| 【発明の名称】 |
抗菌剤およびそのスクリーニング方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】内海 龍太郎
【氏名】北山 隆
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| 【要約】 |
【課題】細菌の二成分情報伝達系の機構に着目した遺伝子転写制御系を用いるスクリーニング方法を簡便化し、従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌に対する抗菌剤として有用な、イミダゾール化合物を提供する。
【解決手段】iclRプロモーターと、IclRリプレッサーとを有する遺伝子転写制御系であって、該リプレッサーのホモダイマー形成ドメインをヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインで置換し、該プロモーターの下流側にGFPをコードする塩基配列を連結させた塩基配列を有するベクターで形質転換した大腸菌に、試料を添加し、培養後、蛍光強度を測定する細菌の二成分情報伝達系におけるヒスチジンキナーゼの二量体化を阻害する化合物の簡便スクリーニング方法および該方法で得られた抗菌剤である1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾール。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 細菌の二成分情報伝達系におけるヒスチジンキナーゼの二量体化を阻害する化合物である抗菌剤。 【請求項2】 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)またはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する抗菌剤である請求項1記載の抗菌剤。 【請求項3】 1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールである請求項1記載の抗菌剤。 【請求項4】 請求項1記載の抗菌剤を有効成分とする抗菌用医薬組成物。 【請求項5】 大腸菌(E. coli)のiclRプロモーターと、IclRリプレッサーとを有する遺伝子転写制御系であって、該リプレッサーのホモダイマー形成ドメインをヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインで置換し、該プロモーターの下流側にGFP(Green Fluorescent Protein)をコードする塩基配列を連結させた塩基配列を有するベクターで形質転換した大腸菌に、目的化合物の試料を添加し、培養後、蛍光強度を測定することを特徴とする細菌の二成分情報伝達系におけるヒスチジンキナーゼの二量体化を阻害する化合物の簡便スクリーニング方法。 【請求項6】 化合物が抗菌剤である請求項5記載の方法。 【請求項7】 MRSAまたはVREに対する抗菌剤である請求項6記載の方法。 【請求項8】 大腸菌(E. coli)のiclRプロモーターと、IclRリプレッサーとを有する遺伝子転写制御系であって、該リプレッサーのホモダイマー形成ドメインをヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインで置換し、該プロモーターの下流側にGFP(Green Fluorescent Protein)をコードする塩基配列を連結させた塩基配列を有するベクター。 【請求項9】 ヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインが黄色ブドウ球菌のYycG−細胞質ドメインである請求項8記載のベクター。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌に対して有効な抗菌剤およびそのスクリーニング方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)等の、従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌が出現しており、これらの細菌に対して有効な抗菌剤が切望されている。 一方、MRSAやVRE等も含め、細菌の二成分情報伝達系は薬剤耐性や病因における重要な役割を演じている(非特許文献1および2参照)。細菌の二成分情報伝達系は、細胞膜表面にあるセンサータンパク質(YycG)と、細胞内にあるレギュレータータンパク質(YycF)から構成されている。センサータンパク質は外部から刺激を受けると、そのHis部位にリン酸基を付加して自己リン酸化し、ヒスチジンキナーゼ(HK)活性を生じ、このリン酸基をレギュレータータンパク質に転移させ、これによりレギュレータータンパク質は標的遺伝子に結合して遺伝子発現の制御を行う。この二成分情報伝達系においては、センサータンパク質であるヒスチジンキナーゼ(以下、HKと略記する)の二量体化が必須の過程であることが知られている(例えば、非特許文献3参照)。 【非特許文献1】Matsushita, M. & Janda, D.K., Bioorg. Med. Chem., 10, 855-867 (2002) 【非特許文献2】Barrett, J.F. & Hoch, J.A., Antimicrob. Agents Chemother., 42, 1529-1536 (1998) 【非特許文献3】Surette, M.G. et al, J. Biol. Chem., 271, 939-945 (1996) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 特願2003−43231号には、細菌の二成分情報伝達系の機構に着目した遺伝子転写制御系を用いるスクリーニング方法が開示され、スクリーニングの指標として幾つか挙げられており、該指標にはHKやレギュレータータンパク質(R)の二量体化の阻害が含まれている。この二量体化の阻害は、MRSAやVRE等の従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌に対して有効な抗菌剤の新たな作用点となることが考えられる。したがって、上記スクリーニング方法は、従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌に対して有効な抗菌剤を見出すためのスクリーニング方法として有用である。 しかし、スクリーニングされた多数の候補化合物の個々ついて、さらなる培養によって抗菌性の判断を要する場合も多々あり、スクリーニングが必ずしも簡便に行われるものではない。 本発明は、特願2003−43231号に開示されるスクリーニング方法を簡便化することを目的とする。さらに、本発明は、簡便化された本発明のスクリーニング方法で得られた、従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌に対する抗菌剤として有用な、イミダゾール化合物を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 特願2003−43231号には、プロモーターと、二量体を形成して該プロモーターに結合するリプレッサーとからなる遺伝子転写系を有する大腸菌(E. coli)を、リプレッサーのDNA結合領域にセンサータンパク質細胞質内領域を結合させた融合タンパク質をコードする塩基配列を含むベクターにより形質転換した大腸菌変異株を用い、転写制御される遺伝子をマーカーとして抗菌剤をスクリーニングする方法が開示されている。抗菌剤候補化合物をこの方法に適用し、転写制御される遺伝子が発現すれば、候補化合物によって上記リプレッサーの二量体化が阻害されたことになり、抗菌剤として有用な化合物がスクリーニングできる。 本発明者らは、このスクリーニング方法についてさらに研究を重ねる間に、遺伝子転写系におけるプロモーターおよびリプレッサーとして大腸菌のaceBAKオペロンのリプレッサーとして知られるIclRを利用し、かつ、転写制御される遺伝子として、GFP(Green Fluorescent Protein)を選択することにより、目的の抗菌剤が蛍光強度によって簡便に判定できることを見出し、本発明を完成するにいたった。 すなわち、本発明は、 【0005】 (1)細菌の二成分情報伝達系におけるヒスチジンキナーゼの二量体化を阻害する化合物である抗菌剤。 (2)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)またはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する抗菌剤である上記(1)記載の抗菌剤、 (3)1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールである上記(1)記載の抗菌剤、 (4)上記(1)記載の抗菌剤を有効成分とする抗菌用医薬組成物、 (5) 大腸菌のiclRプロモーターと、IclRリプレッサーとを有する遺伝子転写制御系であって、該リプレッサーのホモダイマー形成ドメインをヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインで置換し、該プロモーターの下流側にGFP(Green Fluorescent Protein)をコードする塩基配列を連結させた塩基配列を有するベクターで形質転換した大腸菌に、目的化合物の試料を添加し、培養後、蛍光強度を測定することを特徴とする細菌の二成分情報伝達系におけるヒスチジンキナーゼの二量体化を阻害する化合物の簡便スクリーニング方法、 (6)化合物が抗菌剤である上記(5)記載の方法、 (7)MRSAまたはVREに対する抗菌剤である上記(6)記載の方法、 (8)大腸菌のiclRプロモーターと、IclRリプレッサーとを有する遺伝子転写制御系であって、該リプレッサーのホモダイマー形成ドメインをヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインで置換し、該プロモーターの下流側にGFPをコードする塩基配列を連結させた塩基配列を有するベクター、 (9)ヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメインが黄色ブドウ球菌のYycG−細胞質ドメインである上記(8)記載のベクター等を提供するものである。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、耐性菌の出現極めて低い、細菌の情報伝達阻害剤である新規な抗菌剤を簡便なスクリーニング方法で見出すことができる。該抗菌剤は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のYycG(HK)の二量体結合ドメインに作用し、YycGの二量体化を阻害する。そのため、YycGのHK活性が阻害され、YycFへのリン酸基移転が阻害され、YycFが標的とする増殖に必要な遺伝子発現が阻害され、黄色ブドウ球菌は致死する。このような作用を有する抗菌剤はこれまで知られていない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明のスクリーニング方法は、大腸菌のIclRリプレッサーの活性に基づいている。図1に示すように、ホモ二量体を形成して、レポーター遺伝子としてのGFPをコードする塩基配列(EGFP)を有するiclRプロモーターと結合して、リプレッサーとして作用し、EGFPの転写が抑制される。抗菌剤の候補化合物によってホモ二量体の形成が阻害されると、プロモーターとの結合が調節されて、EGFPの転写抑制が解除され、EGFPが発現して蛍光を生じる。この蛍光強度により候補化合物をスクリーニングする。 本発明のスクリーニング方法の有効性を確認するため、以下の検討を行った。 【0008】 IclRはDNA結合性のN末端ドメインと、ホモ二量体形成能(二量体化能)を有するC末端ドメイン(HD)からなり、2つのドメインはαへリックス領域で連結していることが知られている(J. Biol. Chem., 277, 19183-19190)。IclRのホモ二量体化を調節する領域の位置を決定するために、本発明者らは、図2に示すごとく、全長IclRおよびそのアミノ酸鎖長を種々に変えた配列を有するpFI0001、pFI002、pFI003およびpFI004の4種のプラスミドを構築した。 図3に示すごとく、iclRの全長(274アミノ酸)をクローンしたプラスミドpFI001を含む大腸菌JM109株中では、EGFPの発現が抑制された(図3、レーン1)。プラスミドpFI004およびpFI003を含む大腸菌の蛍光強度(各々、レーン2および3)はプラスミドpFI001を含むものの約5倍、プラスミドpFI002を含む大腸菌の蛍光強度(レーン4)はプラスミドpFI001を含むものの約2倍であった。このことは、IclRのリプレッサー活性を調節する領域がIclRのN末端アミノ酸から117アミノ酸残基と100アミノ酸残基の間に存在していることを示している。 【0009】 IclRのC末端ドメインの役割を確認するため、プラスミドpFI003におけるIclRのN末端100アミノ酸部位にロイシンジッパー(例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 5752-5756 (1998))が融合したキメラリプレッサー(プラスミドpFI006)を構築し、大腸菌JM109株中でEGFPを発現させた。このキメラリプレッサー(N100−zip)はEGFPの発現を抑制するが(図3、レーン6)、該N末端100アミノ酸部位にλcIリプレッサー(Nat. Biotechnol., 18, 847-851 (2000))のDNA結合ドメイン(NcI:2−132残基)を融合させたpFI007を含む大腸菌JM109株では抑制が観察されなかった(図3、レーン5)。さらに、化学的架橋およびゲルシフト実験から、N100−zipは二量体を形成し、iclRボックスを含むプロモーター領域と結合し、EGFPの発現を抑制すると結論された。 さらに、ホモ二量体化ドメインを含む大腸菌のFadR(J. Biol. Chem., 272, 30645-30650 (1997))のC末端ドメイン(CFad:83−239残基)のホモ二量体化能を調べた。その結果、得られたキメラリプレッサーはN100−zipと同様に抑制機能を有していた(図3、レーン7)。これらの結果から、IclRのC末端ドメインがある種のホモ二量体化ドメインで置換でき、図1に示すような活性リプレッサーとして機能することが示された。 【0010】 一方、黄色ブドウ球菌のYycGとしてのHKと同じファミリーに属するHKの細胞質型または切形(truncated)型が二量体化することが知られている。そこで、黄色ブドウ球菌からのYycGのホモ二量体化ドメインの機能を解明するために上記の系を使用した。 N100を黄色ブドウ球菌のYycG−細胞質ドメイン(CYycG)(Mol. Microbiol., 35, 566-576 (2000))に融合させてプラスミドpFI028を構築した。pFI028を含む大腸菌JM109株中で、蛍光強度はN−100の5倍も減少した(図3、レーン3および8)。この結果から、YycGの細胞質領域もホモ二量体化に関与し、EGFP遺伝子の発現を抑制することが示された。 かくして、上記の系がYycG抑制剤のハイスループットスクリーニング用の系として使用できることが確認された。 【0011】 本発明のスクリーニング方法で使用されるベクターとしては、大腸菌由来のプラスミドが挙げられ、自体公知の方法に従って、大腸菌のiclRプロモーターと、IclRリプレッサーとからなる遺伝子転写制御系の、該リプレッサーのホモ二量体形成ドメインをヒスチジンキナーゼのホモ二量体形成ドメイン、特に、黄色ブドウ球菌のCYycGで置換し、該プロモーターの下流側にGFPをコードする塩基配列を結合させた塩基配列を有するプラスミドを構築する。 また、宿主たる大腸菌は特に限定するものではなく、上記ベクターでの大腸菌の形質転換も常法により行うことができる。 【0012】 本発明のスクリーニング方法を実施するには、例えば、マイクロタイタープレートのウエルに形質転換した大腸菌と適宜の培地、例えば、LB(Luria-Bertani)ブロス、またはこれにアンピシリンを補足した培地を入れ、これに候補化合物の適宜な希釈液を加え、大腸菌の増殖に適した培養条件下で培養後、各ウエルの蛍光強度を測定することにより、さらなる抗菌性の検査なしに簡便に候補化合物を選択できる。 例えば、種々のイミダゾール化合物の試料溶液を、プラスミドpFI028で形質転換した大腸菌JM109株およびプラスミドpFI001で形質転換した大腸菌JM109株とLBブロスを入れた96−ウエルのマイルトタイタープレートのウエルに加え、一夜37℃で培養し、ついで各ウエルの蛍光強度を測定した。その結果、図4 に示すごとく、式: 【化1】
で示される1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールの存在下で、プラスミドpFI028を含む大腸菌JM109株における蛍光強度は不存在下の2倍に増加し、一方、プラスミドpFI001を含む大腸菌JM109株における蛍光強度は当該化合物の存在、不存在にかかわらず、蛍光強度は増加しなかった。この結果は、1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールは、黄色ブドウ球菌のCYycGを特異的に阻害し、EGFPを発現させることを示している。事実、実施例に示すごとく、該化合物は、CYycGの自己リン酸化を76.5μMのIc50で阻害し、MRSAおよびVREの増殖を25および50μg/mlのMICで阻害した。 したがって、1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールは、黄色ブドウ球菌のYycGの自己リン酸化を抑制し、抗菌剤として、特にMRSAおよびVREに対する抗菌剤として有用なこと明らかとなった。また、プラスミドpFI028を含む系がこのような抗菌剤のスクリーニングに有用な系であることが明らかとなった。 1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールは公知であり、また、参考例に示す方法で合成できる。 【0013】 本発明のスクリーニング方法により選択された化合物は、MRSAまたはVREに対する抗菌剤として有用であり、自体公知の方法により、他の抗菌剤と同様にして抗菌用医薬組成物とすることができる。 以下、実施例および参考例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。実施例中、大腸菌JM109株およびBL21(DE3)株はLBブロス中で培養し、必要に応じて100μg/mlのアンピシリンを補足した。 【実施例1】 【0014】 プラスミドの構築 図5に示すプラスミドpGMIiclRをつぎのようにして構築した。 クローニングに適した、各々、BglIIおよびEcoT22I部位を有する配列番号1および2で示されるプライマーを用いてPCRにより、99bpのiclRプロモーター(AE000475、4226880−4226978)を増幅した。PCR生成物を制限酵素で消化し、pGMI301(Mol. Microbiol., 43, 269-279 (2002))のEcoT22IおよびBglII部位に連結した。BglII−BamHIフラグメント(1260bp)をpTrc99AのBglII−BamHI部位にクローンしてプラスミドpF001を得た。配列番号3および4で示されるプライマーおよびW3110からのゲノムDNAを用いるPCRにより、iclR(825bp、AE000475、4226882−4226058)を増幅した。増幅したDNAをEcoRIおよびKpnIで消化し、プラスミドpF001の対応する部位に連結してプラスミドpFI001を得た。 N末端から117、100および66アミノ酸残基を含む切形IclRを構築するため(図2)、Quick Change部位特異的キット(Stratagene)および以下のプライマーを用いて、KpnI部位を、プラスミドpFI001のiclRの対応する部位に導入した。 プライマーpIF004:配列番号5および6 プライマーpIF003:配列番号7および8 プライマーpIF002:配列番号9および10 これらをKpnIで消化し、それら同志を連結してプラスミドpFI004、pFI003およびpFI002を構築した(図6)。 【0015】 以下のプライマーおよびテンプレートを用いるPCRにより、λcIのDNA結合ドメイン(N末端から2−132アミノ酸残基)を含むフラグメント、ロイシンジッパー(33アミノ酸残基)を含むフラグメント、大腸菌のfadRの二量体化ドメイン(N末端から83−239アミノ酸残基)を含むフラグメントおよび黄色ブドウ球菌のYycGドメインの細胞質ドメインを調製した。 λcIのDNA結合ドメイン:配列番号11および12ならびにpKWY2428 ロイシンジッパー:配列番号13および14ならびにpT18−zip fadRの二量体化ドメイン:配列番号15および16ならびにW3110からのゲノムDNA YycGの細胞質ドメイン:配列番号17および18ならびにpYycGSa λcIのDNA結合ドメイン、ロイシンジッパー、fadRの二量体化ドメインおよびYycGの細胞質ドメインをKpnIで消化した後、pFI003のKpnI部位に融合させて、各々、プラスミドpFI006、pFI007、pFI009およびpFI028を構築した。IclRのC末端が欠失したキメラIclRリプレッサーを調製するため、以下のプライマーおよびテンプレートを用いるPCRによりN100またはN100−zip領域を増幅した。 N100:配列番号19および20ならびにpFI003 N100−zip:配列番号21および22ならびにpFI006 N100およびN100−zipフラクションをNdeIおよびXhoIで消化した後、これらをpET21(a)+(Novagen)の対応する部位に連結して、各々、プラスミドpETN100およびpET100−zipを得た。 【実施例2】 【0016】 蛍光強度 プラスミドpFI001、pFI002、pFI003、pFI004、pFI006、pFI007、pFI009またはpFI028を含む大腸菌JM109株を、アンピシリン100μg/ml補足LB(LP−amp)ブロス中、37℃で培養した。供試化合物の存在下または不存在下、LB−ampブロスを入れたマイクロタイタープレートのウエルに上記の培養液を1μlづつ添加し、37℃で20時間培養した。培養後、各々、Wallac 1420 ARVOsx (PerkinElmer Life Science)およびModel 3550 Microplate Reader (Biolad)で、励起波長485nm、蛍光波長535nmおよび光学密度(OD)600nmにて蛍光を測定した。蛍光を測定した。各試料の蛍光強度をOD600値で除して正規化した。 【実施例3】 【0017】 CYycGの自己リン酸化 CYycG5pmolを1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールと混合し、2.5μMのATPを含有する反応緩衝液A〔50mMトリス−HCl(pH7.5)、50mM KCl、50mM MgCl2〕10μl中、室温で5分間[γ−32P]ATPで自己リン酸化した。ついで、反応を停止させ、2x試料緩衝液〔120mMトリス−HCl(pH6.8)、20%グリセロール、4%SDS、10%β−メルカプトエタノール、0.1%BPB〕を加えた。 1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールはCYycGの自己リン酸化を76.5μMのIc50で阻害した。 【実施例4】 【0018】 抗菌性の評価 液体希釈法により、生育最小阻止濃度(MIC)を測定して抗菌性を評価した。MRSAおよびVREをLBブロス中で、一昼夜培養した。一方、1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールの順次2倍希釈系列を調製し、それらに各細菌を106細菌/mlとなるように植菌し、37℃で一昼夜培養後、完全に増殖の阻止される最小濃度をMICとした。1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールはMRSAおよびVREの増殖を、各々、25および50μg/mlのMICで阻害した。 【参考例1】 【0019】 1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールの合成 クロロホルム10mL中、2−イソプロピルイミダゾール1.44g(13.1mmol)を70℃で攪拌し、ついで、この溶液にドデシルブロマイド1.17g(4.69mmol)を滴下し、同温度で1日攪拌した。減圧下で溶液を蒸発させてクロロホルムを除去し、残渣を、メタノール−クロロホルム(1:15v/v)を用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーに付し、1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾール1.30gを得た(収率97.6%)。 【産業上の利用可能性】 【0020】 本発明によれば、より簡便な方法で、従来の抗生物質に対して耐性を示す細菌に対して有効な抗菌剤がスクリーニングできる。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】MRSAに対する抗菌剤をスクリーニングするためのホモ二量体化(HD)系の機序を説明する図面。 【図2】IclR誘導体およびリプレッサーの構成を説明する図面。 【図3】IclRおよびキメラリプレッサーの蛍光強度を比較したグラフ。 【図4】1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾールの抑制解除効果を示すグラフ。 【図5】実施例におけるプラスミドpF001の構築過程を示す図面。 【図6】実施例におけるプラスミドpF001からの各種プラスミドの構築過程を示す図面。 【配列表フリ−テキスト】 【0022】 配列番号1:iclRプロモーターを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号2:iclRプロモーターを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号3:iclRを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号4:iclRを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号5:プライマーpFI004構築のために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号6:プライマーpFI004構築のために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号7:プライマーpFI003構築のために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号8:プライマーpFI003構築のために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号9:プライマーpFI002構築のために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号10:プライマーpFI002構築のために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号11:λcIのDNA結合ドメインを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号12:λcIのDNA結合ドメインを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号13:ロイシンジッパーを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号14:ロイシンジッパーを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号15:fadRの二量体化ドメインを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号16:fadRの二量体化ドメインを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号17:YycGの細胞質ドメインを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号18:YycGの細胞質ドメインを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号19:N100を得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号20:N100を得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号21:N100−zipを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。 配列番号21:N100−zipを得るために設計したオリゴヌクレオチドプライマー。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000125347 【氏名又は名称】学校法人近畿大学
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| 【出願日】 |
平成16年8月17日(2004.8.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081422 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 光雄
【識別番号】100106518 【弁理士】 【氏名又は名称】松谷 道子
【識別番号】100116311 【弁理士】 【氏名又は名称】元山 忠行
【識別番号】100122301 【弁理士】 【氏名又は名称】冨田 憲史
【識別番号】100127638 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 美苗
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| 【公開番号】 |
特開2006−56787(P2006−56787A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−237458(P2004−237458) |
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