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【発明の名称】 医療用容器用筒状体、医療用容器用薬剤容器、医療用容器用排出ポートおよび医療用容器
【発明者】 【氏名】武井 信夫
【住所又は居所】静岡県富士宮市三園平818番地 テルモ株式会社内

【氏名】大西 秀一
【住所又は居所】静岡県富士宮市舞々木町150番地 テルモ株式会社内

【要約】 【課題】筒状体内と医療用容器内とを区分することができ、必要時には容易かつ確実に筒状体内を医療用容器内と連通できる医療用容器用筒状体を提供する。

【解決手段】医療用容器用筒状体10は、軟質バッグ2を備える医療用容器1に用いられる医療用容器用筒状体であって、筒状体10は、硬質もしくは半硬質材料により形成されており、筒状体10は、先端部が閉塞した筒状部7と、筒状部7の先端部に設けられた破断可能部11と、筒状部10の破断可能部11を挟むようにそれぞれ設けられるとともに軟質バッグ2の一方の内面に固着可能な第1の応力付与部12および軟質バッグ2の他方の内面に固着可能な第2の応力付与部14とを備え、破断可能部11は、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14間の広がりにより破断し、筒状部10を開口するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質バッグを備える医療用容器に用いられる医療用容器用筒状体であって、該筒状体は、硬質もしくは半硬質材料により形成されており、さらに、該筒状体は、先端部が閉塞した筒状部と、該筒状部の先端部に設けられた破断可能部と、前記筒状部の該破断可能部を挟むようにそれぞれ設けられるとともに前記軟質バッグの一方の内面に固着可能な第1の応力付与部および前記軟質バッグの他方の内面に固着可能な第2の応力付与部とを備え、さらに、前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部間の広がりにより破断し、前記筒状部を開口するものであることを特徴とする医療用容器用筒状体。
【請求項2】
前記第1の応力付与部および第2の応力付与部の外側表面の少なくとも一部は、前記軟質バッグの内面に固着可能な材料により形成されている請求項1に記載の医療用容器用筒状体。
【請求項3】
前記第1の応力付与部および第2の応力付与部は、前記筒状部の前記破断可能部付近を基端として延出するとともに、先端は、自由端となっているものである請求項1または2に記載の医療用容器用筒状体。
【請求項4】
前記第1の応力付与部および/または第2の応力付与部は、前記破断可能部の破断後、前記筒状体より分離するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項5】
前記破断可能部は、前記筒状部の先端部から基端部付近まで設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項6】
前記破断可能部は、前記筒状部の先端部付近であって前記第1の応力付与部と前記第2の応力付与部間に位置しかつ基端側に延びる先端側部分と、該先端側部分のそれぞれの基端部において分岐して前記筒状部の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分および第2の応力付与部側部分を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項7】
前記破断可能部の前記第1の応力付与部側部分および/または前記第2の応力付与部側部分は、前記破断可能部の先端側部分のそれぞれの基端部間を連結するものである請求項6に記載の医療用容器用筒状体。
【請求項8】
前記破断可能部の前記第1の応力付与部側部分および/または前記第2の応力付与部側部分は、略円弧状、略楕円弧状若しくはコの字状となっている請求項6または7に記載の医療用容器用筒状体。
【請求項9】
前記筒状部の先端部は、略ドーム形状、略円錐形状又は円錐台形状となっている請求項1ないし8のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項10】
前記第1の応力付与部および第2の応力付与部は向かい合うように設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項11】
前記筒状体は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の向かい合うそれぞれの面に設けられ、相互に当接しない位置に配置されたリブを備えている請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項12】
前記第1の応力付与部と前記第2の応力付与部は、向かい合いかつ若干離間するように設けられている請求項1ないし11のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項13】
前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および/または前記第2の応力付与部の基端部を取り囲むように形成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項14】
前記破断可能部は、破断可能な薄肉部である請求項1ないし13のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の医療用容器用筒状体でありかつ後端部が開口した筒状体と、該筒状体の前記後端部を封鎖する蓋部材と、前記筒状部内に収納された薬剤とを有することを特徴とする医療用容器用薬剤容器。
【請求項16】
請求項1ないし14のいずれかに記載の医療用容器用筒状体でありかつ後端部が開口した筒状体と、該筒状体の前記後端部を封鎖するシール部材を備え、かつ、該シール部材の一部が針管の穿刺が可能な弾性部材により形成されていることを特徴とする医療用容器用排出ポート。
【請求項17】
軟質バッグと、該軟質バッグ内に形成された薬液室と、該薬液室に充填された薬液と、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器と、該軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記薬剤容器は、請求項15に記載の薬剤容器であり、かつ、前記第1の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、前記破断可能部は、前記薬液室の押圧時の前記軟質バッグと固定された前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の広がりにより破断し、前記薬剤容器内を前記薬液室と連通させるものであることを特徴とする医療用容器。
【請求項18】
前記薬剤容器は、前記軟質バッグに薬剤容器取付部材を介して取り付けられており、該薬剤容器取付用部材は、前記薬剤容器を少なくとも前記破断可能部を除いて収納可能なものであり、該薬剤容器取付用部材の先端部には、破断により第1の応力付与部若しくは第2の応力付与部側に分離される薬剤収納部形成部の基端部が外側に乗り上げ可能なリブが設けられている請求項17に記載の医療用容器。
【請求項19】
前記医療用容器は、前記薬剤容器の前記薬剤室側先端部の近傍に設けられ、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部により固定されたシート間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部を備えている請求項1ないし18のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項20】
軟質バッグと、該軟質バッグ内に形成された薬液室と、該薬液室に充填された薬液と、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器と、該軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記排出ポートは、請求項16に記載の排出ポートであり、かつ、前記第1の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、前記破断可能部は、前記薬液室の押圧時の前記軟質バッグと固定された前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の広がりにより破断し、前記排出ポート内を前記薬液室と連通させるものであることを特徴とする医療用容器。
【請求項21】
前記軟質バッグの内部空間は、剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室に区分されている請求項17ないし20のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項22】
前記医療用容器は、前記薬液室内に薬剤を注入するための混注ポートを備えている請求項20または21に記載の医療用容器。
【請求項23】
前記医療用容器は、前記排出ポートの前記薬剤室側先端部の近傍に設けられ、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部により固定されたシート間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部を備えている請求項20ないし22のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項24】
前記医療用容器は、前記薬液室と前記排出ポート若しくは前記薬剤容器との連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部を備えている請求項17ないし23のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項25】
軟質バッグと、該軟質バッグ内に形成された薬液室と、該薬液室に充填された薬液と、該軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記排出ポートは、請求項16に記載の排出ポートであり、かつ、前記第1の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、前記破断可能部は、前記薬液室の押圧時の前記軟質バッグと固定された前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の広がりにより破断し、前記排出ポート内を前記薬液室と連通させるものであることを特徴とする医療用容器。
【請求項26】
前記軟質バッグの内部空間は、剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室に区分されている請求項25に記載の医療用容器。
【請求項27】
前記医療用容器は、前記排出ポートの前記薬剤室側先端部の近傍に設けられ、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部により固定されたシート間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部を備えている請求項25または26に記載の医療用容器。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内部において、輸液などの薬液に薬剤の調整や配合を行うことができる医療用容器および医療用容器用筒状体、医療用容器用薬剤容器ならびに医療用容器用排出ポートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用容器には、閉塞した先端部を有し、開封可能な筒状体が取り付けられている。この筒状体としては、例えば、薬液の投与時に使用される排出ポート、医療用容器内の薬液に添加される薬剤を収納した薬剤容器がある。
そして、患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調製することが行われている。そして、このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、薬液が収納された軟質バッグに薬液と混合する薬剤を収納した薬剤容器を取り付け、輸液の際、薬剤容器に設けられた脆弱部を軟質バッグごしに折り曲げ破断することにより薬剤容器と軟質バッグを連通させ薬剤と薬液とを混合するようにした医療用容器が提案されている。
本件出願人は、特開2000−5275号公報(特許文献1)に示すものを提案している。
この輸液用容器は、第1の薬剤室と、第1の薬剤室と区画された少なくとも第2の薬剤室と、第1の薬剤室と第2の薬剤室間に形成された連通可能部と、第1の薬剤室と連通する閉塞された薬液流出口と、容器を吊り下げるための懸垂孔を備え、第2の薬剤室は懸垂孔内に侵入している。
このため、必要時に簡単な操作で容器内で無菌的に2種以上の薬剤を混合でき、さらに、容量が少なくても混合し忘れる危険性が少ないという効果を備えている。
【0003】
また、特開2003 −305107号公報(特許文献2)に示すものもある。
特開2003 −305107号公報のものでは、その図8(a)に示すように、医療用複室容器の薬剤排出部材では、本体部の一端部に連通部を備えており、この連通部は、本体部に接続する第1管部と、これに接続され外周面がテーパ状に形成された第2管部とからなり、第2管部の先端は蓋部材で封止されている。第2管部の外周面には、その内部と連通する複数の連通孔が形成されている。また、この連通部は、容器本体に接続されている。このため、第1管部及び第2管部 の外周面に、容器本体の周縁部が熱融着される。そして、容器本体の周縁部は、第1管部には強固に融着されて強シール部を構成する一方、第2管部にはこれより弱く、かつ仕切り用弱シール部より強い強度で融着される弱シール部(接着部)を構成している。そして、第1収納室を押圧して仕切り用弱シール部を開封した後、連通した収納室全体を押圧する。すなわち、特開2003 −305107号公報の図8(b)に示すように、収納室内の圧力が高まることにより、弱シール部が第2管部から剥離する。これにより収納室内の薬剤が連通孔を介して本体部内に流入する。なお、強シール部は第1管部に強固に融着しているため、この部分から薬剤が流出しない。
【特許文献1】特開2000−5275号公報
【特許文献2】特開2003 −305107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献2のものでは、弱シールとはいえ、容器本体を形成する軟質樹脂シートがそれより十分に硬質である第2管部にその連通孔を封鎖するようにシールされている。連通孔を確実にシールするためには、ある程度のシール強度が必要である。そして、シートを第2管部より剥がす際に、ストレスがシートに付加されるため、シートのシール部、特にシール際において、破断する危険性が高い。よって、特許文献2に示すものでは、十分な密封性の維持が困難であり、また、十分な密封性を維持可能なシールを行うと、開通時に容器本体を構成するシートに破断が生じる危険性がある。
そこで、本発明の目的は、閉塞した先端部を有し、開封可能な医療用容器用筒状体であって、確実に筒状体内と医療用容器内とを区分することができ、かつ、必要時には容易かつ確実に筒状体内を医療用容器内と連通できる医療用容器用筒状体およびそれを利用した医療用容器用薬剤容器、医療用容器用排出ポートならびに医療用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 軟質バッグを備える医療用容器に用いられる医療用容器用筒状体であって、該筒状体は、硬質もしくは半硬質材料により形成されており、さらに、該筒状体は、先端部が閉塞した筒状部と、該筒状部の先端部に設けられた破断可能部と、前記筒状部の該破断可能部を挟むようにそれぞれ設けられるとともに前記軟質バッグの一方の内面に固着可能な第1の応力付与部および前記軟質バッグの他方の内面に固着可能な第2の応力付与部とを備え、さらに、前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部間の広がりにより破断し、前記筒状部を開口するものであることを特徴とする医療用容器用筒状体。
(2) 前記第1の応力付与部および第2の応力付与部の外側表面の少なくとも一部は、前記軟質バッグの内面に固着可能な材料により形成されている上記(1)に記載の医療用容器用筒状体。
(3) 前記第1の応力付与部および第2の応力付与部は、前記筒状部の前記破断可能部付近を基端として延出するとともに、先端は、自由端となっているものである上記(1)または(2)に記載の医療用容器用筒状体。
(4) 前記第1の応力付与部および/または第2の応力付与部は、前記破断可能部の破断後、前記筒状体より分離するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(5) 前記破断可能部は、前記筒状部の先端部から基端部付近まで設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【0006】
(6) 前記破断可能部は、前記筒状部の先端部付近であって前記第1の応力付与部と前記第2の応力付与部間に位置しかつ基端側に延びる先端側部分と、該先端側部分のそれぞれの基端部において分岐して前記筒状部の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分および第2の応力付与部側部分を有している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(7) 前記破断可能部の前記第1の応力付与部側部分および/または前記第2の応力付与部側部分は、前記破断可能部の先端側部分のそれぞれの基端部間を連結するものである上記(6)に記載の医療用容器用筒状体。
(8) 前記破断可能部の前記第1の応力付与部側部分および/または前記第2の応力付与部側部分は、略円弧状、略楕円弧状若しくはコの字状となっている上記(6)または(7)に記載の医療用容器用筒状体。
(9) 前記筒状部の先端部は、略ドーム形状、略円錐形状又は円錐台形状となっている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(10) 前記第1の応力付与部および第2の応力付与部は向かい合うように設けられている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(11) 前記筒状体は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の向かい合うそれぞれの面に設けられ、相互に当接しない位置に配置されたリブを備えている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(12) 前記第1の応力付与部と前記第2の応力付与部は、向かい合いかつ若干離間するように設けられている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
【0007】
(13) 前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および/または前記第2の応力付与部の基端部を取り囲むように形成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(14) 前記破断可能部は、破断可能な薄肉部である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体。
(15) 上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体でありかつ後端部が開口した筒状体と、該筒状体の前記後端部を封鎖する蓋部材と、前記筒状部内に収納された薬剤とを有することを特徴とする医療用容器用薬剤容器。
(16) 上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の医療用容器用筒状体でありかつ後端部が開口した筒状体と、該筒状体の前記後端部を封鎖するシール部材を備え、かつ、該シール部材の一部が針管の穿刺が可能な弾性部材により形成されていることを特徴とする医療用容器用排出ポート。
【0008】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(17) 軟質バッグと、該軟質バッグ内に形成された薬液室と、該薬液室に充填された薬液と、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器と、該軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記薬剤容器は、上記(15)に記載の薬剤容器であり、かつ、前記第1の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、前記破断可能部は、前記薬液室の押圧時の前記軟質バッグと固定された前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の広がりにより破断し、前記薬剤容器内を前記薬液室と連通させるものであることを特徴とする医療用容器。
(18) 前記薬剤容器は、前記軟質バッグに薬剤容器取付部材を介して取り付けられており、該薬剤容器取付用部材は、前記薬剤容器を少なくとも前記破断可能部を除いて収納可能なものであり、該薬剤容器取付用部材の先端部には、破断により第1の応力付与部若しくは第2の応力付与部側に分離される薬剤収納部形成部の基端部が外側に乗り上げ可能なリブが設けられている上記(17)に記載の医療用容器。
(19) 前記医療用容器は、前記薬剤容器の前記薬剤室側先端部の近傍に設けられ、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部により固定されたシート間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部を備えている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の医療用容器。
【0009】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(20) 軟質バッグと、該軟質バッグ内に形成された薬液室と、該薬液室に充填された薬液と、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器と、該軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記排出ポートは、上記(16)に記載の排出ポートであり、かつ、前記第1の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、前記破断可能部は、前記薬液室の押圧時の前記軟質バッグと固定された前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の広がりにより破断し、前記排出ポート内を前記薬液室と連通させるものであることを特徴とする医療用容器。
(21) 前記軟質バッグの内部空間は、剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室に区分されている上記(17)ないし(20)のいずれかに記載の医療用容器。
(22) 前記医療用容器は、前記薬液室内に薬剤を注入するための混注ポートを備えている上記(20)または(21)に記載の医療用容器。
(23) 前記医療用容器は、前記排出ポートの前記薬剤室側先端部の近傍に設けられ、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部により固定されたシート間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部を備えている上記(20)ないし(22)のいずれかに記載の医療用容器。
(24) 前記医療用容器は、前記薬液室と前記排出ポート若しくは前記薬剤容器との連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部を備えている上記(17)ないし(23)のいずれかに記載の医療用容器。
(25) 軟質バッグと、該軟質バッグ内に形成された薬液室と、該薬液室に充填された薬液と、該軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記排出ポートは、上記(16)に記載の排出ポートであり、かつ、前記第1の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部の外面の一部は前記軟質バッグの前記薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、前記破断可能部は、前記薬液室の押圧時の前記軟質バッグと固定された前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部の広がりにより破断し、前記排出ポート内を前記薬液室と連通させるものである医療用容器。
(26) 前記軟質バッグの内部空間は、剥離可能な仕切用弱シール部により第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室に区分されている上記(25)に記載の医療用容器。
(27) 前記医療用容器は、前記排出ポートの前記薬剤室側先端部の近傍に設けられ、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部により固定されたシート間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部を備えている上記(25)または(26)に記載の医療用容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明の医療用容器用筒状体は、軟質バッグを備える医療用容器に用いられる医療用容器用筒状体であって、該筒状体は、硬質もしくは半硬質材料により形成されており、さらに、該筒状体は、先端部が閉塞した筒状部と、該筒状部の先端部に設けられた破断可能部と、前記筒状部の該破断可能部を挟むようにそれぞれ設けられるとともに前記軟質バッグの一方の内面に固着可能な第1の応力付与部および前記軟質バッグの他方の内面に固着可能な第2の応力付与部とを備え、さらに、前記破断可能部は、前記第1の応力付与部および前記第2の応力付与部間の広がりにより破断し、前記筒状部を開口するものである。
この医療用容器用筒状体では、破断可能部を備える閉塞した先端部を有するため、取り付けられる軟質バッグを備える医療用容器内部と筒状体内の区分を確実に保持し、さらに、筒状体は、硬質もしくは半硬質材料により形成され、かつ、破断可能部が、第1の応力付与部および第2の応力付与部間の広がりにより破断するものであるので、使用時に破断可能部における破断が確実であり、よって、容易かつ確実に筒状体内とこれが取り付けられる医療用容器内とを連通できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の医療用容器用筒状体を薬剤容器に応用した実施例を取り付けた医療用容器の正面図、図2は、本発明の医療用容器用筒状体を薬剤容器に応用した実施例の正面図、図3は、図2の薬剤容器の側面図、図4は、図2のA−A線断面図、図5は、図3のB−B線断面図、図6は、図2の薬剤容器の上面図、図7は、図2の薬剤容器の底面図、図8は、図2に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図、図9は、図2に示す薬剤容器を薬剤容器取付用部材に取り付けた図、図10および図11は、本発明の実施例の医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器用筒状体10は、軟質バッグ2を備える医療用容器1に用いられる医療用容器用筒状体であって、筒状体10は、硬質もしくは半硬質材料により形成されており、さらに、筒状体10は、先端部が閉塞した筒状部7と、筒状部7の先端部に設けられた破断可能部11と、筒状部10の破断可能部11を挟むようにそれぞれ設けられるとともに軟質バッグ2の一方の内面に固着可能な第1の応力付与部12および軟質バッグ2の他方の内面に固着可能な第2の応力付与部14とを備え、破断可能部11は、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14間の広がりにより破断し、筒状部10を開口するものである。
また、本発明の医療用容器用薬剤容器4は、上記の医療用容器用筒状体10と、筒状体10の後端部を封鎖する蓋部材28と、筒状部内に収納された薬剤5とを有するものである。
【0012】
また、本発明の医療用容器1は、軟質バッグ2と、軟質バッグ2内に形成された薬液室16,17と、薬液室16,17に充填された薬液18,19と、軟質バッグ2に取り付けられ、薬液と混合するための薬剤5が収納された薬剤容器4と、軟質バッグ2に取り付けられた排出ポート6とを備えるものである。そして、薬剤容器4は、上記の薬剤容器4であり、かつ、第1の応力付与部12の外面の一部は軟質バッグ2の薬液室16を形成する一方のシート内面に固定されており、また第2の応力付与部14の外面の一部は軟質バッグ2の薬液室16を形成する他方のシート内面に固定されており、破断可能部11は、薬液室16の押圧時の軟質バッグ2と固定された第1の応力付与部12および第2の応力付与部14の広がりにより破断し、薬剤容器4内を薬液室16と連通させるものである。
また、この実施例の医療用容器1における医療用容器用筒状体10は、薬剤5を収納するための筒状部(薬剤収納部)7と、軟質バッグ2の薬液室16または17を形成する一方のシート2aの内面に固定された第1の固定部31および薬液室16または17を形成する他方のシート2bの内面に固定された第2の固定部32を備えている。
【0013】
特に、図1ないし図10に示す実施例の医療用容器用筒状体10では、医療用容器用筒状体10は、薬剤5を収納するための先端が閉塞した筒状部(薬剤収納部)7と、筒状部7の先端部付近を基端として延びる第1の応力付与部12(言い換えれば、破断力付与部)及び第2の応力付与部14(言い換えれば、破断力付与部)と、第1および第2の応力付与部12,14が広げられたときに破断し、筒状部7を薬液室16または17と連通させる破断可能部11と、第1の応力付与部12を軟質バッグ2の薬液室16,17を形成する一方のシート2aの内面に固定する第1の固定部31と、第2の応力付与部14を薬液室16,17を形成する他方のシート2bの内面に固定する第2の固定部32とを備え、破断可能部11は、薬液室16,17の押圧時の軟質バッグ2との第1の固定部31と第2の固定部32間の広がりにより破断するものとなっている。
図面を用いて、この実施例の医療用容器1を説明する。
図1に示すように、医療用容器1は、軟質バッグ2、薬剤容器4、排出ポート6を備えている。そして、この医療用容器1では、軟質バッグ2の内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17に区分され、医療用容器用筒状体10と排出ポート6とは、異なった薬剤室に取り付けられている。
【0014】
具体的には、この医療用容器1は、図1に示すように、使用時(薬液投与時)に上方となる第1の薬剤室16と使用時に下方となる第2の薬剤室17とを有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室16に収納された薬液18と、第2の薬剤室17に収納された薬液19と、第1の薬剤室16に取り付けられた薬剤5を収納した薬剤容器4と、第2の薬剤室17に取り付けられた排出ポート6と、第2の薬剤室17に形成された連通阻害用弱シール部15と、広がり抑制用シート間固定部26とを備えている。
また、軟質バッグ2の上端部及び下端部には、上端側シール部21,下端側シール部22が設けられている。上端側シール部21,下端側シール部22は、幅広シール部となっている。
【0015】
仕切用弱シール部9は、手指で強く押したときに剥離して第1の薬剤室16と第2の薬剤室17とを連通させるものである。仕切用弱シール部9の剥離強度としては、輸送中に軟質バッグ2に対して加えられる圧力では剥離せず、軟質バッグ2を手指で強く押したときに剥離する程度であることが好ましい。仕切用弱シール部9は、軟質バッグ2を融着することにより形成することが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着等であることが好ましい。また、仕切用弱シール部9の両端部には、実質的に剥離しない強シール部9aが形成されていることが好ましい。軟質バッグ2はこのように、仕切用弱シール部9に区分けされた複数の薬剤室16,17を有しているため、異なる成分の複数の薬剤を無菌的に軟質バッグ2内にて混合することができる。なお、軟質バッグ2としては、上述したように2つの薬剤室を有しているものに限定されず、3つ以上の薬剤室を有しているものであってもよい。また、図1に示す実施例において仕切用シール部は、軟質バッグ2に対して水平に直線状に設けられているがこれに限定されるものではない。
なお、本発明の実施例においては、軟質バッグ2の内部空間は、仕切用弱シール部により複数の薬剤室に区分けされているが、仕切用弱シール部により区分けされていないもの、すなわち、仕切用弱シール部を備えないものであってもよい。
【0016】
軟質バッグ2は、ある程度の耐熱性のある軟質合成樹脂、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合のようなスチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)により袋状に形成されたもの、さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ナイロンのようなポリアミドといった硬質素材の樹脂層と上述した軟質素材(例えば、ポリエチレン)の樹脂層からなる多層構造シートが使用される。これらの軟質樹脂により成形されることにより、軟質バッグ2を膨らませることにより、薬剤容器もしくは後述する排出ポートの開封操作を容易に行うことができる。
【0017】
好ましい軟質樹脂材料として、軟質ポリ塩化ビニルが挙げられる。この軟質ポリ塩化ビニルは、オートクレーブ滅菌の高温に耐え得る耐熱性を有し、しかも柔軟性に富むため取扱性に優れる。さらに、軟質バッグ2への成形、加工や医療用容器用筒状体10の融着による固着が容易で製造コストの低減も図れるという利点がある。また、軟質バッグ2の好適な構成材料として、ポリプロピレンにスチレン−ブタジエン共重合体をブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、耐水性、耐熱性、柔軟性、加工性に優れる点で好ましい。軟質バッグ2を構成するシート材の厚さは、特に限定されず、例えば軟質ポリ塩化ビニル製シート材の場合、20〜500μm程度であるのが好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが望ましい。
軟質バッグ2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂を用いて押し出し成形により筒状に形成したものの開口周縁を融着することにより作製したものなどのいずれでもよい。本発明でいう軟質バッグ2を構成する一方のシート2aもしくは他方のシート2bとは、軟質バッグ2を構成する表側シートもしくは裏側シートのいずれかである。
【0018】
軟質バッグ2の薬剤室16,17には、輸液剤(薬液)が収容されている。薬剤室16,17には、異なった成分のものが収容されていることが好ましい。このような輸液剤としては、例えば、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の液剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、更に両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミンを安定性などを考慮して適宜振り分け収納することができる。この場合、後述する薬剤室に取り付ける薬剤容器にビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど脂溶性ビタミンを主とした液剤を収納することにより、ビタミン配合高カロリー総合輸液剤とすることができる。
また、軟質バッグ2の上端側シール部21には、ハンガー等に吊り下げるための孔(吊り下げ部)23が設けられている。さらに、薬液の品質保持のために、軟質バッグ2に酸素バリア性や遮光性等を付与するためにアルミ箔等のフィルムを積層してもよい。また、酸素バリア性付与のために、軟質バッグ2の表面に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる蒸着膜等の薄膜を形成してもよい。あるいは、これらの薄膜を有する樹脂フィルムを中間層として設けてもよい。
【0019】
薬剤容器4は、図1に示すように、軟質バッグ2の上端側シール部21に形成された薬剤容器取付部24に取り付けられている。特に、この実施例では、薬剤容器取付部24は、上端側シール部21の中心より側端側によった位置に取り付けられている。特に、この実施例では、薬剤容器4は、薬剤容器取付用部材8を介して軟質バッグ2に取り付けられている。また、排出ポート6は、下端側シール部22の中央部付近に形成された排出ポート取付部25に取り付けられている。薬剤容器取付部24は、上端側シール部21の一部をシールしないことにより形成されている。排出ポート取付部25は、下端側シール部22の一部をシールしないことにより形成されている。薬剤容器取付用部材8及び排出ポート6は、高周波融着、熱融着等により軟質バッグ2に取り付けられている。また、薬剤容器4は、薬剤容器取付用部材8に高周波融着、接着剤等により取り付けられていることが好ましい。
医療用容器用薬剤容器4は、医療用容器用筒状体10と、筒状体10の後端部を封鎖する蓋部材28と、筒状部内に収納された薬剤5とを有する。
医療用容器用筒状体10は、図2ないし図7に示すように、先端が閉塞した筒状部(薬剤収納部)7と、破断可能部11と、第1の応力付与部12と、第2の応力付与部14とを備えている。筒状部7の内部は、中空となっており薬剤5が収納される。
【0020】
筒状部7は、先端部が閉塞され基端部が開口した筒状部分であり、この実施例において、基端側から順に、フランジ部7aと、第1の円筒部7bと、第1の円筒部7bと連続し先端側に向かってテーパー状に縮径するテーパー部7cと、テーパー部7cと連続する第2の円筒部7dと、第2の円筒部7dと連続する閉塞部(先端部)7eとからなる。先端部7eの形状は、ドーム形状、円錐形状、円錐台形状であることが好ましく、特に、ドーム形状、円錐台形状であることが好ましい。この実施例では、閉塞部7eは、ドーム形状となっている。
薬剤収納部の容積は、1〜30mlであることが好ましい。薬剤収納部の長さは、20〜70mmであることが好ましい。また、フランジ部7aの基端側は、蓋部28を取り付ける蓋部取付部7fが形成されている。
蓋部28は、図4,図5に示すように、円盤状に作製され、底面側には、筒状部7の開口部に侵入可能に形成された環状リブ29を備えている。この実施例の場合、蓋部28は、フランジの蓋部取付部7fの内面に密接するような大きさに形成されている。このような構成により、筒状部7に薬剤5を収納した後、蓋部28を蓋部取付部7fに対して、超音波融着、高周波融着、熱融着等により固定すれば、筒状部7を確実に密封することができる。
【0021】
筒状部7内に収納される薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、医療用容器用筒状体10の筒状部7内は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、筒状部7内が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上するとともに、破断可能部11の破断時に、輸液剤(薬液)を吸引し、より迅速に筒状部7へ導入することができる。
【0022】
また、筒状部7が直接軟質バッグ2に取り付けられる場合、筒状部7の軟質バッグ2に接合される部分は、図2ないし図4に示すように、軟質バッグ2と相溶性のある樹脂により形成されていることが好ましい。これにより、医療用容器用筒状体10と軟質バッグ2とが密着しやすいものとなる。本発明の実施例では、筒状部7の外表面に軟質バッグ2の形成材料(特に、軟質バッグ2の内面側を形成する形成材料)と相溶性のある樹脂層30が設けられている。具体的に、樹脂層30は、筒状部7の外表面に円周上に形成されている。相溶性のある樹脂としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等が好ましい。また、相溶性のある樹脂としては、軟質バッグ2を構成するシート材料と同一もしくは近似した材料であることが好ましい。相溶性のある樹脂は、2色成形することにより筒状部7に被覆されていてもよい。なお、薬剤収納部の全体を軟質バッグと相溶性のある樹脂により作製してもよい。なお、本発明の実施例のように薬剤取付用部材8を介して軟質バッグ2に取り付けられる場合は、相溶性のある樹脂層30は設けられていなくてもよい。
【0023】
この実施例では、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14は、図2ないし図4に示すように、筒状部7の破断可能部付近を基端として延出するとともに、先端は、自由端となっている。第1の応力付与部12および第2の応力付与部14は、両者間を開く力が付与されときに、その力を破断可能部11を破断するための応力に変換する機能を備えている。また、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とは向かい合うように形成されていることが好ましい。また、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14の本体部は縦長の矩形状に形成されていることが好ましい。このような構成により、軟質バッグ2を押圧して膨らませた際に、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とにより、破断可能部11に確実に破断応力が付与される。
具体的には、この実施例の医療用容器における医療用容器用筒状体10では、第1の応力付与部12、第2の応力付与部14は、図2ないし図4に示すように、縦長の平板部12a,14aと、平板部12a,14aの両側に形成された側壁部12b,14bとを備えている。さらに、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14は、薬剤収納部7の軸方向に延びるように設けられている。そして、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とは、側壁部分が対向するものとなっている。そして、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14は、向かい合いかつ若干離間するように設けられている。また、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14の先端(他端)は、この実施例のように自由端となっていることが好ましい。
【0024】
さらに、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14は、向かい合うそれぞれの面に設けられ、相互に当接しない位置に配置されたリブを備えていることが好ましい。具体的には、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14には、それらの基端部から先端側に向かって延びるリブ12c,14cが設けられている。リブ12c,14cは、平板部12a,14aの内面に設けられており、第1の応力付与部12若しくは第2の応力付与部14の軸方向の中心線から側面側にずれた位置に設けられている。このため、リブ12c,14cは、相互に当接しないものとなっている。このようなリブ12c,14cを設けることにより、破断可能部11に引張り若しくは引き裂き応力が付与されるため、破断可能部11が破断され易くなる。特に、この実施例では、リブ12cとリブ14cは、図5,図7に示すように、第1の応力付与部12、第2の応力付与部14の軸方向の中心線を軸に互い違いの位置に形成されている。
【0025】
また、平板部12a,14aの外面には、軟質バッグ2の内面に接合される平面部12d,14dが形成されていることが好ましい。平面部12d、14dは、矩形状に形成され接合面が平坦に形成されている。平面部12d、14dは、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14の基端部付近から先端まで形成されている。そして、軟質バッグ2の内面に接合される平面部12d,14dは、その少なくとも一部は、軟質バッグ2の内面に固着可能な材料により形成されている。具体的には、軟質バッグ2の内面に接合される平面部12d,14dは、その一部若しくは全体が、軟質バッグ2の形成材料(特に、軟質バッグ2の内面側を形成する形成材料)と相溶性のある樹脂により形成されていることが好ましい。このような構成により、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14を軟質バッグ2の内面に確実に接合することができる。軟質バッグ2と相溶性のある樹脂としては、上述したものであることが好ましい。相溶性のある樹脂は、軟質バッグの構成材料と同一もしくは近似した材料であることが好ましい。相溶性のある樹脂層は、本発明の実施例では、2色成形により作製されていることが好ましい。なお、第1の応力付与部もしくは第2の応力付与部のすべてを薬剤容器の軟質バッグと相溶性のある樹脂により作製してもよい。相溶性のある樹脂層は軟質バッグの内面と接合し易いように平坦に作製されていることが好ましい。
【0026】
また、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とは、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14の間において若干離間して形成されている。このように、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14間はあまり大きく離間していない。このため、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14間が、軟質バッグ2への固定時に押圧されても、第1の応力付与部12および第2の応力付与部に許容される変形量は少なく、破断可能部11が破断するおそれがない。本発明の実施例においては、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14の平板部12a,14aの下端部付近を除いた側壁12b,14bを高くして、側壁12b、14bの内面のそれぞれに対応する位置にリブ12e,14eを形成することにより、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との間が若干離間したものとなっている。リブ同士は、0.1〜3.0mm、特に、0.3〜1.5mm離間していることが好ましい。
そして、医療用容器1には、第1の応力付与部12の平面部12dの全体もしくは一部が、軟質バッグ2のシート2a内面と接合されることにより第1の固定部31が形成されており、同様に、第2の応力付与部14の平面部14dの全体もしくは一部が、軟質バッグ2のシート2b内面と接合されることにより第2の固定部32が形成されている。このため、第1の応力付与部及び第2の応力付与部が、薬剤室の押圧時の軟質バッグの第1の応力付与部および第2の応力付与部の固定部間の広がりに追従して広がり、後述する破断可能部を、一方のシート側及び他方のシート側に開き破断する。
【0027】
第1の応力付与部12の平面部12d及び第2の応力付与部14の平面部14dと軟質バッグ2の一方のシート2a、2bの内面との接合は、超音波融着、高周波融着、熱融着等により行われることが好ましい。具体的に、薬剤容器4を、図1に示すような位置に配置した後、軟質バッグ2の一方のシート2a及び他方のシート2b面の両面側からシール金型により挟持しヒートシールすることにより行われることが好ましい。
また、第1の応力付与部12もしくは第2の応力付与部14は、軟質バッグ2の外部から担持して広げることが可能な構成であることが好ましい。
なお、本発明の第1の応力付与部及び第2の応力付与部は、上述した構成のものに限定されず、軟質バッグを構成する一方のシート内面と他方のシート内面と接合可能であり、かつ軟質バッグの膨らみに連動して破断可能部に応力を付与できる構成をしているものであればいかなる構成であってもよい。例えば、薬剤収納部の軸方向に延びるように形成されず、薬剤収納部に対して斜めに形成されるものであってもよい。
【0028】
そして、この実施例の医療用容器1における破断可能部11は、筒状部7の先端部付近であって第1の応力付与部12と第2の応力付与部14間に位置しかつ薬剤容器7の基端側に延びる先端側部分11aと、先端側部分11aのそれぞれの基端部において分岐して筒状部7の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cを有している。このような構成により、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14を広げたとき破断可能部11が破断して筒状部7が確実に開封される。
特に、この実施例における破断可能部11は、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との間を通るように設けられ基端側に延びている先端側部分11aと、先端側部分11aの基端部において分岐して先端側部分11aの基端部同士を繋ぐようにように設けられている第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cを備えている。つまり、この実施例では、破断可能部11の第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cは、とぎれることなく連続し、破断可能部11の先端側部分11aのそれぞれの基端部間を連結するものとなっている。なお、破断可能部11の第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cのいずれかのみ上記のように構成されているものとしてもよい。
【0029】
また、先端側部分11aは、図3,図5に示すように、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との中間付近を通り、かつ一方のシート2a側と他方のシート2b側のほぼ中間付近を通るように基端側に延びていることが好ましい。具体的に、この実施例の先端側部分11aは、図3,図5に示すように、筒状部7の一方のシート2a側及び他のシート2b側の中間付近に沿ってU字状に形成されている。このように構成することにより、筒状部7をほぼ真ん中から一方のシート2a側及び他方のシート2b側に引き裂くことができる。
図2ないし図4に示すように、破断可能部11の第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cは、先端側部分11aに対して、ほぼ対象であり、斜め基端方向(言い換えれば、斜めに薬剤容器の側面側に延びるように)となるように設けられている。また、破断可能部11の第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cは、略円弧状、略楕円弧状若しくはコの字状に形成されている。破断可能部11が図2ないし図4に示す実施例のような構成であることにより、破断により筒状部7の先端部が第1の応力付与部12と第2の応力付与部14側に分離する。また、この実施例の筒状体10では、破断可能部11は、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14の基端部を取り囲むように形成されている。このため、シートの外方より押圧することによっても、第1の応力付与部12または第2の応力付与部14を破断することができる。破断可能部11は、第1の応力付与部12または第2の応力付与部14の一方のみの基端部を取り囲むように形成されてもよい。
【0030】
破断可能部11は、破断可能部な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部11は、筒状部7に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。
具体的に、本発明の実施例の破断可能部は、溝部の断面がV字状の溝部を形成することにより作製されている。具体的には、溝部の角度は、30〜120°、特に、40〜60°、最小肉厚は、0.05〜0.3mm、特に、0.08〜0.2mmであることが好ましい。このような角度に溝形成部を作製することにより、軟質バッグ2を膨らませた場合、破断可能部の中心に応力が集中して確実に破断するものとなる。また、溝部は、破断容易な形状であればいかなる形状のものであってもよく、実施例のようなV字形状に限られず半円形状、半楕円形状等であってもよい。また、本発明の破断可能部は、溝部が形成されることにより薄肉部が形成され破断可能となるものであるが、これに限定されるものではない。破断可能部は、例えば、薬剤収納部の破断可能部を形成する部分をその他の部分より脆弱な材質で形成することにより作製してもよい。具体的に、多色成形によって、破断可能部を形成する部分を破断容易な材料で作製して、その他の部分を破断容易でない材料にて作製することが好ましい。
【0031】
本発明の医療用容器用筒状体の構成材料としては、硬質樹脂もしくは半硬質樹脂が使用される。具体的には、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン[具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)]、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。また、蓋部材および薬剤容器取付用部材の構成材料としても上述した硬質もしくは半硬質樹脂が好ましい。
【0032】
薬剤容器取付用部材8は、図9に示すように、医療用容器用筒状体10の筒状部7を破断可能部11を除いて収納可能なものである。薬剤容器取付用部材8は、図9に示すように、先端及び基端が開口した筒状部材であり、破断可能部11を被覆しないような長さとなっている。また、薬剤容器取付用部材8の内部形状は、筒状部7の外面形状に対応する形状となっている。また、薬剤容器取付用部材8の基端部には、筒状部7のフランジ部7aの先端面と接触するフランジ部8aが形成されている。また、本発明の実施例において、薬剤容器取付用部材8の先端部には、破断可能部11が破断することにより筒状部7から分離された部分の基端部が取付用部材8の外側に乗り上げ可能なリブ8bが設けられていることが好ましい。リブ8bは、本発明の実施例では、先端部に沿って筒状部7の一方のシート2a側及び他方のシート2b側に形成されている。このような構成により、筒状部7の第1の応力付与部12と第2の応力付与部14側に破断された部分により、筒状部7の先端開口部が塞がれることを防止することができる。また、薬剤容器取付用部材8の軟質バッグ2と接合される部分は、該軟質バッグと相溶性のある樹脂により形成されていることが好ましい。相溶性のある樹脂としては、上述したものが好ましい。
【0033】
排出ポート6は、図1に示すように、公知のものを使用することが好ましく、例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。具体的に、ポートとしては、両端側が開口した筒状部材6aと、筒状部材6aの一端側の開口部を封止するシール部材を有する蓋部6bとからなるものであることが好ましい。このような構成により、まず、軟質バッグ2に取り付けられた筒状部材6aを介して薬液を注入することができる。
また、シール部材は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止するものであることが好ましい。シール材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミドなどの可撓性高分子材料、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられ、シール性、再シール性の点からは弾性材料を含有しているものが好ましい。また、ポートとしては、円筒状、楕円筒状の成形品であることが好ましい。また、排出ポート6の構成材料としては、薬剤容器と同様のものであることが好ましい。
【0034】
以上のような構成により、図8,図10,図11に示すように、医療用容器1の第2の薬剤室17を押圧して仕切用弱シール部9を剥離させ、さらに押圧することにより第1の薬剤室16を膨らませると、膨らみ(第1の固定部31と第2の固定部の開き)に連動して第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とが一方のシート2a及び他方のシート2b方向に開き、まず、破断可能部11の先端側部分aが破断され、次いで、第1の応力付与部側部分11bおよび第2の応力付与部側部分11cが破断される。これにより、医療用容器用筒状体10は、開封され、筒状部7は薬液室16と連通し、軟質バッグ2内の薬液18に医療用容器用筒状体10内の薬剤5が混合される。また、この実施例では、医療用容器用筒状体10から、第1の応力付与部12および第2の応力付与部14が分離する。
なお、医療用容器1の第1の薬剤室16を最初に押圧して、第1の薬剤室16を膨らませて、仕切用弱シール部9を剥離するとともに、医療用容器用筒状体10を開封することにより、軟質バッグ2内の薬液と、医療用容器用筒状体10内の薬剤を混合してもよい。
【0035】
また、本発明の医療用容器1のように、軟質バッグ2の内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17とに区分され、軟質バッグ2に医療用容器用筒状体10が取り付けられていることにより、第1の薬剤室16と第2の薬剤室17内に薬剤を混合するため、第1の薬剤室16もしくは第2の薬剤室17を押圧して仕切用弱シール部9を剥離する操作時における第1の薬剤室16の膨らみにより医療用容器用筒状体10が開封されるため、医療用容器用筒状体10内の薬剤5と薬剤室16,17内の薬液18,19とが未混合のまま薬剤が投与されるおそれがなく、かつ、医療用容器用筒状体10の開封のための特別な操作を行う必要もない。
なお、医療用容器としては、軟質バッグ2の内部空間が仕切用弱シール部9で区分けされていない単室構造のものであってもよい。
【0036】
さらに、医療用容器1は、図1に示すように、医療用容器用筒状体10の薬剤室側先端部の近傍に設けられ、第1の固定部31および第2の固定部32により固定されたシート2a、2b間の広がりを抑制するための剥離可能な広がり抑制用シート間固定部26を備えていることが好ましい。この実施例の医療用容器1では、図1に示すように、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14の周囲に位置する部分のシート間を固定する剥離可能な広がり抑制用シート間固定部26が設けられている。
広がり抑制用シート間固定部26は、図1に示す実施例では、医療用容器用筒状体10の第1の応力付与部12および第2の応力付与部14の先端部付近に円弧状に形成されている。広がり抑制用シート間固定部は、輸送中等の使用前に軟質バッグ2に対して加えられる圧力では剥離せず、軟質バッグ2を手指で強く押したときに剥離可能なものであることが好ましい。シート間固定部26としては、図示する実施例のように、応力付与部12,14の先端部付近かつ薬剤室の内側となる位置に連続する円弧状のものであることが好ましい。なお、シート間固定部26は、連続ではなく、点在するものであってもい。さらに、シート間固定部26は、応力付与部12,14の先端部付近かつその側面側に1つもしくは応力付与部12,14を挟むように2つ設けたものであってもよい。また、広がり抑制用シート間固定部26としては、図1に示すように、薬剤室16と区画された室を形成しないものであることが好ましい。
【0037】
シート間固定部26は、仕切用弱シール部9と同様に、軟質バッグ2を融着することにより形成することが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着等であることが好ましい。破断抑制用シール部を有していることにより、輸送中などに軟質バッグ2が膨らみ第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とが裂開されるおそれがない。なお、破断抑制用シール部の形状としては、輸送中などの使用前に筒状部7が破断されることを防止できる形状であればいかなるものであってもよい。
また、医療用容器1は、軟質バッグ2の内部空間と排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部15とを備えていることが好ましい。このような構成を有することにより、第1の薬剤室16と第2の薬剤室17内の薬液18,19が混合される前に薬液が投与されることを防止することができる。
連通阻害用弱シール部15は、排出ポート6の上方を取り囲むように形成されている。この連通阻害用弱シール部15により、第2の薬剤室17から隔離された第3室が形成されている。この第3室は、空室となっている。しかし、第3室には、所定の液体(例えば、生理食塩水)が入れられていてもよい。また、第3室は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の液体が充填されていてもよい。さらに、連通阻害用弱シール部15に若干の水蒸気や薬剤が通る通路を形成し、第2の薬剤室17と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。連通阻害用弱シール部15は、シート材を帯状に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
【0038】
連通阻害用弱シール部15は、図1に示す実施例では、反転したU字形状に形成されている。また、連通阻害用弱シール部は、短辺が上側となる台形状、排出ポートが頂点となる三角形状、排出ポートが底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状であってもよい。
また、連通阻害用弱シール部15のシール強度は、仕切用弱シール部9のシール強度と同等、若干大きいもしくは若干小さいものであることが好ましい。このようなものであれば、仕切用弱シール部9が剥離されない状態にて薬液が投与されることがなく、かつ、容易な操作で投与準備を行うことができる。
また、連通阻害用弱シール部15は、第2の薬剤室17を押圧することにより、仕切用弱シール部9の剥離とほぼ同時もしくは続いて連通阻害用弱シール部15が剥離するものであることが好ましい。このようにすることにより、軟質バッグ2の第2の薬剤室16を圧迫したとき、連通阻害用弱シール部15が仕切用弱シール部9より先に剥離することがない。
また、医療用容器1は、第1の薬剤室16を押圧することにより、仕切用弱シール部9の剥離に続いて連通阻害用弱シール部15が剥離するものであってもよい。このようなものであれば、軟質バッグ2の第1の薬剤室16を圧迫し、仕切用弱シール部9の剥離時の流体の力により、連通阻害用弱シール部15を剥離させることができる。
【0039】
次に、本発明の薬剤容器の他の実施例について説明する。
図12は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図、図13は、図12に示す薬剤容器の側面図、図14は、図12に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
この実施例における薬剤容器35は、医療用容器用筒状体20と、筒状体20の後端部を封止する蓋部材28と、内部に収納された薬剤5とを備える。
この実施例の医療用容器用筒状体20と、上述した医療用容器用筒状体10との相違は、破断可能部の構成のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器用筒状体20は、図12または図13に示すように、筒状部7と、破断可能部38と、第1の応力付与部12と、第2の応力付与部14とを備えている。
破断可能部38と上述した破断可能部11との相違は、破断可能部の先端側部分38aの長さと、第1の応力付与部側部分38bおよび第2の応力付与部側部分38cの形態のみである。
【0040】
破断可能部38は、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との間を通るように設けられ基端側に延びている先端側部分38aと、先端側部分38aの基端部から分岐して筒状部7の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分38bおよび第2の応力付与部側部分38cを有している。そして、第1の応力付与部側部分38bおよび第2の応力付与部側部分38cは、先端側部分38aの基端部同士を繋ぐように設けられている。このように構成することにより、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14を広げたとき破断可能部38が破断して筒状部7が開封される。
また、先端側部分38aは、図12,図13に示すように、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との中間付近を通り、かつ一方のシート2a側と他方のシート2b側の中間付近を通るように基端側に延びている。具体的に、この実施例の先端側部分38aは、図12,図13に示すように、筒状部7の一方のシート2a側及び他のシート2b側の中間付近に沿ってU字状に形成された先端側部分38aとなっている。このような構成により、筒状部7をほぼ真ん中から一方のシート2a側及び他方のシート2b側に引き裂くことができる。この例においても、上述した医療用容器用筒状体10と同様に、破断可能部38の第1の応力付与部側部分38bおよび第2の応力付与部側部分38cは、とぎれることなく連続し、破断可能部11の先端側部分38aのそれぞれの基端部間を連結するものとなっている。なお、破断可能部38の第1の応力付与部側部分38bおよび第2の応力付与部側部分38cのいずれかのみ上記のように構成されているものとしてもよい。
【0041】
図12,図13に示すように、第1の応力付与部側部分38bおよび第2の応力付与部側部分38cは、先端側部分38aと直交するように設けられている。また、破断可能部の応力付与部側部分38b、38cは、略円弧状に形成されている。破断可能部38が、図12,図13に示す実施例のような構成であることにより、図14に示すように、破断により筒状部7の先端部が第1の応力付与部12と第2の応力付与部14側に分離する。
破断可能部38は、上述したように破断可能な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部38は、筒状部7に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。
【0042】
以上のような構成により、医療用容器の第2の薬剤室17を押圧して仕切用弱シール部9を剥離させ、さらに押圧することにより第1の薬剤室16を膨らませると、図14に示すように、膨らみに連動して第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とが一方のシート2a及び他方のシート2b方向に開き、まず、先端側部分38aが破断され、次いで、第2の破断可能部38cが破断され、その後、第3の破断可能部38bが破断されて、薬剤容器35が開封し、軟質バッグ2内の薬液と薬剤容器35内の薬剤とが混合される。第1の薬剤室16内の薬液18と第2の薬剤室17の薬液19とは仕切用弱シール部9の剥離により混合される。
なお、医療用容器の第1の薬剤室16を最初に押圧して、第1の薬剤室16を膨らませて、仕切用弱シール部9を剥離するとともに、薬剤容器35を開封することにより、軟質バッグ2内の薬液と、薬剤容器35内の薬剤を混合してもよい。
【0043】
次に、本発明の薬剤容器の他の実施例について説明する。
この実施例における薬剤容器40は、医療用容器用筒状体41と、筒状体41の後端部を封止する蓋部材28と、内部に収納された薬剤5とを備える。
この実施例における医療用容器用筒状体41は、上述した医療用容器用筒状体10と、破断可能部の構成のみ異なっており、その他の構成は同様である。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。図15は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図、図16は、図15に示す薬剤容器の側面図、図17は、図15に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
医療用容器用筒状体41は、図15,図16に示すように、筒状部7と、破断可能部43と、第1の応力付与部12と、第2の応力付与部14とを備えている。医療用容器用筒状体41の構成は、破断可能部43の構成を除いて医療用容器用筒状体10と同様であるため、以下相違点を中心に説明する。
破断可能部43と上述した破断可能部11との相違は、破断可能部の先端側部分43aの長さと、第1の応力付与部側部分43bおよび第2の応力付与部側部分43cの形態のみである。
【0044】
破断可能部43の先端側部分43aは、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との間を通るように設けられ基端側に延びている。破断可能部43の第1の応力付与部側部分43bおよび第2の応力付与部側部分43cは、先端側部分43aの基端部付近において分岐して先端側部分43aの基端部同士を繋ぐようにように設けられている。このような構成により、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14を広げたとき破断可能部43が破断して筒状部7が開封される。
また、先端側部分43aは、図15,図16に示すように、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14との中間付近を通り、かつ一方のシート2a側と他方のシート2b側の中間付近を通るように基端側に延びていることが好ましい。具体的に、この実施例の先端側部分43aは、図15,図16に示すように、筒状部7の一方のシート2a側及び他のシート2b側の中間付近に沿ってU字状に形成された先端側部分43aとなっている。このような構成により、筒状部7を真ん中から一方のシート2a側及び他方のシート2b側に引き裂くことができる。
【0045】
図15,図16に示す実施例では、破断可能部43bの第1の応力付与部側部分43bおよび第2の応力付与部側部分43cは、先端側部分43aと直交するように設けられている。また、本発明の実施例において、第1の応力付与部側部分43bおよび第2の応力付与部側部分43cは、略円弧状に形成されている。破断可能部43が、図15,図16に示す実施例のような構成であることにより、図17に示すように、破断により筒状部7の先端部が第1の応力付与部12と第2の応力付与部14側に分離する。
破断可能部43は、上述したように破断可能な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部43は、筒状部7に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。
以上のような構成により、医療用容器1の第2の薬剤室17を押圧して仕切用弱シール部9を剥離させ、さらに押圧することにより第1の薬剤室16を膨らませると、図14に示すように、膨らみに連動して第1の応力付与部12と第2の応力付与部14とが一方のシート2a及び他方のシート2b方向に開き、まず、先端側部分43aが破断され、次いで、第1の応力付与部側部分43bおよび第2の応力付与部側部分43cが破断されて、医療用容器用筒状体41が開封し、軟質バッグ2内の薬液と医療用容器用筒状体41内の薬剤とが混合される。第1の薬剤室16内の薬液18と第2の薬剤室17の薬液19とは仕切用弱シール部9の剥離により混合される。
【0046】
次に、本発明の薬剤容器の他の実施例について説明する。
図18は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図、図19は、図18に示す薬剤容器の側面図、図20は、図19のC−C線断面図、図21は、図18のD−D線断面図、図22は、図18の薬剤容器の底面図である。図23は、図18に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
この実施例における薬剤容器45は、医療用容器用筒状体46と、筒状体46の後端部を封止する蓋部材28と、内部に収納された薬剤5とを備える。
この実施例における医療用容器用筒状体46は、上述した医療用容器用筒状体10と、破断可能部の構成のみ異なっており、その他の構成は同様である。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器用筒状体46は、図18,図19に示すように、筒状部7と、破断可能部48と、第1の応力付与部49と、第2の応力付与部50とを備えている。この医療用容器用筒状体46と上述した医療用容器用筒状体10との相違は、破断可能部48の構成と、筒状部7の先端部の構成と、第1の応力付与部49と、第2の応力付与部50の構成にある。以下、相違点を中心に説明する。
【0047】
筒状部7の先端部は、図19,図20に示すように、円錐形状に形成されている。このような構成により、先端部形状がドーム形状の場合より、より確実に第1の応力付与部49と第2の応力付与部50により破断可能部48に応力を付与することができる。
また、第1の応力付与部49は、筒状部7の先端部付近の一方のシート側部分から延びるものであり、第2の応力付与部50は、筒状部7の先端部付近の他方のシート側部分から延びるものである。破断可能部48は、第1の応力付与部49及び第2の応力付与部50が薬剤室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部49および第2の応力付与部50の固定部の膨らみにより、一方のシート側及び他方のシート側に破断する。
破断可能部48と上述した破断可能部11との相違は、破断可能部の先端側部分48aの長さと、第1の応力付与部側部分48bおよび第2の応力付与部側部分48cの形態のみである。
【0048】
破断可能部48は、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部49と第2の応力付与部50との間を通るように設けられ基端側に延びている先端側部分48aと、先端側部分48aの基端部から分岐して筒状部7の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分48bおよび第2の応力付与部側部分48cを有している。そして、第1の応力付与部側部分48bおよび第2の応力付与部側部分48cは、先端側部分48aの基端部同士を繋ぐように設けられている。このように構成することにより、第1の応力付与部49と第2の応力付与部50を広げたとき破断可能部48が破断して筒状部7が開封される。
また、先端側部分48aは、図19、図22に示すように、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部49と第2の応力付与部50との中間付近を通り、かつ一方のシート側と他方のシート側の中間付近を通るように基端側に延びている。特に、この実施例の先端側部分48aは、図19に示すように、筒状部7の一方のシート側及び他のシート側の中間付近に沿って略U字状に形成されている。このような構成により、筒状部7をほぼ真ん中から一方のシート側及び他方のシート側に引き裂くことができる。この例においても、上述した医療用容器用筒状体10と同様に、破断可能部48の第1の応力付与部側部分48bおよび第2の応力付与部側部分48cは、とぎれることなく連続し、破断可能部48の先端側部分48aのそれぞれの基端部間を連結するものとなっている。なお、破断可能部48の第1の応力付与部側部分48bおよび第2の応力付与部側部分48cのいずれかのみ上記のように構成されているものとしてもよい。
【0049】
図19,図22に示すように、破断可能部48の第1の応力付与部側部分48bおよび第2の応力付与部側部分48cは、破断可能部48の先端側部分48aと直交するように設けられている。また、破断可能部の開封保持部材側部分48b、48cは、略円弧状に形成されている。破断可能部48が、図18ないし図22に示す実施例のような構成であることにより、図23に示すように、破断により筒状部7の先端部が第1の応力付与部49と第2の応力付与部50側に分離する。
破断可能部48は、上述したように破断可能な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部48は、筒状部7に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。
第1の応力付与部49および第2の応力付与部50は、図18ないし図22に示すように、縦長の平板部49a,50aと、平板部49a,50aの両側に形成された側壁部49b,50bと、第1の接合部49d,第2の接合部50dと、側壁部に形成されたリブ49e、50eと、平板部49a,50aの内面に形成されたリブ49c,50cとを備えている。第1の応力付与部49と第2の応力付与部50の基端部付近がそれ以外の部分と比較して若干縮径している点、また、平板部49a,50aの内面に形成されたリブ49c、50cの構成のみ異なっている。リブ49c,50cの構成を除いた構成は、第1の応力付与部12と第2の応力付与部14の基本構成とほぼ同じであるため、以下、相違点を中心に説明する。
【0050】
第1の応力付与部49の内面に形成されたリブ49cと、第2の応力付与部50の内面に形成されたリブ50cは、円錐状の先端部から先端まで形成されている。リブ49c,50cは、上述したリブ12c,14cと異なり、先端側に向かって縮径している。このような構成により、軟質バッグ2を押圧した膨らみにより、第1の応力付与部49と第2の応力付与部50に付与された応力を筒状部7の先端部付近に確実に伝達することができる。
また、筒状部7の破断可能部48より第1の応力付与部49と第2の応力付与部50側部分は、図23に示す実施例のように、破断により完全に分離するものとなっていることが好ましい。このような構成により、医療用容器用筒状体46が開封された後、筒状部7の開口部が閉塞されにくくなる。医療用容器用筒状体46の構成材料としては、医療用容器用筒状体10と同様であることが好ましい。
【0051】
次に、本発明の医療用容器に使用される薬剤容器の他の例について説明する。
図24は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図、図25は、図24に示す薬剤容器の側面図、図26は、図25のE−E線断面図、図27は、図24のF−F線断面図、図28は、図24の薬剤容器の底面図である。図29は、図24に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
この実施例における薬剤容器55は、医療用容器用筒状体56と、筒状体56の後端部を封止する蓋部材28と、内部に収納された薬剤5とを備える。
この実施例における医療用容器用筒状体56と上述した医療用容器用筒状体10との相違は、破断可能部の構成のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
次に、他の実施例である医療用容器用筒状体56および薬剤容器55について説明する。医療用容器用筒状体56と上述した医療用容器用筒状体10との相違は、破断可能部の構成、先端部の構成のみである。以下、相違点を中心に説明する。
【0052】
医療用容器用筒状体56は、図24,図25に示すように、筒状部7と、破断可能部58と、第1の応力付与部59と、第2の応力付与部60とを備えている。この医療用容器用筒状体56と上述した医療用容器用筒状体10との相違は、破断可能部58の構成と、筒状部7の先端部の構成と、第1の応力付与部59と、第2の応力付与部60の構成にある。また、この医療用容器用筒状体56と上述した医療用容器用筒状体46との相違は、破断可能部58の先端側部分58aの長さのみである。
破断可能部58は、筒状部7の先端部から基端部付近まで設けられている。このような構成により、筒状部7が基端部付近まで開封されるため筒状部7内の薬液をより確実に排出することができる。
筒状部7の先端部は、図25ないし図27に示すように、円錐形状に形成されている。
破断可能部58は、図25および図28に示すように、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部59と第2の応力付与部60との間を通るように設けられ基端側に延びている先端側部分58aと、先端側部分58aの基端部から分岐して筒状部7の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分58bおよび第2の応力付与部側部分58cを有している。そして、第1の応力付与部側部分58bおよび第2の応力付与部側部分58cは、先端側部分58aの基端部同士を繋ぐように設けられている。このように構成することにより、第1の応力付与部59と第2の応力付与部60を広げたとき破断可能部58が破断して筒状部7が開封される。
【0053】
また、第1の応力付与部59は、筒状部7の先端部付近の一方のシート側部分から延びるものであり、第2の応力付与部60は、筒状部7の先端部付近の他方のシート側部分から延びる。破断可能部58は、第1の応力付与部59及び第2の応力付与部60が薬剤室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部59および第2の応力付与部60の固定部の膨らみにより、一方のシート側及び他方のシート側に破断する。
また、先端側部分58aは、図25、図28に示すように、第1の応力付与部59と第2の応力付与部60との中間付近を通り、かつ一方のシート側と他方のシート側の中間付近を通るように薬剤収納部の基端部付近まで延びている。具体的に、この実施例の先端側部分58aは、図26に示すように、筒状部7の一方のシート側及び他のシート側の中間付近に沿って略U字状に形成されている。このため、筒状部7を真ん中から一方のシート側及び他方のシート側に引き裂くことができる。
図25に示すように、破断可能部58の第1の応力付与部側部分58bおよび第2の応力付与部側部分58cは、破断可能部58の先端側部分58aと直交するように設けられている。また、破断可能部の開封保持部材側部分58b、58cは、略円弧状に形成されている。破断可能部58が、図25および図28に示す実施例のような構成であることにより、図29に示すように、破断により筒状部7の先端部が第1の応力付与部59と第2の応力付与部60側に分離する。
破断可能部58は、上述したように破断可能な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部58は、筒状部7に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。
【0054】
第1の応力付与部59と、第2の応力付与部60とは、第1の応力付与部49,第2の応力付与部50と基本構成が同じであり、第1及び第2の応力付与部59,60において筒状部7の先端部から先端側に向かって設けられた補強用リブ59f,60fを備える点、接合部59d,60dが、接合部49d,50dと比較して小さいことにおいて第1の応力付与部49と第2の応力付与部50と異なっている。
第1の応力付与部59は、第2の応力付与部60は、図24ないし図27に示すように、縦長の平板部59a,60aと、平板部59a,60aの両側に形成された側壁部59b,60bと、接合部59d,60dと、側壁部に形成されたリブ59e、60eと、平板部59a,60aの内面に形成されたリブ59c,60cと、補強用リブ59f,60fを備えている。
補強用リブ59f,60fは、平板部59a,60aの外面において筒状部7の先端部から平板部59a,60aの中間部付近まで設けられている。補強用リブ59f,60fは、筒状部7の先端部から先端側に向かって縮径している。補強用リブ59f、60fを有することにより、第1の応力付与部59と第2の応力付与部60とは、筒状部7の先端部付近に確実に応力を付与することができる。接合部59d、60dは、第1の応力付与部59と第2の応力付与部の先端側に部分に矩形状に形成されている。
【0055】
次に、本発明の薬剤容器の他の実施例について説明する。
図30は、本発明の他の実施例である薬剤容器の正面図、図31は、図30の医療用容器を構成する薬剤容器の側面図である。
この例の薬剤容器65は、図30,図31に示すように、第1の筒状部7aを有する第1の医療用容器用筒状体61と、第2の筒状部7bを有する第2の医療用容器用筒状体62と、第1の筒状部7a及び第2の筒状部7bの先端部付近同士を連結し先端側に延びる第1および第2の応力付与部69,70と、第1及び第2の応力付与部69,70が広げられたときに破断し、第1及び第2の筒状部7a,7bを外部と連通させる破断可能部68とを備え、さらに、第1の応力付与部69は軟質バッグ2の薬液室17を形成する一方のシート2a内面に固定されり、第2の応力付与部70は薬液室を形成する他方のシート2b内面に固定される。そして、薬液室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部69の固定部および第2の応力付与部70の固定部の膨らみにより、破断可能部68が破断するものである。
第1の医療用容器用筒状体61と第2の医療用容器用筒状体62における筒状部7a,7bおよび破断可能部68は、上述した医療用容器用筒状体10の筒状部7および破断可能部11と同様であるため説明を省略する。
【0056】
薬剤容器65は、図30,図31に示すように、第1の医療用容器用筒状体61と、第2の医療用容器用筒状体62と、第1の応力付与部69と第2の応力付与部70と、第1の医療用容器用筒状体61と第2の医療用容器用筒状体62内に充填された薬剤とを備えている。
2つの薬剤収納部には、異なった薬剤が充填されていることが好ましい。以下、第1の応力付与部69と第2の応力付与部70についてのみ説明する。
第1の応力付与部69は、図30および図31に示すように、第1の筒状部(薬剤収納部)7aと第2の筒状部(薬剤収納部)7bの先端部付近の軟質バッグ2の一方のシート側部分同士を連結するように設けられている。また、第2の応力付与部70は、第1の応力付与部69と同様に、図31に示すように、第1の筒状部7aと第2の筒状部7bの先端部付近の他方のシート側部分同士とを連結するように設けられている。
本発明の実施例では、第1の応力付与部69および第2の応力付与部70は、それぞれの筒状部7a,7bの先端部付近から軸方向に延びる部分とこの部分を連結するように設けられたV字状部分とからなる平板部69a,70aと、平板部69a,70aの両側に形成された側壁部69b,70bもしくはリブとを備えている。本発明の実施例では、第1の応力付与部69と、第2の応力付与部70とは対向するように形成されている。第1の応力付与部および第2の応力付与部の形状としては、上述のV字状に限定されるものではなく、U字状、コの字状、円弧状、楕円弧状等であってもよい。
【0057】
また、第1の応力付与部69と第2の応力付与部70とは、上述したように、若干離間するように形成されている。このような構成により、シール金型により第1の応力付与部69と第2の応力付与部70との挟持した際に第1の応力付与部69と第2の応力付与部70とが内側に大きく傾いて破断可能部が破断するおそれがない。具体的に、本発明の実施例において、第1の応力付与部69と第2の応力付与部70のV字状平板部の側壁部69b,70bを高くして、さらに、側壁部69b,70bの対応する位置にリブ69e、70eが形成されている。
また、平板部69a,70aの外面には、軟質バッグ2の内面に接合される第1の接合部69d,第2の接合部70dが形成されていることが好ましい。接合部69d,70dは、V字形状に形成され接合面は平坦に形成されている。接合部69d,70dは、第1の応力付与部69と第2の応力付与部70の基端部付近から先端まで形成されている。また、第1の応力付与部69と第2の応力付与部70の軟質バッグ2の内面と接合される部分69d,70dは、上述したように、軟質バッグ2と相溶性のある樹脂により形成されていてもよい。また、薬剤容器65は、上述したように取付用部材を介して軟質バッグに取り付けられていてもよい。
【0058】
このような構成により、医療用容器の第2の薬剤室17を押圧して仕切用弱シール部9を剥離させ、さらに押圧することにより第1の薬剤室16を膨らませると、膨らみに連動して第1の応力付与部69と第2の応力付与部70とが一方のシート2a及び他方のシート2b方向に開き、まず、破断可能部68aが破断され、次いで、破断可能部68b及び破断可能部68cが破断されて、破断により裂開される部分が分離して薬剤容器65が開封し、軟質バッグ2内の薬液と薬剤容器65内の薬剤とが混合される。第1の薬剤室16内の薬液18と第2の薬剤室17の薬液19とは仕切用弱シール部の剥離により混合される。
なお、医療用容器1の第1の薬剤室16を最初に押圧して、第1の薬剤室16を膨らませて、仕切用弱シール部を剥離するとともに、薬剤容器65を開封することにより、軟質バッグ2内の薬液と、薬剤容器65内の薬剤を混合してもよい。
次に、本発明の他の実施例の医療用容器について説明する。
図32は、本発明の他の実施例の医療用容器80の正面図である。
この実施例の医療用容器80は、軟質バッグ2の内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17に区分され、薬剤容器100と排出ポート6とは、同じ薬剤室に取り付けられている。
また、この医療用容器80は、軟質バッグ2の内部空間と、排出ポート6及び薬剤容器100との連通を阻害するための連通阻害用弱シール部82を備えている。
【0059】
また、医療用容器80は、軟質バッグ2の内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17とに区分され、排出ポート6と異なる薬剤室に取り付けられた混注ポート81を備えている。
この医療用容器80は、図32に示すように、第1の薬剤室16と第2の薬剤室17とを有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室16に収納された薬液18と、第2の薬剤室17に収納された薬液19と、第2の薬剤室17に取り付けられた薬剤容器100と、薬剤容器100に収納された薬剤5と、第1の薬剤室16に取り付けられた混注ポート81と、第2の薬剤室17に取り付けられた排出ポート6と、排出ポート6と薬剤容器100の連通を阻害するための連通阻害用シール部82とを備えている。
この実施例の医療用容器80では、排出ポート6と薬剤容器100が第2の薬剤室17に隣接して取り付けられており、上述したような連通阻害用シール部82が、排出ポート6と薬剤容器100の上方を囲むように形成されている。この実施例における連通阻害用弱シール部82は、軟質バッグ2の内部空間と排出ポート6との連通を阻害するものであるとともに、薬剤容器100の破断可能部58が使用前に破断されることを防止する破断抑制の役目も果たしている。
このような構成により、第1の薬剤室16と第2の薬剤室17内の薬液18,19が混合される前に薬液が投与されることを防止することができる。
【0060】
次に、本発明の他の実施例の医療用容器について説明する。
図33は、本発明の他の実施例の医療用容器85の正面図である。
この実施例の医療用容器85は、軟質バッグ2の内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17に区分され、薬剤容器100と非連通排出ポート86とは、同じ薬剤室に取り付けられている。
医療用容器80と医療用容器85との相違は、医療用容器80では、通常の排出ポート6および連通阻害用シール部82が設けられているのに対して、医療用容器80では、非連通排出ポート86および広がり抑制用シート間固定部97が設けられている点のみである。また、軟質バッグ2、仕切用弱シール部、排出ポート6、連通阻害用シール部および広がり抑制用シート間固定部は、上述したものと同じである。
また、この実施例の医療用容器85は、軟質バッグ2の内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17に区分され、非連通排出ポート86が第2の薬剤室17の下方に取り付けられたものである。
この実施例では、非連通排出ポート86が特徴部分であり、薬剤容器100は必ずしも備えなくてもよい。このようなタイプの医療用容器を図43に図示する。
そこで、図32および図33の医療用容器80,85に使用される薬剤容器100について説明する。
図34は、図32および図33の医療用容器に使用される薬剤容器の正面図、図35は、図34に示す薬剤容器の側面図、図36は、図34のI−I線断面図、図37は、図35のJ−J線断面図である。
【0061】
この薬剤容器100の基本構成は、上述した薬剤容器55と同じである。
薬剤容器100は、医療用容器用筒状体101と、筒状体101の後端部を封止する蓋部材128と、内部に収納された薬剤5とを備える。
医療用容器用筒状体101は、図34,図35に示すように、筒状部7と、破断可能部58と、第1の応力付与部59と、第2の応力付与部60とを備えている。この薬剤容器100と上述した薬剤容器4との相違は、破断可能部58の構成と、筒状部7の先端部の構成と、第1の応力付与部59と、第2の応力付与部60の構成、および蓋部材128にある。また、この薬剤容器100と上述した薬剤容器55との相違は、筒状部7の長さと蓋部材128の形態のみである。
破断可能部58は、筒状部7の先端部から基端部付近まで設けられている。このような構成により、筒状部7が基端部付近まで開封されるため筒状部7内の薬液をより確実に排出することができる。筒状部7の先端部は、図35ないし図37に示すように、円錐形状に形成されている。
破断可能部58は、図35および図38に示すように、筒状部7の先端部付近において第1の応力付与部59と第2の応力付与部60との間を通るように設けられ基端側に延びている先端側部分58aと、先端側部分58aの基端部から分岐して筒状部7の側面方向に延びる第1の応力付与部側部分58bおよび第2の応力付与部側部分58cを有している。そして、第1の応力付与部側部分58bおよび第2の応力付与部側部分58cは、先端側部分58aの基端部同士を繋ぐように設けられている。このように構成することにより、第1の応力付与部59と第2の応力付与部60を広げたとき破断可能部58が破断して筒状部7が開封される。
【0062】
また、第1の応力付与部59は、筒状部7の先端部付近の一方のシート側部分から延びるものであり、第2の応力付与部60は、筒状部7の先端部付近の他方のシート側部分から延びる。破断可能部58は、第1の応力付与部59及び第2の応力付与部60が薬剤室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部59および第2の応力付与部60の固定部の膨らみにより、一方のシート側及び他方のシート側に破断する。
また、先端側部分58aは、図35、図36に示すように、第1の応力付与部59と第2の応力付与部60との中間付近を通り、かつ一方のシート側と他方のシート側の中間付近を通るように薬剤収納部の基端部付近まで延びている。具体的に、この実施例の先端側部分58aは、図36に示すように、筒状部7の一方のシート側及び他のシート側の中間付近に沿って略U字状に形成されている。このため、筒状部7を真ん中から一方のシート側及び他方のシート側に引き裂くことができる。
図35に示すように、破断可能部58の第1の応力付与部側部分58bおよび第2の応力付与部側部分58cは、破断可能部58の先端側部分58aと直交するように設けられている。また、破断可能部の開封保持部材側部分58b、58cは、略円弧状に形成されている。破断可能部58が、図34および図35に示す実施例のような構成であることにより、図29に示すように、破断により筒状部7の先端部が第1の応力付与部59と第2の応力付与部60側に分離する。
【0063】
破断可能部58は、上述したように破断可能な脆弱部である。具体的に、破断可能部は、薄肉部である。また、破断可能部58は、筒状部7に溝部を形成することにより作製されていることが好ましい。
第1の応力付与部59と、第2の応力付与部60については、薬剤容器55において説明した通りである。
そして、図34ないし図37、特に、図36および図37に示すように、筒状体101は、薬剤容器55の筒状部より長いものとなっている。また、蓋部材128は、筒状体101内に侵入する先端が閉塞した筒状部128aを備えている。そして、この筒状部128aの先端閉塞部は、破断可能部58bに近接する位置に配置されている。このため、薬剤容器100内に形成される筒状部7の底面は、薬剤容器100の下端部より上方に位置するものとなっている。そして、この薬剤容器100は、図32および図33に示すように、筒状部7の底面(言い換えれば、蓋部材128の筒状部128aの先端閉塞部)が、軟質バッグ2の下端側シール部22の薬剤室側内縁とほぼ同じ位置となるように取り付けられている。このため、薬剤容器100を破断した際に、筒状部7内の薬剤が残留することを防止する。
そして、この医療用容器85には、後述するような非連通排出ポート86が第2の薬剤室17の下方に取り付けられている。上述したように、この実施例では、非連通排出ポート86が特徴部分であり、薬剤容器100は必ずしも備えなくてもよい。図43に図示する医療用容器と上述した医療用容器85との相違は、薬剤容器100の有無のみである。 そして、このような仕切用弱シール部9により第1の薬剤室16と第2の薬剤室17に区分された医療用容器において、後述するような非連通排出ポート86を用いることにより、仕切用弱シール部の剥離忘れを防止することが可能となる。なお、図43に示す医療用容器および上述した医療用容器85において、広がり抑制用シート間固定部97を設けることが好ましいが、設けないものとしてもよい。
【0064】
次に、本発明の医療用容器用筒状体を排出ポートに応用した実施例について説明する。
図38は、本発明の医療用容器用筒状体を排出ポートに応用した実施例の正面図、図39は、図39に示す排出ポートの側面図、図40は、図39のG−G線断面図、図41は、図38のH−H線断面図、図42は、図38に示す排出ポートの作用を説明するための説明図である。図33に示すように、排出ポートは薬剤用容器に取り付けられて使用される。
本発明の医療用容器用排出ポート86は、医療用容器用筒状体93でありかつ後端部が開口した筒状体93と、筒状体93の後端部を封鎖するシール部材94を備え、かつ、シール部材の一部が針管の穿刺が可能な弾性部材96により形成されているものである。
そして、医療用容器用筒状体93は、軟質バッグを備える医療用容器に用いられる医療用容器用筒状体であって、筒状体93は、硬質もしくは半硬質材料により形成されており、さらに、筒状体93は、先端部が閉塞した筒状部88と、筒状部88の先端部に設けられた破断可能部91と、筒状部88の破断可能部91を挟むようにそれぞれ設けられるとともに軟質バッグの一方の内面に固着可能な第1の応力付与部89および軟質バッグの他方の内面に固着可能な第2の応力付与部90とを備え、破断可能部91は、第1の応力付与部89および第2の応力付与部90間の広がりにより破断し、筒状部88を開口するものである。
【0065】
この実施例の排出ポート86は、非連通排出ポートである。排出ポート86は、図33、図38および図41に示すように、破断されない状態では、薬剤室17内と連通しないものとなっている。排出ポート86は、図38ないし図41に示すように、排出路87若しくは中空部を有する筒状部88と、筒状部88の先端部付近を一端として延びる第1の応力付与部89および第2の応力付与部90と、第1および第2の応力付与部89,90が広げられたときに破断し、筒状部88を外部と連通させる破断可能部91とを備え、さらに、第1の応力付与部89は軟質バッグ2の薬液室を形成する一方のシート内面に固定されており、第2の応力付与部90は薬液室を形成する他方のシート内面に固定されており、薬液室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部89および第2の応力付与部90の固定部の膨らみにより、破断可能部91が破断するものである。
第1の応力付与部89は、筒状部88の先端部付近の一方のシート側2a部分から延びるものであり、第2の応力付与部90は、筒状部88の先端部付近の他方のシート2b側部分から延びるものであり、破断可能部91は、第1の応力付与部89及び第2の応力付与部90が薬剤室の押圧時の軟質バッグ2の第1の応力付与部89および第2の応力付与部90の固定部の膨らみにより、一方のシート2a側及び他方のシート2b側に破断するものとなっている。
【0066】
この非連通排出ポート86は、上述した薬剤容器55の基端部を排出ポートの基端部の構成に置き換えたものである。排出ポート86は、図38ないし図41に示すように、排出路87若しくは中空部を有する筒状部88と、筒状部88に設けられた破断可能部91と、第1の応力付与部89と、第2の応力付与部90とを備えている。
実施例の医療用容器用筒状体93は、筒状部88と、破断可能部91と、第1の応力付与部89と、第2の応力付与部90とを備えている。また、筒状部93の基端部には、シール部材94が取り付けられる蓋部取付部95が形成されている。また、筒状部93の基端部は、軟質バッグ2に取り付け可能なように破断可能部より基端側に有る程度の長さを有している。本発明の実施例では、筒状部93は、上述した薬剤容器55の基端部を除いた構成とほぼ同じである。また、第1の応力付与部89、第2の応力付与部90は、上述したとおりであるため説明を省略する。
また、シール部材94は、基端部が閉塞された筒状部となっている。シール部材94の先端部は、筒状部93の蓋部取付部95に取り付け可能な形状となっている。蓋部材94の基端部(排出ポートの排出口)には、針管(具体的には、排出用針:図示せず)等を挿通可能な弾性部材96が設けられている。
弾性部材96としては、上述したものと同様であることが好ましい。筒状部の中空部には、粉末状もしくは固形状の薬剤が収容されていてもよい。
なお、本発明の医療用容器に使用される薬剤容器100の代わりに、薬剤容器35、40,65を使用してもよい。
【0067】
広がり抑制用シート間固定部97は、図33に示す実施例では、薬剤容器100の第1の応力付与部59と第2の応力付与部60と、排出ポート86の第1の応力付与部と第2の応力付与部との先端部付近に円弧状に形成されている。広がり抑制用シート間固定部97としては、上述したようなものであることが好ましい。
医療用容器85は、以上のような構成をしているため、第1の薬剤室16と第2の薬剤室17を混合するため第1の薬剤室16若しくは第2の薬剤室17を押圧して仕切用弱シール部を剥離させる時に、薬剤容器、排出ポートが開封されるため、軟質バッグ内の薬液を混合する前に薬液が投与されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明の実施例である医療用容器の正面図である。
【図2】図2は、図1の医療用容器に使用される薬剤容器の正面図である。
【図3】図3は、図2の薬剤容器の側面図である。
【図4】図4は、図2のA−A線断面図である。
【図5】図5は、図3のB−B線断面図である。
【図6】図6は、図2の薬剤容器の上面図である。
【図7】図7は、図2の薬剤容器の底面図である。
【図8】図8は、図2に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
【図9】図9は、図2に示す薬剤容器を薬剤容器取付用部材に取り付けた図である。
【図10】図10は、本発明の実施例の医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図11】図11は、本発明の実施例の医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
【図12】図12は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図である。
【図13】図13は、図12に示す薬剤容器の側面図である。
【図14】図14は、図12に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
【図15】図15は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図である。
【図16】図16は、図15に示す薬剤容器の側面図である。
【図17】図17は、図15に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
【図18】図18は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図である。
【図19】図19は、図18に示す薬剤容器の側面図である。
【図20】図20は、図19のC−C線断面図である。
【図21】図21は、図18のD−D線断面図である。
【図22】図22は、図18の薬剤容器の底面図である。
【図23】図23は、図18に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
【図24】図24は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図である。
【図25】図25は、図24に示す薬剤容器の側面図である。
【図26】図26は、図25のE−E線断面図である。
【図27】図27は、図24のF−F線断面図である。
【図28】図28は、図24の薬剤容器の底面図である。
【図29】図29は、図24に示す薬剤容器の作用を説明するための説明図である。
【図30】図30は、本発明の医療用容器に使用される他の例の薬剤容器の正面図である。
【図31】図31は、図30に示す薬剤容器の側面図である。
【図32】図32は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図33】図33は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【図34】図34は、図32および図33の医療用容器に使用される薬剤容器の正面図である。
【図35】図35は、図34に示す薬剤容器の側面図である。
【図36】図36は、図34のI−I線断面図である。
【図37】図37は、図35のJ−J線断面図である。
【図38】図38は、図33の医療用容器に使用される排出ポートの正面図である。
【図39】図39は、図38に示す排出ポートの側面図である。
【図40】図40は、図39のG−G線断面図である。
【図41】図41は、図38のH−H線断面図である。
【図42】図42は、図38に示す排出ポートの作用を説明するための説明図である。
【図43】図43は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 医療用容器
2 軟質バッグ
2a 一方のシート
2b 他方のシート
4 薬剤容器
6 排出ポート
7 筒状部
9 薬液
10 医療用容器用筒状体
11 破断可能部
12 第1の応力付与部
14 第2の応力付与部
【出願人】 【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号
【出願日】 平成17年3月30日(2005.3.30)
【代理人】 【識別番号】100089060
【弁理士】
【氏名又は名称】向山 正一

【公開番号】 特開2006−87904(P2006−87904A)
【公開日】 平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願番号】 特願2005−100195(P2005−100195)