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【発明の名称】 有益薬剤の配送装置およびその方法
【発明者】 【氏名】アショク ヴィー ジョシ

【氏名】トゥルーマン ウォルド

【要約】 【課題】改良した、有益薬剤配送方法および装置を提供することが、本発明の課題である。

【解決手段】周囲領域に有益薬剤を分配するための装置10が、第1電気活性電極12、有益薬剤14、第2電気活性電極16、および電気的接続部材18から構成される。第1電気活性電極12が外側表面を有し、その表面の一部が周囲領域に露出される。有益薬剤14を第1電気活性電極内12に分散する。第2電気活性電極16を前記第1電気活性電極12に接続する。前記電気的接続部材18が第1電気活性電極12および記第2電気活性電極16を電気的に接続し、周囲領域に露出した際、第1電気活性電極12の露出可能表面の腐蝕を、順に、有益薬剤14の放出を容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲領域へ有益薬剤を配送するための方法であって:
−有益薬剤を供給する工程;
−前記有益薬剤を第1電気活性電極内に分散する工程;
−前記第1電気活性電極の外側表面の一部を露出する工程;
−前記第1電気活性電極を第2電気活性電極に電気的に接続する工程;
−前記第1電気活性電極の前記露出部分の少なくとも一部を腐蝕する工程;および
−腐蝕すると、前記第1電気活性電極内に分配された前記有益薬剤を放出する工程;
を含んで構成される方法。
【請求項2】
−有益薬剤を供給する工程が、少なくとも2種の有益薬剤を供給する工程から構成され;
−前記有益薬剤を分散する工程が少なくとも2種の有益薬剤を分散する工程から構成され;かつ
−前記有益薬剤を放出する工程が前記少なくとも2種の有益薬剤のうち1種を、およびその後前記少なくとも2種の有益薬剤のうち他方の有益薬剤を連続して放出する工程から構成される;
請求項1記載の方法。
【請求項3】
−有益薬剤を供給する工程が少なくとも2種の有益薬剤を供給する工程から構成され;
−前記有益薬剤を分散する工程が少なくとも2種の有益薬剤を分散する工程から構成され;かつ
−前記有益薬剤を分散する工程が前記少なくとも2種の有益薬剤のうち1種を、および前記少なくとも2種の有益薬剤のうち他方の有益薬剤を、択一的に放出する工程から構成される;
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1電気活性電極が腐蝕する速度を制御する工程をさらに有する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記有益薬剤を分散する工程が第1電気活性電極材料を有益薬剤と共にモールドして複合体を形成する工程から構成される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記有益薬剤を分散する工程が:
−少なくとも2つの離間した第1電気活性電極層を供給する工程、かつ
−前記有益薬剤を前記少なくとも2つの離間した第1電気活性電極層間に配置する工程;
から構成される請求項1記載の方法。
【請求項7】
有益薬剤を分散する工程が:
−少なくとも1つのボイドを内部に有する第1電気活性電極を供給する工程;かつ
−前記有益薬剤を前記第1電気活性電極の前記ボイド内に配置する工程;
から構成される請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1電気活性電極が少なくとも2種の異なる材料から構成され、前記露出工程が前記少なくとも2種の異なる材料の各々を露出する工程から構成される請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、有益薬剤配送装置に関し、特に有益薬剤を周囲領域に配送する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有益薬剤を周囲環境に配送する装置は当業界において周知である。装置は存在するが、より正確に、より容易に、そしてより効率的に、有益薬剤を周囲領域に配送するのに役立つ、改良された配送装置に対する絶え間ない要求がある。
ある特定の型の有益薬剤配送装置には、2種類の異なる材料間の直流電気効果が得られるという利点がある。例えば、図14および15に200の符合で示す先行技術装置である。このような先行技術装置には、カソード201が、ロッドに連結するリング状素子204のスタックを有するアノードロッド202と対を成す。図15に示すように、リング状部材は、有益薬剤208を保持可能な内部受容器306を有する。リングは、該リングがアノードロッド周囲で互いのリング上に積まれて置かれた場合、リングとシールが各内部受容器とアノードの各部分をその周囲から封止するのに役立つようにシール210を有する。使用したアノードおよびカソード材料の為に、該材料が周囲条件または他の所定の条件(すなわち、液体または気体が電解液を形成する、液体または気体環境)に曝された場合アノードが腐蝕する。リング部材を超えてアノードが腐蝕するので(図15参照)、リング部材はロッドによってもはや保持されず、リング部材はリングのスタックから放たれ、これにより、次のリングおよび有益薬剤を保持する受容器が曝される。この時、有益薬剤が放出される。この工程が、アノードが周囲条件にもはや曝されなくなるまで、あるいは、アノードが完全に腐蝕して全リングを放すまで、継続する。
【0003】
このような装置によると、有益薬剤の配送は容易であるが、この装置には幾つかの欠点がある。例えば、この装置は単一のアノードを使用する。単一アノードの為に、有益薬剤を曝す速度あるいは有益薬剤を放出する速度を変えたり制御したりすることが非常に困難である。
したがって、本発明の目的は、改良した、有益薬剤配送方法および装置を提供することである。
【0004】
(発明の概要)
本発明は、一の観点において、周囲領域に有益薬剤を配送する装置からなる。この装置は、第1電気活性電極、有益薬剤、第2電気活性電極、および電気的接続手段を有する。第1電気活性電極は外表面を有する。少なくともこの外表面の一部は周囲領域に露出可能である。有益薬剤は第1電気活性電極内に分散される。第2電気活性電極は第1電気活性電極に接続される。電気的接続手段は第1電気活性電極および第2電気活性電極を電気的に接続し、第1電気活性電極が周囲領域に曝された場合(すなわち、電極周囲の気体または液体が電解液を形成する)第1電気活性電極の露出可能表面を容易に腐蝕する。第1電気活性電極が腐蝕するので、有益薬剤が配送される。
【0005】
好ましい一態様では、第1電気活性電極および有益薬剤は、有益薬剤が第1電気活性電極により形成されたマトリックス内にカプセル化された、複合体を形成する。別の態様では、第1電気活性電極、第2電気活性電極および有益薬剤は、有益薬剤が第1電気活性電極および第2電気活性電極により形成されたマトリックス内にカプセル化された、複合体を形成する。
好ましい別の態様では、第1電気活性電極は、層間に空間を規定する少なくとも2つの離間した第1電気活性電極層を有する。このような態様では、有益薬剤は、該空間内に配置される。電気的接続手段は、第1電気活性電極層同士をさらに電気的に接続し、順に第2電気活性電極を電気的に接続する。
【0006】
このような態様では、第1電気活性電極は多数の層および多数の層間空間を有する。種々の有益薬剤を多数の空間内に配置できる。必要性はないが、各第1電気活性電極層は厚さが略同じであってもよい。
本発明の別の態様では、第1電気活性電極は1つまたはそれ以上のボイドを有し、有益薬剤はこのボイド内に配送される。このボイドは形が略均一で、第1電気活性電極内に均一に分散されてもよい。
本発明の好ましい態様では、本装置は、第1電気活性電極の露出表面の腐蝕速度を制御する手段をさらに有する。一態様では、この腐蝕速度制御手段は、レジスタを含む。別のこのような態様では、腐蝕速度制御手段は、いずれか1つまたはそれ以上の以下の装置を含くむ:電源、パワーセル、バッテリ、電流制限装置、電子回路、ダイオード、キャパシタ、レジスタ、ICおよびトランジスタ。
【0007】
好ましい態様では、第1電気活性電極は頂部表面、底部表面、および円筒表面を有する。このような態様では、頂部表面の一部は露出領域を構成する。
ある好ましい態様では、有益薬剤は1種またはそれ以上の以下の薬剤を含むことができる:鎮痛剤、抗寄生虫剤、成長ホルモン、糖尿病薬、麻酔薬、および抗鼓腸症薬。
別の好ましい態様では、第1電気活性電極の露出可能領域は少なくとも2種の異なる第1電気活性電極材料から構成される。
【0008】
本発明は、有益薬剤を周囲領域に配送する方法をさらに含む。この方法は、有益薬剤を供給する工程、有益薬剤を第1電気活性電極内に分散する工程、第1電気活性電極の外表面の一部を露出する工程、第1電気活性電極を第2電気活性電極に電気的に接続する工程、第1電気活性電極の露出部分の少なくとも一部を腐蝕する工程、その腐蝕の際に第1電気活性電極内に分配された有益薬剤を放出する工程を含んで構成される。
本方法の好ましい態様では、有益薬剤を供給する工程が、少なくとも2種の有益薬剤を供給する工程を含んで構成されてもよい。また、有益薬剤を分散する工程が、少なくとも2種の有益薬剤を分散する工程を含んで構成されてもよい。さらに、有益薬剤を放出する工程が、少なくとも2種の有益薬剤のうち1種の放出に続いて少なくとも2種の有益薬剤のうち他の1種を放出する工程を含んで構成されてもよい。
【0009】
本方法の別の好ましい態様では、有益薬剤を供給する工程が、少なくとも2種の有益薬剤を供給する工程を含んで構成されてもよい。また、有益薬剤を分散する工程が、少なくとも2種の有益薬剤を分散する工程を含んで構成されてもよい。さらに、有益薬剤を分散する工程が、少なくとも2種の有益薬剤のうち1種および少なくとも2種の有益薬剤のうち他の1種を選択的に放出する工程を含んで構成されてもよい。
別の好ましい態様では、本方法は第1電気活性電極の腐蝕速度を制御する工程をさらに含んで構成されてもよい。
別の好ましい態様では、有益薬剤を分散する工程が第1電気活性電極材料(および任意に第2電気活性電極)を有益薬剤とモールドして複合体を形成する工程を含んで構成されてもよい。
【0010】
さらに別の好ましい態様では、有益薬剤の分散工程が、少なくとも2つの離間した第1電気活性電極層を供給する工程および少なくとも2つの離間した第1電気活性電極層間に有益薬剤を入れる工程を含む。
好ましくは、有益薬剤分散工程は、少なくとも1つのボイドを有する第1電気活性電極に供給する工程および第1電気活性電極のボイド内に薬剤を入れる工程を含む。
さらに、この方法の別の態様は、第1電気活性電極が少なくとも2つの異なる材料からなり、露出工程が少なくとも2つの異なる材料の各々を露出する工程を含む。
【0011】
同様に、本発明は周囲環境に有益薬剤を配送するための別の装置を包含する。この装置は、少なくとも2つのモジュールを含み、この少なくとも2つのモジュールは直列に配置されて、各モジュールの第1電気活性電極は各々互いに電気的に接続される。各モジュールは第1電気活性電極、第2電気活性電極、および少なくとも1種の有益薬剤を放出可能に保持する手段を有する。第1電気活性電極は外表面を有し、その外表面のうち少なくとも一部は周囲環境に露出可能である。第2電気活性電極は第1電気活性電極に電気的に接続される。前記放出可能保持手段は、第1電気活性電極の露出表面の腐食または物質移動が起こった場合少なくとも1種の有益薬剤を放出可能に保持可能である。
好ましい態様は、少なくとも2つのモジュールのうち少なくとも1種を放出可能に保持する部材は、アノードに取り外し可能に連結された受容器をさらに有する。受容器は有益薬剤を保持するキャビティを規定する。このような態様では、放出可能な保持手段はキャビティ封止手段をさらに有し、これにより、キャビティは実質的に流体密になる。
本発明の別の態様は、前記少なくとも2つのモジュールのうち少なくとも1つの放出可能保持部材は少なくとも2つの受容器をさらに有する。各受容器はh有益薬剤保持用のキャビティを有する。
【0012】
図面、特に図1および図2を参照する。図示の装置10の第1の態様は第1電気活性電極12(アノードと記載する)、有益薬剤14、第2電気活性電極16(カソードと記載する)、アノードおよびカソードを電気的に接続する手段18、およびアノードの腐食速度を制御する手段20(図2)から構成される。装置10は種々の環境においておよび種々の利用分野において利用可能である。例えば、装置10は動物により摂取され動物の胃腸系に有益薬剤を配送できる。別の例では、装置10は周囲に露出され、有益薬剤を雰囲気中に配送する。無論、系はいずれか1つの特別な利用分野に限定されず、前記の利用分野は単に説明のために過ぎない。
【0013】
図2に詳細に示すように、アノード/第1電気活性電極12は、露出表面22、非露出表面24、円筒形表面25および底表面27を有する実質的に円筒形部材から構成される。理解通りに、露出表面22は周囲条件に露出される(すなわち、動物の胃腸環境、装置を沈める流体、空気中)。これとは逆に、非露出表面24は周囲環境に露出されない。他の均一、不均一、対照および非対照な形状、断面積および形状は、同様に考えられ、本発明は均一な円筒形状に限定されない。
図1および図2に示す態様等の態様では、封止26およびキャップ28により非露出表面24(すなわち、円筒形表面25および底表面27)は周囲条件に露出されない。説明通り、封止26およびキャップ28はアノード材料およびカソード材料とも反応しない。ある態様では、図11の保持手段120等の保持手段を使用できる。さらに、使用前に、露出表面22はカバー(図示せず)を有してもよく、これにより、このような露出が望まれる以前に露出表面が不注意に露出されることを避ける。
【0014】
有益薬剤14は図1および図2の態様において示され、アノード内に分散される流体、ゲル、粉末、または固体からなる。製造に関して説明したように、有益薬剤がアノードのマトリックス内でカプセル化されるように、アノード材料および有益薬剤は混合され、キャストできる。有益薬剤は鎮痛剤、抗寄生虫剤、成長ホルモン、糖尿病薬、麻酔薬、および抗鼓腸症薬等の薬剤であり、1種に限られず、固体、粉末、ゲル、または液体の形態からなり得る。無論、使用される材料のタイプは、使用される環境のタイプに依存し、本発明は有益薬剤のいずれのタイプにも限定されない。
カソード/第2電気活性電極16を図1および2の態様において示し、これはアノード材料および封止26を取り囲む円筒形リングから構成される。少なくともカソード16の一部が周囲条件(すなわち、アノード12の露出表面22が露出される条件)に露出される。例示の態様では、封止26は、周囲条件にアノードの非露出表面24を露出させないことに加えて、同様にカソードをアノードから孤立させ、絶縁するのに役立つ。無論、種々の他の態様において、カソードは種々の異なる形態(すなわち、非均一な形)を取ることができ、アノードの形に関連しない。
【0015】
アノードおよびカソードは種々の材料対から選択可能であり、アノードおよびカソード間の電気的接続(すなわち、導電的接続)により、アノードの腐食、アノードおよびカソード間の物質移動が生じる。本発明において、腐食とは腐食と物質移動の両方を含む。このような腐食は、アノードがカソードより大きい直流電流値を有する場合に生じる。このような普通のカソードおよび/またはアノード材料は、非制限的にAl、Cu、Mg、Fe、Zn、Ag、Ca、およびこれらの混合物や合金等である。ある用途では、カソードは導電性プラスチック材料から構成される。
電気的接続手段18は、図2に示すように、電気的結線32を含む。電気的結線32は、アノード12およびカソード16を電気的接続状態にする。電気的結線32は導電性金属製の適当な導電ワイヤから構成される(すなわち、アノードおよびカソードのうちいずれか1つに類似するかあるいは同じもの、および/またはこれらの両方と両立可能なもの)。別の態様では、図3に示すように、アノードおよびカソード成分は、接触領域29周りで互いに物理的に接触している。このような態様では、物理的連結は電気的接続手段で構成される。
【0016】
再び、図1および図2を参照する。腐蝕速度制御手段20は、抵抗素子34を有する。抵抗素子34は所定の抵抗を有する普通の抵抗で構成される。理解通り、抵抗のサイズは、アノード/カソード対のうち特にアノードが所定の環境で腐蝕する速度に影響するであろう。例えば、抵抗素子が大きくなる(すなわち、抵抗値がより高くなる)につれて、アノードはより遅く腐蝕するであろう(他の条件を一定に保持した場合)。逆に、抵抗素子がより小さくなるにつれて、アノードはより早く腐蝕するであろう。さらに、同様に、抵抗素子が可変抵抗からなり、その抵抗値が、例えば外側の条件に基づいてまたは時間的条件に基づいて自動的におよび手動で変わり得ることを考慮する。さらに、図1に破線で示すように、腐蝕速度制御手段は、電源、パワーセル、バッテリ、電流制限装置または他の電気回路(すなわち、IC、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ等)、これらの組み合わせを含む、他の素子34’を含んで構成してもよい。
【0017】
図1に示した態様の装置を製造するために、アノード材料を提供する。アノード材料は一般に粉末状態または溶融で提供される。次に、有益薬剤をアノード材料中に入れ混合する。有益薬剤をアノード材料中に十分に入れたら、アノードを固化する(すなわち、溶融状態ならば冷却し、あるいは粉末状態であるならば他の固化をする)。例えば、アノードを型に入れることが可能であり、材料はその型にキャストされるであろう。一旦キャストされると、有益材料はアノードマトリックス中で分散状態になる。このような態様においては、有益材料は、アノード材料の加熱および溶融に関連するストレスに耐えることができる必要がある。一旦キャストされると、アノードは、必要ならば、加工でき、アノードの形に仕上げられる。
【0018】
十分に形成した後、封止26を形成したアノードの円筒状表面25周りに配置し、カソード材料および環境から絶縁し孤立させる。図示の環境では、封止26は、所望の位置にスライドされるスリーブから構成することができる。あるいは液体状態でアノードに塗布されその後固化されるコーティング(すなわち、ペイント、プラスチック等)から構成されてもよい。
次に、アノードおよびコーティングは、カソードの内側領域に、アノードがカソードにより実質的に完全に包囲されるまでスライドされる。無論、他の態様では、対応する部品の付属品(すなわち、アノードおよびカソード)は異なり得る。異なる付属品構造および異なるアノード/カソード形の例を図4a〜dに示す。
【0019】
アノードおよびカソードを互いに接続すると、電気的接続手段がもたらされる。特に、上記のように、アノードおよびカソードを、互いに両立可能な材料の導電性ワイヤにより連結する。ある態様では、制御手段は、互いに平行な状態であるいは直列な状態で1つあるいはそれ以上の抵抗素子を置き換えることによりもたらされる。特定の抵抗値は、特定の環境または使用分野に基づいて経験的に決定される。他の態様では、制御手段は、電気的接続手段に提供され固定される、電流制限装置、電源、または他の電気回路から構成される。さらに他の態様では、アノードおよびカソードは物理的に互いに接続される(図3)。完了後、キャップ28は、アノード12の下側表面27を覆って配置され、その露出を防ぐ。
【0020】
アノードの早期腐蝕を避けるために、露出表面を、キャップ、コーティングまたは接着性カバーから構成され得るカバー部材で覆ってもよい。カバーを使用前に除去することが理解されるであろう。ある態様では、カバー部材を、所望の環境に装置を置く場合劣化する劣化性材料で作ることができる。例えば、該装置を動物の胃腸系に挿入する場合、アノードを動物の胃の酸や流体にさらすと溶解する材料で覆うことができる。十分に組み立て後、装置の使用は容易である。
使用が非制限的であることを理解した上で、態様の作動を、動物の胃腸系に挿入する目的の装置の使用に関して説明する。このような環境では、環境に適合するカソードおよびアノードを有し、かつ動物の胃腸系への放出を使用者が望む有益薬剤を有する装置が選択される。装置の選択後、必要ならば、カバーを外す(ある態様では、これは不必要である。その理由は所望の環境下に置かれた際カバーは自動的に除去されるからである。)。次に、装置を経口的にあるいは外科的に動物の胃の中に挿入する。
【0021】
所望の環境中に入ると、動物の胃中の流体は、アノードの露出表面をカソードと電気的に接続状態にする(すなわち、胃中の流体は電解液から構成される。)。このようにして、アノードの腐蝕が始まる。アノードの腐蝕に伴って、アノード内に分散される有益薬剤が動物の胃中に放出される。腐蝕速度(特定のアノード、カソード、および電解液に対して)は速度制御手段の抵抗素子の抵抗を変えることにより変えることが可能であることがわかるであろう。アノードの腐蝕、および順に有益薬剤の放出は、アノードが全部消費されるまで、あるいは環境(電解液)から取り出されるまで継続する。
【0022】
本発明の別の態様を図5に示す。このような態様では、アノード12は、層40aから40hのようなアノード層(すなわち第1電気活性電極の層)を有する。各層は、アノード材料のマトリックスから構成され、ある層は、アノードマトリックス中に有益薬剤をカプセル化してもよい。このような態様では、各層は異なる薬剤(あるいは全く有益ではない薬剤)を含んでもよいことがわかるであろう。例えば、装置は、アノード層間で変わる、2つの有益薬剤を含み得る(すなわち、有益薬剤AおよびB)。例えば、有益薬剤Aが各アノード層40a、40c、40e、40g内に分散され、有益薬剤Bが各アノード層40b、40d、40f、40h内に分散される。任意の種類数の有益薬剤を、所望の結果を得るために使用してもよい(すなわち、層あたり異なる有益薬剤、ある層に有益でない薬剤、2種またはそれ以上の有益薬剤を変えるなど)。さらに、アノード材料を各アノード層について変えることができ、その結果、それぞれの有益薬剤の放出速度を変えることができる(すなわち、異なる速度で腐蝕するであろう、異なるアノード材料)。
【0023】
本発明の別の態様を図6に示す。このような態様では、アノード12は、層40a〜40eのようなアノード層(または第1電気活性材料の層)をさらに有する。各層は所定の距離で分離され、空間42a〜42dを規定しており、ここに有益薬剤が分散される。空間42a〜42d内に配置された各有益薬剤は同じかあるいは異なる有益薬剤を、液体、ゲル、または固体の状態に変えて含むことができる。このような態様では、有益薬剤自体あるいは離間コネクタを、各アノード層がカソードと電気的に接続された状態に保たれるための手段として使用する。付加的な有益薬剤を各アノード層用のアノードマトリックス内にカプセル化してもよい(図1および2の態様におけると類似の方法で)。
【0024】
図6の態様の操作では、露出表面を有するアノード層が腐蝕するのに伴って、ついに開口のうちの1つの一部が周囲条件にさらされるであろう。このような時に、有益薬剤が開口から周囲環境へと出るであろう。有益薬剤が液体から構成される場合、例えば、開口が周囲条件にさらされるのに伴って、開口内の有益薬剤の実質的に全量が周囲環境に出るであろう(すなわち、全有益薬剤が比較的急速に配送されるであろう。)。
【0025】
本発明の別の態様が2つの異なるバージョンで示され、その第1は図7に、その第2は図8に示される。図7のバージョンでは、アノード12はボイド44a〜44dのようなボイドをさらに有し、図8のバージョンでは、アノード12はボイド45a〜45fをさらに含む。図7に示すように、ボイド44a〜44dは形が実質的に均一であり、アノード周りに均一に離間している。有益薬剤はボイド44a〜44dのそれぞれの中に分散することができる。アノード12が腐蝕するのに伴って、ボイド44a〜dの各1つが次々に周囲と連絡する状態に置かれ、その後、有益薬剤がそれぞれのボイドから周囲環境に出る。同じかあるいは異なる有益薬剤のいかなる組み合わせもボイド44a〜44dの各々内に入れることができることが理解されるであろう。
【0026】
図8に示すように、ボイド45a〜45fは不均一にアノード内に位置している。このような態様では、アノードが腐蝕するのに伴って、多数の有益薬剤が同時に分散されるように、複数のボイドが同時に周囲にさらされるかもしれない。事実、本発明は、アノード内で、ボイドの特定のパターン、配置、方向に限定されず、それぞれのボイドの配置(およびボイド内での種々の異なる有益薬剤の配置)は異なる作用効果をもたらす。さらに、付加的な有益薬剤を、アノード材料それ自体により作られるマトリックス内にカプセル化してもよい。
【0027】
本発明の別の態様を図9に示す。このような態様では、アノードはセパレータ13により離された2つの離間したアノード成分12、12’を有する。このように、離間アノード成分は露出領域22、22’をそれぞれ同時に有する。使用時には、離間アノード成分は互いに独立に腐蝕する。
本発明の別の態様を図10に示す。このような態様では、アノード、カソード、および有益薬剤は、有益薬剤がアノードおよびカソードマトリックスによりカプセル化されるように、単一材料としてキャストされる。したがって、アノードおよびカソードは物理的接続のために電気的に連結される。使用時、周囲環境に露出された際、露出領域22のアノード部分は腐蝕し始め、カプセル化した有益薬剤を放出する。
【0028】
別の態様が図11に110として示される。装置110は複数の配送モジュール111および所望の周囲環境に装置を保持するための手段120を有する。図12に詳細に示すように、各配送モジュールは、第1電気活性電極(アノード)112、第2電気活性電極(カソード)114、有益薬剤116および有益薬剤を放出可能に保持するための手段118を備える。
基部近傍端部126および末端部128を有する、アノード112を図12に示す。アノード112を円筒状断面形状で示すと、アノードは種々の他の均一および不均一断面形状を有することがわかるであろう。上側表面132、下側表面134、および連結領域136から構成される、カソード114を図12に示す。円形断面を有するカソード114を示すと、同様に、他の断面も使用に対して考慮されている。アノード112の基部近傍端部126を連結領域136内に位置させ、アノードおよびカソードを物理的に係合させる。使用形態に応じて、カソードを上記材料から構成してもよい(すなわち、種々の金属、それらの混合物および合金、ならびに導電性プラスチック)。
【0029】
図12に示すように、放出可能保持指弾手段116は、受容器140および周囲条件から受容器を封止するための手段142から構成される。受容器140は外側表面146および頂部表面148を有するリング状部材から構成される。頂部表面148はアノード112を受け入れるための開口を有する。さらに、外側および頂部表面はカソード114の上側表面132と協働してキャビティ150を規定する。
第1封止部材154および第2封止部材156から構成される封止手段142を図11に示す。第1封止部材は154は、カソード114の上側表面132と受容器140の外側表面146の下側端部間に位置する。第2封止部材156は受容器140の頂部表面148とカソード114’等の結合カソードの下側表面間に位置する。受容器140の外側表面146と協働関係にある封止手段はキャビティ150を実質的に流体密状態に維持する。
【0030】
開口162を有するタブレットから構成される有益薬剤116を図12に示す。このタブレットを、アノード112が開口1162を介して伸び、かつタブレットが受容器140のキャビティ150内に位置することができるように、寸法決めする。他の態様では、有益薬剤は、液体、ゲル、粉末、固体または材料の他のタイプの、1種またはそれ以上の薬剤の混合物から構成してもよい。
図13に詳細に示すように、ある態様では、モジュールは2種(あるいはそれ以上)の有益薬剤を含んでもよい。このような態様では、各薬剤は、それ自体の受容器内、すなわち受容器140aおよび140b内に保持される。さらに、中間封止153を、第1および第2受容器間に備えて、各受容器に対する流体密形状を保持する。他の態様では、付加的な受容器(2つを超えて)が各モジュールを形成することが可能であることが理解されるであろう。
【0031】
図11を参照する。放出可能保持手段120を展開式ウィング170から構成してもよい。展開式ウィング170を曲げて、モジュール(図示せず)を使用して平らにし、キャビッティ内に位置してもよい。キャビティ内に入れると、展開式ウィング170は戻って伸びた形状になり(図12)、キャビティ内からの除去を防ぐ。別の態様では、保持手段を、重くしたカソード(すなわち、スチール等の金属カソード)から構成してもよい。これは装置をキャビティの底に動かし位置させるのに役立ち、かつ装置が急速に動くのを防ぐ(その重さのために)。
装置110を製造するために、先ず、配送モジュール111を組み立てる必要がある。図12を参照する。配送モジュールを組み立てるために、使用者は先ず、アノードの基部近傍末端126をカソード114の連結領域136内に挿入することにより、アノード112をカソード114に取り付ける。取り付けた後、第1封止154をカソード114の上側表面132上に位置させる。次に、有益薬剤をスライドさせて、アノード112が有益薬剤の開口162から延びるようにして、有益薬剤がカソード114および/または第1封止154上に止まるまで、有益薬剤を所望の位置に入れる。続いて、外側表面が第1封止154上に止まるまで、受容器140を、アノード112が頂部表面148の開口を介して伸びるようにスライドさせる。図13の態様では、第1受容器140aの組み立て後、中間封止153を配置し、この工程を繰り返して第2受容器140bを組み立てる。
【0032】
図11の態様に関して、前記工程を繰り返して複数の配送モジュールを組み立てる。モジュールを組み立てた後、モジュールを互いに付着することが必要である。特に、第1モジュールを供給し、その後、第2封止156を受容器140の頂部表面148上に配置する。次に、第2モジュールを供給し、アノード112の末端128を第2モジュールの基部近傍端部に、第1モジュールのアノードが第2モジュールのアノードとカソードの少なくとも1つに対してきつく封止されるように連結する。さらなるモジュールを同様の方法で取り付ける。このような態様では、同様に、第1モジュールは、第1モジュールのアノードの基部近傍端部を覆うための手段173を有する。このカバー手段は第1モジュールのアノードの基部近傍端部の腐蝕を防ぐ。所望のモジュールの全てを取り付けた後、放出可能保持手段120を第1モジュールに取り付ける。
【0033】
この態様の作用は、このような装置の使用が非制限的であるとの理解を前提として、動物の胃腸系における使用に関して、同様に説明されるであろう。特に、使用に対する装置の準備のために、展開式ウィング170がモジュールに対して折られるように、使用者は放出可能保持手段120をつぶす。展開式ウィングを、例えば生物分解性テープまたは紐(図示せず)により所定の位置に保持してもよい。無論、ある態様では、異なる放出可能保持手段を必要とる場合もあり、あるいはこの素子を全く省略することも可能である。
保持手段を非展開位置に配置すると、装置は胃に容易に挿入される。このようにして、使用者は動物に装置を飲み込ませ、あるいは使用者は外科的に装置を移植できる。装置は動物の胃に入るので、生物分解性テープまたは紐は分解し、展開式ウィングは展開し、胃から腸に装置が通過することを防ぐ。
【0034】
胃に流体(電解液)の存在下、胃のキャビティに入ると、アノードおよびカソードは反応して露出アノード(最外側モジュールのアノードの末端部のみ)を腐蝕する。最後のモジュールのアノードが受容器140の頂部表面を超えて腐蝕するのに伴って、受容器は有益薬剤を露出するアノードからはずれる。受容器は腸を通り、有益薬剤はキャビティ内で分散される(結局、例えば吸収される)。アノードの腐蝕は継続するので、結局、アノードはカソードを超えて腐蝕し、カソードは装置からはずれる。カソード(それぞれの封止と一緒に)は同様に腸を通る。このような時期に、次のモジュールの末端部は露出されるようになり、該次のモジュールに関してサイクルが繰り返される。この工程が最後のアノードの腐蝕まで継続する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の態様の透視図である。
【図2】図1の線2−2による本発明の第1の態様の断面図である。
【図3】本発明の第1の態様の変形バージョンの断面図である。
【図4a】本発明にかかる装置の第1電気活性電極および第2電気活性電極のサンプル形態の透視図である。
【図4b】本発明にかかる装置の第1電気活性電極および第2電気活性電極のサンプル形態の透視図である
【図4c】本発明にかかる装置の第1電気活性電極および第2電気活性電極のサンプル形態の透視図である。
【図4d】本発明にかかる装置の第1電気活性電極およびカソードのサンプル形態の透視図である。
【図5】本発明の第2の態様の断面図である。
【図6】本発明の第3の態様の断面図である。
【図7】本発明の第4の態様の断面図である。
【図8】本発明の第4の態様の変形バージョンの断面図である。
【図9】本発明の第5の態様の断面図である。
【図10】本発明の第6の態様の透視図である。
【図11】本発明の第7の態様の透視図である。
【図12】第7の態様のモジュールの透視図である。
【図13】本発明の第7の態様のモジュールの2番目の態様の透視図である。
【図14】従来装置の透視図である。
【図15】図14の線15−15による従来装置の断面図である。
【出願人】 【識別番号】500329353
【氏名又は名称】マイクロリン エルシー
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100119530
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 和幸

【公開番号】 特開2006−341116(P2006−341116A)
【公開日】 平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願番号】 特願2006−224299(P2006−224299)