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【発明の名称】 特定の疎水性染料と酸を含有する染色用組成物
【発明者】 【氏名】マクシム エム.ドゥ ボニ

【氏名】アラン ラグランジ

【要約】 【課題】多様な色調、特にパステル調から強い着色までの範囲の色調を得ることができ光、汗などの外的要因に対して良好な堅牢性を示す染色用組成物の提供。

【解決手段】組成物の全重量に対して少なくとも60重量%の水を含有する水性-アルコール性の染色用媒体に、4.5未満のpKaを有する少なくとも一の有機又は無機酸、2を超えるlogPを有する少なくとも一の疎水性直接染料を含有せしめてなるpHは7未満の染色用組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも60重量%の水を含有する水性-アルコール性の染色用媒体に、4.5未満のpKaを有する少なくとも一の有機又は無機酸、2を超えるlogPを有する少なくとも一の疎水性直接染料を含有せしめてなる染色用組成物で、該組成物のpHが7未満である組成物。
【請求項2】
少なくとも一の疎水性直接染料が、4を超えるlogPを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物に存在するアルコールが、C-C低級アルカノール類、ポリオール類及びポリオールエーテルの単独物又は混合物から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
アルコールが、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、n-ペンタノール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパンジオール、1,3-及び1,4-ブタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、及びフェニルエチルアルコール、又はこれらのアルコール類の混合物から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
水性-アルコール性の染色用媒体における水の量が、組成物の全重量に対して60重量%〜99.5重量%である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
水の量が60%〜90%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
水の量が70%〜85%である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
水性-アルコール性の染色用媒体におけるアルコールの量が5%を超える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
アルコールの量が5%〜35%である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
アルコールの量が10%〜25%である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
二価の無機酸塩を含有している、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
2を超えるlogPを有する疎水性直接染料が、組成物の全重量に対して0.001重量%〜5重量%の量で存在している、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
有機酸が、安息香酸、サリチル酸、及びベンゼンスルホン酸、又はそれらの混合物から選択される、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
無機酸が、リン酸、塩酸及び硫酸から選択される、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
有機酸の量が0.001%〜10%である、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
有機酸の量が0.05%〜2%である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
二価の無機酸塩が、硫酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウム、又はそれらの混合物から選択される、請求項11ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
二価の無機酸塩の量が0.001%〜10%である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
二価の無機酸塩の量が0.05%〜2%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
中性、酸性又はカチオン性のニトロベンゼン直接染料、中性、酸性又はカチオン性のアゾ直接染料、中性、酸性又はカチオン性のキノン、特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、インドアミン直接染料、及び天然の直接染料から選択される、一又は複数の付加的な直接染料を含有している、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類、及び複素環ベース類、及びそれらの付加塩から選択される酸化ベースを含有している、請求項1ないし20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレンベースのカップラー及び複素環カップラー、及びそれらの付加塩から選択されるカップラーを含有している、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
酸化ベースの量が、染色用組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%である、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
それぞれのカップラーの量が、染色用組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%である、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤又はそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性のポリマー類又はそれらの混合物、無機又は有機増粘剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の会合性ポリマー増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド類、防腐剤、及び不透明化剤から選択される一又は複数のアジュバントを含有している、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
アジュバントが、それぞれ組成物の重量に対して0.01重量%〜20重量%の量で存在している、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
請求項1ないし26のいずれか1項に記載の染色用組成物を、所望の着色が得られるのに十分な時間、ケラチン繊維に適用することからなる染色方法。
【請求項28】
適用が60℃以下の温度でなされる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
温度が室温〜40℃である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ケラチン繊維を染色するための、請求項1ないし26のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項31】
ケラチン繊維における着色堅牢性を増加させるための、請求項30に記載の使用。
【発明の詳細な説明】【発明の開示】
【0001】
本発明は、適切な媒体に、特定の疎水性染料及び酸を含有せしめてなる染色用組成物に関する。また本発明は、ケラチン繊維を染色するためのこの組成物の使用、及びこの組成物を使用する染色方法に関する。
【0002】
多くの人々は、毛髪の色調を変化させる、特にグレイの毛髪をマスクすることを、長期間にわたって探究している。
このために、酸化染色によって、ケラチン繊維を永続的に染色することが知られている。この染色技術は、酸化ベース及びカップラー等の、染料前駆物質を含有する組成物を、ケラチン繊維に適用することからなる。これらの前駆物質は、酸化剤の作用下、毛髪において、一又は複数の有色種を形成する。
【0003】
酸化ベース類及びカップラー類として使用される多様な分子により、豊富なカラーパレットを得ることができる。このようにして得られた着色は、永続的で強く、外的要因、特に光、悪天候、洗浄、発汗及び摩擦に対して耐性がある。
しかしながら、着色は、塩基性媒体において、過酸化水素水等の酸化物質を使用してなされるものである。これらの酸化剤は毛髪のケラチンを攻撃し、繰り返し着色するケースにおいては、その化粧品的及び機械的特性にかなりのダメージを与え、結果としてスタイリングや形を整えることが困難になるおそれがある。
【0004】
さらに、ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を、直接染料を含有する染色用組成物を用いて染色することが知られている。使用される標準的な染料は、特にニトロベンゼン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、キサンテン、アクリジン、アジン又はトリアリールメタン型の染料、又は天然染料である。これらの染料は、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性であってよい。これらの染料は、ケラチン繊維との親和性を有する着色した又は着色する分子である。
直接染料は、ほとんどが水からなり、場合によっては、アルコール類等の溶媒を少量含有していてもよい媒体において、一般的に使用されている。このような組成物は、例えば欧州特許第1366752号及び欧州特許第1369105号に記載されている。また、米国特許第5593459号にあるように、分散したカチオン性染料又は溶媒の、水における溶解度を改善するために、アニオン性界面活性剤を添加することが知られている。
【0005】
一又は複数の直接染料を含有するこれらの組成物は、所望の着色を得るのに必要な時間、ケラチン繊維に適用され、ついですすがれる。
このようにして得られた着色は、多くの場合、色度のある着色であるが、直接染料がケラチン繊維へ結合する相互作用の性質や、それらの繊維の表面又は芯部からの脱着が、染色力の低下、又は水もしくは発汗に対する堅牢性の乏しさの原因となるため、しばしば一時的又は半永久的なものであった。
よって未だ、多様な色調、特にパステル調の色調、さらには光、シャンプー及び汗等の外的要因に対して良好な堅牢性を示す色調を得るための、新規の直接染色用組成物を開発する必要がある。特に、酸化剤が存在することによる欠点を示すことなく、酸化染色に類似した堅牢性を示す着色を得るための染色用組成物を開発する必要がある。
この目的は、主題の一つが、組成物の全重量に対して少なくとも60重量%の水を含有する水性-アルコール性の染色用媒体に、4.5未満のpKaを有する少なくとも一の有機又は無機酸、2を超えるlogPを有する少なくとも一の疎水性直接染料を含有せしめてなり、その組成物のpHga7未満である染色用組成物である、本発明によって達成される。
【0006】
本発明の組成物により、パステル調から強い着色までの範囲の色調を得ることができる。さらに、得られた着色により、酸化染色に匹敵する、もしくは勝る堅牢性を可能にすることもできる。よって、得られた着色は、外的要因、特に繰り返しの洗浄に対してかなりの耐性がある。
本発明におけるlogP値とは、従来から、オクタノールと水との間の染料の分配係数を表す。logP値は、Meylan及びHowardの論文「Atom/Fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficient」, J. Pharm. Sci., 84:83-92, 1995に記載されている方法に従い算出され得る。またこの値は、分子構造の関数としてlogP値を決定する、市販のソフトウェアの範囲を使用して算出されてもよい。例えば、米国環境局からのEpiwinソフトウェアを挙げることができる。
【0007】
本発明の組成物に使用され得る直接染料は、2を超えるlogP値を有し、当該技術で公知の疎水性染料である。挙げることのできる例には、以下の表のものが含まれる:
【表1】




【0008】
特定の一実施態様において、本発明の組成物に有用な染料のlogPは4を超える。
2を超えるlogPを有する直接染料(類)は、組成物の全重量に対して約0.001重量%〜5重量%の量で組成物に存在してよい。
【0009】
4.5未満のpKaを有する有機酸は、例えば安息香酸、サリチル酸、及びベンゼンスルホン酸、又はその混合物、好ましくは安息香酸から選択される。
4.5未満のpKaを有する無機酸は、例えばリン酸、塩酸、及び硫酸から選択される。
本発明の組成物は、混合物として、本発明で有用な一又は複数の有機酸又は無機酸を含有していてよい。
特定の一実施態様において、酸は有機酸である。
【0010】
特定の実施態様において、組成物は、二価の無機酸塩をさらに含有している。この二価の無機酸塩は、例えば硫酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び硫酸アンモニウム、又はそれらの混合物、好ましくは硫酸アンモニウムである。
有機酸、無機酸、及び二価の無機酸塩の量は、組成物の全重量に対して、一般的に0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜2重量%である。
【0011】
特定の一実施態様において、水性-アルコール性の染色用媒体における水の量は、組成物の全重量に対して60重量%〜99.5重量%、好ましくは60重量%〜90重量%である。好ましい特定の一実施態様において、水の量は70%〜85%である。
本発明の組成物の染色用媒体は、水-アルコールの混合物である。使用され得るアルコール類としては、特にC-C低級アルカノール類、及びポリオール類及びポリオールエーテルで、遊離のOH官能基を有するものを挙げることができる。挙げることのできる例には、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール、及び芳香族アルコール類、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、n-ペンタノール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパンジオール、1,3-及び1,4-ブタンジオール、及び1,2-ヘキサンジオール、又はこれらのアルコール類の混合物が含まれる。
特定の一実施態様において、アルコール類の量は、少なくとも5%、好ましくは5%〜35%である。特定の一実施態様において、アルコールの量は10%〜25%である。
パーセンテージは、本発明の方法に使用される組成物の全重量に対する重量パーセンテージである。
【0012】
本発明の染色用組成物は、本発明で使用される直接染料以外の直接染料を、さらに含有していてよい。これらの付加的な直接染料は、例えば中性、酸性又はカチオン性のニトロベンゼン直接染料、中性、酸性又はカチオン性のアゾ直接染料、中性、酸性又はカチオン性のキノン、特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、インドアミン直接染料、及び天然の直接染料である。
【0013】
ベンゼンベースの直接染料としては、限定するものではないが、次の化合物:
− 1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン
− 1-アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン
− 1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
− 1,4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
− 1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン
− 1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン
− 1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン
− 1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
− 1,2-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン
− 1-アミノ-2-[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-5-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン
− 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
− 1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
− 1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン
− 1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-6-[ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロベンゼン
− 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン
− 1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼン
を挙げることができる。
【0014】
アゾ直接染料としては、その内容が、本発明の主要部分を形成する国際公開第95/15144号、国際公開第95/01772号及び欧州特許第714954号に記載されているカチオン性のアゾ染料を挙げることができる。
これらの化合物として、特に次の染料:
− 1,3-ジメチル-2-{[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ}-1H-イミダゾリウムクロリド、
− 1,3-ジメチル-2-[(4-アミノフェニル)アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、
− 1-メチル-4-[(メチルフェニルヒドラゾン)メチル]ピリジニウムメチルスルファート、
を挙げることができる。
【0015】
またアゾ直接染料として、国際色指数(Color Index International)、第3版に記載されている次の染料:
− アシッドイエロー9
− アシッドブラック1
− ベイシックレッド22
− ベイシックレッド76
− ベイシックイエロー57
− ベイシックブラウン16
− アシッドイエロー36
− アシッドオレンジ7
− アシッドレッド33
− アシッドレッド35
− ベイシックブラウン17
− アシッドイエロー23
− アシッドオレンジ24
を挙げることができる。
また、1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-[ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゼン及び4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸を挙げることもできる。
【0016】
キノン直接染料としては、次の染料:
− アシッドバイオレット43
− アシッドブルー62
− ベイシックブルー22
− ベイシックブルー99、及び次の化合物:
− 1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン
− 1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン
− 1-アミノプロピルアミノアントラキノン
− 5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン
− 2-アミノエチルアミノアントラキノン
− 1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン
を挙げることができる。
【0017】
アジン染料としては、次の化合物:
− ベイシックブルー17
− ベイシックレッド2
を挙げることができる。
【0018】
トリアリールメタン染料としては、次の化合物:
− ベイシックグリーン1
− アシッドブルー9
− ベイシックバイオレット3
− ベイシックバイオレット14
− ベイシックブルー7
− アシッドバイオレット49
− ベイシックブルー26
− アシッドブルー7
を挙げることができる。
【0019】
本発明で使用され得る天然直接染料としては、ローソン(lawsone)、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、カルメシン酸(kermesic acid)、及びスピヌロシン(spinulosin)を挙げることができる。また、これらの天然染料を含有する抽出物又は煎出物、特にヘナベースの湿布(poultices)又は抽出物を使用してもよい。
【0020】
この組成物が2を超えるlogPを有するもの以外の直接染料を含有している場合、組成物は20%までの直接染料を含有してよい。この特定の実施態様において、本発明の組成物は、全量で約0.001重量%〜10重量%の直接染料を含有することができる。
【0021】
また本発明の組成物は、酸化染色で従来から使用されている酸化ベース及びカップラーをさらに含有してよい。
挙げることのできる例には、パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類、及び複素環ベース類、及びそれらの付加塩が含まれる。
カップラーは、例えば、メタ-フェニレンジアミンカップラー、メタ-アミノフェノールカップラー、メタ-ジフェノールカップラー、ナフタレンベースのカップラー及び複素環カップラー、及びそれらの付加塩である。
ベース及びカップラーが存在する場合、それらは染色用組成物の全重量に対して、各々一般的に約0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%の量で、それぞれ存在している。
【0022】
本発明の染色用組成物は、従来より毛髪の染色用組成物に使用されている種々のアジュバント、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤又はそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性のポリマー類又はそれらの混合物、無機又は有機増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の会合性ポリマー増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、コンディショナー、例えば揮発性又は非揮発性で変性又は未変性のシリコーン類、皮膜形成剤、セラミド類、防腐剤、及び不透明化剤をさらに含有してよい。
これらの上述したアジュバントは、それぞれ染色用組成物の重量に対して、一般的に0.01重量%〜20重量%の量で存在している。
【0023】
ヒトのケラチン繊維を染色するための染色用媒体は、化粧品用媒体である。
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の酸化染色用組成物に固有の有利な特性が、考慮される添加により悪影響を受けないか、又は実質的に受けないように留意して、これ又はこれらの任意の付加的な化合物(類)を選択するであろう。
【0024】
本発明の染色用組成物のpHは7未満であり、ケラチン繊維の染色に通常使用されている酸性化剤又は塩基性化剤により、又は標準的なバッファー系を使用して所望の値に調節され得る。
挙げることのできる酸性化剤は、例えば、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸又は乳酸、及びスルホン酸である。
挙げることのできる塩基性化剤は、例えば、アンモニア水、アルカリ性の炭酸塩、アルカノールアミン類、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンとその誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び次の式(III):
【化1】


[Wは、C-Cアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり;R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又はC-Cアルキル又はC-Cヒドロキシアルキル基を表す]
の化合物である。
【0025】
また本発明の主題は、上述した染色用組成物を、所望の着色が得られるのに十分な時間、ケラチン繊維に適用することからなる直接染色方法でもある。放置時間は、一般的に約1〜60分、好ましくは約10〜60分である。放置時間後、ケラチン繊維をすすぐと、染色された繊維が表れる。
特定の一実施態様において、適用中の組成物の温度は、60℃以下、好ましくは室温〜40℃である。
【0026】
染色用組成物が酸化ベース及び/又はカップラーを含有している場合、又は艶出し直接染色を所望している場合、染色用組成物は酸化剤を含有していてよい。ケラチン繊維の酸化染色で従来から使用されている酸化剤は、例えば過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩、過酸塩、例えば過ホウ酸塩及び過硫酸塩、過酸類、及び酸化酵素、例えばペルオキシダーゼ類、2-電子オキシドレダクターゼ類、例えばウリカーゼ類、及び4-電子オキシゲナーゼ類、例えばラッカーゼである。過酸化水素が特に好ましい。
【0027】
酸化剤は、本発明の組成物の丁度使用時に添加されてもよいし、又は本発明の組成物と同時に又は逐次適用され、該酸化剤を含有する酸化組成物で出発して使用されてもよい。酸化組成物は、上述した毛髪の染色用組成物に従来から使用されている種々のアジュバントをさらに含有してよい。
酸化剤を含有する酸化組成物のpHは、染色用組成物と混合した後に得られる、ケラチン繊維に適用される組成物のpHが、好ましくは約3〜12、さらに好ましくは約5〜11の範囲にあるようになされる。好ましい特定の一実施態様において、pHは7未満である。それは、上述したようなケラチン繊維の染色に通常使用されている酸性化剤又は塩基性化剤により所望の値に調節され得る。
【0028】
最後にケラチン繊維に適用される組成物は、種々の形態、例えば、液体、クリーム又はゲルの形態、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色に適した任意の他の形態であってよい。
本発明を例証するものであって限定するものではない実施例を、以下に提供する。
【実施例】
【0029】
実施例1
以下のようにして染色用組成物を作製する:
【表2】


組成物を、白髪を90%含有するナチュラルなグレイの毛髪に束に適用する。
35℃で、適用30分後、毛髪の束をすすいで乾燥させる。毛髪の束は赤色に染色された。
【0030】
実施例2
以下のようにして染色用組成物を作製する:
【表3】


組成物を、白髪を90%含有するナチュラルなグレイの毛髪に束、白髪を90%含有するパーマネントウエーブがかかったグレイの毛髪の束、及び脱色されたチェスナットブラウンの毛髪の束に適用する。
40℃で、適用30分後、毛髪の束をすすいで乾燥させる。毛髪の束は赤色に染色された。
ついで、染色された毛髪の束を、水による洗浄、シャンプーによる洗浄、水によるすすぎ、乾燥を含むサイクルに従い、10回シャンプーする。
【0031】
着色前、着色後、及び10回の洗浄後の毛髪の束の色調を、ミノルタCM2002分光光度計(光源D65)を使用し、L系で評価した。このL系において、3つのパラメータは、それぞれ、強度(L)、aは緑/赤の色軸、bは青/黄の色軸を示す。L値が低ければ低い程、色調は暗くなるか又は強くなる。
発色度合いは次の等式:
【数1】


に従い(△E)により測定される。
この等式において、L、a及びbは染色後に測定された値を表し、L、a及びbは染色前に測定された値を表す。
【0032】
10回のシャンプーの前後における色調変化は、次の等式:
【数2】


に従い(△Ec)により測定される。
この等式において、L、a及びbは染色後に測定された値を表し、L、a及びbはシャンプー10回後に測定された値を表す。
【0033】
洗浄による色調の劣化パーセンテージは:
(△Ec/△E)x100
により評価される。
結果を以下の表5に付与する。
【0034】
実施例4(比較例)
上述した3種類の毛髪の束の染色を、次の染色用組成物を使用して実施した:
【表4】


室温で30分の放置時間の後、得られた毛髪の束は赤色に染色された。
劣化パーセンテージの測定は、実施例3に記載された条件下で実施する。
結果を以下の表5に付与する。
【表5】


これらの結果には、本発明の組成物は、従来の直接染色で得られたものよりも、洗浄に対する堅牢性があることが示されている。
【出願人】 【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【出願日】 平成17年8月16日(2005.8.16)
【代理人】 【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆

【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教

【公開番号】 特開2006−56888(P2006−56888A)
【公開日】 平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願番号】 特願2005−236067(P2005−236067)