| 【発明の名称】 |
医療用複室容器及びこれに取り付けられる開封防止部材 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉川 和成
【氏名】本田 浩
【氏名】岡 実
【氏名】庄司 英克
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、混合前の薬剤が排出されるのを容易に防止することができる医療用複室容器及びこれに用いられる開封防止部材を提供する。
【解決手段】薬剤を収納する2つの収納室11,13と各収納室間を仕切る仕切り用封止部15とを備えた容器本体5と、容器本体5に取り付けられ収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部7とを備え、仕切り用封止部15が、使用に際して各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、排出部7に取り付けられて開口を塞ぐ開封防止部材9を備えており、開封防止部材9は、ゴム栓71を塞ぐ本体部91と、本体部91に連結され収納室を挟持する一対の挟持部92と、一対の挟持部92の挟持状態を保持する保持手段とを備え、収納室内の圧力が高まると保持手段による挟持状態が解除され、開封防止部材9が薬剤排出部7から離脱可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 薬剤を収納する複数の収納室及び前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部を備えた容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部とを備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、 前記薬剤排出部に取り付けられて前記開口を塞ぐ開封防止部材を備えており、 当該開封防止部材は、前記開口を塞ぐ本体部と、当該本体部に連結され前記収納室を挟持する一対の挟持部と、当該一対の挟持部の挟持状態を保持する保持手段とを備え、 前記収納室内の圧力が高まると前記保持手段による挟持状態が解除され、前記開封防止部材が前記薬剤排出部から離脱可能となる、医療用複室容器。 【請求項2】 前記保持手段は、前記一対の挟持部に設けられ互いに係止する係止具及び被係止具によって構成されている、請求項1に記載の医療用複室容器。 【請求項3】 前記保持手段は、前記一対の挟持部の少なくとも一部を互いに連結する破断可能な連結部によって構成されている、前記挟持状態が保持される、請求項1に記載の医療用複室容器。 【請求項4】 前記本体部は、前記挟持状態の解除による前記一対の挟持部の離間に伴って屈曲する屈曲部を有している、請求項1から3のいずれかに記載の医療用複室容器。 【請求項5】 前記各挟持部は、屈曲可能に前記本体部に連結されている、請求項1から4のいずれかに記載の医療用複室容器。 【請求項6】 前記本体部は、前記薬剤排出部を収容するとともに開閉可能に構成され、前記挟持状態の解除による前記一対の挟持部の離間に伴って開状態となる、請求項1から5のいずれかに記載の医療用複室容器。 【請求項7】 前記本体部が、一対の分割片と、該一対の分割片を連結する本体連結部を有し、前記一対の分割片の一方に前記一対の挟持部の一方が連結され、前記一対の分割片の他方に前記一対の挟持部の他方が連結され、前記本体連結部が前記一方の分割片に設けられた係合部と前記他方の分割片に設けられた被係合部とを備え、該係合部及び被係合部が係脱自在に構成されて前記一対の分割片が着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の医療用複室容器。 【請求項8】 前記本体連結部が、前記一対の分割片を開閉可能に連結する構成であることを特徴とする請求項7記載の医療用複室容器。 【請求項9】 薬剤を収納する複数の収納室及び前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部を備えた容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部とを備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、 前記薬剤排出部に取り付けられて前記開口を塞ぐ開封防止部材を備えており、 当該開封防止部材は、前記開口を塞ぐ本体部と、当該本体部に連結され前記収納室を挟持する一対の挟持部と、当該一対の挟持部の挟持状態を保持する保持手段とを備え、 前記本体部及び前記挟持部の少なくとも何れかが、前記薬剤排出部を抜脱可能に保持する保持部を備え、 前記収納室内の圧力が高まると前記保持手段による挟持状態が解除されることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項10】 薬剤を収納する複数の収納室及び前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部を備えた容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部とを備え、前記仕切り用封止部が使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器に取り付けられる開封防止部材であって、 前記開口を塞ぐ本体部と、当該本体部に連結され前記収納室を挟持する一対の挟持部と、当該一対の挟持部の挟持状態を保持する保持手段とを備え、 前記収納室内の圧力が高まると前記保持手段による挟持状態が解除され、前記薬剤排出部から離脱可能となる、開封防止部材。 【請求項11】 前記保持手段は、前記一対の挟持部に設けられ互いに係止する係止具及び被係止具によって構成されている、請求項10に記載の開封防止部材。 【請求項12】 前記保持手段は、前記一対の挟持部の少なくとも一部を互いに連結する破断可能な連結部によって構成されている、前記挟持状態が保持される、請求項10に記載の開封防止部材。 【請求項13】 前記本体部は、前記挟持状態の解除による前記一対の挟持部の離間に伴って屈曲する屈曲部を有している、請求項10から12のいずれかに記載の開封防止部材。 【請求項14】 前記各挟持部は、屈曲可能に前記本体部に連結されている、請求項10から12のいずれかに記載の開封防止部材。 【請求項15】 前記本体部は、前記薬剤排出部を収容するとともに開閉可能に構成され、前記挟持状態の解除による前記一対の挟持部の離間に伴って開状態となる、請求項10から14のいずれかに記載の開封防止部材。 【請求項16】 前記本体部が、一対の分割片と、該一対の分割片を連結する本体連結部を有し、前記一対の分割片の一方に前記一対の挟持部の一方が連結され、前記一対の分割片の他方に前記一対の挟持部の他方が連結され、前記本体連結部が前記一方の分割片に設けられた係合部と前記他方の分割片に設けられた被係合部とを備え、該係合部及び被係合部が係脱自在に構成されて前記一対の分割片が着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項10記載の開封防止部材。 【請求項17】 前記本体連結部が、前記一対の分割片を開閉可能に連結する構成であることを特徴とする請求項16記載の開封防止部材。 【請求項18】 薬剤を収納する複数の収納室及び前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部を備えた容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部とを備え、前記仕切り用封止部が使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器に取り付けられる開封防止部材であって、 前記開口を塞ぐ本体部と、当該本体部に連結され前記収納室を挟持する一対の挟持部と、当該一対の挟持部の挟持状態を保持する保持手段とを備え、 前記本体部及び前記挟持部の少なくとも何れかが、前記薬剤排出部を抜脱可能に保持する保持部を備え、 前記収納室内の圧力が高まると前記保持手段による挟持状態が解除されることを特徴とする開封防止装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、同時に配合すると経時変化を起こすような不安定な各種薬剤(液剤、粉末若しくは固形剤)を個別に収納する複数の収納室を備えた医療用複室容器及びこれに取り付けられる開封防止部材に関する。 【背景技術】 【0002】 静脈注射により患者に投与される薬剤や、眼灌流液、腹膜透析液などの薬剤の中には、予め配合すると望ましくない経時的変化を起こすような不安定な薬剤がある。例えばアミノ酸輸液とブドウ糖輸液とを配合して保存しておくと、いわゆるメイラード反応によって混合液が褐変する。また、脂肪乳剤と電解質溶液とを配合して保存しておくと、脂肪分が凝集を生じ、リン酸含有液とカルシウム含有液を配合しておくと、リン酸カルシウムの沈殿を生じ、望ましくない変化を起こす。 【0003】 このような薬剤に対しては、次のような医療用複室容器が用いられることが多い。この医療用複室容器は、薬剤を収納する2つの収納室を備えたプラスチックフィルム製の容器本体と、この容器本体から薬剤を排出する薬剤排出部とを備えている。2つの収納室は、容器本体の内壁面同士を熱融着した仕切り用封止部によって仕切られている。使用に際しては、いずれかの収納室の中央付近を押圧し、収納室内の圧力を高めて仕切り用封止部を開封する。これによって両収納室が連通し、2つの薬剤が混合される。その後、薬剤排出部を刺入等によって開封し、混合後の薬剤を患者に投与する。 【0004】 ところで、上記のような複室容器では、仕切り用封止部の開封前に、排出部を開封すると、混合前の薬剤が排出されるという問題があった。これを解決するため、例えば特許文献1では、薬剤排出部と、これと隣接する収納室との間に、排出規制用の封止部を設けた医療用容器が提案されている。この排出規制用封止部は、仕切り用封止部と同様に、容器本体の内壁面同士を熱融着することで形成したものであり、その開封強度は仕切り用封止部と同等か或いはそれ以上となっている。この排出規制用封止部を設けると、仕切り用封止部の開封前に、薬剤排出部を開封しても、排出規制用封止部によって収納室から薬剤が排出されるのを防止することができる。 【特許文献1】特開平9−327498号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記特許文献1に記載の医療用複室容器では、次のような問題を有しているため、広く普及するには至っていない。すなわち、容器本体における排出部の近傍は、フィルムが盛り上がって扁平にはなっていない。そのため、排出規制用封止部を熱融着によって形成する場合、シワやピンホールが生じやすいという問題がある。これに起因して、排出規制用封止部の熱融着の強度にバラツキが多くなるため、両封止部の開封強度の調整は容易ではなかった。また、薬剤排出部と排出規制用封止部との間には空間が形成されるが、この空間は薬剤が収容されないため、加熱滅菌を行ってもこの空間内の無菌化を保証することはできないという問題もある。 【0006】 本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、混合前の薬剤が排出されるのを容易に防止することができる医療用複室容器及びこれに用いられる開封防止部材を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、薬剤を収納する複数の収納室と前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部とを備えた容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部とを備え、前記仕切り用封止部が、使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器であって、上記問題を解決するためになされたものであり、前記排出部に取り付けられて前記開口を塞ぐ開封防止部材を備えており、当該開封防止部材は、前記開口を塞ぐ本体部と、当該本体部に連結され前記収納室を挟持する一対の挟持部と、当該一対の挟持部の挟持状態を保持する保持手段とを備え、前記収納室内の圧力が高まると前記保持手段による挟持状態が解除され、前記開封防止部材が前記薬剤排出部から離脱可能となるように構成されている。 【0008】 この構成によれば、開口を塞ぐ開封防止部材を薬剤排出部に取り付けるとともに、使用時に仕切り用封止部を開封するに際し、容器本体を押圧して収納室内の圧力が高まったときに薬剤排出部から開封防止部材が離脱可能となるように構成している。これにより、仕切り用封止部を開封する前に、薬剤排出部の開口が開封されるのを防止することができる。その結果、混合前の薬剤が投与されるのを確実に防止することができる。つまり、開封防止効果を得ることができる。 【0009】 一方、従来例では、この開封防止効果を得るために、熱融着による封止部で薬剤排出部と収納室とを仕切っているが、この構成では、開封強度の正確な設定が困難であったり、容器本体に空室を形成するため加熱滅菌による無菌化が保証できない等の問題があった。これに対して、本発明では、開封防止部材を薬剤排出部に取り付けるだけで、空室を形成することなく上記開封防止効果を得ることができるため、上述した従来例の問題が生じることはない。 【0010】 なお、挟持部が挟持するのは、薬剤排出部に隣接する隣接収納室とすることができ、この隣接収納室に液状の薬剤を収納しておき、隣接収納室を押圧して圧力を高めることで、挟持部が離間するように構成することができる。 【0011】 上記開封防止部材において挟持部の挟持状態を保持する保持手段は、種々の構成にすることができる。例えば、保持手段を、一対の挟持部に設けられ互いに係止する係止具及び被係止具によって構成することができる。或いは、一対の挟持部の少なくとも一部を互いに連結する破断可能な連結部によって構成することもできる。すなわち、収納室の圧力が高まるまでは挟持状態を保持できるように構成されていればよい。なお、保持手段は、これ以外の構成であっても、所定の力が作用するまでは挟持状態を保持できるような構成であればよい。 【0012】 また、本体部が、前記挟持状態の解除による前記一対の挟持部の離間に伴って屈曲する屈曲部を有するように構成することが好ましい。このように本体部が屈曲すると、本体部が薬剤排出部から離脱しやくすなり、これに続く薬剤排出部の開封作業を効率よく行うことができる。また、各挟持部を、屈曲可能に本体部に連結することでも、同様の効果を得ることができる。 【0013】 さらに、本体部を、前記薬剤排出部を収容するとともに開閉可能に構成し、挟持状態の解除による一対の挟持部の離間に伴って開状態となるように構成することもできる。こうすることで、薬剤排出部の開口を確実に塞ぐことができるとともに、開封防止部材の取り外しを容易に行うことができる。 【0014】 さらに、本体部が、一対の分割片と、該一対の分割片を連結する本体連結部を有し、前記一対の分割片の一方に前記一対の挟持部の一方を連結し、前記一対の分割片の他方に前記一対の挟持部の他方を連結し、前記本体連結部が前記一方の分割片に設けられた係合部と前記他方の分割片に設けられた被係合部を備え、該係合部及び被係合部を係脱自在に構成して前記一対の分割片を着脱可能に構成することもできる。前記本体連結部は、前記一対の分割片を開閉可能に連結する構成としても良い。 【0015】 また、前記挟持状態の解除状態において、前記本体部及び前記挟持部の少なくとも何れかが、前記薬剤排出部を抜脱可能に保持する保持部を更に備えることが好ましい。 【0016】 また、本発明は、薬剤を収納する複数の収納室と前記各収納室間を仕切る仕切り用封止部とを備えた容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出する開口を有する薬剤排出部とを備え、前記仕切り用封止部が使用に際して前記各収納室を連通させるように開封可能に構成された医療用複室容器に取り付けられる開封防止部材であって、上記問題を解決するためになされたものであり、前記開口を塞ぐ本体部と、当該本体部に連結され前記収納室を挟持する一対の挟持部と、当該一対の挟持部の挟持状態を保持する保持手段とを備え、前記収納室内の圧力が高まると前記保持手段による挟持状態が解除され、前記薬剤排出部から離脱可能となるように構成されている。 【0017】 なお、開封防止部材の構成は、上述した種々のものにすることができる。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、複数の薬剤が個別に収納された医療用複室容器において、混合前の薬剤が排出されるのを容易に防止することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明に係る医療用複室容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る医療用複室容器の平面図である。 【0020】 図1に示すように、この医療用複室容器1は、矩形状の2枚のフィルムの周縁部3を熱融着して扁平の袋状に形成された容器本体5と、この容器本体5に接続された円筒状の薬剤排出部7とを備えている。薬剤排出部7には、薬剤が通過する開口が形成され、この開口はゴム栓71によって封止されている。そして、この薬剤排出部7には、ゴム栓71の開封を阻止する開封防止部材9が取り付けられている。 【0021】 容器本体5は、長手方向に並べて配置され薬剤が封入される第1収納室11及び第2収納室(隣接収納室)13を有しており、2つの収納室11,13は仕切り用封止部15で仕切られている。また、上記した薬剤排出部7は容器本体5における第2収納室13側の端部に接続されている。一方、容器本体5において薬剤排出部7と反対側の端部には、容器1を吊り掛けるための吊掛孔17が形成されている。 【0022】 容器本体5を構成するフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂等、種々の樹脂材料を採用することができる。但し、後述するように仕切り用封止部15は容器本体5の内壁面同士を融着することから、容器本体5のフィルムは互いに相溶性が乏しく融点の異なる樹脂を混合した混合樹脂で形成することが好ましい。このようにすると、融着強度の制御が容易になるという利点がある。そのような樹脂の組み合わせとしては、例えばスチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、又はポリプロピレンから選ばれる樹脂と、ポリエチレンとの混合樹脂を例示することができる。そのうち、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂、及びポリエチレンと環状オレフィン樹脂との混合樹脂は、医療用として安全性が確認されていること、及び製造上の取り扱いが確立されていることから特に好ましい。 【0023】 また、容器本体5を形成するフィルムは、上述した樹脂のみからなる単層のフィルムの他、多層構造のフィルムを使用することができる。この場合、容器本体5の最内層を構成する樹脂層が上記のような樹脂から形成されていればよい。 【0024】 仕切り用封止部15は、上記のように容器本体5の内壁面同士を熱融着することで構成されており、収納室11,13の内圧を高めると開封するようになっている。このような融着強度としては、例えば、直径100mmの円板でいずれかの収納室を押圧し、10〜30kg程度の力をかけたときに封止部15が開封するようなものが適当である。 【0025】 仕切り用封止部15によって仕切られた各収納室11,13には、予め混合或いは溶解しておくとメイラード反応等の経時変化を起こすため隔離する必要がある各種薬剤a,bがそれぞれ封入されている。例えば一方の収納室にアミノ酸を含有する溶液、他方の収納室にブドウ糖を含有する溶液を収納することができる。また、必要に応じていずれか一方の収納室に電解質等を封入することもできる。さらに、液剤だけでなく、いずれか一方の収納室に固形または粉末薬剤を収納することもできる。但し、後述する開封操作を効率的に行うため、第2収納室13には液状の薬剤を収納しておくことが好ましい。 【0026】 次に、薬剤排出部7に取り付けられている開封防止部材9について説明する。図2は薬剤排出部に取り付けられた開封防止部材の平面図であり、図3及び図4は開封防止部材の動作を説明する側面図である。 【0027】 図2及び図3に示すように、この開封防止部材9は、プラスチックで構成され、薬剤排出部7を収容する箱形の本体部91と、この本体部91から容器本体5側へ延びる一対の挟持部92a,92bとを備えている。本体部91は、容器本体5のフィルムの積層方向(図3の上下方向)に2つに分割された分割片91a,91bを有しており、各分割片91a,91bは薬剤排出部7の先端側で屈曲可能なヒンジ(屈曲部)91cを介して接続されている。このヒンジ91cによって両分割片91a,91bは薬剤排出部7を収容する閉じた状態(図3)と、薬剤排出部7から取り外し可能な開いた状態(図4)とを取り得るようになっている。なお、上記ヒンジ91cは、薄肉のプラスチックで構成される。また、各分割片91a,91bの内部には、薬剤排出部7の外周面に形成された段部72に係合する突起911a,911bが形成されている。そして、両分割片91a,91bが閉じた状態にあるとき、この突起911a,911bが薬剤排出部7の段部72に係合することで、本体部91が薬剤排出部7から軸方向に抜け出るのを防止している。 【0028】 上述した各挟持部92a,92bは、各分割片91a,91bにそれぞれ取り付けられており、容器本体5を表面及び裏面から挟むように延びている。より詳細に説明すると、各挟持部92a,92bは、第2収納室13へ延びるU字形の基部921a,921bと、この基部921a,921bの先端において第2収納室13側を向く押圧片922a,922bとを備えており、図3に示すように、上記本体部91が閉じた状態のとき、両押圧片922a,922bが第2収納室13を挟持するように構成されている。また、一方の基部921b(図3の下側)には、他方の基部921a(図3の上側)へ延びる突部923が形成されており、分割片91a,91bが閉じた状態では、この突部923が他方の基部921bに形成された貫通孔924に係止している。これによって両挟持部92a,92bによる容器本体5に対する挟持状態が保持される。なお、この突部923と貫通孔924とが本発明の係止具及び被係止具に相当する。 【0029】 次に、上記のように構成された医療用複室容器の使用方法について図3及び図4を参照しつつ説明する。複室容器内の薬剤を患者に投与する前の状態においては、図3に示すように、薬剤排出部7には開封防止部材9が取り付けられている。このとき、薬剤排出部7のゴム栓71は、開封防止部材9の本体部91によって完全に覆われた状態になっているため、このゴム栓71を開封することはできないようになっている。そして、薬剤を患者に投与するには、まず、第2収納室13を手で押さえる等して押圧し、収納室13内の圧力を高める。この圧力の作用により、仕切り用封止部15が開封する。こうして、第1収納室9及び第2収納室11が連通し、両収納室9,11の薬剤が混合される。これと同時に、第2収納室13内の圧力が高まって膨れ上がることで、両挟持部92a,92bが離間する方向に力が作用すると、挟持部92の突起923と貫通孔924との係止状態が解除され、第2収納室13を挟持していた両挟持部92a,92bが離間する。この挟持部92a,92bの離間に伴って、図4に示すように、本体部91が開き、薬剤排出部7が露出した状態となる。この状態で、開封防止部材9を薬剤排出部7から取り外すと、ゴム栓71が露出する。そして、導管(図示省略)が接続された刺栓針(図示省略)が刺入すると、混合された薬液が導管を介して患者に投与される。 【0030】 以上のように、本実施形態によれば、ゴム栓71を塞ぐ開封防止部材9を薬剤排出部7に取り付けるとともに、仕切り用封止部15が開封したときに、薬剤排出部7から開封防止部材9が離脱可能となるように構成している。これにより、仕切り用封止部15を開封する前に、ゴム栓71に刺栓針が刺入されるのを防止することができ、混合前の薬剤が投与されるのを確実に防止することができる。つまり、開封防止効果を得ることができる。 【0031】 一方、従来例では、この開封防止効果を得るために、熱融着による封止部で薬剤排出部と収納室とを仕切っていたが、この構成では、開封強度の正確な設定が困難であったり、容器本体に空室を形成するため加熱滅菌による無菌化が保証できない等の問題があった。これに対して、本実施形態では、開封防止部材9を薬剤排出部7に取り付けるだけで、新たな封止部や空室を形成することなく上記開封防止効果を得ることができるため、上述した従来例の問題が生じることはない。さらに、既存の複室容器に取り付けるだけでよいため、汎用性が高く、製造コストを低減できるという利点もある。 【0032】 また、このような複室容器は、一般的に仕切り用封止部15を境界として2つ折りにされ、複数個を積み重ねた状態で搬送されることが多いため、この2つ折り及び積み重ねによって挟持部92の挟持状態がさらに維持される。したがって、運搬中に開封防止部材9が開くのを確実に防止することができる。 【0033】 ところで、上述した挟持部92における突部923と貫通孔924との係止状態が解除される際の強度の調整は、次のようにすることが好ましい。つまり、容器本体5の押圧により仕切り用封止部15が開封されるのとほぼ同時に、突部923と貫通孔924との係止状態が解除されるように係止強度を調整することが好ましい。このような強度の調整は、突部923及び貫通孔924の径を調整するだけでよいので、従来例のような熱融着によって強度を調整するよりも遙かに容易である。 【0034】 以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記開封防止部材は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形態を取り得ることができる。 【0035】 例えば、図5及び図6に示すように、開封防止部材9を有底の筒形に形成することもできる。この例では、筒の開口側から2つのスリット95を形成することで、断面半円状の一対の挟持部92a,92bを形成しており、底面を含む筒の端部がゴム栓を塞ぐ本体部91を構成している。また、筒の外周面にはスリット95の先端から軸方向に延びる薄肉部(連結部)96が形成されるとともに、この薄肉部96と連続する底面には、同じく薄肉部が形成され、ヒンジ部(屈曲部)91cを構成している。また、図6に示すように、筒の内壁面には、薬剤排出部7の段部72に係合する突起911a,911bが形成されている。以上のように構成された開封防止部材9は、薬剤排出部7に被せられ、容器本体5の周縁部が両スリット95内に位置するように取り付けられる。これにより、挟持部92が容器本体5の表面及び裏面のそれぞれに配置される。 【0036】 そして、使用に際して、容器本体5を押圧して第2収納室13の圧力が高まると、両挟持部92a,92bが離間する方向に力が作用し、これに伴って筒の外周面の薄肉部96が破断し、ヒンジ91cによって本体部91が開いた状態になる。この状態で開封防止部材9を薬剤排出部7から取り外すと、ゴム栓71に刺栓針を刺入可能となる。 【0037】 また、次のように開封防止部材を構成することもできる。図7及び図8に示すように、この例に係る開封防止部材9は、ゴム栓を塞ぐ本体部91が円板状に形成されるとともに、この本体部91から容器本体5側に一対の挟持部92a,92bが延びている。挟持部92と本体部91との連結部分は薄肉になっており、屈曲可能なヒンジ91cを構成している。また、両挟持部92の先端には第2収納室13を挟持する楕円状の押圧片922a,922bが設けられ、この押圧片922a,922bには開封を喚起する表示Dが施されている。さらに、各挟持部92a,92bの両側からは円弧状の連結片924a,924bがそれぞれ延びており、両挟持部92a,92b間で対向する連結片924a,924bの先端同士が係止するようになっている。連結片924a,924bの先端は、例えば鈎形に形成して互いに係止できるようにすることができる。このように連結片924a,924b同士が係止することで、両挟持部92a,92bによる容器本体の挟持状態が保持されるようになっている。また、両挟持部92a,92bの内側には薬剤排出部7の段部72に係合する突起923a,923bが形成されている。なお、ここでは、上記対向する連結片924a,924bが本発明の係止具及び被係止具に相当する。以上のように構成された開封防止部材9を使用しても、上記と同様の開封防止効果を得ることができる。 【0038】 また、図9〜図12に示すように、本体部91を、一対の分割片91a、91bと、これら分割片91a,91bを連結する本体連結部10とによって構成し、本体連結部10を係脱自在に構成しても良い。 【0039】 本体連結部10は、一方の分割片91a又は91bに設けられた係合部10aと他方の分割片91a又は91bに設けられた被係合部10bとを備えることができる。係合部10a及び被係合部10bは、係脱自在に構成されて一対の分割片91a,91bが着脱可能に構成されている。 【0040】 図9〜12に示す例では、係合部10aは、一方の分割片91a又は91bの分割縁部から延びる帯状体であってその先端に抜け止め部10cが形成されている。被係合部10bは、他方の分割片91a又は91bの分割縁部に形成され、係合部10aの帯状体を挿通するための通し孔を形成するコ字状部によって形成されている。 【0041】 抜け止め部10cは、被係合部10bを構成するコ字状部の周縁に弱く係合し、一方の分割片91a又は91bを他方の分割片91b又は91aから離反する方へ少し引けば、被係合部10bを構成するコ字状部から抜脱するように形成されている。 【0042】 係合部10aを構成する帯状体は、可撓性を有するものを採用することができる。斯かる構成の本体連結部10は、図10に示すように、分割片91a、91bを挟持部92a、92bと供に開閉自在に連結することができる。 【0043】 挟持部92a、92bの挟持状態を保持する係止具及び被係止具は、上記実施形態と同様、突部923及び貫通孔924によって構成されている。 【0044】 突起923が貫通孔924から外れて挟持部92a、92bによる挟持状態を解除した後においても、薬剤排出部7を抜脱自在に保持する保持部14を備えることができる。保持部14は、図示例において、一方の挟持部92bの内底部から突出状に延びる一対のアーム14a、14bによって形成されている(図9,12参照)。保持部14が薬剤排出部7を保持していれば、挟持部92a、92bによる容器本体5の挟持状態が解除されても、開封防止部材9が直ちに薬剤排出部7から外れることがないので、薬剤排出部7から開封防止部材9が外れて不用意な方向へ移動することが無い。なお、保持部14は、図示例のアーム形状に限らず、薬剤排出部7を抜脱自在に保持するものであれば、如何なる形態であっても良い。 【0045】 図13は、本体連結部の他の実施形態を示す要部拡大斜視図である。図13の例では、本体連結部10は、係合部10dがピンであり、被係合部10eが該ピンを回転自在に支持する支持孔である。係合部10dを構成しているピンは、被係合部10eを構成している支持孔の一端から挿入されており、引き抜き可能となっている。従って、保持手段を構成している係止具923及び被係止具924によって挟持部92a、92bの挟持状体が保持されている状態では、係合部10dと被係合部10eとの係合が解かれることがなく、挟持部92a、92bの挟持状体が解除された場合に、係合部10dと被係合部10eとの係合が解除可能となり、こうして分割片91a、91bが着脱自在となっている。 【0046】 なお、本発明に係る開封防止部材は、図1から図13に示すものに限定されず、薬剤排出部7の開口を塞ぐ本体部91と、この本体部91に連結され収納室を挟持する一対の挟持部92a,92bと、挟持状態を保持する保持手段とを備え、容器本体5の押圧によって挟持状態が解除されて挟持部92a,92bが離間したときに、薬剤排出部7から離脱可能に構成されたものであればよい。 【0047】 また、上記説明の開封防止部材は、プラスチックで構成されているが、これ以外の材料を用いてもよく、少なくとも挟持部が離間できるような可撓性のある材料で構成することが好ましい。このように、プラスチックで構成すると廃棄が容易であるという利点がある。 【0048】 また、上記実施形態では、薬剤が収納される収納室の数を2つにした容器本体について説明したが、これに限定されるものではなく、仕切り用封止部で仕切った3以上の収納室を設けることもできる。 【図面の簡単な説明】 【0049】 【図1】本発明に係る医療用複室容器の一実施形態を示す平面図である。 【図2】図1の医療用複室容器に取り付けられ開封防止部材の平面図である。 【図3】図2の開封防止部材の動作を説明する側面図である。 【図4】図2の開封防止部材の動作を説明する側面図である。 【図5】本発明に係る開封防止部材の他の例を示す斜視図である。 【図6】図5の断面図である。 【図7】本発明に係る開封防止部材のさらに他の例を示す斜視図である。 【図8】図7の断面図である。 【図9】本発明に係る開封防止部材の更に他の実施形態を示す分解平面図である。 【図10】図9の開封防止部材の非解除状態を示す斜視図である。 【図11】図9の開封防止部材の解除状態を示す斜視図である。 【図12】図9のA−A線拡大端面図である。 【図13】本発明に係る開封防止部材の更に他の実施形態を示す斜視図である。 【符号の説明】 【0050】 5 容器本体 7 薬剤排出部 9 開封防止部材 10 本体連結部 91 本体部 92 挟持部 11,13 収納室 15 仕切り用封止部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000149435 【氏名又は名称】株式会社大塚製薬工場
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| 【出願日】 |
平成18年3月13日(2006.3.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510 【弁理士】 【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100124039 【弁理士】 【氏名又は名称】立花 顕治
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| 【公開番号】 |
特開2006−150120(P2006−150120A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月15日(2006.6.15) |
| 【出願番号】 |
特願2006−67950(P2006−67950) |
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