トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 人工乳首および授乳観測装置
【発明者】 【氏名】新川 拓也

【氏名】和田 健

【要約】 【課題】従来の哺乳用の乳首や哺乳瓶では、乳児等が正常にミルクを飲んでいるかどうか、また、哺乳時の口腔内の様子の視認はできず、乳児等の舌が正しい位置にあるかどうか、確認できないという課題があった。

【解決手段】舌の動作を検知するセンサ13を具備する人工乳首10と、前記センサに印加される外力に基づいて出力される信号であるセンサ信号を検出し、授乳状態を示す信号である授乳表示信号を生成して出力する授乳検出出力部20と、を具備する授乳観測装置により、乳児の哺乳状態が正常であるかどうかを確認できるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舌の動作を検知するセンサを具備する人工乳首。
【請求項2】
舌の動作を検知するセンサを具備する人工乳首と、
前記センサに印加される外力に基づいて出力される信号であるセンサ信号を検出し、授乳状態を示す信号である授乳表示信号を生成して出力する授乳検出出力部と、を具備する授乳観測装置。
【請求項3】
舌の動作を検知するセンサを具備する人工乳首と、
前記センサに印加される外力に基づくセンサ信号を検出し、当該センサ信号に基づいて授乳検知情報を送出する授乳信号送出部と、
前記授乳検知情報を受け入れ、授乳状態を表す情報である授乳表示情報を生成して出力する授乳出力部と、を具備する授乳観測装置。
【請求項4】
前記授乳信号送出部は、
前記センサ信号に基づいて授乳検知情報を生成する信号検出手段と、
前記授乳検知情報を送出する送信手段と、を具備し、
前記授乳出力部は、
前記授乳検知情報を受信する受信手段と、
前記授乳検知情報を元に授乳表示情報を生成し出力する出力手段と、を具備する
請求項3記載の授乳観測装置。
【請求項5】
前記授乳検出出力部または前記授乳出力部は、前記授乳表示情報を視覚的に表示する請求項2から請求項4記載の授乳観測装置。
【請求項6】
前記授乳検出出力部または前記授乳出力部は、前記授乳表示情報を音響信号として出力する請求項2から請求項4記載の授乳観測装置。
【請求項7】
前記送信手段は前記授乳検知情報を無線通信により送信し、
前記受信手段は、前記送信手段が送信する前記授乳検知情報を無線通信により受信する請求項4記載の授乳観測装置。
【請求項8】
前記授乳信号送出部は、前記人口乳首に具備される請求項4記載の授乳観測装置。
【請求項9】
請求項2から請求項8いずれか記載の授乳観測装置を構成する人工乳首。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児等に対する授乳状態を観測するための人工乳首および授乳観測装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の哺乳瓶が考案されている(特許文献1参照)。
また、乳幼児の口唇運動促進システム及び口唇運動促進方法も提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−129940号公報(第1頁、第1図等)
【特許文献2】特開2001−309965号公報(第1頁、第1図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の哺乳瓶や哺乳瓶用の乳首では、乳児等が正常にミルクを飲んでいるかどうかを知ることが困難であった。従来の哺乳瓶や乳首では、ミルクの摂取量を授乳終了後に確認できるが、哺乳時の口腔内の様子の視認はできず、乳児等の舌が正しい位置にあるかどうか分らない。授乳する者の授乳経験が少ない場合、授乳する者が乳首を強引に乳児等の口内に挿入することが生じ得る。このような場合、乳児等の舌が咽頭に落ち込む、あるいは乳児等の舌の裏側で乳首先端の哺乳口をふさいでしまう恐れがある。乳児等に対して正しく授乳しているかどうかを、授乳中に確認する手立てが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本第一の発明の人工乳首は、乳児や幼児等の舌の動作を検知するセンサを具備する人工乳首である。
かかる構成により、人工乳首によって乳児のミルク吸飲動作を検知することが可能になり、異常なミルク吸飲動作の場合、乳児に乳首を咥えなおさせて正常な授乳を可能にする。
【0005】
本第二の発明の授乳観測装置は、乳児等の舌の動作を検知するセンサを具備する人工乳首と、前記センサに印加される外力に基づくセンサ信号を検出し、授乳状態を表す授乳表示信号を生成して出力する授乳検出出力部とを具備する授乳観測装置である。
かかる構成により、正常な授乳が行われているかどうかを知ることができる。
【0006】
本第三の発明の授乳観測装置は、乳児等の舌の動作を検知するセンサを具備する人工乳首と、前記センサに印加される外力に基づくセンサ信号を検出し、授乳検知情報を送出する授乳信号送出部と、前記授乳検知情報を受け入れ、授乳状態を表す授乳表示情報を生成して出力する授乳出力部とを具備する授乳観測装置である。
かかる構成により、正常な授乳が行われているかどうかを知ることができる。
【0007】
本第四の発明の授乳観測装置は、前記授乳信号送出部が、前記センサに印加される力に基づく信号を検出して授乳検知情報を生成する信号検出手段と、前記授乳検知情報を送出する送信手段とを具備し、前記授乳出力部が、前記授乳検知情報を受信する受信手段と、前記授乳検知情報を元に授乳表示情報を生成し出力する出力手段とを具備する授乳観測装置である。
かかる構成により、正常な授乳が行われているかどうかを知ることができるとともに、人工乳首と授乳出力部40が分離可能になり、人工乳首の洗浄が容易になる。
【発明の効果】
【0008】
本発明による人工乳首および授乳観測装置によれば、乳児等のミルク吸飲動作を観測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の人工乳首および授乳観測装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の機能を果たすので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
【0010】
図1は、本発明の人工乳首と授乳観測装置の構成を説明する図であって、哺乳瓶1、キャップ2、人工乳首10の断面を示している。図1において、人工乳首10は、キャップ2に嵌合可能になっている。キャップ2は、例えば、ねじ構造により、哺乳瓶1に装着可能になっている。哺乳瓶1は既存の哺乳瓶でよい。乳首部11の先端には、授乳穴12が開いており、ミルクが授乳穴12より乳児の口内に供給される。乳首部11の下側には、センサ13が埋め込まれている。センサ13からはリード線14が引き出され、コネクタ15を介して、授乳検出出力部20の回路に接続される。授乳検出出力部20には後述する出力手段23である発光ダイオード16が取り付けられている。乳首部11は、ゴムなどの柔軟な材料により形成されるが、材料はゴムには限らない。センサ13としては、圧電効果素子、歪ゲージなどを使用できる。センサ13は、後述するように、乳児の舌の動作を検知し、センサ13に印加される外力に基づくセンサ信号を出力する。センサ信号は、センサ13に印加される外力に基づきセンサ13から出力される信号である。授乳検出出力部20は、センサ信号を検出し、授乳状態を示す信号である授乳表示信号を生成して出力する。なお、授乳状態とは、乳児等がミルクを吸飲するに際しての、乳児の口内の状態であって、正常にミルクを吸飲している状態や、正常にミルクを吸飲していない状態などを言う。また、舌の動作を検知するとは、舌の動作によってセンサ13が圧力を受けたり変形したりする現象をセンサ信号により検知することを言う。
【0011】
図2(A)は、授乳検出出力部20の回路例である。乳首部11に埋め込まれたセンサ13の出力信号であるセンサ信号は、比較手段21に供給される。比較手段21は、センサ信号を検出し、センサ信号と所定の閾値電圧とを比較し、センサ信号の振幅が所定の振幅閾値を越えた場合、授乳状態を表す授乳表示信号を生成して出力手段23である発光ダイオード16に出力電流を供給して発光させる。電源22としては電池を使用するのがよい。なお、出力手段23は、発光ダイオード16以外の構成、例えば、ブザー、電球等で実現されても良い。
【0012】
つぎに、本発明の人工乳首10を使用して乳児等の授乳状態、すなわち、乳児等のミルク吸飲動作を観測する方法について図3(A)、(B)を使用して説明する。図3(A)は、乳児が乳首部11を正常に咥えている場合の図である。乳児は、上唇51、上歯茎52、上口蓋53、下唇54、下歯茎55、および、舌50により乳首部11を咥える。乳児は、舌50を周期的に動かして乳首部11押さえつけ、乳首部11内部からミルクを口内に押し出す。ミルクを効率よく飲むには、舌50がよく動くことが大切である。舌50は、乳首部11を口の入り口部分から喉の方へ絞るように動かしてミルクを搾り出す運動を行う。
【0013】
図3(B)のように、舌50が乳首部11の下部に折れ曲がるようになると、乳児は舌50を動かすことが困難になり、舌50は、乳首部11を十分に押さえことができず、ミルクを飲みにくくなる。このような状態は、母親が乳児に乳首部11を含ませるのに慣れておらず、無理に乳首部11を乳児に含ませた場合や、乳児の舌50が発達していない場合に起こりやすい。母親がこのような状態に気がつかないと、乳児の効率のよい栄養摂取の妨げになるばかりでなく、その後の成長段階における摂食、嚥下動作の発育も妨げられる。
【0014】
本発明の人工乳首および授乳観測装置によれば、乳児の舌50が図3(A)のように正常に乳首部11を周期的に押さえる場合、センサ13は、周期的にセンサ信号を出力する。センサ信号の振幅が所定の振幅閾値を越えると、比較手段21は、授乳状態を表す授乳表示信号を生成して出力手段23である発光ダイオード16に出力電流を供給して発光させる。授乳表示信号は、例えば、乳児が舌50を動かす周期に合致したパルス状の電流信号になる。乳児がミルクを飲むたびに発光ダイオード16が発光するので、母親は、乳児が正常にミルクを飲んでいることを確認することが可能になる。一方、図3(B)のような場合には、乳首部11の動きが少なくなりセンサ13は小さなセンサ信号しか出力しないので、センサ信号の振幅は、上記の振幅閾値を越えない。従って、比較手段21は、授乳状態を表すパルス状の授乳表示信号を出力せず、発光ダイオード16は点滅しない。母親は、発光ダイオード16の点滅がないことを視認すると、乳首部11を乳児に含み直させて正常な哺乳を行うことができる。
【0015】
上記振幅閾値を比較手段21に設定するには、周知のシュミット回路を使用すればよい。シュミット回路は、演算増幅器の出力電圧を正入力端子に正帰還することにより構成される。シュミット回路の入出力特性は、ヒステリシスを有する。すなわち、所定の2つの電圧値の間に入力電圧があるかぎり、入力電圧が変動しても、比較手段21の出力電圧は変化しない。ヒステリシスは、入力特性の不感帯に相当する。この不感帯の電圧幅が上記振幅閾値になる。センサ13のセンサ信号が不感帯の電圧幅を超えて変動すると比較手段21の出力電圧が反転し、パルス状の電流信号が発光ダイオード16に供給される。
【0016】
キャップ2を透明なプラスチック材料で形成すれば、発光ダイオード16の発光する光は、キャップ2の図面の矢印で示した上部の方向からも認知が可能である。また、キャップ2の内部の発光ダイオード16の位置からキャップ2の上部に向けて導光路を設けて、発光ダイオード16の発光光がキャップ2の上部に導かれるようにすれば、母親は、キャップ2の上部を見ることにより、発光ダイオード16の発光光を視認することができる。また、発光ダイオード16をキャップ2の上部に取り付けて、比較手段21の出力端子と発光ダイオード16を銅線で結合してもよい。また、図1の場合とは逆に、キャップ2の上部を肉厚として、授乳検出出力部20を収納してもよい。この場合は、乳首部11のゴム層の内部で、センサ13から乳首部11の上部にリード線14を引き回して、コネクタ15が乳首部11の上部に位置するようにするのが好ましい。
【0017】
センサ13の乳首部11における位置は、図1の例に限らず、乳首部11の変形を検知しやすい位置に設ければよい。センサ13は、板状、棒状などの形状、あるはそれ以外でもよい。乳首部11の材料として圧電効果があるゴム材料や柔軟なプラスッチック材料を使用してもよい。乳首部11の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けて、センサ信号を取り出すことになる。乳首部11としては、圧力により抵抗値が変わるゴム材料や柔軟なプラスッチック材料を使用してもよい。乳首部11自身が乳首とセンサ13を兼ねることになる。
なお、上記説明では、比較手段21の出力信号を授乳表示信号と呼んだが、発光ダイオード16から発光される光を授乳表示信号と呼んでもよい。
(実施の形態2)
【0018】
図2(B)は、本発明の授乳観測装置100aの構成図である。授乳観測装置100aは、乳首部11にセンサ13を埋め込んだ人工乳首10、授乳信号送出部30、および、授乳出力部40を具備する。授乳信号送出部30は、信号検出手段31と電源22を具備する。信号検出手段31は、センサ13からセンサ信号を受け入れ、センサ信号が、所定の波形の場合、乳児が正常にミルクを飲む動作を行っていると判断して、授乳検知情報を授乳出力部40に供給する。センサ信号とは、センサ13に印加される外力に基づきセンサ13から出力される信号である。授乳検知情報とは、センサ信号に基づき生成される情報であって、上記実施の形態1において説明した授乳状態を表す情報である。例えば、乳児などが正常にミルクを吸飲しているか、いないかを表す情報、どの程度正常にミルクを吸引しているかを表す情報などである。授乳検知情報の一形態は、実施の形態1において説明した比較手段21の出力信号である。センサ信号が、振幅閾値を越える振幅の場合、乳児が正常にミルクを飲む動作を行っていると判断することになる。なお、授乳検知情報の形態、授乳状態が正常であるか異常であるかを識別するデジタル情報、または、デジタル信号でもよい。デジタル情報は、1ビットの情報でよい。
【0019】
授乳出力部40は、出力手段41を具備する。授乳検知情報を受け取った出力手段41は、授乳表示情報を出力する。授乳表示情報とは、授乳検知情報に基づいて生成される情報であって、授乳状態を表す情報である。授乳表示情報とは、例えば、「正常」であることを示す情報(例えば「1」)や、「異常」であることを示す情報(例えば「0」)である。
【0020】
出力手段41は、図2(B)に示した実施の形態では、出力回路42と発光ダイオード16よりなる。出力回路42は、授乳検知信号に基づき発光ダイオード16用のパルス電流を発生させる。出力手段41が出力する授乳表示情報は、発光ダイオード16からの発光光である。発光光が点滅する場合、正常な授乳状態を表し、発光光がなかったり、点滅がなかったりする場合は、異常な授乳状態を表すことになる。
【0021】
出力手段41は、電球、ブザー、スピーカ、プリンタ、液晶表示装置などにより構成してもよい。または、授乳表示情報は、光ダイオード16、電球、ブザー、スピーカ、プリンタ、液晶表示装置などから出力され、人が認識可能な光、音、文字、画像などの形の情報で、授乳状態を表す情報を含む。光の場合、点滅の有無(例えば、点滅が「正常」、光なしが「異常」など)、色(例えば、赤が「異常」、青が「正常」など)である。音の場合、例えば、「ピッ」、「ピッ」という断続音が「正常」、無音が「異常」などである。文字の場合、例えば、「正常」、「異常」などの文字である。
【0022】
信号検出手段31は、内部に標準的な哺乳動作に対応するセンサ信号の波形データを記憶しておき、センサ13から供給されるセンサ信号の波形と上記波形データを比較し、似ていると判断される場合に、パルス状の授乳検知信号を授乳検知情報として出力するようにしてもよい。パルス状の授乳検知信号は、乳児の舌の動く周期に同期させて発生させるのが簡単である。このためには、波形データ記憶回路と波形データ比較回路とにより信号検出手段31を構成すればよい。出力回路42は、授乳検知信号を受け入れ、発光ダイオード16に授乳表示信号としてパルス状のダイオード電流を供給するスイッチ回路でよい。
【0023】
なお、信号検出手段31は、実施の形態1において説明した比較手段21でもよいことは、既に述べた。また、出力手段41を、出力増幅器とスピーカにより構成し、授乳検知信号に基づき「ピッ」、「ピッ」というような音を授乳表示情報として発生させるようにしてもよい。音が断続する場合、正常な授乳状態を表し、音がない場合、あるいは、音が鳴りっぱなしの場合は、異常な授乳状態を表すことになる。
(実施の形態3)
【0024】
つぎに、授乳検知情報を、無線通信により授乳検出出力部20から授乳出力部40に送信するようにした実施の形態について説明する。図4(A)において、人工乳首10aは、乳首部11の下部、すなわち、乳児の舌が当たる部分にセンサ13を内蔵し、乳首部11がキャップ2に嵌合する部分に授乳信号送出部30aを内蔵する。センサ13と授乳信号送出部30aは、リード線14により結合される。また、キャップ2の上部には、授乳出力部40aを取り付ける。図4(B)は、授乳出力部40aの取り付け状態を人工乳首10aの側から見た図である。キャップ2と授乳出力部40aの取り付けの方法は、螺子止め、取り付け溝を設けて嵌合する方法などでよい。
【0025】
図5は、本実施の形態における授乳信号送出部30aと授乳出力部40aの詳細な構成の例である。授乳信号送出部30aは、信号検出手段31、送信手段33、および、電力受信手段34を具備する。授乳出力部40は、受信手段42、出力手段41、電源43、及び、電力送信手段44を具備する。信号検出手段31は、センサ13からセンサ信号を受け入れ、授乳検知情報を発生し、送信手段33に供給する。送信手段33は、授乳検知情報を受けとると授乳検知情報を無線信号の形式で送信する。受信手段42は、授乳検知情報を無線受信し、授乳検知情報を出力手段41に供給する。授乳検知情報を受け取った出力手段41は、授乳表示情報として、上記発光ダイオード16の点滅光を出力する。送信手段33が送信する無線信号の通信方式は、授乳検知情報が搬送波信号を変調する方式、乳児が舌を正常に動かして、信号検出手段31が授乳検知情報として正常を示す情報を出力したときに、最低1ビットの授乳検知情報をパケット形式で送信する方式、授乳信号送出部30毎に割り振られたID識別情報を授乳検知情報と共に送信する方式などを適用すればよい。
【0026】
電力送信手段44と電力受信手段34は、それぞれコイル状のアンテナを内蔵しており、アンテナは互いに電磁的に結合されている。電力送信手段44は、電磁的に交流信号を発振して電力を電力受信手段34に送る。電源43は、電力送信手段44、受信手段42、出力手段41に電力を供給する。電力受信手段34は、電磁的に結合された電力送信手段44からの電磁波から電力を受けて、信号検出手段31と送信手段33に電力を供給する。授乳信号送出部30aと授乳出力部40aを距離は、3cmから5cm程度であるので、無線通信による授乳検知情報の送信に必要な電力はきわめて小さくできる。電力送信手段44と電力受信手段34の距離も同様に小さいので、電磁結合による電力送信が可能である。
【0027】
本実施の形態の授乳信号送出部30aや授乳出力部40aにおける電力送信や情報送信には、無線タグ、ICタグ、あるいは、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれ、カード読み取り器の読み取り部にカードをかざすことにより、無線交信でカード内に記憶された情報のやり取りする技術を利用することができる。無線タグにおけるRFIDの集積回路は、極めて小さい半導体チップにできるので、乳首部11のゴム膜内部に収納することが可能である。授乳信号送出部30aと授乳出力部40aの距離が近いので、送信手段33と電力受信手段34のアンテナは、小さいものでもよい。
なお、センサ13と授乳信号送出部30aを同じ集積回路基板10上に作成して、乳首部11のゴム膜内に収容してもよい。
【0028】
また、授乳出力部40aを、キャップ2の下部に取り付ければ、電力送信手段44と電力受信手段34の距離が1cm以下とすることが可能になり、電力伝送の効率が高まる。図6(A)、(B)は、電力送信手段44と電力受信手段34の距離を近づけた構造の一例である。なお、図6(A)は,図6(B)の点線M−Nの位置における断面であり、図6(B)は、授乳穴12の前からキャップ2の方向を見た場合の概略図である。図6(B)に示すように、図5で説明した授乳出力部40aを収容する筐体40bを、円筒を半分にした形状とし、キャップ2に半分巻きつくように取り付ける。授乳出力部40aに示した回路を授乳出力部用半導体チップ40cにより作成し、図6(B)に示すように、授乳信号送出部30aに対向する、筐体40b内の位置に取り付ける。出力手段41には、発光ダイオード16を使用する。発光光を視認しやすいように、発光ダイオード16を筐体40bの上部に取り付ける。発光ダイオード16と授乳出力部用半導体チップ40cとはリード線45により結合する。なお、図6の場合、授乳出力部用半導体チップ40cに、電源43と発光ダイオード16を含まないことは言うまでもない。電源43は、交換可能な電池とするのが好ましい。
本実施の形態により、正常な授乳が行われているかどうかを知ることができるとともに、人工乳首10aと授乳出力部40aが分離可能になり、各部の洗浄が容易になる。
上記授乳検知情報を受け取った出力手段41は、授乳表示情報として、上記発光ダイオード16の点滅光を出力する代りに、「ピッ」、「ピッ」というような音を授乳表示情報として発生させるようにしてもよい。
【0029】
出力手段41を、授乳表示情報を送信する送信機とし、授乳室の棚などに置いた受信機に授乳表示情報を送信するようにしてもよい。受信機には、受信した授乳表示情報を元に、授乳の正常、異常を文字表示させる。また、受信機は、受信した授乳表示情報を元に、授乳の正常、異常などの文字を印刷してもよい。また、出力手段41は、授乳表示情報として、上記説明したパルス信号の形式の授乳検知情報を受信機に送信し、受信機は、パルス数を計数して表示または印刷することにより、ミルクを飲んだ回数を記録するようにしてもよい。なお、上記受信機を、出力手段41の一部と考えてもよい。この場合、ミルクを飲んだ回数を表す数字が、授乳表示情報である。
(実施の形態4)
【0030】
センサ13として、外力による運動エネルギーを電力に変換する素子を使用し、信号検出手段31と送信手段33に電源電力を供給するようにしてもよい。電力受信手段34と電力送信手段44は不要になる。信号検出手段31がセンサ13の電力を受け入れて送信手段33に供給し、送信手段33は、信号検出手段31から電力が供給されると、そのタイミングにパルス状の電波を授乳検知情報として発信して送信するようにしてもよい。乳児が舌を大きく動かしたタイミングで、授乳検知情報が送信される。このようにすると、電力消費時間を短かくできるので、少ない電力でも、授乳検知情報が送信できる。授乳出力部40aは、パルス状の電波を受信したタイミングで、出力手段41から授乳表示情報を出力する。具体的には、発光ダイオード16が、短時間発光する。外力による運動エネルギーを電力に変換する素子としては、圧電素子などが使用できる。
本発明は、以上の各実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかる授乳観測装置は、乳児のミルク吸飲動作を観測することにより、授乳状態を観測でき、正しい哺乳を行うことを可能にするという効果があり、産科、小児科などの医院だけでなく、家庭においても使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態による授乳観測装置の構成を説明する図
【図2】本発明の一実施形態による授乳観測装置のブロック図
【図3】本発明の一実施形態による授乳観測装置による授乳状態の図
【図4】本発明の一実施形態による別の授乳観測装置の構成を説明する図
【図5】本発明の一実施形態による別の授乳観測装置のブロック図
【図6】本発明の一実施形態による他の授乳観測装置の構造の一例の図
【符号の説明】
【0033】
1 哺乳瓶
2 キャップ
10 人工乳首
11 乳首部
12 授乳穴
13 センサ
14 リード線
15 コネクタ
16 発光ダイオード
20 授乳検出出力部
21 比較手段
22 電源
23 出力手段
30、30a 授乳信号送出部
31 信号検出手段
33 送信手段
34 電力受信手段
40、40a 授乳出力部
40b 授乳出力部筐体
40c 授乳出力部用半導体チップ
41 出力手段
43 電源
44 電力送信手段
100、100a、100b 授乳観測装置
【出願人】 【識別番号】503015123
【氏名又は名称】新川 拓也
【出願日】 平成17年6月7日(2005.6.7)
【代理人】 【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和

【公開番号】 特開2006−340777(P2006−340777A)
【公開日】 平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願番号】 特願2005−166825(P2005−166825)