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【発明の名称】 薬剤袋詰機および薬袋
【発明者】 【氏名】大村 司郎
【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号 株式会社トーショー内

【氏名】大村 義人
【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号 株式会社トーショー内

【要約】 【課題】薬剤情報印刷済み薬袋に遮光カバーを兼ねさせることで、遮光カバーへのラベル貼付を不要にする。

【解決手段】薬袋用帯状部材60を順に送り出す薬袋供給機構21と、その部材60を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構32と、薬剤情報印刷用プリンタ22と、薬袋開口部封着用シール機構41と、薬剤投入機構13とを備えた薬剤袋詰機10に、ミシン目形成用の第2カッター機構33を設けて、薬袋の縁のうち閉塞状態のところに剥取可能領域を画成する。薬袋用帯状部材60に紫外線遮光性の透明・半透明なシート材を用いて、薬袋に遮光性を持たせる。点滴時に、薬袋から剥取可能領域を剥ぎ取って薬袋に吊持側穴を形成し、薬袋を輸液容器に被せ、輸液容器の吊持部を吊持側穴から突き出させることにより、薬袋を輸液容器の遮光カバーにすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬袋用帯状部材を順に送り出す薬袋供給機構と、前記薬袋用帯状部材を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構と、前記薬袋に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタと、前記薬袋に係る開口部の封着を行うシール機構と、前記薬袋に薬剤を投入する薬剤投入機構とを備えた薬剤袋詰機において、剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴になる剥取可能領域を前記薬袋の縁のうち閉塞状態のところに画成する第2カッター機構を設けたことを特徴とする薬剤袋詰機。
【請求項2】
透明な又は半透明なシート材からなり、投入薬剤の情報が印刷された薬袋において、前記シート材には紫外線遮光性のものが採用されており、縁のうち閉塞状態のところには剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴になる第1剥取可能領域が画成されていることを特徴とする薬袋。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、アンプル・瓶・箱などの容器に入った薬剤や,分包紙・PTPなどで包装された薬剤,その他の薬剤を収納するための薬袋と、そのような薬袋の発行および薬袋への詰め込みを行う薬剤袋詰機とに関する。
また、この発明は、輸液ボトルや輸液バッグ等の輸液容器を吊持して輸液を滴下排出させるときに輸液容器を覆う遮光カバーにも関する。
【背景技術】
【0002】
処方箋や派生した調剤指示箋などに応じて所要の各種薬剤を収納する薬袋には、調剤監査の容易化等のため、透明なシート材が好んで採用されるとともに、投入薬剤の情報が印刷される(例えば特許文献1,2参照)。また、このような薬袋を発行して、それに所要の薬剤を収納する薬剤袋詰機は、透明シート材をロール状にした薬袋用帯状部材を順に解いて送り出す薬袋供給機構と、その送り出された薬袋用帯状部材を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構と、その薬袋に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタと、その薬袋の切断開口部のうち少なくとも底部の縁には封着を行うシール機構と、その薬袋に開口部から薬剤を投入する薬剤投入機構とを備えている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
点滴等で施用される薬剤の場合、大抵、主要成分の薬剤と溶解剤や輸液などとが組で調剤されるが、その際、輸液は、輸液容器のまま用いられて、薬袋に投入されることなく、薬袋に添えられる事がある。そして、施用時には、薬剤が薬袋から取り出されて輸液容器に混注され、その輸液容器が点滴等に供される。薬剤の取り出された薬袋は、不要となり、廃棄される。
【0004】
また、例えばビタミンB12注射薬のような光に不安定な薬剤を混注・混合した輸液を点滴するときには、混注・混合の後、速やかに輸液容器に対し遮光カバーが被せられる。このような遮光カバーとしては、視認用窓を設けた輸液容器用カバーや(例えば特許文献3参照)、輸液バッグの外装袋を兼ねるもの(例えば特許文献4参照)、点滴用包装容器の汚染防止袋を兼ねるもの(例えば特許文献5参照)などが知られているが、何れも、薬袋では無い。
【0005】
【特許文献1】特開2001−212208号公報
【特許文献2】特開2004−148034号公報
【特許文献3】特開2003−275280号公報
【特許文献4】特開2001−252334号公報
【特許文献5】特開平09−117489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の施用手順では、輸液容器の遮光に薬袋とは別個の遮光カバーが用いられるが、そのような遮光カバーには一般に処方箋や調剤指示箋に基づく薬剤情報が印刷されていないことから、点滴等で投与する薬剤内容の確認を可能とするため、薬剤情報の印刷された輸液ラベルを遮光カバーに貼り付ける必要性がある。
しかしながら、輸液ラベルの貼付は、例えば輸液容器に貼付されていた輸液ラベルを剥がして付け替えることや、調剤指示箋や薬袋に薬剤情報を印刷するときなどに予め余分に印刷されたラベルを貼り付けること、手書きのラベルを貼り付けること等で、行われることから、面倒なうえ、付け間違いないよう細心の注意を払わなければならないので、施用者の負担が重い。
そこで、遮光カバーへのラベル貼付を不要にすべく、薬剤情報印刷済み薬袋が遮光カバーを兼ねることができるようにすることが、技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の薬剤袋詰機は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、薬袋用帯状部材を順に送り出す薬袋供給機構と、前記薬袋用帯状部材を切断して薬袋を分離させる第1カッター機構と、前記薬袋に係る薬剤情報の印刷を行うプリンタと、前記薬袋に係る切断部等の開口部の封着を行うシール機構と、前記薬袋に薬剤を投入する薬剤投入機構とを備えた薬剤袋詰機において、剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴になる第1剥取可能領域を前記薬袋の縁のうち閉塞状態のところに画成する第2カッター機構を設けたことを特徴とする。
また、本発明の薬剤袋詰機は(解決手段2)、上記解決手段1の薬剤袋詰機であって、前記第2カッター機構を前記薬袋の投入薬剤に応じて選択的に作動させる制御手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の薬袋は(解決手段3)、透明な又は半透明なシート材からなり、投入薬剤の情報が印刷された薬袋において、前記シート材には紫外線遮光性のものが採用されており、縁のうち閉塞状態のところには剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴になる第1剥取可能領域が画成されていることを特徴とする。
また、本発明の薬袋は(解決手段4)、上記解決手段3の薬袋であって、縁のうち開口状態のところには閉塞性の曲癖が付けられていることを特徴とする。
また、本発明の薬袋は(解決手段5)、上記解決手段4の薬袋であって、縁のうち前記曲癖を付けられたところにも、剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の輸液排出部またはそこから延びた輸液排出具を突き出し可能な穴になる第2剥取可能領域が、画成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このような本発明の薬剤袋詰機にあっては(解決手段1)、従来と同じく、薬袋供給機構と第1カッター機構とプリンタとシール機構とで薬袋用帯状部材から能率良く薬剤情報印刷済み薬袋を発行することができ、さらに、その薬袋に薬剤投入機構で所要の薬剤を詰め込むことができる。しかも、従来は無かった第2カッター機構を設けて、その薬袋の縁のうち閉塞状態のところに剥取可能領域を画成し、この剥取可能領域が薬袋から剥ぎ取られると、そこに輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴が発現するようにしたことにより、その薬袋が、後述するように、遮光カバーを兼用可能な薬剤情報印刷済み薬袋になる。
したがって、この発明によれば、遮光カバーを兼用可能な薬剤情報印刷済み薬袋の発行および薬剤の詰込を行う薬剤袋詰機を実現することができる。
【0010】
また、本発明の薬剤袋詰機にあっては(解決手段2)、前記第2カッター機構を前記薬袋の投入薬剤に応じて選択的に作動させる制御手段を設けたことにより、遮光カバーとして用いる予定の薬袋についてだけ剥取可能領域を画成し、遮光カバーとして用いる予定のない薬袋については剥取可能領域の画成を省くことが可能となる。
これにより、遮光カバー兼用の薬袋にあっては適度な強度と適度な剥取容易性との両立が図られる一方、遮光カバー兼用不要の薬袋は、不測の過剰な外力が作用したような場合でも破れ難い丈夫なものとなる。
したがって、この発明によれば、遮光カバーを兼用可能な薬剤情報印刷済み薬袋の発行もそうでない丈夫な薬袋の発行も可能であって薬剤の詰込も行う薬剤袋詰機を実現することができる。
【0011】
さらに、本発明の薬袋にあっては(解決手段3)、従来と同じく透明または半透明なシート材に処方箋や調剤指示箋からの薬剤情報が印刷されているので調剤監査等が容易に行えるうえ、従来は具わっていなかった紫外線遮光性をシート材に付与するとともに、従来は無かった第1剥取可能領域を薬袋の縁のうち閉塞状態のところに画成し、この剥取可能領域が薬袋から剥ぎ取られると、そこに輸液容器の吊持部を突き出し可能な穴が発現するようにもしたことにより、輸液容器の遮光カバーを兼用可能なものとなっている。
【0012】
すなわち、光に不安定な薬剤を収容した薬袋は、その薬剤の輸液容器への混注・混合の後、捨てられるのでなく、第1剥取可能領域を剥ぎ取られて遮光カバーに変身する。そして、輸液容器に被せられ、第1剥取可能領域の剥取後の穴から輸液容器の吊持部が引き出されて、吊持状態の輸液容器の遮光を行う。
したがって、この発明によれば、遮光カバーを兼用可能な薬剤情報印刷済み薬袋を実現することができる。また、このような薬袋には、遮光カバーへのラベル貼付を不要にするという利点に加えて、遮光カバーの使い捨てが可能で衛生面での向上が期待できるという利点や、遮光カバーを使い捨てにしても無駄は生じないという更なる利点がある。
【0013】
また、本発明の薬袋にあっては(解決手段4)、縁のうち開口状態のところには閉塞性の曲癖が付けられるようにもしたことにより、遮光機能を高めるために薬袋の開口部を閉じるといった付帯作業が省略可能になる又は軽減される。
また、本発明の薬袋にあっては(解決手段5)、やはり従来は無かった第2剥取可能領域を曲癖付き開口部にも画成し、この剥取可能領域が薬袋から剥ぎ取られると、そこに輸液排出のための穴が発現するようにもしたことにより、遮光カバーで覆われた輸液容器に輸液排出具を取り付ける作業についても、負担が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
このような本発明の薬剤袋詰機および薬袋について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜4により説明する。
図1〜4に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜2)を具現化したものであり、図5〜6に示した実施例2は、上述した解決手段4〜5を具現化したものであり、図7の実施例3や、図8の実施例4は、変形例・応用例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、筐体や,ベース,フレーム,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に模式的に図示した。
【実施例1】
【0015】
本発明の薬剤袋詰機および薬袋の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、薬剤袋詰機の機構系の要部構造を示し、(a)が袋詰ユニット内部の全体模式図、(b)が薬剤詰め込み位置近傍の部分図、(c)が移動ブロックの当接面の端面図、(d)が固定ブロックの当接面の端面図である。また、図2は、薬剤袋詰機の制御系の要部の構造を示すブロック図である。
【0016】
この薬剤袋詰機10には(図1参照)、従来同様(例えば特許文献1参照)、薬袋を必要に応じて作成するために、薬袋用帯状部材60を順に送り出す薬袋供給機構21と、処方箋や派生した調剤指示箋に基づいて薬袋に収納しようとしている薬剤の情報たとえば患者名や薬品名等を印刷するプリンタ22と、印刷の済んだ薬袋用帯状部材60を更に送り出すローラ23と、薬剤詰め込み位置の近くで薬袋用帯状部材60を切断して薬袋を分離形成する第1カッター機構32とが設けられている。
【0017】
また、薬剤袋詰機10には、作成した薬袋の口を開けるための開手段として、一対の移動ブロック30と固定ブロック40とが、薬剤詰め込み位置に臨んで設けられている。移動ブロック30は、投入ホッパー13の下方で水平移動可能に支持されており、前進して固定ブロック40に当接し、後退して離れるようになっている。移動ブロック30の当接面には、上述の第1カッター機構32が先端を突き出し可能に埋設されている他、適宜の吸引ポンプ等に接続された吸着ヘッド31も吸着面を露出させて埋設されている。
【0018】
固定ブロック40の当接面にも、同様の吸着ヘッド42が設けられている他、第1カッター機構32当接位置より低い位置および高い位置の双方に分かれてヒートシール機構41,43も設けられている。この例の場合、上側のヒートシール機構43は、切断にて分離された薬袋の切断箇所のうち下側で底になるところを封着させて、その切断箇所を閉塞状態の縁にするべく、接触伝熱部が薬袋の幅より横長になっている。これに対し、下側のヒートシール機構41は、切断にて分離された薬袋の切断箇所のうち上側で薬剤投入口になるところを融着させるものであるが、その投入口が後で薬剤取出口となったときに開け易いよう、その投入口を開口状態の縁にすべく、接触伝熱部が薬袋の横幅より短くなっている。
【0019】
さらに、この薬剤袋詰機10には、バケット11から渡された薬剤を薬袋の口へ導いて薬袋に投入するために、水平搬送用のコンベア12と、袋詰薬剤投入用の投入ホッパー13と、進退ガイド14も設けられている。この進退ガイド14は、投入ホッパー13に沿って往復動可能すなわち上下動可能に設けられており、固定ブロック40と離間状態の移動ブロック30とに上端部分を吸着保持されてその上端の口を開いている薬袋に対して、その開口から進退するようになっている。
【0020】
また、この薬剤袋詰機10の機構系には、従来は無かった第2カッター機構33が設けられている。第2カッター機構33は、図示のような半円形のものでも良く、図示しない例えば「U」,「V」,「コ」,「ヘ」の字状のものでも良いが、一般的な輸液容器の吊持部を突き出し可能な吊持側穴の半分を画成するようになっている。第2カッター機構33の刃は不連続で、その切込痕は、剥取可能領域の剥ぎ取りに好適なミシン目状や破線状になる。第2カッター機構33は、閉塞状態の縁である薬袋の底に対して表裏一緒に切込むことで剥取可能領域および吊持側穴を画成するようになっており、そのため、移動ブロック30において第1カッター機構32より上側に配置され、且つ固定ブロック40のヒートシール機構43に対向しつつも中央部はそれより上側に来るよう配置されている。
【0021】
このような第2カッター機構33や第1カッター機構32さらにはプリンタ22の動作はマイクロプロセッサやシーケンサ等からなるコントローラ15で制御されるが、コントローラ15が薬剤情報の印刷時に参照する薬品マスター16には(図2参照)、各薬剤毎に予め遮光レベルのデータが付加されている。遮光レベルは、遮光の必要が有るか否かの単なるフラグでも良く、遮光の必要性の程度を示す数段階のランク分けや数値でも良く、この例では、少なくとも、点滴時に輸液容器を遮光カバーで覆う必要が有るのか無いのかが判別できれば良い。コントローラ15は、カバーが必要なときには薬袋に遮光指示を印刷するとともに第2カッター機構33を作動させるが、カバーが不要なときには遮光指示の印刷も第2カッター機構33の作動も行わないようになっている。
【0022】
この実施例1の薬剤袋詰機10の動作およびそれを用いた薬袋の製造方法等を、図面を引用して説明する。図3は、薬袋の製法や構造を示し、(a)が薬袋用帯状部材60の外観図、(b)がそのロールの外観図、(c)が薬剤を詰めた薬袋の外観図である。
【0023】
薬剤袋詰機10の使用に先立って、薬袋供給機構21に、ロール状の薬袋用帯状部材60をセットしておく。薬袋用帯状部材60には、透明な又は半透明な薄いシート材からなる長い筒状のものを(図3(a)参照)、平たい帯状にしてから管状芯61に巻き取ったもの等が用いられる(図3(b)参照)。また、薬袋70に遮光カバーとして必要な遮光性を持たせるため、薬袋用帯状部材60には、少なくとも紫外線遮光性を含んだ遮光性のもの例えば橙色ビニールシートが採用される(特許文献3〜5も参照)。
【0024】
そして(図1参照)、薬剤袋詰機10や図示しない上流の薬剤払出装置に処方箋や調剤指示箋のデータが入力されると、それで指定された薬剤のうち薬剤袋詰機10の処理対象の薬剤81,82は、薬剤払出装置からバケット11に入れて払い出され、薬剤袋詰機10に送り込まれる。薬剤袋詰機10の中で、薬剤81,82は、一緒に、コンベア12にて運ばれ、投入ホッパー13に投入される。
また、薬袋用帯状部材60が、薬袋70の形成に必要な長さだけ薬袋供給機構21から繰り出されて、プリンタ22へ送り込まれる。
【0025】
さらに、(図2参照)、調剤指示データを入力した薬剤袋詰機10のコントローラ15では、薬品マスター16の検索が行われて、薬剤81,82に係る薬品名等の薬剤情報74が求められ、その印刷指示がプリンタ22に送出される。その際、薬剤81,82に係る遮光レベルも調べられ、どれか一つでも、点滴時に輸液容器を遮光カバーで覆う必要が有れば、点滴時に遮光を促す遮光指示71の印刷指示もプリンタ22に送出される。
そして(図1参照)、薬袋供給機構21から繰り出された薬袋用帯状部材60に、プリンタ22で薬剤情報74の印刷と遮光指示71の選択的印刷が行われる。
【0026】
印刷の済んだ薬袋用帯状部材60は、更にローラ23によって送られ、適宜なガイド等にて下方へ案内されて、移動ブロック30と固定ブロック40の間隙内に垂れ下がる。そして、移動ブロック30が前進して固定ブロック40に当接し、その状態で、第1カッター機構32と上側のヒートシール機構43とが作動すると、薬袋用帯状部材60の先端部分が切断されて薬袋70一つ分離されるとともに、次の薬袋70の候補部分の底が加熱融着されて、封着部72が全幅に亘って形成される。その際、第2カッター機構33は、遮光レベルを参照したコントローラ15の制御に従って、点滴時に輸液容器を遮光カバーで覆う必要が有るときだけ、作動するので、第1剥取可能領域を画成するミシン目73は遮光の有無に応じて選択的に形成される。
【0027】
それから、吸着ヘッド31,吸着ヘッド42が作動して薬袋70の該当部分がそこに吸着され、その状態で移動ブロック30が後退すると、薬袋70の口が開く。それが十分に開いたところで、進退ガイド14が下降し薬袋70の中へ進行し、さらに、投入ホッパー13から薬剤81,82が薬袋70に投入される。それから、再び移動ブロック30が前進して固定ブロック40に当接し、今度は下側のヒートシール機構41が作動して、薬袋70の投入口76における仮止部75の部分が加熱融着される。そして、吸着ヘッド31,42による吸着が止まり移動ブロック30が後退すると、薬袋70は、コンベア24に移って、下流の適宜な薬袋収納ストッカや調剤監査台などへ運ばれる。
【0028】
こうして発行され薬剤81,82を収納した薬袋70は(図3(c)参照)、少なくとも紫外線遮光性の透明な又は半透明なシート材からなり、投入薬剤81,82の情報が印刷されており、さらに縁のうち閉塞状態のところには剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器の吊持部を突き出し可能な吊持側穴になる第1剥取可能領域がミシン目73で画成されたものとなっている。なお、図示の場合、薬剤81は遮光不要なアンプル剤の例であり、薬剤82は遮光パッケージ83に納められた遮光の必要な薬剤の例である。
【0029】
この実施例1の薬袋70について、その使用態様等を、図面を引用して説明する。図4は、薬袋70を遮光カバーにする使用態様を示し、(a)が薬袋70及び輸液容器90を揃えたところの外観図、(b)が混注時の外観図、(c)が点滴時の外観図である。
【0030】
薬剤81,82が輸液に混注されるものである場合、薬剤81,82を収納した薬袋70は、薬剤情報74に対応する輸液ラベル92の貼付された輸液容器90とセットにされて、点滴に供される(図4(a)参照)。輸液容器90は、図示したのは生理食塩水を収容した輸液ボトルであるが、頭部には、混注部と輸液排出部とを兼ねる口栓91が設けられ、底面には、起立/傾倒の可能な吊持部93が設けられている。
【0031】
混注時には(図4(b)参照)、薬袋70の仮止部75を剥がして投入口76を開け、そこから薬剤81,82を取り出して、注射器94等で輸液容器90に口栓91のところから注入する。
また、薬袋70に遮光指示71が印刷されている場合は、薬袋70を遮光カバーとしても使用するために、ミシン目73のところの第1剥取可能領域を剥ぎ取って、そこに吊持側穴77を発現させる。
【0032】
そして、点滴時には(図4(c)参照)、輸液容器90に薬袋70を被せて、吊持部93を吊持側穴77から引き出し、その吊持部93を輸液容器90吊下げ用のフック95に掛ける。
こうして、薬袋70が遮光カバーとしても利用される。しかも、薬袋70には薬剤情報74が印刷されているので、輸液ラベル92を輸液容器90から剥がして遮光カバーに貼り替えるといった付帯作業は、行う必要がない。
【実施例2】
【0033】
本発明の薬剤袋詰機10および薬袋70の実施例2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図5は、薬剤袋詰機10の機構系の要部構造を示し、(a)が薬剤詰め込み位置近傍の部分図、(b)が移動ブロック30の当接面の端面図である。また、図6は、薬袋70の構造や使用態様を示し、(a)が薬剤81,82を詰めた薬袋70の外観図、(b)が点滴時に遮光のため薬袋70を被せた輸液容器90の外観図である。
【0034】
この薬剤袋詰機10が上述した実施例1のものと相違するのは、移動ブロック30において第2カッター機構33の下方で更に第1カッター機構32よりも下方のところに第3カッター機構35及び折曲用凸部34が設けられている点である。それに伴い、固定ブロック40における折曲用凸部34当接部位には折曲用凹部44が形成されている。
折曲用凸部34には発熱体が付いていて、薬袋用帯状部材60の融着温度よりは低いが曲癖を付けるのには十分な温度まで折曲用凸部34が昇温するようになっている。
【0035】
第3カッター機構35も、第2カッター機構33同様、図示のような半円形のものでも良く、図示しない例えば「U」,「V」,「コ」,「ヘ」の字状のものでも良いが、輸液容器90の口栓91(輸液排出部)又はそこから延びた輸液排出具96を突き出し可能な排出側穴79aになる第2剥取可能領域を画成するためのものなので、それに適合した大きさのミシン目状や破線状の切込痕をつける不連続な刃を具えて、上述した箇所に設けられている。
【0036】
このような薬剤袋詰機10も、上述した実施例1のものと同様、薬袋70を発行して、それに薬剤81,82を収納するが、この場合、薬剤袋詰機10に折曲用凸部34及び第3カッター機構35が付加されているので、薬袋70には、上述した実施例1のものに加えて更に、曲痕78とミシン目79とが形成される。すなわち(図6(a)参照)、この薬袋70は、折曲用凸部34と折曲用凹部44とが当接したときの加温下での強制曲げによって、開口状態の投入口76のところの縁に、閉塞性の曲癖である曲痕78が付けられている。また、その縁には、第3カッター機構35によってミシン目79も形成され、これで、剥ぎ取り可能であって剥ぎ取られると輸液容器90の輸液排出部91又は輸液排出具96を突き出し可能な排出側穴79aになる第2剥取可能領域が画成されている。
【0037】
このような薬袋70も(図6(b)参照)、上述した実施例1と同様、ミシン目73を切り離した吊持側穴77から吊持部93を突き出させることで、遮光カバーに兼用されるが、その際、さらにミシン目79を切り離して排出側穴79aを発現させておき、その排出側穴79aから輸液排出具96等を突き出させると、曲痕78の曲癖によって自然に、輸液排出部でもある投入口76が閉じる。そのため、輪ゴムや粘着テープで投入口76を閉じる作業を行わなくても、遮光性が向上する。
【実施例3】
【0038】
本発明の薬剤袋詰機10および薬袋70の実施例3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図7は、薬剤を詰めた薬袋の外観図であり、(a)は表、(b)は裏である。
【0039】
この薬剤袋詰機10および薬袋70が上述した実施例2のものと相違するのは、薬剤情報74や遮光指示71の印刷が薬袋70の表と裏の両面に行われるようになった点である。
この場合、表と裏とで印刷が上下逆向きになされるので、点滴時等に薬袋70を逆さにしても何れかの印刷情報は自然な向きで読み取ることができる。
【実施例4】
【0040】
本発明の薬剤袋詰機10および薬袋70の実施例3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図8(a)は、薬剤袋詰機10を組み込んだ調剤システムについての平面配置図であり、同図(b)は、遮光カバー兼用の薬袋70とは別体でそれと併用される専用遮光カバー105の外観図である。
【0041】
この調剤システムは(図8(a)参照)、上述した各実施例の薬剤袋詰機10を組み込んだものであり、トレー搬送路100に臨んで、薬剤払出装置101と薬剤袋詰機10と輸液ボトル払出装置103とカバー投入機104とが設置されている。
注射薬等の払出装置101は、遮光の要らない薬剤のみを払い出すときはそれをトレー搬送路100上のトレーに投入するが、遮光の必要な薬剤を含めて払い出すときはそれを薬剤袋詰機10に引き渡すようになっている。
【0042】
薬剤袋詰機10は、上述のようにして遮光の必要な薬剤を薬袋70に収納してから、それをトレー搬送路100上のトレーに投入するようになっている。
輸液容器の払出装置103は、所要量の生理食塩水等を収容した輸液容器と、処方箋や調剤指示箋に基づく薬剤情報を印刷した貼付用の輸液ラベルとを、トレー搬送路100上のトレーに投入するようになっている。
【0043】
カバー投入機104は、薬剤袋詰機10から薬剤投入機構を取り除いたものであり、薬袋70の発行と概ね同様にして、遮光カバー105を発行し(図8(b)参照)、これを、トレー搬送路100上のトレーに投入するようになっている。ただし、遮光カバー105は遮光性に優れていれば不透明でも良く例えば真っ黒でも良く、吊持側穴77や排出側穴79aに相当するところが自動で切り取られており、薬剤情報74が白色等で印刷されている。
【0044】
この場合、遮光カバー105の発行は、薬品マスター16における遮光レベルに極めて高いランクや数値を設定された薬剤を払い出したときだけ行われ、その薬剤を詰め込んだ薬袋70やそれと組になる輸液容器90を収容したトレーにカバー投入機104から遮光カバー105が投入される。
【0045】
そのため、薬袋70で輸液容器を覆っただけでは遮光が不足する場合でも、薬袋70に代えて又は薬袋70に重ねて遮光カバー105を用いることにより、輸液ラベルを輸液容器90から剥がして遮光カバー105に貼り替えるといった作業を行わなくても、薬剤情報74に基づいて点滴等を適切に遂行することができる。
【0046】
[その他]
上記の各実施例では述べなかったが、カットされるまでの薬袋用帯状部材60の送り量をコントローラ15の制御にて調節することで薬袋70の大きさを変えるようにしても良く(例えば特許文献1参照)、薬袋70の発行と薬袋70への薬剤投入とを離れたところで行うようにしても良い(例えば特許文献2参照)。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1について、薬剤袋詰機の機構系の要部構造を示し、(a)が袋詰ユニット内部の全体模式図、(b)が薬剤詰め込み位置近傍の部分図、(c)が移動ブロックの当接面の端面図、(d)が固定ブロックの当接面の端面図である。
【図2】薬剤袋詰機の制御系の要部の構造を示すブロック図である。
【図3】薬袋の製法や構造を示し、(a)が薬袋用帯状部材の外観図、(b)がそのロールの外観図、(c)が薬剤を詰めた薬袋の外観図である。
【図4】薬袋を遮光カバーにする使用態様を示し、(a)が薬袋及び輸液容器を揃えたところの外観図、(b)が混注時の外観図、(c)が点滴時の外観図である。
【図5】本発明の実施例2について、薬剤袋詰機の機構系の要部構造を示し、(a)が薬剤詰め込み位置近傍の部分図、(b)が移動ブロックの当接面の端面図である。
【図6】薬袋の構造や使用態様を示し、(a)が薬剤を詰めた薬袋の外観図、(b)が点滴時に遮光のため薬袋を被せた輸液容器の外観図である。
【図7】本発明の実施例3について、薬剤を詰めた薬袋の外観図であり、(a)は表、(b)は裏である。
【図8】本発明の実施例4について、薬剤袋詰機を組み込んだ調剤システムについて、(a)が平面配置図、(b)が遮光カバーの外観図である。
【符号の説明】
【0048】
10…薬剤袋詰機、
11…バケット、12…コンベア、13…投入ホッパー、14…進退ガイド、
15…コントローラ(制御手段)、16…薬品マスター、
21…薬袋供給機構、22…プリンタ、23…ローラ、24…コンベア、
30…移動ブロック、31…吸着ヘッド、32…第1カッター機構、
33…第2カッター機構、34…折曲用凸部、35…第3カッター機構、
40…固定ブロック、41…ヒートシール機構、42…吸着ヘッド、
43…ヒートシール機構、44…折曲用凹部、
60…薬袋用帯状部材、61…管状芯、
70…薬袋、
71…遮光指示、72…封着部(閉塞状態の縁)、
73…ミシン目(第1剥取可能領域)、74…薬剤情報、75…仮止部、
76…投入口(開口状態の縁)、77…吊持側穴、78…曲痕(閉塞性の曲癖)、
79…ミシン目(第2剥取可能領域)、79a…排出側穴、
81,82…薬剤、83…遮光パッケージ、
90…輸液容器、91…口栓(混注部,輸液排出部)、92…輸液ラベル、
93…吊持部、94…注射器、95…フック、96…輸液排出具、
100…トレー搬送路、
101…払出装置(注射薬等)、103…払出装置(輸液容器)、
104…カバー投入機、105…遮光カバー
【出願人】 【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号
【出願日】 平成17年5月17日(2005.5.17)
【代理人】 【識別番号】100106345
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 香

【公開番号】 特開2006−320376(P2006−320376A)
【公開日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願番号】 特願2005−143826(P2005−143826)