| 【発明の名称】 |
体温上昇剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】比留間 美穂子 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本町4−15−9曽田香料株式会社内
【氏名】笹野 久美 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本町4−15−9曽田香料株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、低温環境下において効果的に身体を温めることができ、また、冷え性や冷房による手足の冷えを改善することができる新規な体温上昇剤を提供することである。
【解決手段】本発明によれば、デカン酸、5−デセン酸、6−デセン酸および下記式 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デカン酸、5−デセン酸、6−デセン酸、および下記式
(式中R1は水素原子、水酸基および/または炭素数1〜3のアルキル基が結合してもよいフェニル基またはメチルフェニル基またはエチルフェニル基、水酸基で置換されてもよい炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖もしくは環を形成してもよい飽和または不飽和の炭素鎖を示す)で表される、アンゲリカ酸およびそのエステルから選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する体温上昇剤。 【請求項2】 デカン酸、5−デセン酸、6−デセン酸、および下記式
(式中R1は水素原子、水酸基および/または炭素数1〜3のアルキル基が結合してもよいフェニル基またはメチルフェニル基またはエチルフェニル基、水酸基で置換されてもよい炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖もしくは環を形成してもよい飽和または不飽和の炭素鎖を示す)で表される、アンゲリカ酸およびそのエステルから選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する末梢部位体温低下改善剤。 【請求項3】 請求項1および2に記載の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤を有効成分として含有する飲食品。 【請求項4】 体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤の含有量が、0.0001〜5質量%である請求項3に記載の飲食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、体温上昇剤に関する。さらには体内末梢部位体温低下改善剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、有機酸類を飲料に添加する方法(特許文献1)や、スクシニルCoAよりも川下の代謝中間体(特許文献2)を飲料に添加する方法、辛味香辛料成分を飲料に添加する方法(特許文献3)などの方法によって、代謝を活発化し体温を上昇させる方法が提案されている。 一方、自律神経の調整力低下、低血圧、貧血などにより、いわゆる冷え性とよばれる末梢部位の体温低下を伴う各種症状が知られている。特に近年では、自律神経による調整機能に関しては、ストレスや、夏期の冷房による調整機能の低下が懸念されており、前記症状に陥る可能性が高まっている。 しかしながら、前記の体温を上昇させる方法は、エネルギー代謝を活発化させることにより体温を上昇させる効果はあるものの、末梢部位の体温低下改善については、充分な効果が得られるとは限らない。 【特許文献1】特開2003−210137号公報 【特許文献2】特開2003−012512号公報 【特許文献3】特開2000−189121号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、低温環境下で身体を温め、特に末梢部位での体温低下を改善することができる体温上昇剤および末梢部位体温低下改善剤、ならびにそれらを有効成分として含有する飲食品を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、デカン酸、5−デセン酸、6−デセン酸および下記式 【0005】
(式中R1は水素原子、水酸基および/または炭素数1〜3のアルキル基が結合してもよいフェニル基またはメチルフェニル基またはエチルフェニル基、水酸基で置換されてもよい炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖もしくは環を形成してもよい飽和または不飽和の炭素鎖を示す)で表されるアンゲリカ酸およびそのエステルから選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する体温上昇剤であり、さらには前記化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する末梢部位体温低下改善剤である。 また、本発明の他の態様としては、前記体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤を有効成分として含有する飲食品である。 【発明の効果】 【0006】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤は、体温を上昇させ、冬季の低温下の環境において身体を温めることができる。また、手先足先などの末梢部位において、効果的に体温上昇効果が得られるため、いわゆる冷え性や冷房による冷えを改善することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明のデカン酸、5−デセン酸および6−デセン酸は、一般に香料として市販されており容易に入手することができる。また、いずれも公知の方法で製造することができる。たとえば、5(または6)−デセン酸は、特開昭59−116247号公報、特開昭58−059908号公報に記載の方法などにより製造することができる。 本発明の下記式2 【0008】
(式中R1は水素原子、水酸基および/または炭素数1〜3のアルキル基が結合してもよいフェニル基またはメチルフェニル基またはエチルフェニル基、水酸基で置換されてもよい炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖もしくは環を形成してもよい飽和または不飽和の炭素鎖を示す)で表されるアンゲリカ酸およびそのエステル類として具体的には例えば、アンゲリカ酸、2−メチル−2−ブテニルアンゲレート、3−ヘキセニルアンゲレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ブテニルアンゲレート、2−メチル−2−プロぺニルアンゲレート、2−メチルブチルアンゲレート、3−ヒドロキシ−2−メチリデンブチルアンゲレート、3−メチルペンチルアンゲレート、ベンジルアンゲレート、ブチルアンゲレート、エチルアンゲレート、ゲラニルアンゲレート、ヘプチルアンゲレート、ヘキシルアンゲレート、イソブチルアンゲレート、イソペンチルアンゲレート、イソプロピルアンゲレート、ノニルアンゲレート、オクチルアンゲレート、ペンチルアンゲレート、フェネチルアンゲレート、プロピルアンゲレート、セカンダリブチルアンゲレート、ターシャリブチルアンゲレートが挙げられる。これらの化合物は、一般に市販されているものを使用することができる。また、特開昭57−112348号公報に記載された方法で製造することができる。また、これらの化合物はローマンカモミール(Anthemis nobilis L.)の精油に含まれていることが知られており、この精油を用いることもできる。 【0009】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤は、前記化合物群をそれぞれ単独で用いてもよく、配合して用いてもよい。 【0010】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤は、用途に応じて、エタノール、水、プロピレングリコール、グリセリン、食用油脂またはそれらの混合溶液などの溶剤、医薬や食品に適用可能な塩類、糖、糖アルコール、賦形剤、可溶化剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、抗酸化剤、色素、香料などを適宜配合することができる。 【0011】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤において、前記の化合物群の含有量は特に限定されないが、0.0001〜100質量%であることが好ましい。 【0012】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤の形態は、特に限定されない。例えば、液状のままでもよく、公知の方法によって乳化、分散、粉末化するなど、用途に応じて適宜選択することができる。 【0013】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、などの栄養強化剤、抗酸化剤、抗菌剤、その他の薬剤などと配合して使用することができる。また、本発明の体温上昇剤は、他の体温上昇剤と併用してもよい。 【0014】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤を、医薬品もしくは医薬部外品として製剤化する場合は、必要に応じて安定化剤、着色剤、嬌味剤、香料、賦形剤、溶剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、溶解補助剤、等張化剤、緩衝剤、結合剤、被覆剤、潤沢剤、崩壊剤などを加え、液剤、粉剤、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、懸濁剤、座剤など任意の剤形を選択することができる。 【0015】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤は、香料として使用されている化合物であるため、飲食品に添加することができる。例えば、乳飲料、清涼飲料、嗜好飲料、アルコール飲料などの飲料、チョコレート、キャンディ、錠菓、ガム、スナック菓子、クッキー、ケーキ、その他焼き菓子などの菓子類、即席麺類、レトルト食品、冷凍食品などの調理食品、調味料、栄養補助食品などの食品類に添加することで、身体を効果的に温めることができる。また、これら食品を摂取することにより冷えを改善するなど、飲食品に健康維持の機能を付加することができる。 【0016】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤を飲食品に添加する場合、特に添加量の制限はないが、0.0001〜5質量%であることが好ましい。 【0017】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤を飲食品に添加する方法は、特に制限はないが必要に応じて、乳化剤、分散剤、安定化剤などを加えることもできる。 【0018】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤を飲食品に添加する場合は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養強化剤、抗酸化剤、抗菌剤、食物繊維、血流促進剤、抗血栓剤、抗アレルギー剤など他の機能性成分を本発明の体温上昇剤の機能を阻害しない範囲で併用することもできる。 【実施例1】 【0019】 本発明の内容は以下の実験例および実施例として説明するが、これらに限定されるものでない。 (試験例1) 各被検物質を70容量%の含水エタノールに溶解させ1%溶液を作成し、これを蒸留水に添加して、被検物質を0.001質量%含有する試料を調整した。また、対照としては70容量%の含水エタノールを0.1%添加した蒸留水を用いた。 被検物質1・・・5−デセン酸、6−デセン酸混合物 被検物質2・・・イソブチルアンゲレート 被検物質3・・・3−メチルペンチルアンゲレート 被検物質4・・・ローマンカモミールオイル 【0020】 室温25℃の環境下で、試料または対照を100ml飲用することにより試験を行った。測定装置として、NEC三栄株式会社製のサーモトレーサー(TH5104)を使用し、図1に示す左右の手の平および指の定点温度を測定した。 【0021】 (図1)
【0022】 各定点における温度は、飲用前の温度測定値を基準点として、試料または対照を飲用した後、3分おきに30分までの温度を測定して、基準点との温度差を求めた。 【0023】 (試験結果) 定点温度の測定により得られた変動値より、飲用後、10分から30分の間における最大値を試料と対照とで比較し、試料飲用時の数値から対照飲用時の数値を差し引いた数値を比較値とした。 【0024】 5−デセン酸および、6−デセン酸混合物の飲用効果試験の結果を表1に示す。 【0025】 【表1】
【0026】 表1の結果から、試料飲用時は対照と比較して有意に温度上昇がみられ、5−デセン酸および、6−デセン酸混合物は経口摂取によって末梢部位において体温を上昇させる効果があることが確認できた。 【0027】 次に、イソブチルアンゲレートの飲用効果試験の結果を表2に示す。 【0028】 【表2】
【0029】 表2の結果から、試料飲用時は対照と比較して有意に温度上昇がみられ、イソブチルアンゲレートは経口摂取によって末梢部位において体温を上昇させる効果があることが確認できた。 【0030】 次に、3−メチルペンチルアンゲレートの飲用効果試験の結果を表3に示す。 【0031】 【表3】
【0032】 表3の結果から、試料飲用時は対照と比較して有意に温度上昇がみられ、3−メチルペンチルアンゲレートは経口摂取によって末梢部位において体温を上昇させる効果があることが確認できた。 【0033】 次に、ローマンカモミールオイルの飲用効果試験の結果を表4に示す。 【0034】 【表4】
【0035】 表4の結果から、試料飲用時は対照と比較して有意に温度上昇がみられ、ローマンカモミールオイルは経口摂取によって末梢部位において体温を上昇させる効果があることが確認できた。 【実施例2】 【0036】 (試験方法) 実施例1の試験における試料を、以下に示す処方の飲料に替えて飲用試験を行った。本発明の体温上昇剤としては、ローマンカモミールオイルとイソブチルアンゲレートを併用した。また、対照には、本発明の前記の体温上昇剤を含まず、他の成分は同一の飲料を調整した。 【0037】 飲料処方例 ―――――――――――――――――――――― 果糖ぶどう糖液糖 60.0 アップル透明果汁 4.3 クエン酸 2.3 クエン酸三ナトリウム 0.8 アスコルビン酸 0.2 スクラロース 0.03 アセスルファムカリウム 0.02 香料 0.99 ローマンカモミールオイル 0.009 イソブチルアンゲレート 0.001 水 残量 ―――――――――――――――――――――― 1000.0g 【0038】 (試験結果) 実施例1と同様に、定点温度の測定により得られた変動値より、飲用後、10分から30分の間における最大値を試料と対照とで比較し、試料飲用時の数値から対照飲用時の数値を差し引いた数値を比較値とした。 【0039】 処方例のニアウォーターについての飲用試験結果を表5に示す。 【0040】 【表5】
【0041】 表5の結果から、試料飲用時は対照と比較して有意に温度上昇がみられ、ローマンカモミールオイルとイソブチルアンゲレートを添加した飲料を経口摂取することによって、末梢部位における体温上昇効果が得られることが確認できた。 【産業上の利用可能性】 【0042】 本発明の体温上昇剤または末梢部位体温低下改善剤の有効成分として使用される化合物は、香料として使用実績がある化合物であり、刺激性などは極めて小さく、飲食品に幅広く添加することができる。また、本発明の化合物群は容易に合成ができるため、大量生産が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000201733 【氏名又は名称】曽田香料株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本町4丁目15番9号
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| 【出願日】 |
平成16年8月24日(2004.8.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−56858(P2006−56858A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−243130(P2004−243130) |
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