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【発明の名称】 医療用容器
【発明者】 【氏名】知久 一雄

【氏名】坂口 至

【要約】 【課題】薬剤投与準備前に薬剤投与を防止し、かつ薬剤投与準備が容易な連通阻害用部材及び連通阻害用部材を有する医療用容器を提供する。

【解決手段】医療用容器1は、剥離可能な仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤5、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6と、第1の薬剤室3と連通する排出ポート7と、軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害するための連通阻害用部材14とを備える。連通阻害用部材14は、軟質バッグ2を狭圧しバッグ内と排出ポート7との連通を阻害する狭圧部15,16と、狭圧状態保持部17とを備える。狭圧部15,16による狭圧状態は、薬剤室の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより解除されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室と第2の薬剤室とに区分された軟質バッグと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、前記第1の薬剤室と連通するように取り付けられた排出ポートと、前記軟質バッグに取り付けられ該軟質バッグ内と排出ポートとの連通を阻害するための連通阻害用部材とを備える医療用容器であって、前記連通阻害用部材は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面と他方の面とから狭圧し前記軟質バッグと排出ポートとの連通を阻害するための狭圧部と、該狭圧部による狭圧状態を保持するための狭圧状態保持部とを備え、前記狭圧部による狭圧状態は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室の押圧による前記仕切用弱シール部の剥離と同時もしくは該剥離に続く、前記軟質バッグの広がりにより前記狭圧部が押し広げられることにより解除されるものであることを特徴とする医療用容器。
【請求項2】
前記狭圧部は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面と他方の面から狭圧するための第1の狭圧部と第2の狭圧部とを備えている請求項1に記載の医療用容器。
【請求項3】
前記狭圧状態保持部は、前記狭圧状態を保持した状態で前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部とを連結する連結部であり、該連結部は、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部とが押し広げられることにより連結を解除するものである請求項1または2に記載の医療用容器。
【請求項4】
前記狭圧状態保持部は、前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部との間に設けられ、前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部との狭圧状態を保持するものであり、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部とが押し広げられることにより破断される破断可能部である請求項1または2に記載の医療用容器。
【請求項5】
前記連通阻害用部材は、前記排出ポートの排出口への外部からの挿通を阻害するように前記排出口の周りを覆う阻害部を備え、前記連通阻害用部材は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室の押圧による前記仕切用弱シール部の剥離と同時もしくは該剥離に続く、前記軟質バッグの広がりにより前記狭圧部が押し広げられることにより前記軟質バッグから取り外し可能となっている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項6】
内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室と第2の薬剤室とに区分された軟質バッグと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、前記第1の薬剤室と連通するように取り付けられた排出ポートと、該軟質バッグに取り付けられ前記排出ポートの排出口への外部からの挿通を阻害するための排出阻害用部材とを備える医療用容器であって、該排出阻害用部材は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面側および他方の面側から挟む挟み部と、該挟み部による前記軟質バッグの挟み状態を保持するための挟み状態保持部と、前記排出ポートの排出口への外部からの挿通を阻害するように前記排出口の周りを覆う阻害部とを備え、該挟み状態保持部は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室の押圧による前記仕切用弱シール部の剥離と同時もしくは該剥離に続く、前記軟質バッグの広がりにより前記挟み部が押し広げられることにより解除され、前記阻害用部材が前記軟質バッグから取り外し可能となるものであることを特徴とする医療用容器。
【請求項7】
前記挟み部は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面側と他方の面側から挟むための第1の挟み部と第2の挟み部とを備えている請求項6に記載の医療用容器。
【請求項8】
前記挟み状態保持部は、前記挟み状態を保持した状態で前記第1の挟み部と前記第2の挟み部とを連結する連結部であり、該連結部は、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の挟み部と前記第2の挟み部とが押し広げられることにより連結を解除するものである請求項6または7に記載の医療用容器。
【請求項9】
前記挟み状態保持部は、前記第1の挟み部と前記第2の挟み部との間に設けられ、前記第1の挟み部と前記第2の挟み部との挟み状態を保持するものであり、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の挟み部と第2の挟み部とが押し広げられることにより破断される破断可能部である請求項6または7に記載の医療用容器。
【請求項10】
前記軟質バッグは、前記第1の薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する連通阻害用弱シール部を備えている請求項6ないし9のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項11】
前記仕切用弱シール部は、第1の弱シール部と、第1の弱シール部より剥離しにくい第2の弱シール部とを備えている請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項12】
前記阻害用部材は、前記軟質バッグの前記排出ポート付近に設けられた孔に取り付け可能である請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項13】
前記排出ポートは、硬質もしくは半硬質材料により作製されており、先端部が閉塞しかつ後端部が挿通可能に封鎖された筒状部と、該筒状部の少なくとも先端部に設けられた破断可能部と、該筒状部の破断可能部を挟むようにそれぞれ設けられるとともに前記第1の薬剤室の一方の内面に固着する第1の応力付与部及び該第1の薬剤室の他方の内面に固着する第2の応力付与部とを備え、さらに、前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部間の広がりにより破断し、前記筒状部を開口するものである請求項1ないし12のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項14】
前記排出ポートの筒状部には、第3の薬剤が収納されている請求項13に記載の医療用容器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液などの薬剤の排出を制御する連通用部材を備えた医療用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用容器には、閉塞した先端部を有し、開封可能な筒状体が取り付けられている。この筒状体としては、例えば、薬液の投与時に使用される排出ポート、医療用容器内の薬液に添加される薬剤を収納した薬剤容器がある。
そして、患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調製することが行われている。そして、このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、薬液が収納された軟質バッグに薬液と混合する薬剤を収納した薬剤容器を取り付け、輸液の際、薬剤容器に設けられた脆弱部を軟質バッグごしに折り曲げ破断することにより薬剤容器と軟質バッグを連通させ薬剤と薬液とを混合するようにした医療用容器が提案されている。
【0003】
このような医療用容器としては特開2003−62038号公報(特許文献1)に薬液容器が開示されている。
この薬液容器1は、特開2003−62038号公報の図1に示すように、連通可能な隔壁12で隔てられた収容室13a,13bと、一方の収容室13aに吊設された薬液収容小袋20とを有する薬液収容小袋付き薬液容器10において、薬液収容小袋20の周縁部31の少なくとも一部に易剥離シール部を設け、当該易剥離シール部の少なくとも一部(開裂部23)の表面と収容室13aの壁面11,11bとの間に強シール部26を形成する。さらに強シール部26に連接させて、収容室13aの両壁面を接着してなる弱シール部25を形成する。隔壁12のシール強度は、開裂部23および弱シール部25のシール強度よりも強く、かつ強シール部26のシール強度よりも弱くなるように設定する。
【特許文献1】特開2003−62038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような構成により、この薬液容器1は、収容室13aの押圧に連動して薬液収容小袋10を確実に開封することができ、薬液収容小袋10の開封操作が容易である。また、この薬剤容器1によれば、収容室13aを押圧して隔壁を開裂させたときに、各収容室13a,13b内の薬液(その他の収容液)を混ざり合わせるだけでなく、かかる開裂に連動して前記弱シール部前記易剥離シール部との開裂を実現できることから、薬液収容小袋の開封を容易にかつ確実に実現できる。従って、当該薬液収容小袋を開封し忘れたままで薬液を投与するという事態を回避することができる。
しかしながら、この薬液容器1は、隔壁12を開通させて各収容室13a,13b内の薬液同士を混合させる前に薬剤投与を行うことができるという危険性がある。
そこで、本発明は、上記目的を達成するものであり、薬剤混合前に薬剤を投与することを防止し、かつ、薬剤投与準備を容易に行うことができる医療用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室と第2の薬剤室とに区分された軟質バッグと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、前記第1の薬剤室と連通するように取り付けられた排出ポートと、前記軟質バッグに取り付けられ該軟質バッグ内と排出ポートとの連通を阻害するための連通阻害用部材とを備える医療用容器であって、前記連通阻害用部材は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面と他方の面とから狭圧し前記軟質バッグと排出ポートとの連通を阻害するための狭圧部と、該狭圧部による狭圧状態を保持するための狭圧状態保持部とを備え、前記狭圧部による狭圧状態は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室の押圧による前記仕切用弱シール部の剥離と同時もしくは該剥離に続く、前記軟質バッグの広がりにより前記狭圧部が押し広げられることにより解除されるものである医療用容器。
(2) 前記狭圧部は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面と他方の面から狭圧するための第1の狭圧部と第2の狭圧部とを備えている(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記狭圧状態保持部は、前記狭圧状態を保持した状態で前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部とを連結する連結部であり、該連結部は、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部とが押し広げられることにより連結を解除するものである(1)または(2)に記載の医療用容器。
(4) 前記狭圧状態保持部は、前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部との間に設けられ、前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部との狭圧状態を保持するものであり、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の狭圧部と前記第2の狭圧部とが押し広げられることにより破断される破断可能部である(1)または(2)に記載の医療用容器。
(5) 前記連通阻害用部材は、前記排出ポートの排出口への外部からの挿通を阻害するように前記排出口の周りを覆う阻害部を備え、前記連通阻害用部材は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室の押圧による前記仕切用弱シール部の剥離と同時もしくは該剥離に続く、前記軟質バッグの広がりにより前記狭圧部が押し広げられることにより前記軟質バッグから取り外し可能となっている(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器。
【0006】
(6) 内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室と第2の薬剤室とに区分された軟質バッグと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、前記第1の薬剤室と連通するように取り付けられた排出ポートと、該軟質バッグに取り付けられ前記排出ポートの排出口への外部からの挿通を阻害するための排出阻害用部材とを備える医療用容器であって、該排出阻害用部材は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面側および他方の面側から挟む挟み部と、該挟み部による前記軟質バッグの挟み状態を保持するための挟み状態保持部と、前記排出ポートの排出口への外部からの挿通を阻害するように前記排出口の周りを覆う阻害部とを備え、該挟み状態保持部は、前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室の押圧による前記仕切用弱シール部の剥離と同時もしくは該剥離に続く、前記軟質バッグの広がりにより前記挟み部が押し広げられることにより解除され、前記阻害用部材が前記軟質バッグから取り外し可能となるものである医療用容器。
(7) 前記挟み部は、前記排出ポートの周りを前記軟質バッグの一方の面側と他方の面側から挟むための第1の挟み部と第2の挟み部とを備えている(6)に記載の医療用容器。
(8) 前記挟み状態保持部は、前記挟み状態を保持した状態で前記第1の挟み部と前記第2の挟み部とを連結する連結部であり、該連結部は、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の挟み部と前記第2の挟み部とが押し広げられることにより連結を解除するものである(6)または(7)に記載の医療用容器。
(9) 前記挟み状態保持部は、前記第1の挟み部と前記第2の挟み部との間に設けられ、前記第1の挟み部と前記第2の挟み部との挟み状態を保持するものであり、前記軟質バッグの広がりにより前記第1の挟み部と第2の挟み部とが押し広げられることにより破断される破断可能部である(6)または(7)に記載の医療用容器。
【0007】
(10) 前記軟質バッグは、前記第1の薬剤室と前記排出ポートとの連通を阻害する連通阻害用弱シール部を備えている(6)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器。
(11) 前記仕切用弱シール部は、第1の弱シール部と、第1の弱シール部より剥離しにくい第2の弱シール部とを備えている(1)ないし(10)のいずれかに記載の医療用容器。
(12) 前記阻害用部材は、前記軟質バッグの前記排出ポート付近に設けられた孔に取り付け可能である(1)ないし(10)のいずれかに記載の医療用容器。
(13) 前記排出ポートは、硬質もしくは半硬質材料により作製されており、先端部が閉塞しかつ後端部が挿通可能に封鎖された筒状部と、該筒状部の少なくとも先端部に設けられた破断可能部と、該筒状部の破断可能部を挟むようにそれぞれ設けられるとともに前記第1の薬剤室の一方の内面に固着する第1の応力付与部及び該第1の薬剤室の他方の内面に固着する第2の応力付与部とを備え、さらに、前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部間の広がりにより破断し、前記筒状部を開口するものである(1)ないし(12)のいずれかに記載の医療用容器。
(14) 前記排出ポートの筒状部には、第3の薬剤が収納されている(13)に記載の医療用容器。
【発明の効果】
【0008】
本発明の医療用容器によれば、第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と第2の薬剤室に収納された第2の薬剤とを混合する前に薬剤が投与されることを防止することができ、かつ薬剤投与準備も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の医療用容器について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例の医療用容器の正面図、図2は、図1に示す医療用容器のA−A線断面図であり、図3は、図1に示す医療用容器に用いられる連通阻害用部材の正面図、図4は、図3に示す連通阻害用部材の側面図、図5は、図3に示す連通阻害用部材の展開図、図6は、図1に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器1は、内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤5、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6と、第1の薬剤室3と連通するように取り付けられた排出ポート7とを備える容器本体10と、容器本体10の軟質バッグ2に取り付けられ軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害するための連通阻害用部材14とを備える。連通阻害用部材14は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面と他方の面とから狭圧し軟質バッグ2と排出ポート7との連通を阻害するための狭圧部15,16と、狭圧部15,16による狭圧状態を保持するための狭圧状態保持部17とを備え、狭圧部15,16による狭圧状態は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは該剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部15,16が押し広げられることにより解除されるものである。
【0010】
この実施例の連通阻害用部材14は、軟質バッグ2内と排出ポート7との連通のみ阻害し、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害しないものである。
本発明の医療用容器1は、図1に示すように、容器本体10と、容器本体10に取り付けられた連通阻害用部材14とを備える。
この実施例の医療用容器1では、図1に示すように、容器本体10は、仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3内に収納された第1の薬剤5と第2の薬剤室4内に収納された第2の薬剤6と、軟質バッグ2の下端部22に取り付けられた排出ポート7と、軟質バッグ2の上端部24に取り付けられた混注ポート11とを備えている。そして、軟質バッグ2の下端部22に取り付けられた連通阻害用部材14とを備えている。
【0011】
この実施例における軟質バッグ2は、図1に示すように、仕切用弱シール部12と、仕切用弱シール部12により区分された第1の薬剤室3と、第2の薬剤室4とを備えている。
軟質バッグ2の上端部及び下端部には、図1に示すように、上端側シール部24、下端側シール部22が設けられている。上端側シール部24、下端側シール部22は、幅広シール部となっている。また、上端側シール部24には、混注ポート11を取り付けるための混注ポート取付部9が設けられ、下端側シール部24には、排出ポート7を取り付けるための排出ポート取付部8が形成されている。混注ポート取付部9、排出ポート取付部8は、上端側シール部24、下端側シール部22の一部をシールしないことにより形成されている。
図1に示すように、軟質バッグ2は仕切用弱シール部12により仕切られている。本発明の実施例においては、仕切用弱シール部12は、図1に示すように、軟質バッグ2の薬剤室の横方向全体を横切るように設けられている。仕切用弱シール部12は、軟質バッグ2のシート材を帯状に融着することにより形成されている。
実施例の仕切用弱シール部12は、第1の薬剤室3または第2の薬剤室4を強く押圧したとき(絞った時)に剥離して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを連通可能なものである。また、本発明の仕切用弱シール部12は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき、連通阻害用部材14の開封と同時もしくはそれより前に剥離するものである。
【0012】
仕切用弱シール部12のシール強度としては、輸送中に軟質バッグ2に対して加えられる圧力では剥離せず、軟質バッグ2を手指等で強く押したときに剥離する程度であることが好ましい。仕切用弱シール部12は、軟質バッグ2を融着することにより形成されることが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着等であることが好ましい。軟質バッグ2は、このように仕切用弱シール部12に区分けされた2つの薬剤室3,4を有しているため、異なる成分の薬剤を無菌的に軟質バッグ2内にて混合することができる。また、図1に示す実施例において仕切用弱シール部12は、軟質バッグ2に対して水平に直線状に設けられているがこれに限定されるものではない。また、仕切用弱シール部12の両端部には、実質的に剥離することができない強シール部13が形成されていることが好ましい。
仕切用弱シール部12のシール強度(初期の剥離強度)は、0.5〜10N/10mm、特に、2〜6N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って仕切用弱シール部12の弱シール部が剥離することがなく、また、仕切用弱シール部12を剥離する作業も容易である。
【0013】
仕切用弱シール部12により区分けされる第1の薬剤室3と第2の薬剤室4との容積比は、1:1〜1:20であることが好ましく、特に、容積比は、1:1〜1:5であることが好ましい。
また、医療用容器1の第1の薬剤室3の容積はできるだけ小さい方がよい。このような構成であれば、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12と連通阻害用部材14が開封し易くなる。
具体的に、第1の薬剤室3の容積は、20〜3000ml程度であることが好ましく、特に、50〜2000mlが好ましい。また、第2の薬剤室4の容積は、20〜3000ml程度であることが好ましく、特に、50〜2000mlが好ましい。
【0014】
また、医療用容器1の第2の薬剤室4は、第1の薬剤室3より大きな容積かつ液量を備えていることが好ましい。このようにすることにより、第2の薬剤室4を押圧したとき、連通阻害用部材14への応力が大きくなり、連通阻害用部材14の開封が確実に行われる。また、充填される流体量[薬剤およびヘッドスペース(気体)を含む]は、医療用容器全容量(仕切用弱シール部12を剥離もしくは連通阻害用部材14を開封して1室とした状態の容量)の20〜50重量%であると本発明の効果が一層顕著になる。輸液用バッグ等の医療用容器では、他の薬剤を混注することが行われる。このため、医療用容器には、充填される流体量と同量〜数倍量の予備容量として見込んで製袋されている。仕切用弱シール部を有する医療用容器における流体量は、20〜50容量%であるが、このような少ない流体充填量であっても本発明によれば、連通阻害用部材14への応力がかかりやすく、仕切用弱シール部12と連通阻害用部材14を一度の開封操作で確実に開けることができる。
【0015】
軟質バッグ2は、ある程度の耐熱性のある軟質合成樹脂、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合のようなスチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)により袋状に形成されたもの、さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ナイロンのようなポリアミドといった硬質素材の樹脂層と上述した軟質素材(例えば、ポリエチレン)の樹脂層からなる多層構造シートが使用される。これらの軟質樹脂により形成されることにより、軟質バッグ2を膨らませることにより、仕切用弱シール部12と連通阻害用部材14の開封操作を容易に行うことができる。
【0016】
好ましい軟質樹脂材料としては、軟質ポリ塩化ビニルが挙げられる。この軟質ポリ塩化ビニルは、オートクレーブ滅菌の高温に耐え得る耐熱性を有し、しかも柔軟性に富むため取扱性に優れる。さらに、軟質バッグ2への成形、加工や排出ポート7の融着による固着が容易で製造コストの低減が図れるという利点がある。また、軟質バッグ2の好適な構成材料として、ポリプロピレンにスチレン−ブタジエン共重合体をブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、耐水性、耐熱性、柔軟性、加工性に優れる点で好ましい。軟質バッグ2を構成するシート材の厚さは、特に限定されず、例えば軟質ポリ塩化ビニル製シート材の場合、20〜500μm程度であるのが好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが望ましい。
【0017】
軟質バッグ2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂を用いて押し出し成形により筒状に形成したものの開口周縁を融着することにより作製したものなどのいずれでもよい。本発明でいう軟質バッグ2を構成する一方のシートもしくは他方のシートとは、軟質バッグ2を構成する表側シートもしくは裏側シートのいずれかである。
軟質バッグ2の薬剤室3,4には、輸液剤(薬液)5,6が収納されている。薬剤室3,4には異なった成分のものが収容されていることが好ましい。このような輸液剤としては、例えば、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の液剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、更に両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミンの安定性などを考慮して適宜振り分け収納することができる。この場合、後述する薬剤室に取り付ける薬剤容器にビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど脂溶性ビタミンを主とした液剤を収納することにより、ビタミン配合高カロリー総合輸液剤とすることができる。
【0018】
また、軟質バッグ2の上端側シール部24には、ハンガー等に吊り下げるための孔24a(吊り下げ部)が設けられている。また、下端側シール部22には、連通阻害用部材14を取り付けるための孔23が形成されている。
さらに、薬液の品質保持のために、軟質バッグ2に酸素バリア性や遮光性等を付与するためにアルミ箔等のフィルムを積層してもよい。また、酸素バリア性付与のために、軟質バッグ2の表面に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる蒸着膜等の薄膜を形成してもよい。あるいは、これらの薄膜を有する樹脂フィルムを中間層として設けてもよい。
排出ポート7は、図1に示すように、公知のものを使用することが好ましく、例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。具体的に、ポートとしては、両端側が開口した筒状部材7aと、筒状部材7aの一端側の開口部を封止するシール部材7cを有する蓋部7bとからなるものであることが好ましい。このような構成により、まず、軟質バッグ2に取り付けられた筒状部材7aを介して薬液を注入することができる。
【0019】
また、シール部材は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止するものであることが好ましい。シール材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミドなどの可撓性高分子材料、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられ、シール性、再シール性の点からは弾性材料を含有しているものが好ましい。また、ポートとしては、円筒状、楕円筒状の成形品であることが好ましい。また、排出ポート7の構成材料としては、薬剤容器と同様のものであることが好ましい。
混注ポート11は、図1に示すように、公知のものを使用することが好ましく、例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。具体的に、ポートとしては、排出ポート7と同様の構成を有するものが好ましく、両端側が開口した筒状部材11aと、筒状部材11aの一端側の開口部を封止するシール部材11cを有する蓋部11bとからなるものであることが好ましい。このような構成により、まず、軟質バッグ2に取り付けられた筒状部材11aを介して薬液を注入することができる。
【0020】
連通用阻害部材14は、図3から図5に示すように、狭圧部15,16と、狭圧状態保持部17とを備えている。この実施例の連通阻害用部材14の阻害部は、図3から図5に示すように、排出ポート7と軟質バッグ2内との連通を阻害するものである。
このような構成により、本発明の医療用容器1は、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤5と第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6とを混合する前に薬剤投与を防止することができ、かつ薬剤投与準備を容易に行うことができる。
狭圧部15,16は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面と他方の面とから挟むための第1の狭圧部15と第2の狭圧部16とを備えている。
第1の狭圧部15と第2の狭圧部16は、図2ないし図5に示すように、排出ポート7の軟質バッグ2の接続部側を被包する被包部15a,16aを備えている。そして、第1の狭圧部15と第2の狭圧部16との開口端は排出ポート7の周りの軟質バッグ2を実質的に液体流通を阻害するレベルで押圧する狭圧端部15b,狭圧端部16bとなっている。
【0021】
実施例の第1の狭圧部15と第2の狭圧部16の被包部15a,16aは、排出ポート7の基端部を除いて収容可能となっている(排出ポートの筒状部分のみ収容可能となっている。)。第1の狭圧部15と第2の狭圧部16は、ほぼ同様の構成をしている。
実施例において、第1の狭圧部15、第2の狭圧部16は、先端部が縮径し基端部に開口を有する半筒状部となっている。半筒状部の内側には、図4,図5に示すように、排出ポート7を部分的に収納する被包部15a,16aが設けられている。第1の狭圧部15と第2の狭圧部16は、同様の構成となっている。半筒状部の開口部は、狭圧端部15b,16bとなっている。狭圧端部15b,16bの端面形状は、平坦面、面取りされた端面、断面が半球状、半楕円状のいずれでもよい。軟質バッグ2への損傷防止のためには、狭圧端部15b,16bの端面形状は、エッジのない形態となっていることが好ましく、面取りされた端面、断面が半球状もしくは半楕円状などの形態が好ましい。本発明の実施例において、第1の狭圧部15と第2の狭圧部16が軟質バッグ2を挟んだ状態において、狭圧端部15aと狭圧端部16aは、排出ポート7の周りのシートを連続して密着させ仕切部25を形成する。また、この実施例では、狭圧端部15b,16bは、排出ポート7の周りを狭圧する部分が略半楕円形状、略半円形状となるように形成されていることが好ましい。
【0022】
また、連通阻害用部材14は、図1に示す実施例のように、軟質バッグ2の排出ポート7付近に設けられた孔23に取り付け可能であることが好ましい。本発明の実施例は、孔23を介して保持部17のピン20を通過させ保持部17同士を連結させることにより軟質バッグ2の下端側シール部22に取付可能となっている。
狭圧状態保持部17は、狭圧部15,16の狭圧状態を保持した状態で第1の狭圧部15と第2の狭圧部16とを連結する連結部であり、連結部17は、軟質バッグ2の広がりにより第1の狭圧部15と第2の狭圧部16が押し広げられることにより第1の狭圧部15と第2の狭圧部16との連結が解除されるものであることが好ましい。
連結部17は、第1の狭圧部15と第2の狭圧部16に設けられた嵌合部である。具体的に連結部17は、第1の狭圧部15に設けられた挿入路(実施例では挿入孔)18と、挿入路18に挿入可能であり、第1の狭圧部15及び第2の狭圧部16の狭圧状態を保持するための挿入手段(実施例ではピン)20を備えている。ピン20の外径は、孔18の内径とほぼ同じ大きさとなっている。このような構成により、図2,図4に示すように、第1の狭圧部15と第2の狭圧部16を閉じ、ピン20を挿入孔18に挿通して嵌合させることにより第1の狭圧部15と第2の狭圧部16とによる狭圧状態が保持される。また、図6に示すように、第1の薬剤室3の広がりにより、ピン20が挿入孔18から抜けることにより狭圧状態が解除される。連結部は、係合部であってもよい。
【0023】
連通阻害用部材14を排出ポート7の軟質バッグ2への取付部およびこの取付部より若干上方の軟質バック2の所定領域を被包するように軟質バッグ2に取り付けると、図1,図2に示すように、第1の狭圧部15と第2の狭圧部16の狭圧面15b,16bが排出ポート7の軟質バッグ2の第1の薬剤室側3側の開口部の上部を取り囲むように軟質バッグ2を一方の面及び他方の面から押圧することにより、排出ポート7の周りに半楕円形状に仕切部25が形成される。仕切部25内は、第1の薬剤室3と独立した第4の薬剤室26が形成される。第4の薬剤室26には、薬液が充填されていないことが好ましいが少量充填されていてもよい。以上のような構成により、仕切部25により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5が排出ポート7側にほとんど流入しないものとなっているため、第1の薬剤室3と排出ポート7との連通を阻害することができる。このため、軟質バッグ2内の薬剤を混合する前に薬液を投与することを防止することができる。
【0024】
連通阻害用部材14の構成材料は、硬質、半硬質材料が好ましい。さらに、透明であることが望ましい。具体的には、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
【0025】
狭圧部15,16による狭圧状態は、図6に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部15,16が押し広げられることにより解除される。第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき連通阻害用部材14は、仕切用弱シール部12より開封されにくいものとなっている。具体的に、連通阻害用部材14の開封強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)より大きくなっていることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5と第2の薬剤室4内の第2の薬剤6とを混合する前に薬剤を投与することを防止することができる。
また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、連通阻害用部材14の順に開通することが好ましい。具体的に、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)が、0.5から10N/10mm、特に、2から6N/10mmであり、かつ連通阻害用部材14の開封可能強度が2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
【0026】
また、図39および図40に示す連通阻害用部材14のように、狭圧状態解除補助部15c、16cを備えるものであってもよい。狭圧状態解除補助部15c、16cは、被包部15a,16aより、連通阻害用部材14の先端側(軟質バッグ2への装着時における仕切用弱シール部側)に延びる軟質バッグ2の第1の薬剤室3を形成するシートに接触する部分である。狭圧状態解除補助部15c、16cは、図40に示すように、この実施例では、平板状にかつ、被包部15a,16aの向かい合う内側端部付近から斜め外側に延びるように形成されている。なお、狭圧状態解除補助部は、湾曲する板状、さらには、棒状に形成されていてもよい。そして、このような狭圧状態解除補助部を設けることにより、医療用容器が押圧された際の軟質バッグ2の広がりによる応力を確実に受け止めることができる。さらに、軟質バッグ2の広がる時の力が、狭圧端部15b,16b付近に集中することを抑制し、軟質バッグ2が広がる時、すなわち、阻害用部材が解除される際における狭圧端部15b,16b付近でのバッグ損傷の危惧を少なくする。
【0027】
次に、本発明の医療用容器1の製造方法について図1を用いて説明する。なお、この方法に限定されるものではない。
最初に、軟質合成樹脂により形成したチューブ体を準備する。そして、このチューブ体に部分的未シール部を一箇所(混注ポート取付部9)有する上端側シール部24、部分的未シール部を一箇所(排出ポート取付部8)有する下端側シール部22と、仕切用弱シール部12とを形成して、軟質バッグ2を形成する。続いて、下端側シール部22の部分的未シール部である排出ポート取付部8に排出ポート7の筒状部材7aを挿入し固着し、筒状部材7aを介して第1の薬剤室3に第1の薬剤5を注入後、筒状部材7aが上方となるように容器を固定した状態にて、筒状部材7aに蓋部7bを固着し封止する。
そして、上端側シール部24の部分的未シール部に混注ポート11の筒状部材11aを固着し、筒状部材11aを介して、第2の薬剤6を注入し、筒状部材11aが上方となるように容器を固定した状態にて、筒状部材11aに弾性部材を装着したキャップ部材11bを固着し封止する。滅菌後、排出ポート7が上方となるように容器を固定した状態で、連通阻害用部材14を軟質バッグ2に取り付け本発明の医療用容器1の製造が完了する。連通阻害用部材14により排出ポート7の周りには仕切部25が形成され、仕切部25により第1の薬剤室3と排出ポート7との連通が阻害されている。
このようにして、図1に示すような、薬剤が充填された医療用容器が作製される。なお、第1の薬剤5の注入および第1の薬剤室3の封止作業は、第2の薬剤6の注入および第2の薬剤室の封止作業前に行うものであってもよい。
【0028】
次に、本発明の医療用容器1の使用方法について説明する。
まず、医療用容器1の第2の薬剤室4を手指等で強く押圧すると、まず、仕切用弱シール部12が破断され、次いで、図6に示すように、第2の薬剤室4からの薬液の流入により第1の薬剤室3が広がり、連通阻害用部材14が開封して薬剤室と排出ポート7とが連通する。そして、連通阻害用部材14を軟質バッグ2から取り外し、排出ポート7の排出口7dに挿通針を刺し薬剤投与を行う。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器を説明する。図7は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図、図8は、図7に示す医療用容器のB−B線断面図、図9は、図7に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の正面図、図10は、図9に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の側面図、図11は、図9に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の展開図、図12は、図7に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【0029】
医療用容器30は、医療用容器1と排出阻害用部材の構成のみ異なっているため、同じ構成については上記を参照する。
この実施例の排出阻害用部材31は、排出ポート7の排出口7dの外部からの挿通を阻害するものである。
本発明の医療用容器30は、内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤5と、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6と、第1の薬剤室3と連通するように取り付けられた排出ポート7とを備える容器本体10と、容器本体10の軟質バッグ2に取り付けられ排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害するための排出阻害用部材31とを備える。排出阻害用部材31は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面側および他方の面側から挟む挟み部32,33と、挟み部32,33による軟質バッグ2の挟み状態を保持するための挟み状態保持部17と、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害するように排出口7dの周りを覆う阻害部32b、33bとを備え、挟み状態保持部17は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより挟み部32,33が押し広げられることにより解除され、排出阻害用部材31が軟質バッグ2から取り外し可能となる。
【0030】
本発明の排出阻害用部材31は挟み部32,33が軟質バッグ2を挟むことにより取り付けられており、挟み部32,33の挟み状態が解除されることにより軟質バッグ2から取り外し可能となっている。
排出阻害用部材31は、排出阻害用部材14のように軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害せず、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通(具体的には、輸液セットの針管の刺通)のみ阻害するものである。
排出阻害用部材31は、図9,図10,図11に示すように、第1の挟み部32と第2の挟み部33と、保持部17と、ヒンジ部19を備えている。第1の挟み部32と第2の挟み部33とは、ヒンジ部19により連結され開閉するものである。保持部17、上述したとおりであるため上記説明を参照する。なお、ヒンジ部を備えないものであってもよい。
【0031】
第1の挟み部32と第2の挟み部33は、排出ポート7を収容する収容部32a,33aと、阻害部32b、33bとを備えている。図7,図8に示すように、第1の挟み部32と第2の挟み部33は、排出ポート7全体を収容している。
第1の挟み部32と第2の挟み部33の本体部の先端部が縮径し、基端部に底部を有する半筒状部である。また、本体部の先端部には平板部32d,33dが形成されている。
具体的に、第1の挟み部32と第2の挟み部33の本体部の先端側部分の開口端部は、先端に向かって外側に傾斜している。このような構成により、第1の挟み部32と第2の挟み部33の先端部を除く先端側部分は、先端側に向かうにつれ大きく離間する。平板部32d,33dは、軟質バッグ2の広がりにより応力を確実に受け止める部分となっている。第1の挟み部32と第2の挟み部33の先端側部分は、挟み状態において軟質バッグ2を狭圧しない非押圧部となっている。
本発明の実施例において、第1の挟み部32と第2の挟み部33の基端部が阻害部32b,33bとなっている。具体的に、第1の挟み部32と第2の挟み部33の基端部には壁面(底部)が形成されているため後ろから排出口7dに針管を挿通できないものとなっている。なお、第1の挟み部と第2の挟み部は少なくとも排出ポート7の排出口7d付近を覆うものであればよい。
【0032】
また、挟み部32,33による挟み状態は、図12に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより挟み部32,33が押し広げられることにより解除される。第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき排出阻害用部材31は、仕切用弱シール部12より開封されにくいものとなっていてもよい。具体的に、排出阻害用部材31の開封強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)より若干高いものであることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5と第2の薬剤室4内の第2の薬剤6とを混合する前に薬剤を投与することを防止することができる。
また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、排出阻害用部材31の順に開通するものであってもよい。具体的に、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)が、0.5から10N/10mm、特に、2から6N/10mmであり、かつ排出阻害用部材31の開封可能強度が、2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
【0033】
以上のような構成により、第2の薬剤室4を押圧して仕切用弱シール部12を剥離させ第1の薬剤室3に薬液を流入させると軟質バッグ2の広がりにより、保持部17の嵌合が解除され排出阻害用部材31を軟質バッグ2から取り外し可能となる。そして、排出阻害用部材31を取り外した後、針管を排出口7dに刺通して薬剤投与を行うことができる。
以上のような構成により、薬剤を混合する前は、外部から排出口7dを刺通することができないため薬剤投与が防止され、かつ軟質バッグ2を押圧することにより排出阻害用部材が開封されるため薬剤投与準備を容易に行うことができる。
【0034】
次に、本発明の他の実施例である医療用容器について説明する。図13は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図、図14は、図13に示す医療用容器のC−C線断面図、図15は、図13に示す医療用容器に用いられる連通阻害用部材の正面図、図16は、図15に示す連通阻害用部材の側面図、図17は、図15に示す連通阻害用部材の展開図、図18は、図13に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器35は、図1に示す医療用容器1と連通阻害用部材の構成のみ異なっている。医療用容器35の連通阻害用部材36と、連通阻害用部材14とは、連通阻害用部材36が排出口への外部からの挿通を阻害するための阻害部を有する点において異なっている。その他の点においては上述したとおりであるため上記説明を参照する。
【0035】
本発明の医療用容器35は、内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤5と、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6と、第1の薬剤室3と連通するように取り付けられた排出ポート7とを備える容器本体10と、この容器本体10の軟質バッグ2に取り付けられ軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害するための連通阻害用部材36とを備える。連通阻害用部材36は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面と他方の面とから狭圧し軟質バッグ2と排出ポート7との連通を阻害するための狭圧部37,38と、狭圧部37,38による狭圧状態を保持するための狭圧状態保持部17とを備え、狭圧部37,38による狭圧状態は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部37,38が押し広げられることにより解除されるものである。
【0036】
さらに、医療用容器35の連通阻害用部材36は、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害するように排出口7dの周りを覆う阻害部37d、38dを備え、連通阻害用部材36は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部37,38が押し広げられることにより軟質バッグ2から取り外し可能となっている。
本発明の実施例の連通阻害用部材36は、図15から図17に示すように、排出ポート7と軟質バッグ2内との連通及び排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通の両方を阻害するものである。
連通用阻害部材36は、図15から図17に示すように、狭圧部37,38と、保持部17と、ヒンジ部19とを備えている。
このような構成により、連通阻害用部材36は、薬剤が混合される前に薬剤投与を防止することができ、かつ薬剤投与準備を容易に行うことができる。
【0037】
狭圧部は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面と他方の面とから挟むための第1の狭圧部37と第2の狭圧部38とを備えている。第1の狭圧部37と第2の狭圧部38は、ヒンジ部19により連結され開閉可能となっている。なお、ヒンジ部を備えないものであってもよい。第1の狭圧部37と第2の狭圧部38は、図15から図17に示すように、排出ポート7を収容するための収容部37a,38aと阻害部37d,38dと、軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害する狭圧面37b,38bとを備えている。
実施例の第1の狭圧部37と第2の挟み38の収容部37a,38aは、排出ポート7全体を収容している。また、収容部37a,38aは、排出口7dの周りを外部からの挿通を阻害するように覆っている。このため、実施例に示す連通阻害用部材36は、排出ポート7と軟質バッグ2内との連通を阻害しかつ排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害する。
【0038】
本発明の実施例において、第1の狭圧部37、第2の狭圧部38は、先端部が縮径して基端部に底部を有する半筒状部となっている。半筒状部の内側には、図16,図17に示すように、排出ポート7を収容する収容部37a,38aが設けられている。第1の狭圧部37と第2の狭圧部38は、同様の構成となっている。第1の狭圧部37と第2の狭圧部38を重ね合わせることにより内部に排出ポート7全体を収容可能な形状となっている。半筒状部の開口部は、狭圧端部37b,38bとなっている。狭圧端部37b,38bの端面形状は、平坦面、面取りされた端面、断面が半球状、半楕円状のいずれでもよい。軟質バッグ2への損傷防止のためには、狭圧端部37b,38bの端面形状は、エッジのない形態となっていることが好ましく、面取りされた端面、断面が半円状もしくは半楕円状などの形態が好ましい。本発明の実施例において、第1の狭圧部37と第2の狭圧部38が軟質バッグ2を挟んだ状態において、狭圧端部37bと狭圧端部38bは、排出ポート7の周りのシートを連続して密着させ仕切部25を形成する。また、この実施例では、狭圧端部37b,38bは、排出ポート7の周りを狭圧する部分が略半楕円形状、略半円形状となるように形成されていることが好ましい。
【0039】
本発明の実施例において、第1の狭圧部37と第2の狭圧部38の基端部(半筒状部の基端部)が阻害部37d,38dとなっている。具体的に、第1の狭圧部38と第2の狭圧部38の基端部には壁面(底部)が形成されているため後ろから排出口7dに針管を挿通できないものとなっている。なお、第1の挟み部と第2の挟み部は少なくとも排出ポート7の排出口7d付近を覆うものであればよい。
また、連通阻害用部材36は、図13に示す実施例のように軟質バッグ2の上端部(上端側シール部)24もしくは下端部(下端側シール部)22に設けられた孔23に取り付け可能であることが好ましい。本発明の実施例は、孔23を介して保持部17のピン20を通過させ保持部17を嵌合させることにより軟質バッグ2の下端側シール部22に取付可能となっている。
【0040】
挟み状態保持部17は、狭圧部37,38の挟み状態を保持した状態で第1の狭圧部37と第2の狭圧部38とを連結する連結部であり、連結部17は、軟質バッグ2の広がりにより第1の狭圧部37と第2の狭圧部38が押し広げられることにより第1の狭圧部37と第2の狭圧部38との連結を解除するものであることが好ましい。
連結部17は、第1の狭圧部37と第2の狭圧部38に設けられた嵌合部であることが好ましい。連結部17は、第1の狭圧部37に設けられた挿入路(実施例では挿入孔)18と、挿入路18に挿入可能であり、第1の狭圧部37及び第2の狭圧部38の狭圧状態を保持するための挿入手段(実施例ではピン)20を備えている。ピン20の外径は、孔18の内径とほぼ同じ大きさとなっている。このような構成により、図15,図16に示すように、第1の狭圧部37と第2の狭圧部38を閉じ、ピン20を挿入孔18に挿通して嵌合させることにより第1の狭圧部37と第2の狭圧部38の狭圧状態が保持される。また、図17に示すように、第1の薬剤室3の広がりにより、ピン20が挿入孔18から抜け狭圧状態が解除される。なお、連結部は第1の狭圧部と第2の狭圧部に設けられた係合部であってもよい。
【0041】
また、狭圧部37,38による狭圧状態は、図18に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部37,38が押し広げられることにより解除される。第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき連通阻害用部材36は、仕切用弱シール部12より開封されにくいものとなっている。具体的に、連通阻害用部材36の開封強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)より大きくなっていることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5と第2の薬剤室4内の第2の薬剤6とを混合する前に薬剤を投与することを防止することができる。また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、連通阻害用部材36の順に開通することが好ましい。具体的に、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)が、0.5から10N/10mm、特に、2から6N/10mmであり、かつ連通阻害用部材14の開封可能強度が2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
【0042】
連通阻害用部材36を排出ポート7を内部に収納するように軟質バッグ2に取り付けると、図13,図14に示すように、第1の狭圧部37と第2の狭圧部38の狭圧端部37b,38bが排出ポート7を取り囲むように軟質バッグ2を一方の面及び他方の面から押圧することにより、排出ポート7の周りに半楕円形状に仕切部25が形成される。仕切部25内は、第1の薬剤室3と独立した第4の薬剤室26が形成される。第4の薬剤室26には、薬液が充填されていないことが好ましいが少量充填されていてもよい。以上のような構成により、仕切部25により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5が排出ポート7側にほとんど流入しないものとなっているため、第1の薬剤室3と排出ポート7との連通を阻害することができる。このため、軟質バッグ2内の薬剤を混合する前に薬液を投与することを防止することができる。医療用容器35の製造方法は、医療用容器1と同様であることが好ましい。
また、この実施例の連通阻害用部材36においても、図39および図40に示す連通阻害用部材14のように、狭圧状態解除補助部15c、16cを備えるものであってもよい。狭圧状態解除補助部については、上述した通りである。
【0043】
次に、本発明の医療用容器35の使用方法について説明する。
まず、医療用容器1の第2の薬剤室4を手指等で強く押圧すると、まず、仕切用弱シール部12が破断され、次いで、図18に示すように、第2の薬剤室4からの薬液の流入により第1の薬剤室3が広がり、連通阻害用部材36が開封し、軟質バッグ2内と排出ポート7とが連通する。そして、連通阻害用部材36を軟質バッグ2から取り外し、排出ポート7の排出口7dに挿通針を刺し薬剤投与を行う。
【0044】
次に、本発明の他の実施例である医療用容器40について説明する。
図19は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図、図20は、図19に示す医療用容器に用いられる連通阻害用部材の正面図、図21は、図19に示す連通阻害用部材の断面図、図22は、図19に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
医療用容器40は、医療用容器35と連通阻害用部材の構成のみ異なっている。また、医療用容器40の連通阻害用部材41と医療用容器35の連通阻害用部材36とは、保持部の構成及び第1の狭圧部の構成のみ異なっている。
狭持状態保持部42は、図20,図21に示すように、第1の狭圧部43と第2の狭圧部44との間に設けられ、挟み状態を保持した状態で第1の狭圧部43と第2の狭圧部44とを連結し、軟質バッグ2の広がりにより第1の狭圧部43と第2の狭圧部44が押し広げられることにより破断される破断可能部である。
【0045】
本発明の連通阻害用部材41は、図20,図21に示すように、第1の狭圧部43と、第2の狭圧部44と、破断可能部42と、ヒンジ部19を備えている。なお、ヒンジ部を備えないものであってもよい。第2の狭圧部44は、上述した第2の狭圧部16と同様であるため上記説明を参照する。また、第1の狭圧部43は、先端側部分45と基端側部分46とからなる。この実施例においては、先端側部分45と基端側部分46とは係合可能な構成を有している。このような構成により、第1の狭圧部43の先端側部分45を除く連通阻害用部材43を軟質バッグ2に取り付けた後、先端側部分45を基端側部分46と係合させることにより排出ポート7の周りを狭持することができる。
第1の狭圧部43と第2の狭圧部44は、排出ポート7を収容するための収容部43a,44aと、第1の狭圧部43と第2の狭圧部44は、軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害するための狭圧面43b,44bと、排出ポート7の排出口7dの外部からの挿通を阻害するための阻害部43d,44dとを備えている。第1の狭圧部43と第2の狭圧部44は、ヒンジ部19により連結され開閉可能となっている。収容部43a,44a、狭圧面43b,44b、阻害部43d,44dについては収容部37a,38a、狭圧面37b,38b、阻害部37d,38dと同様であるため上記説明を参照する。
【0046】
破断可能部42は、本発明の実施例では、図21に示すように、第1の狭圧部43と第2の狭圧部44の開口端部の基端部の間に設けられている。本発明の実施例の破断可能部は、第1の狭圧部と第2の狭圧部との間に設けられた薄肉部である。薄肉部としては、溝部の断面がV字状の溝部を形成することにより作製されている。具体的には、溝部の角度は、30〜120°、特に、40〜60°、最小肉厚は、0.05〜0.3mm、特に、0.08〜0.2mmであることが好ましい。このような角度に溝形成部を作製することにより、軟質バッグ2を膨らませた場合、破断可能部の中心に応力が集中して確実に破断するものとなる。また、溝部は、破断容易な形状であればいかなる形状のものであってもよく、実施例のようなV字形状に限られず半円形状、半楕円形状等であってもよい。また、本発明の破断可能部は、溝部が形成されることにより薄肉部が形成され破断可能となるものであるが、これに限定されるものではない。破断可能部は、例えば、薬剤収納部の破断可能部を形成する部分をその他の部分より脆弱な材質で形成することにより作製してもよい。具体的に、多色成形によって、破断可能部を形成する部分を破断容易な材料で作製して、その他の部分を破断容易でない材料にて作製することが好ましい。
このような構成により、第1の薬剤室3内と第2の薬剤室4内の薬剤が混合される前に排出ポート7から薬剤が投与されることを防止することができる。
破断可能部42の開封可能強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度より大きくなっていることが好ましい。具体的に、開封可能強度は、2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
【0047】
連通阻害用部材41を排出ポート7を収納するように取り付けると、第1の狭圧部43と第2の狭圧部44の狭圧面43bと狭圧面44bにより排出ポート7の周りの軟質バッグ2が一方の面と他方の面から押圧され仕切部25が形成される。仕切部25内には、第1の薬剤室3に対して独立した第4の薬剤室26が形成されている。また、阻害部43d,44dにより排出口7dへの外部からの挿通が阻害されている。以上により、第1の薬剤室3と排出ポート7との連通が阻害される。このため、軟質バッグ2内の薬剤を混合する前に薬液の投与を防止することができる。
【0048】
また、狭圧部43,44による狭圧状態は、図22に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部43,44が押し広げられることにより解除される。第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき連通阻害用部材41は、仕切用弱シール部12より開封されにくいものとなっている。具体的に、連通阻害用部材41の開封強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)より大きくなっていることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5と第2の薬剤室4内の第2の薬剤6とを混合する前に薬剤を投与することを防止することができる。また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、連通阻害用部材41の順に開通することが好ましい。具体的に、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)が、0.5から10N/10mm、特に、2から6N/10mmであり、かつ連通阻害用部材41の開封可能強度が2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
また、この実施例の連通阻害用部材41においても、図39および図40に示す連通阻害用部材14のように、狭圧状態解除補助部15c、16cを備えるものであってもよい。狭圧状態解除補助部については、上述した通りである。
【0049】
医療用容器40の製造方法及び使用方法は、上述した医療用容器35とほぼ同様であることが好ましい。
次に、他の実施例の医療用容器50について添付図面を用いて説明する。
図23は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図、図24は、図23に示す医療用容器のD−D線断面図、図25は、図23に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の正面図、図26は、図25に示す排出阻害用部材の側面図、図27は、図25に示す排出阻害用部材の展開図、図28は、図23に示す医療用容器に用いられる排出ポートの正面図、図29は、図28に示す排出ポートの側面図、図30は、図28に示す薬剤容器のE−E線断面図、図31は、図28に示す薬剤容器のF−F線断面図、図32は、図28に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
医療用容器50は、図23に示すように、仕切用弱シール部12により内部空間が第1の薬剤室3と第2の薬剤室4に仕切られた軟質バッグ2と、第1の薬剤室3内に収納された第1の薬剤5と、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6と、軟質バッグ2の上端部24に取り付けられた混注ポート11と、下端部22に取り付けられた排出ポート51とを備える容器本体50aと、この容器本体50aの軟質バッグ2に取り付けられた排出阻害用部材64とを備えている。
【0050】
この実施例の医療用容器50は、医療用容器30と排出ポート、排出阻害用部材の構成のみ異なっている。その他の構成は上述した医療用容器と同様であるため上記説明を参照する。
また、排出ポート51は、硬質もしくは半硬質材料により作製されており、先端部が閉塞しかつ後端部が刺通可能に封鎖された筒状部53と、筒状部53の少なくとも先端部に設けられた破断可能部54と、筒状部53の破断可能部54を挟むようにそれぞれ設けられるとともに第1の薬剤室3の一方のシート2aに固着する第1の応力付与部56及び第1の薬剤室3の他方のシート2bに固着する第2の応力付与部57を備え、さらに、破断可能部54は、第1の応力付与部56および第2の応力付与部57間の広がりにより破断し、筒状部53を開口するものである。
排出ポート51は、図28から図31に示すように、第1の応力付与部56と、第2の応力付与部57と、筒状部53と、筒状部53に設けられた破断可能部54と、筒状部53の後端部を封鎖する蓋部59とを備えている。以下、図28から図31の「上側」を「先端側」とし、図28から図31の「下側」を「基端側」として排出ポート51を説明する。また、筒状部53は、図21、図22に示すように、基端部に軟質バッグ2に取り付けるための軟質バッグ取付部58を有している。
【0051】
筒状部53は、図30、図31に示すように、先端部が閉塞され基端部が開口しており、この実施例において、基端側から順に、フランジ部53aと、第1の円筒部(軟質バッグ取付部)53bと、第1の円筒部53bと連続し先端側に向かってテーパー状に縮径するテーパー部53cと、テーパー部53cと連続する第2の円筒部53dと、第2の円筒部53dと連続する閉塞部(先端部)53eとからなる。先端部53eの形状は、本発明の実施例では、円錐台形状である。また、先端部の形状は、ドーム形状、円錐形状等であってもよい。
また、フランジ部53aの基端側は、蓋部59を取り付ける蓋部取付部53fが形成されている。
蓋部59は、図30、図31に示すように、筒状部53の基端部の開口を刺通可能に封鎖する。蓋部59は、筒状部材59aと、筒状部材59aの基端部開口を刺通可能に閉塞するシール部材59bを備えている。
【0052】
シール部材は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止するものであることが好ましい。シール材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミドなどの可撓性高分子材料、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられ、シール性、再シール性の点からは弾性材料を含有しているものが好ましい。また、ポートとしては、円筒状、楕円筒状の成形品であることが好ましい。
【0053】
また、筒状部53が直接軟質バッグ2に取り付けられる場合、筒状部53の軟質バッグ2に接合される部分(本発明の実施例では軟質バッグ取付部58)は、軟質バッグ2と相溶性のある樹脂により形成されていることが好ましい。これにより、筒状部53が軟質バッグ2に密着しやすいものとなる。本発明の実施例では、筒状部53の外表面に軟質バッグ2の形成材料(特に、軟質バッグ2の内面側を形成する形成材料)と相溶性のある樹脂層が設けられている(図示せず)。具体的に、樹脂層は、筒状部53の外表面の円周上に形成されている。相溶性のある樹脂としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等が好ましい。また、相溶性のある樹脂としては、軟質バッグ2を構成するシート材料と同一もしくは近似した材料であることが好ましい。相溶性のある樹脂は、2色成形することにより筒状部53に被覆されていてもよい。この場合、筒状部53の外表面に相溶性のある樹脂層を設けなくてもよい。
【0054】
破断可能部54は、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57により応力が付与されたとき、筒状部53を構成する部分を縦に割ることができるような構成となっていることが好ましい。破断可能部54は、筒状部53の先端部から基端部付近まで設けられていることが好ましい。破断可能部54が筒状部53の基端部付近まで設けられていることにより、破断可能部54が破断したとき、筒状部53内の薬剤を確実に排出することができる。破断可能部54は、図28,図29に示すように、筒状部53の先端から第1の円筒部53bの先端部付近まで設けられている。破断可能部54は、筒状部53の先端側部分においてのみ形成されていてもよい。
破断可能部54は、図29に示すように、筒状部53の先端部付近において第1の応力付与部56と第2の応力付与部57との間を通るように設けられ基端側に延びている先端側部分54aと、先端側部分54aの基端部付近から分岐して筒状部53の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分54bおよび第2の応力付与部側部分54cを有している。そして、第1の応力付与部側部分54bおよび第2の応力付与部側部分54cは、先端側部分54aの基端部同士を繋ぐように設けられている。このように構成することにより、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57を広げたとき破断可能部54が破断して筒状部53が開封される。
【0055】
また、第1の応力付与部56は、筒状部53の先端部付近の一方のシート2a側部分から延び、第2の応力付与部57は、筒状部53の先端部付近の他方のシート2b側部分から延びる。破断可能部54は、第2の薬剤室4を押圧したとき、第1の応力付与部56の軟質バッグ2に対する固定部60及び第2の応力付与部57の軟質バッグ2に対する固定部61付近が膨らむことにより、一方のシート2a側及び他方のシート2b側に破断する。また、先端側部分54aは、図29に示すように、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57との間を通り、かつ基端側に向かって延びていることが好ましい。先端側部分54aは、筒状部53の第1の応力付与部56と第2の応力付与部57との中間付近を通り、かつ一方のシート側と他方のシート側の中間付近を通るように薬剤収納部の基端部付近まで延びている。先端側部分54aは、筒状部53の先端部から基端側まで筒状部53の外面に沿って縦方向に形成されている。先端側部分54aは、先端部から基端側まで連続して形成されている。このような構成により、図32に示すように、第2の薬剤室4を押圧して第1の薬剤室3を膨らませたとき、筒状部53を一方のシート2a側及び他方のシート2b側に引き裂くことができる。
【0056】
図29に示すように、破断可能部54の第1の応力付与部側部分54bおよび第2の応力付与部側部分54cは、破断可能部54の先端側部分54aと直交するように設けられている。また、破断可能部の開封保持部材側部分54b,54cは、略円弧状に形成されている。破断可能部54が、図29に示す実施例のような構成であることにより、破断により図32に示すように、筒状部53の第1の円筒部53bより先端側部分が筒状部53の基端側部分より分離する。破断可能部54は、上述したように破断可能な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部54は、筒状部53の外面に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。また、第1の応力付与部側部分54b、第2の応力付与部側部分54cは、略円弧状、略楕円弧状若しくはコの字状に形成されていてもよい。
具体的に、本発明の実施例の破断可能部は、溝部の断面がV字状の溝部を形成することにより作製されている。具体的には、溝部の角度は、30〜120°、特に、40〜60°、最小肉厚は、0.05〜0.3mm、特に、0.08〜0.2mmであることが好ましい。このような角度に溝形成部を作製することにより、軟質バッグ2を膨らませた場合、破断可能部の中心に応力が集中して確実に破断するものとなる。また、溝部は、破断容易な形状であればいかなる形状のものであってもよく、実施例のようなV字形状に限られず半円形状、半楕円形状等であってもよい。また、本発明の破断可能部は、溝部が形成されることにより薄肉部が形成され破断可能となるものであるが、これに限定されるものではない。破断可能部は、例えば、薬剤収納部の破断可能部を形成する部分をその他の部分より脆弱な材質で形成することにより作製してもよい。具体的に、多色成形によって、破断可能部を形成する部分を破断容易な材料で作製して、その他の部分を破断容易でない材料にて作製することが好ましい。
【0057】
また、破断可能部54は、第1の応力付与部56及び第2の応力付与部57により付与される応力により筒状部53を破断可能なものであればいかなるものであってもよい。
この実施例では、第1の応力付与部56および第2の応力付与部57は、図28から図31に示すように、筒状部53の先端部付近を基端として延出するとともに、先端は自由端となっている。このような構成により、第1の応力付与部56および第2の応力付与部57は、両者間を開く力が付与されたときに、その力を破断可能部54を破断するための応力に変換する機能を備えている。また、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57とは向かい合うように形成されていることが好ましい。また、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57の本体部は縦長の矩形状に形成されていることが好ましい。このような構成により、軟質バッグ2を押圧して膨らませた際に、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57とにより、破断可能部54に確実に破断応力が付与される。
【0058】
具体的に、第1の応力付与部56、第2の応力付与部57は、図28から図31に示すように、それぞれの縦長の平板部56a,57aと、平板部56a,57aの両側に形成された側壁部56b,57bと、軟質バッグ2を構成するシートと接合する接合部56d,57dと、側壁部に形成されたリブ56e、57eと、平板部56a,57aの内面に形成されたリブ56c,57cと、補強用リブ56f,57fを備えている。
第1の応力付与部56と第2の応力付与部57は、向かい合いかつ若干離間するように設けられていることが好ましい。このような構成を有しているため、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57間が、軟質バッグ2への固定時に押圧されても、第1の応力付与部56および第2の応力付与部57に許容される変形量は少なく、破断可能部54が破断するおそれがない。本発明の実施例では、平板部56a,57aは、対向するように配置されていることが好ましい。本発明の実施例の側壁部56b,57bは、先端側部分が高く、基端側部分が低く形成されている。側壁部56b,57bの先端側部分には、図29、図30、図31に示すように、リブ56e,57eが形成されている。リブ56eとリブ57eは向かい合う位置に設けられている。このような構成により、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57との間が若干離間したものとなっている。リブ同士は、0.1〜3.0mm、特に、0.3〜1.5mm離間していることが好ましい。
【0059】
リブ56c,57cは、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57の向かい合うそれぞれの面に設けられている。本発明の実施例においては、リブ56c,57cは、平板部56a,57a内面の中央付近において平板部56a,57aの筒状部53の先端部から平板部56a,57aの先端部まで設けられている。また、リブは、相互に当接しない位置に配置されていてもよい(図示せず)。具体的に、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57には、第1の応力付与部56若しくは第2の応力付与部57の軸方向の中心から側面側に互い違いにずれた位置に設けられていてもよい。このため、リブ56c,57cは、相互に当接しないものとなっている。このような構成により、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57に付加された引張応力もしくは引き裂き応力が破断可能部54に確実に伝達されるため、破断可能部54が破断され易くなる。リブ56c,57cの高さは、先端から基端側に向かって高くなっている。
【0060】
補強用リブ56f,57fは、図28、図29に示すように、平板部56a,57aの外面において筒状部53の先端部から平板部56a,57aの中間部付近まで設けられている。補強用リブ56f,57fは、筒状部53の先端部から先端側に向かって縮径している。補強用リブ56f,57fを有することにより、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57とは、筒状部53の先端部付近に確実に応力を付与することができる。
接合部56d,57dは、平板部56a,57aの外面には、軟質バッグ2の内面に平面部である。接合部56d,57dは、矩形状に形成され平坦に形成されている。接合部56d,57dは、第1の応力付与部56と第2の応力付与部57の先端側部分に形成されている。
【0061】
本発明の実施例において第1の応力付与部56および第2の応力付与部57の外側表面の少なくとも一部は、軟質バッグ2の内面に固着可能な材料により形成されていることが好ましい。具体的に、接合部56d,57dは、少なくとも一部が軟質バッグ2の内面に固着可能な材料により形成されている。具体的には、軟質バッグ2の内面に接合される接合部56d,57dは、その一部若しくは全体が、軟質バッグ2の形成材料(特に、軟質バッグ2の内面側を形成する形成材料)と相溶性のある樹脂により形成されていることが好ましい。このような構成により、第1の応力付与部56と、第2の応力付与部57を軟質バッグ2の内面に確実に接合することができる。軟質バッグ2と相溶性のある樹脂としては、上述したものであることが好ましい。相溶性のある樹脂は、軟質バッグの構成材料と同一もしくは近似した材料であることが好ましい。相溶性のある樹脂層は、本発明の実施例では、2色成形により作製されていることが好ましい。なお、第1の応力付与部もしくは第2の応力付与部のすべてを薬剤容器の軟質バッグと相溶性のある樹脂により作製してもよい。相溶性のある樹脂層は軟質バッグの内面と接合し易いように平坦に作製されていることが好ましい。
【0062】
そして、医療用容器50には、図23,図24に示すように、第1の応力付与部56の接合部56dの全体若しくは一部が、軟質バッグ2のシート2a内面と接合されることにより第1の固定部60が形成されており、同様に、第2の応力付与部57の接合部57dの全体もしくは一部が、軟質バッグ2のシート2b内面と接合されることにより第2の固定部61が形成されている。このため、第1の応力付与部56及び第2の応力付与部57が、薬剤室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部56および第2の応力付与部57の固定部60,61間の広がりに追従して広がり、後述する破断可能部を、一方のシート2a側及び他方のシート2b側に開き破断する。
第1の応力付与部56の接合部56d及び第2の応力付与部57の接合部57dと軟質バッグ2の一方のシート2a,2bの内面との接合は、超音波融着、高周波融着、熱融着等により行われることが好ましい。具体的に、排出ポート51を、図16に示すような位置に配置した後、軟質バッグ2の一方のシート2a及び他方のシート2b面の両面側からシール金型により挟持しヒートシールすることにより行われることが好ましい。
また、第1の応力付与部56もしくは第2の応力付与部57は、軟質バッグ2の外部から担持して広げることが可能な構成であることが好ましい。
なお、本発明の第1の応力付与部及び第2の応力付与部は、上述した構成のものに限定されず、軟質バッグ2を構成する一方のシート内面と他方のシート内面と接合可能であり、かつ軟質バッグの膨らみに連動して破断可能部に応力を付与できる構成をしているものであればいかなる構成であってもよい。例えば、薬剤収納部の軸方向に延びるように形成されず、薬剤収納部に対して斜めに形成されるものであってもよい。
【0063】
本発明の排出ポートの構成材料としては、硬質樹脂もしくは半硬質樹脂が使用される。具体的には、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン[具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)]、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。また、蓋部材の構成材料としても上述した硬質もしくは半硬質樹脂が好ましい。
【0064】
破断可能部54は、第2の薬剤室4を押圧したとき、仕切用弱シール部12より剥離しにくいものが好ましい。具体的に、破断可能部54の破断強度は、仕切用弱シール部12のシール強度より大きいことが好ましい。破断可能部54の破断強度(先端側部分54aの初期破断強度)としては、0.5〜14N、特に、2〜10Nであることが好ましい。
排出阻害用部材64と上述した排出阻害用部材31との相違は、第1の挟み部及び第2の挟み部の長さと、狭持状態保持部17が挟み部の下端部の両側に設けられている点のみであり、実質的な構成は同じである。
【0065】
排出阻害用部材64は、図25から図27に示すように、第1の挟み部65と、第2の挟み部66と、保持部17、ヒンジ部19とを備えている。第1の挟み部65と第2の挟み部66は、ヒンジ部19により連結され開閉可能となっている。
第1の挟み部65と第2の挟み部66は、排出ポート51を収容する収容部65a,66aと、排出ポート51の排出口51dへの外部からの挿通を阻害するための阻害部65d,66dとを備えている。
第1の挟み部65と第2の挟み部66は、連通阻害用部材36の第1の挟み部37と第2の挟み部38と先端側部分の構造のみ異なっている。図25,図26に示すように、第1の挟み部65と第2の挟み部66は、排出ポート51全体を収容している。
第1の挟み部65と第2の挟み部66の本体部は、先端部が縮径し基端部に底部を有する半筒状部である。そして、本体部の先端部には平板部65d,66dが形成されている。
【0066】
具体的に、第1の挟み部65と第2の挟み部66の本体部の先端側部分の開口端部は、図26に示すように、先端に向かって外側に傾斜している。このような構成により、第1の挟み部65と第2の挟み部66の先端部を除く先端側部分は、先端側に向かうにつれ大きく離間する。平板部65d,66dは、軟質バッグ2の広がりにより応力を確実に受け止める部分となっている。第1の挟み部65と第2の挟み部66の先端側部分は、挟み状態において軟質バッグ2を狭圧しない非狭圧部となっている。
本発明の実施例において、第1の挟み部15と第2の挟み部16のように、第1の挟み部65、第2の挟み部66は、先端部が縮径して基端部に底部を有する半筒状部となっている。半筒状部の内側には、図27に示すように、排出ポート51を収容する収容部65a,66aが設けられている。第1の挟み部65と第2の挟み部66は、同様の構成となっている。第1の挟み部65と第2の挟み部66を重ね合わせることにより内部に排出ポート7全体を収容可能な形状となっている。
【0067】
本発明の実施例において、第1の挟み部65と第2の挟み部66の基端部が阻害部65b,66bとなっている。具体的に、第1の挟み部65と第2の挟み部66の基端部には壁面(底部)が形成されているため後ろから排出口51dに針管を挿通できないものとなっている。なお、第1の挟み部と第2の挟み部は少なくとも排出ポート7の排出口51d付近を覆うものであればよい。
また、排出阻害用部材64は、軟質バッグ2の上端部(上端側シール部)24もしくは下端部(下端側シール部)22に設けられた孔23に取り付け可能である。本発明の実施例の排出阻害用部材64は、孔23を介して保持部17を嵌合することにより下端部に設けられた孔23に取付可能である。
【0068】
狭持状態保持部17は、挟み状態を保持した状態で第1の挟み部65と第2の挟み部66とを連結する連結部であり、連結部は、軟質バッグ2の広がりにより第1の挟み部65と第2の挟み部66が押し広げられることにより第1の挟み部65と第2の挟み部66との連結を解除するものであることが好ましい。連結部17は、第1の挟み部65と第2の挟み部66の基端部の外面の両側に設けられている。連結部17自体の構成については上述したとおりであるため上記説明を参照する。
また、挟み部65,66による挟み状態は、図32に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより挟み部65,66が押し広げられることにより解除される。第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき排出阻害用部材64は、仕切用弱シール部12より開封されにくいものとなっている。具体的に、排出阻害用部材64の開封強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)より大きくなっていることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5と第2の薬剤室4内の第2の薬剤6とを混合する前に薬剤を投与することを防止することができる。
【0069】
また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、排出阻害用部材64の順に開通することが好ましい。また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、排出阻害用部材64の順に開通することが好ましい。具体的に、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)が、0.5から10N/10mm、特に、2から6N/10mmであり、かつ排出阻害用部材64の開封可能強度が2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
【0070】
次に、本発明の医療用容器50の使用方法について説明する。
まず、医療用容器1の第2の薬剤室4を手指等で強く押圧すると、まず、仕切用弱シール部12が破断され、次いで、第2の薬剤室4からの薬液の流入により第1の薬剤室3が広がる。そして、まず、排出阻害用部材64が図32に示すように開封し、次いで、排出ポート51の破断可能部54の先端側部分54aが破断され、次いで、第1の応力付与部側部分54b及び第2の応力付与部側部分54cが破断される。そして、排出阻害用部材64を軟質バッグ2から取り外し、排出ポート51の排出口51dに挿通針を刺し薬剤投与を行う。
【0071】
次に、本発明の医療用容器70について説明する。図33は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図、図34は、図33に示す医療用容器のG−G線断面図、図35は、図33に示す医療用容器に用いられる連通阻害用部材の正面図、図36は、図35に示す連通用阻害部材の側面図、図37は、図35に示す連通阻害用部材の展開図、図38は、図33に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器70は、医療用容器35と排出ポート及び連通阻害用部材の構成のみ異なっている。その他の構成としては医療用容器35と同様であるため説明を省略する。
また、医療用容器に用いられる排出ポートとしては、医療用容器50に用いられる排出ポート51と同様であるため上記説明を参照する。
連通阻害用部材71は、図35から図37に示すように、排出ポート51と軟質バッグ2内との連通及び排出ポート51の排出口51dへの外部からの挿通の両方を阻害するものである。
【0072】
連通用阻害部72は、図35から図37に示すように、狭圧部72,73と、保持部17と、ヒンジ部19とを備えている。
このような構成により、連通阻害用部材71は、薬剤が混合される前に薬剤投与を防止することができ、かつ薬剤投与準備を容易に行うことができる。
狭圧部は、排出ポート51の周りを軟質バッグ2の一方の面と他方の面とから挟むための第1の狭圧部72と第2の狭圧部73とを備えている。第1の狭圧部72と第2の狭圧部73は、ヒンジ部19により連結され開閉可能となっている。なお、ヒンジ部を備えないものであってもよい。
第1の狭圧部72と第2の狭圧部73は、図35ないし図37に示すように、排出ポート51を収容するための収容部72a,73aと阻害部72d,73dを備えている。また、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73の開口端は、軟質バッグ2内と排出ポート51との連通を阻害する狭圧面72b,73bとなっている。
【0073】
実施例の第1の狭圧部72と第2の狭圧部73の収容部72a,73aは、排出ポート51全体を収容している。収容部72a,73aは、排出口51dの周りを外部からの挿通を阻害するように覆っている。このため、実施例に示す連通阻害用部材71は、排出ポート51と軟質バッグ2内との連通を阻害しかつ排出ポート51の排出口51dへの外部からの挿通を阻害する。
本発明の実施例において、第1の狭圧部72、第2の狭圧部73は、先端部が縮径して基端部に底部を有する半筒状部となっている。半筒状部の内側には、図36,図37に示すように、排出ポート51を収容する収容部72a,73aが設けられている。第1の狭圧部72と第2の狭圧部73は、同様の構成となっている。第1の狭圧部72と第2の狭圧部73を重ね合わせることにより内部に排出ポート51全体を収容可能な形状となっている。
【0074】
本発明の実施例において、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73の基端部が阻害部72d,73dとなっている。具体的に、第1の狭圧部73と第2の狭圧部73の基端部には壁面(底部)が形成されているため後ろから排出口51dに針管を挿通できないものとなっている。なお、第1の挟み部と第2の挟み部は少なくとも排出ポート51の排出口51d付近を覆うものであればよい。
そして、半筒状部の開口部は、狭圧面72b、73bとなっている。本発明の実施例において、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73が軟質バッグ2を挟んだ状態において、狭圧面72bと狭圧面73bは、排出ポート51の周りのシートを連続して密着させ仕切部25を形成する。
狭圧面72b,73bは、排出ポート51の周りを押圧する部分が略半楕円形状、略円形状となるように形成されていることが好ましい。狭圧面の形状としては、排出ポート51の周りを押圧する部分の形状がU字形状、台形状、頂点を下にした三角形状、V字形状等であってもよい。狭圧面72b,73bは、実施例では平坦となっている。
【0075】
本発明の実施例において、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73の基端部が阻害部72b,73bとなっている。具体的に、第1の狭圧部73と第2の狭圧部73の基端部には壁面(底部)が形成されているため後ろから排出口51dに針管を挿通できないものとなっている。なお、第1の挟み部と第2の挟み部は少なくとも排出ポート51の排出口51d付近を覆うものであればよい。
また、連通阻害用部材71は、図33に示す実施例のように軟質バッグ2の上端部(上端側シール部)24もしくは下端部(下端側シール部)22に設けられた孔23に取り付け可能であることが好ましい。本発明の実施例は、孔23を介して保持部17のピン20を通過させ保持部17を嵌合させることにより軟質バッグ2の下端側シール部22に取付可能となっている。
【0076】
挟み状態保持部17は、狭圧部72,73の挟み状態を保持した状態で第1の狭圧部72と第2の狭圧部73とを連結する連結部であり、連結部17は、軟質バッグ2の広がりにより第1の狭圧部72と第2の狭圧部73が押し広げられることにより第1の狭圧部72と第2の狭圧部73との連結を解除するものであることが好ましい。
連結部17は、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73に設けられた嵌合部であることが好ましい。連結部17は、第1の狭圧部72に設けられた挿入路(実施例では挿入孔)18と、挿入路18に挿入可能であり、第1の狭圧部72及び第2の狭圧部73の狭圧状態を保持するための挿入手段(実施例ではピン)20を備えている。ピン20の外径は、孔18の内径とほぼ同じ大きさとなっている。このような構成により、図35,図36に示すように、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73を閉じ、ピン20を挿入孔18に挿通して嵌合させることにより第1の狭圧部72と第2の狭圧部73の狭圧状態が保持される。また、図38に示すように、第1の薬剤室3の広がりにより、ピン20が挿入孔18から抜け狭圧状態が解除される。なお、連結部は第1の狭圧部と第2の狭圧部に設けられた係合部であってもよい。
【0077】
また、狭圧部72,73による狭圧状態は、図38に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより狭圧部72,73が押し広げられることにより解除される。第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき連通阻害用部材71は、仕切用弱シール部12より開封されにくいものとなっている。具体的に、連通阻害用部材71の開封強度は、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)より大きくなっていることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5と第2の薬剤室4内の第2の薬剤6とを混合する前に薬剤を投与することを防止することができる。また、第2の薬剤室4を押圧したとき、ワンアクションで仕切用弱シール部12、連通阻害用部材71の順に開通することが好ましい。具体的に、仕切用弱シール部12の剥離強度(初期剥離強度)が、0.5から10N/10mm、特に、2から6N/10mmであり、かつ連通阻害用部材14の開封可能強度が2から14N、特に、5から10Nであることが好ましい。
また、この実施例の連通阻害用部材71においても、図39および図40に示す連通阻害用部材14のように、狭圧状態解除補助部15c、16cを備えるものであってもよい。狭圧状態解除補助部については、上述した通りである。
【0078】
連通阻害用部材71を排出ポート51を内部に収納するように軟質バッグ2に取り付けると、図33,図34に示すように、第1の狭圧部72と第2の狭圧部73の押圧部72b,73bが排出ポート51を取り囲むように軟質バッグ2を一方の面及び他方の面から狭圧することにより、排出ポート51の周りに半楕円形状に仕切部25が形成される。仕切部25内は、第1の薬剤室3と独立した第4の薬剤室26が形成される。第4の薬剤室26には、薬液が充填されていないことが好ましいが少量充填されていてもよい。以上のような構成により、仕切部25により、第1の薬剤室3内の第1の薬剤5が排出ポート51側にほとんど流入しないものとなっているため、第1の薬剤室3と排出ポート51との連通を阻害することができる。このため、軟質バッグ2内の薬剤を混合する前に薬液を投与することを防止することができる。
【0079】
次に、本発明の医療用容器70の使用方法について説明する。
まず、医療用容器1の第2の薬剤室4を手指等で強く押圧すると、まず、仕切用弱シール部12が破断され、次いで、図38に示すように、第2の薬剤室4からの薬液の流入により第1の薬剤室3が広がり、連通阻害用部材71が開封し、軟質バッグ2内と排出ポートとが連通する。そして、連通阻害用部材71を軟質バッグ2から取り外し、排出ポートの排出口に挿通針を刺し薬剤投与を行う。
【0080】
次に、本発明の他の実施例である医療用容器を説明する。図41は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図、図42は、図41に示す医療用容器のH−H線断面図、図43は、図41に示す医療用容器に用いられる容器本体の正面図である。
医療用容器80は、図7ないし図12に示し説明した医療用容器30と容器本体の構成のみ異なっており、排出阻害用部材31は同じであるため、同じ構成については上記を参照する。
【0081】
この実施例の医療用容器80は、図41に示すように、内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤5と、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤6と、第1の薬剤室3と連通するように取り付けられた排出ポート7と、第1の薬剤室3と排出ポート7との連通を阻害する連通阻害用弱シール部81とを備える容器本体82と、容器本体82の軟質バッグ2に取り付けられ排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害するための排出阻害用部材31とを備える。
【0082】
排出阻害用部材31は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面側および他方の面側から挟む挟み部32,33と、挟み部32,33による軟質バッグ2の挟み状態を保持するための挟み状態保持部17と、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害するように排出口7dの周りを覆う阻害部32b、33bとを備え、挟み状態保持部17は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりにより、連通阻害用弱シール部81の剥離と同時もしくは若干前後して挟み部32,33が押し広げられることにより解除され、排出阻害用部材31が軟質バッグ2から取り外し可能となる。
本発明の排出阻害用部材31は挟み部32,33が軟質バッグ2を挟むことにより取り付けられており、挟み部32,33の挟み状態が解除されることにより軟質バッグ2から取り外し可能となっている。
排出阻害用部材31は、排出阻害用部材14のように軟質バッグ2内と排出ポート7との連通を阻害せず、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通(具体的には、輸液セットの針管の刺通)のみ阻害するものである。排出阻害用部材31は、第1の挟み部32と第2の挟み部33の構成のみ排出阻害用部材14と異なっている。
【0083】
排出阻害用部材31の具体的構成については、上述した記載を参照するものとする。
そして、この実施例において用いられている容器本体82は、可撓性材料により作製され、内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部12により第1の薬剤室3と第2の薬剤室4に区分された容器本体82と、第1の薬剤室3の下端部と連通する排出ポート7と、第1の薬剤室3に収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室4に収納された第2の薬剤と、第1の薬剤室3と排出ポート7との連通を阻害する連通阻害用弱シール部81を備えている。
さらに、この実施例の医療用容器80では、仕切用弱シール部12は、第1の弱シール部12aと、第1の弱シール部12aより剥離しにくい第2の弱シール部12bとを備える。特に、この実施例の容器本体82では、仕切用弱シール部12は、第1の弱シール部12aと、第1の弱シール部12aの両側に設けられ第1の弱シール部12aより剥離しにくい第2の弱シール部12bを備えている。なお、上述したすべての実施例において、仕切用弱シール部12は、第1の弱シール部12aより剥離しにくい第2の弱シール部12bとを備えるものであってもよい。
【0084】
この実施例において用いられている容器本体82と上述した容器本体10との相違は、連通阻害用弱シール部81および仕切用弱シール部12の構成の相違のみであり、その他については、上述した記載を参照するものとする。
この実施例の容器本体82では、図43に示すように、仕切用弱シール部12は、第1の弱シール部12aと第1の弱シール部12aの両側に設けられた第1の弱シール部より剥離しにくい第2の弱シール部12bとを備えている。
このような構成により、第2の薬剤室4を押圧することにより、第2の弱シール部12bが剥離することなくもしくは第2の弱シール部12bの剥離に先だって、第1の弱シール部12aが剥離する。そして、剥離部(剥離した第1の弱シール部)より液体等の流体(具体的には、薬液および気体)が第1の薬剤室3に流入する。この液体等の流体の流入により第1の薬剤室3が押し広げられるとともに第2の薬剤室4の押圧の継続により第1の薬剤室の内圧も上昇する。液体等の流体の流入時には、第1の弱シール部12aが剥離部となり、仕切用弱シール部12の全体が剥離しない。このため、第1の薬剤室3はその容量があまり増加しない状態において、液体等の流体の流入を受けることになる。よって、第1の薬剤室3は確実に押し広げられ、これに従って、連通阻害用弱シール部81が確実に剥離する。また、第1の薬剤室3を押圧することにより第1の弱シール部12aとともにもしくは若干遅れて連通阻害用弱シール部81が剥離する。
よって、いずれの薬剤室を押圧しても、第1の薬剤室と第2の薬剤室との連通操作および連通阻害用弱シール部の剥離操作を一方の薬剤室を押圧するという単一の作業により行うことができる。
【0085】
この実施例の容器本体82では、仕切用弱シール部12は、図43に示すように、容器本体82を横方向全体に横切るように形成されている。また、仕切用弱シール部12は、容器本体82のシート材を帯状に融着することにより形成されている。
第1の弱シール部12aは、図43に示すように、容器本体82の中央付近に設けられ、その両側から容器本体82の側辺もしくは側辺付近まで第2の弱シール部12bが形成されている。この実施例において第1の弱シール部12aは、連通阻害用弱シール部81の上方、具体的には、鉛直上方に設けられていることが好ましい。また、第2の弱シール部12bは、図示するように連通阻害用弱シール部81の上方となる位置の両側に設けられていることが好ましい。このような位置に連通阻害用弱シール部が設けられていることにより、第1の弱シール部が剥離した際、連通阻害用弱シール部が形成されている部分が大きく膨らむため連通阻害用弱シール部が剥離し易くなる。本発明の実施例において、第1の弱シール部12aと、第2の弱シール部12bとは、両側辺部を除き、ほぼ同じ幅となるように形成されている。また、この実施例では、第2の弱シール部12bの両側部は、幅広に形成されている。仕切用弱シール部12(本発明の実施例では第2の弱シール部12b)の両端部には、図43に示すように、実質的に剥離することができない強シール部13が設けられていることが好ましい。なお、第1の弱シール部もしくは第2の弱シール部は、帯状に形成されていなくてもよい。また、この実施例では、排出ポートおよび連通阻害用弱シール部が容器本体82の横方向の中央付近に設けられているため、それに対応して、第1の弱シール部12aも容器本体82の横方向の中央付近に設けられている。排出ポートおよび連通阻害用弱シール部が容器本体82の一方の側辺側に寄った位置に設けられる場合には、それに対応して、第1の弱シール部も容器本体の横方向の中央付近に一方の側辺側に寄った位置に設けることが好ましい。
【0086】
本発明の実施例において、第1の弱シール部12aのシール強度は、第2の弱シール部12bのシール強度より小さいものとなっている。
第1の弱シール部12aは、本発明の実施例では、容器本体82の第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の部分を手で押圧し、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の内圧を高めること、また、容器本体82をハンガーに掛けた状態で容器本体82の第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4部分を手で絞ることにより、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の内圧を高めたりすることにより剥離する程度のシール強度を備えている。これにより、特別の器具等を用いず、簡単な作業で仕切用弱シール部12による遮断を解除し、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の薬剤同士を混合することができる。
また、第2の弱シール部12bは、上述した方法により第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の内圧を、第1の弱シール部の剥離可能内圧以上に高めることにより剥離する程度のシール強度を有している。また、第2の弱シール部12bは、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧することにより実質的に剥離しない程度のシール強度を備えているものであってもよい。
【0087】
具体的には、第1の弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、0.1〜5N/10mm、特に、0.3〜3N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って第1の弱シール部が剥離することがなく、また、第1の弱シール部を剥離する作業も容易である。第2の弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、3N/10mm以上、特に、4N/10mm以上であることが好ましい。
第1の弱シール部と第2の弱シール部とのシール強度差(初期の剥離強度差)は、第1の弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)より、3〜30N/10mm、特に、4〜25N/10mm大きいものであることが好ましい。このようにすることにより、いずれかの薬剤室を押圧した際、仕切用弱シール部の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも第1の弱シール部からの剥離を確実なものとできる。
なお、シール強度の具体的な測定方法としては、以下のようにして行うことができる。
容器本体を各測定対象シール部を含む部分を容器の幅方向に10mmの長さに切断して、それぞれのシール強度部分に含まれる切断片を引張速度300mm/分で測定した値の各シール強度部分の平均値である。
【0088】
また、第1の弱シール部は、第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室を押圧することにより剥離可能なものであり、かつ第2の弱シール部は第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室を押圧することにより実質的に剥離しないものであるとともに引き剥がし可能なものであってもよい。具体的に、本発明の容器本体の第1の弱シール部は、第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室を押圧することにより剥離可能なシール強度により形成されており、第2の弱シール部は、第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室を押圧することにより剥離せずかつ引き剥がし可能なシール強度で形成されていることが好ましい。このような構成を有することにより、第1の弱シール部剥離操作時に、第1の薬剤室が大きく膨らむため、連通阻害用弱シールを該操作とほぼ同時により確実に剥離させることができる。また、第2の弱シール部は、引き剥がし可能であるため、連通阻害用弱シール部を剥離させた後、剥離していない第2の薬剤室を手指等により引き剥がすことができ、容器本体内の薬剤を確実に排出できるものとなる。また、バッグ表面の目盛り(図示せず)を単室容器と同等の精度で読みとることが可能となる。
【0089】
また、容器本体82の第1の薬剤室3の横方向の長さ(Lb)に対する第1の弱シール部12aの横方向の長さ(La)の比(La/Lb)は、0.2〜0.8であることが好ましい。特に、0.3〜0.7であることが好ましい。
また、容器本体82は、連通阻害用弱シール部81の上端と薬剤排出ポートの上端との間の長さ(Lc:最短距離)に対する第1の弱シール部12aの横方向の長さ(La)の比(La/Lc)は、0.2〜3であることが好ましく、更に0.5〜2であることが好ましい。特に、0.7〜1.5であることが好ましい。
La/Lcが0.2より大きいものであれば第1の弱シール部が剥離しにくくなることもなく、3より小さいものであれば第1の弱シール部が剥離した際、連通阻害用弱シール部の剥離も確実となる。また、連通阻害用弱シール部81の幅(帯幅)は、2〜20mm、特に、4〜12mmであることが好ましい。
【0090】
容器本体の具体的なサイズとしては、例えば、以下のようなものが考えられる。
第2の薬剤室4の内側横幅190mm、仕切用弱シール部12と上端側シール部24間の距離135mm、第2の薬剤室に充填された薬液(具体的には、ブドウ糖電解質液)350ml、充填された空気量60cc、仕切用弱シール部の幅(帯幅)15mm、第1の薬剤室3の内側横幅190mm、仕切用弱シール部12と下端側シール部22の傾斜部の中間部間の距離110mm、第1の薬剤室に充填された薬液(具体的には、アミノ酸液)150ml、充填された空気量15cc、連通阻害用弱シール部81の幅(帯幅)8mm、La100mm、Lb180mm、Lc50mm、予備容量(弱シール部を剥離し1室とした状態の予備容量)800ml
弱シール部は、熱シールにより形成することが好ましい。具体的には、加熱プレスにより行うことが好ましく、金型の温度は、容器本体82の形成材料の溶融温度より10℃以上低い温度で行うことにより形成することができる。
【0091】
仕切用弱シール部は、上述したものに限定されるものでなく、第1の弱シール部と、第1の弱シール部より剥離しにくい第2の弱シール部とを備えるものであればいかなる構成のものであってもよい。
また、仕切用弱シール部12としては、図44に示すように、第2の弱シール部12bが第1の弱シール部12aより幅が広いものとすることにより、第2の弱シール部が第1の弱シール部より剥離しにくいものとなっていてもよい。図44に示す仕切用弱シール部12は、小幅な帯状の第1の弱シール部12aとその両側に設けられた第2の弱シール部12bと、仕切用弱シール部12の両端部に設けられた強シール部13を備えている。また、第1の弱シール部と第2の弱シール部との境界部は、第2の弱シール部側から第1の弱シール部側に向かって徐々に幅が狭くなっていてもよい。このような仕切用弱シール部の第1の弱シール部のシール強度と第2の弱シール部のシール強度はほぼ同じもしくは第1のシール部のシール強度が第2のシール部のシール強度より小さいものであることが好ましい。
【0092】
そして、本発明の容器本体82は、図43に示すように、薬剤排出ポート7の上方を取り囲むように形成された連通阻害用弱シール部81を備えている。この連通阻害用弱シール部81により、第1の薬剤室3から隔離された第3室83が形成されている。この第3室83は、空室となっている。しかし、第3室には、所定の液体(例えば、生理食塩水)が入れられていてもよい。また、第3室83は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の水分が充填されていてもよい。さらに、連通阻害用弱シール部81に若干の水蒸気や薬剤が通る通路を形成し、第1の薬剤室3と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。連通阻害用弱シール部81は、シート材を帯状に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
連通阻害用弱シール部81は、図43に示す実施例では、反転した台形状に形成されている。また、連通阻害用弱シール部は、短辺が上側となるU字形状、排出ポートが頂点となる三角形状、排出ポートが底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状、あるいは反転したU字状であってもよい。多角形上の場合、角は丸められていることが好ましい。
【0093】
また、連通阻害用弱シール部は、図43に示すように、第1の弱シール部12aの下方に設けられていることが好ましい。第1の弱シール部の下方に設けられていることにより、連通阻害用弱シール部は、仕切用弱シール部剥離操作時においてより確実に剥離し易くなる。
また、連通阻害用弱シール部の先端部は、その他の部分より剥離し易くなっていてもよい。このような連通阻害用弱シール部81の先端部としては、排出ポート7側に凹む形状となっているものが挙げられる。このような構成により、第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室を押圧することにより押圧力が先端部に集中するため連通阻害用弱シール部が剥離し易くなる。具体的に、連通阻害用弱シール部は、排出ポート側に屈曲もしくは湾曲するように形成されていることが好ましい。また、このような連通阻害用弱シール部81としては、先端部がその他の部分より幅が狭く形成されたものが挙げられる。また、先端部のシール強度をその他の部分より小さくしたものであってもよい。
【0094】
また、連通阻害用弱シール部81のシール強度は、第1の弱シール部12aのシール強度と同等、若干大きいもしくは若干小さいものであり、かつ第2の弱シール部12bのシール強度より小さくなっていることが好ましい。このようなものであれば、第1の弱シール部が剥離されない状態にて薬液が投与されることがなく、かつ、容易な操作で投与準備を行うことができる。特に、連通阻害用弱シール部81のシール強度は、第1の弱シール部12aのシール強度より若干大きくかつ第2の弱シール部12bのシール強度より小さいものであることが好ましい。また、連通阻害用弱シール部は、第1の薬剤室3を押圧することにより、第1の弱シール部12aの剥離とほぼ同時もしくは続いて連通阻害用弱シール部81が剥離するものであることが好ましい。このようにすることにより、連通阻害用弱シール部81が第1の弱シール部12aより先に剥離することがない。
【0095】
また、容器本体は、第2の薬剤室4を押圧することにより、第1の弱シール部12aの剥離とほぼ同時もしくはシール部12aの剥離に続いて連通阻害用弱シール部81が剥離するものであってもよい。このような連通阻害用弱シール部81は、例えば、上述したように、連通阻害用弱シール部のシール強度が、第1の弱シール部と同等もしくは第1の弱シール部12aのシール強度より若干強くすることにより構成することとができる。
連通阻害用弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、1〜25N/10mm、特に、2〜20N/10mmであることが好ましい。
また、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき、強い剥離力がかかる部分に連通阻害用弱シール部81の上端側部分、特に、上端部が形成されていることが好ましい。
【0096】
このような容器本体は、連通阻害用弱シール部81の上端から排出ポート7の上端間の長さ(距離)Lcに対する第1の弱シール部12aの長さLaの比(La/Lc)は、0.2〜3であることが好ましく、特に、0.5〜2であることが好ましい。このような構成により、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を押圧したとき、大きな剥離力がかかる位置付近に連通阻害用弱シール部81の上端側部分が位置するため、連通阻害用弱シール部を容易に剥離することができると考えられる。
連通阻害用弱シール部81の上端から排出ポート7の上端間の長さLcは、連通阻害用弱シール部81の上端から薬剤排出ポート7の中心軸に対して直交する直線の長さである。
【0097】
この容器本体では、上述した関係において、第1の弱シール部の長さLaが短い場合は、図43に示す容器本体82のように連通阻害用弱シール部の上端と薬剤排出ポートの上端との間の長さLcは短く(連通阻害用弱シール部の縦方向の長さが短く)、一方、第1の弱シール部の長さLaが長い場合は、連通阻害用弱シール部の上端と薬剤排出ポートの上端との間の長さLcは長い(連通阻害用弱シール部の縦方向の長さが長い)ことが好ましい。
仕切用弱シール部12と連通阻害用弱シール部81の形成方法としては、特に限定されず、通常使用されている熱シール用加熱金型(熱シールバー)等を用いて行うことができる。また、高圧蒸気滅菌等の熱滅菌時に仕切用弱シール部12と連通阻害用弱シール部81の部位にブロッキングを生じさせる方法を用いても良い。
【0098】
そして、この実施例の医療用容器80では、図41および図42に示すように、軟質バッグ2の排出ポート7の付近には、排出口7dへの外部からの挿通を阻害するための排出阻害用部材31が取り付けられている。そして、この実施例では、排出阻害用部材31は、排出ポート7の周りを軟質バッグ2の一方の面側および他方の面側から挟む挟み部32,33と、挟み部32,33による軟質バッグ2の挟み状態を保持するための挟み状態保持部17と、排出ポート7の排出口7dへの外部からの挿通を阻害するように排出口7dの周りを覆う阻害部32b、33bとを備えている。そして、図示する実施例では、挟み部32,33は、連通阻害用弱シール部81より若干仕切用弱シール部側となる軟質バッグ2の部位を一方の面側および他方の面側から挟んでいる。なお、挟み部32,33は、連通阻害用弱シール部81より、排出ポート側となる軟質バッグ2の部位を一方の面側および他方の面側から挟むものであってもよい。また、挟み状態保持部17は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4の押圧による仕切用弱シール部12の剥離と同時もしくは剥離に続く、軟質バッグ2の広がりによる連通阻害用弱シール部81の剥離と同時もしくは若干前後して挟み部32,33が押し広げられることにより解除され、排出阻害用部材31が軟質バッグ2から取り外し可能となる。
そして、このような容器本体82に排出阻害用部材31を設けることにより、仕切用弱シールおよび連通阻害用弱シールの剥離前における排出ポートを用いた薬液の容器本体への注入を阻止する。このため、排出ポートより容器本体に注入された薬液のみ誤って投与されることがなく安全である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、本発明の実施例の医療用容器の正面図である。
【図2】図2は、図1に示す医療用容器のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図1に示す医療用容器に用いられる連通阻害用部材の正面図である。
【図4】図4は、図3に示す連通阻害用部材の側面図である。
【図5】図5は、図3に示す連通阻害用部材の内面図である。
【図6】図6は、図1に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図8】図8は、図7に示す医療用容器のB−B線断面図である。
【図9】図9は、図7に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の正面図である。
【図10】図10は、図9に示す排出阻害用部材の側面図である。
【図11】図11は、図9に示す排出阻害用部材の展開図である。
【図12】図12は、図7に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図13】図13は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図14】図13は、図13に示す医療用容器のC−C線断面図である。
【図15】図15は、図13に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の正面図である。
【図16】図16は、図15に示す排出阻害用部材の側面図である。
【図17】図17は、図15に示す排出阻害用部材の展開図である。
【図18】図18は、図13に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図19】図19は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図20】図20は、図19に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の正面図である。
【図21】図21は、図20に示す排出阻害用部材の側面図である。
【図22】図22は、図20に示す排出阻害用部材の展開図である。
【図23】図23は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図24】図24は、図23に示す医療用容器のD−D線断面図である。
【図25】図25は、図23に示す医療用容器に用いられる排出阻害用部材の正面図である。
【図26】図26は、図25に示す排出阻害用部材の側面図である。
【図27】図27は、図25に示す排出阻害用部材の展開図である。
【図28】図28は、図23に示す医療用容器に用いられる排出ポートの正面図である。
【図29】図29は、図28に示す排出ポートの側面図である。
【図30】図30は、図28に示す薬剤容器のE−E線断面図である。
【図31】図31は、図28に示す薬剤容器のF−F線断面図である。
【図32】図32は、図28に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図33】図33は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図34】図34は、図33に示す医療用容器のG−G線断面図である。
【図35】図35は、図33に示す医療用容器に用いられる連通阻害用部材の正面図である。
【図36】図36は、図35に示す連通用阻害部材の側面図である。
【図37】図37は、図35に示す連通阻害用部材の展開図である。
【図38】図38は、図33に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図39】図39は、本発明の医療用容器に用いられる他の例の連通阻害用部材の正面図である。
【図40】図40は、図39に示す連通用阻害部材の側面図である。
【図41】図41は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図42】図42は、図41に示す医療用容器のH−H線断面図である。
【図43】図43は、図41に示す医療用容器に用いられる容器本体の正面図である。
【図44】図44は、本発明の他の実施例の医療用容器の仕切用弱シール部付近を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0100】
1 医療用容器
2 軟質バッグ
3 第1の薬剤室
4 第2の薬剤室
5 第1の薬剤
6 第2の薬剤
7 排出ポート
12 仕切用弱シール部
14 連通阻害用部材
15 狭圧部
16 狭圧部
【出願人】 【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【出願日】 平成17年1月7日(2005.1.7)
【代理人】 【識別番号】100089060
【弁理士】
【氏名又は名称】向山 正一

【公開番号】 特開2006−187558(P2006−187558A)
【公開日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願番号】 特願2005−3262(P2005−3262)