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【発明の名称】 凍結血漿製剤の加温具
【発明者】 【氏名】種本 和雄

【氏名】林 秀朗

【要約】 【課題】凍結血漿製剤を収容した樹脂製の血漿用バッグの取り扱い及び凍結血漿製剤の融解処理を容易に行えるようにする。

【解決手段】血漿用バッグ5の側壁を覆うように配置される第1内面材21と第2内面材22とを袋状に組み合わせる。第1内面材21の外側に第1外面材23の周縁を接着し、第2内面材22の外側に第2外面材24の周縁を接着して、血漿用バッグ5を収容する収容部材20を構成する。第1内面材21と第1外面材23との間及び第2内面材22と第2外面材24との間に加温材封入空間26を設ける。加温材封入空間26に、空気中の酸素と反応する際に発熱する金属粉や活性炭粉等からなる加温材を封入する。加温材により血漿用バッグ5内の凍結血漿製剤を融解して使用可能な状態にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結血漿製剤を保存する樹脂製の血漿用バッグを収容する柔軟性を有する収容部材と、
上記収容部材に血漿用バッグの外面を覆うように設けられ、該血漿用バッグ内の凍結血漿製剤を使用可能な状態となるまで加温するとともに、衝撃に対して変形可能な加温材とを備えていることを特徴とする凍結血漿製剤の加温具。
【請求項2】
請求項1に記載の凍結血漿製剤の加温具において、
加温材が流動性を有していることを特徴とする凍結血漿製剤の加温具。
【請求項3】
請求項2に記載の凍結血漿製剤の加温具において、
収容部材は、血漿用バッグを包む内面材と、この内面材の外側に位置し該内面材との間に加温材が封入される加温材封入空間を形成する外面材とを備えていることを特徴とする凍結血漿製剤の加温具。
【請求項4】
請求項3に記載の凍結血漿製剤の加温具において、
加温材封入空間は、血漿用バッグの一方の側壁を覆うように位置する第1空間と他方の側壁を覆うように位置する第2空間とに区画されていることを特徴とする凍結血漿製剤の加温具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結状態で保存された血漿製剤を加温して使用可能な状態にする凍結血漿製剤の加温具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、献血者から採取した全血液を利用して血液製剤を製造することが行われている。この血液製剤を製造する際には、樹脂で構成された血液バッグセットが用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の血液バッグセットは、全血液が収容される全血液用バッグと、全血液中の血漿により構成された赤血漿製剤が収容される血漿用バッグと、同様に赤血球製剤が収容される赤血球用バッグと、残りの白血球を収容する白血球用バッグとを備えていて、これらバッグは連通管で互いに接続されている。そして、全血液が収容された状態の全血液用バッグを遠心分離器にかけて全血液の成分を比重により分離した後、各成分を連通管を介して対応するバッグにそれぞれ収容することで血液製剤が得られるようになっている。
【0003】
上記のようにして製造された各血液製剤は、各々の成分の性質に応じた方法で保存される。例えば、赤血球製剤は約4℃〜6℃に冷却して保存する一方、血漿製剤は氷点下20℃以下に冷却して凍結状態で保存している。この凍結血漿製剤を使用する際には、血漿用バッグごと恒温槽に入れて融解処理を行う。融解処理を行う際、血漿製剤が38℃以上の高い温度に加温されると血漿製剤中の凝固因子活性が低下し、一方、血漿製剤が例えば30℃未満の低い温度状態で長い間放置されると、製剤中に沈殿物が析出して凝固因子補充効果が期待できなくなるので、恒温槽内の水をかき混ぜて槽内各部の温度差が大きくならないようにしている。
【特許文献1】特開平9−276368公報(第2頁、第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の血液バッグセットは樹脂で構成されているので、血漿製剤を凍結状態で保存する際に血漿用バッグが氷点下20℃以下まで冷却されると該血漿用バッグが硬化し、軽い衝撃によっても簡単に破損してしまう虞れがある。血漿用バッグが破損すると内部の血漿製剤は使用できなくなるので、血漿用バッグを冷凍保管庫から取り出して恒温槽に移すまでの間に他の物に当たって衝撃が加わらないように、取り扱いに気を付けなければならない。
【0005】
さらに、凍結状態の血漿製剤を使用可能な状態にするのに、恒温槽内をかき混ぜる操作が必要になるのに加え、恒温槽をかき混ぜる際には、血漿用バッグが硬化して破損しやすくなっているので、血漿用バッグが恒温槽内面に当たったり、かき混ぜ用の器具が血漿用バッグに当たったりしないように慎重な操作が必要となる。つまり、凍結血漿製剤の融解処理を恒温槽で行う場合には融解処理が煩雑である。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、凍結血漿製剤を加温する加温処理に工夫を凝らし、凍結血漿製剤を収容した血漿用バッグの取り扱い及び凍結血漿製剤の融解処理を容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、血漿用バッグを収容する収容部材に血漿用バッグを覆うように加温材を設け、該加温材により血漿用バッグに加わる衝撃を緩和するようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、結血漿製剤を保存する樹脂製の血漿用バッグを収容する柔軟性を有する収容部材と、該収容部材に血漿用バッグの外面を覆うように設けられ、該血漿用バッグ内の凍結血漿製剤を使用可能な状態となるまで加温するとともに、衝撃に対して変形可能な加温材とを備えている構成とする。
【0009】
この構成によれば、凍結血漿製剤を収容した血漿用バッグを例えば冷凍保管庫等から取り出した後、収容部材に収容する操作を行うだけで、血漿用バッグを恒温槽に入れて槽内の水をかき混ぜる操作を行うことなく、凍結血漿製剤が加温されて使用可能な状態となる。
【0010】
また、血漿用バッグが収容部材に収容された状態では、血漿用バッグが加温材に覆われているので、収容部材の外方から衝撃が作用した際に加温材が変形することで血漿用バッグに加わる衝撃が緩和される。これにより、血漿用バッグを収容部材に収容した状態で移動させる際に例えば他のものに当たった場合に、血漿用バッグが破損するのを未然に防止することが可能になる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、加温材が流動性を有している構成とする。
【0012】
この構成によれば、収容部材の外方から衝撃が作用した際、その衝撃が作用した箇所の加温材が流動し、この加温材の流動により、血漿用バッグに加わる衝撃が効果的に緩和される。また、凍結血漿製剤が融解するに従って血漿用バッグの形状が変化した場合に、加温材が血漿用バッグの形状の変化に追従して流動する。これにより、凍結血漿製剤が使用可能な状態となるまでの間、凍結血漿製剤が確実に加温される。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、収容部材は、血漿用バッグを包む内面材と、この内面材の外側に位置し該内面材との間に加温材が封入される加温材封入空間を形成する外面材とを備えている構成とする。
【0014】
この構成によれば、収容部材の加温材封入空間に加温材を封入するだけで、血漿用バッグの外面を覆うように加温材を設けることが可能となって、該加温材により凍結血漿製剤が確実に加温される。
【0015】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、加温材封入空間は、血漿用バッグの一方の側壁を覆うように位置する第1空間と他方の側壁を覆うように位置する第2空間とに区画されている構成とする。
【0016】
この構成によれば、例えば第1空間に封入された加温材が第2空間に移動するのが防止されるので、加温材が一方の空間に偏ることはなく血漿バッグ内の凍結血漿製剤を血漿用バッグの両方の側壁側から加温することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、血漿用バッグを収容する収容部材に該血漿用バッグを覆うように加温材を設けたので、恒温槽を用いることなく、血漿用バッグを収容部材に収容するだけで凍結血漿製剤を加温して使用可能な状態にすることができて、凍結血漿製剤の融解処理を容易にすることができる。また、加温材により血漿用バッグに加わる衝撃を緩和して血漿用バッグが破損するのを未然に防止できるので、血漿用バッグの取り扱いを容易にすることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、加温材が流動性を有しているので、血漿用バッグが衝撃によって破損するのを確実に防止することができる。さらに、凍結血漿製剤の融解が進んで血漿用バッグの形状が変化した場合に、加温材が血漿用バッグの形状に追従して流動するので、凍結血漿製剤を確実に加温できて、使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、収容部材を構成する内面材と外面材との間に加温材封入空間を形成したので、加温具の構造をシンプルにしながら、凍結血漿製剤を確実に加温することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、加温材封入空間を血漿用バッグの一方の側壁側に位置する第1空間と他方の側壁側に位置する第2空間とに区画したので、血漿用バッグ内の凍結血漿製剤を血漿用バッグの両方の側壁側から効率よく加温することができる。これにより、凍結血漿製剤が使用可能な状態となるまでの時間をより一層短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
この実施形態の説明では、本発明に係る凍結血漿製剤の加温具1について説明する前に、まず、図1に基づいて血液バッグセット2について説明する。この血液バッグセット2は、献血者の全血液から各種血液製剤を製造するのに用いられるものであり、献血者の全血液が収容される全血液用バッグ3と、全血液中の赤血球により構成された赤血球製剤を収容する赤血球用バッグ4と、全血液中の血漿により構成された血漿製剤を収容する血漿用バッグ5と、残りの白血球、いわゆるバフィーコートを収容する白血球用バッグ6とを備えている。上記バッグ3〜6の形状は平面視で略矩形とされている。これらバッグ3〜6は、血液の採取や分離操作が容易に行える柔軟性を備えるとともに、これらの操作に耐え得る強度を満足する材料として、例えば軟質ポリ塩化ビニル製のフィルムで構成されている。具体的には、フィルムをバッグ3〜6の側壁の形状に対応する大きさに成形した後、このフィルムを2枚重ね合わせて周縁を例えば熱により溶融させて接着することでバッグ3〜6が構成されるようになっている。
【0023】
全血液用バッグ3には2つの排出孔7、8が設けられ、これら排出孔7、8はプロテクター9によりそれぞれ覆われている。上記2つの排出孔7、8の間には、血液採取用の針17を有する採取管10が全血液用バッグ3内と連通するように設けられている。さらに、採取管10と排出孔8との間には、上記赤血球用バッグ4、血漿用バッグ5及び白血球用バッグ6に連通する連通管11が全血液用バッグ3内と連通するように設けられている。これら採取管10及び連通管11もポリ塩化ビニルで構成されている。
【0024】
また、血漿用バッグ5にも2つの排出孔12、13が設けられ、また、赤血球用バッグ4にも2つの排出孔14、15が設けられている。さらに、白血球用バッグ6には1つの排出孔16が設けられている。これら排出管12〜16もプロテクタ9によりそれぞれ覆われている。
【0025】
全血液バッグ3に採取された献血者からの全血液は、図示しないが、遠心分離器を用いて全血液バッグ3内で赤血球、白血球及び血漿に遠心分離した後、連通管11により赤血球を赤血球用バッグ4に移し、白血球を白血球用バッグ6に移し、さらに、血漿を血漿用バッグ5に移す操作を行う。これにより、赤血球用バッグ4に赤血球製剤が得られ、血漿用バッグ5に血漿製剤が得られる。この血漿製剤は、通常、冷凍保管庫等で氷点下20℃に冷却されて凍結状態で保管される。
【0026】
次に、図2及び図3に基づいて凍結血漿製剤の加温具1について説明する。この加温具1は、上記のようにして保存されている凍結血漿製剤を使用可能な状態となるまで加温するものであり、上記血漿用バッグ5の略全体を収容する収容部材20を備えている。該収容部材20は、図2(a)に示すように、平面視で略矩形に形成され、四辺のうち一辺が開放された袋状をなしていて、この開放部分から上記血漿用バッグ5の出し入れが可能となっている。
【0027】
上記収容部材20は、図2(b)及び図3に示すように、血漿用バッグ5を包むように配置された第1内面材21及び第2内面材22と、該内面材21、22の外側にそれぞれ配置された第1外面材23及び第2外面材24とで構成されている。これら内面材21、22と外面材23、24との間には、血漿用バッグ5内の凍結血漿製剤を加温するための加温材25が封入される加温材封入空間26が形成されている。
【0028】
第1内面材21及び第2内面材22は、例えばポリ塩化ビニル等からなる柔軟性を有するフィルムからなる。これら内面材21、22は重ね合わされて周縁の開放部分以外が例えば熱溶着等により接着されており、従って、2枚の内面材21、22は袋をなすように組み合わされている。そして、これら第1内面材21及び第2内面材22の間に上記血漿用バッグ5が収容され、第1内面材21及び第2内面材22が血漿用バッグ5の一方の側壁及び他方の側壁にそれぞれ接するようになっている。
【0029】
一方、上記第1外面材23及び第2外面材24は通気性及び柔軟性を有するフィルムからなり、このフィルムとしては、例えば樹脂製多孔質フィルム、不織布類、不織布に樹脂製多孔質フィルムを積層したもの、不織布に樹脂製フィルムを積層して機械を用いて多数の小孔を穿孔したもの等を用いることができる。第1外面材23の周縁は、全体が第1内面材21の周縁に例えば熱溶着により接着され、また、第2外面材24も同様に第2内面材22に接着されている。上記第1内面材21と第1外面材23との間には第1空間26aが形成される一方、第2内面材22と第2外面材24との間には第2空間26bが形成されており、これら第1空間26a及び第2空間26bで上記加温材封入空間26が構成されている。つまり、この加温具1の加温材封入空間26は、血漿用バッグ5の一方の側壁側を覆うように位置する第1空間26aと他方の側壁側26bを覆うように位置する第2空間26bとに区画されている。
【0030】
また、上記加温材25は、鉄粉などの金属粉を空気中の酸素と反応させて酸化熱を得るものである。加温材25は、上記金属粉の他に、活性炭粉、保水剤及び塩類を含んでおり、これら金属粉、活性炭粉、保水剤及び塩類で構成されている。尚、加温材25には他の粉体を混合させてもよい。
【0031】
上記加温材25の金属粉としては、還元鉄粉、いもの鉄粉等を用いることができ、活性炭粉としては、木粉炭、ヤシガラ活性炭、石炭等を用いることができる。また、保水剤としてシリカ、バーミキュライト、高吸水性樹脂の粉体や、木粉等を用いることができ、さらに、塩類としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の粉体を用いることができる。そして、加温材を製造する際には、水を加えて湿らせた活性炭粉に水を含ませた保水剤及び塩類を加えて混合し、最後に金属粉を混合する。このように加温材25の材料が全て粉体であるため、加温材25は流動性を有している。
【0032】
また、上記のように加温材25が粉体の集合体であることから、第1外面材23や第2外面材24に対して衝撃が加わった場合に、加温材25の衝撃を受けた部分が流動して変形する。この加温材25の変形により衝撃が吸収されて、内部に収容された血漿用バッグ5に加わる衝撃が緩和される。
【0033】
上記加温材25で得られる最高温度は、例えば金属粉や活性炭粉、保水剤等の各材料の混合割合により設定することが可能であり、また、その温度の持続時間も同様に各材料の混合割合により設定することが可能である。この実施形態では、加温材25で得られる最高温度が30℃以上38℃未満となるように各材料の混合割合が設定されいている。また、持続時間については、温度が30℃以上38℃未満の範囲にある時間が1時間以上確保できるように設定されている。
【0034】
上記ようにして得られた加温材25を素早く加温材封入空間26に封入し、図示しないが、加温具1全体を気密性のある包装材で密封包装しておく。
【0035】
次に、上記のように構成された加温具1の使用要領について説明する。まず、加温具1を包装材から取り出すと、空気中の酸素が第1外面材23及び第2外面材24を通過して加温材25に到達し、該加温材25が発熱する。加温材25の温度が例えば30℃以上となったら、冷凍保管庫から凍結血漿製剤を保存した血漿用バッグ5を取り出して収容部材20に収容する。この血漿用バッグ5を収容部材20に収容した状態で放置しておくと、加温材25で発生した熱が内面材21、22及び血漿用バッグ5を介して該血漿用バッグ5内の凍結血漿製剤に伝わる。これにより、凍結血漿製剤が加温されて外側から次第に融解していき、完全に融解すると使用可能な状態になる。
【0036】
血漿用バッグ5を収容部材20に収容した状態では、該血漿用バッグ5が衝撃を緩和する加温材25により覆われているので、血漿用バッグ5を収容部材20に収容した状態で移動させる際に例えば他のものに当たった場合に、血漿用バッグ5が破損するのを未然に防止することが可能である。
【0037】
また、上記血漿用バッグ5を加温する際には、加温材封入空間26が第1空間26aと第2空間26bとに区画されてそれぞれに加温材25が封入されているので、例えば第1空間26aの加温材25が第2空間26bに移動して加温材25が第2空間26bに偏ることはない。これにより、第1空間26a及び第2空間26bの加温材25により、血漿用バッグ5内の凍結血漿製剤が該血漿用バッグ5の両方の側壁側から加温される。
【0038】
また、血漿用バッグ5内の凍結血漿製剤が加温されて融解するに従って血漿用バッグ5の形状が変化する。この血漿用バッグ5が変化した場合に、内面材21、22及び外面材23、24が柔軟性を有しているとともに、加温材25が流動性を有しているので、加温材25が血漿用バッグ5の形状の変化に追従するように流動する。これにより、凍結血漿製剤が使用可能な状態となるまでの間、確実に加温される。
【0039】
以上説明したように、この実施形態に係る凍結血漿製剤の加温具1によれば、血漿用バッグ5を収容する収容部材20に血漿用バッグ5を覆うように加温材25を設けたので、血漿用バッグ5を恒温槽に入れて槽内の水をかき混ぜる操作を行うことなく、凍結血漿製剤を加温して使用可能な状態にすることができる。これにより、凍結血漿製剤の融解処理を容易にすることができる。さらに、加温材5により血漿用バッグ5へ加わる衝撃が緩和されるので、血漿用バッグ5が破損するのを未然に防止することができて、血漿用バッグ5の取り扱いを容易にすることができる。
【0040】
また、加温材25が流動性を有しているので、収容部材20の外方から衝撃が作用した際、血漿用バッグ5に加わる衝撃を効果的に緩和できて、血漿用バッグ5の破損を確実に防止することができる。
【0041】
また、内面材21、22及び外面材23、24で血漿用バッグ5を覆うように加温材封入空間26を形成したので、この加温材封入空間26に加温材25を封入するだけで、血漿用バッグ5の外面を覆うように加温材25を設けることができ、この加温材25により凍結血漿製剤を確実に加温することができる。これにより、加温具1の構造をシンプルにしながら、凍結血漿製剤を確実に加温して凍結血漿製剤が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
【0042】
また、凍結血漿製剤が融解するに従って血漿用バッグ5の形状が変化した場合に、加温材25が血漿用バッグ5の形状の変化に追従して流動するので、凍結血漿製剤が使用可能な状態となるまでの間、該凍結血漿製剤を確実に加温できる。
【0043】
さらに、加温材封入空間26を血漿用バッグ5の一方の側壁側に位置する第1空間26aと他方の側壁側に位置する第2空間26bとに区画したので、加温材25が一方の空間に偏ることはなく血漿バッグ5内の凍結血漿製剤を血漿用バッグ5の両方の側壁側から効率よく加温することができる。これにより、凍結血漿製剤が使用可能な状態となるまでの時間をより一層短縮することができる。
【0044】
尚、この実施形態では、収容部材20の内面材21、22を通気性がないフィルムで構成しているが、この内面材21、22を外面材23、24と同様な通気性を有するフィルムで構成してもよい。
【0045】
また、この実施形態では、収容部材20に加温材収容空間26を形成しているが、この加温材収容空間26を形成することなく、収容部材20の外面や内面に加温材5を直接貼り付けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、加温材25は上記したものに限られるものではなく、収容部材20の外方から該収容部材20に収容された血漿用バッグ5へ加わる衝撃を緩和するものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明に係る凍結血漿の加温具は、例えば全血液から遠心分離して得られた血漿を凍結保存した凍結血漿製剤を加温して使用可能な状態にするのに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】血液バッグセットの説明図である。
【図2】(a)は本発明の実施形態に係る加温具の使用状態を説明する平面図であり、(b)は使用状態にある加温具を収容部材の開放側から見た正面図である。
【図3】加温具の図2(a)のA−A線に相当する断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 加温具
5 血漿用バッグ
20 収容部材
21 第1内面材
22 第2内面材
23 第1外面材
24 第2外面材
25 加温材
26 加温材封入空間
26a 第1空間
26b 第2空間
【出願人】 【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
【出願日】 平成16年11月29日(2004.11.29)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100094134
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 廣毅

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【公開番号】 特開2006−149678(P2006−149678A)
【公開日】 平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願番号】 特願2004−344736(P2004−344736)