| 【発明の名称】 |
携帯端末利用調剤システム |
| 【発明者】 |
【氏名】大村 義人 【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号 株式会社トーショー内
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| 【要約】 |
【課題】携帯端末50を利用してサーバ20が処方内容の提示と記録データ22の収集とを行う携帯端末利用調剤システムを使い易いものにする。
【解決手段】携帯端末50の無線通信手段51で読み取った識別コードが処方箋のものか調剤指示箋のものかに応じて処方箋の処方内容でも調剤指示箋の処方内容でも携帯情報端末50の画面53に提示する。また、薬袋40などに処方箋データと共に処方箋識別コード41ばかりか調剤指示箋識別コード42,43も印刷する。さらに、調剤サーバ20は、処方箋データ22に対する調剤担当者識別情報および監査担当者識別情報の関連づけを処方箋データ22の各薬剤データ毎に行うようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処方箋データに処方箋識別コードと調剤担当者識別情報と監査担当者識別情報とを関連づけて保持するサーバと、印刷されている識別コードを読み取る読取手段と処方内容を表示可能な画面と無線通信手段と前記読取手段で読み取った識別コードを担当者識別情報と共に前記サーバへ前記無線通信手段にて送信する送信手段と前記無線通信手段にて前記サーバから処方内容を受信して前記画面に表示する受信手段とを有する携帯端末とを備えた携帯端末利用調剤システムにおいて、前記サーバが、前記処方箋データの各薬剤データに調剤指示箋識別コードを関連づけて保持するとともに、前記携帯端末から受信した識別コードが前記処方箋識別コードのときにはそれに関連する処方箋データを選出してその全薬剤データを前記携帯端末へ送信し、前記携帯端末から受信した識別コードが前記調剤指示箋識別コードのときにはそれに関連する薬剤データを抽出してその抽出データを前記携帯端末へ送信するものであることを特徴とする携帯端末利用調剤システム。 【請求項2】 処方箋や薬袋などの印刷用紙に前記処方箋データを印刷するとき前記処方箋識別コードに加えて前記調剤指示箋識別コードをも印刷する印刷装置が設けられたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末利用調剤システム。 【請求項3】 前記サーバが、前記処方箋データに対する前記調剤担当者識別情報および前記監査担当者識別情報の関連づけを前記処方箋データの各薬剤データ毎に行うようになっていることを特徴とする請求項2記載の携帯端末利用調剤システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、調剤行為を支援しつつ記録する調剤システムに関し、詳しくは、調剤作業者に持たせた携帯端末を利用してサーバが処方内容の提示と記録データの収集とを行う携帯端末利用調剤システムに関する。 【背景技術】 【0002】 医療分野では、人手作業中心の医療行為における人災的な事故の発生を防止する等のため、医療従事者に持たせた携帯情報端末(PDA、携帯端末)を利用して医療行為を支援しつつ記録する医療行為管理方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。 一方、調剤分野では、全自動の錠剤分包機や半自動の散薬分包機などの自動調剤機が実用化されているのに加え、それらを適切に且つ効率よく稼働させるために、医療機関のホストコンピュータから処方箋データ等をダウンロードし、そのデータを調剤機の種類に応じて分類してから複数の調剤機に割り当てるといった調剤制御方法も実現されている(例えば特許文献2参照)。 【0003】 とはいえ、調剤の場合も、自動化されないで人手に頼っている作業が未だ多く残っている。例えば散薬の秤量や,自動機に収容されていない薬剤の取り揃え,カテーテル等の医療材料の取り揃え,錠剤の粉砕などは基本的に手作業である。また、自動化可能な調剤作業であっても、小規模薬局等では多くが手作業である。このため、調剤分野でも、調剤ミスの解明と防止を図る等のため、調剤作業者に携帯情報端末を持たせ、その端末を利用して調剤行為を支援しつつ記録する試みがなされている。 【0004】 【特許文献1】特許第2691859号公報 【特許文献2】特開2003−099529公報 (第1頁) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、調剤は、処方箋に従う一連の作業を一人の作業者が遂行するのが基本であるが、薬剤の種類が多いことや機器・設備の設置状況が多岐に及ぶことなどから、処方箋の一部の処方内容を引き継ぐ調剤指示箋を一枚又は複数枚作成し、そのような調剤指示箋に従って複数人の作業者が作業を分担しあうこともある。この場合でも、一の調剤指示箋に係る調剤作業は一人の作業者が完遂するのが原則である。これに対し最終監査は処方箋の総ての内容を一人で確認するのが原則である。処方箋や調剤指示箋の基本単位は薬剤であり、少なくとも同一種の薬剤については一人で処理を完遂しなければならない。 【0006】 しかしながら、原則を貫き通すことのできない例外もある。例えば、同じ薬剤でも一部は錠剤のまま服用し残りは潰して粉にしてから服用するような場合があり、この場合、錠剤を取り揃える担当者と錠剤を粉砕する担当者とが異なるのが通例であるため、同一種の薬剤であっても一人で処理を完遂することができない。また、作業者が否応なしに途中で作業から離れなければならなくなるといった緊急事態・不測の事態も無いとはいえない。 そして、このような例外のときこそ調剤ミスが発生しやすいので有効な対策を講じることが求められる。 【0007】 そこで、調剤作業者に持たせた携帯端末を利用して調剤行為を支援しつつ記録する調剤システムを具現化するに際し、調剤ミスの解明と防止という目的を的確に達成すべく、上述した調剤作業の特質を調剤システムに反映することが重要になる。 具体的には、調剤作業が処方箋や調剤指示箋に従って遂行されていること、調剤の基本単位が原則として薬剤であること、その単位が例外的に薬剤より細かくなりうること等を斟酌して、なるべく多くの事に対処できるよう改良することにより、携帯端末を利用してサーバが処方内容の提示と記録データの収集とを行う携帯端末利用調剤システムを使い易いものにすることが技術的な課題となる。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の携帯端末利用調剤システムは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、処方箋データに処方箋識別コードと調剤担当者識別情報と監査担当者識別情報とを関連づけて保持するサーバと、印刷されている識別コードを読み取る読取手段と処方内容を表示可能な画面と無線通信手段と前記読取手段で読み取った識別コードを担当者識別情報と共に前記サーバへ前記無線通信手段にて送信する送信手段と前記無線通信手段にて前記サーバから処方内容を受信して前記画面に表示する受信手段とを有する携帯端末とを備えた携帯端末利用調剤システムにおいて、前記サーバが、前記処方箋データの各薬剤データに調剤指示箋識別コードを関連づけて保持するとともに、前記携帯端末から受信した識別コードが前記処方箋識別コードのときにはそれに関連する処方箋データを選出してその全薬剤データを前記携帯端末へ送信し、前記携帯端末から受信した識別コードが前記調剤指示箋識別コードのときにはそれに関連する薬剤データを抽出してその抽出データを前記携帯端末へ送信するものであることを特徴とする。 【0009】 また、本発明の携帯端末利用調剤システムは(解決手段2)、上記解決手段1の携帯端末利用調剤システムであって、処方箋や薬袋などの印刷用紙に前記処方箋データを印刷するとき前記処方箋識別コードに加えて前記調剤指示箋識別コードをも印刷する印刷装置が設けられたことを特徴とする。 【0010】 さらに、本発明の携帯端末利用調剤システムは(解決手段3)、上記解決手段2の携帯端末利用調剤システムであって、前記サーバが、前記処方箋データに対する前記調剤担当者識別情報および前記監査担当者識別情報の関連づけを前記処方箋データの各薬剤データ毎に行うようになっていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0011】 このような本発明の携帯端末利用調剤システムにあっては(解決手段1)、調剤時および監査時に、その作業を担当する調剤作業者が携帯端末に識別コードを読み取らせると、その識別コードが、予め設定しておいた又は同じ携帯端末に読み取らせて得た担当者識別情報と共に、サーバに無線で通知される。これにより記録データがサーバに収集され、サーバから携帯端末へ処方内容の提示が行われるが、その際、識別コードが処方箋識別コードのときには、それに関連する処方箋データの全薬剤データが、サーバから携帯端末に無線送信され、携帯端末の画面に表示される。また、識別コードが調剤指示箋識別コードのときには、それに関連する薬剤データが抽出され、その抽出データが携帯端末に画面表示される。 【0012】 このように、調剤作業者に持たせた携帯端末を利用して処方内容の提示と記録データの収集とを行う際に、携帯端末で読み取った識別コードが処方箋のものか調剤指示箋のものかに応じて処方箋の処方内容でも調剤指示箋の処方内容でも提示できるようにしたことにより、処方箋および調剤指示箋に従って遂行されている現状の調剤作業に携帯端末利用調剤システムを導入しても、作業手順が乱れることが無く、作業者に違和感を抱かせることも無い。 したがって、この発明によれば、携帯端末を利用してサーバが処方内容の提示と記録データの収集とを行う携帯端末利用調剤システムを使い易いものにすることができる。 【0013】 また、本発明の携帯端末利用調剤システムにあっては(解決手段2)、処方箋や薬袋などに処方箋データと共に処方箋識別コードばかりか調剤指示箋識別コードも印刷されるようにしたことにより、調剤時には作業者の手元にあるのが当たり前の処方箋や薬袋などから適宜な識別コードを選んでそれを携帯端末に読み取らせれば、処方箋の処方内容を全表示することも、それを調剤指示箋対応で分割して所望の調剤指示箋の処方内容を選択表示することもできる。 【0014】 このように、処方箋データ印刷内容の確認や、調剤作業・監査作業における各薬剤についての調剤確認や監査結果の情報入力などのため、識別コードの読取が必要になったときには、直ちに所望の識別コードを携帯端末に読み取らせることができるようにしたので、処方箋および調剤指示箋に従って遂行されている現状の調剤作業に携帯端末利用調剤システムを導入したときの利便性が一段と高まる。 したがって、この発明によれば、携帯端末を利用してサーバが処方内容の提示と記録データの収集とを行う携帯端末利用調剤システムを一層使い易いものにすることができる。 【0015】 さらに、本発明の携帯端末利用調剤システムにあっては(解決手段3)、処方箋データに対する調剤担当者識別情報および監査担当者識別情報の関連づけがサーバによって処方箋データの各薬剤データ毎に行われるようにしたことにより、例えば調剤作業における原則的な基本単位である薬剤ごとに調剤担当者や監査担当者が替わってしまったような場合でも、そのことを的確に記録することができるので、記録データに基づく調剤ミスの原因解明の精度向上などに資することとなる。 したがって、この発明によれば、処方内容の提示と記録データの収集とを行い而も使い易い携帯端末利用調剤システムであって記録データの有用性の高いものを実現することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 このような本発明の携帯端末利用調剤システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜2により説明する。 図1〜4に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものであり、図5に示した実施例2は、その変形例である。 【実施例1】 【0017】 本発明の携帯端末利用調剤システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、その全体構造を示すブロック図であり、図2(a)及び図3(b)は、処方箋データの構成図である。 【0018】 この携帯端末利用調剤システムは(図1参照)、ハブ25(HUB)を介してLAN(Local Area Network)接続された調剤サーバ20とアクセスポイント30と薬袋印刷装置31と、そのアクセスポイント30に無線で接続される携帯情報端末50とからなり、調剤サーバ20には、処方箋データの入力のために、例えば処方オーダーエントリシステム10がネットワーク接続されたり図示しない処方箋読取装置が接続される。印刷装置31は自動調剤機32や,調剤台33,監査台34等と同じく調剤室に設置され、これらは調剤作業の動線に沿って配置される。オンライン動作可能な自動調剤機32は印刷装置31と同じくハブ25でLAN接続されるが、オフラインの調剤台33と監査台34の近くにはアクセスポイント30が設置される。携帯情報端末50は、調剤担当者と監査担当者とを含む作業者全員に行き渡るよう、複数台・多数台が用意され、アクセスポイント30との通信可能範囲内で使用されるようになっている。 【0019】 調剤サーバ20のハードウェアは、汎用のコンピュータで良く、処方箋データ及び記録データを蓄積可能なハードディスク21等の記憶手段と、ハブ25でのLAN接続や処方オーダーエントリシステム10とのネットワーク接続の機能とが付いていれば足りる。 ハブ25は、有線LANを構築できれば市販の汎用的なスイッチングハブ等で良く、アクセスポイント30も、無線LANを構築できれば汎用の市販品で足りる。 監査台34は、調剤の済んだ薬剤を広げて処方箋と突き合わせ確認を行えれば単なる作業台で足りるが、搬送装置や,監査支援装置,計数監査装置などが付設されていても良い(例えば特開平11−206856号,特開2002−279068号公報を参照)。 【0020】 調剤台33は、各種の薬剤を収納しておける棚等の収納部と、必要な薬剤を取り出して薬袋やトレーに収集する作業台等の作業場所とがあれば足りるが、例えば散薬用の調剤台では電子天秤や半自動の散薬分包機が組み合わさっていても良く(例えば特開2002−85523号公報を参照)、PTP(Press Through Pack)包装の薬剤用の調剤台では指定枚数を自動で取り出してくれる薬剤払出装置が付いていても良く(例えば特開2000−167023号公報を参照)、注射薬の調剤台では整列収納のカセットからワンタッチで取り出せる薬剤収納装置を机上に置いたものでも良い(例えば特開2001−198190号公報を参照)。 【0021】 自動調剤機32は、例えば全自動錠剤分包機などで(例えば特開平11−226088号公報を参照)、適合する分類データ即ち該当調剤指示箋データを調剤サーバ20から受信するとこれに従い自動で必要量の薬剤を取り揃えるようになっている。 薬袋印刷装置31には、薬袋40を印刷用紙として少なくとも片面に印刷を行えるプリンタが採用され(例えば特許第2905460号公報を参照)、ここでは、患者名や薬品名などの処方箋データを印刷するとき、それに加えて、処方箋識別コード41と調剤指示箋識別コード42,43もバーコードで印刷するようになっている。処方箋識別コード41は処方箋ごとに割り振られ、調剤指示箋識別コード42,43は調剤指示箋ごとに割り振られるようにもなっている。処方箋識別コードは処方箋を一意に特定するため割り振られた番号等であり、調剤指示箋識別コードは調剤指示箋を一意に特定するため割り振られた番号等である。 【0022】 携帯情報端末50は、アクセスポイント30との無線通信を担う無線通信手段51と、薬袋40に印刷されている識別コード41,42,43を読み取ることのできるバーコードリーダ52(読取手段)と、処方箋や調剤指示箋の処方内容を表示することのできる例えば液晶の画面53と、選択や確認その他の指示を入力するための操作部材54とが組み込まれたプログラム可能な携帯端末であれば、市販の汎用品で良い(例えば特許文献2参照)。携帯情報端末50には、基本処理のプログラムに加えて拡張処理のプログラムもインストールされている。 【0023】 携帯情報端末50は、基本処理のプログラムを実行することによって、調剤モードへの動作モード切替を兼ねる調剤担当者識別情報の設定と、監査モードへの動作モード切替を兼ねる監査担当者識別情報の設定と、それらの解除と、バーコードリーダ52で識別コードを読みとらせるとこの読み取った識別コードを担当者識別情報と共に調剤サーバ20へ無線通信手段51にて送信すること(送信手段)と、無線通信手段51にて調剤サーバ20から処方内容を受信するとこの受信した処方内容を画面53に表示すること(受信手段)と、操作部材54の操作に応じて画面53の表示項目の選択や,その選択項目に関する調剤確認の情報入力,監査結果の情報入力,分割指示などを入力することが、行えるようになっている。調剤確認や監査結果の情報入力がなされると、表示内容に係る処方箋識別コード又は調剤指示箋識別コードと選択中の薬剤コードと担当者識別情報とを調剤サーバ20へ送信するようにもなっている。 【0024】 また、携帯情報端末50は、拡張処理のプログラムを実行することによって、調剤モード下で薬剤の選択と調剤確認の情報入力とを受け付けている最中に、操作部材54の特定キー押下や特定手順の操作にて分割指示が入力されると、調剤確認の情報入力を中断し、念のため分割指示の再入力を求める。そして、それも入力されると、そのときに選択されていた薬剤について処方されている数量のうち一部分だけ先行して調剤済みとする数量(以下、分割分の数量)の入力を求め、更にそれが入力されると、分割入力のあった旨の情報と分割分の数量と表示対象の処方箋識別コード又は調剤指示箋識別コードと選択中の薬剤コードと担当者識別情報とを調剤サーバ20へ送信するようになっている。調剤済みとされずに残った数量分については、後で調剤サーバ20から処方内容を受信したときに、処方内容の画面表示や,薬剤の選択,確認入力が行えるとともに、更なる分割指示も入力することができるようになっている。 【0025】 さらに、携帯情報端末50は、監査モード下で薬剤の選択と監査結果の情報入力とを受け付けるとき、調剤サーバ20から受信して画面53に表示している薬剤のうち調剤時分割データの付いている薬剤について(具体的には後述する分割状態の値が「無」でなく「親」や「子」になっている薬剤について)は、その調剤時分割データに基づく分割状態の確認を求めるようになっている。確認は、単に確認したことの入力を求めるのでも良いが、ここでは念入りに、分割前の総数も分割後の各数量も確認するようになっている(具体的には後述する分割状態が「親」のデータ表示に基づいて総数の確認をとるとともに、分割状態が「子」のデータ表示もそれぞれ行いそれに基づいて分割分の数量についても確認をとるようになっている)。 【0026】 そして、それぞれの確認が得られる度に、表示内容に係る処方箋識別コード又は調剤指示箋識別コードと選択中の薬剤コードと担当者識別情報とを調剤サーバ20へ送信するようになっている。 この場合も、上述の場合も、携帯情報端末50から調剤サーバ20に通知される担当者識別情報は、動作モードが調剤モードなら調剤担当者を特定するための調剤担当者識別情報であり、動作モードが監査モードなら監査担当者を特定するための監査担当者識別情報である。 【0027】 これらを通信にて統合管理するため調剤サーバ20には適宜なファイル管理機能やデータベースが組み込まれており、ハードディスク21に複数・多数の処方箋データ22が記憶保持されている。処方箋データ22には、処方箋を特定するための処方箋識別コードと、処方内容を示す薬剤データと、図示しない患者特定情報などが含まれている。薬剤データには、薬剤を特定する薬剤コードと、その服用量・施用量を示す数量とが含まれており、そのような薬剤データは、処方に応じて各処方箋データ22に一組または複数組が含まれる。さらに、処方箋データ22には、薬剤データ毎に調剤指示箋識別コードと調剤担当者識別情報と監査担当者識別情報も含まれており、これらが直接的態様で関連づけられている。 【0028】 このような処方箋データ22を保持する調剤サーバ20は、プログラム処理によって、処方オーダーエントリシステム10等から処方箋データを受け取ると、それをハードディスク21に蓄積するが、その際、処方箋データ22の薬剤コードそれぞれに調剤指示箋識別コードを付すようになっている。適切な調剤指示箋識別コードの生成の前提となる薬剤の分類は、処方箋データを調剤機の種類に応じて分類してから複数の調剤機に割り当てるという公知の調剤制御方法(特許文献1参照)等で実現されている。ハードディスク21に処方箋データ22を蓄積するとき又はスケジュール等に基づいて後に、処方箋データ22を薬袋印刷装置31へ送って薬袋の印刷を行わせるようにもなっている。 【0029】 また、調剤サーバ20は、携帯情報端末50から識別コードを読み取ったことの通信電文を受信すると、その識別コードが処方箋識別コードなのか調剤指示箋識別コードなのかを調べ、それが処方箋識別コードのときには、それに関連する処方箋データ22を選出して、その全薬剤データを携帯端末50へ送信するようになっている。これに対し、携帯情報端末50から受信した識別コードが調剤指示箋識別コードのときには、それに関連する薬剤データを処方箋データ22から抽出して、その抽出データを携帯端末50へ送信するようになっている。何れの場合も、送信先の携帯端末50は、識別コードを読み取って送ってきた携帯情報端末50である。 【0030】 さらに、調剤サーバ20は、処方箋データ22における薬剤データのうち上述のように携帯情報端末50で調剤確認の情報入力を分割して行われたデータについては、その分割状態を示す調剤時分割データを関連づけるとともに、その分割に対応させて調剤担当者識別情報および監査担当者識別情報の関連づけを複数行うようになっており、それを可能とするために、処方箋データ22には(図2(a),図3(b)参照)、薬剤データ毎に、分割状態のデータ項目(調剤時分割データ)が確保されており、分割がなければ分割状態の値が「無」にされ、分割があると分割対象となったところは分割状態の値が「親」にされ、分割にて派生した増加分(分割拡張データ、調剤時分割データ)は親の直ぐ後に挿入追加されその分割状態の値は「子」にされるようになっている。 【0031】 また、処方箋データ22は分割状態の値が「親」のところだけでなく「子」のところも個々に調剤担当者識別情報および監査担当者識別情報を含められるようになっており、それを利用して調剤サーバ20は、処方箋データ22における薬剤データのうち携帯端末50で調剤確認の情報入力を分割して行われたデータについては、上述したように分割状態を示す調剤時分割データを関連づけるに止まらず、調剤担当者識別情報および監査担当者識別情報の関連づけを複数行うようになっている。 【0032】 この実施例1の携帯端末利用調剤システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、通常の動作状態を示し、(a)が処方箋データ、(b)が錠剤の分包例、(c)が処方箋データ、(d)がカプセル剤のPTP包装例、(e)が処方箋データである。図3は、分割を伴う動作状態を示し、(a)がカプセル剤のPTP包装例、(b)〜(d)が処方箋データである。図4は、他の動作状態を示し、(a),(b)共に処方箋データである。 【0033】 先ず(図2参照)、調剤および監査が原則通り行われる場合、すなわち、調剤時には一の調剤指示箋に係る調剤作業を一人の調剤担当者が完遂し、最終監査時には処方箋の総ての内容を一人の監査担当者が確認する場合について、作業手順や装置動作を説明する。 新たに届いた処方箋データ22は、調剤サーバ20によって、各薬剤データ毎に適宜な調剤指示箋識別コードが付され、ハードディスク21に蓄積される。 【0034】 この例では(図2(a)参照)、処方内容が薬剤コード“A1”,“A2”,“A3”,“A4”の四種類であったところ、コード“A1”,“A2”の薬剤には自動調剤機32に係る調剤指示箋識別コード“B1”が割り振られ、コード“A3”,“A4”の薬剤には調剤台33に係る調剤指示箋識別コード“B2”が割り振られている。また、その処方箋データ22には、薬剤データに対して調剤担当者識別情報と監査担当者識別情報と調剤時分割データとを関連づけるのを可能にするため、各薬剤データ毎にそれらの項目も確保されているが、調剤担当者識別情報は“−”に、監査担当者識別情報も“−”に、分割状態は「無」に、値が初期化される。 【0035】 この処方箋データ22に調剤の番が巡ってくると、その処方箋データ22が薬袋印刷装置31に送信されて、薬袋40に処方箋の処方内容と共に処方箋識別コード41と調剤指示箋識別コード42と調剤指示箋識別コード43とが印刷される(図1参照)。それらのコード41〜43は印刷箇所が違えられており、一つしかない処方箋識別コード41は左上に印刷され、複数ありうる調剤指示箋識別コード41,42は左下と右下に分かれて印刷される。具体的には、調剤指示箋識別コード41として“B1”が印刷され、調剤指示箋識別コード42として“B2”が印刷される。 【0036】 その処方箋データ22は調剤サーバ20からLAN接続されている自動調剤機32にも送信される。自動調剤機32には、処方箋データ22全部でなく、自動調剤機32に適合している調剤指示箋識別コードB1の部分だけ、すなわち薬剤コードA1,A2を含んだ調剤指示箋B1のデータが、送信される。 コードA1,A2の薬剤が自動調剤機32により全自動で調剤されると(図2(b)参照)、自動調剤機32の装置識別コード“C1”が自動調剤機32から調剤サーバ20へ送信され、調剤サーバ20によって、その値“C1”が、コードA1,A2の薬剤に関連する調剤担当者識別情報として、処方箋データ22の該当関連項目に書き込まれる(図2(c)参照)。 【0037】 コードA3,A4の薬剤は(図2(d)参照)、手作業で取り揃えなればならないので、携帯情報端末50を持った作業者が調剤台33のところで作業する。調剤作業者は、作業開始前に操作部材54を操作して携帯情報端末50に自己の識別コード“C2”を設定しておき、調剤時には、バーコードリーダ52で携帯情報端末50に薬袋40の調剤指示箋識別コード43を読み取らせる(図1参照)。そうすると、その識別コードが携帯情報端末50から調剤サーバ20に送信され、その返信として調剤指示箋B2の処方内容が調剤サーバ20から携帯情報端末50に送信され画面53に表示される。具体的には、調剤指示箋識別コード“B2”が関連づけされている薬剤コードA3,A4の薬品名や数量が表示される。 【0038】 それを見て又は紙の調剤指示箋を見る等して、作業者は、コードA3の薬剤を取り揃えて薬袋40に納め、それから操作部材54を操作して画面53上でコードA3の薬剤を選択するとともに調剤確認の情報入力を行う。続けて、コードA4の薬剤についても、同様の作業を行う。そうすると、その薬剤選択および調剤確認の情報が調剤作業者の識別コード“C2”と共に携帯情報端末50から調剤サーバ20へ送信され、調剤サーバ20によって、そのコード値“C2”が、コードA3,A4の薬剤に関連する調剤担当者識別情報として、処方箋データ22の該当関連項目に書き込まれる(図2(e)参照)。こうして、一つの処方箋の調剤が完了する。 【0039】 調剤の済んだ薬剤が薬袋40と共に又は薬袋40に収容されて監査台34に届けられると、その最終監査が監査作業者によって行われるが、監査作業者は、調剤作業者とは別の携帯情報端末50を持っており、その携帯情報端末50に自己の識別コード“D1”を設定している。監査を行うとき、監査作業者は、処方箋を見たければ薬袋40の処方箋識別コード41を携帯情報端末50に読み取らせ、調剤指示箋B2を見たければ薬袋40の調剤指示箋識別コード42を携帯情報端末50に読み取らせ、調剤指示箋B1を見たければ薬袋40の調剤指示箋識別コード41を携帯情報端末50に読み取らせる。そうすれば、調剤サーバ20と携帯情報端末50との協動によって、所望の処方内容が携帯情報端末50の画面53に表示される(図1参照)。 【0040】 そして、その画面表示を見て、監査作業者は、操作部材54を操作して画面53上で適宜な薬剤を選択するとともに、実際に調剤された薬剤と突き合わせチェックして、その監査結果の情報入力を携帯情報端末50に行う。そのような薬剤選択とチェックと結果入力が各薬剤について繰り返えされると、その薬剤選択および監査結果の情報が監査作業者の識別コード“D1”と共に携帯情報端末50から調剤サーバ20へ送信され、調剤サーバ20によって、そのコード値“D1”が、薬剤コードA1,A2,A3,A4に関連する監査担当者識別情報として、処方箋データ22の該当関連項目に書き込まれる(図2(e)参照)。こうして、一つの処方箋の監査も完了する。 【0041】 以上は調剤および監査が原則通り行われたときの例であり、原則通りであれば他の処方箋につても同様のことが繰り返されるが、以下、例外的な場合の作業手順や装置動作を説明する。 コードA3の薬剤が例えばPTP包装のカプセル剤であり(図3(a)参照)、処方数量“42”個が39個と残りの3個に分割して調剤される例を説明する。この分割では調剤作業者も異なっている。それ以外は上述の例と同じであり、コードA3の薬剤を39個だけ薬袋40に収集したところで、やむなく調剤作業者が識別コード“C2”の者から識別コード“C3”の者に交代するものとする。 【0042】 その場合、識別コード“C2”の調剤作業者は、画面53上でコードA3の薬剤を選択して携帯情報端末50に分割指示を与える。再入力の求めにも応じ、分割分の数量すなわち42個のうち先行して調剤済みとする数量として39個を指定する。そうすると、分割入力のあった旨の情報と分割分の数量“39”と表示対象の調剤指示箋識別コード“B2”又は処方箋識別コードと選択中の薬剤コード“A3”と調剤担当者識別情報“C2”が携帯情報端末50からサーバ20へ送信される。 【0043】 これを受信した調剤サーバ20によって、該当する処方箋データ22について分割対応の拡張処理が施される。具体的には(図3(b)参照)、コードA3の薬剤に関連する分割状態の値が「親」にされ、薬剤コードA3を含む組データと薬剤コードA4を含む組データとの間に二ブロックの組データ(分割拡張データ)が挿入追加され、そのうち一ブロック目は、数量が“39”、調剤担当者識別情報が“C2”、分割状態が「子」にされる。二番目の追加ブロックは、数量が“3”、調剤担当者識別情報が“−”、分割状態が「子」にされる。 【0044】 それから、識別コード“C3”の調剤作業者が、コードA3の薬剤について残りの3個を薬袋40に納め、それに対応する調剤確認の情報入力を携帯情報端末50で行い、さらに調剤指示箋識別コードB2の同じコードA4の薬剤についても同様の作業を行うと、それに対応した処方箋データ22へのデータ記録がサーバ20によって行われる。具体的には(図3(c)参照)、調剤作業者の識別コード“C3”が、コードA3の薬剤の分割にて追加された二ブロック目における調剤担当者識別情報として、及び薬剤コードA4に関連する調剤担当者識別情報として、処方箋データ22の該当関連項目に書き込まれる。こうして、この場合も、一つの処方箋の調剤が完了する。 【0045】 この調剤済み薬剤についても、識別コード“D1”の監査作業者によって、上述したように一人で、処方箋データ22の全薬剤が監査されるが、調剤時に分割のあったコードA3の薬剤については念入りな監査が行われる。すなわち、コードA1,A2,A3の薬剤それぞれに上述の監査作業が行われると、薬剤コードA1,A2,A3に関連する監査担当者識別情報として、監査作業者の識別コード“D1”が処方箋データ22の該当関連項目に書き込まれるが(図3(c)参照)、コードA3の薬剤については分割にて派生した増加分(分割拡張データ)についても分割状態に対応した監査結果の情報入力が求められる。そのため、42個のうちの39個に対する監査結果と、残りの3個に対する監査結果も、監査作業者が携帯情報端末50に情報入力しないと、コードA3の薬剤の監査を終えることができない。そして、それを入力し、さらにコードA4の薬剤にも上述の監査作業が行われると、該当処方箋データ22の監査担当者識別情報が総て“D1”になり(図3(d)参照)、一つの処方箋の監査が完了したことが記録される。 【0046】 その他の例外的な場合も説明する。調剤作業者が交代する必要がなくても同一薬剤について分割を伴った調剤確認の情報入力を行うことが有用である場合を述べる。ここでも(図3(a)参照)、コードA3の薬剤がPTP包装のカプセル剤であり、42個のうち39個はシートで纏まっているが、残りの3個は切り残し品でバラバラになっているものとする。このような場合、識別コード“C2”の調剤作業者が、コードA3の薬剤について薬剤選択と調剤確認の情報入力を39個と3個に分割して行っておけば、該当処方箋データ22に分割対応の拡張処理が施され、そこに、そのときの分割状態を示す調剤時分割データが関連づけられる(図4(a)参照)。 【0047】 そして、監査時には、上述したのと同様、調剤時に分割のあったコードA3の薬剤については念入りな監査が行われる。そのため、調剤作業者が監査作業者に注意を促すことが簡便かつ自然に行える。 なお、同じ薬剤を一部は錠剤のまま用い残り別の担当者が粉砕して調剤するような場合は、上述した例外的な二ケースの何れか又は中間の作業手順等で処理できるので、やはり同一薬剤について分割を伴った調剤確認の情報入力が行われる。 その他、一の処方箋について監査作業者が途中交代したような場合も、例えばコードA3の薬剤からコードA4の薬剤に移るときにやむなく監査作業者が識別コード“D1”の者から識別コード“D2”の者に交代した場合も、そのことが的確に記録される(図4(b)参照)。 【実施例2】 【0048】 本発明の携帯端末利用調剤システムの実施例2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図5は、その構造を示し、(a)がサーバ部分のブロック図、(b)がデータ構造図である。 この携帯端末利用調剤システムが上述した実施例1のものと相違するのは、調剤時分割データ及び調剤指示箋識別コードが各薬剤データ毎に間接的態様で関連づけられている点である。 【0049】 詳述すると、コードA3の薬剤について薬剤選択と調剤確認の情報入力を39個と3個に分割して行ったときに追加される分割拡張データ23が、処方箋データ22から分離して保持され例えば専用の別ファイル内にデータ領域が確保され、そこを指すポインタが分割状態の値に書き込まれるようになっている。 また、調剤指示箋データ24も、処方箋データ22や分割拡張データ23と別のところに確保され、調剤指示箋識別コードそれぞれに処方箋識別コードと複数の薬剤コードが組み合わせられて各レコードが構成されている。 【0050】 [その他] 上記実施例では、自動調剤のとき調剤担当者識別情報として装置識別コードが自動で書き込まれるようになっていたが、自動調剤機32のところでも携帯情報端末50が使えるようにして自動調剤のときにも作業者の識別コードを書き込むようにしても良い。装置識別コードと作業者の識別コードを共に書き込むようにしても良い。 識別コードの印刷は、通常の一次元バーコードに限らず、二次元コードでも良く、OCRフォントの文字でも良い。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】本発明の実施例1について、携帯端末利用調剤システムの全体構造を示すブロック図である。 【図2】通常の動作状態を示し、(a)が処方箋データ、(b)が錠剤の分包例、(c)が処方箋データ、(d)がカプセル剤のPTP包装例、(e)が処方箋データである。 【図3】分割を伴う動作状態を示し、(a)がカプセル剤のPTP包装例、(b)〜(d)が処方箋データである。 【図4】他の動作状態を示し、(a),(b)共に処方箋データである。 【図5】本発明の実施例2について、携帯端末利用調剤システムの構造を示し、(a)がサーバ部分のブロック図、(b)がデータ構造図である。 【符号の説明】 【0052】 10…処方オーダーエントリシステム、 20…調剤サーバ、21…ハードディスク、22…処方箋データ、 23…分割拡張データ、24…調剤指示箋データ、25…ハブ(有線LAN)、 30…アクセスポイント(無線LAN)、 31…薬袋印刷装置、32…自動調剤機、33…調剤台、34…監査台、 40…薬袋、41…処方箋識別コード、42,43…調剤指示箋識別コード、 50…携帯情報端末(PDA、携帯端末)、51…無線通信手段(無線LAN)、 52…バーコードリーダ(読取手段)、53…画面、54…操作部材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000151472 【氏名又は名称】株式会社トーショー 【住所又は居所】東京都大田区東糀谷3丁目13番7号
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| 【出願日】 |
平成17年3月11日(2005.3.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106345 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 香
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| 【公開番号】 |
特開2006−247150(P2006−247150A) |
| 【公開日】 |
平成18年9月21日(2006.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2005−68453(P2005−68453) |
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