| 【発明の名称】 |
皮膚洗浄料に配合するポリマーの選定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 友彦 【住所又は居所】神奈川県横浜市都筑区早渕2丁目2番1号 株式会社資生堂リサーチセンター(新横浜)内
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| 【要約】 |
【課題】皮膚洗浄料に配合した場合に肌へのしっとり感を向上させることのできるポリマーを選定するにあたって、より簡便にポリマーを選定することができ、且つ信頼性の高いポリマーの選定方法を提供する。
【解決手段】任意のカチオン含有ポリマーについて、高級脂肪酸又はその塩と反応させることによって水不溶性の複合体を形成し、 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 任意のカチオン含有ポリマーについて、高級脂肪酸又はその塩と反応させることによって水不溶性の複合体を形成し、 該水不溶性複合体について、水に対する接触角を測定し、 得られた水接触角の測定値を該ポリマーの指標として、皮膚洗浄料に配合するポリマーを選定することを特徴とするポリマーの選定方法。 【請求項2】 請求項1に記載のポリマーの選定方法において、前記カチオン含有ポリマーに対して質量比で1.0〜3.5倍量の前記高級脂肪酸又はその塩を反応させることを特徴とするポリマーの選定方法。 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリマーの選定方法において、前記高級脂肪酸又はその塩としてラウリン酸カリウムを用いることを特徴とするポリマーの選定方法。 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のポリマーの選定方法において、前記水接触角測定値が80°以下であるポリマーを選定することを特徴とするポリマーの選定方法。 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のポリマーの選定方法により選定されたポリマーと、高級脂肪酸又はその塩と、を含有することを特徴とする皮膚洗浄料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、皮膚洗浄料に配合するポリマーの選定方法、特に肌のしっとり感を向上させることのできるポリマーの選定方法に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、皮膚洗浄料の分野においては、起泡性や使用感触を向上させる目的で、様々な種類のポリマーが配合されている。特に近年では、使用後の肌をしっとりさせる効果への要望が高まっていることから、しっとり感を付与することのできるポリマーの配合が望まれている。一方で、このような肌のしっとり感等の使用感触は、様々な因子が複雑に関与していることから、物理的測定に基づいた評価を行うことは非常に難しく、実使用試験による官能評価に頼らざるを得ないのが現状である。このため、皮膚洗浄料へと配合するポリマーの選定に際しては、従来、様々な種類のポリマーを配合した製剤を実際に調製して、パネル試験者による官能評価を行い、この評価結果を指標として試行錯誤的に選定が行われていた(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2003−73257号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、このような従来の選定方法では、実際に配合するポリマーを選定するにあたって、候補となる多数のポリマーについて実使用試験を複数回行う必要があり、多くの時間や労力が割かれてしまうことから、より簡便に選定する方法が強く望まれている。また、官能評価であるがゆえに、パネル試験者による個人差あるいは試験時の健康状態や環境条件による感覚の相違等により、評価がばらついてしまうことも多く、信頼性が十分でないという問題もあった。 【0004】 本発明は、このような従来技術の課題に鑑みて行われたものであり、その目的は、皮膚洗浄料に配合した場合に肌へのしっとり感を向上させることのできるポリマーを選定するにあたって、より簡便にポリマーを選定することができ、且つ信頼性の高いポリマーの選定方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、皮膚洗浄料に配合されるカチオンポリマーは高級脂肪酸塩(アニオン性界面活性剤)との間で水不溶性の複合体を形成しており、この水不溶性複合体の物性が肌へ適用した際の使用感触に大きく関与していることを見出した。そして、本発明者らは、カチオン含有ポリマーと高級脂肪酸又はその塩とを反応させて形成した水不溶性複合体について水に対する接触角を測定した結果と、当該カチオン含有ポリマーを皮膚洗浄料に配合した場合の肌のしっとり感の官能評価結果との間に高い相関性があることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0006】 すなわち、本発明の第一の主題は、 任意のカチオン含有ポリマーについて、高級脂肪酸又はその塩と反応させることによって水不溶性の複合体を形成し、 該水不溶性複合体について、水に対する接触角を測定し、 得られた水接触角測定値を該ポリマーの指標として、皮膚洗浄料に配合するポリマーを選定することを特徴とするポリマーの選定方法である。 【0007】 また、前記ポリマーの選定方法において、前記カチオン含有ポリマーに対して質量比で1.0〜3.5倍量の前記高級脂肪酸又はその塩を反応させることが好適である。 また、前記ポリマーの選定方法において、前記高級脂肪酸又はその塩としてラウリン酸カリウムを用いることが好適である。 また、前記ポリマーの選定方法において、前記水接触角測定値が80°以下であるポリマーを選定することが好適である。 【0008】 また、本発明の第二の主題は、前記ポリマーの選定方法により選定されたポリマーと、高級脂肪酸又はその塩と、を含有することを特徴とする皮膚洗浄料である。 【発明の効果】 【0009】 本発明にかかるポリマーの選定方法によれば、皮膚洗浄料に配合した場合に肌へのしっとり感を向上させることのできるポリマーを選定するにあたって、パネルによる官能試験を行わずとも簡便に選定することができ、また、水に対する接触角の測定結果を選定の指標とするため、選定における信頼性も高い。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明の好適な実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 なお、本発明にかかるポリマーの選定方法は、各種のカチオン含有ポリマーの中から、皮膚洗浄料に配合した場合に肌のしっとり感を向上させることのできるポリマーを選定するものである。 【0011】 水不溶性複合体の形成 本発明にかかるポリマーの選定方法においては、まず最初に、任意のカチオン含有ポリマーについて、高級脂肪酸またはその塩と反応させることによって水不溶性の複合体を形成する。 本発明においてカチオン含有ポリマーとは、ポリマー構造中にカチオン部位を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、構成モノマーとしてアンモニウムカチオンのようなカチオン部位を有するモノマーを含有するポリマーを、カチオン含有ポリマーとして本発明に用いることができる。なお、ポリマー構造中にカチオン部位とアニオン部位とを有するいわゆる両性ポリマーを用いても構わない。本発明に用いられるカチオン含有ポリマーとしては、例えば、構成モノマーとしてジメチルジアリルアンモニウムハライドを有するポリマー、より具体的には、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド/アクリルアミド)、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド/アクリルアミド/アクリル酸)、さらには天然多糖類のカチオン化物、具体的にはカチオン化グアガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化フェヌクリークガム、カチオン化タマリンドガム等が挙げられる。カチオン含有ポリマーの分子量は特に限定されるものではないが、通常の場合、10万〜100万程度である。 【0012】 また、本発明において高級脂肪酸とは、炭素数8〜18の脂肪酸のことを意味する。本発明に用いられる高級脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸等の単一脂肪酸のほか、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸が挙げられる。また、本発明に用いられる高級脂肪酸塩とは、例えば、前記高級脂肪酸の金属塩、アンモニウム塩あるいは有機アミン塩であり、より具体的にはリチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。また、本発明に用いる高級脂肪酸又はその塩としては、扱いやすさの点から、特にラウリン酸カリウムが好ましい。 【0013】 前記カチオン含有ポリマーは、前記高級脂肪酸又はその塩と反応させることによって、カチオン含有ポリマーのカチオン部位と高級脂肪酸又はその塩のカルボン酸アニオン部位との間でイオン結合を生じ、水不溶性の複合体が形成する(図1)。反応方法については、特に限定されるものではないが、例えば、カチオン含有ポリマーと高級脂肪酸又はその塩とを適当な容器中に入れ、水溶媒中で攪拌混合することにより、即座に水溶液中に水不溶性の複合体が析出してくる。そして、この水不溶性複合体を含む水溶液を遠心分離機にかけ、例えば、3000回転で30分〜1時間程度遠心分離することにより、水不溶性複合体の沈殿物のみを取り出すことができる。 【0014】 なお、高級脂肪酸又はその塩の量がカチオン含有ポリマーの量に対して大過剰である場合には、形成した水不溶性複合体が大過剰の高級脂肪酸又はその塩により可溶化されてしまい、水溶液中で析出を生じないことがある。この場合、多量の水を追加して高級脂肪酸又はその塩の濃度を希釈することによって水不溶性複合体を析出させることも可能ではあるが、高級脂肪酸又はその塩が大過剰とならないように予め仕込み量を調整しておくことがより好ましい。具体的には、カチオン含有ポリマーに対して質量比で1.0〜3.5倍量の高級脂肪酸又はその塩を反応させることが好適である。 【0015】 水に対する接触角の測定 つづいて、以上のようにして得られた水不溶性の複合体について、水に対する接触角を測定する。 水接触角の測定を行うためには、通常、被測定物質からなる被膜を基板上に形成する必要がある。このため、以上のようにして得られた水不溶性複合体は、基板上に塗布される。本発明に用いる基板としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス、ブタ皮、ブタなめし皮等が挙げられる。水不溶性複合体は基板上にできるだけ均一な厚さになるように塗布することが好ましい。なお、本発明においては、水不溶性複合体を水によって十分に洗浄する必要がある。これにより、過剰の高級脂肪酸又はその塩あるいは未反応のカチオン含有ポリマー等の水溶性成分を分離することができ、水不溶性の複合体のみを水接触角測定に用いることができる。水不溶性複合体の水洗は、基板上に塗布する前あるいは後であっても構わない。また、水不溶性複合体の被膜は、十分に乾燥した条件で水接触角の測定に用いる必要がある。より具体的には、例えば、以上のようにして得られた水不溶性複合体をガラス基板に塗布した後、一旦乾燥させて被膜を形成させ、次いで該被膜を水洗いし、再度十分に乾燥を行った後で、水接触角の測定に供する。ここで、被膜の乾燥は、例えば、温度25℃、湿度50%の条件下に3〜4時間程度放置することにより行なわれる。 【0016】 水接触角の測定方法については特に限定されるものではないが、当業者において公知の接触角測定装置を用いることができる。接触角測定装置としては、例えば、CA−V150(協和界面科学社製)等が挙げられる。本発明においては、例えば、前記水不溶性複合体被膜を被覆した表面上に、粒径1.5mm程度の水滴を滴下し、1000ミリ秒経過した後に、被膜表面と水滴との接触角を測定する。なお、本発明における接触角とは、被膜表面から水滴内部を通過して水滴外面の接線までの角度を意味し、通常、接触角が大きいほど被膜表面の疎水性が高く、小さいほど被膜表面の親水性が高くなる(図2)。 【0017】 ポリマーの選定 つづいて、以上のようにして、任意のカチオン含有ポリマーを用いて得られた水不溶性複合体の水接触角測定値を、当該カチオン含有ポリマーにおける肌のしっとり感付与効果の指標として、皮膚洗浄料に配合するポリマーを選定する。 なお、前記水不溶性複合体の水接触角測定値は、当該カチオン含有ポリマーを皮膚洗浄料に配合した場合の肌のしっとり感に対して高い相関性を有している。このため、本発明のポリマーの選定方法においては、例えば、2種以上の各種カチオン含有ポリマーについて、前記のようにして水不溶性複合体の水接触角を測定し、得られた水接触角測定値を各種ポリマーにおけるしっとり感付与効果の指標とすることによって、皮膚洗浄料に配合する上でより適したポリマーを選定することができる。 【0018】 以上のようにして皮膚洗浄料に配合するポリマーを選定することにより、パネルによる官能試験を行わずとも肌のしっとり感を付与することのできるポリマーを簡便に選定することができ、また、水接触角の測定結果を指標とするため、選定における信頼性も高い。 なお、本発明においては、前記水接触角測定値がより小さいポリマーを選定することが好ましく、具体的には接触角測定値が80°以下のポリマーを選定することが好ましい。水接触角が80°を超える場合には、水不溶性複合体の疎水性が高く、当該ポリマーを配合した場合にしっとり感を付与することができないばかりか、逆に肌をかさつかせてしまう場合がある。さらには、接触角測定値が40°〜60°のポリマーを選定することがより好ましい。 【0019】 なお、カチオン含有ポリマーと高級脂肪酸又はその塩とを皮膚洗浄料中に共に配合した場合には、製剤中で水不溶性の複合体が形成されるが、通常の場合、皮膚洗浄料中には高級脂肪酸塩等の界面活性剤を多量に配合する必要があるため、水不溶性複合体は界面活性剤によって製剤中に可溶化された状態で存在していると考えられる。そして、このような皮膚洗浄料を用いて、例えば、顔を洗った場合には、洗浄時には水不溶性複合体は製剤中に可溶化されているものの、洗い流す際に多量の水が加わることによって界面活性剤の濃度が著しく希釈されることとなり、この結果、可溶化することができなくなった水不溶性の複合体が析出することとなる。そして、この析出した水不溶性複合体は水で洗い流した後の顔面上に残存して被膜を形成し、この顔面上の水不溶性複合体被膜が洗い流し後の肌のしっとり感に対して大きく影響しているものと考えられる。 【0020】 一方で、カチオン含有ポリマー自身は水ですすいだ際に洗い流されてしまうため、それ単体では肌上に残存することはできない。このため、カチオン含有ポリマー単体についての水に対する接触角を測定したとしても、皮膚洗浄料に配合した際の肌のしっとり感に対して相関性のある結果を得ることはできない。 すなわち、本発明においては、任意のカチオン含有ポリマーを配合した皮膚洗浄料を実際に使用した際に、肌上に形成され得る水不溶性複合体被膜を実験的に再現し、この水不溶性複合体被膜についての水に対する接触角を測定しているため、当該カチオン含有ポリマーを皮膚洗浄料に配合した際の肌のしっとり感に対して相関性の高い結果を得ることができるものと考えられる。 【0021】 皮膚洗浄料 本発明のポリマーの選定方法により選定されたポリマーと、高級脂肪酸又はその塩とを、含有する皮膚洗浄料もまた、本発明の範疇である。なお、高級脂肪酸又はその塩としては、ポリマーの選定において用いられたものと同一の種類を配合することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。本発明にかかる皮膚洗浄料は、公知の方法によって製造すればよく、また、上記必須成分のほかに必要に応じて、一般的な皮膚洗浄料に配合される成分を配合してもよい。配合可能な成分としては、例えば、保湿剤、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、消炎剤、香料等が挙げられる。また、本発明にかかる皮膚洗浄料の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤型でも構わない。 【実施例1】 【0022】 以下、本発明の実施例を示して、本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 水不溶性複合体の水接触角測定 本発明者らは、以下に示す市販のカチオン含有ポリマー6種について、ラウリン酸カリウムとの水不溶性複合体を形成し、得られた水不溶性複合体について水に対する接触角の測定を行った。なお、試験内容は以下に示す通りである。結果を表1に示す。 カチオン含有ポリマー1:マーコート100(ナルコ社製) カチオン含有ポリマー2:マーコート2200(ナルコ社製) カチオン含有ポリマー3:カチナールCF−100(東邦化学社製) カチオン含有ポリマー4:カチナールCG−50S(東邦化学社製) カチオン含有ポリマー5:カチナールCLB−50S(東邦化学社製) カチオン含有ポリマー6:マーコート295(ナルコ社製) 【0023】 試験例1−1 カチオン含有ポリマー1の10%水溶液1.0g、及びラウリン酸カリウム0.25gをイオン交換水8.75gに溶解し、室温で攪拌混合した。析出した水不溶性の複合体を3000回転で30分間遠心分離後、下層の沈殿物を取り出し、10×10cmのガラス板上に約0.5mmの厚さで一定になるように塗布した。4時間乾燥した後、イオン交換水で十分にすすいで過剰のラウリン酸カリウム等の水溶性成分を洗い流し、再度4時間乾燥した。接触角計CA−V150(協和界面科学社製)を用いて、複合体被膜表面上に粒径1.5mm程度の水滴を滴下し、1000ミリ秒経過した後に、被膜表面と水滴の接線との接触角を測定した。 試験例1−2 カチオン含有ポリマー2の10%水溶液1.0g、及びラウリン酸カリウム0.15gをイオン交換水8.85gに溶解して用いたほかは、試験例1−1と同様にして、水不溶性複合体被膜の水接触角を測定した。 試験例1−3 カチオン含有ポリマー3の10%水溶液1.0g、及びラウリン酸カリウム0.2gをイオン交換水8.8gに溶解して用いたほかは、試験例1−1と同様にして、水不溶性複合体被膜の水接触角を測定した。 【0024】 試験例1−4 カチオン含有ポリマー4の10%水溶液1.0g、及びラウリン酸カリウム0.15gをイオン交換水8.85gに溶解して用いたほかは、試験例1−1と同様にして、水不溶性複合体被膜の水接触角を測定した。 試験例1−5 カチオン含有ポリマー5の10%水溶液1.0g、及びラウリン酸カリウム0.15gをイオン交換水8.85gに溶解して用いたほかは、試験例1−1と同様にして、水不溶性複合体被膜の水接触角を測定した。 試験例1−6 カチオン含有ポリマー6の10%水溶液1.0g、及びラウリン酸カリウム0.2gをイオン交換水8.8gに溶解して用いたほかは、試験例1−1と同様にして、水不溶性複合体被膜の水接触角を測定した。 【0025】 【表1】
【実施例2】 【0026】 肌のしっとり感の官能評価 つづいて、本発明者らは、上記試験に用いたカチオン含有ポリマー6種について、実際に皮膚洗浄料に配合して、肌のしっとり感についての官能評価を行った。試験に用いた基本組成及び評価方法は以下の通りである。評価結果を表2に示す。 【0027】 試験用基本組成 (1)カチオン含有ポリマー 1.0質量% (2)グリセリン 5.0 (3)ソルビット液(70%) 20.0 (4)ポリエチレングリコール400 5.0 (5)ラウリン酸 5.0 (6)ミリスチン酸 12.0 (7)パルミチン酸 10.0 (8)ステアリン酸 10.0 (9)ステアリン酸モノグリセリド 1.0 (10)水酸化カリウム 6.0 (11)ステアリルメチルタウリンナトリウム 1.0 (12)フェノキシエタノール 0.1 (13)精製水 残 余 (製法) 精製水に(1)(10)を除くすべてを加え75℃にて攪拌溶解した後、(10)の溶液を滴下し、さらに(1)を加えて十分攪拌した後、急冷し、クリーム状の皮膚洗浄料を得た。 【0028】 肌のしっとり感 パネリスト30名により、試験用の皮膚洗浄料を用いて実際に洗顔を行い、下記評価基準に基づいて使用後の肌のしっとり感について評価してもらった。30名の点数の平均点を算出して評価点とした。 5点:しっとり感がある。 4点:ややしっとり感がある。 3点:普通。 2点:ややしっとり感がない。 1点:しっとり感がない。 【0029】 試験例2−1 上記試験用基本組成におけるカチオン含有ポリマーとして、上記カチオン含有ポリマー1を用いて皮膚洗浄料を調製し、上記評価基準により肌のしっとり感の官能評価を行った。 試験例2−2 上記試験用基本組成におけるカチオン含有ポリマーとして、上記カチオン含有ポリマー2を用いて皮膚洗浄料を調製し、上記評価基準により肌のしっとり感の官能評価を行った。 試験例2−3 上記試験用基本組成におけるカチオン含有ポリマーとして、上記カチオン含有ポリマー3を用いて皮膚洗浄料を調製し、上記評価基準により肌のしっとり感の官能評価を行った。 【0030】 試験例2−4 上記試験用基本組成におけるカチオン含有ポリマーとして、上記カチオン含有ポリマー4を用いて皮膚洗浄料を調製し、上記評価基準により肌のしっとり感の官能評価を行った。 試験例2−5 上記試験用基本組成におけるカチオン含有ポリマーとして、上記カチオン含有ポリマー5を用いて皮膚洗浄料を調製し、上記評価基準により肌のしっとり感の官能評価を行った。 試験例2−6 上記試験用基本組成におけるカチオン含有ポリマーとして、上記カチオン含有ポリマー6を用いて皮膚洗浄料を調製し、上記評価基準により肌のしっとり感の官能評価を行った。 【0031】 【表2】
【0032】 各種カチオン含有ポリマーにおける水不溶性複合体の水接触角測定結果(表1)と、肌のしっとり感の官能評価結果(表2)についてまとめたものを図3に示す。 表1,2及び図3より、カチオン含有ポリマーを用いて形成した水不溶性複合体被膜の水接触角測定結果(表1)と、当該カチオンポリマーを配合した皮膚洗浄料における肌のしっとり感の官能評価結果(表2)との間に高い相関性があることがわかった。すなわち、上記試験に用いた各種のカチオン含有ポリマーにおいて、水接触角の測定値が小さいものほど肌のしっとり感の官能評価結果に優れているものであることが明らかとなった。 【0033】 以上の結果から、任意のカチオン含有ポリマーについて、前記のようにして水不溶性複合体の水接触角を測定し、得られた水接触角測定値を当該カチオン含有ポリマーにおけるしっとり感付与効果の指標とすることによって、皮膚洗浄料に配合する上でより適したポリマーを選定することができると考えられる。 なお、皮膚洗浄料に配合するポリマーの選定に際して、前記水接触角測定値がより小さいカチオン含有ポリマーを選定することが、肌のしっとり感を付与する上で好ましく、より具体的には、水接触角測定値が80°以下のカチオン含有ポリマーを選定することが好ましい。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】本発明における水不溶性複合体形成に関する説明図である。 【図2】本発明における水接触角測定に関する説明図である。 【図3】各種カチオン含有ポリマーにおける水不溶性複合体の水接触角測定結果(試験例1−1〜6)−肌のしっとり感官能評価結果(試験例2−1〜6)プロットである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001959 【氏名又は名称】株式会社資生堂 【住所又は居所】東京都中央区銀座7丁目5番5号
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| 【出願日】 |
平成16年8月18日(2004.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092901 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 祐司
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| 【公開番号】 |
特開2006−56802(P2006−56802A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−238279(P2004−238279) |
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