨髄腫細胞株P3−U1細胞3×108とをポリエチレングリコール(PEG)を用いて細胞融合を行った。 【0032】 (3)抗体抗原反応 抗体を、I−J陽性リンパ球系細胞と反応させ、さらに二次抗体としてFITCでラベルした抗イムノグロブリン抗体を反応させフローサイトメーターで染色することを確認した。次にI−J陰性リンパ球系細胞と反応させ、さらに二次抗体としてFITCでラベルした抗イムノグロブリン抗体を反応させフローサイトメーターで染色しないことを確認した。 【0033】 (4)抗体mAb産生ハイブリドーマのクローニング このように採取した抗体産生ハイブリドーマを限界希釈して単クローン化した。抗体産生能を持ち、かつ増殖したハイブリドーマとして5種類のクローンを得た。 【0034】 (5)抗体の採取 上記ハイブリドーマからの本発明に用いるモノクローナル抗体の採取は、ハイブリドーマを培養し、培養上清から分離する方法により行った。さらにprotein G-Sepharose column (Pharmacia LKB, Biotecnology AB)によって精製を行った。 【0035】 (6)細胞傷害性のある抗体の選択 1×107/mlに調整した標的細胞浮遊液に、このようにして得られた抗体を1:100希釈でそれぞれ加え、37℃で一時間インキュベーション後トリパンブルーを加えて生細胞数を計測した。そして、以下の式1を用いて%傷害活性を計算した。 (式1) (%傷害活性)=(A−B)/A×100 但し、A=(培養液とともに一時間インキュベーションした後の生細胞数) B=(抗体を加えて一時間インキュベーションした後の生細胞数) %傷害活性が80%以上となった抗体を産生するハイブリドーマとして、一種類のハイブリドーマが得られた。このハイブリドーマは、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託した。その受託番号は、FERM P−19701である。このハイブリドーマにより産生される抗体をRE2と名づけた。 【0036】 実施例2 RE2の認識する分子の検出 リンパ球の細胞表面をヨードジェン法で125I標識後、1%NP−40で膜蛋白を可溶化した。NP40溶解物とRE2抗体を4℃で12時間反応させた後、プロテインG−セファロースビーズを加え免疫沈降した。免疫沈降物をラウリル硫酸ナトリウム(SDS)サンプルバッファーに溶解させ、Laemmliの方法に従ってSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析した。 すると、RE2は静止期リンパ球では44Kと60Kの分子を認識し、活性化リンパ球上では44K、60K、88Kの分子を認識することが明らかになった。 【0037】 試験例1 アトピー性皮膚炎炎症治療実験結果 12週齢のアトピー性皮膚炎自然発症マウスとして最も有名なNC/Ngaマウスに隔日で2週間計7回RE2抗体を一匹あたり0.5mgを腹腔内投与した群と、コントロールとしてラットの免疫グロブリン(Ig)を投与した群とでアトピー性皮膚炎のクリニカルスコア(J. All. Clin. Immunol., 85;927-933, Int. Immunol., 9, 461-466参照)、IgE値、皮膚の病理的所見を比較検討した。 【0038】 すなわち、皮膚におけるPruritus(掻痒)、Erythema(紅斑)、Edema/papulation(浮腫)、Excoriation(擦創)及びScaling/dryness(フケ、乾燥)の程度をそれぞれ1点、2点または3点と点数化し、それらの合計点をクリニカルスコアとした。Pruritus(掻痒)についてはビデオで観察し、程度が激しいものを高得点とした。Erythema(紅斑)については、うすいピンク色のものを1点、根元が赤いものを2点、全体に赤いものを3点とした。Edema/papulation(浮腫)については、根元がもってりしているものを1点、全体がもってりしているものを2点、全体にパーンと張っているものを3点とした。Excoriation(擦創)については、探さないとない程度ならば1点、一目見てある程度ならば2点、掻きすぎてぐじゃぐじゃになっている程度ならば3点とした。Scaling/dryness(フケ、乾燥)については程度が激しいものを高得点とした。 【0039】 クリニカルスコアはRE2抗体投与開始とほぼ同時に減少しはじめ(図1)、特にアトピー性皮膚炎に特徴的な湿疹、発赤、潰瘍2週間でほぼ治癒した。血清IgE値はコントロールマウス群で15.0μg/mLであったがRE2抗体投与2週間で11.5μg/mL程度に低下した(図2)。2週間の投与修了直後の背部の皮膚組織を比較すると、コントロールマウス群で高度の苔癬化が認められるのに対しRE2投与群ではむしろ萎縮していた(図3)。活性化したリンパ球およびマウス細胞をRE2抗体が傷害することによって治療効果が得られたと考えられた。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】アトピー性皮膚炎のクリニカルスコアの経時変化を示した図である。 【図2】RE2抗体を投与した後の血清IgE値をコントロールと比較して示した図である。 【図3】RE2抗体を投与することにより、アトピー性皮膚炎が治癒した皮膚の様子を示した図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502285457 【氏名又は名称】学校法人順天堂
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| 【出願日】 |
平成16年8月24日(2004.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000084 【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100068700 【弁理士】 【氏名又は名称】有賀 三幸
【識別番号】100077562 【弁理士】 【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736 【弁理士】 【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156 【弁理士】 【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 博人
【識別番号】100089048 【弁理士】 【氏名又は名称】浅野 康隆
【識別番号】100101317 【弁理士】 【氏名又は名称】的場 ひろみ
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| 【公開番号】 |
特開2006−62977(P2006−62977A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月9日(2006.3.9) |
| 【出願番号】 |
特願2004−244189(P2004−244189) |
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