トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 LDL−C及びLp(a)低下剤
【発明者】 【氏名】竹下 尚男
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】友延 一市
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】長谷 正
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】血中LDLコレステロール及びリポプロテイン(a)の両方を低下させる薬剤の提供。

【解決手段】ジアシルグリセロール及び植物ステロール類を含有する血中LDLコレステロール及びリポプロテイン(a)低下剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアシルグリセロール及び植物ステロール類を含有する血中LDLコレステロール及びリポプロテイン(a)低下剤。
【請求項2】
ジアシルグリセロール15〜99.95質量%及び植物ステロール類0.05〜20質量%を含有するものである請求項1記載の血中LDLコレステロール及びリポプロテイン(a)低下剤。
【請求項3】
形態が油脂組成物である請求項1又は2記載の血中LDLコレステロール及びリポプロテイン(a)低下剤。
【請求項4】
閉経後の女性用である請求項1〜3記載の血中LDLコレステロール及びリポプロテイン(a)低下剤。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は動脈硬化症の危険因子として特に重要な低密度リポ蛋白質(LDL)コレステロール及びリポプロテイン(a)(以下、Lp(a)と記載)の両方の低下剤に関する。
【背景技術】
【0002】
リポ蛋白質のうち、LDLはコレステロールを肝臓から末梢組織へ運搬する役割を有するが、LDLが過剰になると変性LDLが生成する。変性LDLがマクロファージに貧食されると、変性コレステロールを大量に蓄積した泡沫細胞へと分化する。やがて泡沫細胞は、血管内皮の下に潜り込み、コレステロールを蓄積し、血管平滑筋などの増殖を促進し、動脈硬化巣を形成すると考えられている。従って、血中LDLコレステロールは、悪玉コレステロールとも呼ばれるように、動脈硬化症の危険因子として重要である。
【0003】
一方、Lp(a)は、LDL粒子にアポリポ蛋白質(a)という糖蛋白がジスルフィド結合したものであるが、LDLよりもさらに動脈硬化を惹起することが知られ、Lp(a)の血中濃度の上昇は、心疾患や脳卒中のリスクを上げることが明らかとなっている。そのため、できるだけ血中のLp(a)濃度は高くならないようにすることが望ましい。しかしながら、特に閉経を迎えた女性においては、体内の女性ホルモンが枯渇することにより、月経が停止し、LDLレセプターの数が減少して(LDLコレステロールの回収能力の低下)、LDLコレステロールの血中濃度が上昇するだけでなく、Lp(a)の血中濃度が10〜20%も上昇することが知られている。このような体内の急激な変化に伴い、心血管系疾患の罹患率が著しく増加する。したがって、閉経後の女性にとって、極めて危険度の高いリスクファクターであるLDLコレステロールとLp(a)の両方を管理していくことは、動脈硬化性疾患を予防していく上で、非常に大切となる。
一般に、コレステロールを低下させる薬剤(例えば、スタチン系の薬剤やイオン交換樹脂系の薬剤等)や食品(植物ステロールを含有する食品等)を使用すると、肝臓でのLDLコレステロールの合成抑制、回収促進、吸収抑制により、LDLコレステロールの血中濃度を低下させることは可能であっても、Lp(a)の血中濃度を低下させることは困難であった。
【0004】
ところでジアシルグリセロールは、体重増加抑制、血清トリグリセリド低下、体脂肪蓄積抑制、レムナント様リポ蛋白低下、HDLコレステロール上昇、小腸上皮における脂質代謝改善(特許文献1〜6)等の作用を有することが知られている。また、ジアシルグリセロールと植物ステロールを併用すると、血中コレステロールが低下(特許文献7)することが知られている。しかし、LDLコレステロールとLp(a)に対する作用についての報告はない。
【特許文献1】特開平4−300826号公報
【特許文献2】特開平4−300825号公報
【特許文献3】特開平10−176181号公報
【特許文献4】特開2001−302509号公報
【特許文献5】特開2001−64170号公報
【特許文献6】特開2002−322052号公報
【特許文献7】国際公開第99/48378号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、動脈硬化の危険因子であるLDLコレステロールとLp(a)の両方を同時に低下させることのできる薬剤の開発が望まれており、本発明はそのような薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、血中LDLコレステロールとLp(a)の両者が高い動脈硬化症ハイリスク者の集団を対象にして、ジアシルグリセロールと植物ステロール類を同時に摂取させたところ、ジアシルグリセロールのみを摂取させた場合に比べて顕著にLDLコレステロールとLp(a)の両者が低下することを初めて見出した。本発明におけるLDLコレステロールとLp(a)の両者の改善は、とりわけ閉経後の女性にとって永年望まれおり、極めて有用である。
【0007】
すなわち、本発明はジアシルグリセロール及び植物ステロール類を含有する血中LDLコレステロール及びLp(a)低下剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動脈硬化症の危険因子として重要な血中LDLコレステロールとLp(a)の両者を同時に低下させることができる。特に閉経後の女性のように、これらの2つの危険因子が同時に上昇しているヒトに極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明では、ジアシルグリセロールと植物ステロール類とを組み合せて摂取すればよく、それぞれ別個の組成物として摂取してもよいが、ジアシルグリセロール及び植物ステロール類を含有する油脂組成物として摂取するのが好ましい。
【0010】
本発明で使用するジアシルグリセロールの構成脂肪酸は、炭素数8〜24、特に16〜22であることが好ましい。ジアシルグリセロールの全構成脂肪酸中、不飽和脂肪酸含量は、好ましくは80〜100質量%(以下単に%と記載する)、より好ましくは85〜100%、さらに好ましくは90〜100%、特に好ましくは93〜100%、最も好ましくは94〜98%である。
【0011】
さらに、本発明の効果をより高めるという点から、(シス型不飽和脂肪酸量)/(トランス型不飽和脂肪酸量+飽和脂肪酸量)は質量比で6以上が好ましく、より好ましくは9〜25、さらに好ましくは9〜20である。また、ジアシルグリセロール中のトランス型不飽和脂肪酸は、5%以下が特に好ましい。飽和脂肪酸含量は、10%以下が好ましく、5%以下が特に好ましい。
【0012】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜65%、好ましくは25〜60%、特に30〜50%、殊更30〜45%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で望ましい。
【0013】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、リノール酸の含有量は15〜65%、好ましくは20〜60%、特に30〜55%、殊更35〜50%であるのが、脂肪酸の摂取バランスの点で望ましい。さらに、酸化安定性、生理効果の点から、リノール酸/オレイン酸の含有重量比が0.01〜2.0、好ましくは0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが望ましい。
【0014】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、リノレン酸の含有量は15%未満、好ましくは0〜13%、さらに1〜10%、特に2〜9%であるのが、脂肪酸の摂取バランス、酸化安定性の点で望ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
【0015】
ジアシルグリセロールには、1,3−ジアシルグリセロールと1,2−ジアシルグリセロール(2,3−ジアシルグリセロール)が存在する。1,3−ジアシルグリセロールと1,2−ジアシルグリセロールの質量比率は7:3であることがより好ましい。ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールが、全ジアシルグリセロール中の50%以上、さらに55〜100%、特に60〜90%であることが、本発明の効果を強化し、工業的生産性の点から好ましい。
【0016】
本発明で使用するジアシルグリセロールは、例えば目的の構成脂肪酸を有する油脂とグリセリンとをエステル交換反応するか、あるいは目的の構成脂肪酸又はそのエステルとグリセリンとの混合物にリパーゼを作用させてエステル化反応を行うことにより製造される。反応中の異性化を防止する上で、リパーゼを用いたエステル化反応がより好ましい。また、リパーゼを用いたエステル化反応においても、反応終了後の精製段階における異性化を防止するため、精製手段も脂肪酸の異性化が生起しないような穏和な条件で行うのが好ましい。
【0017】
ジアシルグリセロールは植物ステロール類及びトリグリセリド等も含有する油脂組成物として使用するのが好ましい。当該油脂組成物としては、効果の点からジアシルグリセロールを15〜99.95%含むのが好ましく、より好ましくは35〜98.85%、さらに好ましくは60〜94.8%、特に好ましくは70〜94.7%、殊更80〜94.55%含有するのが好ましい。
【0018】
当該油脂組成物中のトリグリセリド含量は、効果、風味、酸化安定性の点から0〜84.95%含むのが好ましく、より好ましくは1〜64.85%、さらに好ましくは5〜39.8%、特に好ましくは5〜29.7%、殊更5〜19.55%含有するのが好ましい。トリグリセリドの構成脂肪酸として、効果、風味、食感の点で炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を好ましくは80〜100%、より好ましくは85〜100%、さらに90〜100%、特に93〜100%、最も好ましくは94〜98%含有するのがよい。また酸化安定性の点から、トリグリセリドの構成脂肪酸として、ω3系不飽和脂肪酸を好ましくは0〜40%、さらに0〜30%、特に0〜20%、最も好ましくは0〜15%含有するのがよい。
【0019】
当該油脂組成物にはモノアシルグリセロールを含んでいてもよく、その含量は、風味、酸化安定性の点から0〜30%であり、好ましくは0.1〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.1〜2%、最も好ましくは0.1〜1.5%であるのがよい。モノアシルグリセロールの構成脂肪酸は、製造上の観点から、ジアシルグリセロールと同じであることが好ましい。
【0020】
当該油脂組成物に含まれる遊離脂肪酸(塩)は、風味、発煙防止、工業的生産性の点から、3.5%以下に低減されるのがよく、好ましくは0〜2%、さらに好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.5%、最も好ましくは0.05〜0.2%とするのがよい。
本発明に使用される油脂組成物を構成する全脂肪酸中、炭素−炭素二重結合を4つ以上有する脂肪酸の含有量は、酸化安定性の点で0〜40%、好ましくは0〜20%、さらに0〜10%、特に0〜1%であるのがよく、実質的に含まないのが最も好ましい。
【0021】
また、本発明で使用される植物ステロール類としては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。当該植物ステロールは、前記ジアシルグリセロールを含有する油脂組成物中に植物ステロール類を配合して用いるのが好ましい。当該油脂組成物中の植物ステロール類の含有量は、0.05〜20%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜7%、さらに好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.2〜5%、殊更0.3〜4.7%であることが好ましい。
【0022】
当該油脂組成物には酸化安定性を向上させるために、抗酸化剤を添加するのが好ましい。抗酸化剤としては、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、リン脂質、ポリフェノール、ターシャルブチルヒドロキノン(TBHQ)等が挙げられ、2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記の抗酸化剤は、油脂組成物100質量部に対し0.005〜0.2質量部、特に0.04〜0.1質量部含有することが好ましい。
【0023】
当該油脂組成物には、さらに結晶抑制剤を添加するのが好ましい。本発明で使用する結晶抑制剤としては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のポリオール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて使用してもよい。結晶抑制剤は、当該油脂組成物100質量部に対し、0.02〜0.5質量部、特に0.05〜0.2質量部含有するのが好ましい。
【0024】
本発明の医薬の投与形態としては、例えば散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等の経口投与剤が挙げられる。この経口投与剤は、それぞれ上記油脂組成物の他、経口投与剤の形態に応じて一般に用いられる、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料等のうちの1種又はそれ以上を添加して製造することができる。油脂組成物を使用する場合、経口投与用医薬品中のその含有量は、医薬品の用途及び形態によっても異なるが、一般に0.1〜100%、さらに1〜80%、特に2〜80%が好ましい。
【0025】
本発明において、ジアシルグリセロールと植物ステロール類を食品形態にして摂食する場合、ジアシルグリセロールと植物ステロール類を含有した油脂加工食品とすればよく、例えば特定の機能を発揮して健康増進を図る健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等とすることができる。具体的には、カプセル、錠剤、顆粒剤、パンやケーキ、クッキー、パイ、バー、ベーカリーミックス等のベーカリー食品類、フレンチドレッシング等のドレッシング類、マヨネーズ等の水中油型乳化食品、マーガリンやスプレッド等の油中水型乳化食品、クリーム類、チョコレートやポテトチップス、アイスクリーム、デザート等の菓子や、飲料、スープ、ソース、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、焼き肉のタレ、ピーナツバター、フライングショートニング、ベーキングショートニング、加工肉製品、冷凍食品、粉末食品、ミールリプレイサー等の他、天ぷらやフライ、炒め物等に用いる調理油のような食品素材が挙げられる。かかる食品は、油脂組成物の他に、食品の種類に応じて一般に用いられる食品原料を添加し、製造することができる。このような食品中の油脂組成物の含有量は、食品の種類によっても異なるが、一般に0.1〜100%、さらに1〜80%、特に2〜80%が好ましい。
【0026】
以下、本発明のジアシルグリセロールと植物ステロール類を含有した油脂加工食品について説明する。本発明において、油脂加工食品とは、ジアシルグリセロール及び植物ステロールを含有する油脂組成物と、他の食品原料を配合し、加工した食品をいう。油脂加工食品に用いられる原料成分としては、下記のものがある。
【0027】
(1)食用油脂
本発明に使用する食用油脂は、一般的な食用油脂であれば特に限定されない。例えば、天然の動植物油脂の他、それらにエステル交換、水素添加、分別等を施した加工油脂が挙げられる。好ましくは、大豆油、菜種油、綿実油、米糠油、コーン油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物油及びそれらの加工油脂を用いるのがよい。
【0028】
(2)乳化剤
一般的に食品に用いられる乳化剤であれば特に限定されない。例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン及びその分解物、卵蛋白、大豆蛋白、乳蛋白及びこれらの蛋白質より分離もしくは加水分解により得られる各種蛋白質、ペプチド等が挙げられる。
【0029】
(3)増粘剤
一般的に食品に用いられる増粘剤であれば特に限定されない。例えば、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、トラガントガム、各種デンプン等の多糖類、ゼラチン、卵白等の蛋白質が挙げられる。
【0030】
(4)食塩、糖質、食酢、調味剤等の各種呈味料
(5)スパイス、フレーバー等の各種香味料
(6)各種着色料
(7)トコフェロール、天然抗酸化成分等の抗酸化剤
【0031】
以下、本発明の好ましい処方例を示す。しかし、本発明の用途を限定するものではない。
【0032】
a)酸性水中油型油脂加工食品
・油相/水相;20/80〜80/20(好ましくは30/70〜70/30)
・ジアシルグリセロールの量;油相中の油脂に対して15%以上(好ましくは40%以上、特に80%以上)
・植物ステロール類の量;油相中の油脂に対して0.05%以上
・乳化剤量;0.05〜5%
・pH;2〜6
pHは、食酢、クエン酸等の有機酸又はその塩、レモン果汁等の酸味料で調整する。上記原料を用い、常法により、血中LDLコレステロール及びLp(a)低下効果を有するドレッシング、マヨネーズ等の酸性水中油型油脂加工食品を調製することができる。
【0033】
<処方例> マヨネーズ
水相
食塩 3.0質量部
砂糖 1.0
調味料(グルタミン酸ナトリウム) 0.5
香辛料(マスタード粉末) 0.3
卵黄 14
食酢(酸度10%) 8
増粘剤 0.5
水 22.7
油相
油脂組成物(後記DAG又はPS/DAG) 50
【0034】
b)油中水型可塑性油脂加工食品
・水相/油相;15/85〜85/15(好ましくは20/80〜50/50)
・ジアシルグリセロールの量;油相中の油脂に対して15%以上(好ましくは40%以上、特に50%以上)
・植物ステロール類の量;油相中の油脂に対して0.05%以上
・油相中の油脂の融点;20〜50℃(好ましくは20〜40℃)
上記原料を用い、常法により、血中LDLコレステロール及びLp(a)低下効果を有するマーガリン、スプレッド等の油中水型可塑性油脂加工食品を調製することができる。
【0035】
<処方例> スプレッド
油相
油脂* 69.3質量部
レシチン 0.1
モノアシルグリセロール 0.5
フレーバー 0.1
水相
水 28.4
脱脂粉乳 0.3
食塩 1.3
*油脂:油脂組成物(後記PS/DAG);70%/部分硬化パーム油(IV=40);30%、融点36℃
【0036】
c)ベーカリー食品
・油脂量;10〜40%
・ジアシルグリセロールの量;油相中の油脂に対して15%以上(好ましくは40%以上、特に50%以上)
・植物ステロール類の量;油相中の油脂に対して0.05%以上
・小麦粉;20〜65%
・糖質;5〜30%
・全卵;0〜20%
・食塩;0.1〜2%
・ベーキングパウダー;0〜1%
上記原料を用い、常法により、血中LDLコレステロール及びLp(a)低下効果を有するショートブレッド(バー)、ブリオッシュ等のベーカリー食品を調製することができる。
【0037】
<処方例> ショートブレッド(バー)
小麦粉 60質量部
油脂組成物(後記PS/DAG) 10
砂糖 24.6
食塩 0.4
全卵 5
【0038】
後記実施例に示すように血中LDLコレステロール及びLp(a)濃度の高い、動脈硬化ハイリスク集団にジアシルグリセロール及び植物ステロール類を摂取させると、これら両者の濃度が有意に低下する。
【0039】
本発明における該ジアシルグリセロールの摂取量は、大人1人当たり0.1〜25g、特に0.1〜20gの範囲で1日に1〜数回に分けるのが好ましい。また、該植物ステロール類の摂取量は、大人1人当たり100〜500mg、特に200〜400mgの範囲で1日に1〜数回に分けることが好ましい。その摂取期間は1週間以上、好ましくは2週間以上、より好ましくは3週間以上、さらに1ヶ月以上、特に2ヶ月以上、最も好ましくは3ヶ月以上が望ましい。このように血中LDLコレステロール及びLp(a)の高い対象者に長期間ジアシルグリセロールと植物ステロール類を摂取させるためには、トリグリセリドの一部又は全部に該ジアシルグリセロールと植物ステロール類を用いた食品を調製して摂取させるのが好ましい。
【実施例】
【0040】
I)対象及び方法:
1.対象:
45才以上の健常な閉経後女性を対象とした。
【0041】
2.試験食用油:
本試験では、家庭で使用する調理油を(1)ジアシルグリセロール油(比較品。以下、DAGと記載)、(2)植物ステロール類(PS)を4%含有するジアシルグリセロール油(本発明品。以下、PS/DAGと記載)のいずれかにブラインドのもとに置き換え、試験期間中、これまでと同様に使用・摂取してもらった。各食用油の組成は、表1と表2に示した。
【0042】
【表1】


【0043】
【表2】


【0044】
3.方法:
45才以上のコレステロール値が高めの閉経後女性(n=14、年齢45〜62才)に対して、4週間のダブルブラインドの無作為クロスオーバー比較試験を実施した。
試験期間中、被験者は家庭で使用する調理油を2種の試験油、(1)DAG、又は(2)PS/DAGのいずれかにブラインドにて置き換え摂取し、1日あたりの目標摂取量を10gとした。試験期間中の食事は、試験前と変わらぬよう指示をし、その間の血清脂質を測定した。採血は、4週おきに同一日の午前の空腹時に行い、同じ日に身体計測も行った。
【0045】
4.統計解析:
統計的な有意差は、paired t-testを用い、危険率5%以下の場合に有意差ありと判定した。
【0046】
5.血清検査:
血清脂質及び生化学の血液検査を実施した。なお、採取した血液は冷蔵下(5℃)で速やかに15分間の遠心処理(1,500×g)を行い、血清及び血漿を得た。検査項目の分析は、(株)SRLに依頼して行った。
【0047】
II)結果:
血液検査の結果、PS/DAG摂取期間にのみ、総コレステロール、LDLコレステロール、Lp(a)の有意な低下効果が認められ、DAGと比較しても有意な差が認められた(表3)。また、PS/DAG摂取期間中のLp(a)の変化量は初期のLp(a)値と強い負の相関が認められ(p<0.001)、初期のLp(a)の値の大きい被験者ほどLp(a)の低下割合が大きかった(図1)。
【0048】
【表3】


【0049】
上記のことから、LDLコレステロール及びLp(a)値の高いヒト、例えば閉経後女性に、ジアシルグリセロールと植物ステロール類を投与すれば、コレステロールならびにLp(a)が改善されることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】PS/DAG摂取によりLp(a)の変化を示す図である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成16年8月24日(2004.8.24)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【公開番号】 特開2006−62973(P2006−62973A)
【公開日】 平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願番号】 特願2004−244002(P2004−244002)