| 【発明の名称】 |
薬袋発行機 |
| 【発明者】 |
【氏名】大村 義人 【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号 株式会社トーショー内
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| 【要約】 |
【課題】長尺の薬袋用帯状部材から薬袋を発行するに際して分離作成後の薬袋に多少の巻癖があっても薬袋を空のまま移送先の搬器等に移載できるようにする。
【解決手段】薬袋用帯状部材30を順に送り出す部材供給機構13と、薬袋用帯状部材30を切断して薬袋40を分離させる第1カッター機構16と、薬袋40に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタ14と、薬袋40に係る開口部の封着を行うシール機構15とを備えた薬袋発行機10において、薬袋40の端を摘んで引っ張ることにより薬袋40を移動させる移載機構20を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 薬袋用帯状部材を順に送り出す部材供給機構と、前記薬袋用帯状部材を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構と、前記薬袋に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタと、前記薬袋に係る開口部の封着を行うシール機構とを備えた薬袋発行機において、前記薬袋の端を摘んで引っ張ることにより前記薬袋を移動させる移載機構が設けられていることを特徴とする薬袋発行機。 【請求項2】 剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴になる剥取可能領域を前記薬袋の縁のうち閉塞状態のところに画成する第2カッター機構が前記移載機構に設けられていることを特徴とする請求項1記載の薬袋発行機。 【請求項3】 前記薬剤情報に含まれている遮光レベル情報に応じて選択的に動作するようになっていることを特徴とする請求項2記載の薬袋発行機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、アンプル・瓶・箱などの容器に入った薬剤や,分包紙・PTPなどで包装された薬剤,その他の薬剤を収納するための薬袋を、長尺の薬袋用帯状部材から分離して、作成する薬袋発行機に関する。 また、この発明は、輸液ボトルや輸液バッグ等の輸液容器を吊持して輸液を滴下排出させるときに輸液容器を覆う遮光カバーにも関する。 【背景技術】 【0002】 処方箋や派生した調剤指示箋などに応じて所要の各種薬剤を収納する薬袋には、調剤監査の容易化等のため、透明なシート材が好んで採用されるとともに、投入薬剤の情報が印刷される(例えば特許文献1〜4参照)。 また、そのような薬袋を発行する薬袋発行機は、専ら薬袋の発行を行う薬袋印刷装置や薬袋作成装置と(例えば特許文献1〜2参照)、薬袋の発行に加えて薬袋への薬剤収納まで行う薬剤袋詰装置とに(例えば特許文献3〜4参照)、大別される。両者で用いるシート材にも長短の相違がある。 【0003】 前者の薬袋発行機は(特許文献1〜2参照)、予め袋状にしてある短尺の透明シート材に薬剤情報を印刷してそれを薬袋に仕上げるようになっており、そのために、袋状シート材を複数枚・多数枚セット可能なプリンタと、印刷済み薬袋を収集して所定位置に移送する移送機構とを備えている。そのような移送機構は、薬袋を乗せて往復移動する薬袋収集器・薬袋分配器や(特許文献1参照)、薬袋を乗せて又は挟んで送るベルト搬送機構にて(特許文献1〜2参照)、具体化されている。 【0004】 後者の薬袋発行機は(特許文献3〜4参照)、長尺の透明シート材をロール状にした薬袋用帯状部材から薬袋を分離作成するようになっている。すなわち、薬袋の発行に加えて薬袋への薬剤収納まで行う薬剤袋詰装置は、薬袋を次々と分離作成するために、ロール状の薬袋用帯状部材を順に解いて送り出す部材供給機構と、その送り出された薬袋用帯状部材を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構と、その薬袋に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタと、その薬袋の切断開口部のうち少なくとも底部の縁には封着を行うシール機構と、その薬袋に開口部から薬剤を投入する薬剤投入機構とを備えている。 【0005】 点滴等で施用される薬剤の場合、大抵、主要成分の薬剤と溶解剤や輸液などとが組で調剤されるが、その際、輸液は、輸液容器のまま用いられて、薬袋に投入されることなく、薬袋に添えられる事がある。そして、施用時には、薬剤が薬袋から取り出されて輸液容器に混注され、その輸液容器が点滴等に供される。薬剤の取り出された薬袋は、不要となり、廃棄される。 【0006】 また、例えばビタミンB12注射薬のような光に不安定な薬剤を混注・混合した輸液を点滴するときには、混注・混合の後、速やかに輸液容器に対し遮光カバーが被せられる。このような遮光カバーとしては、視認用窓を設けた輸液容器用カバーや(例えば特許文献5参照)、輸液バッグの外装袋を兼ねるもの(例えば特許文献6参照)、点滴用包装容器の汚染防止袋を兼ねるもの(例えば特許文献7参照)などが知られているが、何れも、薬袋では無い。 【0007】 【特許文献1】特開平10−203707号公報 【特許文献2】特開2000−116751号公報 【特許文献3】特開2001−212208号公報 【特許文献4】特開2004−148034号公報 【特許文献5】特開2003−275280号公報 【特許文献6】特開2001−252334号公報 【特許文献7】特開平09−117489号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 ところで、薬袋の発行に際して用いられる袋状シート材とロール状シート材には一長一短がある。具体的には、袋状シート材を採用した場合、平紙ほどではないにしろ平たくて巻癖も無いためローラやガイド等で案内し易くベルトやトレーでの移送もしやすいといった利点がある一方、袋作成を別に行っておかなければならないという制約や、腰のない即ち剛性の小さい薬袋は扱えないといった不満がある。これに対し、ロール状シート材を採用した場合、長所と短所とが逆になり、薬袋作成時に薬袋の長さを可変することも可能になる。 【0009】 さらに、長尺のロール状シート材には、補充作業が少なくて済むことや、合成樹脂で作るのにも適しているといった利点あmである。そのため、このような利点を重視する応用には、もれなく、長尺のロール状シート材を採用したい。 しかしながら、ロール状シート材には巻癖という短所がある。そのため、ロール状シート材すなわち薬袋用帯状部材は、薬剤の収納によって膨らむとともに重くなることから短所の顕在化しない薬剤袋詰装置には採用されても、薬袋を発行しても薬剤の袋詰めまでは行わない薬袋発行機には採用を控えざるを得なかった。 そこで、長尺の薬袋用帯状部材から薬袋を発行するに際して分離作成後の薬袋に多少の巻癖があっても薬袋を空のまま移送先の搬器等に移載できるよう薬袋発行機を改良することが基本的な技術課題となる。 【0010】 また、上述したような従来の施用手順では、輸液容器の遮光に薬袋とは別個の遮光カバーが用いられるが、そのような遮光カバーには一般に処方箋や調剤指示箋に基づく薬剤情報が印刷されていないことから、点滴等で投与する薬剤内容の確認を可能とするため、薬剤情報の印刷された輸液ラベルを遮光カバーに貼り付ける必要性がある。 しかしながら、その貼り付けは、例えば輸液容器に貼付されていた輸液ラベルを剥がして付け替えることや、調剤指示箋や薬袋に薬剤情報を印刷するときなどに予め余分に印刷されたラベルを貼り付けること、手書きのラベルを貼り付けること等で、行われる。 【0011】 そのため、輸液ラベルの貼付は、面倒なうえ、付け間違いないよう細心の注意を払わなければならないので、施用者の負担が重い。 そこで、遮光カバーへのラベル貼付を不要にすべく、薬剤情報印刷済み薬袋が遮光カバーを兼ねることができるようにすることも、更なる技術課題となる。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明の薬袋発行機は(解決手段1)、上述した基本課題を解決するために創案されたものであり、薬袋用帯状部材を順に送り出す部材供給機構と、前記薬袋用帯状部材を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構と、前記薬袋に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタと、前記薬袋に係る開口部の封着を行うシール機構とを備えた薬袋発行機において、前記薬袋の端を摘んで引っ張ることにより前記薬袋を移動させる移載機構が設けられていることを特徴とする。 【0013】 また、本発明の薬袋発行機は(解決手段2)、上述した基本課題に加えて更なる課題をも解決するために創案されたものであり、上記解決手段1の薬袋発行機であって更に、剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴になる剥取可能領域を前記薬袋の縁のうち閉塞状態のところに画成する第2カッター機構が前記移載機構に設けられていることを特徴とする。 【0014】 さらに、本発明の薬袋発行機は(解決手段3)、上記解決手段2の薬袋発行機であって、前記薬剤情報に含まれている遮光レベル情報に応じて選択的に動作するようになっていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0015】 このような本発明の薬袋発行機にあっては(解決手段1)、従来と同じく部材供給機構とプリンタとシール機構と第1カッター機構とで長尺の薬袋用帯状部材から能率良く薬剤情報印刷済み薬袋を分離作成することができるうえ、従来とは異なる移載機構を設けて、その薬袋を移動させる際に薬袋の端を摘んで引っ張るようにしたことにより、その薬袋に巻癖があってもそれによる変形を抑制するような態様で薬袋の移送が遂行されるので、薬袋が空のままでも移送状態が安定する。 したがって、この発明によれば、長尺の薬袋用帯状部材から薬袋を発行するに際して分離作成後の薬袋に多少の巻癖があっても薬袋を空のまま移送先の搬器等に移載しうる薬袋発行機を実現することができる。 【0016】 また、本発明の薬袋発行機にあっては(解決手段2)、従来は無かった第2カッター機構を設けて、分離作成した薬袋の縁のうち閉塞状態のところに剥取可能領域を画成し、この剥取可能領域が薬袋から剥ぎ取られると、そこに輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴が発現するようにしたことにより、その薬袋が、次に述べるように、遮光カバーを兼用可能な薬剤情報印刷済み薬袋になる。すなわち、光に不安定な薬剤を収容した薬袋は、その薬剤の輸液容器への混注・混合の後、捨てられるのでなく、剥取可能領域を剥ぎ取られて遮光カバーに変身する。そして、輸液容器に被せられ、剥取可能領域の剥取後の穴から輸液容器の吊持部が引き出されて、吊持状態の輸液容器の遮光を行う。このような薬袋には、遮光カバーへのラベル貼付を不要にするという利点に加えて、遮光カバーの使い捨てが可能で衛生面での向上が期待できるという利点や、遮光カバーを使い捨てにしても無駄は生じないという更なる利点もある。 【0017】 しかも、本発明の薬袋発行機にあっては、剥取可能領域を画成するための第2カッター機構を移載機構に設けて、剥取可能領域の画成が移載動作に随伴して遂行されるようにもしたことにより、新機能が付加されても、コンパクト実装を損なう薬袋送り経路の延長は回避され、能率の低下を招く一連動作のステップ数の増加も抑制される。 したがって、この発明によれば、遮光カバーを兼用可能な薬剤情報印刷済み薬袋を長尺の薬袋用帯状部材から能率良く発行することができ而も分離作成後の薬袋に多少の巻癖があっても薬袋を空のまま移送先の搬器等に移載しうる薬袋発行機をコンパクトに実現することができる。 【0018】 さらに、本発明の薬袋発行機にあっては(解決手段3)、薬剤情報に含まれている遮光レベル情報に応じて選択的に動作するようにもしたことにより、現状では未だ材料単価低減の難しい遮光カバー兼用の薬袋は必要なときに限って発行されるので、運用費の増加も少なく済ませることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 このような本発明の薬袋発行機について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜2により説明する。 図1〜6に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜2)を具現化したものであり、図7に示した実施例2は、上述した解決手段3(出願当初の請求項3)を具現化したものである。 【0020】 なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路,コントローラ内部の詳細な電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。また、筐体パネルや,ベース・フレーム等の支持部材についても、内部構造や各機構の配置を示す妨げにならないよう図示を適宜省略しており、例えば移載機構や案内部材などは図示しない部材にて図示位置に支持されている。 【実施例1】 【0021】 本発明の薬袋発行機の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、遮光薬袋発行機10の全体構造を示し、(a)が正面図、(b)がその右側面図、(c)が薬袋用帯状部材30装着時の正面図、(d)がその右側面図である。また、図2(a)〜(f)は、何れも要部の正面図であり、薬袋40作成時の動作順になっている。さらに、図3は、第2カッター機構21aの構造を示し、(a)が正面図、(b)が底面図である。また、図4は、遮光薬袋発行機10の制御系の要部構造を示すブロック図である。 【0022】 この遮光薬袋発行機10は(図1参照)、筐体11の最上部がコントローラ12や電源を格納した電装部になっているが、筐体11内の大部分が機構実装部になっており、そこには、くねりながら上から下へ連なる薬袋用帯状部材30及び薬袋40の送り経路に沿って、部材供給機構13とプリンタ14とヒートシール機構15と第1カッター機構16と案内部材17と移載機構20と搬送機構18とが配設されている。それらのうち部材供給機構13とプリンタ14とヒートシール機構15と第1カッター機構16は、薬袋用帯状部材30の補充作業の容易化等のため、引出機構19にて筐体11外へ引き出せるようになっている。 【0023】 部材供給機構13は、薬袋用帯状部材30を順に送り出してプリンタ14に供給することができれば従来同様でも良く(例えば特許文献3参照)、例えば、ロール状に巻かれた長尺の薬袋用帯状部材30を回転可能に支持するための軸13aを持ったリールや適宜なテンション調整機構などからなる。 プリンタ14も、処方箋や派生した調剤指示箋に基づいて薬袋に収納しようとしている薬剤の情報たとえば患者名や薬品名等のデータをコントローラ12から受け取って、それを薬袋用帯状部材30の先頭部分に印刷することができれば、従来品でも良く(例えば特許文献3参照)、インクジェット方式でも熱転写方式でも良く、モノクロでもカラーでも良い。プリンタ14の印刷対象とされる薬袋用帯状部材30の先頭部分は、薬袋40として切断分離される予定の部分である。 【0024】 ヒートシール機構15は、その薬袋用帯状部材30の先端の開口部を封着させて袋の底にし、そこに閉塞状態の縁を形成することができれば、従来同様でも良く(例えば特許文献3参照)、通常は薬袋用帯状部材30の幅より長い直線状発熱体とそれを薬袋用帯状部材30先端に向けて進退させる機構と通電駆動回路とからなる。この例では、プリンタ14の薬袋用帯状部材排出口の直後に、ヒートシール機構15が配置されている。 第1カッター機構16は、印刷の済んだ薬袋用帯状部材30を切断して薬袋40を分離作成することができれば従来同様でも良く(例えば特許文献3参照)、通常は薬袋用帯状部材30の幅より長い直線状刃物とそれを薬袋用帯状部材30に向けて進退させる機構とからなる。この例では、第1カッター機構16の直後に、第1カッター機構16が配置されている。 【0025】 案内部材17は、例えばローラやガイド等の部材からなり、印刷や封着の済んだ薬袋用帯状部材30先頭部分が更に送り出される際にその案内を行うとともに、切断分離された薬袋40が落下するのを防止するようになっている。この例では、案内部材17のうち移載機構20の直近に位置する可動片17aには、それを揺動させる駆動機構が付設されていて、可動片17aを揺動させることにより、薬袋40の先端を移載機構20側へ寄せることができるようになっている。そのため、薬袋40が案内部材17から移載機構20に引き渡されるとき、薬袋40の先端位置が可動片17aによって強制されるので、薬袋40に多少の巻癖があっても、薬袋40の先端は一定の位置に来ることとなる。 【0026】 搬送機構18は、例えばベルトコンベアからなり、トレーやボックス等の搬器50を搬入搬出するようになっている。この例では、薬袋40を搬器50へ投入するところに配置された手前側のコンベアに加えて、後背側にも並走コンベアが配置されていて、薬袋投入対象の搬器50の送りを妨げることなく他の搬器50を戻したり先行させたりすることもできるようになっている。なお、搬送機構18の設置や搬器50の使用は必須でなく、例えば発行した薬袋40を筐体11の内底部の固定箱に投入しておき、筐体11の前面パネルの小窓から手を入れて薬袋40を取り出すようにしても良い。 【0027】 移載機構20は(図1,図2参照)、可動片17aで寄せられた薬袋40の先端を摘んで一時保持するために、接離する一対の掴持子21,22を具えている。また、摘んだ薬袋40を引っ張るために、掴持子21,22を持つ手部23がそれを揺動可能に支持する揺動軸24を介して進退機構25に装着されている。そして、移載機構20は、掴持子21,22の接離動作による薬袋40の摘みと放しに加えて、摘み後の手部23の進退動作によって薬袋40の先端を斜め下方へ引っ張ることで薬袋40を案内部材17から抜き取り更には搬器50上方に位置させる引下移動と、引下げ後の揺動動作による薬袋40の搬器50への投入とを、行えるものとなっている。 【0028】 そのような掴持子の一方である掴持子21の掴持面には(図3参照)、従来の薬袋発行機に無かった第2カッター機構21aが設けられている。第2カッター機構21aは、図示のような半円形のものでも良く、図示しない例えば「U」,「V」,「コ」,「ヘ」の字状のものでも良いが、一般的な輸液容器の吊持部を突き出し可能な吊持側穴の半分を画成するようになっている。第2カッター機構21aの刃は不連続で、その切込痕は、剥取可能領域の剥ぎ取りに好適なミシン目状や破線状になる。このような第2カッター機構21aは、薬袋40の先端部に対して表裏とも一緒に貫くよう切込むことで、閉塞状態の縁である薬袋40の底に、吊持側穴となりうる剥取可能領域を画成するものであり、その剥取可能領域の画成を薬袋40先端の摘み動作に随伴して遂行するようになっている。 【0029】 このような第2カッター機構21aを含む移載機構20や第1カッター機構16及びヒートシール機構15さらにはプリンタ14の動作はマイクロプロセッサやシーケンサ等からなるコントローラ12で制御されるが、コントローラ12が薬剤情報の印刷時に参照する薬品マスター12aには(図4参照)、各薬剤毎に予め遮光レベルのデータが付加されている。遮光レベルは、遮光の必要が有るか否かの単なるフラグでも良く、遮光の必要性の程度を示す数段階のランク分けや数値でも良く、この例では、少なくとも、点滴時に輸液容器を遮光カバーで覆う必要が有るのか無いのかが判別できれば良い。コントローラ12は、遮光カバーが必要なときには薬袋40に遮光指示を印刷するようになっている。 【0030】 この実施例1の遮光薬袋発行機10について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図1は、(a)及び(b)が薬袋用帯状部材30未装着の状態を示し、(c)及び(d)が薬袋用帯状部材30装着後かつ薬袋40発行直後の状態を示している。また、図2(a)〜(f)は、薬袋用帯状部材30から薬袋40を作成するときの動作状態を時系列で示している。さらに、図5は、遮光カバー兼用可能な薬袋40の製法や構造を示し、(a)が薬袋用帯状部材30の外観図、(b)がそのロールの外観図、(c)が薬袋40の外観図である。また、図6は、薬袋40を遮光カバーにする使用態様を示し、(a)が薬袋40及び輸液容器60を揃えたところの外観図、(b)が混注時の外観図、(c)が点滴時の外観図である。 【0031】 遮光薬袋発行機10の使用に先立って(図1(a),(b)参照)、部材供給機構13に、ロール状の薬袋用帯状部材30をセットしておく(図2(a)参照)。そのセット作業は部材供給機構13やプリンタ14等を引出機構19にて筐体11から引き出して行なわれる。薬袋用帯状部材30には、透明な又は半透明な薄いシート材からなる長い筒状のものを(図5(a)参照)、平たい帯状にしてから管状芯31に巻き取ったもの等が用いられる(図5(b)参照)。また、薬袋40に遮光カバーとして必要な遮光性を持たせるため、薬袋用帯状部材30には、少なくとも紫外線遮光性を含んだ遮光性のもの例えば橙色ビニールシートが採用される(特許文献5〜7も参照)。 【0032】 薬袋用帯状部材30の先端は(図2(a)参照)、部材供給機構13から繰り出してプリンタ14へ送り込み、さらにプリンタ14からも繰り出し、それからヒートシール機構15及び第1カッター機構16を一回動作させる。すると、第1カッター機構16での切断によって薬袋用帯状部材30の先端の余剰部分が取り除かれるとともに、ヒートシール機構15での薬袋40に係る開口部の封着によって封着部42が形成され、同時にそこが薬袋40の底になる(図5(c)参照)。これで以後の自動送りの準備が調うので、部材供給機構13やプリンタ14等を引出機構19にて筐体11内に戻して、薬袋用帯状部材30セット作業を終える。 【0033】 そして、自動動作状態で(図4参照)、遮光薬袋発行機10のコントローラ12に処方箋や調剤指示箋のデータが入力されると、コントローラ12では、薬品マスター12aの検索が行われて、発行対象薬袋40に収納される予定の薬剤に係る薬品名等の薬剤情報44が求められ、その印刷指示がプリンタ14に送出される。その際、その薬剤に係る遮光レベルも調べられ、どれか一つでも、点滴時に輸液容器を遮光カバーで覆う必要が有れば、点滴時に遮光を促す遮光指示41の印刷指示もプリンタ14に送出される。プリンタ14では(図2(a)参照)、その指示に従って、薬袋用帯状部材30の先頭部分に、薬剤情報44と遮光指示41が印刷される(図5(c)参照)。 【0034】 その印刷と同時に又は印刷後に、薬袋用帯状部材30は薬袋40一つ分だけプリンタ14から送り出され(図2(b)参照)、薬袋用帯状部材30の先頭部分が案内部材17によって位置を規制されるとともに、薬袋用帯状部材30の先端が案内部材17によって移載機構20のところへ導かれる。さらに(図2(c)参照)、案内部材17最後尾の可動片17aが揺動して、薬袋用帯状部材30の先端は曲げられながら移載機構20の掴持位置に送り込まれる。それに加えて(図2(c)参照)、ヒートシール機構15及び第1カッター機構16が作動し、第1カッター機構16での切断によって薬袋用帯状部材30の先頭部分が薬袋40として分離されるとともに、ヒートシール機構15での封着部42形成によって次の薬袋の底が形成される。また、移載機構20の掴持位置に送り込まれた薬袋用帯状部材30の先端は、分離作成されたばかりの薬袋40の底となる。 【0035】 その底は既に封着部42が形成されていて薬袋40の縁のうち閉塞状態になっているところであるが(図5(c)参照)、そこをめがけて両側から掴持子21,22が近接し更には密接する(図2(d)参照)。これにより薬袋40の先端すなわち底部が摘まれるとともに、随伴して第2カッター機構21aが薬袋40に切り込むため、薬袋40の封着部42形成部の中央部に重ねてミシン目43が形成される(図3,図5(c)参照)。このミシン目43は例えば半円形であり、これによって、一般的な輸液容器の吊持部を突き出し可能な吊持側穴となりうる剥取可能領域が、薬袋40の縁のうち閉塞状態のところに画成される。 【0036】 それから、薬袋40の先端を摘んだまま掴持子21,22が手部23の移動に伴って斜め下方へ移動するので(図2(e)参照)、それに引っ張られて薬袋40は案内部材17から抜け出て斜めになる。そして、薬袋40の後端・自由端が自然落下するより早く且つ少し速く手部23及び掴持子21,22が揺動して薬袋40を搬器50の中へ導き(図2(f)参照)、薬袋40の後端・自由端が搬器50に入るタイミングで掴持子21,22が離隔して(図1(c),(d)参照)、薬袋40が放される。 こうして、薬袋用帯状部材30から分離作成された薬剤情報印刷済み薬袋40は、多少の巻癖があっても、それに起因した不所望な変形を発現する機会のないまま、即ち引張移動時は引張力で伸ばされ、揺動送り時は空気で煽られて伸ばされ、そのまま搬器50に投入される。そのため、この薬袋収納は確実に遂行される。 【0037】 こうして発行された薬袋40は(図5(c)参照)、少なくとも紫外線遮光性の透明な又は半透明なシート材からなり、投入予定薬剤の情報が印刷されており、さらに縁のうち閉塞状態のところには剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な吊持側穴になる剥取可能領域がミシン目43で画成されたものとなっている。そして、搬送機構18によって適宜な後続装置等たとえば薬袋収納ストッカや調剤監査台などへ運ばれ、手動調剤や自動調剤にて開口部45から薬剤51,52が収納され、仮止部46の形成等も必要に応じてなされる(図6(a)参照)。 【0038】 薬剤51は遮光不要なアンプル剤の例であり、薬剤52は遮光パッケージ53に納められた遮光の必要な薬剤の例であるが、その薬剤51,52が輸液に混注されるものである場合、薬剤51,52を収納した薬袋40は、薬剤情報44に対応する輸液ラベル62の貼付された輸液容器60とセットにされて、点滴に供される。輸液容器60は、図示したのは(図6(a)参照)生理食塩水を収容した輸液ボトルであるが、頭部には、混注部と輸液排出部とを兼ねる口栓61が設けられ、底面には、起立/傾倒の可能な吊持部63が設けられている。 【0039】 混注時には(図6(b)参照)、薬袋40の仮止部46を剥がして開口部45を開け、そこから薬剤51,52を取り出して、注射器64等で輸液容器60に口栓61のところから注入する。 また、薬袋40に遮光指示41が印刷されている場合は、薬袋40を遮光カバーとしても使用するために、ミシン目43のところの剥取可能領域を剥ぎ取って、そこに吊持側穴47を発現させる。 【0040】 そして、点滴時には(図6(c)参照)、輸液容器60に薬袋40を被せて、吊持部63を吊持側穴47から引き出し、その吊持部63を輸液容器60吊下げ用のフック65に掛ける。 こうして、薬袋40が遮光カバーとしても利用される。しかも、薬袋40には薬剤情報44が印刷されているので、輸液ラベル62を輸液容器60から剥がして遮光カバーに貼り替えるといった付帯作業は、行う必要がない。 【実施例2】 【0041】 本発明の実施例2について、遮光薬袋発行機10を組み込んだ自動調剤システムの具体的な構成を、図面を引用して説明する。図7は、(a)が該システムに組み込まれた各装置の概要配置図、(b)が制御系の要部ブロック図である。 この自動調剤システムは、上述した遮光薬袋発行機10に加えて透明薬袋発行機73も組み込んだものであり、遮光カバー兼用可能な薬袋と通常の薬袋との何れかを選択的に発行するようになっている。 【0042】 詳述すると(図7(a)参照)、この自動調剤システムには、空の搬器50を一つずつ送り出す搬器供給装置71と、処方箋や調剤指示箋を印刷発行する72と、遮光カバー兼用可能な薬袋40を発行する上述の遮光薬袋発行機10と、通常の例えば透明な薬袋を発行する透明薬袋発行機73と、注射アンプル等の薬剤51,52を自動で払い出す払出装置74と、輸液ボトル等の輸液容器60を自動で払い出す払出装置75と、薬袋や薬剤を収容した搬器50を収納する搬器収納装置76とが、設けられている。 【0043】 これらの装置は搬送機構18を含む搬器搬送経路(図7(a)では一点鎖線の矢印で図示)に沿って並べられ、そこを搬器50が移動する間に、薬袋や薬剤が搬器50に投入されて収集されるようになっている(例えば特開平11−169436号公報参照)。 なお、透明薬袋発行機73は、予め袋状にしてある透明シート材に薬剤情報を印刷してそれを薬袋に仕上げる既製装置でも良く(特許文献1〜2参照)、遮光薬袋発行機10から第2カッター機構21aを省いたもので良く、後者の場合、部材供給機構13には透明な長尺の薬袋用帯状部材がセットされる。 【0044】 また(図7(b)参照)、自動調剤システム全体の制御を司るメインコントローラ77には薬袋発行機選択プログラムが追加インストールされており、このプログラムが薬袋発行時に起動されるようになっている。 薬袋発行機選択プログラムは、上述した薬品マスター12aと同様の薬品マスター77aを参照し、それに含まれている遮光レベル情報に応じて、遮光カバーが必要なときには調剤指示データを遮光薬袋発行機10に転送し、遮光カバーが不要なときには調剤指示データを透明薬袋発行機73に転送することにより、遮光薬袋発行機10と透明薬袋発行機73とを択一的に動作させるようになっている。 【0045】 この場合、薬袋と同じ搬器50に投入されて薬袋に収容される予定の薬剤に一つでも遮光の必要なものが含まれていると、薬袋発行に際しメインコントローラ77によって透明薬袋発行機73でなく遮光薬袋発行機10が選択され、遮光薬袋発行機10から遮光カバー兼用可能な薬袋40が発行される。これに対し、薬袋と同じ搬器50に投入されて薬袋に収容される予定の薬剤が総て遮光の不要なものであれば、薬袋発行に際しメインコントローラ77によって遮光薬袋発行機10でなく透明薬袋発行機73が選択され、透明薬袋発行機73から通常の安価な透明薬袋が発行される。 そのため、遮光性の薬袋用帯状部材30の使用を必要最小限に抑えることができる。 【0046】 [その他] 上記の実施例2では、遮光薬袋発行機10と透明薬袋発行機73とが別体になっていたが、それらの内部の各機構は一の筐体に格納されていても良い。その場合、薬袋発行機選択プログラムをメインコントローラ77からコントローラ12に移植すると良い。 上記の各実施例では述べなかったが、第1カッター機構16にて切断されるまでの薬袋用帯状部材30の送り量をコントローラ12の制御にて調節することで薬袋40の大きさを変えるようにしても良い(例えば特許文献3参照)。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】本発明の実施例1について、薬袋発行機の全体構造を示し、(a)が正面図、(b)がその右側面図、(c)が薬袋用帯状部材装着時の正面図、(d)がその右側面図である。 【図2】(a)〜(f)何れも要部の正面図であり、薬袋作成時の動作順になっている。 【図3】第2カッター機構21aの構造を示し、(a)が正面図、(b)が底面図である。 【図4】薬袋発行機の制御系の要部の構造を示すブロック図である。 【図5】薬袋の製法や構造を示し、(a)が薬袋用帯状部材の外観図、(b)がそのロールの外観図、(c)が薬袋の外観図である。 【図6】薬袋を遮光カバーにする使用態様を示し、(a)が薬袋及び輸液容器を揃えたところの外観図、(b)が混注時の外観図、(c)が点滴時の外観図である。 【図7】本発明の実施例2について、薬袋発行機を組み込んだ自動調剤システムの構造を示し、(a)が概要配置図、(b)が制御系の要部のブロック図である。 【符号の説明】 【0048】 10…遮光薬袋発行機、 11…筐体、12…コントローラ(制御手段)、 12a…薬品マスター、13…部材供給機構、13a…軸、 14…プリンタ、15…ヒートシール機構、16…第1カッター機構、 17…案内部材、17a…可動片、18…搬送機構、19…引出機構、 20…移載機構、21…掴持子、21a…第2カッター機構、 22…掴持子、23…手部、24…揺動軸、25…進退機構、 30…薬袋用帯状部材、31…管状芯、 40…薬袋、41…遮光指示、42…封着部、43…ミシン目(剥取可能領域)、 44…薬剤情報、45…開口部、46…仮止部、47…吊持側穴、 50…搬器、51,52…薬剤、53…遮光パッケージ、 60…輸液容器、61…口栓(混注部,輸液排出部)、 62…輸液ラベル、63…吊持部、64…注射器、65…フック、 71…搬器供給装置、72…指示箋発行機、73…透明薬袋発行機、 74…払出装置(注射薬等)、75…払出装置(輸液容器)、76…搬器収納装置、 77…メインコントローラ(選択手段)、77a…薬品マスター
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| 【出願人】 |
【識別番号】000151472 【氏名又は名称】株式会社トーショー 【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号
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| 【出願日】 |
平成17年5月17日(2005.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106345 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 香
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| 【公開番号】 |
特開2006−320377(P2006−320377A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−143867(P2005−143867) |
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