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【発明の名称】 医療用容器
【発明者】 【氏名】岩崎 年晴
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区大川町5番1号 昭和電工プラスチックプロダクツ株式会社川崎研究所内

【氏名】小谷 政孝
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区大川町5番1号 昭和電工プラスチックプロダクツ株式会社川崎研究所内

【氏名】番場 武
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区大川町5番1号 昭和電工プラスチックプロダクツ株式会社川崎研究所内

【氏名】千北 ▲隆▼彦
【住所又は居所】茨城県北茨城市中郷町日棚1471番25 扶桑薬品工業株式会社茨城工場内

【要約】 【課題】薬液を充填した状態で吊り下げた場合にも形態安定性が高く、常にほぼ一定形状の変形を起こし、かつ落袋強度も高い医療用容器を提供する。

【解決手段】フィルム2、2がシールされて縦長の袋状に形成されてなる収納部3と、内容物充填時において収納部3の長手方向上側に配設される注入部4とが備えられてなり、フィルム2、2同士をシールするシール部5には、収納部3の長手方向に沿って延在する一対のサイドシール部5a、5aがあり、各サイドシール部5a、5aの前記長手方向下方には、収納部3の輪郭線3aよりも収納部3側に突出された突出シール部5d、5dが設けられ、各突出シール部5d、5dは前記長手方向に対して略同一の高さに配置され、各突出シール部の頂部5e、5eにおけるシール幅が、サイドシール部のシール幅の0.5倍ないし1.5倍の幅に設定されていることを特徴とする医療用容器1を採用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する2枚のフィルムの周囲同士がシールされることによって縦長の袋状に形成されてなる収納部と、内容物充填時において前記収納部の長手方向上側となる位置に配設されるとともに前記収納部に連通される注入部とが備えられてなり、
前記フィルム同士をシールするシール部には、前記収納部の長手方向に沿って延在する一対のサイドシール部があり、前記各サイドシール部の前記長手方向下方には、各サイドシール部による前記収納部の輪郭線よりも前記収納部側に突出された突出シール部が設けられ、各突出シール部は前記長手方向に対して略同一の高さに配置されており、各突出シール部には収納部側に最も突出された頂部があり、少なくとも前記頂部における突出シール部のシール幅が、サイドシール部のシール幅の0.5倍ないし1.5倍の幅に設定されていることを特徴とする医療用容器。
【請求項2】
前記長手方向に沿う前記突出シール部の長さが、前記収納部の長手方向の高さの40%未満の寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用容器。
【請求項3】
前記突出シール部が山型形状であって、前記頂部の角度が90°以上170°以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医療用容器。
【請求項4】
前記サイドシール部からの突出シール部の突出高さが、前記収納部の短手方向の長さの2%以上30%以下の寸法に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の医療用容器。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用容器に関するものであり、特に、流動性のある薬剤などの液状内容物を収納する袋状の医療用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
口部材などの注入部を有する略矩形の柔軟な袋状医療用容器の薬剤収納部として用いられる袋状容器としては、インフレーション成形により得られた筒状のフィルムまたはシート(以下、併せて「フィルム」という。)の上下2辺をシールして袋状とした2方シールの袋状容器や、重ね合わせたフィルムの上下左右の4辺をシールした平パウチ状の4方シールの袋状容器が用いられている。
2方シールした袋状容器において、左右周縁部は、筒状フィルムの折り曲げ縁により剛性が高くなっているため、容器が空の状態でもある程度の厚みを有している。これに対して4方シールした袋状容器の場合は、左右周縁部の剛性が低くいためにいくつかの問題を起こすことが知られている。
【0003】
例えば、4方シールの袋状容器は、製造ラインにおいて吊り下げられた状態で注入部から薬液が充填されると、薬液の自重水圧のため容器の下方が水滴状に膨れて著しく変形する。また容器の両サイドの下方稜線が内側に折れて、容器底部のシール部の両サイドが上方に跳ね上がり、かつ、容器底部のシール部のほぼ中央が折れ曲がる、という現象が生じる。これらの現象は、4方シールした袋状容器の左右周縁部の剛性が低いためと考えられる。
【0004】
上述のように、容器の水滴状変形や容器底部周辺の折れ曲がり変形が生じると、容器の吊り下げライン上において、容器の変形部分と吊り下げライン上の機器やガイドとの擦れや、引っ掛かりを起こしやすく、傷やピンホール発生の原因になる。また異物混入検査装置などの検査装置においては、容器の胴部厚みのバラツキや、容器下方に集中する折れ曲がりによる容器投影形状の不安定さに起因して、良否判定に誤差を生じる原因になるという問題点があった。
【0005】
以上のように、従来の4方シールされた袋状医療用容器は、剛性が低く変形しやすいため、吊り下げによる製造ラインにおいて、薬液充填後の容器形状が一定せず、これに起因した種々の問題が生じていた。
さらに製造後においても、一旦、変形した袋状医療用容器は折れぐせがつくため、形状を修正しても、再び同一の位置で折れ曲がりやすく、内容物充填後の医療用容器の形状が一定せず、梱包に支障をきたしたり、場合によって折れ曲がった部位が梱包体と擦れてピンホールを生じたりするなどの問題点があった。
【0006】
この問題を解決するために、内容物充填の際底部となる袋本体下端部に、袋本体の幅方向の少なくとも中央域において袋本体上部方向に向かって膨出する膨出シール部を設け、折れ曲がった角部の発生を防止した袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、袋状医療容器の分野では、医療用容器を容易に折り曲げることを可能とするために、内側に突出する溶着部を形成し、この溶着部により連通域とを有する少なくとも2つの室に区画することにより、溶着部で折り曲げ易くなり、常に一定の部位で折り曲げることができること、さらに溶着部の辺部に切り欠きを設けることで、縁部分の折り曲げにより歪みを除去できることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2957559号公報
【特許文献2】特開2000−84042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載の容器においては、その容器内方に突出したシール部が、シール幅が幅広で容器本体部に比較して硬いため、容器を落下させた場合に、これら突出シール部頂部に応力が集中し破袋し易いという問題がある。このため、不定変形をせず、かつ落袋強度に優れた袋状医療用容器が望まれていた。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、薬液を充填した状態で吊り下げた場合にも形態安定性が高く、常にほぼ一定形状の変形を起こし、かつ落袋強度も高い医療用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決する医療用容器について鋭意研究を重ねた結果、容器内方に突出する突出シール部の頂部シール幅を容器内容物を洩れなく収納するに足るだけの、サイドシール部一般部と同様のシール幅とすることにより、突出シール部の柔軟性が増し、落袋強度が改善されることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)ないし(4)に示す医療用容器に関する。
【0009】
(1) 対向する2枚のフィルムの周囲同士がシールされることによって縦長の袋状に形成されてなる収納部と、内容物充填時において前記収納部の長手方向上側となる位置に配設されるとともに前記収納部に連通される注入部とが備えられてなり、前記フィルム同士をシールするシール部には、前記収納部の長手方向に沿って延在する一対のサイドシール部があり、前記各サイドシール部の前記長手方向下方には、各サイドシール部による前記収納部の輪郭線よりも前記収納部側に突出された突出シール部が設けられ、各突出シール部は前記長手方向に対して略同一の高さに配置されており、各突出シール部には収納部側に最も突出された頂部があり、少なくとも前記頂部における突出シール部のシール幅が、サイドシール部のシール幅の0.5倍ないし1.5倍の幅に設定されていることを特徴とする医療用容器。
(2) 前記長手方向に沿う前記突出シール部の長さが、前記収納部の長手方向の高さの40%未満の寸法に設定されていることを特徴とする前項(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記突出シール部が山型形状であって、前記頂部の角度が90°以上170°以下の範囲に設定されていることを特徴とする前項(1)または前項(2)に記載の医療用容器。
(4) 前記サイドシール部からの突出シール部の突出高さが、前記収納部の短手方向の長さの2%以上30%以下の寸法に設定されていることを特徴とする前項(1)ないし前項(3)のいずれかに記載の医療用容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明の医療用容器は、サイドシール部下方に突出シール部を設けているので、容器を吊り下げ状態で液体等の内容物を充填した場合に、当該突出シール部の箇所において集中して容器両サイドの折れ曲がりが生じる。従って、容器毎の変形のバラツキをなくすことができ、その結果、異物混入検査における良否判定精度を高めることができる。
【0011】
また、製造時の変形のバラツキを抑えることができる結果、不規則な折れ癖が生じず、最終製品の梱包時の容器形状が一定になり、梱包作業が容易になるとともに、梱包体との摩擦によるピンホール発生も防止することができる。
【0012】
さらに、突出シール部の頂部シール幅がサイドシール部幅と略同一であるので、落袋時の突出シール部への応力集中を避けることが可能となり、落袋強度を向上することができる。
【0013】
なお、本発明の医療用容器は、医療用輸液バッグとして好適であるが、用途が医療用に限定されるものではなく、例えば飲料その他を収納するバックに適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の一例である医療用容器の平面模式図であって、内容物充填時の状態を図示した模式図を示し、図2には図1のA−A’線に対応する断面模式図を示す。また、図3には本実施形態の他の例である医療用容器の平面模式図を示す。
図1および図2に示す医療用容器1は、対向する2枚のフィルム2、2の周囲同士がシールされることによって縦長の扁平袋状に形成されてなる収納部3と、収納部3の連通される注入部4とが備えられて概略構成されている。2枚のフィルム2、2は、各フィルムの周辺部においてシール部5によりシールされている。シール部5は、注入部4の取付位置を除いた収納部3のほぼ全周に渡って略環状に形成されている。
【0015】
収納部3は、柔軟性のある2枚のフィルム2、2と、シール部5とによって縦長の扁平袋状に形成されている。この収納部3は、液体等の内容物が充填された際に、当該内容物の圧力によりフィルム2、2が変形されることで、扁平状態から膨れた状態に変形するように構成されている。収納部3の容量は100mLないし5L程度とされている。
【0016】
また図1に示すように、注入部4は、内容物充填時において収納部3の長手方向上側(図中上側)となる位置に配設されている。注入部4は、合成樹脂製のポート4aから構成されている。ポート4aは、2枚のフィルム2、2間に狭持されることによってフィルム2、2に保持されて収納部3と連通されている。なお、注入部4はポートに限らず、チューブ等により構成してもよい。
また、注入部4としては、ポートに限らず、図3に示すように収納部3の上部のフィルム2、2が単にシールされていない未シール部からなる開口部4bでもよい。
【0017】
収納部3に内容物が充填された後、ポート4aにはゴム栓体などで封がされ、未シール部からなる開口部4bは、単にシールにより封止されたり、片側閉口したポートやチューブを狭持して封止される。これらポートやチューブは医療用容器が使用される際には注射針などを用い、注出口として使用される。
【0018】
フィルム2、2は柔軟性のある合成樹脂からなり、好ましくはポリオレフィン系樹脂で構成されており、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンからなるものである。また、フィルム2、2は単層または多層で構成され、その厚みはおよそ100〜500μm程度である。さらに、フィルム2、2にはアルミニウム箔などがラミネートされていてもよい。また、注入部4に用いられるポートは、合成樹脂からなり医療用容器本体に用いられるものと同様の合成樹脂からなる。
【0019】
また図1に示すように、シール部5は、縦長の収納部3の長手方向に沿って延在する一対のサイドシール部5a、5aと、収納部3の下方において収納部3の短手方向に沿って延在し、かつサイドシール部5a、5a同士を連結する底部シール部5bと、収納部3の上方においてサイドシール部5a、5a同士を連結するとともに注入部4を挟む上部シール部5cとから構成されている。サイドシール部5a、5a、底部シール部5bおよび上部シール部5cが相互に連続して略環状のシール部5が形成されている。
【0020】
サイドシール部5a、5aの収納部長手方向下方には、各サイドシール部5a、5aによる収納部3の上下方向の直線部である輪郭線3aよりも収納部3側に突出された突出シール部5d、5dが設けられている。各突出シール部5d、5dは、収納部3の長手方向に沿って底部シール部5bから略同一の高さに配置されている。ここで、収納部3の長手方向下方とは、収納部の長手方向中央よりも図1中下側の領域、すなわち長手方向中央よりも注入部4から離れた側の領域をいう。
突出シール部5d、5dは、サイドシール部5a、5aによる収納部3の輪郭線3aよりも内方に突出したシール部であり、またこの突出シール部5d、5dにおいては、2枚のフィルム2、2の最外周の輪郭線2a、2aよりも内側に切欠部2b、2bを有するシール部である。
【0021】
突出シール部5d、5dの形状としては、内容物充填時に収納部3が突出シール部5d、5dで折れ曲がるのであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、図1および図4Aに示すような山形形状、図4Bに示すような円弧状、図4Cに示すような楕円形状を例示できる。さらに、図5に示すように、突出シール部5d外側に打抜部5fが設けられ、サイドシール部5aによる輪郭線2aと突出シール部5dの外周線5gが同一直線上にある形状でもよい。
【0022】
また、図1および図4並びに図5に示すように、各突出シール部5d、5dには、収納部3側に最も突出された頂部5e、5eが設けられている。そして、頂部5e、5eにおける突出シール部5d、5dのシール幅Wが、サイドシール部5a、5aのシール幅Wと略同一幅に設定されている。サイドシール部5aのシール幅Wは具体的には3mm以上15mm以下の範囲とされ、好ましくは4mm以上10mm以下の範囲とされている。突出シール部5d、5d頂部5e、5eの幅Wは、サイドシール部5a、5aと略同一幅であり、具体的には、サイドシール部のシール幅Wに対して0.5倍ないし1.5倍、好ましくは0.6倍ないし1.3倍、より好ましくは0.7倍ないし1.2倍、さらに好ましくは0.7倍ないし1.0倍にするのがよい。シール幅Wをこの範囲内にすることで内容物充填後の容器形状が一定となり、収納部3の落袋強度に優れた医療用容器となる。シール幅Wに対するシール幅Wの倍率が1.5倍を超えると、突出シール部5d、5dの柔軟性が失われ、落袋時にその突出シール部5d、5dの頂部5e、5eより破袋しやすくなり、0.5倍以下になると、落袋時に突出シール部5d、5dが剥離して液漏れする可能性がある。
【0023】
なお、図1および図4Aないし図4C並びに図5Aに示す突出シール部5d、5dはいずれも、突出シール部5d、5d全体についてシール幅が一定であるが、図5Bに示すように突出シール部全体が同一幅でなく、内方に突出した形状と外方の切欠形状が異なっていてもよい。落袋強度の観点からは、突出シール部5d全体のシール幅を一定にすることが落袋時の応力分散が広い範囲となり、落袋強度が高くなり好ましい。
【0024】
次に、図4および図5に示すサイドシール部5aによる収納部3の輪郭線3aから、突出シール部5dの頂部5eまでの高さhは、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上とする。高さhが3mm未満であると、内容物充填時にその部分から医療用容器1が折れ曲がりにくくなり、不定形になり易い。また、図6に示すように、輪郭線3aから突出シール部5dの頂部5eまでの高さhは、3mm以上の条件を満たし、かつ収納部の短手方向の幅Zに対して2%以上30%以下の範囲、好ましくは2%以上20%以下の範囲、より好ましくは2%以上10%以下の範囲とする。更に、図6に示す突出シール部5d、5dの底部シール部5bからの位置Xは、収納部3の長手方向の長さYの40%長さの位置よりも下方にある。これにより内容物充填時の医療用容器1の形態安定性が向上する。さらに前述したように各突出シール部の頂部5e、5eの底部シール部5bからの位置Xが同じ位置にあることがより好ましい。なおX,Xは、底部シール部が直線でない場合には、底部シール部の最も高いシール部からの位置である。
【0025】
また、図6に示す突出シール部5dの長さXは収納部3の長手方向の長さYに対して5%以上50%未満、好ましくは7%以上40%以下、より好ましくは、10%以上30%以下の範囲とする。突出シール部5dの長さXをこれらの範囲内とすることにより、内容物充填時の医療用容器1の変形が一定となり形態安定性が優れた医療用容器1となる。長さXが長すぎると収納部の内容積が少なくなり、長さXが短すぎると内容物充填時に突出シール部5d、5dから医療用容器1が折れ曲がりにくくなり、形態安定性が低下し易い。
【0026】
更に、図4Aに示すように、突出シール部5dが山形形状の場合、突出シール部5dの頂部5eの角度αは、90°以上170°以下の範囲が好ましく、より好ましくは100°以上160°以下の範囲である。角度αが90°未満では、落袋時に応力が突出シール部5dに集中しやすくなって破袋し易い傾向があり、角度αが170°より大きいと内容物充填時にその部分から医療用容器1が折れ曲がりにくくなり、不定形になり易くなる。また、図4Aないし図4C若しくは図5A、図5Bに示すように頂部にRを設けることが落袋時の応力が集中しにくくなり落袋強度が高くなるため好ましい。Rは5mm以上60mm以下の範囲にとすることが好ましい。Rが大きくなる程落袋強度が向上する。
【0027】
(製造方法)
突出シール部5dの作成は、予め突出シール部5dの形状を有するシール金型でサイドシール部5aと同時に形成したり、直線形状のサイドシール部5aの形状を有するシール型と突出シール部5dの形状を有する別のシール金型を用いて形成してもよい。また、突出シール部5dにおけるフィルム2、2の輪郭線2aが直線状であるシール金型でシールしてもよい。この場合、シールした後に、フィルム2、2に切欠部を全体外周部のトリミングと同時または別個に、トムソン刃やカット刃で打ち抜いて作成することができる。
【0028】
本実施形態の医療用容器1が、形態安定性に優れるにも関わらず、落袋強度に優れることの理由の詳細は明らかでないが、次のように考えられる。サイドシール部5aの外周形状が直線であって、突出シール部5dの外方に切り欠き部を有さない形状の場合には、突出シール部5dが幅広となる為その部分が硬くなる。さらに、医療用容器1としてレトルト処理が施された後ではさらにその部分が硬くなる。また、突出していることで、落袋時に突出シール部の頂部5eに応力が集中しやすく、そこから破袋しやすい。それに対して、突出シール部5dの外周部分に切欠部を有する形状であれば、突出シール部5dの柔軟性が確保され、落袋時に突出シール部5が、図7に示すように柔軟に変形することによりかかる応力が分散され、落袋時の破袋を抑制できるものと考えられる。
【実施例】
【0029】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚み250μmの単層ポリエチレンフィルムを2枚張り合わせるとともにポリエチレン製のポートをフィルムの間に挟んでシールすることにより、図1および図2に示すような医療用容器を製造した。医療用容器全体の寸法は、全長(縦)350mm、全幅150mmとした。サイドシール部のシール幅は5mmとした。またシール部により囲まれる収納部の長手方向の寸法は290mmとし、短手方向の寸法は140mmとした。突出シール部は、収納部の左右にそれぞれ1個ずつ左右対称位置に形成した。突出シール部の位置Xを60mmとし、突出シール部頂部の高さXを40mmとした。
この突出シール部の形状は、図1および図4Aに示すような山型形状であり、また図8の拡大図に示すように、頂部の先端角度αは150°であり、先端部分は10Rであった。またシール高さhは5mmであった。その突出シール部におけるフィルムの外周部は、突出シール部の形状と同じ形状に切欠けられた。突出シール部のシール幅は頂部を含め全て5mmであった。突出シール部の幅Xは41mmで、収納部の長手方向の長さYに対する幅Xの割合は14%であった。
【0030】
この容器5つに1000mLの水を入れたところ、全ての容器について左右対称に設置されている突出シール部から均一に折れ曲がった。次にポート口をシールし、110℃×30分の加熱処理し、4℃で24時間調整後、2mの水平落下試験を実施した。5つの容器を5回連続で落下したが、全て破袋しなかった。
【0031】
(実施例2)
厚み250μmの単層ポリエチレンフィルムを2枚張り合わせるとともにポリエチレン製のポートをフィルムの間に挟んでシールすることにより、突出シール部の形状以外は図1および図2に示す形状と同様の医療用容器を製造した。医療用容器全体の寸法は、全長(縦)350mm、全幅150mmとした。サイドシール部のシール幅は6mmとした。またシール部により囲まれる収納部の長手方向の寸法は290mmとし、短手方向の寸法は138mmとした。突出シール部は、収納部の左右にそれぞれ1個ずつ左右対称位置に形成した。また図9の拡大図に示すように、突出シール部の位置Xを49mmとし、突出シール部頂部の高さXは50mmとした。
この突出シール部の形状は、図9に示すような半径25mmの円弧状であった。またシール高さhは10mmであり、収納部の短手方向の寸法に対する高さhは7%であった。また、その突出シール部におけるフィルムの外周部は、先端角度が90°の山形に切欠けられた。突出シール部頂部のシール幅は5mmであった。突出シール部の幅Xは49mmで、収納部の長手方向の長さYに対する幅Xの割合は17%であった。
【0032】
この容器5つに1000mLの水を入れたところ、全ての容器について左右対称に設置されている突出シール部から均一に折れ曲がった。次にポート口をシールし、110℃×30分の加熱処理し、4℃で24時間調整後、2mの水平落下試験を実施した。5つの容器を5回連続で落下したが、全て破袋しなかった。
【0033】
(実施例3)
厚み250μmの単層ポリエチレンフィルムを2枚張り合わせるとともにポリエチレン製のポートをフィルムの間に挟んでシールすることにより、図1および図2に示すような医療用容器を製造した。医療用容器全体の寸法は、全長(縦)350mm、全幅150mmとした。サイドシール部のシール幅は5mmとした。またシール部により囲まれる収納部の長手方向の寸法は290mmとし、短手方向の寸法は140mmとした。突出シール部は、収納部の左右にそれぞれ1個ずつ左右対称位置に形成した。また図10の拡大図に示すように、突出シール部の位置Xを52mmとし、突出シール部頂部の高さXを40mmとした。
この突出シール部の形状は、図10に示すような山形形状であり、頂部の角度αが160°であり、シール高さhは2mmであり、収納部の短手方向の寸法に対する高さhは1%であった。また、突出シール部におけるフィルムの外周部には突出シール部の形状と同一形状の切欠けを設けた。突出シール部のシール幅は頂部を含めて全て5mmであった。突出シール部の幅Xは26mmで、収納部の長手方向の長さYに対する幅Xの割合は9%であった。
【0034】
この容器5つに1000mLの水を入れたところ、左右対称に設置されている突出シール部以外から折れ曲がった容器が1つあった。次にポート口をシールし、110℃×30分の加熱処理し、4℃で24時間調整後、2mの水平落下試験を実施した。5つの容器で実施したところ、5回連続で落下させたが、全て破袋しなかった。
【0035】
(比較例1)
厚み250μmの単層ポリエチレンフィルムを2枚張り合わせるとともにポリエチレン製のポートをフィルムの間に挟んでシールすることにより、突出シール部の形状以外は図1および図2に示す形状と同様な形状の医療用容器を製造した。医療用容器全体の寸法は、全長(縦)350mm、全幅150mmとした。サイドシール部のシール幅は6mmとした。またシール部により囲まれる収納部の長手方向の寸法は290mmとし、短手方向の寸法は138mmとした。突出シール部は、収納部の左右にそれぞれ1個ずつ左右対称位置に形成した。また図11の拡大図に示すように、突出シール部の位置Xを70mmとし、突出シール部頂部の高さXを51mmとした。
この突出シール部の形状は、図11に示すような山形であるが、その突出シール部におけるフィルムの外周部には切欠けがなく、フィルムの輪郭線が直線状であった。また頂部の角度αが120°であり、頂部先端が5Rであり、シール高さhは10mmであり、収納部の短手方向の寸法に対する高さhは7%であった。突出シール部の幅Xは40mmで、収納部の長手方向の長さYに対する幅Xの割合は14%であった。
【0036】
この容器に1000mLの水を入れ、次にポート口をシールし、110℃×30分の加熱処理し、4℃で24時間調整後、2mの水平落下試験を実施した。5つの容器で実施したところ、3回目の落下で突出シール部の頂部付近のフィルムに切れ目が入り、破袋した容器が見られた。
【0037】
(比較例2)
厚み250μmの単層ポリエチレンフィルムを2枚張り合わせるとともにポリエチレン製のポートをフィルムの間に挟んでシールすることにより、突出シール部の形状以外は図1および図2に示す形状と同様な形状の医療用容器を製造した。医療用容器全体の寸法は、全長(縦)350mm、全幅150mmとした。サイドシール部のシール幅は5mmとした。またシール部により囲まれる収納部の長手方向の寸法は290mmとし、短手方向の寸法は140mmとした。突出シール部は、収納部の左右にそれぞれ1個ずつ左右対称位置に形成した。また図12の拡大図に示すように、突出シール部の位置Xを60mmとし、突出シール部頂部の高さXを40mmとした。
この突出シール部の形状は、図12に示すような山形形状であり、頂部の角度αが150°であり、シール高さhは5mmであり、収納部の短手方向の寸法に対する高さhは4%であった。また、突出シール部におけるフィルムの外周部には突出シール部の形状と同一形状の切欠けを設けた。突出シール部のシール幅は頂部を含めて全て2mmであった。突出シール部の幅Xは41mmで、収納部の長手方向の長さYに対する幅Xの割合は14%であった。
【0038】
この容器に1000mLの水を入れ、次にポート口をシールし、110℃×30分の加熱処理し、4℃で24時間調整後、2mの水平落下試験を実施した。5つの容器で実施したところ、3回目の落下で突出シール部の頂部付近のフィルムのシール部分が剥離し、破袋した容器が見られた。
【0039】
(比較例3)
厚み250μmの単層ポリエチレンフィルムを2枚張り合わせるとともにポリエチレン製のポートをフィルムの間に挟んでシールすることにより、突出シール部を設けなかった以外は図1および図2に示す形状と同様な形状の医療用容器を製造した。医療用容器全体の寸法は、全長(縦)350mm、全幅150mmとした。サイドシール部のシール幅は5mmとした。またシール部により囲まれる収納部の長手方向の寸法は290mmとし、短手方向の寸法は140mmとした。
【0040】
この容器5つに1000mLの水を入れたところ、医療用容器の下方が水滴状に膨れて著しく変形した。また、容器の折れ曲がり方も容器によって様々であった。次にポート口をシールし、110℃×30分の加熱処理し、4℃で24時間調整後、2mの水平落下試験を実施した。5つの容器で実施したところ、5回連続で落下させたが、全て破袋しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の実施形態である医療用容器の一例を示す図であって、内容物充填時の状態を図示した平面模式図である。
【図2】図2は、図1のAA’線に対応する断面模式図である。
【図3】図3は、本実施形態の医療用容器の他の例を示す平面模式図である。
【図4】図4は、突出シール部の形状を示す平面模式図であって、Aは山型形状とした例であり、Bは円弧状とした例であり、Cは楕円状とした例である。
【図5】図5は、突出シール部の形状を示す平面模式図であって、Aは突出シール部外側に打抜部を設けた例であり、Bは突出シール部のシール幅を不均等にした例である。
【図6】図6は突出シール部と収納部との寸法関係を説明するための平面模式図である。
【図7】図7は、突出シール部の作用を説明する平面模式図である。
【図8】図8は、実施例1の突出シール部の拡大図である。
【図9】図9は、実施例2の突出シール部の拡大図である。
【図10】図10は、実施例3の突出シール部の拡大図である。
【図11】図11は、比較例1の突出シール部の拡大図である。
【図12】図12は、比較例2の突出シール部の拡大図である。
【符号の説明】
【0042】
1…医療用容器、2…フィルム、3…収納部、3a…収納部の輪郭線、4…注入部、5…シール部、5a…サイドシール部、5d…突出シール部、5e…頂部、W…突出シール部のシール幅、W…サイドシール部のシール幅、X…突出シール部の長さ、Y…収納部の長手方向の高さ、h…突出シール部の突出高さ、Z…収納部の短手方向の長さ、α…突出シール部の頂部の角度

【出願人】 【識別番号】595159530
【氏名又は名称】昭和電工プラスチックプロダクツ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋堀留町一丁目9番10号
【識別番号】000238201
【氏名又は名称】扶桑薬品工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区道修町1丁目7番10号
【出願日】 平成16年9月21日(2004.9.21)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【公開番号】 特開2006−87480(P2006−87480A)
【公開日】 平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願番号】 特願2004−273340(P2004−273340)